宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

消費税増税で自公早くも「増税後の使い道」を議論 小沢さん歴史に1歩遅れる

2012年05月31日 19時37分53秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

【衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 2012年5月31日(木)】

 きょうは今通常国会では初めて、衆議院第1委員室に直接出向いて、7時間の審議を傍聴しました。

 中野寛成委員長の名裁きで、審議ストップが1分もなく進む「100時間審議」。当たり前といえば当たり前ですが、小沢一郎さんが自民党国対委員長の時代には考えられなかったことです。小沢さんはおそらく、この委員会の審議を聞いていないでしょうし、コンパクトに内容を伝える側近もいないでしょう。

 小沢一郎さんが時代に半歩から1歩完全に遅れたことを実感しました。

 今日と明日は税制をおもに審議します。

 兵庫県庁財政課職員として10年以上連続で予算を組んだ自民党の谷公一さんは、消費税増税分の国から自治体への配分(地方消費税と地方交付税の定率繰り入れ分)について、8%時、10%時、再増税時の配分増を要求。自民党の福井照さんは、自民党の国土強靱化プランを説明し、公共事業を増やすとともに、現政権の全国防災費について増額を要求。公明党で衆・議運委理事の遠藤乙彦さんは「消費税が社会保障の目的税になる(一体改革法案が成立する)ことは、日本国憲法第25条の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利からも望ましい」と語り、事実上、生活保護の国庫支出の安定化を意図した発言をしました。さらに、「防災減災ニューディール(社会資本の修繕)で10年間で100兆円の歳出を提案する」としました。

 これらの質問はすべて、消費増税法の成立を見越したうえで、増収分の配分で主導権を握りたいとする自民党と公明党の意図が見え隠れしました。つまり、小沢さんが「大阪の陣」と考える消費増税法案の採決日の先を、自民党と公明党はとっくに見ていることになります。小沢さんが一歩遅れたことは、ノンストップ審議の歴史の速さの前では、もう取り戻せないでしょう。マスコミ・新聞報道は若い人材を活かせばギリギリ生き残れる社もあるでしょう。

 消費増税は「社会保障4経費(子ども子育て、医療、年金、介護)の充実と財源の安定化」との一体改革。
 そして、消費増税と「身を切る努力(覚悟)」も車の両輪とされてきました。

 昨日から今日にかけて、経済成長戦略が与野党・政府とも「必要だ」として、議論の柱になってきました。

 民主党1期生の勝又恒一郎さんは「歴史と伝統のある第一委員室での初めての質問です」と切り出し、ライフイノベーション(医療イノベーション)を成長戦略として打ち出しました。勝又さんによると、医療機器マーケットは世界で年5%~8%成長しているとしました。ちなみに、私の大学同級生で医療機器メーカー社員も、昨年が入社15年目でイチバン営業が忙しかったそうです。勝又さんは「日本は医療機器を薬事法でしばってきた、世界でも少ない事例だと思う」として、小宮山洋子厚労相に善処を求めました。そして、医療機器のメーカーは80%が中小企業で、毎年およそ1200件の厚労省への申請の80%は既存機器の医師からの要請によるマイナーチェンジが多いとして、政府の取り組みで、日本の持てる力を大きく引き出せるフロンティアがあると指摘しました。神奈川県議時代から取り組んできたとしました。

 自民党の大蔵省出身で元防衛庁長官の大野功統さんは、「増税をするうえで、イチバン大事なのは経済成長です。もちろん歳出の削減もすすめていかないといけないですが」と述べると、答弁に立った副総理で規制改革も担当する岡田克也さんは「委員のご指摘の通りです」として、新成長戦略改め日本再生戦略に注目してほしいとしました。そのうえで、大野さんが増税後の歳入増をみすえて、「コンクリートから人へ、を取り消せ」と促すと、岡田さんは「それはまったく違う」としました。

 自民党総裁の谷垣禎一シャドウ首相が第179臨時国会の昨年10月31日の本会議で、平成23年度第3次補正予算(復興補正)の質問で「計上されている全国防災対策費などは全国で行われるハード事業であり、中身において、通常の建設公債発行対象経費と明確に区別が可能なものとは到底思えず、復興債及びその償還財源としての税制措置で賄わなければならない理由がわかりません」と否定的に質問演説しました。ところが、この後の予算委員会では衆参とも自民党議員が全国防災対策費に関して質問せず、大将に続かず残念でした。

 その理由がきょうようやく分かりました。

 自民党の福井照さんの質問に対して、安住淳・財務大臣(昨年9月就任)は「全国防災対策費は補正で対応しました。赤字国債でも建設国債でも(復興債でも)市中がどう見るか、国債を買う人がいないと流通しません」と答弁。さらに続けて、「福井先生のご地元の高知県でも(予算を)対応させていただきましたし、(議員傍聴席に座っている)二階(俊博)先生のご地元の和歌山県でも対応させていただきました」というと、質問者席の福井さんは真っ赤になって手を振って答弁を制そうとし、筆頭理事席の伊吹文明さんは「そんなこと関係ないよ」と強い口調で答弁をやめさせようとしました。ところが、アニキ(安住蔵相)は、「いやあ伊吹先生、関係ないといいますけれども・・・」とニヤニヤしながら答弁を続け、先輩蔵相の伊吹さんを完全に食ってしまいました。

 岡田さんは「高度成長の惰性から早く離れなければならない。企業はバブル崩壊で考えを変えた。国会だけがいまだに右肩上がりの発想だ」と指摘しました。

 福井さんは「アジアの成長を取り込むことが大事だ」とし、枝野幸男・経済産業大臣が「アジアの中間所得層を大事にし、日本を豊かさを実感できる社会、将来に希望を持てる社会にしたい」と答弁しました。

 遠藤さんは「タンザニアに、沖縄出身の30歳の日本人でビジネスで大成功し、年商300億円で100人以上を使っている同国で有名な若者がいる」として、「英語教育の見直しで、グローバルな人材の育成がソリューション(経済成長の基盤)だ」とました。「新成長戦略はいいアイディアが多いが全力を尽くす、といった精神論が多くメニュー表にとどまっており、戦略になっていない」と指摘し、私もその通りだなと感じました。「今思い付いた話ですが、マクロ経済政策基本法をつくったらどうか」と述べ、議運理事として「この委員会での徹底審議を望みます」と締めくくりました。

 
[画像]衆議院インターネット審議中継からキャプチャ、トリミング。

 そして、散会後は今日もこのシーン。岡田さんが伊吹筆頭理事に歩み寄り、打ち合わせ。きょうは逢沢一郎次席理事も「陪席」の格好で、3人で話していました。衆院第一委員室の一般傍聴席は2階にあるのですが、耳をこらすと、伊吹さんは「あすは本会議が午後1時からあるから時間が・・・」と言っていました。これが何を意味するかですが、あすの本会議の間に、修正協議の打ち合わせをしようという意味からもしれません。

 小沢一郎さんは、政権交代後に、一度も国会で発言していません。国立国会図書館の「国会会議録検索システム」で調べれば分かります。国会で発言せず、裏から操る政治が時代遅れだった上に、こうして国会でドンドンスピード感で審議が進む時代に対応できる人材が小沢グループ内にいないため、情報が入らない状態になっているのでしょう。

 さあ、前へ進みましょう。

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伊吹文明さんと岡田克也さんが密談 消費増税法案も与野党修正の手順を協議か?

2012年05月30日 20時41分18秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 2012年5月30日(水)の衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会(中野寛成委員長)の散会後に、野党理事席にあいさつに訪れた岡田克也副総理を、自民党の伊吹文明筆頭理事が呼びとめ、岡田さんを質問者席(パネラー席)に座らせて、密談する光景がありました。

 以下、衆議院インターネット審議中継からです。オレンジも丸囲みが伊吹さんと岡田さんです。

 

 

 自民党理事と民主党理事、あるいは自民党執行部と民主党執行部の法案可決・成立に向けた修正協議が遅々として進まないことに業を煮やした伊吹さんが、政府側で修正に立ち会えない、岡田さんと法案成立にむけた話し合いをした可能性があります。

 伊吹・岡田密談の効果が出てくるか、あす以降の審議で明らかになりそうです。

 この委員会では、民主党1期生が続々と質問に立っています。よく勉強し、自分の子育て体験を話すなど好感が持てますし、経済観は同党ベテランを凌いでいるように思います。しかし、いかんせん政局観に乏しく、給付つき税額控除を繰り返し質問した民主党1期生に岡田副総理が終了間際に「簡素な給付措置もよろしくお願いします」と答弁するなど、落としどころが見えない状態が続いています。参議院自民党の問責政局も含めて、伊吹さんが岡田さんに直接働きかけた可能性があり、注目されます。

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「生活保護者は全員後発医薬品(ジェネリック)に強制を」自民党の松波健太さん、「自助」打ち出す

2012年05月30日 19時36分42秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]自民党の松浪健太さん、2012年5月30日、衆議院インターネット審議中継から。

【衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会 2012年5月30日(水)】


 「年金など社会保障と税制」をテーマにした審議。「年金の最低機能強化法案」(180閣法74号)の中味の話がようやく進展しました。

 無年金者対策の「保険料納付期間の25年から10年への引き下げ」については、与党・国民新党の中島正純さんが「10年だけ納めればいい、というモラルハザードになりはしないか」との懸念を表明。ところが、野党・公明党で元厚労副大臣の石田祝稔(いしだ・のりとし、いしだ・シュクネン)さんが「我が党は10年間を言ってきた。25年から10年への短縮を評価する」と述べました。社会保障と税の一体改革担当相で副総理の岡田克也さんは「自営業者が自分の判断で、国民年金に入らない、という考えもあった時代がある」と無年金者対策への理解の深さと内に秘めたやさしさを感じさせました。

 その一方で、自民党は「自助→公助→共助」の新綱領をハッキリ打ち出しました。

 大阪10区(高槻市など)比例の自民党の松浪健太さんは「生活保護は必ず受給者と自治体のせめぎ合いがある」として、「九州の自治体で、自民党政権時代は厳しかった」と述べました。北九州市の前市長で麻生内閣参与だった末吉興一さんの「生活保護北九州方式」。市役所の行政区域ごとに相談に来た人を窓口で追い返す人数を競わせたことを評価したと思われます。そして、「私たちも仲間内で、ジェネリック(後発医薬品)を使いたいと話している」としたうえで、医療費が無料の生活保護者と不公平感があるとし、「生活保護受給者はすべてジェネリック(後発医薬品)に強制すべきだ」と厚労相の小宮山洋子さんに提案しました。医療保険のように、年齢で「前期生活保護者と後期生活保護者、稼働できる方とそうでない方に分ける」ことも提案し、小宮山さんは「稼働できる方にはなるべく働いて欲しいという点は共有している」と答弁しました。そのうえで松浪さんは「次に政権をとらないみなさんが消費税を上げてもしかたない」と吐き捨てました。

 このように松浪さんは「自助」という新綱領を全面に打ち出しました。松浪さんは冒頭、「政治の世界に入って10年。今ほど倦怠感を感じるときはない」と切り出しました。実は、松浪さんは産経新聞記者、私は日経新聞記者として同じ時期に横浜支局にいたことがあります。年齢は彼が上ですが、入社年次は同じ平成9年(1997年)でした。彼はは産経新聞では大阪本社採用ではなく、東京本社採用だったと思います。彼は県警担当が長く、一時的に横浜市役所にいるときに記者クラブの席が隣なので、話したことがあります。NHKに進んだ同級生がテレビに出ていてびっくりした、と語るフツーの人でした。大型バイクを乗り回していました。当時既に奥さんとお子さんがいらしたのではないでしょうか。すぐに青森支局に移り、その後、すぐに衆院議員になりました。すでに初当選から10年(途中落選あり)ということで、体の丈夫な健太さんは、「自助」を打ち出して、大阪と日本の閉塞感を打破して欲しいです。

 自民党の元財務副大臣の竹本直一さんは、「なぜ土地は消費税が非課税なのか」と質問しました。私は初めて知ったのですが、「土地は取引であり、付加価値をもたらさないので消費税はかからない」(安住淳財務相)そうです。知りませんでした。そのうえで、竹本さんは「住宅も非課税にすべきだ」としました。岡田さんは「私は消費税はなるべく政策目的に使うべきでないと考えている」としましたが、竹本さんは食い下がりました。この辺も自民党の支持層がどういう人かうかがわせるものがありました。

 年金の最低保障機能強化を語る以上、最終的なセーフティーネットである生活保護を語るのは不可欠です。再度、公明党の石田さんの質問。吉本興業の人気お笑い芸人次長課長の河本準一さんやキングコングの梶原さんをめぐる報道で、小宮山厚労相が「生活保護の10%削減」に言及したとされる件を問われ、小宮山さんは否定。「5年に1度の基準の見直しの年にあたり、自民党からご提案をうけている10%削減について話した」と最終決定でないことを強調しました。石田さんは「厚労相は生活保護の削減に一歩踏み出したのか」と確認したうえで、今国会で民主党参院議員の梅村聡さんが指摘した生活保護者の資産把握のために銀行の本店が一括照会するサービスについて問いただします。この中で、「きょうは全銀協(全国銀行協会)を参考人に呼ぼうとしたが、(理事会協議で?)来てもらえなかった」としました。そして、石田さんが「厚労相は全銀協に一括照会サービスを依頼したのか」と質問すると、小宮山さんは「受給要件についてより効率的で円滑な資産調査に有効なので、全銀協に前向きに検討している」との現況を説明しました。石田さんは「信金、信組、農協(JA)、漁協(JF)も対象か」とていねいに質問しました。これは公明党地方議員が生活保護申請のお世話をしているからではないかと感じました。それ自体は、違法でないばかりか、むしろ地方議員としての本来事務だと私は認識しています。



[画像]質問する石田祝稔さん、2012年5月30日、衆議院インターネット審議中継から。


[画像]答弁する小宮山洋子・厚労相、2012年5月30日、衆議院インターネット審議中継から。 

 このように、「自助」の自民党と「公助」の公明党で、公的扶助や年金の最低保障機能について、「生い立ちの違い」を感じました。

 日本共産党の高橋千鶴子さんは、「(年金の最低保障機能強化法案で)遺族年金が男性も受給できるようになった(法案だ)。賛成するそもそも、これまで男性が受給できなかったのは男女差別で、共産党は年金のあらゆる男女差別をなくす」と語りました。「共助」をうかがわせました。なお、高橋さんの質問に対して、小宮山さんは「平成24年度年金交付国債」が消費税増税を条件にしているからといって、来年度も発行するとは限らないと答弁しました。

 各党の議論はだんだん深まってきています。そろそろ、法案の修正協議を始めても良い頃合いです。委員室の雰囲気はよく、衆参与野党協議会でもいいかもしれません。じっくり、しかし、確実に一体改革関連法を成立させましょう。

 既存マスコミも、あすからは報道して欲しいです。

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小沢一郎さん、首相に「今のままでは賛成できない」岡田「総理のぶれない姿勢が明らかになった」

2012年05月30日 13時10分06秒 | その他

 野田佳彦首相(民主党代表)と小沢一郎さんの会談が30日昼過ぎ、行われ、社会保障と税の一体改革関連法案について、小沢さんは「今のままでは賛成というわけにはいかない」と答えたと報じられました。小沢さんが会談後に記者団に説明した、とのことです。

 岡田克也副総理は、2012年5月30日(水)の衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で「総理のぶれない姿勢が明らかになった」「党として合意形成をして、閣議決定して法案を出した」と答弁しました。公明党の石田祝稔さんへの答弁。

 民主党主流派内では、「小沢グループ大阪城説」が出ており、小沢グループを大阪城に集めようという考えがあります。

 小沢先生は筋を通すお方です。綸言汗のごとし。一国の総理に対して「賛成できない」と言った以上、その筋を通すでしょう。総理は勇気を出して、新進党を解党した小沢一郎さんを切るときが近づいてきました。

 ところで、けさの朝刊では、朝日新聞、読売新聞とも、前日の一体改革特別委員会の記事がありませんでした。他の新聞はベタ記事で、「岡田副総理、75歳未満の医療費自己負担3割が限界」「最低保障年金の加入期間はゼロではいけない」と答弁したことなどが伝えられました。ただし、これらはすべて今回の法案ではありません。

 朝日新聞デジタルの特設面も、月曜日で更新が止まっています。朝日朝刊の「教えて年金」の企画は国会ではなく、厚労省の官僚に取材して書いた物でしょう。開かれた国会で取材すればしがらみにならないのに、厚労省の役人に教えてもらいながら記事を書くと、しがらみができます。

 国会のことを記事にしない理由は、いろいろありますが、能力的なこともあります。

 いよいよ、私にしかできないところに来ました。私がやらずして、だれがやる。一体改革をしっかり見守っていきます。 

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運命の人・岡田・安住・玄葉3兄弟 人民元と円直接取引今週スタート、初摘発の中国スパイは松下塾関係者

2012年05月29日 21時18分52秒 | 岡田克也、旅の途中


 建国以来、未曾有の国難のなか、歴史の流れが速くなっています。

 安住財務大臣は29日の閣議後記者会見で、今週2012年6月1日(金)から、東京と上海で日本円と中国人民元の直接取引を始めると発表しました。三菱東京、みずほ、三井住友の3つのメガバンクも発表しました。

 
[写真]2012年(平成24年)6月1日(金曜日)からの日本円と中国人民元の直接取引開始を発表する安住淳財務大臣、2012年5月29日のお昼のNHKニュースから。

 29日朝の読売新聞は警視庁公安部が外国人登録証を不正に更新した可能性がある中国大使館の1等書記官に対して、出張要請したと報じました。玄葉外相は日中関係について「なんとも言いようがない。状況把握してから言いたい」と述べました。1等書記官は中国人民解放軍のスパイ組織の構成員とみられます。中華人民共和国スパイのわが国での立件は同国成立後の60年間で初めてと思われます。在東京中国大使館のスポークスマンは1等書記官は今月任期切れで帰国しているとしており、事態の長期化は必至。


[写真]2012年5月29日に発覚した中国大使館員のスパイ容疑にかかわる外国人登録証の不正更新疑惑の報道を受けて、日中外交について見通しを語る玄葉光一郎外相、NHKニュースウォッチ9から。

 さらに、松下政経塾に海外インターンとして入塾した経緯があるとしました。ちなみに、野田佳彦首相、松原仁・国家公安委員長、玄葉光一郎・外相は3人とも松下政経塾出身。日本国内で過激派(共産主義者)が絶滅寸前になったことで、仕事量が減っていると思われる公安警察(警察庁警備局長と47都道府県の公安部・警備課による任意のネットワーク)が存在感を発揮しようとしている可能性があります。昨年の臨時国会(第179回国会)では、NHK入り審議で、参院自民党議員が質問した団体について、警察庁警備局長が「警察としましては、警察法第二条に定められた公共の安全と秩序の維持という責務を果たすため、御指摘の団体を含め極左暴力集団の動向には重大な関心を有しているところであります」と従来にない踏み込んだ答弁をしています。これも公安警察が定員維持を目指しているのかもしれません。

 政治の世界では、絶対に親友はできません。赤坂や銀座で飲めば飲むほど、将来傷つく地雷が増えるだけ。国会議員の名刺は、現在でももてますから、異業種交流会でも行った方がマシです。政界の義兄弟もしかり。竹下登さんと金丸信さんは義兄弟です。比喩ではなく、本当に子ども同士が結婚しています。しかし、経世会は「竹下首相再登板」をめざす竹下系と「小沢首相」をめざす金丸系に分かれ、分裂しました。民主党内で鳩山由紀夫さんが、羽田孜さん・小沢一郎さん・岡田克也さんら「新生党」系列の議員との交流が少ないのは、鳩山さんだけが経世会竹下系だったからです。

 岡田克也さんは実社会でも3兄弟ですが、政界では、岡田克也副総理(7期58歳)、玄葉光一郎外相(6期48歳)、安住淳財務相(5期50歳)が岡田3兄弟です。冒頭の写真のように昨年の第177通常国会では、幹事長、政調会長、国対委員長として、震災を乗り切り、3党合意をつくり、民主党が与党になってから初めての成果のある国会を作り上げました。野田佳彦首相(民主党代表)をつくり、ホッとした表情でしたが、その後、3人とも閣僚となり、まさに歴史の激動のなか、運命の人になっています。


[写真]実の岡田3兄弟、左側の眼光が鋭いのが克也さん。

 昨年は3党合意を作り上げた政界の岡田3兄弟ですが、小沢グループの反発があり、輿石東幹事長に交代しました。しかし、小沢グループに配慮して起用されたその輿石幹事長は、特例公債法案の成立に向けた3党協議をしている気配がなく、国際的な日本(Japan)の経済・財政リスクは高まっています。現在、長期金利が低くなっているのは、「引き潮」に過ぎないと見るのが妥当です。

 その一方、野田佳彦首相側近は、9月の民主党代表選挙に向けて、岡田3兄弟が何か仕掛けるのではないかという疑心暗鬼があるようです。しかし、岡田3兄弟は国の安定を損ねるようなことをするような人たちでは絶対にありません。100%あり得ない邪推です。むしろ、そのような邪推をする野田首相側近に、総理と心中する心構えのありやなしやを問いたい。

 運命の人、岡田3兄弟。

 国難の中、その肩にのしかかる重荷は積み重なるばかり。

 東大卒、上智大卒、早大卒。
 官僚出身、県議出身、マスコミ出身。

 実父が立派な人という共通点はありますが、育ちは違う。竹下金丸義兄弟と違い、志のみでつながった義兄弟。

 そもそも玄葉外相が明治維新以来初めてのミッションスクール(キリスト教系教会設立の大学)出身の外相というのが、以下にこの国が人材をつぶしてきたかの裏返しです。

 to be , or not to be.that is the question.(生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ)。

 ハムレットのせりふですが、板挟みになる必要はありません。なぜなら答えは「to be」、「生きる」ことしか政治家としての選択肢はないからです。

 岡田3兄弟とともに、日本を前に進めましょう。

 大丈夫。歴史の証人になれたと思えば、ラッキーです。国は生き続けます。

 ほら、前を向いて。みんな一緒ならきっと走れるよ。岡田3兄弟の背中を強く押して、歴史の作り手になりましょう。政治を国民の手に取り戻しましょう。

円・人民元、直接取引=東京、上海で来月1日から―国内大手銀が参入表明(時事通信) - goo ニュース

2012年5月29日(火)11:53

(時事通信)
 安住淳財務相は29日の閣議後記者会見で、東京、上海両市場で円と中国の通貨・人民元を直接交換する取引を6月1日に開始すると表明した。現在の円・元の取引はほぼ全量、ドルを仲介しており、為替手数料が余分にかかっている。直接交換によりコストが削減されるため、日中貿易の拡大につながる。みずほ銀行など国内大手銀行は29日、円・元取引に参入すると発表した。

 安住財務相は「第三国通貨(ドル)を介さないことで、手数料削減や(ドル相場変動に伴う)決済リスクを低減する効果がある」と強調した。 

安住財務相は「第三国通貨(ドル)を介さないことで、手数料削減や(ドル相場変動に伴う)決済リスクを低減する効果がある」と強調した。 

 

[時事通信社]

スパイ中国書記官、玄葉外相「思い出せない」(読売新聞) - goo ニュース


 警視庁公安部がウィーン条約で禁じられた商業活動をしていたとされる在日中国大使館の1等書記官に出頭要請した問題は、政界に波紋を広げた。

 松原国家公安委員長は29日の閣議後の記者会見で、「捜査内容については答えを差し控える」としながらも、「中国の対日工作には重大な関心を払っていて、情報収集、分析に努めるとともに、違法行為については厳正な取り締まりを行う」と述べた。

  玄葉外相も記者会見で、「今朝新聞で知り、(関係課から)事情を聞いている。警視庁からの要請を受けて、外務省の職員が在京中国大使館に対応したと認識している」と明らかにした。

  ただ、日中関係への影響については「なんとも言いようがない。状況把握してから言いたい」と述べるにとどめた。自身が通った松下政経塾に1等書記官が一時在籍していたことについても、「顔も名前も思い出せない。(自分とは)一回りくらい違うので、訪ねてきたことがあるのかどうかすら分からない」と話した。

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村木厚子さん「小渕報告が出発点」子ども子育て新システムは自公案が基との認識を答弁

2012年05月29日 19時25分15秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]答弁する内閣府政策統括官(局長)の村木厚子さん、2012年5月29日(火)、衆議院インターネット審議中継から。

【衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会 2012年5月29日(火)】

 金曜日と月曜日に「子ども子育て新システム」を議題とし、今日からは「年金(最低保障機能強化と被用者年金一元化)」が議題となりました。自民党から4人が質問に立ちましたが、3人目の小渕優子さん、4人目の馳浩さんの2人がまた「子ども子育て新システム」に戻ってしまい、やはり自民党内で幼保一体化に関して、選挙も近いですし、様々な議論があることをうかがわせました。

 小渕優子さんは、市町村による認証こども園から、市町村の「指定」による総合こども園について、もっと市町村に政策の裁量を持たせるよう要望しました。しかし、これだと首長が幼稚園経営者である場合があり、市町村によっては、首長の顔色をうかがうことになり、反対です。例えば、文部科学省でスポーツ・科学技術(放射能関係含む)を担当している文科副大臣の奥村展三さんも理事長を務める学校法人が幼稚園を3つ経営しています。ただし、奥村さんはこの委員会に出席していませんし、大臣就任後も幼稚園に関する答弁をしたことがありません。このように政治家の身近なところには、学校法人理事長や、社会福祉法人理事長がいます。「指定」にすることが子ども子育て新システムの味噌です。

 小渕優子さんが内閣府少子化担当大臣だったとき、認証こども園の低迷てこ入れ策について出したリポートが「小渕報告」。これについて、小渕さんの後に質問した馳浩さん(石川1区比例)が質問しました。こういったチームプレーは自民党がうまいところです。小渕報告は参照先は、「今後の認定こども園制度のあり方について」(内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/06kodomoen/pdf/sh-2.pdf)。

 馳さんは内閣府共生社会担当政策統括官(局長)の村木厚子さんに答弁を求めました。

 ここで初めて知ったのですが、2009年3月の小渕報告には村木さんは厚労省(保育所)側から関わったそうです。そして、2012年3月に国会に提出した子ども子育て新システムには内閣府(総合こども園)側から関わったそうです。村木さんは「その間に職業生活に中断がありましたが、戻ってきましたときに、小渕報告が出発点でした」としました。また、小渕報告の2009年の際は、認定こども園がスタートしてから間もないので、「法律を変えることはやめよう」という考えがあったそうですが、政権交代もあり、時間も経ったから、今回は法律を変えるということで、子ども子育て新システム関連法案の総合こども園法案を書いたということでした。

 馳さんが求めたとはいえ、政府参考人がここまで踏み込んで答弁するのは異例。この委員会は何もかも異例づくしで新しい時代の幕開けを感じさせます。小宮山洋子・少子化担当大臣も、はじめは野党議員から部下に立ち入った質問なので顔をしかめているようでしたが、村木さんが「(総合こども園法案は)小渕報告が出発点でした」と答弁することには大きくうなずいていました。小宮山さんは部下に西村智奈美副大臣もいますが、野党時代から女性議員同士仲が良い傾向があります。この辺は自民党の中堅にも見習って欲しいところです。

 馳さんは、「野党だが、村木さんは半年ごとに野党に説明に来ていたが、そのたびに説明が変わっていた。小宮山大臣と関係団体の間で板挟みになっていたのだろう」としましたが、それが政治主導なのではないでしょうか。そのうえで、馳さんは「私学幼稚園団体の声が反映されていない」として、内閣府政務官の園田康博さんから幼稚園団体への法案の連絡が直前だったとして、「ていねいさに欠ける」とケチをつけました。馳さんには「私学幼稚園団体の声」も大事ですが、保護者とこどもを大事にして欲しいですね。


[写真]ついに出た。自民党幼稚園族を代表して質問に立った馳浩さん、後ろの保育族・田村憲久さんと同床異夢か?。

 この日の委員会は午前9時から午後7時12分まで。中野寛成委員長はまったく疲れ知らずでした。この委員会について、寛成さんに「長時間になりますね」と声をかけたら「大丈夫だよ、座っているだけだから」という長老の何気ないひと言。頼もしい限り。

 自民党のあべ俊子さんからは、「マイナンバー法案は一体改革の給付つき税額控除に必須だ。なぜ、この委員会で審議しないのか」と岡田副総理に迫りました。これは変な話で、元々民主党の城島光力・国会対策委員長(神奈川10区)がこの委員会への付託を求めたのに対して、自民党の岸田文雄・国会対策委員長(広島1区)が前裁きの段階で、衆院内閣委員会に付託させるように促したはずです。ただし、きょう時点で、衆院議院運営委員会(小平忠正委員長)は同法案の付託先は決めていません。答弁を求められた岡田副総理は苦笑いしながら、「それは自民党国対に聞いてください」としましたが、あべさんは納得せず、あべさんの正直さが出ました。自民党も下野後3年が経とうとしています。新進党は野党3年にして解党してしまいました。基本的には小選挙区二大政党制に対する国会議員本人や後援会員の想像力が不足していた面があります。別段、ジュール・ヴェルヌ並みの想像力を求められたわけでもないのですが、今に振り返ると、やはり政治とは想像ではなく、目の前で実演して初めて世論が動くものだと実感します。しかし、最大の要因は、谷垣禎一さんと小沢一郎さんの人格の違い、側近の違いがすべて。谷垣さんが1人の離党者も出していないのは特筆に値します。

 その中で、公明党の遠山清彦さんが第159通常国会(2004年年金未納国会)などで参院厚生労働委員会理事を務めたころ、民主党の森裕子理事らから「小泉純一郎首相の年金記録を見せないと審議に応じない」と言われ、1日に7回理事懇談会を開いたことを披露。そのうえで、質問のなかで「そろそろ過去(民主党が野党時代)の経緯にふれるのはやめようと思います」と語り、前に進みました。与野党問わずベテラン議員が「100時間審議」を求めた理由が分かってきました。

 審議時間はきょうで40時間に乗りました。

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[お知らせおわり]  


「育児休業中の大学院進学のため事業所内保育所の整備を」 山内康一さん(38) 

2012年05月28日 18時41分01秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 衆院社会保障と税の一体改革特別委員会(中野寛成委員長)は、子ども子育て新システムに関する質疑をしました。先週金曜日ときょう2012年5月28日(月)の2日間で10時間、与党から野党まで一巡しました。

 先週、党首あるいは衆院トップが出てこないと指摘しましたが、それを意識してか、公明党の池坊保子さんが「公明党は私と次に出てくる高木美智代さんの2人しか質問しないのかと言われそうですが、我が党は福祉の党なので全員が専門家です」と切り出しました。山口那津男代表が「参院議員だから出られない」というデメリットは承知のうえで2013年7月まで確実に国会に議席がある那津男さんを党首にして第46回衆院選の準備をしているのでしょうから、委員会に、衆院議員である井上義久幹事長、石井啓一政調会長が出てこないのは違和感があります。この後、社民党は衆院側トップの重野安正・幹事長が登場。本会議に次いで2度目となりました。

 さきに表題のみんなの党の山内康一さんの質問。山内さんの質問にはいつも斬新で驚くべきことがあります。山内さんは1973年8月25日生まれということで、筆者と同学年・同年齢です。筆者も大胆な発想で他人を驚かすことを子供の頃から楽しみにしている嫌な奴なのですが、山内さんのきょうの質問には驚きました。

 山内さんは、「子ども子育て新システム法案」で、(現在の幼稚園、保育所、居宅保育問わず)すべての保護者への現金給付により使いやすくなる事業所内託児所について質問。この中で、「午前9時から午後9時まで勤務というサービス残業が厳しい専門性の高い職種の人が、育児休業中に大学院で学ぼうと考える人が多くなると思う。ついては、厚労省と文科省で検討して欲しい」として、小宮山洋子・厚労大臣と平野博文・文科大臣に答弁を求めました。

 例えばご年配の方ならば、0~3歳児がいるのに大学院とはけしからん。社長も育児休業を「やっている」のに大学院とはけしからん。

 午前9時から深夜までの勤務が当たり前の共働き会社員にとって、大学院に進んでスキルアップし、昇給を目指すには、育児休業は人生で最後のチャンス。共働きでないと生きていけない複雑高度に社会化した日本を望んだのは誰でしょうか。社長さんにしても、あなたの会社が労働基準法を上回る拘束時間を社員に課していれば、育児休業中の大学院進学をとがめることはできないはずです。

 山内さんは大学生時代に、同年代で子どもを生み、シングルマザーとして大学に通っていた人がいたとして、日本には中年・壮年の学生が少ないことからも、大学内の事業所内保育所の必要性を強調しました。

 山内さんの発想には驚かされます。小泉チルドレン83人のうち、衆院生き残りの11人の1人。日曜日のテレビでは、衆院落選後参院に回った片山さつきさんを、テレビで活躍する杉村太蔵さんが批判するという小泉チルドレンバトルがありましたが、知名度は低くても連続当選したのは山内さんの方です。それも山内さんは選挙区を変え、政党を変え、再選するという唯一の離れ業をしました。

 山内さんのホームページによると、「1973年8月25日生まれ 福岡県筑紫野市で生まれました。子どもの頃は周囲は田んぼばかりで庭で蛍が見られるような田舎でしたが、いまは福岡市のベッドタウンの住宅地になりました。父は旅行会社に勤めるサラリーマンで、週末に米をつくる兼業農家でした。地元の公立小中学校に通い、ひとりで釣りに行ったり、自転車で遠くに行ったり、本を読むのが好きな子どもでした」としています。

 父はサラリーマンと強調していますが、衆議院第1議員会館の地下1階で閲覧できる国会議員資産等報告書によると、山内さんは筑紫野市に広大な山林を持っていて、これが、選挙区を変え、政党を変え、あるいは、国際基督教大学(ICU)で学び、国際協力事業団(JICA)、NPOで働くという斬新さの背中を祖先が押したのだと思います。とはいえ、ひたすらお坊ちゃんではなく、30歳代になってから大学院(ロンドン大学)に学んだときは、「自分で稼いだお金で通っているので一生懸命だった」「1時間2500円でした」と打ち明けました。それも含めて、山林を持っているから勇気があるのでしょう。山内さんは自民党1期生のころは、「童顔なので陳情を受けた際、(秘書と間違えられて)先生によろしくお伝えくださいと言われた」というどうでもいいエピソードを笑い話にしていて、ちっとも面白くない1期生にありがちな傲慢さを感じましたが、第4党国対委員長となった2期目、ぜひ、「明日(あした)への責任」を果たすために、一体改革に賛成して頂きたい。それが先祖への恩返しです。

 ところで、まったく関係ない話なのですが、金曜日の子ども子育て新システム法案の審議で、自民党を代表して登場した、同じく小泉チルドレンの永岡桂子さんは、不幸な格好(旦那さんの自殺)で衆院議員になったこともあり、年下のイケメン議員がお好きなようで、自民党時代の山内康一さんとおしゃべりするのが好きなようでした。ガソリン国会の議長室封鎖の際は、民主党の柚木道義さんのスーツをびりびりに破いてしまいましたが、これもイケメンの柚木さんにタッチしたかったからではないかと邪推しています。そして、現在、永岡さんは本会議場の議席が民主党と自民党の境界にあり、隣席の民主党1期生斉藤進さんに積極的に話しかける姿が見受けられます。斉藤さんは真面目で、本会議中は演壇に目をこらすか、与党なので事前に配られている原稿に目を通しているのですが、先輩議員の永岡さんに声を掛けられると、邪険にもできず、うなずいているようです。ちなみに、柚木さんも斉藤さんも、永岡さんと同じ厚生労働委員で、開催時間が長い厚生労働委員だと濃密になりがちなのかなと感じます。

 つまらない話で失礼しました。

 重野安正さんは、「私のところには、保育所の団体、幼稚園の団体から山のように要望書が来ている」と打ち明けました。やはり、子ども子育て新システム法案が消費税増税の技術論以上に大きな議題となりそうです。

  公明党の池坊さん。児童福祉法24条の改正について、小宮山洋子・少子化担当相は今までは「市町村には保育に欠ける子への保育の義務がある」だったのが、改正により「市町村は保育を必要とする子に必要な措置を講じなければならない」となるので、実質面でのかわりはない旨の答弁をしました。また、幼稚園、家庭内保育も含めて保護者に現金給付がいくので、「待機児童という概念そのものがなくなる」としました。地方議員が多い公明党の池坊さんは「市町村の新システム事業計画という書類を作成する負担は大きい。反映するのか」と自治体から内閣府への不満を代弁しました。

 池坊元文科副大臣が、自分の実績である「認定こども園」にこだわる中、副総理で一体改革担当相の岡田克也さんは「認定こども園がバージョンアップして進化したのが総合こども園です」と答弁しました。

 公明党の高木美智代さんが、5月26日付夕刊紙が、岐阜県警が前田武志・国土交通大臣の公職選挙法違反事件で捜査を始めたという報道があることを政府として承知しているのかとの質問に対して、政府を代表して答弁を求められた岡田副総理は「報道があったからと言っていちいち確認しない」「前田大臣だけでなく他の議員も関係しており、前田大臣に関する捜査が始まったかどうか分からない」などと答弁しました。通例は、政府参考人が「個別の事案には答えられない」と答弁するのが通例です。そのうえで、岡田さんは「一つの院が決議したことは重いが、そのことと2大臣が辞めることは関係ない」として、1ヶ月間の参議院の事実上の開店休業、閣法の成立率低下という苦境にもかかわらず、前田武志さん、田中直紀さんの両大臣を守り、「参院問責による大臣辞任の連鎖」を断ち切ろうとする民主党首脳の統一的な意思が揺るぎないことを感じさせました。そのうえで、閣法成立率が20%台の現況をふまえて、「残念なことで、ぜひ審議をすすめてほしい」と野党に迫りました。

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創価学会、第46回総選挙比例区「公明党」支援を決定 自民党支援決定は先送り

2012年05月26日 16時21分17秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

 創価学会(原田稔会長)は2012年5月24日(木)、東京新宿区信濃町の「創価学会本部別館」で中央社会協議会(原田光治議長)を開き、第46回衆院選の比例代表で「公明党(山口那津男代表)」を支持することを決定しました。選挙区では、神奈川県の地方組織が19日、北海道が20日、大阪が21日、東京が22日、兵庫も22日に、全300選挙区中9人の公明党新人・元職の公認(予定)候補を支持することを決定済み。このうち、北海道小選挙区(北海道10区)は公明党にとって立党50年目にして初挑戦になります。公明党が中央社会協議会に支持を依頼していました。自民党候補者への支持決定は、今回はありませんでした。

 創価学会中央社会協議会は公明党を支持する理由として、次の3点を挙げました。

 ①「大衆とともに」との立党精神を貫き、東日本大震災からの復旧・復興に向けた取り組みなど全国のネットワークを駆使して生活者の視点に立った政策実現に尽力している。
 ②日本再建を担うにふさわしい、見識と人格を兼ね備えた実力ある人材を公認候補として擁立している。
 ③「経済・財政の立て直し」「新しい福祉社会の実現」「政治の信頼回復」など日本再建へ向けてのビジョンと政策提言を提示している。

 としました。

 公明党は新進党解党による勢力分裂と再結集後(New Komeito)も勢力の長期低落傾向が続いており、衆院では第3党ながらわずか21議席で、議席占有率は5%を割っています。公明党国会議員と話しても、「うちは小さい党だから」が決まり文句で、「予算委員会にも(党首以外)全員で質問して、準備が相当大変だった」としています。

 公明党は菅内閣で文部科学副大臣秘書官を務めた官僚など、キャリア官僚や弁護士など30歳代の新人が続々擁立しています。第23回参院選(来年7月下旬ごろ投開票)でも40歳代の会社員などの新人を擁立しています。創価学会婦人部では、新進党を解党した小沢一郎さんを絶対に許せない、「小沢一郎は白ゆりの敵」とされていますが、来夏以降は、公明党も「もはや小沢一郎ではない」という新時代になりそうです。世代交代の時計の針は着実に進んでいます。 

 公明党北海道本部は立党50年目で初めての北海道小選挙区の闘いでは、創価学会が無所属で初めて進出し第4回参院選で、夕張炭鉱で働く創価学会員が、「炭労(炭鉱労働組合)」推薦の候補者を応援しなかったことから、炭労が創価学会員締め出しを1957年6月決議した「夕張炭労事件」を持ち出し、北海道全域の総力を結集することにしています。そのため、旧日本社会党地方組織や総評系労組が強い北海道を中心に、公明党と民主党旧社会党出身者、社民党など社会・共産主義者と公明党との距離がこじれる可能性がでてきました。最近では総評系議員が小沢グループに出席するケースが増えています。いずれにしろ、「大衆とともに」を体現できる組織はどこなのかの真価が問われ、公明党にとっては存亡の危機とも言える厳しい第46回衆院選を迎えることになります。政治はだれのものか、一人一人の有権者に一歩踏み出す勇気と、力のある者の背中を押す気づかいが求められます。

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円と元が6月にも直接取引へ 野田総理年末訪中のファクトシートが実現、貿易収支改善が確実に

2012年05月26日 08時11分48秒 | 経済

 時代の流れが速くなってきました。

 石油を輸入に頼る我が国にとって震災後の経常・貿易収支は絶望的な「出血多量」の状態が続いていきました。夏の電力不足懸念も、原子力発電というよりも、石油資源の輸入増にともなう経常・貿易赤字が懸念されます。

 26日付読売新聞1面トップは、6月以降に東京と上海に、日本円(Yen)と中国人民元の直接取引市場が開設されるという歴史的ニュースを報じました。日中は輸出も輸入も毎月12兆~14兆円規模になりますが、これまでは国際基軸通貨米ドルを通じた取引になっていました。つまり、日本も中国もともに、アメリカに手数料を支払っていたことになります。これがお互いに手数料を払わなくなれば、日本はより単価が安い日用必需品を調達でき、その分貿易支出を抑えることができ、日中の貿易収支をトントンにして、対米輸出で儲けて、中東から石油製品を買うことができます。何とか食っていける状態になります。一方、中国としては人民元の国外での流通が増えることで、国際的信用度が増し、米ドルに代わり、人民元がアジアにおける基軸通貨的存在になることも夢ではありません。まさに、win-winの関係であり、日本外務省の命名で言えば、「戦略的互恵関係」です。

 野田佳彦総理は温家宝総理と、以下の「日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化に関するファクトシート」に合意していました。2011年12月25日、素晴らしいクリスマス・プレゼントです。私も2007年12月に、野田佳彦・民主党広報委員長らと同じ訪中団に参加しましたので、例の巻物のような集合写真がますます価値が上がって家宝になります。

[外務省ホームページから引用はじめ]

日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化 ファクト・シート 平成23年12月25日
 日中両国間の拡大する経済・金融関係を支えるため,日中両国首脳は,両国の金融市場における相互協力を強化し,両国間の金融取引を促進することに合意した。これらの発展は市場主導で進められるとの原則に留意しつつ,具体的に以下の分野で協力。

(1) 両国間のクロスボーダー取引における円・人民元の利用促進

円建て・人民元建ての貿易決済を促進し,両国の輸出入者の為替リスクや取引コストを低減
日系現地法人向けをはじめとする,日本から中国本土への人民元建て直接投資
(2) 円・人民元間の直接交換市場の発展支援

(3) 円建て・人民元建て債券市場の健全な発展支援

東京市場をはじめとする海外市場での日本企業による人民元建て債券の発行; パイロットプログラムとしての,中国本土市場における国際協力銀行による人民元建て債券の発行
日本当局による中国国債への投資に係る申請手続きを進める
(4) 海外市場での円建て・人民元建て金融商品・サービスの民間部門による発展慫慂

(5) 上記分野における相互協力を促進するため,「日中金融市場の発展のための合同作業部会」の設置

 このほか,日中両国首脳は,チェンマイ・イニシアティブにおける危機予防機能の導入及び危機対応機能の更なる強化など,ASEAN+3で進められている金融協力の強化に向けた取組みを加速することに合意した。

[引用おわり]

 この件については、今国会で2月15日の衆院予算委員会の本予算(案)の一般的質疑(テレビ無し)に民主党1期生(岐阜4区比例)で登場した金融マンの今井雅人さんが「これは余り目立たないんですけれども、実はクリーンヒットだ」としています。その後、地元の市長選では今井総支部長の意に沿わない格好で、敗戦・トラブルが発生して、現在まで尾を引いていますが、この事件は他の衆院議員に非があり、今井さんはどうどうと金子一義さんとたたかって欲しいです。

 きょうは五十嵐文彦・財務副大臣が、「明日の安心対話集会」の47都道府県最後の会場である岩手県に殴り込みをかけますが、今井さんと五十嵐さんの歴史観・世界観・経済観が分かるやりとりは以下の通りです。

[国会議事録データベースから引用はじめ]

180 - 衆 - 予算委員会 - 9号 

平成24年02月15日

(前略) 

○今井委員 ぜひ、早急の結論をよろしくお願いしたいと思います。
 時間がありませんので最後の質問になりますけれども、先ほど円高の話をしましたが、それに関連しまして、ちょっと人民元の話をしたいと思うんです。
 実は、昨年の十二月二十五日、日中首脳会談において、日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化というのが発表されているんですね。これは余り目立たないんですけれども、実はクリーンヒットだと私は思っておりまして、次のページにもありますけれども、今、一番の貿易国は中国なんです。ですから、今、為替の問題は、ドル・円、ドル・円と皆さん言っていますけれども、今後は人民元ということが非常に重要になってくるわけですね。
 これは、今現在は、人民元は直接取引できませんから、一度ドルにかえて、それからまた中国国内で人民元にかえるという、これは決済リスクもあるし、それからコストも二重になりますから、企業にとっては非常に問題なわけです。しかも、これは、人民元で直接取引をすれば為替リスクの軽減にもなるということなので、これが進みますと、私、この円高対策の一つの大きな鍵になると思っておりまして、ようやく来たかなというふうに感じております。
 今、中国がだんだんと元の国際化を進めている中での合意ということではあろうかと思いますけれども、今後、これの進みぐあいとか、それから政府としての取り組みについて、最後、御答弁をお願いしたいと思います。

○五十嵐副大臣 お答えいたします。
 おっしゃるとおり、間にドルを挟むということでコストがかかりますし、それから為替の安定という意味でも、直接交換できるということは大きなメリットがあると思います。
 中国ビジネスが膨らんでいるので日本企業にとってもいいということでありますし、中国の元の国際化を支援する意味でやっているわけではありませんけれども、結果としてはなる可能性もあるということで、我が国と双方の利益のために、これからも、スモールスタートでございますけれども、規模が大きくなればメリットも大きくなるので、やらせていただきたい、こう考えております。

○今井委員 どうもありがとうございました。
 この中には、実は、債券の発行というのも書いてありますので、今、外貨準備、日本は一兆三千億ドルぐらいあると思いますけれども、財務省は通貨の比率を教えてくれませんが、相当な部分をドルで持っているのは間違いないわけで、これを少し人民元にかえていくということをすれば、これは、ドルを売って人民元を買うだけ、円相場には直接は影響ありませんから、ドル・円には余り影響はありませんので、これをやっていけば、だんだんポートフォリオの改善にもなっていきますし、それから人民元に対して円安をもたらすという好効果も出てくると思いますから、ぜひこういうことも検討していただきたいということを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。(後略)

[引用終わり] 

 ちなみに、ユーロは現在にいたるまで、一度も円とユーロの直接取引はされていません。テレビで報じられている数字は、ドルを介在した相場であり、ユーロと円の両替にはドルと円の数倍の手数料がかかります。遠くて遠い国々であり、日本製デジタルカメラなど贅沢品で利益を儲ける貿易相手です。4月2日の日銀短観を精読すると、ソフトウェアの新規設備投資は大企業よりも中小企業が多い。今の時代に伸びている産業があって、それはレンタル業です。こういったより細かいソフトウェア開発、レンタルとその管理という細かい仕事にはフロンティアがあります。私には不向きですが、日本の最大のフロンティアである女性には向いているのではないでしょうか。銀行も赤字国債を買う誰でもできる仕事ではなく、そういったフロンティアに融資すべきです。国民年金など社会保障をしっかりと整備して、頑張れる人は頑張りましょう。日本は必ず甦ります。

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一体改革特、週30時間審議完了 谷垣禎一シャドウ首相ら党首が出てこない腰抜け野党は性根を入れろ!

2012年05月25日 20時30分18秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会(中野寛成委員長)は2012年5月21日(月)~25日(金)まで連日審議し、計40時間となりました。この間、中野委員長が時計を止める「審議ストップ」はまったくありませんでした。ほとんどが3領域11法案に関する質疑で、それ以外は、後期高齢者医療制度廃止構想、歳入庁構想、平成24年度の特例公債法案(180閣法2号)や、「給付と負担」など広く社会保障と税の一体改革の周辺に関する話。当たり前のようで、当たり前でなかった国会がようやく実現しつつあります。

 残念だったのは、谷垣禎一・自民党総裁(シャドウ首相)をはじめとする党首の委員差し替えによる登板がなかったこと。正確には、火曜日に、新党きづなの内山晃代表が16分間質疑応答しました。彼は、民主党時代は年金3王子(長妻昭、山井和則、内山晃)と呼ばれたこともある厚生労働のエース格の社会保険労務士でした。ただ、同党は結党直後で、国会議員以外の支持者はイチバン少ないので、自由だったのでしょう。他の党の党首や衆院議員側トップである幹事長の登場は一人もありませんでした。社民党幹事長の重野安正さんは先々週の本会議で登場しています。これは谷垣さんははじめ各党党首が様子見をしているものと思われます。また、半世紀以上の歴史をもつ、公明党と社民党の議員からは「法案の継続審議もあるのか」との質問があり、野田佳彦首相・民主党代表が今国会中に採決すると答弁しました。

 各党様子見のチキンレースならば、これは野田政府・民主党は突っ込んだ方がいいでしょう。もちろん、消費税増税法案の第5条の削除と、年金の最低保障機能強化法案の附則第1条の施行期日の前倒し修正は必須です。私もその修正が入らなければ、賛成しません。頼もしいことに、直近の民意である昨年4月の統一補欠選挙で愛知6区で政権交代選挙の雪辱を果たした自民党の丹羽秀樹さんが24日朝の質疑で、特例公債法案を通すべきだと主張しました。さすがは自民党です。安住淳財務大臣は、昨年の通常国会同様に、民自公3党の政策協議による合意で特例公債法を成立させて欲しいとお願いしました。

 朝日新聞が連日、質疑の詳報を載せており、歴史の証人としての使命を果たしています。45人の委員には、この委員会に選ばれた誇りを感じます。若干、議論にまとまりがない感じがしますが、ていねいなとりまとめができるかどうかで、次の任期につながる政治家が出てきそうです。衆議院事務局も、議事録をすばやくホームページに出して欲しいところです。

 この勝負、突っ込んだものが勝つように感じます。谷垣さん、そろそろ出てきたらどうでしょうか。

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岡田さん、ワイシャツ姿でリラックスして答弁 子どもの未来のために「100時間」辞さず?

2012年05月24日 16時50分21秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会(中野寛成委員長)は6日目(実質的な審議は4日目)になりました。NHK中継なし。月曜日午後から、木曜日午前までの正味3日間、野田佳彦首相が出席するという本予算(案)の基本的質疑並みの対応となりました。午後からは岡田克也副総理・一体改革担当大臣、小宮山洋子・内閣府少子化担当大臣(兼)厚生労働大臣、安住淳・財務大臣、川端達夫・総務大臣のラインナップで答弁しました。

 2012年の国会は5月1日からクールビズが始まっており、本会議場はジャケット使用、それ以外はジャケット不使用でOKということで、岡田さんもワイシャツ姿で答弁しました。こういうのは率先垂範というのがありますから、浸透していくでしょう。国会議事堂は風通しが悪く、蒸し暑いです。第一委員室は、本会議場よりテレビ中継の頻度が多い花舞台ですが、節電のためにもワイシャツですね。元新生党衆院議員で新党きづな国対委員長の豊田潤多郎さんも当初からワイシャツで過ごしています。

 岡田克也さんというのは、合理的、生産性が高いものを好みます。夫婦で1年間アメリカで暮らした経験も大きいようです。政治的には、東大時代、折原浩教授の自主ゼミ(卒業の要件には関係ない)で読んだマックス・ウェーバー(マックス・ヴェーバー)の影響が強いように思います。

 今時、ワイシャツ姿だとふざけている、などという有権者がいるように思えません。

 子どもたちの未来のために、100時間審議をしっかりやっていくという姿勢を岡田さんに感じます。とはいえ、100時間審議は公的に決まったことではありませんが、不文律になっています。6月中旬にも衆院で採決ということになります。もちろん消費税法案の第5条の削除と年金の最低保障機能強化法案の施行期日を2014年4月ないし公布日に修正するのは絶対であり、私もここが修正されなければ法案に反対です。

 この委員会はどういうわけか、党首が出てきません。さらに各党の衆院側ナンバーワンも登板しません。新党きづなの内山晃代表が月曜日に登場しましたが、自民党は谷垣禎一総裁(シャドウ首相)ではなく、石原伸晃幹事長、公明党は衆院側トップの井上義久幹事長ではなく斉藤鉄夫幹事長代行、みんなの党の渡辺喜美代表ではなく江田憲次幹事長。民主党が野田佳彦代表(総理)が答弁し、前原誠司政調会長、樽床伸二幹事長代行といった衆院側ナンバー1~3が登場しているのに腰が引けています。

 野党党首は様子見ではなく、ぐいぐい引っ張っていかないと選挙に勝てません。

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野田毅さん「旧内務省系は頭を下げれば甘くなる」 河本さん生活保護が念頭?

2012年05月23日 19時08分06秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会(中野寛成委員長)は2012年5月23日(水)も総理入り質疑をしました。この中で、公明党の高木美智代さんが「一体改革関連7法案の中でもっとも大事な法案は子ども子育て新システム法案だ」とし「地域型保育については、おそらく(他党も含めて)異論がないのではないか」としました。次期衆院選では30代、次期参院選では40歳代の新人が続々と公認されている公明党ですが、現在のメンバーはベテラン・中堅のため、専門性の強い議員が中心です。そのため、公明党議員が最後に話題を変えてメモを取り出して質問するのはとても重要な場合がありますが、高木さんは「野田総理は小沢元代表に会うようだが、法案を継続審査にして(次の臨時国会で)審議する考えはあるのか」との質問をしました。支持者の間でも考えが割れている、という中間集約を公明党全国本部がしている可能性があります。

 さて、話は変わりますが、お笑い芸人の河本準一さんが年収5000万円あるのに、お母さんが扶養世帯になっておらず、生活保護を受給し続けていたという話題があります。生活保護は本来は国がやるべき仕事ですが、家賃相場が違うことに代表されるように自治体ごとに柔軟な対応が必要なため、国(厚生労働大臣)が自治体(市町村長)に法定委託事務にしています。

 大蔵省出身の野田毅さんの質問の中にその理由がわかるような発言がありました。

 「旧内務省系っていうのは頭を下げると(保険料が)安くなる。(財務省国税庁が)税でそれをやったらどうなりますか」と述べました。財務省国税庁の税はオープンな申告納税方式なのに対して、旧内務省系厚労省の社会保険(日本年金機構)などは個人機密が入った情報をもとにして保険料が決まるので、保険料は頭を下げると安くなる。野田毅さんは触れていませんが、生活保護行政にも通じるところを感じました。

 そこで、野田毅さんは「組織文化が違うんだから」とし、歳入庁構想は「超長期的課題だ」として、さらには「一番の解決策は(統合構想を)止めるべきだ」としました。ちなみに、歳入庁は民主党マニフェストに入っているのですが、野田毅さんは散々マニフェスト違反を追及していて矛盾しています。しかし、野田毅さんが大蔵省出身なのはひろく知られた情報で、それとかみ合せれば、何にも不思議ではない。その、財務省と厚労省の生い立ちの違いを敷衍したうえで、「幼保一体化もそうなんだよ。田村憲久さんが害あって益なし、と言っている」と指摘しました。

 副総理の岡田克也さんは歳入庁構想について、「国民年金保険料の納入者と国税庁の納税者では所得階層が違う」という新しい論点も示しました。自民党時代は金持ち優遇の政治でしたから、郵政民営化法案も、ことの本質が分からないまま投票した有権者が続出しました。同じつては踏めません、今度こそ日本がつぶれます。育ち、資産、現在の家庭環境を踏まえた上での意見を言うべきです。私は自分の利益をドンドン言います。なぜなら、自分の利益が国益・国民益に正比例とはいかなくても、かなり比例するような生き方をしている自信と評価が私にはあるからです。

 民主党の和田隆志さんは「社会保障制度は自助・公助・共助が原則だ」とどこかで聞いたようなフレーズを持ち出しました。大変好感が持てました。自民党議員も本質的に同じ人間ですから、悪い気はしないでしょう。

 和田さんの質問に頼れるアニキ、財務大臣の安住淳さんは、「私の近所にも嫁いできてから40年間、介護に明け暮れていた人がいた」としました。安住さんのお父さんは地元の教師、校長、町長を務めましたが、「生前、父と飲んでいて、ずっと、うちの方の言葉で言えば、下の世話ばかりしてその人の人生何なんだろうねと話していた。そういう人たちが支え合うために社会や政治があるんだと感じた」と話しました。安住重彦さんは昨年3月津波で自宅が全壊した後、ヘリコプターで救出され、避難所で過ごしました。そして、年末、仲間の待つ冥土に旅立ちました。
 

[画像]父・安住重彦さんの逝去後にもかかわらず、毅然と答弁する12月5日の安住淳・財務大臣、衆院予算委集中審議、衆議院インターネット審議中継から。

 上の画像の時点では、「安住大臣の父逝去」の報道はありませんでしたが、すでに亡くなったことを知っていたはずの時間帯です。黒いネクタイで毅然と答弁していました。全壊した家は雑損控除にしようかな、という答弁もありました。消費増税法案の中には相続増税が入っています。安住さんはお母さんもきょうだいもいるし、家屋は全壊しているので、改正前後にかかわらず、非課税なのかもしれませんが、仮に現行法により非課税になったとしても、「安住淳を世に出した」という「特別控除」が仮にあれば、それだけで安住重彦さんが日本国益への貢献(明日への責任)は十分過ぎるほどです。

 小宮山洋子さんは保育について「孫も苦労している」としました。小宮山さんの孫は、世田谷でなかなか希望する保育所に入れないなど苦労したそうです。現在は入れました。和田隆志さんは「私も3歳児の父親です」。

 「こういう時こそ人は見られている」

 東日本大震災のあと、岡田克也幹事長が1期生議員に最初に発したメッセージです。

 一人一人の本性、すなわち性根(しょうね)があらわれる場所を「性根場」といい、「正念場」の語源です。引き続き正念場国会が続いています。

 例えば、自民党で平沼赳夫さんの「刺客」を務めるガッツマンで看護士のあべ俊子さんの家は分家です。あるいは社民党の照屋寛徳議員は9人兄弟の3男坊です。ご両人と話したことはないのに、なぜそんなことを知っているのか。それは2人とも今国会の予算委員会で自分が話したからです。

 あべさんは、3月5日の予算委第5分科会で、「私も実は、我が家が分家なものでございますので、今、両親の墓も含めて考えなきゃいけない」と語りました。散骨についての墓地埋葬法や刑法119条に関する質問です。

 照屋さんは3月6日の予算委・集中審議で、「私は貧農の9人兄弟の3男坊に生まれました。亡くなった両親は、サトウキビ生産と、母豚1、2頭の養豚にいそしみ、私たち9人の子供を育ててくれました。当時の我が家では、サトウキビ代と子豚を売って得る現金収入が全てでした。それでも両親は、9人の子供たちを養育し、学校へ通わせてくれた。私は、ひたすら農業に生き、死んで沖縄の土に返った両親を心の底から尊敬しております」と述べました。TPPに関しての質問です。

 与党経験がある両議員ですが、3月上旬に本予算案が衆院を通過していない状態が初めてだったので、野党議員ながら衆議院・国会の権威にかかわるという緊張感もあって、「正念場」となったのでしょう。「3月1日」というのは日本国憲法59条の予算の30日規定からして極めて緊張感の高い日ですが、2期生ながら予算委員会に起用された赤澤亮正さん。打ち切り動議提出のタイミングをねらい質疑を淡々とこなす、といった役割ではなく、ただ淡々と集中審議をし、その日はそのまま散会するというのんびりした設定で登場し、「きょうなんで岡田副総理に出席を要求したか分かります?先日、エレベーターで2人切りになったときに、『最近、俺に質問してくれないじゃないか』と言われたからなんですよ!ヒッヒー!」という謎の発言。赤澤さん、民主党がもらいたい人材ですね。

 さまざまな正念場が見える国会ですが、それは国会議員はおそれることは何もない。人材の適正配置に過ぎません。そういう意味では、新党きづなの内山晃代表以外の、各党党首、あるいは衆院側トップ幹部が一人も委員会に登場しません。様子見をしているような野党党首ならば、今の時代には必要ない。人材の適正配置で、代われ、ということになります。

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保育の最終責任者はだれ? 児童福祉法24条改正で答弁混乱 岡田副総理、法制局長官を叱責【追記有】

2012年05月22日 22時35分15秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]記者会見にのぞむ、岡田克也副総理、2012年5月22日、宮崎信行撮影。

 子どもは、社会の希望、未来をつくる力であり、安心して子供を産み育てることのできる社会の実現は、社会全体で取り組まなければならない最重要課題の一つです。
 
 児童福祉法第24条は「市町村は、(略)、それらの児童を保育所において保育しなければならない」と定めています。

 衆院社会保障と税の一体改革特別委員会中野寛成委員長)が審査している「子ども子育て新システム(幼保一元化・幼保一体化)関連法案」の一つ、「子ども子育て新システムのため56本の法律を改正・整備する法案(180閣法77号)」が成立すると次のような趣旨に書き換わります。

 「市町村は、保育の供給が不足したり、不足するおそれがある場合には、保育施設や家庭的保育事業などの利用を調整し、施設の設置者または家庭的保育事業者に要請する」。

 つまり、市町村は「保育の最終責任者」から脱することができるので、市町村の首長部局では、財政負担軽減への期待があるようです。 

 これについて、保育族であり、総合こども園など子ども子育て新システム関連法案に反対の姿勢を崩さない、自民党竹下派の田村憲久さんが2012年5月17日(木)の一体改革特の午後11時半ごろ、次のような趣旨の質問をしました。

 「現在の法律では、公立保育園で事故があった場合は、市町村に対して国家賠償請求をかけることができるはずです。今回審議している法案が成立した場合は、市町村は実施主体、責任者ではなく、あくまでも保育を監督をする、指導する立場になります。そうなった場合、一般論として考えても、設置主体の方が当然委託をして事業所に保育をさせているわけですから、そこで重大な過失や事故があって、お子さんに何かがあったときには、現行法では責任を自治体に追及し、国家賠償請求(国賠)ができると思うんですが、この法案が成立すると、できなくなるのではないでしょうか」。

 田村さんは内閣法制局長官に「現行法と子ども子育て新システム法案では、どちらの場合が(市町村の)責任はより重いか」と、児童福祉法第24条の書き換えについて、答弁を求めました。

 これに対して、山本庸幸・内閣法制局長官はおおむね次のように答弁しました。

 「市町村の責任についてのおたずねでございますが、改正の前と後で、どちらが(責任が)重いかということは一概に比較することはできないわけでございますが、おっしゃいました、保育施設において、万が一にもお子さんに事故が起きた場合には、その施設を市町村が直接運営している場合には、国家賠償責任。そうでない場合は、民法のフツーの709条による責任追及ということになると思います」。

 ここで、自民党席から「ねーそうですよね!」という声が飛びます。田村さんは早口で言葉を続けます。

 「ということは、今の制度ならば、仮に事業主が何らかの状況で、賠償請求されて、お金が払えなくなった場合、破綻した場合は、それで(損害賠償金を)もらえないんですよ。ところが、(子ども子育て新システム法案では)自治体が設置主体(で不足があるので民間に委託したの)ですから、そこからもらえるということになる」

 この「田村解釈」からすると、子ども子育て新システム法案が成立すると、何か重大な穴があくように私は感じました。田村さんが早口でまくし立てるさいちゅうに、自民党側から法制局長官に向かって、「ダメだよ、委員長が指名してから答弁しなくちゃ」と答弁を制する声が聞こえました。山本・内閣法制局長官は再答弁を求めて挙手をしていたようですが、質問者がしゃべっている以上は答弁はできません。

 この後、小宮山洋子・少子化担当大臣(厚労相兼務)は「さきほどから、一方的に論を進めている」と批判しました。

 これについて、副総理で一体改革担当大臣の岡田克也さんは散会後の午後5時半からの定例記者会見で次のように述べました。

 「政府の中で確認をしなければなりませんが、私も気になって昼休みに法制局長官に確認しました。法制局長官の答弁は法律の保育所について答弁した、と。公設(保育所)において、事故があって、国賠法の対象になるというのはいわば当たり前の話であって、現行法の下でもそうではない(自治体が民間委託した)保育所について国賠法の対象になるというのは、何か(保育所に)公務員が(出向いて)過失があったりする場合を除けば、一般的には(市町村ではなく)事業所が最終的な責任を負うというのはフツーの考え方ではないか、と」とし、法制局長官の答弁は誤解を招きやすい表現だったとしてきました。

 そして、「今もそうですから、それが変わるというわけではないですね」と語りました。

 つまり、現在でも、新法でも、市町村が委託した民間の保育所・保育施設は国賠の対象になっていないということです。田村元厚労副大臣が現行法の解釈を間違っていたことになります。そうやって子ども子育て新システム法案を廃案に追い込んで、保育所利権を幼稚園にとられないようにしているのだと、推測されます。そして、法制局長官は、解釈が違うといって、入りいることができなかった。小宮山内閣府少子化担当大臣も「一方的だ」と苦言を呈するなかで、記者会見で、一体改革担当大臣として全体を見ている、岡田さんの「岡田修正」が入ったことになります。あすも午前9時からNHK入りですから、何らかの格好で、法制局長官が発言して議事録に残すよう、理事会協議や委員長采配があってほしいところです。

【追記 2015年2月9日 午前11時】

 このエントリーは初投稿から3年近く経っても、多くの方にご覧いただいています。上記の記者会見でのやりとりについて、首相官邸ウェブサイト内から引用します。

[首相官邸ウェブサイトから引用はじめ]

平成24年5月22日

岡田副総理記者会見要旨

(中略) 

(記者)

 それから、今日の自民党の田村さんの質問でありましたけれども、児童福祉法の24条の改正、これは今まで保育の最終的な責任というのは市町村にあったわけですけれども、これを改正するということで、実は、これはこの内閣府での政策形成過程、プロセスがかなり透明化されていましたので、市町村議員の間では、これはもう非常に今、話題が持ちきり、非常に有名な話ですね、この児童福祉法24条に関しては。なのですけれども、田村さんの質問では、内閣法制局長官の答弁を受ける形で、これによって、保育で市町村に最終責任が行かなくなるので、保育所あるいは総合こども園も含めてという意味でしょうけれども、市町村に対して国家賠償請求ができなくなることによって、事業主が倒産すれば、何か事故があった場合、保護者の方が、賠償先がなくなってしまうというふうな指摘がありました。これは結構、重要な指摘なのではないかなと思いますけれども、この保育の最終責任、例えば総合こども園も含めて、そういったところの最終責任はどこにあるとお考えになりますか。

(岡田副総理)
 これは、もう一度、政府の中で確認しなければいけませんが、私も気になって、法制局長官にその後、確認をいたしましたが、昼休みのときにですね。法制局長官の答弁は、公立の保育所について答弁したと、こういうことでありますので、それは公立公設の保育所側について、最後、国賠法の対象になるというのは、これはいわば当たり前の話であって、現行法の下でも、そうではない保育所について国賠法の対象になるというのは、それは公務員が何か関与して過失があったり、そういう場合は別にすれば、一般的にはそれは事業所が最終的な責任を負うというのが普通の考え方ではないかというふうに思います。そういう意味で、やや誤解を招きやすい法制局長官の答弁だったのかなというふうに私は思っております。
 なお、詳細は、よく政府の中で確認をする必要があるというふうに思っております。ですから、今もそうですから、それが変わるわけではないということですね。

(記者)
 では、また改めてということにいたします。

(岡田副総理)
 ですから、今日の委員会の結果として皆さんが報道されるとすると、それは、長官は公設のものについて国賠法の対象になっていると、今ですね。そういう答弁をしたというふうに理解をしていただければと思います。

(後略)

[引用おわり]

【追記おわり】



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◎幼保一元化、自民党内で角福戦争最終戦が勃発 竹下派・福田派、こどもと保護者そっちのけの利権争い

2012年05月22日 14時39分24秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 こども、保護者そっちのけの角福戦争が自民党内でふたたび勃発したようです。

 角福戦争とは、田中角栄さん率いる「田中・竹下派(木曜クラブ・経世会・平成研)」と、福田赳夫さん率いる「福田・安倍・森派(清和会)」の40年来の不毛な党内主導権争い。55年体制崩壊とともに消え耐えたかと思いきや、民主党政府提出の「子ども子育て新システム法案(幼保一元化・幼保一体化)」の3法案をめぐって、保育所や年金など厚生省社会保障利権を独占してきた平成研、幼稚園利権を独占し歴代会長の森喜朗さん、町村信孝さんらが文部相を務めた清和会の血みどろの最終戦争が、衆院一体改革特別委員の間で勃発したもよう。自民党総裁でシャドウ首相の谷垣禎一さん(宏池会)は党分裂の危機に追い込まれました。

 2012年5月22日(火)の一体改革特別委員会では、自民党から元文相で清和会の町村信孝委員が登場。続いて、自民党から消費税を導入した平成研の竹下登元首相の弟である竹下亘さんが参戦。この後、児童福祉法24条の修正で「保育の義務」から解放される市町村を代表して元市長で山崎派の石田真敏さんが中休みに入ります。そして、最後は3代続けて保育族のドン、平成研の田村憲久さんが自民党の締めとなります。ですから、自民党の4人は、順に、幼稚園族、保育所族、幼稚園族(市町村の保育の義務免除を喜ぶ立場)、保育所族で、まっぷたつに分かれた格好です。

 田村憲久さんは、子ども子育て新システム法案の答弁に立つ、内閣府少子化担当大臣について、厚生労働大臣である小宮山洋子さんが兼任していることを問題視。「厚労委員会は忙しい、文科省との関係もあるんですよ」と謎の発言。そのうえで、「前々任者だし、どうせこの委員会にいるんだから」として、ラインの省をもたない岡田克也副総理が内閣府少子化担当大臣を兼ねるべきだとしました。三重経済界では、田村さんの家業「日本土建」とケーブルテレビ「ztv」が、岡田屋(現イオン)をはるかに上回る発言力を持ち、田村ファミリーを3代続けて国会に送り出してきただけに、岡田さんもそうとう気色張りながら、総理の判断としました。

 田村さんは児童福祉法24条の改正により、事故があったときに、市町村に国家賠償請求ができなくなるとして、内閣法制局長官(山本庸幸さん)に質問。「改正前と改正後でどちらが重いか」との質問は難しいとの答弁ながら、田村さんは「今までは市町村に請求できたが、事業主が倒産してしまえば、請求先がなくなる」としました(田村指摘)。

 この「厚労大臣(兼)少子化担当大臣」という初の兼務は、保育所族には有利なように思いますが、現行維持が自民党族議員ののぞみだ、ということだと考えます。まだまだ謎の部分がありますので、そういったところも、私は国会審議を聞くなかで探っていきたいと考えます。 田村さんは「0~2歳児の保育の必要のない子どもまで、総合こども園で預かるのですか」とし、「(幼稚園を定めた)学校教育法に位置づける、位置づけないという話ならみすぼらしい」「(様々な環境の)すべての子どもに保育園(が必要)という話ではありませんから」「総合こども園で(都市部の)待機児童対策になるんですか」「総合こども園で質が上がるような幻想をあなたたちは植え付けようとしていますけど」などとドンドン挑発しました。

 これに先立つ前日の審議では、自民党は石原伸晃幹事長、元文科相で元財務相の伊吹文明さんに、続き、平成研で厚労委員の加藤勝信さん、平成研で元厚労副大臣の鴨下一郎さんが選抜されました。これもおそらく、幼稚園族、幼稚園族、保育所族、保育所族でバランスをとった格好。そもそも2日目に「子ども子育て新システムの集中審議」を入れることで、石原幹事長、伊吹筆頭理事の登板の機会を確保した可能性もあります。

 自民党政権が過去40年以上、こどもと保護者をそっちのけで争ってきた幼保一元化。伝統的に仲が悪く、最大派閥と第2・第3派閥だった竹下派と福田派が争っていれば、自民党で政策決定できるわけがありません。そこで、民主党政権が自民党の「消費税は上げたい」という意思と「一体改革」するということで、子ども子育て新システム法案が出てきたわけです。歴史的なことです。まあばからしいですが、これが政権交代なき独裁与党内の派閥争いの実態です。

 ですから、一体改革法案の成立は、この子ども子育て新システム法案が命運を握る可能性が高くなっています。ですから、「社会保障と税の一体改革特別委員会」のことを「消費税増税の特別委員会」などと表記している一部メディアは、今後の記事が書きにくくなると考えられます。政治部デスクは社内で他に行き場所がないのですから、法案ぐらい下読みしておけ、と言いたい。で、「一体改革なんて原作者の財務省うまくやりやがったな」と思うかもしれませんが、すでに審議入りしているのですから、この法案をしっかりと修正可決し、ねじれの参院でも成立させるのが、2012年を生きる私たちの使命であります。

 きつい言い方になりましたが、大事なのは、子どもたちの未来です。どのような家庭に育っても、しっかりとした保育と教育のうえで、小学校のスタートラインに載せてあげたい。明治9年に幼稚園、今風で言うと、お茶の水女子大学附属幼稚園になるのですが、出来たときは子どもを送り迎えする家政婦さん専用の待合室があったそうです。独のフレーベルの「キンダーガーテン」を具現化したこの、幼稚園ですが、例えば、「積み木」という遊びもフレーベルが考案した幼児教育のメソード。だから、自宅に積み木で遊ぶ子どもというのは、 明治時代なら大富豪。明治維新による豊かになった日本という国。角福戦争などどうでもいいのですが、私たちの人生の目的をたった一つに絞るのならば、それはこの明治維新で開化したまことに小さな日本国を次の世代に引き継ぐことです。

 その審議がきょうの「子ども子育て新システム法案」です。

 それにしても、新聞が本質を捉えられなくなっていることにはかなり強い危機感を覚えます。

 子どもは家庭が育てて、社会がそれを支える。子供は、社会の希望、未来をつくる力であり、安心して子供を産み育てることのできる社会の実現は、社会全体で取り組まなければならない最重要課題の一つです。もう後戻りはできません。日本国民全員の総力を結集して、幼保一元化と一体改革を実現しましょう!

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一体改革特、自民党質問がスタート 伊吹文明筆頭理事はもっとまっすぐな志でのぞめ!

2012年05月21日 17時43分05秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 一体改革特(中野寛成委員長)は2012年5月21日(月)、野党の質問が行われ、NHKで中継されました。

 まず、きょうを通じて、「小沢切り」の質問はなかったようで、国政が新しい時代に入りました。

 自民党からは「清和会」の質問者はいませんでした。清和会は森喜朗元首相(元文相)、町村信孝会長(元文相)ら「幼稚園族」が多い傾向があります。文科大臣経験がある伊吹文明さんが質問しましたが、加藤勝信さん、鴨下一郎さんら、厚生族(保育園族)が中心。あす2日目に「子ども子育て新システム」に関する集中審議があるようですが、この日程は自民党内権力抗争によるものかもしれません。

 法案は「消費税増税法案」「年金改革法案」「子ども子育て新システム(幼保一元化・幼保一体化)」の3領域7法案。

 ぶっ通しの審議、私も現地、ネット、NHKも駆使して徹底的に見ていくつもりです。この法案にメドをつけないと、解散も衆参ダブルも継続審査も、どの選択肢も何も始まりません。 

 ちょっと、今夜は私、経営者の方々の勉強にお呼ばれしておりますので、「何事も初めが関心」ですので、NHKで見ながら中間地点でのまとめをしておきます。

 トップバッターは石原伸晃幹事長で、「まずは定数是正」から入りました。まあ、その通りだと感じます。そして、こう見えても国会は進化していて、180閣法72号「社会保障の安定した財源を確保するための消費税増税法案」について、取り上げました。これまではNHK入り衆院第1委員室で、具体的な議案(予算案・法案)の中味を審議することは少なかったのが実態です。石原さんは「東京選出だから言っていると言われるかもしれないが」としながら、当ブログがすでに問題点を指摘している同法案の第5条の相続税増税に明白に反対をしました。さすがノブテルさんという感じで、修正協議ではまっさきに与野党が削除すべきでしょう。そもそも第177国会の意思として閣法から修正削除されたのと全く同じ。衆参ねじれによる熟議の国会である民自公3党協議の数少ない成果であり、衆院も参院も会派の構成が変わっていない第45期衆院・第21・22期参院の間にはやるべきではありません。財務省が国会にケンカを売っているようにも思えます。むしろ、同じ法案の第6条にある「租税特別措置法(租特)改正」にある、生前贈与をいかすことで、マネーを動かし、税収を確保すべきです。経済あっての税収であり、税収あっての財政であります。

 最大のキーマンと思われる、伊吹文明筆頭理事が2番手。まず、サミット帰りの野田総理に、先週の本会議(3時間×3回)の議事録、とくに大島理森さんや野田毅さんの議事録を取り寄せて読んで、整理したかと質問しました。野田総理はずっとひな壇で聞き、答弁もしていましたが、取り寄せていないということで、先輩財務大臣・先輩議員でもある伊吹さんは委員会が終わったら、公邸に帰って、目を通して欲しいとうながしました。

 そして、自民党政権の失敗の本質として「自信が過信になって過信がうぬぼれになった」として政権を失ったとし、「私たち反省して新しい綱領で自民党はやっていますが、なかなか国民のみなさんには理解してもらえないんですがね」とぽつり。

 で、ここで、伊吹さんの第45回衆院選の敗因認識に、野田総理、あるいは私も明らかに間違いがあるのを認めました。

 伊吹さんは前回の衆院選について、「私はいつも午前10時ぐらいに(有権者として)投票に行くが、前回の衆院選はお子さんを抱いた若い世代が連れ添って来ていた。あっこれは民主党マニフェストの子ども手当だな」と感じたとしました。これについて、野田総理は「それはいいことで次もそうあってほしい」。

 私は20歳代後半~30歳代~40歳代の子育て世代がお子さんを抱いて夫婦揃って投票にくる状況は、その2年前の第21回参院選(2007年7月)に気付いていました。伊吹さんは自分の投票所だけでしょうが、私は自転車で近所を回っています。ほとんど小学校が投票所になりますが、その投票区ごとの微妙な地域性も生まれ育ったなかで分かっているつもりです。 午前10時ではないかもしれないですが、この有権者たちは、半ズボン姿で子連れで夫婦連れです。これまでは夫婦連れは意外と少なく、社会的地位の高い者が夫婦連れを避ける傾向がありました。しかし、子育て世代は、住まいがある地域社会においては地位はあまりありません。勤める会社の名前は国際的に地位が高いかもしれませんが。そして、私は政治家と有権者の間のオピニオン・リーダーの存在が日本国には必要だと考え、この「一体改革」も「議論から説得へ」という震災後日本デモクラシーの練習場だという認識を持っていますが、この投票者は、事前に夫婦で投票行動を話し合い決めています。選挙ごとに変えています。そして、投票率は極めて高い。そして、事前の電話による世論調査には答えておらず、新聞・政党の調査に現れにくい。初めから「団塊ジュニア」を中心に人口は多く、投票率が高く、夫婦で行動し、半ズボン姿だけど雨が降っても投票率は高い。この層が政権交代の担い手であり、だから、小沢一郎氏が「全国民からの要望だ」とした「子ども手当(来月から児童手当に改称)の所得制限」に反発したんです。ちょうど、巨人の1リーグ構想に突如パリーグファンが抵抗したときに、世論が驚いたのと似た、足腰の強い世論層があるんです。

 伊吹先生は京都1区の生まれで選出です。地元の30歳代の社会を見る眼はより肥えたものがあるでしょう。実際に日本共産党の候補者に数百票差まで追い上げられた経験がありますが、そのときも最終的には勝っています。足腰の強い支持者(オピニオン・リーダー)がついているからでしょう。そのときの候補者は現在は参議院で、同党の参議院幹事長(兼)国対委員長になっています。

 伊吹さんの質問は、必死に話し合い解散のうえ、消費税増税をしようと「総理の首に鈴をつける」ものでした。しかし、そのようなテクニックは不要です。伊吹さんは自分からも昨年度3次補正のしめくくり質疑に立った話をしました。国会史上もっとも長かった2011年震災イヤー国会での、事実上、自民党の最後のメッセージでした。それは「消費税増税法案を採決せずに、マニフェストに入れて解散しなさい。うちも入れますから」。つまり、民主党政権が消費増税法を通して解散して、民主党がボロ負けしたら、自民党政権が2014年4月に消費税引き上げの政令を実施できない、という状況を畏れているのだと推測できます。そして、谷垣禎一総裁の後見人的存在であることから、9月に寝首をかきかねない石原伸晃・現幹事長を牽制する場面があるなど、なんとも自民党らしいやりとりがありました。

 しかし、伊吹先生、それは杞憂です。有権者が徐々に賢さを増しているということを何らかの手段で知るべきです。

 伊吹筆頭理事には、もう少し、まっすぐな志で一体改革特にのぞんでほしいところです。

 鴨下一郎さんは、野田さんと日本新党同期の桜。今は自民党で、官房長官への登竜門といわれる政調会長代理として、野田さんの背中を追っかけています。

 「自民党はまじめに保険料を払ってきた人の権利を守る。それが私たちのスタンス」として、自助→公助→共助の自民党新綱領をアピールしました。そのうえで、民主党が今国会に出している年金改革(受給資格25年→10年への引き下げ、共済年金の厚生年金への合併(被用者年金一元化)について、「現行制度の修正にすぎない」と、2004年年金改革(100年安心プラン)を議論の土台にすべきだとしました。ちなみに、鴨下さんは先週火曜日の本会議でも同様の質問演説をしています。

 野田さんは「自助・公助・共助の考え方に違いはない」と抱きつきながら、「国際会議に出席すると日本の財政健全化への時間は残り少ないと感じる」という趣旨の答弁を同期の桜にしました。さらに野田さんは「政治生命を懸けると言っていますが、それでも足りないくらいだと言われる」と男子の本懐を示しました。

 岡田さんは「ある市長は年金は所得の高い人にとっては掛け捨て(のようなもの)だ、と言っていた」とし、「余裕のある人は税金の範囲内で我慢して欲しい」と答弁。鴨下さんは「同感だ。所得の再分配は税の範囲内でやればいい」としました。

 自民党内がまとまっていないのが、よく分かりました。例えば、下村博文シャドウ文科大臣(清和会)は自身のブログで法案の議論に参加していますが、彼は一体改革特別委員ではありません。シャドウ副大臣の馳浩さん(清和会)は委員となっており、枠が限られていて、馳さんは森元首相(元文相)と同じ石川県連だから委員になれたのかな。そういう風に個人商店である自民党内での権力構造を邪推してみるのも現時点では楽しい。ただし、仮に参議院に送付されてからグチャグチャになったら、ややこしくて、小生ですらうんざりになります。第162通常国会の郵政民営化法案の特別委員会のように参議院でグチャグチャになるのはごめんです。多少時間はかかっても衆院段階でしっかりと修正可決しましょう。

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