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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

回答は個人の中、縄文の人々の中 (愛とゆるし 2/10)

2019-04-21 | 第四章「愛とゆるし」

 私の学生時代。縄文時代は原始時代とされていて、受験勉強でも縄文草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の6つ時期に分かれているという程度のことを暗記すればよかった。それ以外に殆ど暗記することはなかった。当時の理論では、日本にはろくな文明は無かったということになっていたこともあるようだ。

 ところが、鳥浜遺跡(写真は周辺の川)が発掘されるなど、古代に丸木舟や漆製品など信じられないような遺物が存在していることが確認され、今までの常識や理論が間違っていることが分かってきたようだ。それから、最近は持続可能な社会という観点から縄文文化は世界的にとても注目を浴びているということも聴く。あるいは、東京への一極集中と地方の疲弊の中で、地方は工場ではなく観光資源・縄文という機運が高まっていることも時々耳にする。

 時代時代による理論や思惑の変化、その一方、事実としての遺構、遺跡の発掘や研究は非常に地道な作業の中で進んでいる。民俗学や心理学、遺伝子科学や天文学、植物学なども含めた研究も盛んになりつつあるようだ。地道な研究には頭が下がる。

 ところで、私も外資系企業でのビジネスの世界から全く違う世界に飛び込み、医療や福祉、教育の世界が近く感じられる。その中で名医や名カウンセラー・心理療法家に接することがあるのだが、名・・は決して権威や理論を振りかざし一刀両断するようなことはない。回答を理論の中というより、いきものとしての人間の中に求めるのだ。回答は理論ではなく、本人の中に。このスタンスは縄文の分野でも同じなのだろう。いきものとしての人間に如何に興味を持ち、縄文時代の環境下の人間を理解しようとするかだ(本人に聴けないので迫るのが限界だが)。理論は蛇の皮のように必要ではあるが、成長にあわせ脱皮するものなのだろう。蛇の目までも脱皮するというのだから、脱皮という現象は目からうろこという面もあるのかもしれない(笑)。

 6万年前後に、ホモサピエンスは滅亡の危機に直面したという理論がある。遺伝子科学の成果のようだが、当時の人口は2000人とか4000人とか言われアフリカに住んでいたようだ。それから時代が変わり今では70億人を超えるホモサピエンスが世界各国で暮らしている。しかし、危機は現代にもあり、現代社会はガラスのように脆い側面もあるようだ。今も昔も人間の本質や危機は変わって無いようにも思う。

 頭で考える理論や理想と現実の相克は続いている。そして、現実が理論・理想より生命には大事であることには変わりがないようだ。個人でも如何に自己概念を壊し、新しくなるかが問われる。

愛とゆるし 2/10

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