最近、小学校の同窓会などに3年ぶりに出かけたりできるようになり、旧交を温めることも多くなったようである。古希を過ぎ世の中も何か世紀末のようで、なんとなく夢を持ちにくく、親密感を持つこともすくなく、孫の世代に何を残せるかと罪悪感が湧いたりしたが、思いがけない趣味や仕事、時間の使い方をご教授いただいたりすると、不思議に元気になるものである。
「知」は前回の等価変換創造理論の青虫‐蝶の変化ではないが、自分の世界を劇的に変える力がある。希望を与え、生き甲斐を与え、時には自分の眠っていた個性を活性化させてくれたりする。
私は2016年に縄文小説なるものを上梓した。実際は2013年くらいから縄文時代に興味を持っていたが、縄文小説を書く中で多くの生き甲斐を頂いたようである。自費出版で知名度もない私であったが、小説が縁でいろいろな方とお友達になったりし、第二作も書き始めている。しかし小説を書くにも「知」が必要で、毎日研究と妄想を楽しんでいるといろいろ世界が変わってくる。
一番の興味の対象は宗教と人の世界で、縄文小説は縄文時代の宗教にピントを合わせるが、宗教=文化と考えるといろいろなことが気になってくる。五感の缶詰のような食の世界はどうだったか。縄文社会は女系社会とか双系社会とかいわれるが、それは具体的にどうだったのか。成人式、結婚式、葬儀・・・人生の節目はどのような人が集まりどのように過ごしたか。災害や人災はどうだったか。当時の恋愛状況はどうだったのか。そんな大きなこともあるが、日常の着物や正装はどうだったかとか、トイレやお風呂、お酒や甘味処、専門家の一生。トイレットペーパにかわるもの、土器は何故野焼きでどのような時に焼いたか。暦はどうだったか。どのような星をみていたか。大陸の文化はどのように摂取したか。空間や時間をどのように把握し表現していたのか。具体的な狩猟のしかたと獲物の処理。犬をどのように飼っていたか。納豆はあったか。甘えの構造や恥の文化はあったか・・・
具体的な小説を作ることは、もちろん楽しい研究と妄想だけではできないので修行僧のような忍耐も必要だが、知的好奇心を楽しむという意味ではとても楽しいフロンティアではないだろうか。
この楽しさをいろいろな方と分かちあいたいと思い、もし将来縄文小説が世の中で日の目を見るようであれば、「縄文小説賞」を設立してみたいと半分真面目に思っている。私はすでに年をとりすぎ成熟した縄文小説を書くことはできないが同志や後輩のために何か貢献できたらと思っている。
2/10 生き甲斐の心理学と縄文
「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」
縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。
入手方法
1.紙の本の入手については・・・
四ツ谷サンパウロさんへ 定価(1,500円+税)送料別。
電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)
住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2
なお、国会図書館、八王子市図書館でも閲覧できます。
2.電子書籍版はアマゾンさんで、1000円で購入できますが、
Kindle unlimitedなどの特典で無料でも読めます。
森裕行
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