近藤康太郎さんと会って話したことは実は数学のことが主ではなかった。近藤さんは東京生まれの東京育ちだし、新聞記者としてはニューヨークに3年住んでいたとか。
いわゆる田舎暮らしとは無縁の人生しか、この10年程前くらいまでは送ったことがない方である。そういう方がなぜ急に田舎暮らしに目覚めたのかというのが、あまり都会暮らしをしたことのない私の疑問であった。
彼はいう。「田舎には言うに言われぬ魅力があるのです」。私にはその辺の理由が実感としてはわからない。水田でコメ作りをしたり、鉄砲をもって猟師になったりするというのはひょっとすると都会だけでそれまで生活してきた人には言うに言われぬ魅力なのかもしれない。
それに近藤さんは毎朝15分だが、彼の高校時代の数学の先生だった、武藤徹先生の書いた高校数学のテクストを読むという生活をされているらしい。このテクストは「高校数学読本」というタイトルだったかの6冊か7冊かのシリーズ本であり、日本評論社から発行されている。1冊1冊はそれほど高価な本ではない。
世の中にはそういう長編の数学のテクストを高齢になって書いた数学の先生もいれば、それをまた高校卒業後の何十年も経ってからコツコツ読んでいるかつての教え子の読者もいるということ。どちらもうらやましい。
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