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渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自治体から外郭団体への短期貸付金「単コロ」将来負担比率に加算させる改正条項は成立済み、来年施行

2016年08月22日 14時06分43秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 1年前に投稿した、次の記事は、先の第190回通常国会に「改正地方交付税法(地方交付税法を改正する法律)」のタイトルの法案に含まれて提出され、3月31日に成立しました。

 自治体から地方公社への単年度の貸付金、通称タンコロを将来負担比率に加えさせる改正条項は、来年平成29年2017年4月1日(土)に施行されることになり、総務省令が整備されていくことになっています。 

 以下、追記分を含めて、1年前の記事を全文転載します。


地方財政健全化法改正案、2016年通常国会提出の方向性 3セクへの短期貸付金追加か【追記有】

2015年08月19日 06時15分23秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【追記 2016年8月22日】

 この内容は、平成28年度当初予算関連の改正地方交付税法に盛り込まれ、ことし2016年3月31日に成立しました。下の内容の改正条項は、平成29年2017年4月1日施行で、総務省令などが整備されます。

【追記終わり】


 総務省が、平成28年2016年の通常国会(第190ないし191回国会)に、地方財政健全化法(平成19年6月22日法律94号)の改正法案を出したい意向を持っていることが分かりました。

 2015年8月19日付日経新聞が報じました。

 記事によると、自治体から第三セクターへの短期貸付金(1年未満)で、年度末に返済させて翌日に再び貸し付ける事例が、総務省の調べで37件あったようです。これは呆れ果てた話で、バランスシート(貸借対照表)上、長期貸付金(1年以上)にすべきものを、短期貸付金に。さらに言えば、「年度末ゼロ」にもできる話で、粉飾といっていいでしょう。

 これを網羅するために、3セクへの短期貸付金を含める考えがあるようです。ただし、これは牽制で、行政指導で改善する思惑があるようにも思えます。

 同法は、(1)実質赤字比率、(2)連結実質赤字比率、(3)実質公債費比率、(4)将来負担比率、そして、(5)早期健全化基準を定めています。これらを、自治体は決算後に計算し、議会と総務省に報告しなければならないとしています。

 自治体は、(1)から(4)までの数値のいずれかが、早期健全化基準を上回った場合は、財政再建団体として、財政再建計画を定めなければなりません。

 自治体の財政指標にはまず、財政力指数があり、これは、基準財政収入額を基準財政需要額で割った数値で、「1・0」を超えると財政力、とくに歳入力があることになります。

 次に、経常収支比率があり、一般財源(歳出が限定されていない歳入)のうち、人件費、公債費、扶助費(生活保護費含む)の三大義務的経費の占める割合を言います。100%を超える自治体もあります。この三大義務的経費は4月1日の時点で予算化されていないと自治体財政の存続にかかわるため、予算審議が滞っても、全会一致で暫定予算として成立させる格好となります。

 そして、地方財政健全化法が定める、実質公債費比率。これは公債の残高のみならず、一般会計・特別会計から繰り出す利払いなども含んだ金額を基準財政需要額で割った比率。

 これらに加えて3セクも含んだうえで、その日に全職員が退職したと仮定した退職金などを加えたのが、将来負担比率です。

 総務省のウェブサイトで見ることができます。 

 平成25年度2013年度決算ベースでみると次のようになります。なお、数字は適宜丸めます。

 財政健全化団体である、夕張市は750%で突出していますが、過去に比べると減ってきており、財政力指数がわずか0・2で、経常収支比率が120%なので、国の補助がなければ再生は絶対に不可能です。

 千葉市の将来負担比率は250%で、自治体順、政令市順、県内順のいずれよりも突出して高いです。ただ、これも推移をみると減ってきており、財政力指数は0・95あり、経常収支比率も95%に健全化されいます。これらの指標の推移をみると、歳出の削減で健全化しつつあるようですが、この間に行政サービスが減ったのかもしれません。一方、同県内で活気がある、浦安市、市川市、松戸市、柏市などは軒並み極めて健全な指標です。ただ、今後、経常収支比率が高まって、先行きの重しになるかもしれません。

 東京都内でも港区、武蔵野市、立川市など活気があるところは指標が良い傾向が見て取れます。今後、経常収支比率が高まる可能性もあります。

 神奈川県内では、横浜市の指標が意外と良くありません。人口減がいわれる横須賀市は、財政力指数が弱いのですが、将来負担比率は低い。つまり緩やかな停滞が続きながらも自治体としての持続可能性は高いといえるのかもしれません。相模原市、厚木市は極めて良好な数字であり、街の活気を裏付けます。

 地方部は財政力指数はおしなべて低い。今世紀初頭には、青森県内のごく一部ながらも複数の町村には危機的な数字も見られましたが、今は改善傾向にあります。この辺は人口が少ないから改革しやすいと言えるでしょう。さきほどの380万自治体の横浜市とは対照的といえるかもしれません。

 その中で、長野県内自治体は財政力指数は低いのですが、将来負担比率も低く、これまでも節約型の地方財政を維持してきたことがうかがえます。ただ、世帯収入が高い川上村は意外と財政力指数が「0・25」しかなく、現在の行政サービスが過剰であるのかもしれず、将来的なリスクがあるように思えます。同じ北陸信越では、今話題の石川県金沢市は地方にしては財政力指数が高いのですが、それ以外の指標はIターンするには微妙な数字です。

 大阪府内では、政令市の大阪市と堺市を比べると興味深い。大阪市と堺市では、大阪市が軒並み不健全な数字となっています。ところが、財政力指数は大阪市が堺市よりもかなり強い。今後のやりようによっては大阪市は健全の余地、堺市は悪化の余地があるということになります。一方、高石市、泉佐野市などの財政は極めて不健全です。高石市が消防一部事務組合を堺市と組んでいるのは、この影響なのかもしれません。泉佐野市は自主的な再建はかなり難しいという見方もあるのかもしれません。

 気を付けたいただきたいのは兵庫県。高級住宅街と思われがちな自治体。芦屋市、西宮市、宝塚市の指標が悪いのがはっきり出ています。過去の推移を見てもらうと、経常収支比率が100%を超えていた時期も長く、「公務員天国」だった時期があり、今は「過去の栄光の遺産」の改善傾向にあり、今後の街の活気の伸び方が限定的になるかもしれません。同様の傾向は奈良県内にもみられます。

 今話題の薩摩川内市は、健全な傾向にあります。

 沖縄県内自治体は、歴史的経緯もあり、将来負担比率は健全です。

 このように指標が悪い自治体は、仮に健全化に成功したとしても、その間に住民が受ける行政サービスは低下するかもしれず、住宅を購入する予定がある人は、こういった数字を見ることは必須だと、私には思えます。公務員天国を批判するのは良しとしても、見返りに行政サービスが低下することも勘案する必要があります。その一方、今の活気にひかれて、港区、武蔵野市、浦安市などに住むにしても、現在の経常収支比率が低いということは、周辺から住民が流れ込み、将来的に悪化する可能性が高いともいえ、何世代も住み続ける前提の住宅購入ならば多少は考慮すべき。高齢者が賃貸住宅に住むにはいいと言えるのかも。

 このように、従来の財政力指数、経常収支比率に加えて、新しく、自治体や3セクの公債費、利払い費、退職金負担などを網羅したのが地方財政健全化法になります。

 総務省はこのエントリー記事を初投稿した時点で開かれている第189回通常国会に提出した7本がすべて6月の当初会期内に成立・公布されているほか、一部かかわった内閣府の第5次地方分権一括化法や議員立法の改正公職選挙法も施行されています。その他の公職選挙法改正案は一部審議入りしていないものもあります。

 仮に「地方財政健全化法の改正法案」が提出された場合は、平成28年度年次地方税法改正案、総額を上書きする地方交付税法改正案、NHK予算の承認を求める件の処理が終わった、平成28年2016年3月下旬以降に衆議院総務委員会で審議入りするだろうと予測されます。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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日本イラン受刑者移送条約(平成28年7月5日条約11号)を公布、2016年8月2日(火)発効

2016年07月05日 08時56分52秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 「日本イラン受刑者移送条約」(平成28年7月5日条約11号)が公布されました。

 官報に告示された条約では、「裁判国」と「執行国」を定義。受刑者の相互の移送に関しての手続きや例外などを書き込み、日本語版、英語版が掲載されました。

 それとは別に、外務省のウェブサイトによると、きのう4日、イランの首都テヘランで、外交上の公文が交換されたそうです。

 発効は、来月、2016年8月2日(火)から。

 この条約の承認を求めるの件は、昨年3月20日(金)に内閣から国会に提出され、議案番号「189条約15号」が付されました。その後9月25日(金)閉会中審査の手続きがとられ、ことし4月1日(金)から衆議院外務委員会で審査。全会一致で可決し、参議院でも全会一致となり、5月13日(金)の参・本会議で両院承認されました。

 イラン・イスラム革命後の、日イランの二国間条約発効は初めてだと思います。投資に関する二国間条約もすでに国会で承認されていますから、そのうち発効するでしょう。

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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衆法61本が閣法56本を上回ったのは憲政史上初めて 第190回通常国会の新規提出法案

2016年06月15日 14時51分41秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]民進党結党大会、2016年3月27日(日)、東京都内・品川プリンスホテル、筆者・宮崎信行撮影。

 先の通常国会で衆法(衆議院議員立法案)が61本提出され、閣法(内閣提出法案)の56本を上回ったのは、憲政史上初めてだったことが明らかになりました。特別国会・臨時国会をのぞく通常国会。

 平成28年2016年1月4日から6月1日までの第190回国会。閉会後に最大野党・民進党の山尾志桜里政調会長が15日の公約発表の記者会見で明らかにし、議会事務局が認めました。

 新規提出衆法のうち、民進党の提出(他会派との共同提出含む)は41本(前身の民主党・維新・無所属クラブ含む)。このほかの委員長起草法案がありますが、これはすべて民進党が賛同した法案です。

 これとは別に、参法は11本。このうち民進党が提出したのは事実上10本(委員長提案1本と、技術的な一本化のために自公が提出したヘイトスピーチ法案を含む)。

 大づかみに言うと、閣法が56本、いわゆる民進党対案が衆参で50本前後、超党派の委員長提出や議員連盟方式が20本前後、自公または共産党の単独提出は5本未満だったことになります。

 衆議院ウェブサイト「第190国会議員の一覧」参照。

 このエントリー記事の本文は以上です。 

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「対案は出すけど審議入りを求めない民進党」とああ言えばこう言う公明党に「あり得ない」と岡田克也代表

2016年06月09日 18時17分22秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 民進党の岡田克也代表(ネクスト首相)は、平成28年2016年6月9日、党本部で記者会見を開きました=写真・筆者宮崎信行撮影=。国会閉会中は木曜日の午後2時(開会中は金曜日の午後3時)が定例。

 先の第190回通常国会の最後の公明党演説となった、5月31日(火)の佐藤茂樹さんの演説。

 衆議院会議録のウェブサイトから。

 佐藤さんは、

 「民進党の諸君には猛省を促したい。(略)ここで、あえて、今国会における民進党の政治姿勢に対し、申し上げておきたい。(略)軽減税率導入を決めた改正所得税法等の対案として、給付つき税額控除導入法案を提出しました。ところが、民進党は、驚くべきことに、今国会中、本日まで、議運理事会や財務金融委員会理事会で、同法案の委員会審議を求めたりすることはありませんでした(略)結局、民進党が審議を求めなかったのは給付つき税額控除に自信がない証左であり、法案提出はパフォーマンスにすぎなかったということであります。」 と語りました。

 安倍自民党と公明党の常套句、「対案を出さない民主党」批判が、先の国会の会期末には、「対案を出すけど審議入りを求めない民進党」へとすり替わったわけです。

 岡田代表はこれについて「あり得ない批判だ。民進党は法案を国会に提出しているのだから、それを尊重して審議するのは当然のことであり、最後にそういう言い方をするのは理解できない」と激しく批判しました。

 佐藤さんの演説全文は以下の通り。

衆議院会議録ウェブサイトから引用はじめ]

平成二十八年五月三十一日(火曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十八年五月三十一日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

○本日の会議に付した案件

 安倍内閣不信任決議案(岡田克也君外三名提出)

    午後三時三十二分開議

○議長(大島理森君) これより会議を開きます。

(中略)

○佐藤茂樹君 公明党の佐藤茂樹です。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました安倍内閣不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 以下、四点にわたり、反対の理由を述べさせていただきます。

 第一に、安倍内閣において、我が国の経済は、民主党政権時と比較して圧倒的に前進しているということであります。

 企業の業績は大幅に改善され、その収益が着実に雇用や賃金に回っています。失業者は約六十万人減少し、失業率は三・二%と十八年ぶりの低水準で推移。有効求人倍率は一・三四倍で二十四年五カ月ぶりの高水準となっています。就業者数も三年前に比べ約百四十万人増加し、ことし三月に卒業した大学生の就職率は過去最高の九七・三%と五年連続で改善しています。政権交代前にはほとんど実施されなかったベースアップは、三年連続で多くの企業で実施され、中小企業においても、全ての地域で賃上げの割合が上昇しています。

 こうした景気回復によって、国税と地方税を合わせた税収は年々増加し、民主党政権時代に比べて、国税で十五兆円、地方税を含め二十一兆円も増加。GDPもプラス基調に転じ、八千円台まで落ち込んでいた株価も、現在は約二倍の水準に上昇しています。

 これらの取り組みが高く評価され、内閣府が今月九日に公表した社会意識に関する世論調査では、社会満足度の割合が過去最高の数値となっています。

 内閣不信任決議案ではアベノミクスの失敗などと言っていますが、これら経済指標と国民の声を完全に無視しているものであり、全く理由も根拠もない、単なるパフォーマンスにすぎないと強く申し上げるものであります。

 今後は、アベノミクスの成果を生かし、成長と分配の好循環をなし遂げ、景気回復の実感を地方へ、中小企業へ、家計へ確実に届けることが必要です。その実現に向け、政府・与党は全力で取り組んでまいります。

 第二に、安倍内閣こそが我が国の諸課題に着実に対応できるということであります。

 さきの国政選挙で再び信任を得た自公連立政権は、安定した政治基盤のもと、デフレ脱却や雇用環境の改善、東日本大震災の復興加速、外交、安全保障等の諸課題に全力で取り組み、数多くの成果を生み出してきました。

 今国会では、提出された閣法の九〇%近い五十本の成立が見込まれます。軽減税率の導入を決めた改正所得税法や障害者の生活と就労支援を充実させる改正障害者総合支援法、一人親家庭の支援を拡充する改正児童扶養手当法など、生活者の視点に立った多くの法律が成立しました。

 また、先日の二十六、二十七両日に開かれた伊勢志摩サミットでは、議長を務めた首相のリーダーシップが高く評価されるとともに、アメリカのオバマ大統領が現職の大統領として初めて被爆地広島を訪問し、核なき世界の実現に向けた歴史的な一歩を踏み出したことで、九割を超える国民から高い支持を得ています。平和と安定を求める安倍内閣への期待の声はますます強くなっているものと実感いたします。

 ところが、驚くべきことに、日ごろより尊敬申し上げる民進党の蓮舫代表代行も、御自身のツイッターに、安倍内閣の外交は高く高く評価しますと投稿されたそうです。これは、安倍内閣への信任ということではないですか。

 この一事をもってしても、今回の不信任決議案には理由がないことが明らかであるということを指摘するものであります。

 少子高齢化や人口減少問題など、我が国が抱える課題は深刻です。全ての人が輝き活躍できる社会を実現するためにも、国民から信頼される政策運営を進めることが不可欠です。これまで着実に政策を実現してきた自公政権、安倍内閣だからこそ、その責任を果たす使命があり、不信任には全く値しないと強く申し上げる次第であります。

 第三に、平成二十八年熊本地震、東日本大震災からの復興加速は、政府・与党が被災者に寄り添い、きめ細かな支援に総力を挙げて取り組んでいるということであります。

 熊本や大分などを襲った地震に対し、公明党として、発災直後直ちに党本部に対策本部を設置。各議員が被害現場へ直行し、政府へ二度にわたる緊急要請を行うなど、被災者に寄り添った支援に全力を挙げました。そして、公明党が主導し、震災復旧のための補正予算を早期に成立させ、被災者への義援金が差し押さえられないようにする義援金差押禁止法案を提案から約二週間というスピードで成立させました。

 一方、民進党は、補正予算を審議する際、質疑者六人のうち三人が被災地に関係のない質問を行いました。中継を見ていた被災者の気持ちをおもんぱかるとき、本当に残念でなりません。

 結局、民進党は、政局優先、被災者無視なのであります。この指摘に対し、民進党の諸君は果たして自信を持って反論できるのでしょうか。

 本年、発災から五年を迎えた東日本大震災の復興は、集中復興期間を終えて、四月から復興・創生期間の新たな五年に入りました。被災者は今なお十六万人を超え、現在被災地では、仮設住宅の空室化が進行し、入居者の孤立化が深刻になっています。次の五年は、心の復興、人間の復興への取り組みを一層強化し、どこまでも被災者に寄り添った支援を政府・与党一丸となって進めていく決意です。

 近年は、震災被害のみならず、広島市の土砂災害、茨城県常総地区の大水害、御嶽山の噴火など、大規模な自然災害が発生し続けています。想定を超えるこれらの災害にも、迅速にきめ細かく手を打ってきたのが自公政権です。平成二十八年熊本地震、東日本大震災からの復興とともに、防災・減災対策のさらなる強化が今こそ求められています。

 遅い、鈍い、心がないと言われた民主党政権時代の東日本大震災の対応を振り返れば、自公政権、安倍内閣が引き続き政権を担うことが、国民のための安全、安心な国づくりを加速させることは間違いありません。よって、内閣不信任案は断固否決するべきであると重ねて申し上げます。

 第四に、安倍内閣は、我が国の安全保障に責任を持ち、平和外交を進めていくということであります。

 昨年成立した平和安全法制は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、日米同盟の信頼性を強化し、抑止力を高め、国際社会の平和と安定に貢献することを通じて、我が国の平和と安全を一層確かなものにするものです。こうした法整備を進めることで、戦争を未然に防ぐだけでなく、平和外交が一層推進されます。

 実際に、法案成立直後、公明党の山口代表は、韓国の朴槿恵大統領や中国の習近平国家主席と会見。法案成立から約一カ月で、日中韓首脳会談がソウルの地で三年半ぶりに実現しました。

 一方、民進党は、平和安全法制に対し、今国会において領域警備法案などの対案を提出しました。ところが、民進党は、同法案について、結局最後まで積極的に審議しようという姿勢が見られませんでした。民進党は一体どのように平和な日本を構築しようとしているのでしょうか。民進党には、日本の安全保障に対し、危機感が全くないと申し上げざるを得ません。

 民進党の諸君には猛省を促したい。

 そもそも、昨年否決された内閣不信任決議案においても、安保法案は立憲主義のじゅうりんとしていたにもかかわらず、今回も同様の理由で不信任決議案を再提出するということは、公党としても見識を疑わざるを得ません。

 一部野党が戦争法案などと国民の不安をあおるレッテル張りを続けているのは、全くの見当外れと言えます。

 公明党は、今後も対話外交をさらに進め、平和の党としての役割を果たしてまいります。

 以上が、内閣不信任決議案に反対する理由であります。

 ここで、あえて、今国会における民進党の政治姿勢に対し、申し上げておきたい。

 第一に、民進党が提案する給付つき税額控除についてであります。

 本年二月、当時の民主党は、軽減税率導入を決めた改正所得税法等の対案として、給付つき税額控除導入法案を提出しました。ところが、民進党は、驚くべきことに、今国会中、本日まで、議運理事会や財務金融委員会理事会で、同法案の委員会審議を求めたりすることはありませんでした。

 給付つき税額控除制度は、国民一人一人の所得把握が難しい、給付を受けるのに申請が必要で国民に手間をかける等、さまざまな課題が指摘されているところであり、国民生活の負担軽減のために最も現実的なのは軽減税率制度であります。

 結局、民進党が審議を求めなかったのは給付つき税額控除に自信がない証左であり、法案提出はパフォーマンスにすぎなかったということであります。

 第二に、特に終盤国会で顕著だったのは、民進党は、自身が推進したいと思っても共産党の主張にかなわない法案については成立させなかったということであります。

 例えば、フリースクールなどの多様な教育の機会を確保するとともに夜間中学への支援などを定めた教育機会確保法案について、民進党は法案の提出会派であるにもかかわらず、参議院民進は、全会一致でないものは送られても処理できないとして、共産が反対する法案は処理しない姿勢を示し、衆議院からの同法案の受け取りを事実上拒否、今国会成立は不可能になったのであります。休眠預金活用法案もしかり、政見放送に関する公職選挙法案もしかりです。

 選挙優先主義で、国民生活にとって大事な法案をないがしろにする民進党の態度については、厳しく指摘するものであります。

 また、昨日、女性の政治参画推進法案についても、超党派の議連を中心に与野党で法文案をつくり、各党の手続を残すのみであったにもかかわらず、民進党、共産党は勝手に法案を提出しました。強く抗議するとともに、政治にとって大事なことは信義であり、誠実に約束を守るか否かを有権者は厳しく見ているということを申し上げたい。

 最後になりますが、日本が抱える政治課題は山積しています。それに対する認識については、共産主義社会を目指す一部野党以外は、与党も野党も大きな認識の違いはないはずです。それでは、重要な違いは何か。その課題に対し、責任を持って実行できる能力があるかどうかです。

 政権構想や基本政策で違いが大きくばらばらの野合集団が、選挙のためだけに共闘し、国のかじをとるようなことにでもなれば、日本は再び沈没し、政治の混乱は避けられないことは火を見るよりも明らかです。

 決められない政治で混乱を招いた民主党政権時代の三年半と、その後の、責任ある政治を貫き結果を残し続けてきた自公連立政権の三年半を比較すれば、どちらが真に国民の期待に応える政権であるかは言うまでもありません。

 改めて、このたびの内閣不信任決議案に対して断固反対し、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)

(後略) 

[引用おわり]

 このエントリー記事の本文は以上です。 

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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改正民法が公布され、直ちに施行 第190回通常国会の74制定法律が、きょうですべて公布

2016年06月07日 14時46分44秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]国会議事堂正門、2016年4月22日(金)、筆者・宮崎信行撮影。

 天皇陛下は、平成28年2016年6月7日、「改正民法」などを公布されました。これで第190回通常国会で制定した法律の公布はすべて終わりました。

 6月1日の会期末に成立した法律で、その次の閣議が、木曜日の繰り上げ閣議(参院選日程を決定)となったため、それから3営業日目のきょう、火曜日(公布は水曜日、金曜日が普通)の公布となりました。

 このうち、民法親族編の女性の再婚禁止期間を180日間から100日間に短縮する改正法律は、平成28年6月7日法律71号として公布され、既に施行されました。

 JOCの国会への報告を義務とする議員立法、「改正東京オリパラ特措法」(平成28年6月7日法律69号)も公布され、直ちに施行しました。

 NPOの財務などの規制を強める、「特定非営利活動促進法」(平成28年6月7日法律70号)はきょうから起算して1年以内の政令で定める日に施行。

 「改正都市再生特別措置法」(平成28年6月7日法律72号)は3か月以内に施行。

 「国外犯罪処罰者弔慰金支給法」(平成28年6月7日法律73号)は、6か月以内の政令で定める日に施行で、支給の対象は、その施行日以降に発生した犯罪に限られます。

 「真珠振興法」(平成28年6月7日法律74号)は直ちに施行されました。

 ◇

 法律の公布については、国会開会中は立て込んでいる時期ですと、このブログに書いていないものもあります。制定法律74本をあらためてみると、財政措置などの特別措置法を単純に延長するだけの議員立法は今国会は2本のみでした。これは西暦の下一桁が「6」だから少ないのかもしれません。

 

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改正刑事訴訟法は平成28年6月3日公布へ、 司法試験の反映は平成30年以降か

2016年06月03日 23時59分40秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は、2016年5月31日午前7時で、6月3日付で再投稿)

 第190回国会で成立した「改正刑事訴訟法(刑事訴訟法を改正する法律)」は、平成28年6月3日に公布されることになりました。

 法律は「公布の日から起算して3年以内の政令で定める日」に施行します。

 気になる司法試験への反映日ですが、法務省ウェブサイトによると、

Q26 試験の近い時期に法令の改正があった場合,出題は,どの時点の法令に基づいてなされるのですか?
A   法令の改正があった場合も,原則として,試験日に施行されている法令に基づいて出題されます

 となっています。施行日は、平成30年4月1日以降となると予想されますので、新しい法律が司法試験の論文式試験の問題文の条文に引用されるのは、平成30年2018年ないし平成31年2019年に行われる司法試験からになりそうです。

 ご自身でご確認いただきたいと存じます。

 このエントリー記事の本文は以上です。 

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改正刑事訴訟法、ヘイトスピーチ法(有田・小川法)、生産性向上税制法など17法律公布

2016年06月03日 14時39分39秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 天皇陛下は、平成28年2016年6月3日(金)、改正刑事訴訟法など17法律を公布なさいました。

 国会で成立した次の閣議で決定し、それから3営業日後の官報に告示されることで、法律は公布されます。公布は、国立印刷局が印刷した官報が、47都道府県にある官報販売所に到着した時点で公布されたとみなすことになっています。

 後々まで大事な法律が公布されました。法律番号順ではなく、重要順に行きますと、

 「改正刑事訴訟法」(平成28年6月3日法律54号)は司法取引を初めて導入します。

 「ヘイトスピーチ規制法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)」が公布され、直ちに施行されました。参院野党が主導した今年唯一の制定法律。有田・小川法と呼んでもいいのではないでしょうか。 会期末をにらんだかけひきもあるため、1日で17法律公布ということになってしまうのですが、それがあるから、この法律もできたということになります。

 「フィンテックとビットコインを推進する改正銀行法及び改正資金決済法」(平成28年6月3日法律62号は、ビットコインなどコンピューター上のチェーンブロックを使った貨幣を、貨幣と初めて認定し、金融庁が監督することになりました。日本銀行券が異次元の金融緩和をする経済発展史において歴史的な出来事になるのかもしれません。

 「改正特定商取引法」(平成28年6月3日法律60号)と「改正消費者契約法」(平成28年6月3日法律61号)。とくに特商法は初の大規模改正になりました。あまり話題にならないのですが、消費者庁はていねいな仕事で頑張っていると思います。

 「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(平成28年6月3日法律58号)は、改正法ですがタイトルが新しくなりました。公布の日から起算して3か月以内の政令で定める日に施行されるため、生産性向上設備投資促進税制は、遅くとも9月2日までに施行します。

 「改正FIT・再生可能エネルギー買い取り特別措置法」(平成28年6月3日法律59号)は、太陽光発電を入札するに法律。菅直人内閣退陣の引き換えに成立した法律は、大きな効果を上げたうえで、消費者のために価格を中庸にする新しい歴史的段階に入ります。

 「改正酒税法」(平成28年6月3日法律57号)は、財務大臣が酒のディスカウント販売について適正な基準を定めて規制することができるようになります。

 「改正宅建業法(改正宅地建物取引業法)」(平成28年6月3日法律56号)で、重要事項説明書でインスペクションをしたかどうかを盛り込まなければならないことになります。

 「改正特区法」(平成28年6月3日法律55号)は、白タクや企業の農地保有が解禁されます。

 「改正法テラス総合法律支援法」(平成28年6月3日法律53号)は、法テラスについて、抜本的な見直しとしては初めての改正で、先行した東北に加えて全国的に災害にあった人の法律相談が無料になります。

 「平成28年熊本地震災害義援金差し押さえ禁止法」(平成28年6月3日法律67号)は直ちに施行しました。

 「改正児童福祉法」(平成28年6月3日法律63号)は、抜本的な改正ですが、厚労省内部の専門家会議の議論の過程とは異なっている部分がありますので、専門の方はご確認いただきたいと存じます。

 「改正障害者総合支援法」(平成28年6月3日法律65号)は、タイトルの中に「児童福祉法」の文字がありますが、上記とは別の法律で、介護保険との障害者支援サービスの併用など網羅的な改正がされました。

 「発達障害者支援法」(平成28年6月3日法律64号)は、自閉症児などと自治体の連係を盛り込みました。

 「改正確定拠出年金法」(平成28年6月3日法律66号)は、日本版401kに関する改正です。

 「改正裁判所職員定員法」(平成28年6月3日法律52号)は、毎年制定されている法律です。

 なお、来週火曜日に6法律公布され、先の第190回国会の制定法律は74本になります。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
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第190回国会閉会、閣法成立率89%、制定74法律の高性能国会、未了無しの健全参議院【きょうの国会】

2016年06月01日 16時31分00秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[写真]国会議事堂正門前で、衆議院本会議一般傍聴券を持ってポーズをとる、筆者・宮崎信行、2016年6月1日。

 第190回国会が閉会しました。新規提出の閣法成立率は89%、制定法律は74本と高いパフォーマンスの国会となりました。良くも悪くも、一括改正法(束ね法)が多かったことと、議員立法も理念法(スローガン法)が多く、今後の罰則・政策減税の盛り込みが見込まれ、かなり重要な改正があった国会と考えられます。

 岡田克也代表・安住淳国対委員長では、与党期の第177回国会の閣法成立率80%に続き、野党期でも閣法成立率89%の高水準となりました。ただ、前の国会からの「労働基準法改悪法案」と「民法債権編抜本改悪法案」を趣旨説明すらさせない完勝。さらに、参議院野党・民進党単独提出としては異例のヘイトスピーチ規制法の成立(技術的には与党自民党提出法案を修正)ができた。この3点で、岡田代表・安住国対委員長・郡司彰参議院議員会長の民進党の初の国会は99点(安保法廃止法案が審議入りしなかったので1点減点)といえそうです。ついには公明党が今国会最後の本会議演説で、「民進党は対案を出したのに、理事会で審議入りを求めなかった」とまで悪態をつく段階になりました。ただし、直後の国政選挙でどういう効果がでるのか。こればかりは神のみぞ知る。

【平成28年2016年6月1日 参議院本会議】

 「真珠振興法」(190衆法49号)が投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

 「改正東京オリパラ特措法」(190衆法45号)は投票総数239、賛成238、反対1の賛成多数で可決し、成立しました。

 「国外での犯罪被害者への弔慰金支給法」(190衆法46号)は、投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で成立しました。

 「特定非営利活動促進法」(190衆法47号)は、投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で成立しました。

 「改正民法」(190閣法49号)は、投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で成立しました。

 「改正都市再生特別措置法」(190閣法18号)は、投票総数239、賛成233、反対16の賛成多数で可決し、成立しました。

 これにより、今国会で、参議院で審議中の閣法がゼロとなり、当然にして、廃案もゼロとなりました。一方、参議院議員立法(参法)は当然にして参先議ですが、「改正自殺対策基本法」と「ヘイトスピーチ規制法」が成立。2本が否決され廃案。それ以外の10本(前会からの継続調査2本含む)は、付託されておらず、本会議でも継続調査の議題になりませんでしたから、すべて廃案になったとみられます。逆に言うと、参先議の参法10本以外の、衆議院から送付された議案はすべて審議し終えたことになります。当たり前のようで異例のことです。

 山崎正昭議長のあいさつ。途中で「私も改選です」と言うと笑い声。

 続いて、議長と同じく改選を迎えるものの、山崎さんと違い引退する輿石東副議長があいさつ。最年長議員の片山虎之助さんが労をねぎらいました。

【同日 参議院第1種常任委員会】

 すべて開かれました。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 第1種常任委のうち、外防委では、請願について、専門員から説明を受けました。「戦争法である平和安全法制の廃止にかかる請願」など、与党側から見ると勇ましいタイトルが並びました。そのうで、「女性差別撤廃条約の改定議定書の批准を求める請願」が採択され、本会議に上程されました。

【同日 参議院総務委員会】

 半数改選ですから、理事の補欠専任として非改選組が補充されました。

 この後、閉会中の委員派遣については、委員長(非改選組)に一任することを決めました。

【同日 参議院第2種常任委員会】

 国家基本政策委員会と懲罰委員会の2つは開かれませんでしたので、当然にして継続調査要求もなく、閉会中に開催されることはありません。予算委などは開かれ、国政調査に関して、閉会中も非改選組で審議できるように手続きをとりました。

【同日 参議院特別委員会】

 すべて開かれました。

【同日 参議院憲法審査会】

 開かれました。

【同日 衆議院本会議】

 どうやら自民党の代議士会が遅れたようで、自民党の入場が遅れました。首相動静によると、安倍晋三首相(自民党総裁)も出席したようで、首相も「1時1分入る」と遅刻の証拠が報じられました。午後1時の本鈴がなった後も、自民党議員は流れの移動で遅れたという自覚がないようで、のんびりしていました。1時3分に議長が入場してくると、野党から「自民党遅いぞ!」「なにやってんだ!」との野次が飛び、自民党議員も議長の姿を見て走り出す様がありました。ここなんですが、私は「非世襲」「女性」「1期生」に甘くすることにしていますが、前川恵議員は、とっさに状況が飲み込めなかったのか、走ろうとしていないのが気になりました。そして、ブービーで入ってきたのは、人気の小泉進次郎議員で、さすがにあわてて走り出しましたが、その姿が颯爽としてかっこよく、国会を報じる難しさを感じました。

 請願は、法務委員会からの法務省職員を増員する請願が採択されました。

 この後、閉会中審査の法案について、採決などをしましたが、内容は以下の委員会の項目に譲ります。

【同日 衆議院常任委員会】

 国家基本政策委員会と懲罰委員会以外のすべての委員会が正常に開催されました。

【同日 衆議院法務委員会】

 すでに別エントリーで報じましたが、「部落差別解消推進基本法案」(190衆法48号)、「外国人実習生機構法案」(189閣法30号)、「入国管理法改正案」(189閣法31号)、「民法債権編改正案」(189閣法63号及び64号)、「人事訴訟法改正案」(190閣法53号)。そして、民進党が提出した「選択的夫婦別姓法案」(190衆法37号)、「LGBT差別解消法案」 (190衆法57号)が閉会中審査となりました。

 下に書く厚労委の1本とあわせて、昨年の第189回国会で提出された閣法のうち、5本が未成立ということになりました。政府としては何か考え直す面もあるのではないでしょうか。

【同日 衆議院安全保障委員会】

 安保法の対案について。民進党が提出した「平和安全法制廃止法案」(190衆法7号)、「領域警備法案」(190衆法4号)、「周辺事態法改正案」(190衆法5号)、「PKO協力法改正案」(190衆法6号)、「国政平和対処事態法改正案」(190衆法8号)の5法案はすべて閉会中審査となりました。なんとか、秋の国会で審議してほしいものです、子供たちの未来のために。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 請願は合計で1765件寄せられたそうです。事務局の担当者さんお疲れ様です。

 「労働基準法改正案」(189閣法69号)、「公的年金制度の持続可能性を向上するための国民年金法改正案」(190閣法54号)、「臨床研究法案」(190閣法56号)はすべて閉会中審査となりました。

【同日 衆議院内閣委員会】

 別エントリーで報じた通り、「IRカジノ施設法案」(189衆法20号)は一度も審議されず、閉会中審査となりました。宇宙関連の法案も審議されましたが、衆委にとめおき、継続調査。

 このほか、民進党提出の法案。

 「歳入庁の設置による内国税並びに労働保険料及び年金保険料等の収に関する業務の効率化等の推進に関する法律案(第189衆法31号)」
 「性暴力被害者の支援に関する法律案(190衆法38号)」
 「国家公務員法等の一部を改正する法律案(190衆法13号)」
 「国家公務員の労働関係に関する法律案(190衆法14号)」
 「公務員庁設置法案(190衆法15号)」
 「政官接触記録の作成等に関する法律案(190衆法23号)」
 「公文書等の管理に関する法律の一部を改正する法律案(190衆法55号)」
 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案(190衆法60号)」 

 の7法案が閉会中審査となりました。 

【同日 衆議院特別委員会】

 すべての特別委が開かれました。

【同日 衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特)】

 「TPP協定の条約承認を求めるの件」(190条約8号)と「TPP国内実施のための一括改正法案」(190条約47号)が閉会中審査となりました。

【同日 衆議院憲法審査会】

 今国会で初めて開かれました。

このエントリー記事の本文は以上です。
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IRカジノ施設法案は今国会でも成立どころか審議すらなく、第191回以降国会へ 衆議院内閣委員会

2016年06月01日 09時29分15秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 衆議院内閣委員会は平成28年2016年6月1日(水)会期末処理をしました。

 この委員会で長年懸案となっている、IRカジノ施設法案。

 今の法案は、与野党がまとめ直して、昨年4月28日(火)に、自民党最大派閥会長の細田博之さんら合計10名が発議した、

 「IRカジノ施設整備推進法案」(189衆法20号)ですが、

 今国会では審議されず、未了となりました。この日の委員会では、共反対、自公民賛成多数で「閉会中審査」となり、第191回以降の国会に議案は継続しました。

 このほか、審議をしていた「人工衛星等の打ち上げ管理に関する法律案」(190閣法41号)「衛星リモートセンシング法案」(190閣法42号)は共反対、自公民賛成多数で閉会中審査手続きがとられました。次の国会では、慣例により、カジノよりも宇宙法案が優先されることになりそうです。

 このほか、歳入庁法案、公務員、情報管理、性暴力被害者など、民進党が提出した実に10本以上の議員立法が閉会中審査となりました。とっさに法案名が把握できていませんので、後で補充するかもしれないし、しないかもしれません。

 閉会中審査と言っても、実際には審議は無く、次の国会の召集と同時に、議長から再び内閣委員会に付託されることになります。

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衆議院法務委員会、部落差別、債権法、介護入国管理法、選択的夫婦別姓を閉会中審査に

2016年06月01日 09時10分35秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 衆議院法務委員会は、平成28年2016年6月1日(水)の委員会で会期末処理をしました。

 審議未了の「差別の解消の推進に関する法律案」(190衆法48号)は採決のうえ、共反対、自公民賛成多数で、議長に対して閉会中審査の要求をすることに決まりました。

 このほか審議未了の、

 「外国人技能実習生法案」(189閣法30号)

 「入国管理法改正案」(189閣法31号)

 「民法債権編改正案」(189閣法63号及び64号)

 「人事訴訟法改正案」(190閣法33号)

 「民法を改正し、選択的夫婦別姓を導入する法案」(190衆法37号)

 「LGBT差別解消法案」(190衆法57号)

 を全会一致で閉会中審査にすることに決めました。

 これに先立ち、請願を審査し、法務省職員の増員を求める請願と、裁判所の人的物的充実を求める請願の2領域合計55件の請願を採択し、内閣に送付することを決定しました。

 

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参、送付された閣法・衆法の委員会審査を終了、衆では内閣不信任決議否決【きょうの国会】

2016年05月31日 17時39分12秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 参議院は、平成28年2016年5月31日(火)、衆議院から送付されていた、閣法(内閣提出法案)と衆法(衆議院議員立法)の委員会審査を終えました。あす会期末の6月1日(水)の本会議で可決し、成立へ。

 参での審議未了議案は、参院議員自らが提出した参法は8本(最終盤になってからの提出を除く)のみ。

 参では、選挙前には継続調査手続きをしないことから、廃案になるのは、参法のみとなります。

 私の知る限り、2013年は電力システム改革法案などの閣法、水利用促進法案などの衆法が審議未了廃案になったほか、調査会報告書の説明がされませんでした。2010年は、地球温暖化対策基本法案がかなりの長時間両院で審査されたのに、廃案になり、その後再提出されることはありませんでした。 

 溝手顕正・自民党、郡司彰・民進党、魚住裕一郎・公明党などの議員会長がしきった、第22期・23期参議院は正常なまま卒業式を迎えることになりそうです。

【平成28年2016年5月31日(火)参議院内閣委員会】

 「東京オリンピックパラリンピック特措法改正案」(190衆法45号)は毎国会提出されている印象ですが、今次改正案は、JOCから国会への報告を義務付ける内容。まず、衆・文部科学委員長の谷川弥一さんから趣旨説明がありました。質疑は、JOCの竹田会長(前招致委員会会長)に集中しました。

 民進党の長島昭久・衆文部科学委筆頭理事も答弁しました。


[画像]長島昭久さん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 討論は省略。採決は賛成多数で可決しました。衆では全会一致でした。本会議に上程へ。

 「国外での犯罪被害者への弔慰金支給法案」(190衆法46号)は、西村康稔衆・内閣委員長から説明されました。質疑、討論は省略。採決の結果、全会一致で可決しました。あす成立のはこび。

 「特定非営利活動促進法案」(190衆法47号)は、質疑、討論省略の後、全会一致で可決しました。

【同日 参議院法務委員会】

 「民法を改正して再婚禁止期間を6か月から100日間に短縮する法案」(190閣法49号)はていねいな質疑の後、全会一致で可決しました。すでに運用上は実現しているようですが、法律にしないと、意図的に泥沼化を図る民事訴訟戦術に使われそうな気もしますから、迅速な法制化ができてよかったでしょう。

【同日 参議院農林水産委員会】

 衆・農水委員長から「真珠振興法案」(190衆法49号)が説明され、全会一致で可決しました。本会議に上程へ。

【同日 参議院国土交通委員会】

 「都市再生特別措置法改正案」(190閣法18号)について各会派が質疑しました。討論では、共産党が反対。一部の人に莫大な国費が投入されることを問題視したようです。社民党の吉田忠智党首も反対討論しました。採決では、共社反対、自公民賛成多数で可決しました。あす成立へ。

【同日 衆議院本会議】

 午後1時に内閣不信任決議案が提出されました。印刷し全衆院議員に配布し終えるまで2時間かかりますから、開議は午後3時半となりました。

 岡田克也さんが「本院は安倍内閣を信任せず。右、決議する」と趣旨弁明。


[画像]内閣不信任決議案を趣旨弁明する、岡田克也民進党代表、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 決議案には理由を付すことができます。

 岡田さんは「アベノミクスの経済失政」を理由に上げました。

 江田憲司さんは討論で「信なくば立たず。綸言汗のごとし」と語り、前回の解散時の2017年4月に確実に上げるとした安倍首相の発言の信頼性と取り戻せないことを明示しました。

 志位和夫さんは討論で「経済失政」を中心に語りました。

 一方、自民党は松本純さんが討論に立ちました。今国会冒頭の補正予算に関する演説の代表質問があった1月6日(水)にも代表質問に立っていますから、今国会の自民党政府外議員の登壇は、松本政調会長代理に始まり、松本政調会長代理に終わったことになります。松本さんは現在6期。討論では「希望出生率1・8に向けて、一億総活躍アクションプランをまとめる」と擁護しました。ここで思ったのですが、根っからの自由主義者の私ですが、ソ連共産党と中国共産党の違いというのを聞いたことがあります。ソ連共産党は計画経済で「5年後はこうなる」と言いながら5年経ってもならない」。一方、中国共産党は「毛沢東主席が農村を指導していた頃はこうだった」と話し、以前に比べれば現在は良いと説得する。これがソ連が崩壊し、中国が今の体制でいる理由だと聞きました。これからすると、三本の矢、新三本の矢、一億総活躍、G7版三本の矢と語り自民党政治はソ連共産党型のように感じます。

 公明党の佐藤茂樹さんは民進党攻撃に出て、「対案を審議入りするよう理事会で求めなかった」とし、「対案を出せ」路線から「対案を出したけど理事会で審議入りを求めなかった」路線へと転戦したようです。

 おおさか維新の会の下地幹郎さんは「大胆な成長戦略が必要だ」と討論しました。

 記名投票表決。



[画像]開票結果を発表する、向大野新治・衆議院事務総長、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 なお、今47期衆議院から、定数は475となっており、過半数は238です。

 向大野新治衆議院事務総長は起立し、投票総数469、賛成124、反対345。賛成少数で決議は否決されました。

【同日 衆議院議院運営委員会】

 正午設定。本会議について。

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労働基準法改正案いわゆる残業代ゼロ法案は審議入りせず第191回国会以降に先送り

2016年05月31日 06時55分47秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 「労働基準法改正案」通称「残業代ゼロ法案」(189閣法69号)は第190回通常国会で審議未了となりました。野党・民進党・共産党の抵抗が功を奏した格好ですが、与党は早い段階から成立をあきらめる作戦だったとも報じられています。

 労働基準法改正案は、大学教授などに適用されている、「高度プロフェッショナル制度」を広げて、例えば商学部卒業の経理部員を「高度プロフェッショナル」に加える法案。政府が昨年4月3日(金)に国会に提出した法案では「年収1000万円以上」に限られていますが、この部分は政府の一存ですぐにかえられることから、労働時間・休日・深夜の割増賃金などの労基法の規定が適用外になるため、野党は「残業代ゼロ法案」と呼んでいます。

 同法案は、厚生労働大臣による趣旨説明がされないまま、「閉会中審査」になる見通し。ただ「閉会中」と言っても審議されることなく、7月10日の参院選以降に開かれる、第191回国会や、第192回国会以降で審議入りをめぐる与野党の駆け引きが続く見通しです。

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介護人材を受け入れる入国管理法改正案は衆議院で継続審査で2016年秋以降に成立先送り

2016年05月31日 06時49分28秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 衆議院法務委員会は、第190回国会(平成28年6月1日まで)での「入国管理法(出入国管理及び難民認定法)の一部を改正する法律案」(189閣法31号)の成立を断念し、第191回ないし第192回国会へ先送りすることを決めました。

 法案では、介護の仕事に就く外国人のために、「在留資格 介護」をつくり、日本の公使の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護または介護の指導を行う業務に従事することができるようになります。

 現在も、経済連携協定条約(EPA)の枠組みで認められていますが、中国と日本の間にEPAがないため、中国国内で業者に登録したい希望者が殺到しています。 

 法案は、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」(189閣法30号)とあわせて岩城光英法務大臣(法相、参議院自民党)から趣旨と提出理由が説明されましたが、各党の審議はなく時間切れとなりました。

 次の国会は、7月10日の参院選以降に開かれるため、成立は9月以降になりそうです。

 この条項の施行日は、「公布の日から起算して1年以内の政令で定める日」なので、平成29年2017年4月以降の施行となりそうです。

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民法債権編(債権法)改正法案は、審議入りせず、2016年秋以降へ先送り 継続審議の方向

2016年05月31日 06時48分15秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 政府が昨年平成27年2015年3月31日(火)に提出した、

 「民法の一部を改正する法律案、民法債権編抜本改革法案、債権法改正案」、国会が付ける議案番号第189回閣法63号および同64号

 は、第190回国会で審議入り(法務大臣による法案の趣旨説明)すらせず審議未了となりました。

 衆議院が解散されない見通しとなったことから、平成28年6月1日(水)の衆議院法務委員会で、「閉会中審査の処理を取るよう議長に要望すること」を決定する見通し。

 ただし、「閉会中審査」とは次の国会への継続処理を意味する言葉であって、7月10日の参院選終了後まで審議はありません。

 大型法案であることから、仮に平成28年2016年夏以降の第191ないし192回国会で審議入りしても、成立は平成29年以降になることはほぼ確実となりました。

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内閣不信任案を提出へ 民共社生4党首

2016年05月30日 16時01分15秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 民進党の岡田克也代表、共産党の志位和夫委員長、社民党の吉田忠智党首、生活の党の小沢一郎共同代表は、平成28年2016年5月30日(月)、野党4党共同で内閣不信任決議案を衆議院に提出することを決めました。

 会期末を控えて、参議院の常任委員会定例日はあす31日(火)のみとなりました。

 今第190回国会で、衆を通過し、参に送付され、未成立の法案は次の6本(法案名、議案番号、衆の態度、付託委員会、担当大臣)

 「民法を改正し再婚禁止期間を6か月から100日間に短縮する法案」(190閣法49号)、全会一致、参法務委、岩城法相。

 「都市再生特別措置法改正案」(190閣法18号)、共反対自公民賛成、参国土交通委、石井国交相。

 「東京オリパラ特措法を改正し国会の関与を高める法案」(190衆法45号)、全会一致、参内閣委、遠藤五輪相。

 「国外での犯罪被害者への弔慰金支給法案」(190衆法46号)、全会一致、参内閣委、河野国家公安委員長。

 「特定非営利活動促進法案」(190衆法47号)、全会一致、参内閣委、衆では大臣出席無し。

 「真珠振興法案」(190衆法49号)、全会一致、30日現在未付託、森山農相。

 以上の6法案です。

 例年に比べて少ない印象で、6本のうち5本が衆全会一致、6本のうち3本が内閣委となっています。

 衆先例373は「(略)内閣不信任決議案が提出されたときは、議長は速やかにその取扱いを議院運営委員会に諮問し、その答申をまって、他の案件に先立って院議により委員会の審査を省略して議院の会議に付す」と定めています。

 すなわち、内閣不信任案が提出されたときは、衆委員会がすべてストップします。政党政治における参も同様です。

 このため、31日(火)午前10時からの委員会で少なくとも、民法改正案が可決し、本会議に上程された後に、岡田さんほか50名上の衆院議員が、不信任案を衆議長に提出するとの考えられます。

 この場合、不信任案の可決は衆過半数なので、正直可決はされません。ただ、自民党内に数人程度でも造反の動きがあれば、本会議の段取りがずれ込むこともありそうです。

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