[写真]徳永エリ常任幹事会議長、岡田克也幹事長、泉健太代表、西村ちなみ代表代行、きょう2022年8月26日、参議院議員会館で、宮崎信行撮影。
立憲民主党の泉健太代表が呼びかけた両院議員総会がきょう令和4年2022年8月26日(金)午前11時から、参議院議員会館内「講堂」で開かれました。泉さんがまず両院議員総会長の阿部知子衆議院議員から川田龍平参議院議員への交代を提案。全会一致で承認されました。
この後、泉代表が、西村ちなみ代表代行、逢坂誠二代表代行、岡田克也幹事長、徳永エリ常任幹事会議長、安住淳国会対策委員長、大串博志選挙対策委員長、長妻昭政務調査会長を提案。
福田昭夫さんが「ネクスト・キャビネットをつくってほしい」、山岸一生さんが「ジェンダー平等を留意してほしい」と発言。その後、満場一致で承認されました。
小川淳也前政調会長と枝野幸男前代表に役職は示されませんでした。
ここに至る日程としては、7月10日(日)深夜に「1人区2勝のみ、比例は改選では野党第2党」との結果をみつつ泉さんは続投。その週に「8月10日総括」の日程を出しました。その後「提案型野党を標榜したことで何をやりたい政党か分からない印象を与えたので、国対、選対を見直していかなければならない」とした総括がまとまり、代表が「臨時国会前人事刷新」の日程感を打ち出しました。第210回臨時国会召集要求書を提出しながらも、人事が刷新されませんでしたが、きょう両院議員総会となりました。内定者とされた岡田さんは、今週内定者だけで話し合いを持っていたことを明かしました。
このほか、森本真治・組織委員長、大島敦・企業団体交流委員長、吉田忠智倫理委員長、金子恵美会計監査、野田国義会計監査が決まりました。
英断はネクスト・キャビネットの設置。日本の場合は、国対に置くと衆参いずれにも理事がいることもあり、長妻ネクスト官房長官として政調部会を「ネクスト大臣」とし、泉ネクスト総理が主催する「ネクスト閣議」も開く方針を示しました。若手登用も言明しました。
英国の影の内閣に範をとる、ネクストキャビネットは小沢一郎代表の民主党と、谷垣禎一捜査氏の自民党以来となります。2008年は小沢さんが側近で農林畑の山田正彦さんを「厚労相」、ものづくり日立労組出身の大畠章宏さん「金融担当相」をにつけて「勉強してこい」としながらも不平を持って山田さんが辞任したこともあり、「ネクスト総務大臣」の原口一博さんしかリアル大臣にスライドしない混乱もありました。
泉体制で執行役員は12名(女性6名)でしたが、組織委員長らを執行役員から外して9名(女性2名)となりました。
2016年4月の民主党と維新の党が合併した「民進党」では、月曜昼の執行役員会は岡田代表、松野・江田両代行、枝野幹事長らに絞られ、当初の規約通り政調会長は外れていました。このことには、山尾志桜里政調会長(当時)が不満を持ったようで、翌年に「幹事長内定」の報道が出る直前までの動きにつながったと思われます。この「民進党」は岡田代表・枝野幹事長・安住国対委員長で、蓮舫代表体制で大串政調会長。その後、「枝野代表選対」の中心が長妻さんだったということで、オリジナル立憲としては長妻さんが代表的な人物となりそうです。この6年前の少人数執行役員制に戻すよう、岡田さんが泉代表に伝えていたようです。
このあたりの2015年平和安全法制から2017年希望の党さわぎまでの主流派が「黄金の3年間」に満を持して登場した気がします。岸田文雄首相は2年1か月後の自民党総裁選が宏池会会長として一番気がかりでしょうから、野党の黄金の3年間は、第20回統一地方選でリソースを正しく配分すれば順風満帆に第50回総選挙を迎えられる確率は高く、かなり順風満帆になる公算は濃厚だと、私は考えます。
一方、下野後10年の「民主しぐさ」。
[写真]最前列で泉健太代表の話を聞く、菅直人元首相(左)。
[写真]最後列に座る野田佳彦元首相。
菅直人元首相75歳が、泉代表の最前列に陣取る気合を見せつつ、野田佳彦元首相は最後列に座りました。この10年間、野田さんが両院議員総会に現れることは珍しく、「現役だ」ということだと考えられます。きょうは枝野幸男さん、小沢一郎さんも会場におそらくいなかったと思います。福山哲郎さんは参院選後の総括からは両院議員懇談会に顔を出しているようです。
このため、おととし9月の結党以来、枝野さん、福山さん、泉さん、逢坂さん、西村さんよりも常任幹事会の流れを知る岡田克也常任顧問69歳の執念が、黄金の3年間スタートにあたっての幹事長復帰を勝ち取ったことになります。けっして派閥を作らず、身銭は切らず、落選者に電話一本せずに、常任顧問として常任幹事会には顔を出し続ける「無料の物だけ使い倒す」岡田流で幹事長復帰となり、民進系の安住さん、枝野系の長妻さん、蓮舫系の大串さんらを取り込みつつ泉代表とともに若手の登用を主導して老害批判をかわそうという岡田さんの考えが透けて見えます。
この党にはほかにも変なことがあり、執行役員会や常任幹事会に事務局長が2回に1回程度しか現れず、十数分遅れたり、前世紀は新生党秘書仲間だった中国ブロック常任幹事と肩を抱き合いながら退室したりしています。国対委員長も毎回定刻に着席しているのに、事務局長はどんな特命事項をしているのでしょうか。そして、総支部長の選任がまだら模様だという問題。この点も、泉代表が、岡田幹事長に期待していることなのは間違いないと思います。
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