Science is cool and fun.と16(?)歳の少女(エイミー)に言われたら、私も思わずにこっとしてしまうだろう。これは今週の月曜のNHKのTEDカンファランスの放送であった。
子どものときには誰でも好奇心に富んでいて、大人に「あれはどうして、これはどうして」と毎日疑問をもって尋ねることが普通である。ところが少しづつ年をとってくると小さいときにあれほど好奇心に富んでいたのに、何ごとにも驚かなくなってくる。
それはある意味では成長の証でもあるが、子どものときの好奇心をもったまま成長することができないのだろうか。科学の一番の源となるのは素朴な好奇心のはずである。
そういう考えを実践しようとした大人の科学者(ボー・ロット)が子どもの科学を支援しようと考えた。これは一種のneotneyという概念らしい(注)。
こうして、子どもたちの疑問から出発して子どもたちが実験を企画して、それを遊びのように行い、その成果を科学の論文に書いて、専門雑誌に投稿したら、なんと専門雑誌に掲載されたという。
なんと、その著者の一人の少女(エイミー)とその研究を支援した科学者(ボー・ロット)とがこのTEDカンファランスで報告をしていた。
エイミーがScience is cool and fun.というときのcoolとは日本語でいうと「かっこいい」という語にあたるだろうか。
ともかく、子どものときの知的好奇心を失わずに、大人になって、科学者になれるのかどうか(neotney)。今後が楽しみである。
その正否はともかくとして、世界にはいろいろな発想をする方がいるということである。私たちも学ぶところ大である。
ロット(Lotto)によれば、科学は生き方であり、科学の源はまず疑問をもつことであり、実験は遊びである。そして観察とそれのフィードバックしての、さらなる実験や観察とが研究であるという。これは多分正しい道であろう。
ここで取り上げられた研究は「ハチのような動物が人間の認識と同じように学習して、図形を認識するか」という疑問から出発した実験と観察であった。
(注) neotenyとは幼形成熟と訳されている。この幼形成熟とは広辞苑によれば、「イソギンチャク類等の動物で発生が一定の段階で止まり、幼生形のままで生殖腺が成熟して生殖する現象」だという。ここでは、子どものときの知的好奇心を失わずに、大人になって、科学者になるという概念をさす。
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