昨日、愛媛日独協会の公開講演会で二人の方の講演があった。
一人は歴史研究者(?)で第1次世界大戦と第2次世界大戦の間のオーストリア人のドイツ意識というテーマで文化的・経済的にはオーストリア単独では生きていけないという感覚が支配をしていて、ある種のドイツ意識があったという。
それもオーストリアの独自性も意識されながらであるから、葛藤があるというのとも違うかもしれないが、微妙である。その辺のニュアンスは私にはなかなか再現し難い。
二人目の方はドイツの自然エネルギーによる発電をしている村の見学をしてきた方である。トウモロコシを村で生産をして、村の電力会社に納入する。そしてこれでバイオのメタンガスを発生させて、発電に使う。
このトウモロコシはその実を使うのではなく、茎や葉もトウモロコシ全体をつかうので、効率がよい。会社は出資者に年5%の配当を出しているという。また発電をしたときに出る廃ガスを用いて95度の温水を村の各戸に供給しており、コジェネと言われている(注)。
特にドイツの冬は厳しいので、重油等による暖房が欠かせないが、その暖房用の熱源となっている。
夏には廃熱は木のチップを乾燥するのに使ったはしているが、夏には暖房はいらないので、夏の温熱の利用がいまのところ問題だという。
すべてがうまくいっているのかは話を聞いただけではわからないが、それでもなんらかの成果をおさめていることはわかる。
ソーラー発電にも取り組んでおり、村に必要な電力は自給自足ができるくらいである。
ともかくも、こういう電力事情も国の法律の整備のしかたによるのであり、送配電の分離がすでに行われているという。
(注) トウモロコシがバイオガスの生産に使えるというので、ドイツではトウモロコシの生産が急激に進んでいるそうだが、過剰供給にならないように村ではトウモロコシの作付面積を制限しているらしい。
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