■将来の戦車三〇〇両体制
ペントミック師団としての五単位師団案について,無理に新防衛大綱に基づく戦車300両体制に拘るのではなく将来の戦車300両体制を展望しつつ、その過渡案を前回に続き考えてみましょう。
師団は五個連隊、旅団は三個連隊、連隊戦闘団の編成は統合、と。普通科連隊は本部管理中隊に第一中隊と第二中隊に第三中隊と編成を師団旅団共に統合化し、師団は五個普通科連隊基幹、旅団は三個普通科連隊基幹、戦車大隊や戦車中隊、特科連隊か特科隊か、という編成単位の区分は師団が五単位部隊で旅団は三単位部隊として編成する、教育訓練も統合化でき、連隊管区が連隊の能力均等化により配置が合理化できる、ペントミック師団案とはこうしたものです。
機械化大隊を基幹とする旅団普通科連隊基幹の5単位編成師団、しかし機械化大隊の骨幹となる戦車中隊をどうするか、ということになります、現行の14両編成、4両編成小隊3個基幹に本部所要2両を加えた編成を採りますと、5個中隊で70両必要となります、戦車連隊ということで勇壮な編成ですが、これでは陸上自衛隊全体で必要な戦車数が1998年頃の自衛隊戦車定数が必要となってしまうでしょう、すると縮小する他ない。
8個師団6個旅団、その戦車中隊所要は、師団所要40個、旅団所要18個、となります、この場合縮小編制として10両、即ち各戦車小隊3両編成と中隊本部1両を基本とし、小隊陸曹は戦車ではなく軽装甲機動車を以て機動させる小型の中隊を採った場合でも必要戦車定数は580両、ここに機甲師団所要170両を含めますと全体で750両となります。戦車定数300両という転換を前に少々大袈裟な定数かもしれませんが、十年前の定数です。
50両、戦車中隊を10両編成として大隊本部所要車両を全て軽装甲機動車や装輪装甲車により充当すれば、5個中隊基幹の編成であっても50両で抑え、戦車大隊編成とすることができます。戦車数は非常に多くなるのですが、量産する事で非常に低い費用で世界最高度の戦車を取得できるので、これは一つの選択肢です。例えばレオパルド2A6のスペイン仕様車両等は1両16億円となり、M-1A1D豪州輸出費用も10式戦車よりも高いのですから。
広域師団編成案として示しました装甲機動旅団と航空機動旅団編制を採った場合の戦車定数は350両、これは現在の防衛計画の大綱に明示された300両をその枠内で採り、且つ全体の陸上防衛力の均衡を破綻させない長期的最低水準を、全国への配置による教育訓練基盤維持と、装甲戦闘車との連携を前提とした機械化大隊編成という新方式を併せての折衷案として算出した定数でした。戦車を減らすことが目的か、それとも手段なのか、と。
縮小編制の戦車中隊で装甲戦闘車ではなく装輪装甲車化された中隊という編成ですが、そもそも装甲機動旅団と航空機動旅団に分けるのではなく、現行編成を効率化するという目的で編成統一が目的なのですから、師団には5個戦闘団が置かれます、10式戦車10両と96式装輪装甲車改良型が30両に火力戦闘車5両かFH-70榴弾砲6門程度、軽装甲機動車21両、攻撃衝力は、師団がこの編成の部隊を5個持っているのですから、相応に大きい。
一応利点はこのほかあります、折衷案なのですが、装甲戦闘車を配備した場合、機関砲の射撃訓練が必要になりますが、射程が1000m以上ありますので、中演習場以上の規模でなければ射撃場が確保できません、もちろん、縮約砲の併用や、訓練機材の演習場集約と人員の転地訓練等、つまり装甲戦闘車を一定巣演習場に置き、射撃訓練と併せた訓練時のみ人員のみ高機動車により駐屯地から展開するという手段も考えられます。
もちろん、繰り返しますが攻撃衝力の持続性は低いですし不整地突破能力も低い、装甲機動旅団案と比べれば脆弱です、ただ、戦車を増勢する事で人員削減が可能となり、更に駐屯地を求める自治体の声にも対応出来、訓練面と戦術研究の体系化には有利です、無理に戦車を縮小するのではなく、全体として低い予算に抑える選択肢には、装備体系を単純化するというこの方式を広域師団案への対案の一つとして挙げてみました。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
ペントミック師団としての五単位師団案について,無理に新防衛大綱に基づく戦車300両体制に拘るのではなく将来の戦車300両体制を展望しつつ、その過渡案を前回に続き考えてみましょう。
師団は五個連隊、旅団は三個連隊、連隊戦闘団の編成は統合、と。普通科連隊は本部管理中隊に第一中隊と第二中隊に第三中隊と編成を師団旅団共に統合化し、師団は五個普通科連隊基幹、旅団は三個普通科連隊基幹、戦車大隊や戦車中隊、特科連隊か特科隊か、という編成単位の区分は師団が五単位部隊で旅団は三単位部隊として編成する、教育訓練も統合化でき、連隊管区が連隊の能力均等化により配置が合理化できる、ペントミック師団案とはこうしたものです。
機械化大隊を基幹とする旅団普通科連隊基幹の5単位編成師団、しかし機械化大隊の骨幹となる戦車中隊をどうするか、ということになります、現行の14両編成、4両編成小隊3個基幹に本部所要2両を加えた編成を採りますと、5個中隊で70両必要となります、戦車連隊ということで勇壮な編成ですが、これでは陸上自衛隊全体で必要な戦車数が1998年頃の自衛隊戦車定数が必要となってしまうでしょう、すると縮小する他ない。
8個師団6個旅団、その戦車中隊所要は、師団所要40個、旅団所要18個、となります、この場合縮小編制として10両、即ち各戦車小隊3両編成と中隊本部1両を基本とし、小隊陸曹は戦車ではなく軽装甲機動車を以て機動させる小型の中隊を採った場合でも必要戦車定数は580両、ここに機甲師団所要170両を含めますと全体で750両となります。戦車定数300両という転換を前に少々大袈裟な定数かもしれませんが、十年前の定数です。
50両、戦車中隊を10両編成として大隊本部所要車両を全て軽装甲機動車や装輪装甲車により充当すれば、5個中隊基幹の編成であっても50両で抑え、戦車大隊編成とすることができます。戦車数は非常に多くなるのですが、量産する事で非常に低い費用で世界最高度の戦車を取得できるので、これは一つの選択肢です。例えばレオパルド2A6のスペイン仕様車両等は1両16億円となり、M-1A1D豪州輸出費用も10式戦車よりも高いのですから。
広域師団編成案として示しました装甲機動旅団と航空機動旅団編制を採った場合の戦車定数は350両、これは現在の防衛計画の大綱に明示された300両をその枠内で採り、且つ全体の陸上防衛力の均衡を破綻させない長期的最低水準を、全国への配置による教育訓練基盤維持と、装甲戦闘車との連携を前提とした機械化大隊編成という新方式を併せての折衷案として算出した定数でした。戦車を減らすことが目的か、それとも手段なのか、と。
縮小編制の戦車中隊で装甲戦闘車ではなく装輪装甲車化された中隊という編成ですが、そもそも装甲機動旅団と航空機動旅団に分けるのではなく、現行編成を効率化するという目的で編成統一が目的なのですから、師団には5個戦闘団が置かれます、10式戦車10両と96式装輪装甲車改良型が30両に火力戦闘車5両かFH-70榴弾砲6門程度、軽装甲機動車21両、攻撃衝力は、師団がこの編成の部隊を5個持っているのですから、相応に大きい。
一応利点はこのほかあります、折衷案なのですが、装甲戦闘車を配備した場合、機関砲の射撃訓練が必要になりますが、射程が1000m以上ありますので、中演習場以上の規模でなければ射撃場が確保できません、もちろん、縮約砲の併用や、訓練機材の演習場集約と人員の転地訓練等、つまり装甲戦闘車を一定巣演習場に置き、射撃訓練と併せた訓練時のみ人員のみ高機動車により駐屯地から展開するという手段も考えられます。
もちろん、繰り返しますが攻撃衝力の持続性は低いですし不整地突破能力も低い、装甲機動旅団案と比べれば脆弱です、ただ、戦車を増勢する事で人員削減が可能となり、更に駐屯地を求める自治体の声にも対応出来、訓練面と戦術研究の体系化には有利です、無理に戦車を縮小するのではなく、全体として低い予算に抑える選択肢には、装備体系を単純化するというこの方式を広域師団案への対案の一つとして挙げてみました。
北大路機関:はるな くらま
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