【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「ユニクロの安売りは是か非か?」 民主党綱領策定へ、党改革本部(綱領、規約、代表選)が今週スタート

2011年01月31日 23時48分12秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

[写真]左上から時計回りに民主党改革本部の「規約」委員長の川端達夫さん、「綱領」委員長の直嶋正行さん、委員長代理の長妻昭さん、「代表選挙管理規定」委員長の鉢呂吉雄さん

 岡田克也幹事長2011年1月31日の記者会見で、「民主党改革本部」を設置し、自ら本部長に就任することを発表しました。まだ手元にペーパーがないので、正式名称などは未定稿ということで、後で時間があれば、手直ししたいと思います。

 民主党改革本部は、本部長に岡田克也さん、副本部長に仙谷由人代表代行、輿石東参院議員会長が入ります。オール民主党の意見集約が可能となりました。このほか、副本部長には、党副代表(石井一、山岡賢次、直嶋正行、鉢呂吉雄、岡崎トミ子、石毛子各議員)の6人が参加します。衆参といわゆる「グループ」も横断的。そして、岡田さんの本気さを感じさせるのは、川端達夫さん、玄葉光一郎さん(政調会長兼大臣)も入れた布陣です。当選回数・年齢とも上でありながら、第45回衆院選で「岡田代表-川端幹事長」として玉砕してくれた川端さん。そして、仮に第46回総選挙で民主党が下野した場合、第47回総選挙での与党復帰(政権交代)に向けて、おそらく代表を含めた有力ポジションで与党をめざす有力候補(そのころには50歳代前半)である玄葉さんを入れたことで、岡田さんは、10年、20年の長い目で、この国に政権交代可能な政治を定着させようとしているという確かな志を感じとりました。

 党改革本部には、規約改定委員会、綱領策定委員会、代表選検討委員会(正式名称は不明)の3つの委員会を設けます

 まず、政権交代による「与党らしい規約」ですが、これは野党時代から川端達夫さんが規約改定委員長だったのですが、2009年9月に川端さんが文科大臣として入閣後、空席でした。これについては、「与党らしい規約を」と唱えていた岡田幹事長が、総選挙で大勝したのに、直後に、幹事長を更迭されるという鳩山由紀夫代表の理解不能な人事で、小沢一郎氏が幹事長に。小沢氏は、おそらく確信犯的に後任をおかずに「幹事長命令」を連発し、ボタンをかけちがえたまま1年半もの時間を浪費しました。

 ちなみに川端さんが組織内の「UIゼンセン同盟」は2年連続で数万人の組合員数増に成功しています。これは派遣社員の組織化に成功しているからです。日本最初の労働組合としての矜持を感じます。小沢幹事長は、「100万人組合員がいるゼンセン同盟が参院選で20万票しか出せないのはサボっているからだ!」「自治労と日教組を見習え!」という趣旨のことを言っていたようですが、中小・零細企業、派遣社員、パートなど「非正規雇用」(あまり好きな言葉ではありませんが、)を網羅している「ゼンセン」が、春闘がなく政治に専念できる「日教組・自治労」の公務員労組に比べて、組合員を政治・選挙に動員しづらいのは当たり前。むしろ、労働運動の地平を広げるゼンセン同盟の自由と友愛の挑戦を、民主党は応援すべきです。川端さんは2009年5月の代表選でも、岡田候補に投票しています。

 「与党らしい規約」については、昨年9月17日の岡田幹事長復帰記者会見で筆者(宮崎信行)の質問について、岡田さんは次のように答えました。

民主党本部幹事長会見録から引用はじめ]

【幹事長】代表選挙管理規程については先ほどお答えしたつもりであります。党規約につきましては私が幹事長のときに、川端さん、委員会から提言をいただきまして、あとは党として、それを常任幹事会とか、そういうところでどう議論するかというところで幹事長が変わったということであります。あのときの提言をそのままでいいのかということをもう一度吟味する必要があると思いますが、いずれにしても、規約の改定というのもひとつ検討課題だと思います。いろいろな課題が山積しておりますので、まずこの国会で、ねじれの状況の中でどのように物事を進めていくかということのほうが、優先課題であります。そういう意味では、優先順位をつけながら、物事を進めていかなくてはいけないとそんなふうに感じているところでございます。

[引用おわり]

 というわけで、「幹事長が変わった」ことで空白期間ができてしまったわけで、民主党も早く「人治」から「法治」にガバナンスを切り替えなくてはいけません。

 次に「代表選挙管理規程」の検討委員会。これは、岡田さんの持論「与党の党首すなわち総理の任期は、衆院選から次の衆院選までにすべきだ」という改定が眼目になります。私も全く賛成です。これについては、岡田さんは以前から、たびたび言及していますし、著書でも触れています。この委員会は、自分の選挙も代表選挙も巧者で知られる、鉢呂吉雄さんが委員長に。おそらく菅直人代表・総理の今の任期(2012年9月まで)を延長して、2013年8月までに必ずある第46回衆院選の結果が出るまで、ということになるでしょう。具体的には、来年の党大会を待たずに、臨時党大会で決定する格好になると思います。自民党では、中曽根康弘首相(総裁)が2期4年の任期を延長して、続投した例があります。しかし、これと違い、あくまでも「政権交代可能な政治を担う民主党」としての理念を具体化する改定です。

 これは逆に言えば、岡田さんが第1次与党期(2009年夏~)のうち、第46回衆院選(2013年8月までのいつか)の前に、代表・総理の座を襲う考えがないことの証明でもあります。政治家・岡田克也の第一目標は政権交代可能な二大政党+αデモクラシーを日本に根付かせること。天下をとるのは2番目。育ちのいい岡田さんらしく、菅代表・総理が岡田さんに全幅の信頼を寄せて、党を任せているのも、野党時代にもコンビを組んでいて、その「志」を知っているからでしょう。一つ問題は、党員・サポーター集めのセールスポイントが無くなることです。しかし、昨年9月の代表選を見ていると、民主党員・サポーターというのは、「代表選に投票したい」というよりも、「日本政治において今民主党はどうあるべきか」を優先するオピニオン・リーダーが多いようです。ただ、組織拡大で、いろいろな人が増えてきますから、配慮が必要でしょう。

 そして、岡田さんがこれまで、「優先順位が低い」、さらには「(菅さんとの育った)世代の差かな」と、必要性がないとしていた、「党綱領策定委員会」も民主党結党後初めてできます。これは昨年来、民社協会が提言してきましたので、民社協会から直嶋正行さんが委員長になります。民主党議員には、最後まで物事を見届けない中途半端な連中が多く、昨年9月の代表選では、負けた候補者の陣営が閉会前に退席し、先日の両院議員総会では地方選のガンバロー!3唱が議題として残っているを知らずに、勝手に退席し始めた小沢系議員を「後ろの人座ってください!」「まだ終わってません!」と大声で叱り付けました。このようなときに退席するような議員は、トヨタの工場で働いたり、トヨタのクルマを運転するのは止めてほしいですね。民社協会は「原子力」に関して、政策面での自信があるので、これをうまく使って、旧社会党出身者も納得できる綱領をつくろうという考えがあるように、私は見ております。

 そして、この党綱領に関しては、昨年2月5日の予算審議で、ライバル・自民党の長老である伊吹文明さんと、当時の民主党代表の鳩山由紀夫さんに次のような興味深い“禅問答”がありました。

 
[画像]自民党長老の伊吹文明・衆院議員(NHKさん映像から)

[第174通常国会 衆・予算委 2010年2月5日の議事録から一部引用]

○伊吹委員 あなたが言っておられること、マニフェストに書いてあることとおやりになっていることは、かなり私は違うと思いますよ。
 それで、では、簡単なことを聞きましょう。総理、入学試験は認める、必要なものだと認めますか。あるいは、特許権というものの権利を認めてあげるということはいいことだと思いますか。あるいはまた、ユニクロの安売り商法というのはどういうふうにお考えになりますか。

○鳩山内閣総理大臣 入学試験、何の入学試験かわかりませんが、入学試験というものによって、ある意味でその試験によって、その成績で、当然、倍率が高いときに結論を出すというやり方は、私は十分考えられるものだと思っております。特許権というものも現実にあるわけでありますので、知的財産権の議論というのはいろいろあろうかと思っておりますが、特許権も当然存在を認めるべきだと思います。
 あと何でしたか、忘れましたが……(発言する者あり)ユニクロの安売りですか。ユニクロの安売り、その安売り商法で、これは経済にのっとってユニクロが商売されているわけでありますから、それを一概に悪いとかいいとか言うべきものではありませんし、消費者が選んでいるわけですから、よろしいんじゃないでしょうか。

[一部引用終わり]

 財務大臣、党幹事長も務めた自民党長老の実に味わい深い質問でした。「ユニクロの安売り商法?」なんだそれ?と私も思いました。伊吹さんの質問はどういう意味か。

 入学試験→学校の入学者を、試験で選ぶのは、学力による差別ではないか?
 特許権という権利を認める→特許権を持った人は独占的な生産活動で富を得られるが、持たない人はその技術を使うことができず生産もできないし、あるいは学者も学術研究ができない。
 ユニクロの安売り商法→消費者に恩恵はあるが、同業他社(とくに中小企業)の経営は厳しくなるし、また、ユニクロの周辺で働く様々な人の収入が下がるし、海外生産で産業空洞化が進めば、国民所得が減りかねない。

 で、伊吹さんが言いたいのは、党綱領がないと、こういった3つの社会的問題への「民主党としての答え」が出せないだろう。とこういうわけです。私はこれは、憲政史に残る名問答だと考えます。

 党綱領策定委員会は、直嶋委員長に加えて、委員長代理に長妻昭さん、事務局長に近藤洋介さんが就きます。長妻さんと近藤さんは記者、さらに言えば、ともに日経グループの僕の先輩です。イデオロギーが終焉した今こそ、日本と民主党を元気にする党綱領を書いてほしいと思います。やりがいのある仕事ですね~~!

 たとえば・・・

 「私たちは3000の島々からなる列島の夏にはえる入道雲のような大きな志とそのつきぬける青空のようにクリーンな志で、政権交代可能な民主政治を実現する。政策を競い、常に国民の声を聞き、既得権益者の雑音を排し、この国を内にも外にも前に進めていく勇気に満ちている。マニフェストを明確に打ち出し、その正否は総選挙における国民の信にすべてゆだねる。私たちの進む道の答えは常に国民の中にある。与党の日も、野党の日も、その議論と振るまいに責任を持ち、健全なるデモクラシーの発展のためにすべての力を結集し、行動する。それが民主党である」

 なんていうのはどうでしょうか(^_^)v

 ◇

 きょうから衆院予算委員会が始まりました。野党時代の2009年国会の予算審議は、一般質疑も含めて民主党質疑完投を果たしました。2010年国会では、与党としての予算審議ということで、戸惑うこともありました。ことしは予算案よりも予算関連法案がカギとなり、予算委よりも財金委が友達も多いし、財金委をウォッチしようかな、とも思っています。しかし、正直言って、3月末にどうなるか。不安です。はっきり言いますが、不安です。

 ドン底の国民生活を考えれば、単年度主義とはいえ、平成23年度(2011年度)予算をしっかり仕上げないといけませんが、やはり筆者も人間ですので、新しいこと、前向きなことに興味があります。ということで、未来志向で、民主党改革本部と、3委員会の動きも取材し、お伝えしていこうと考えております。もちろん、意見もバンバン書かせてもらいます(^_-)

 「党綱領をつくれ」と言って、実際に委員長になった、民社協会国会議員団長の直嶋さんが離党することなんてありえないですよね。川端規約委員長も、あるいはグループは違いますが鉢呂「代表選」委員長もしかり。これだけでも「民主党が分裂するんじゃないか」という不安をこのブログに送って下さる方(複数名いらっしゃいます)に対して、「絶対、大丈夫です、安心して下さい!」と言える。まあ、仮に党綱領策定委員長が突然離党していったら、もうどうしょうもないと民主党をあきらめます(笑)

 予算委では、総理大臣の菅さんは、馬淵澄夫さんの質問に、「ボリビアの大統領から『(わが国は)日本のようになりたいんだ』と言われました。京都大学にも2人の大学生が留学しています」として、予算委の常連ながら与党としては初めて質問に立った馬淵さんに「激励のご質問ありがとうございました!」と答弁しました。この菅さんの質問を空元気だ、と言う人。だったらどうするの? 何か対案は出せるの?

 僕自身、ちっぽけなつまらない人間ですが、子孫に美田を残したい、りんごの木を残したい。岡田本部長とともに、僕も頑張ります!


一抹の淋しさを禁じ得ない小沢一郎先生の失脚&【追記あり】小沢先生、最後の国会演説

2011年01月31日 16時01分15秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
 1992年、自民党経世会から、改革フォーラム21(羽田孜代表)をつくり、1993年の通常国会終わりの「宮澤解散」で自民党を離党し、新生党を結党。第40回総選挙後に、細川護煕内閣(7党1会派)を樹立し、政治改革関連法案(小選挙区)が参院社会党の造反で否決された後、細川護煕首相と河野洋平自民党総裁の党首会談をセットした、小沢一郎先生が2011年1月31日、東京地裁が指名した指定弁護人から強制起訴されました。これにより、小沢先生は事実上失脚しました。私も元新生党学生部で政権交代ある二大政党政治の夢を追いかけた青春の思い出を持つ者として一抹の淋しさを禁じ得ません。


左から石川知裕さん(現衆院議員)、一人置いて、小沢一郎先生(当時新生党代表幹事)、筆者(宮崎信行)=石川知裕衆院議員のホームページから

 羽田孜さんが今期かぎりの引退を表明していますから、新生党の党首と代表幹事が同時に表舞台から去ることになってしまいました。「自立と共生」の「自立」の言葉の重みを感じます。

 もちろん、引き続き、恒三さん(渡部恒三さん)、参院に回ったピンさん(石井一さん)、前田武志さん、そして、当時1年生だった俊美さん(北澤俊美さん)は党派を超えて評価を集める名大臣に。私もまさかと思うけど、名大臣に。そして、最年少だった岡田克也さんも白髪交じりの57歳となりました。

 結党メンバーで、裏切って自民党に帰った人は、全員落選・引退しました。後から来て、自民党に帰った人は、今の同党の幹部の半分近くを占めています。大変な実力集団だったと感じます。光陰矢の如し、新進党を解党していなかったら、もっと早く政権交代が実現し、日本はここまでひどくなっていなかったと思います。

 離党勧告などと厳しいことを言う人がいますが、私はナントカ小沢先生を「党員資格停止」という穏便な処分にとどめていただけないかと思います。

 ありがとう、さようなら、小沢先生。「何一つやましいことはない」と主張する小沢先生。完全無罪が確定するまで、5年でも、10年でも、100年でもみっちりと時間をかけて法廷闘争に専念していただきたいと思います。

 日本医科大学附属病院の3つしかない特別室から見下ろす、根津神社の庭園を見るのが大好きな小沢先生。あと3ヶ月でツツジも咲くでしょう。一つの時代が終わりました。

陸山会土地取引を巡り、小沢氏を指定弁護士が強制起訴(朝日新聞) - goo ニュース

 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件で、検察審査会の「起訴議決」を受けて検察官役に指定された弁護士は31日、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で小沢氏を東京地裁に起訴した。市民の判断によって政治家が起訴されたのは初めて。小沢氏は起訴内容を否認して徹底的に争う方針だ。

 起訴状によると、陸山会は2004年10月、小沢氏からの借入金4億円で東京都内の土地を約3億5千万円で購入した。しかし、小沢氏は衆院議員・石川知裕被告(37)ら元秘書3人=同法違反罪で起訴=と共謀し、自身が貸し付けた4億円を、陸山会の04年分の政治資金収支報告書に収入(借入金)として記載しなかった。さらに土地代金は05年1月に支払ったと偽り、04年分ではなく05年分の収支報告書に約3億5千万円の支出と資産を記載した――とされる。

【追記 2011-1-31 20:00】

 私は前々から運命的なことが多く、そのことを何とも思いません。むしろもっと鈍感になりたいと思うこともあります。小沢一郎さんの最後の衆院本会議での演説を、実際に一般傍聴席から聞いており、その傍聴記を次のようにエントリーにまとめ、しめくくりました。

当ブログ内エントリーから引用はじめ]

 僕は1936年5月7日の衆議院本会議での
斎藤隆夫の粛軍演説と並ぶ歴史的な演説に立ち会えたのではないかという充足感を携えながら、窓から見える国会広場の噴水を眺め、3階傍聴席から傍聴受付へと降りる大理石の階段を踏みしめるように降りました。

 僕は日本は必ず甦れると思います。

当ブログ内エントリーから引用おわり]

 斎藤隆夫先生の粛軍演説は議事録削除、斎藤先生は衆議院除名となります。政治とはかくも儚い(はかない)ものです小沢一郎さんも歴史の激動期に表舞台から去っていきます。その最後の、本会議演説を目撃したことになります。20分間の短いスッキリとした内容の名演説でした。これは憲政史に残る演説で、与党党首である麻生首相が所信表明演説で、野党第1党(政権準備党)に質問を浴びせかけるという異例の事態となり、野党第1党党首である小沢先生はネクスト総理(シャドウ総理)として“所信表明”をしたんです。私たちは2009年夏から、これから数百年間、この国が続く限り、政権交代可能な二大政党(プラスα)による議院内閣制デモクラシーで、国の方向性を決めていきます。日本だけでなく、アジア各国にもそのシステムを輸出していくことになります。この日から11ヶ月後に、日本は初めて選挙によって政権政党を変えることに成功します。日本人はもっと自信を持っていい。そういう、憲政史に限らず、アジア・アフリカ諸国にも伝播していくであろう歴史の一シーンだということになります。

 ここに小沢先生の最後の国会演説の全文をご紹介し、小沢先生へのはなむけとします。

第170臨時国会の衆議院議事録から引用]

平成二十年十月一日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三号
  平成二十年十月一日
    午後一時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 永年在職の議員尾身幸次君、伊吹文明君、二階俊博君、額賀福志郎君、町村信孝君、大島理森君、甘利明君及び中川昭一君に対し、院議をもって功労を表彰することとし、表彰文は議長に一任するの件(議長発議)
 国務大臣の演説に対する質疑
    午後一時二分開議

○議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

(略)

○議長(河野洋平君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。小沢一郎君。
    〔小沢一郎君登壇〕

 

○小沢一郎君 麻生総理大臣の所信表明に対し、民主党・無所属クラブを代表して、私の所信を申し上げながら、総理の御見解をお伺いいたします。(拍手)
 まず最初に、総理大臣というもののあり方についてお伺いいたします。
 そもそも、一年足らずの間に二人続けて政権を投げ出した自民党の総裁が、総選挙を経ないで三たび、ここにこうして総理の座に座っておられるのは、信じがたい光景であります。
 与党が政権を担う能力を失ったならば、直ちに野党に政権を渡し、総選挙を行うのが議会制民主主義の筋道だと心得ますが、総理は憲政の常道というものをいかがお考えでしょうか、お答え願います。
 さて、総理の所信表明演説とは、総理自身の政治理念と、それに基づくビジョン、政策を明らかにするものであると理解しておりましたが、麻生総理の演説には、明白な理念も、具体的なビジョンや政策も、全く示されておりません。唯一はっきりしていたことは、民主党に対する誹謗中傷だけであります。
 また、演説の中で、総理が逆に野党に対していろいろと質問なさるというのも、私の三十九年間の議員生活において初めての経験であります。しかしながら、総理からのせっかくの御質問でありますので、私の所信を申し上げることにより、総理への答弁といたしたいと思います。
 近く行われるであろう総選挙は、国民の皆様に、今後も自公政権を続けるのか、あるいは民主党を中心とする政権にかえるのか、政権を選択することで国民生活の仕組みを選んでいただく、極めて重要な機会であります。
 すなわち、官僚に任せっ切りで、官僚の言うがままに莫大な税金の無駄遣いを続ける自民党政治の旧来の仕組みを継続させるのか、それとも、ここで大なたを振るい無駄遣いを徹底的になくして、国民生活を直すことに税金を振り向ける民主党政治の新しい仕組みに転換するのか、それを主権者たる国民自身に決めていただく選挙なのであります。
 では、なぜ今仕組みの選択なのか。
 私は、この二年半、北海道から沖縄まで、移動距離にして十八万キロ余りを行脚し、各地域の皆さんの生活をこの目で見て、お話を直接伺ってまいりました。
 その行脚を通じて、日本は既に中国、ロシア、米国に次いで、主要国では下から四番目の格差大国になっていることを実感いたしました。ほとんどの地域では、お年寄りも若者も、抜け出しようのないジレンマと将来不安を抱えています。小泉政権以来の、市場万能と弱肉強食の政治で生じたこの格差と不公正を放置すれば、日本の経済社会は根底から崩れ、国民生活が崩壊してしまいます。
 だからこそ、今、日本を変えなければならないのであります。坂道を転げ落ちる前のラストチャンスと言っても過言ではありません。そしてそれは、格差大国を生み出した自公政権に終止符を打ち、政治を変えることでしか実現することができません。(拍手)
 では、どう変えるのか。私たちの掲げる「国民の生活が第一。」の理念に基づいて、政治、行政の仕組みそのものをつくりかえるのであります。
 明治以来の官僚を中心とする国の統治機構を根本的に改革し、国民自身が政治、行政を行うようにする。同時に、国民生活を守るセーフティーネットをきめ細かくつくり上げます。
 具体的には、政治、行政と国民生活の新しい仕組みをつくることで、格差がなく公正で、ともに生きていける社会を築くのであります。その基本政策案は既に発表しておりますので、その柱だけを申し上げます。
 つまり、年金・医療・介護、子育て・教育、雇用、農林漁業・中小企業、生活コストの五つの分野でセーフティーネットをつくるとともに、財政構造の転換、国民主導政治の実現、そして、真の地方分権により日本の統治機構を根本的に改革し、その上に立って日本を地球に貢献する国にするというビジョンであります。
 こうした仕組みをつくることで、新しい国民生活を切り開き、その結果として、本当の内需拡大が進み、地域経済の再生から日本経済を立て直すことができると私たちは考えております。
 この新しい仕組みづくりの核心は、税金の無駄遣いを際限なく再生産している官僚任せの財政運営構造を大転換して、国の予算の総組み替えを断行することであります。
 そもそも税金は、国民のものであり、国民のために使われなければなりません。世界に例を見ない、今日までの日本の財政運営構造こそが異常なのであります。それを放置したまま、財源が足りないとか財源の裏づけがないなどと言うのは、税金の無駄遣いをしてきた側の論理にすぎません。
 国民の生活にとって何が大事か、私たちの新政権の目標である新しい国民生活をつくるために何が必要かという基準で予算の優先順位を決めることにより、私たちの政策を実現するのに必要な財源は十分に確保できるのであります。
 今こそ、国民の意思に基づき、国民の手によって、国民のための予算に全面的に組み替える、そのようにして税金の使い方を変えることが、国民生活を変え、日本を変える要諦であると私は確信しております。
 その意味において、近く行われるであろう総選挙の最大の争点は、無駄遣いを続ける今の税金の使い方を許すのか、それとも、民主党を中心とする政権にかえ、税金の使い方を根本的に変えるのかという選択であります。
 以上の考え方に基づき、私たち民主党は、総選挙のマニフェスト、政権公約を取りまとめました。この場をおかりして、「新しい生活をつくる五つの約束」を中心とするその骨格を国民の皆様に発表いたしたいと思います。
 第一の約束は、官僚の天下りと税金の無駄遣いをなくし、税金を官僚から国民の手に取り戻すことであります。
 一般会計と特別会計とを合わせた国の総予算二百十二兆円を全面的に組み替え、また、過去の税金などの蓄積であるいわゆる埋蔵金も活用して、国民生活を立て直すための財源を捻出します。国からのひもつき補助金は廃止して、地方に自主財源として一括交付するとともに、特別会計、独立行政法人などは原則廃止することといたします。また、当面は、特別会計の積立金や政府資産の売却なども活用いたします。
 それらにより、平成二十一年度には八兆四千億、二十二年度と二十三年度はそれぞれ十四兆円、四年後の二十四年度には総予算の一割に当たる二十兆五千億の新財源を生み出すことができます。また、このように税金の使い方を変えることを担保するために、多数の与党議員が政府に入り、政治が役所をコントロールできる制度に改めます。
 自公政権のもとで所得の減少と不景気の物価高にあえいでいるほとんどの国民は、家計のやりくりでも、まずは無駄を省くことを心がけ、実践しているのではないでしょうか。それと同様のことを国ができないはずはありません。それができないなどというのは、既得権益を守ろうとせんがための、へ理屈にすぎません。
 第二の約束は、年金加入者全員に年金通帳を交付し、消えない年金、消されない年金へとシステムを改めることであります。もちろん、消えた年金記録は国の総力を挙げて正しい記録に訂正し、国が責任を持って全額支払います。
 また、年齢で国民を差別する後期高齢者医療制度は廃止し、被用者保険と国民健康保険を段階的に統合して、将来の一元化を目指します。さらに、医療を機能させるため、医師は五割ふやし、看護師、介護従事者などの不足を解消いたします。
 第三に、子育ての心配をなくして、みんなに教育のチャンスをつくるために、子供一人当たり月額二万六千円の子ども手当を中学校卒業まで支給いたします。公立高校の授業料を無料化するとともに、私立高校、大学なども学費負担を軽減いたします。また、働き方や家庭の実情に応じた多様な保育サービスを支援していきます。
 第四の約束は、雇用の不平等をなくし、まじめに働く人が報われるような社会にいたします。
 具体的には、パートや契約社員を正規社員と均等の待遇にすると同時に、二カ月以下の派遣労働は禁止いたします。また、中小企業を支援しながら、最低賃金の全国平均を時給千円に引き上げてまいります。
 第五の約束として、農林漁業の生活不安をなくし、食と地域を再生いたします。
 そのために、農業の戸別所得補償制度を創設し、林業と漁業についても独自の所得補償制度を検討いたします。また、汚染米の全容解明と責任の追及はもちろん、食品安全行政を総点検、一元化して、食の安全を確実なものにいたします。中小企業については、法人税率を原則半減することなどによって再生させます。
 以上のうち、新しい政権の初の予算編成となる第一段階の平成二十一年度には、ガソリン税などの暫定税率を廃止し、二兆六千億円の減税を実施します。
 また、高速道路の無料化、子ども手当の創設、医療改革などは、二十一年度に一部実施した上、第二段階の二十二年度、二十三年度に完全に実施いたします。このような思い切った政策の実行こそ、緊急経済対策として最も有効でもあると考えております。
 農業の戸別所得補償は、二十一年度に法律を制定し、二十二年度から一部実施、第三段階の二十四年度に完全実施する予定であります。
 さらに、消費税の税収全額を年金財源として最低保障年金を確立する年金改革は、三年かけて新制度の詳細設計、法案化、法律制定を行い、二十四年度に完全に実施いたします。
 このように三段階に分けて着実に政権公約を実現し、私たちの政権が次に国民の審判を仰ぐ期限である四年後までに日本の新しい仕組みづくりを完了させる方針であります。(拍手)
 最後に、民主党の外交、安全保障の基本方針を申し上げます。
 第一の原則は、言うまでもなく、日米同盟の維持発展であります。ただし、同盟とはあくまでも対等の関係であり、米国の言うがままに追随するのでは同盟とは言えません。民主党は、米国と対等のパートナーシップを確立し、より強固な日米関係を築きます。
 第二の原則は、韓国、中国を初めとするアジア太平洋諸国と本当の友好・信頼関係を構築することであります。特に日韓、日中両国との関係の強化は、日本が平和と繁栄を続けていく上で極めて重要であると考えております。
 第三の原則は、日本の安全保障は日米同盟を基軸としつつも、最終的には国連の平和活動によって担保されるということであります。日本国憲法は、国連憲章とその理念を共有しており、また日米安全保障条約は、条文に明記されているとおり、国連憲章の理念と枠組みに基づいて制定されておるのであります。したがって、日米同盟と国連中心主義とは何ら矛盾するものではありません。
 民主党は、以上の三原則に基づいて、日本の平和を守り、主体性ある外交を確立、展開してまいります。
 私には二つの信念があります。
 第一は、政治とは生活であるということであります。先ほど来申し上げているように、政治は国民の生活を守るためのものだからであります。
 もう一つの信念は、政治とは意志であるということであります。主権者たる国民の皆様が決意をすれば、政治は変えることができるのであります。そして、日本国民はみんなで力を合わせれば、どのような困難でも必ず乗り越えることができると私はかたく信じております。
 その国民の力を最大限に発揮できるようにするのが政治の役割であり、私たち民主党の使命なのであります。(拍手)
 以上、民主党の基本政策と私の所信を申し上げました。総理の御見解を伺います。
 最後になりましたが、国会運営について申し上げます。
 米国のサブプライムローン問題に端を発した金融危機は、世界恐慌に発展しかねない状況になっております。当然、我が国においても緊急経済対策と各国との政策協調が必要でありますが、同時に、どのような事態にも対応できるようにするためには、政治、行政、経済の仕組みそのものの大転換を実行しなければなりません。
 したがって、日本の進路について、国会で十分に議論し、各党の主張を明確にした上で、速やかに総選挙を実施し、主権者たる国民の審判を仰ぐ必要があると思います。そして、国民の支持を得た政権が強力なリーダーシップを発揮して、このような危機に対処していくのが憲政の常道だと考えます。
 総理のお考えをお伺いし、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣麻生太郎君登壇〕

[引用おわり]


さあいよいよ(月)9時、馬淵澄夫さんが予算委に登場 自公共に審議復帰のきっかけを与えるな

2011年01月30日 05時47分36秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]第1次野党期に予算委員会で質問に立つ馬淵澄夫さん(民主党ホームページ)

 中井洽・予算委員長は、1月31日(月)、2月1日(火)の基本的質疑の開催を、正統な手続きで決定しており、責任政党である民主党、国民新党、社民党は準備を進めています。

 31日(月)の午前9時からのトップバッターはなんと馬淵澄夫さんということで、平成23年度総予算案の編成に取り組んだ閣僚経験者が、今度は政府外議員として国民の前に総予算のフレームをお示ししながら、閣僚の答弁を引き出すというタイヘン興味深い質疑になりそうです。民主党によって、ドンドン日本が良くなっています。

 馬淵さんは、第1次野党期(1998年春~2009年夏)の後半に、予算委員会で、耐震偽装、道路特定財源など、おもにに国交省関連分野で活躍したスター議員です。2008年通常国会では、岡田克也筆頭理事の指揮で、ガソリン値下げに成功しました。政権交代と同時に、国土交通省政務三役(副大臣、大臣)を経験して、国会に帰ってきたばかりです。第1次与党期(2009年夏~)での政府外議員としての質問は初めてになります。党では、仲の良い岡田克也幹事長の下で広報委員長に就任しました。

 馬淵澄夫さんは国土交通大臣としての海上警察権の監督責任をとわれ、参院側で問責決議を受けました。海上に限らず、警察、自衛隊、検察、国税庁などのあらゆる権力を私たち民主党が管理しているということは、片時も忘れてはいけません。捜査令状や、逮捕令状、を出す裁判所だって、最高裁判所の長官や裁判長は私たち民主党が人事権を握っています。その責任を24時間・365日間持ち続けることの大変さを知るというのは、第1次与党期における民主党の最大の任務だと言えると思います。

 それにひきかえ、自公共とみんなの党の4党の無責任ぶりは何でしょう。

 今後、統一地方選までNHK入りの審議は、基本的質疑の2日間、総括質疑の1日、そして、集中審議でおそらく政治とカネと社会保障、外交・安保の3回くらいあるでしょうか。参院でも同じく6回くらいありますが、ご存じのように3月2日までに予算案が衆院を通過すれば、参院の審議は消化試合ですので、野党にとっては貴重な露出の機会です。しかし、NHK出身の安住淳・民主党国対委員長は、野党が出席しなくても、基本的質疑を空回しする方針で、統一選を前にみすみす、チャンスを逃すという大失態を、逢沢一郎、漆原良夫、穀田恵二、山内康一の各国対委員長はおかしてしまいました。とくに公明党に関しては、大阪府議会議員選挙で2~3人以上、愛知県議会議員選挙で1人以上、神奈川県議会でも1人以上の落選者を出しかねない情勢で、参院のドン、白浜一良さんの影響力低下の可能性も出てきました。

 自公共に審議復帰のきっかけを与えず、日程闘争の無責任野党に目に物を言わせてやりましょう。国民生活はドン底であり、55年体制の料亭型裏取引官房機密費国対に染まった自公共はもはや不要です。


どん底の国民生活脱出へ、平成23年度予算審議スタート 民主党よ一歩も退くな、野党をなぎ倒せ!

2011年01月28日 20時56分22秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[画像]国民生活を守るために平成23年度総予算(案)の趣旨説明をする野田佳彦・財務大臣(2011年1月28日、衆院予算委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ)

 槇原敬之さんの♪冬が始まるよ~ という歌がありますが、私にとっては、さあいよいよ、ことしもこの季節がやってきました。

 責任与党・民主党と国民新党は、28日(金)午後4時過ぎから、衆院予算委員会を開き、平成23年度総予算(一般会計、特別会計、政府関係機関)の審議をスタートしました。

 野田佳彦・財務大臣が趣旨説明し、櫻井充・財務副大臣、末松義規・内閣副大臣が補足説明しました。

 ところが、あろうことか、公明党、自民党、日本共産党、みんなの党が審議を欠席。これはどうしたことでしょうか。予算案の提出は政府の専権事項だと憲法に決まっています。そして、それを審議しようとするのに、それをボイコットするとは、無責任野党であり、歳費を全額返済すべきですよね。

 中川正春理事らが出席を呼びかけましたが、出てこないので、やむを得ず、中井洽委員長は「現在34人が出席しており、定足数は十分にあります」として定員50人の予算委員会を開会。理事の選任として、「泉健太君、手塚仁雄君、若泉征三君」の3人を示しました。中川正春筆頭理事、武正公一理事は続投します。これから1ヶ月間、月曜日から金曜日まで、午前8時40分から理事会、午前9時~午後5時半まで審議、昼休みと、審議後も理事会という合宿のような日々が続きます。それもすべて国民生活のためです。

 私は長年、国政政党と地方選は別だという考え方を持ってきました。国政と地方選をリンクさせることが、地方分権に反すると考えてきました。しかし、現実に眼を開かなければなりません。私は先日の西東京市議会議員選挙で、友人の民主党公認の山崎英昭君が落選するという現実を見て、国政と地方議会は協力して、国難を突破すべきだと考えを改めました。

 公明党、自民党らが国民生活を第一に考えているなら、きょうの予算委員会に出てきたはずです。

 すでに1月31日(月)の午前9時から衆・予算委員会が設定されています。民主党は一歩も退かず、1月31日~2月2日の3日間、基本的質疑をすべきです。野党が出てこなければ空回し。NHKさんも、野党の連中が出てこなければ意味がありませんから、中継もしなくていいでしょう。大阪府議会や大阪市議会では、大阪維新の会の挑戦を受けて、公明党、自民党の現職が議席攻防を繰り広げています。その状態で、公明党が2週間でも、3週間でも審議拒否を続けるというのなら、どうぞおやりなさい。国債市場に関係なく予算関連法案を参議院で否決するならどうぞおやりなさい。漆原良夫・国対委員長も、白浜一良・参議院議員会長もやれるものならやってごらんなさい。もちろん、公明党には、参議院に山口那津男さん、草川昭三さん、衆議院には、坂口力さん、佐藤茂樹さん、石井啓一政調会長、江田康幸さんらすばらしい議員もいます。しかし、新進党の志をわすれ、自公政権で料亭政治に染まった漆原良夫・国対委員長や、高木陽介・幹事長代理のような政治家もいます。だから、第45回衆院選で8小選挙区で全敗したんです。負けたなかでも、赤羽一嘉さんなんかは政治家としても人間としても頼もしい人です。

 ちょっと下手(したて)に出たからと、調子に乗る奴のことを「乞食」と呼びます。まさに正念場の予算審議。「闘う野党」の公明党が、国政でも、地域でも私たちの生活を守る政党でないことが図らずも明らかになりました。歳費を返せ!

 一歩も退かずに、民主党は突き進むべきです。

野党になめられるな 予算は何が何でもきょう中の審議入りを

2011年01月28日 15時58分21秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[写真]中井洽・衆院予算委員長

 代表質問が参院で行われているので、気もそぞろで申し訳ないが、きょう午後4時20分から、衆院予算委員会が設定されています。野党が理事会を欠席する中、中井洽委員長が職権でセットしました。

 平成23年度総予算(案)審議は、野田佳彦財務大臣の趣旨説明、財務副大臣(おそらく櫻井充副大臣)の補足説明からスタートしますが、これは何が何でもきょう1月28日(金)に野党欠席でもやるべきだと、私は主張します。

 国民生活、景気、雇用はドン底です。

 昨年の予算審議は、「箇所付け漏洩事件」というのがあって、野党の抵抗で審議入りが遅れました。私にとっても、「箇所付け漏洩事件」は政権交代後、もっとも民主党、小沢一郎幹事長体制に失望した残念な事件でした。これに関して、馬淵澄夫・国土交通副大臣と平野博文・官房長官(ともに当時)が陳謝した上で、昨年2月4日午後6時50分から予算審議がスタートしています。

 関連エントリー)予算審議スタート 箇所付け問題で馬淵副大臣らを処分へ

 ところが、ことしはこの「箇所付け漏洩事件」のように、野党が審議入りを拒否する具体的な材料はないと思います。ただ、きょうの参院本会議で、菅直人首相が答弁漏れをしないように注意していただきたいところですが、これさえなければ、国民生活の悲惨な現状を考えれば、1月中ですが、予算はすぐに審議入りすべきです。私もすべて読んだわけではありませんが、平成23年度予算書はよくできていると評価しています。

 金曜日の審議入りで、月曜日に基本的質疑となると、官僚のみなさんや、NHKには苦労をかけるけれど、いずれにしろ、国民生活のためには耐えていただきたい。とくに、代表質問では、公明党の井上義久幹事長が民主党を厳しく攻めるなど、民主党は少し野党になめられている。小沢一郎氏の政倫審に賛成したり、反対したり、証人喚問をやれといったり、やるなといったり、野党の思うがままになっています。

 国会はけんかです。外で決闘したり、戦闘したりするのが無政府状態や戦争であり、国会の中や選挙で戦争をするのが、法治国家であり、デモクラシー(民主国家)です。

 けんかは初めが肝腎。S&Pが国債の格下げを発表し、民主党幹事長の岡田克也さんは「いくつもある格付け会社の一つ」と冷静なメッセージを記者会見で発しましたが、ここで、予算関連法案を人質に取ろうとしている野党を一発ぶちかますチャンスです。統一地方選を前に、公明党が2週間、3週間と審議拒否できるわけがありません。菅と岡田が怒ったら、どれだけ恐いか見せつけてやりましょう。

 2月6日の名古屋市長選はいずれにしろ、民主党議員だった人同士の選挙ですし、県知事選とねじれています。北九州市長選は民主党議員だった素晴らしい人が相乗りですから、2月6日週からの野党の攻勢はあり得ません。

 そこで、「小沢一郎元代表の強制起訴」がいつになるかです。これがあると、野党は審議拒否するでしょう。ここで、民主党としては、小沢一郎(氏)の政倫審カード、証人喚問カードを切ることができます。証人喚問は議院証言法の偽証罪からして、難しい面がありますが、以前、新進党の友部達夫・参院議員が起訴後に証人喚問を受けていますから、不可能ではありません。また今回は「強制起訴」といっても、検察審査会の議決に基づくものですので、友部さんのときに比べれば「起訴」の意味合いは違います。ハードルは低いと言え、民主党は野党に譲歩する(カードを切る)べきでしょう。

 そして、4月10日・24日の統一地方選ですが、これは市町村合併&定数削減で、ホントウに苦しいのは、公明党、自民党、日本共産党の現職地方議員たちです。民主党が苦戦しているのは事実ですが、苦しんでいる人の数は公明党、自民党、日本共産党の方が多いのです。野党が足並みを揃えて、国会で1週間も、2週間も審議拒否をするのはムリでしょう。

 今国会は、予算審議は低調になりそうな気配を感じています。というのは、予算関連法案が野党のターゲットになっているからです。しかし、ここは両院協議会の協議委員の選出方法が、国会法、衆参規則になりことを利用して、協議委員を選挙にしてしまう手がある、と私は考えています。これまでは、衆参不一致の場合は、衆院議長(あるいは参院議長)が「これより協議委員の選挙に入ります」と言ったところで、動議が提出され、「議長において指名することをのぞみます」「今の動議にご異議ありませんか」「異議無し」「それでは議長は協議委員に~10人の議員名~さんを指名します」という運びになっていました。しかし、これは先例に過ぎないので、衆参とも、協議委員10人を選挙すれば、いい。そうすると、票割りすれば、民主党側から見て、衆議院では7人対3人、参議院では4人対6人が協議委員になります。総計で、民主党側から見て、11人対9人の協議委員で両院協議会が開かれますから、くじ引きで衆参どっちが議長をとろうとも、打ち切り動議を出して、採決に持ち込めば、衆参関係なく、民主党側の意見にそった結果が両院協議会で出るはずです。これは私の思い付きですが、ぜひ、民主党国対は、衆参事務局に問い合わせてみて欲しいと思います。ネックは参院議院運営委員長が自民党の鈴木政二さんだということですが、国会法第88条が「両院協議会の拒否の禁止」を定めているので、参院本会議を開かないわけにはいかないはずです。この辺は、1月20日に出た、大山礼子著の岩波新書「日本の国会--審議する立法府へ」の第4章の194ページ辺りを読んでいて、思いつきました。2月後半、3月後半にも、このことは触れていくことになると思います。

 もう一つ、ぜひ両院協議会は、国会議事堂本館3階の「(常任)委員長室」ではなく、交代で第一委員(会)室で開催し、インターネット中継してほしいと考えます。これは民主党に有利ですが、さいわい自民党の国対委員長も国会審議のネット中継を推進してきた逢沢一郎さんですから、彼の政治活動歴からして、拒むことはできないと思います。参議院ということですが、参議院は国会同意人事の議院運営委員会のネット中継(録画中継)の実績がありますし、議事録をつくることになったのは、2008年の北澤俊美・協議委員議長の提案からです。速記者は衆参で統一されているのでやりやすかったのです。ネット中継業者は、衆参では別々ですが、これは党首討論のように、第一委員(会)室を交互に使っていけば、その院の出入り業者が担当するということで問題ないでしょう。

 ここは、長期金利も含めて、日本国民にとっての瀬戸際になりかねないので、ぜひ準備を進めて欲しいと思います。菅さんの言うとおり、自信を持ちましょう。ただし、先行きの透明性、安心感という下地がなければ、自信を持て!とだけ言われてもムリな話です。国債格下げは、公明党などの野党の理由なき反抗にあります。なめられちゃいけません。もう民主党の支持率は、これ以上下がりようがない、まだ下がるかもしれませんが、実は底堅いと思われます。大事なのは、友情と勇気です。突撃しましょう! 国民の生活のために。

秋山真之の孫・大石尚子さん「人生は有限であります」と与謝野馨大臣の入閣に理解

2011年01月28日 15時37分02秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[参院本会議 2011-1-28 ]

 良識の府、参議院(笑)。

 代表質問の2日目の眠たくなる時間帯に、参院民主党(民主党・新緑風会)を代表して、大石尚子さん(全国比例)が登壇し、「ゆとりとこころある」質問。久しぶりに良識の府を感じました。74歳の大石さん、きょうが本会議初登壇。輿石東・議員会長、羽田雄一郎・国対委員長らの良い人選だったと思います。

 民主党の初代「ミスター年金」だった山本孝史さんが亡くなって、繰り上げ初当選したのが大石さん。総理の菅直人さんは、昨年9月の代表選での政見演説に続き、今国会の施政方針演説でも山本孝史さんに触れました。大石さんは山本さんから議員としてバトンタッチを受けました。命のバトンタッチとしては、大石さんは、坂の上の雲・日露戦争の英雄というか日本の英雄、元海軍中将、秋山真之の実の孫です。何度かこのブログでも触れているので、もうご存じの方も多いと思います。秋山が書いた開戦を伝えた電報の「本日天気晴朗なれど波高し」は美文すぎると上司からたしなめられましたが、大石さんは「総理がおっしゃる最小不幸社会、不条理について、不という文字が入ると、元気な日本へと前に進めない、元気が足りない」とたしなめました。そして、「総理は施政方針演説で2つの政党(自民党、公明党)の名前だけ出したが、与党少数の参議院では、他の政党との話し合いも必要です」と語ると、議場がわきました。総理をたしなめているようで実は総理を助けているという、与党質問のお手本を示しました。

 大石さんはやはり巡り合わせが多く、神奈川県議会議員としての地盤は金子洋一さん(現・神奈川選挙区選出民主党参院議員)のお父さんから引き継いだそうです。金子さんのお父さんは、松竹大船撮影所の労働組合から民社党で県会議員に推されていました。「神奈川」「鎌倉」「松竹」「大船」「秋山真之」「坂の上の雲」・・・大石さんには、なんだか参議院というより、貴族院の薫りを感じます。

 「子供たちが国会を見ています」。これは参院自民党にはキツイ言葉だと思いますが、なぜか議場は笑い声。

 「日本人はせっかちの性分なのかしら」として、総理に対して、解散・総選挙を迫る声をたしなめました。もちろん、私も庶民のみなさんがタイヘンな思いをして生活しているのは理解しております。しかし、余裕も必要です。いたずらに変化をあおることで、心の安定を保とうとするやじうま根性はいかがなものか。

 与謝野馨大臣について。「先生の民主党への酷評は正直言って怒りを感じました」、「入閣でまたビックリ。経緯を思えば、よく受けたものだと思いました」、「しかし、私も与謝野大臣と同じ時代を生きてきました。

 人生は有限であります


 年を重ねて、初めて、次の世代に連なる人生のつながりを理解することができます。それに気付いた上での決断(入閣)では」としました。

 政権交代直後の2009年11月17日の参院外交防衛委員会での大石さんの初質問では、「防衛大学校の教育課程というのを、これを今この機に見直す必要があるのではないかと思っております」との指摘に、防衛大臣の北澤俊美さん(参院長野選挙区)が「大石委員の、先ほどの統合運用の問題もそうでありますが、今の優秀な自衛官を育てていくという、多分、大石先生のDNAが呼んでいるんだろうと思いますが、明治の時代に建軍の中心になった皆さん方の思いと共通するものがありまして、傾聴をいたしたわけでありますが」という「俊美流脱線答弁」もありました。大石質問を聞いていると、明治の先人から「何やっているんだ!」とたしなめられているような感じが、今を生きる日本人として感じました。ちなみに、北澤さんお父さん、北澤貞一・元長野県議も民社党結党メンバーなんですね。

 次の世代に、良い日本を残さないとね。


漆原良夫・公明党国対委員長、江田五月法相に死刑囚の助命を嘆願

2011年01月28日 00時47分00秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[写真]公明党の漆原良夫・国対委員長

 公明党国対委員長の衆院議員、漆原良夫さんが、1月25日(火)に死刑囚の執行停止を江田法相に求めていたことが分かりました。江田五月メールマガジン第1035号(2011年1月27日号)は、1月25日午後2時過ぎに、「(民主党衆院議員の)牧野聖修さんと漆原良夫さんが、袴田巌死刑確定者の執行停止の要請に来られました。心神喪失を理由とする法務大臣の職権発動を促すもので、ご努力に敬意を表しました。しかし、本人の現況は把握していますが、個人情報なので答えることは出来ません」と書いています。

 松岡徹・民主党前参院議員のブログによると、「袴田巌死刑囚救援議員連盟」という超党派議連があり、会長が民主党の牧野聖修さんで、鈴木宗男受刑者が発足時の事務局長だったようです。世話人は、松岡徹さんと、自見庄三郎・金融相(国民新党)、自民党の国対委員長になった逢沢一郎さん、社民党の国対委員長になった照屋寛徳さんと、偶然、社民党、自民党、公明党の国対委員長が名を連ねていることになります。ちなみに、漆原さんと照屋さんは弁護士です。

 この袴田事件というのが、どういうものか知りませんが、こういった超党派議連の活動を期待します。

(上記、松岡徹さんのホームページから議連設立主意書引用はじめ)


「袴田巖死刑囚救援議員連盟」趣意書

 1966年(昭和41年)6月30日に静岡県旧清水市で発生したいわゆる「袴田事件」の犯人とされ死刑判決を言渡された袴田巖死刑囚(74)は、1980年(昭和55年)の死刑判決確定以来約30年にわたって日々死刑執行の恐怖に晒された結果その精神は蝕まれ、現在では面会時に親族・弁護人・支援者と正常なコミュニケーションを取ることすら困難な状態に陥っている。
 かねてから「袴田死刑囚は無実である」との声は多く、袴田死刑囚自身が獄中から発した無実の訴えも悲痛極まりない。また、日弁連が支援する弁護団は死刑判決確定直後から現在に至るまで再審の扉を開かせるために闘い続けている上、一審静岡地裁で死刑判決を書いた裁判官自らが「無罪心証を抱いていたが評議の多数決で敗れた」と3年前に告白したことも記憶に新しく、この事件が冤罪である可能性は益々高まっている。
 もとより司法の判断は尊重されねばならず、国会議員といえども司法に不当な圧力を加えることは許されない。しかし、時に司法が過ちを犯すことは歴史の証明するところであり、司法が自らの過ちを正すことができないのであれば、その過ちの犠牲者に救いの手を差し伸べることを、弱者の代弁者たる我々は躊躇すべきでない。
 そして何より、司法の判断がどのようなものであれ、逮捕からの拘束期間が43年という長期に及んでいる事実を重く受け止め、守られるべき人格すら奪われた袴田死刑囚をこのまま獄につなぎ、いたずらに死への道を歩ませることは人道的見地からも許されないであろう。
 よって我々は国会議員の立場から、袴田死刑囚の処遇改善に努めるとともに、早期釈放に必要な具体的行動を結束して実施するために本議員連盟を設立することにした。
 多くの議員のご賛同とご入会を切に願う次第である。

2010年(平成22年)4月

国会議員各位

発起人一同

牧野聖修
松岡徹
逢沢一郎
漆原良夫
照屋寛徳
自見庄三郎
鈴木宗男

(松岡徹さんのホームページから議連設立主意書引用おわり)


中野寛成・公務員制度大臣が初答弁 衆院本会議 さすがにキンチョー?

2011年01月27日 17時24分13秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[衆院本会議 2011-1-27 施政方針演説への各党代表質問2日目]

 菅再改造内閣で初入閣した、中野寛成さんが衆院本会議の代表質問で、ひな壇から演壇でに進み、答弁しました。公務員制度改革担当大臣としての答弁。中野さんは、国家公安委員長と拉致問題担当大臣も兼ねています。

 みんなの党代表の渡辺善喜(わたなべ・よしみ)さんの代表質問への答弁です。NHKがテレビジョン(地上波アナログ・地上波デジタル)、BS(衛星)、ラジオで全国生中継しました。

 時刻は午後5時5分頃。この日は午前10時から正午過ぎまで、参院本会議、午後2時から衆院本会議ということで、ひな壇も5時間以上座り続けていたことになります。

 大臣としてはじめて、演壇に向かう寛成さん。まず、議長席の衛藤征士郎副議長(会議スタートから2時間を過ぎているので、正副議長が交代)にあいさつ、野党側にもあいさつして、答弁を始めました。すさまじいカメラのフラッシュ。さすがに緊張感は隠せませんでしたが、「公務員制度は140年前の明治維新から続く」「仕事のやりがいに応じた信賞必罰も必要」「公務員制度改革法案をこの国会に提出する」と責任ある答弁をしました。

 とはいえ、勤続30年、細川・羽田内閣でも与党幹事長・政策責任者、衆議院副議長の経験があったとしても、国務大臣としての衆院本会議代表質問での答弁が特別なものであることが、表情からうかがい知れました。

【追記 2011-1-27 午後11時30分】

 一休みして、国会議事録検索システムで、中野寛成さんの衆院本会議での登壇回数を調べたら、過去に40回演壇および議長席から発言しています。

 寛成さんの初登壇は、1977年の第80通常国会の3月4日で、赤字国債臨時特例法案の質問に立っています。このときは、赤字国債発行3年目で、「私は、民社党を代表し、ただいま提案されました昭和五十二年度の公債の発行の特例に関する法律案について、総理、大蔵大臣並びに行政管理庁長官に対し、国民の率直な不安の気持ちと将来に対する願いを込めてお尋ねをしたいと存じます。」と質問しました。首相は福田赳夫さんで、「お答え申し上げます。(略)五十二年度(1977年度)という年は、私は、財政再建の第一歩をかなり着実に踏み出すという、そういう年にしたいと思っておったのです。ところが、御承知のとおり、わが国の経済は昨年の夏ごろから停滞期に入った。これをほっておくわけにいかぬ、そういうような事情もある」。この後、毎年、赤字国債臨時特例法が成立し続けながら、細川内閣だった1994年をのぞき、自民党は32年間政権を担うことになってしまいました。このとき30歳だった人は今は62歳。反省してください。

 寛成さんは民社党書記長を務めて、解党。新進党に羽ばたきます。

 1995年、平成7年10月3日には第134臨時国会では、「私は、新進党・民主会議を代表して、村山総理の所信表明演説に対し、私たちの提言を述べつつ、総理並びに関係大臣に質問をいたします」
と、建設的野党として、二大政党デモクラシーをこの国につくるんだ、という新進党の息吹を感じました。新進党は後に小沢一郎氏によって解党されてしまいました。
 このころはまだ景気が良かったので、「村山連立政権の政治姿勢についてであります。言うまでもなく、冷戦構造の崩壊、経済の国際化の急激な進展、マルチメディア社会の到来といった情勢の変化に伴い、世界は歴史的な激動期を迎えております。我が国がかかる激動期にその生存を図り、二十一世紀日本の明るい展望を切り開いていくためには、従来の発想を大胆に転換し、これまで定着してきた制度、システムの変革に勇気を持って取り組まねばなりません。政治に求められていることは、歴史に対する深い洞察、正しい時代認識と新しい時代を切り開くビジョンであり、勇気を持って改革を進めるリーダーシップの発揮であります」

 しかし、やはり日本人は内向きですので、世界の潮流に斬新な発想で乗り出すことができず、平成不況に突入していきます。

 2002年10月21日の第155臨時国会では、「私は、民主党・無所属クラブを代表し、総理の所信表明に対して質問いたしますとともに、若干の所見を表明いたしたいと存じます。とりわけ、私は、内政問題に絞り、小泉内閣の経済無策とその不幸な帰結について問いただします」と寛成さんの演説も内向き・経済政策に向かっていきます。

 これが演壇に立った最後で、この後は、衆議院副議長として議長席から発言しています。

 2005年3月22日の第162通常国会の本会議で「本日は、これにて散会いたします」と宣言し、この後の第44回郵政総選挙で落選。本会議での発言は41回目、演壇では8年3ヶ月ぶり、大臣としては勤続30年目で初めての発言ということで議事録に日本国が続く限り、残ることになります。こうやって寛成さんの30年間の本会議議事録を読むだけでも、民社党や新進党は時代を先取りしすぎていたのだなあと思い、デモクラシーと選挙というものの不条理を感じざるを得ません。

 こうやって考えると、連合と創価学会が応援団だった新進党(1994年~1997年)が、政権交代の千載一遇のチャンスだったわけで、解党した小沢一郎(氏)を歴史法廷の断頭台に送りたい気持ちは今も変わりません。

【追記おわり】

 また、寛成さんに代わり、答弁の機会を与えてくれたみんなの党さんには感謝します。とはいえ、中野大臣の前に答弁に立った菅直人総理によると、渡辺議員はこの日の午前中に質問通告をしてきたそうで、口八丁手八丁の無責任野党としか言いようがありません。責任政党と思われたいなら、予算関連法案に賛成したらいかが?

 なお、きょうの代表質問では、社民党幹事長の重野安正さんが、政権交代後に1年間、財務副大臣(税制担当)をした前参院議員の峰崎直樹さんが、昨年6月の代表選さいちゅうに、G8に大臣の代理で出席し、法人税率下げ競争が起きないよう、ある程度、カルテル(言葉は悪いが)のように、先進国で法人税を一定以上にするようコンセンサスをつくるアイディアを引き出し、賛意を示しました。ちなみに重野さんと峰崎さんはともに自治労の出身。たまには自治労も良いことを言う、といっては失礼ですが、社民党、民主党の枠を越えた自治労つながりで、大企業の聖域にメスを入れて欲しいと思います。

 また自治労をはじめとする旧総評系労組出身の議員のみなさまも、民主党、社民党の枠を越えて、中野公務員制度改革担当大臣を助けて欲しいと考えます。政治家らしい政治家、中野寛成。その名にちなんだ、中野正剛との違いは、まずは大臣になったということです。ただ、連合組織内でありながら、公務員制度改革担当大臣になったということは、中野正剛(自刃)先生のように、何か滅びの美学があるのかもしれません。私は実は「あること」を寛成さんから聞いていますが、ここには書きません。

 初日から総理の答弁漏れ、前原誠司外相の参院本会議での外交演説の飛ばし読み(気持ちは分かるが、やってはいけない)などがあったため、この日は藤井裕久・官房副長官がひな壇で原稿に目を光らせる姿が見えました。自民党政権時代にはフツーに見られた光景です。この内閣にもう一回、任せてみましょう。


暴走する参院自民党の小坂幹事長「衆院を解散させ、予算は参院の一太が組む」

2011年01月26日 22時23分30秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]小坂憲次・参院自民党幹事長=BS11番組画面を筆者撮影

 さて、あす(27日)午前10時から、参院本会議で各党代表質問が行われ、中曽根弘文・参議院自民党会長の質問から、2011年の参議院もスタートします。

 ◇

 参議院自民党がおかしいです。

 先日、1月20日(木)放送のBS11「インサイドアウト」に小坂憲次・参院自民党幹事長(全国比例)が出演しました。が、これが実に驚くべき内容。通常国会前に多少かけひきをふかした面もあるだろうけど、1時間の発言をカンタンに言うと、
「予算関連法案を3月にことごとく、参院で否決し、菅民主党を追い込み、衆議院を解散させる。そして、自民党も含めた衆議院側が総選挙を闘っているさいちゅうに、参議院自民党が平成23年度予算の組み替え案をつくる。すでに、山本一太・参院政審会長と、経財相の経験がある林芳正・参院議員には、『よく(菅政権が組んだ)予算書を読んでおけ』と指示している」。

 は?

 ホントウにこれでいいのか? 民主党よりも、むしろ、衆議院自民党もこんなことを言わせておいていいのか?という感じがしました。

 この後、25日の記者会見で、参議院自民党の脇雅史国対委員長が、「今年は地方統一選もある。国民生活に無用な混乱を与える必要はない。かつて民主党がやった揮発油税の暫定税率(廃止)みたいなバカなことにならないよう臨みたい」と発言したようで、少しホッとしたけど、この小坂発言は、ぜひ、通常国会冒頭にみなさんと内容を共有しておきたいと思います。

 昨秋の第176臨時国会では、参・予算委での西田昌司さん、丸川珠代さん、森雅子さん、丸山和也さん、義家弘介さん、宮澤洋一さんら参院1回生の活躍もあり、ネット中継は参院の方がアクセス数が多かった、と報じられています。さらに、参・本会議では、仙谷由人大臣、馬淵澄夫大臣の問責決議に成功しました。

 陣頭指揮をとった小坂幹事長は第176臨時国会について、

 「ちゃんと政策を議論して、予算書をひもといて、『大臣なら当然ご存じでしょうね』と。女性議員も入れて、テレビを見ている人にも「自民党は変わった」と参院側から分かるようにした。衆院の方の予算委は、理事の(閣僚経験のあるベテランの)人が(質疑を)やっていたけど、参院自民党では、委員会配置は新人の希望を優先して、ベテランに別の委員会にかわってもらった。昔は、1回生は『君らは当選したばかりで(任期が)6年間もあるんだから、2年、3年待て』と言われて当然だったけど」として、1年生かつ知名度の高い議員を、TV入り予算委に集中投下していたことを認めました。そして、“場外”でも、「こちらのBS11さんとかにも、山本一太とか、元気な人に出てもらうようにしていた」と徹底したことを明かしました。参院自民党のベテランには、事務次官経験者の天下り先としてのんびりやっている人も多い傾向があります。

 ただ、第177通常国会では、「ベテランも交えて、バラエティのある審議を組み立てます。そうすれば、参議院の方から『自民党は変わったね』と(国民が)思ってくれれば、『衆議院の方(の自民党)も変わった』と思ってもらえる」。これは作戦ですから、ここまでは私は異論はありません。

 ただ、小坂幹事長は、「次の政権交代後に自民党がなにをやるか、は参議院自民党を見てもらえば分かる」。これはちょっとおかしいのではないか。政権選択は衆議院であり、首相をやるのは、谷垣禎一・自民党総裁兼シャドウ・キャビネット首相なんだから、ある程度、政権の“予告編”は衆議院自民党がやらないといけない。あくまでも参議院自民党は補佐役に徹するべきです。

 で、小坂さん、「(番組スタートから)この5分ぐらいで(1時間の番組で)話したいこと、全部話しちゃいましたね」。そうなんです、参議院はTV出演など日の当たる場が少ないんです。目立ちたくても目立てない隔靴掻痒。これが参議院を読み解くカギです。たとえば、1995年には政治改革関連法案が参院社会党の一部造反により否決されました。2005年には郵政改革法案が参院自民党の一部造反(中曽根弘文・現参院議員会長含む)により否決されました。たまにやってきた目立つ場面、正念場と言うんでしょうか、そういった政治シーンでは、特段の政策的理由がなく、目立つために造反する。過去にも、参議院はそうやって暴走しました。

 「5分で話したことを全部話しちゃった」小坂さんですが、番組はあと55分間もありますから、続きます。

 「民主党の支持率が下がっているのであって、自民党の支持率が上がっているわけではない」という現状認識を示して、「法案・予算案は衆院から(参院に)来るんですね。参院にきたときに(予算関連法案の)公債特例法案が通らなければ、内閣が持たないわけで、そこの見せ方の問題がある」と、3月中旬~下旬にかけて、予算関連法案を参院で人質にとってなんかするぞ!とアピール。

●問責決議は今は白紙

 問責についても書いておきますが、この段落は読み飛ばしてもらってもかまいません。「与謝野馨大臣への問題よりもむしろ、私は菅総理の任命責任の問題があると思いますね。与謝野さんは議員辞職して、民間人として入閣すればよかったのかもしれない。(第176臨時国会では)岡崎トミ子国家公安委員長(当時)など出したい人はもっとたくさんいるけど、それをやると、権利の乱用と言われかねなかった。今後の問責については白紙です。与謝野さんよりも先にいろいろと閣僚の失言も出てくるだろうし、問責以前に辞めてもらうケースも出てくるでしょう。

●税と社会保障の与野党協議

 「税と社会保障の一体改革は議論したいテーマですが、『あんたたち民主党に言われたくないよ』という気もする。民主党内にもいろいろな考えがあるようなので、消費税について意見をまとめてもらって、それが見えてこないと議論できない」。

●衆議院自民党よ、これでいいのか!?

 さて、読者の方、というより、衆議院自民党に読んでもらいたい内容です。予算関連法案について、「ホントウに良い法案が来れば通さざるを得ない」としながら、「それよりはむしろ、法案を否決してしまって、(参議院)自民党が平成23年度(2011年度)予算を組み替えてしまった方がいいんじゃないですか? そのためには、(衆議院を)解散してもらう。その組み替えの作業としては、(衆議院が選挙中なので、)参議院(自民党)が準備しておかないといけないということで、山本一太、林芳正の2人には、『よく予算書を読んでおけ』と指示してある。野党の私たちがやるということで、そこまでできるかは、時間とのたたかいになる」と語りました。

 衆議院が解散となり、参議院自民党が組み替え案を作成するとなれば、豪華な参議院議員会館に陣取れば、山本一太議員室、林芳正議員室は、各府省の官僚、各種団体で連日100人以上押し寄せるでしょう。

 これでいいのか? 衆議院自民党の諸君!

 谷垣禎一さんは、リーダーシップがないと言われることもありますが、参議院自民党を抑えられないようでは、日本のリーダーシップは任せられません。小坂憲次さんも第45回総選挙「政権交代の夏」で長野1区に篠原孝さん、現・農水副大臣に敗れたあとは、浪人して、「諏訪の御柱祭から長野市内の会合へ。一日まわって、長野県はホントウに広いなと感じました」と、初々しすぎるブログを書いていましたが、全国比例で国政復帰し、すぐさま参院自民党幹事長の座を射止めたら、あっという間に元の鞘に収まってしまったようです。

 ◇

 26日の衆院代表質問では、自民党の小池百合子総務会長の質問に対して、菅直人総理(民主党代表)が順を変えて、答弁の冒頭に、野党時代の民主党のふるまいを謝罪しました。そのうえで、岡田克也幹事長が呼びかけている国会改革への協力を要請しました。

 日本がモデルとする英国議会では、憲法そのものがありませんが、日本国憲法は参議院の存在や構成(半数改選)を定めています。ですから、日本での両院のあり方改革は、憲法を前提としたものにしなければなりません。現実的には、岡田幹事長の案のように、両院協議会改革がスタートになるでしょう。で、憲法で定められた参議院ですが、両院協議会の協議委員の選出方法は先例であり、国会法に規程はないのだそうです。また衆議院規則、参議院規則にも明文がなく、先例に過ぎないとのことです。

 これは2011年1月20日という時宜をえた発行日で出た『日本の国会--審議する立法府へ』(著者は駒澤大学教授の大山礼子さん、岩波新書)の195ページに教えられました。元々大山教授の名前は知っていて、昨年11月27日のエントリーでも識者のコメントとして支持しました。今回のこの岩波新書は政権交代後の「政調廃止」にも触れたり、「イギリスの議会政治」について「日本では、イギリスからヒントを得た改革提案が盛んな割りに」「どういうものなのか、正確に理解されてはいないようだ」(117ページ)という、小沢一郎さんにも、僕にも、耳が痛いことを書きながら、235ページの新書にまとめてくれています。800円プラス消費税ということですので、当ブログのファンの方々やあるいは、国会議員、秘書にも、ぜひこの本を手元に置いていただいて、2011年国会の拠り所・たたき台にしていきたいと、考えています。ちょうど国会議員要覧と同じサイズですので、パソコンの左に2つ重ねています。一緒にこれをたたき台にして、ことしの国会を見ていきましょうよ。


 
[画像]大山礼子著『日本の国会--審議する立法府へ』

 ちなみに、両院協議会の、衆院10人・参院10人の協議委員は、それぞれの院の多数派10人がそれぞれ送られますが、岡田幹事長はこれをドント配分にすることを提案しています。

 景気、雇用、年金・・・大事です。しかし、そこはまず、しっかりとした国会と内閣のしくみをつくる。ピンチはチャンス。君子は本を務む、本立ちて道生ず(政治家は根本の問題をしっかりやると、進むべき道筋が見えてくるものだ)

 2011年国会を参議院改革、国会改革というたしかな果実を与野党、衆参、そして国民がともに得られる年にしましょう。

(文中、小坂氏の発言は、筆者のノートから起こしたのものです)


野党、2011年国会“3分2秒13”で小沢一郎(氏)に触れる 燻り作戦、次期総選挙まで

2011年01月26日 13時21分22秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
[写真]「3分2秒13(=左ストップウォッチ)」で、小沢問題にふれた2011年国会最初の野党演説に立つ自民党の谷垣禎一さん=後ろはNHK中継

[衆院本会議 各党代表質問 2011-1-26]

 おとといの菅直人首相、前原誠司外相、野田佳彦財務相、与謝野馨経財相の政府4演説に続き、きょうの各党代表質問で、ことし初めて野党議員の発言を国会で聞くことができました。

 自民党の谷垣禎一総裁が代表質問に登壇し、「鳥インフルエンザ」、「与謝野馨さんの国務大臣起用」「解散総選挙」に続き、

 で、ストップウォッチではかったら、演説スタート後、3分2秒13(当ブログ調べ)で

 「小沢一郎さんの問題」に触れました。なお、2010年国会では、世論の関心が薄れながらも、「小沢・鳩山問題」とワンセットにして、攻撃してきました。しかし、秋の臨時国会での、菅総理の「鳩山さんは総理大臣を辞任するというイチバン重い責任をとっている」という答弁が功を奏したのか、谷垣さんは「ハトヤマ」の「ハ」の字も触れませんでした。

 どうやら2011年国会も小沢問題でスタート。野党としては、このまま次の総選挙までくすぶらせ続けたいんでしょう。

 自民党はまだしも、「私たち公明党には小沢一郎さんのような人はいませんよ!」と演説すれば、確かに説得力があります。

 返り血を浴びる民主党の若い人材。民主党の25歳~50歳ぐらいの現職地方議員が落選(失業)となると、いずれ、第47回~第50回衆院選あたりの候補者人材難につながります。

 小沢一郎さんの居座りは、将来世代に負担を残します。

 ちなみに池田光智君は、4月の千葉県議会選挙(印西市選挙区)をあきらめ、8月の税理士試験に向けて猛勉強中とか。そうでなくても、「小沢一郎の民主党」というところで、わずかなところで落選する人がいるでしょう。仮にギリギリ当選すれば、「政策は良かったけど、名前を売ることも大事だし、信頼関係のある後援会を4年間かけて、ていねいにつくっていかないといけないな」という目標を持って、選良としての人生を歩み始める人もいるでしょう。

 小沢さん、早く辞めてください。民主党に後年度負担を残さないでください。

政府、本予算3議案と公債特例法案を提出

2011年01月26日 11時16分19秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
 政府(菅直人首相)は第177通常国会召集日の24日、まず4つの議案を出しました。

 議案提出
一月二十四日内閣から提出した議案は次のとおりである。

平成二十三年度一般会計予算
平成二十三年度特別会計予算
平成二十三年度政府関係機関予算
平成二十三年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案

 ことしは予算の第2次補正がないため、いきなり、本予算を提出。また赤字国債の発行に必要な法案は過去30年、毎年1年ごとの時限立法になっていますが、ことしは「平成23年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」という名称になりました。昨年の類似の法案には、自民党は賛成し、衆院本会議では、小泉進次郎さんが賛成討論にたっています。


岡田克也と20年 金指良樹秘書、横路議長から永年勤続表彰 岡田さん、幹事長会見の冒頭で照れながら讃える

2011年01月24日 19時01分33秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]民主党幹事長の岡田克也・衆議院議員の公設秘書、金指良樹さん=岡田かつやホームページ

 民主党の岡田克也幹事長は24日夕の定例記者会見で、冒頭、「ちょっと時間に遅れてきて申し訳ない」とし、「私の金指良樹秘書の永年勤続表彰があったもので、それに同席していました。20年間の長きにわたって、私を支えてくれたということで、改めて感謝したいと思います。あっという間に20年も経ったな。彼にとっては私の事務所で最愛の伴侶も得たわけですから、(人生の)悪い選択ではなかったのじゃないかなと思います」と語りました。通常国会召集日の2011年1月24日、横路孝弘議長は、18人の秘書を、議長サロンで表彰しました。岡田さんは裏方さんへの思いやりはあるのですが、照れ屋でそれを表現するのが苦手。公式の定例記者会見で、「遅れてきた理由」として秘書をたたえるのは異例のことです。 

 2011年1月24日の岡田克也幹事長の定例記者会見(ビデオ)
 

 岡田事務所によると、金指良樹秘書は、1964年(昭和39年)7月、三重県四日市生まれ。東京外国語大学外国語学部アラビア語学科在学中に、外務省のプログラムで湾岸戦争直前のクウェートに2年間滞在し、「母国の政治」にめざめました。復学後、故郷で出馬準備中の「岡田かつや後援会事務所」の門をたたき、アルバイトに。1990年の第39回総選挙で、5人区で、その時点で6位なのに、NHKの当確が出るという劇的な初当選の歓喜の輪に。そのまま、岡田さんの私設秘書になり、1年後には、公設秘書に。鳴く子も黙る自民党経世会の秘書会から、新生党、新進党、国民の声、民政党、民主党と晴れた日(1993年夏、2009年夏)も、雨の日(1997年12月27日、2005年9月11日)も付き従い、20年。いわゆる「うちのオヤジ(代議士)の出世すごろく」とはまったく違う、20年。変わらぬのは「政権交代ある政治」の一つの志だけ。まさに歴史の証人。

 
[画像]21年前、初当選直後の岡田克也さん(フジテレビさん映像から)

        ↓



 

 
[画像]岡田克也さんが活躍できるのは、いつも金指秘書らスタッフの支えがある。

 2009年政権交代で15年しぶりに与党になったときには、年少で東大法学部卒の本庄知史・政策秘書が岡田さんと外務省に行き、外務大臣秘書官に。金指さんは国会事務所の留守を守りました。一時期、より給与の高い政策秘書に昇格していましたが、岡田外相が菅直人総理から説得され、「天命だ」と幹事長を受けると、金指秘書は、公設第2秘書に戻り、本庄君が政策秘書に返りました。この辺もスムーズに淡々としており、岡田事務所のガバナンスの高さを感じます。岡田さんを「面倒見が悪い」「融通が利かない」と批判する国会議員がいますが、その国会議員は政治に何を求めているんだろうな、と疑問を感じます。

 志がぶれない岡田さん。ときに厳しく感じられるでしょう。やたら出入りの激しい秘書業界で、初当選前から仕える秘書がいるところにその人徳を感じます。第45回衆院選後、かつての自民党経世会の仲間の事務所前が引っ越しの段ボールが山積みになっているのを見て、「金指さんは、良い代議士を選んで良かったですね」と言うと、「いや、それはたまたまですよ」。岡田幹事長も「そう悪い選択肢でもなかったのではないか」と照れながらも、ニコニコ生放送の中継入りの記者会見で、フルネームで言及しましたので、党本部ホームページにも記録が残ります。貴重な歴史の証人の名前を表に刻みました。三重事務所では、与党になったとたんに、秘書が担当地域を総入れ替えになり、ブーブー言っていたようですが、翌年2010年には国政報告会のノルマを必死にこなし、一時苦戦した、芝博一さんを意外と楽な成績で当選させました。その辺の人間の機微というものを、岡田克也は意外と分かっている。田中角栄さんのようにはできないけど、岡田さんを鈍感な人だとは、思わない方がいい。芝さんは今度の内閣改造で、首相補佐官(党本部幹事長総括副幹事長兼務)として岡田さんらより一足早く、官邸入りしました。報道によると、芝さんはこの前日にお父様を亡くされたそうで、晴れ姿を見せられなかったのが心残りかもしれません。

 
[写真]官邸入りした芝博一・首相補佐官、左は菅総理
http://www.kantei.go.jp/jp/kan/actions/201101/18fukudaijin.html
 
 先日、1月9日放送のフジ「新報道2001」では、岡田さんの秘書出身で、今は三重県議会の議長になっている三谷哲央議長の岡田評が報道されました。民主党系会派が県議会の最大会派なのは、3つだけですから、元秘書が現職の県会議長というのは、岡田さんだけでしょう。小沢秘書軍団のように住み込みではなく、人数も最小限ですが、岡田秘書軍団もなかなかやります。

 
[画像]三谷哲央・三重県議会議長=三重県議会ネット中継から(左)、1月9日放送のフジ「新報道2001」=TV映像からキャプチャ

岡田克也さんの秘書出身で、現在は三重県会議長の三谷哲央さんのブログ

 民主党の各議員事務所は、与党になって仕事量は倍増。でも、どこも秘書の数は増えていない。景気低迷、歳出下ブレ、財政再建の下で与党に「うまみ」などありません! 昨年夏の議員会館の引っ越しは、国会議員よりも、むしろ、秘書にとってオフィス環境の改善になりました。とはいえ、これからも優秀な人材をつなぎとめるのは、難しい。「秘書給与プール制」や「公設秘書5人制」といった案がよく出てきますが、面倒なことになりかねないので、あまり賛同できません。私は、まずは、衆議院解散時に、2ヶ月分の歳費を前払いするという環境改善が必要だと思います。今のように人材の出入りが激しい状態は、国益を損ねます。消費増税に向けて、国会議員が身を切るのは当然ですが、秘書の給与改善は強く望みますし、是非世論も「お手盛り」批判はしないでご理解いただきたい。

 意外に思われるでしょうが、小沢さんの「チュリス」、鳩山由紀夫さんの「十全」などと違って、岡田さんは議員会館外の事務所(“ソト事務所”)は持っていません。また、三重3区でも一つしか事務所はありません。贅沢を嫌うとともに、情報の共有が大事だと考えているからでしょう。三重3区もクルマで出かけやすいよう地の利を考えて、四日市ではなく、川越町に置いているので、「四日市事務所」ではなく、「三重事務所」という呼び方をしています。

 最近ではジョギングを楽しむ金指さん。「今後の夢は何ですか?」との問いに、「支えることですよ!」。まっすぐにひたむきに、菅総理(代表)を支える代議士(岡田さん)に秘書(金指さん)も似てくるんだなあと思いました。岡田さんは、金指さんだけでなく、他の秘書にも、党職員にも、SPさんにも、口にしないけど、感謝の念を持っていると思いますよ(^_^)v


新設の「科技・イノベ特別委員長」に川内博史さん 公明党は議運理事が兼務、ねじれの突破口を期待!

2011年01月24日 13時05分31秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
【衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会 2011-1-24】

 衆院本会議で、横路孝弘議長が、科学技術・イノベーション推進特別委員会の設置と、委員を指名しました。

 これを受けて、さっそく、同委員会の記念すべき初会議が速やかに開かれました。

 委員数は40人で、割り振りは、民主党26人、自民党10人、公明党2人、日本共産党1人、社民党1人。

 まず委員長席には衆院規則101条4項にもとづき、最年長委員の金森正さんが着席。委員長の互選に入りましたが、自民党の松野博一さんが動議を提出し、「川内博史君を推挙します」。金森さんが委員に図ったところ「異議なし」とのことで、満場一致で川内博史・初代委員長が就任しました。四日市政界では岡田克也さんよりも先輩になる、岡田最側近の金森正さんから、川内博史さんへ委員長がバトンタッチ。

 川内委員長は「天然資源に乏しい我が国が今後も活力に満ちた豊かな社会を築いていくためには、創造性あふれる科学技術、イノベーション(創造革新)の推進が不可欠であります」と就任あいさつ。

 この後、理事の互選に入りますが、自民党の松野博一さんが動議を提出し、「委員長において指名することをのぞみます」。

 川内委員長は、理事に阿知波吉信さん、泉健太さん、熊谷貞俊さん、津村啓介さん、三日月大蔵さん(以上民主党)、馳浩さん、松野博一さん(以上自民党)、遠藤乙彦さん(公明党)の8人のオールスターキャストを指名。とくに言い出しっぺの公明党の遠藤乙彦・議運理事が、新設委員会の理事を兼ねるというところに、公明党のお行儀の良さを感じます。ちなみにこれに先立つ民主党両院議員総会では、直嶋正行・新総会長が、閉会前に退席しようとする議員を「まだ終わっていません!」「後ろの人、まず座って下さい!」と叱り付ける場面がありました。

 民主党が国対幹部の三日月さん、自民党が公明党と近い国対幹部の馳さん、そしてなにより公明党は議運理事の遠藤さんを理事に据えてきたところから、「科技特」がねじれ国会の突破口を開く可能性があります。当ブログでは、ひごろ、「赤坂で飲んでじゃねえよ!」と民主党の(一部の)議員を批判していますが、科技特ではまずは、そういったのも含めて、お互いの信頼作りからビギンして欲しいと思います。突破口を開くには、川内博史隊長は委員長として最適任と言えるでしょう。

 次回の会議は、衆議院公報で知らせることとし、本日は、散会しました。

第177通常国会がスタート 何が起こるか分からない

2011年01月24日 10時11分47秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意
 第177通常国会が2011年1月24日、召集されました。

 参議院規則第1条「議員は、召集詔書に指定された期日の午前10時に参議院に集会しなければならない」に基づき、午前10時に参院本会議がスタート。西岡武夫議長が立ったまま、「第177常会は本日をもって召集されました」と宣言した上で、着席。ギャベル(木づち)を叩いて、開会を宣言し、議席の指定。事前に配布してある仮議席表の通り、着席するようにしました。この後、会期ごとに設置することになっている特別委員会とその委員を設けました。

 この後、午後12時から、衆院本会議、午後1時から、開会式、午後2時から衆・本会議で政府4演説、午後3時半から参・本会議で政府4演説となります。昨年来、参院のヤジが酷く、国会動物園と化しているので、与謝野馨・経財相の経済演説が参院で激しくヤジられそうです。

 これほど、何があるか分からない通常国会も珍しいと思います。例年、召集日は国会に直接行きますが、きょうは自宅でネット中継を見ております。爆撃現場や負傷者をみたくない戦場ジャーナリストのような感じにもなっていますが、しっかりとペースを抑えながら、150日間以上の混沌の中から新しい仕組みをつくっていく第177常会を完走できるようにしたいと思います。

【追記 2011-1-24 午後12時半】

 午後12時2分から、衆院本会議も開議。

 横路孝弘議長が議席を指定しました。続いて、自民党議員の愛知県知事選出馬に伴い、繰り上げ当選した望月義夫議員が紹介されました。また、同じ理由で欠員となった、衆・決算行政監視委員長が選挙されました。

 
[画像]あでやかな和装の小宮山泰子さん=衆議院インターネット審議中継から

 ここで議事進行係の小宮山泰子さんが、「ギチョー!!」と議長が指名するよう動議を提出し、「異議無し」。自民党の新藤義孝さんが新しい決算行政監視委員長になりました。新藤さんは、衆・安全保障委員会で北澤俊美・防衛大臣と建設的な議論を積み重ねてきたので、委員長就任は少し残念な気もします。

 この後、特別委員会を設置し、休憩。

 午後2時から、政府4演説が行われます。【追記おわり】

岡田をなめるな 第177通常国会で、衆院民主党、要所に主流派を配置

2011年01月22日 14時14分44秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

(固有名詞が多いので、未定稿です)

 21日内定した第177通常国会の衆院民主党の委員会人事が波紋を呼んでいます。その前に、内閣改造・党人事でなく、これまで話題になることが少なかった国会人事が話題になってうれしいです。既に当ブログは、衆院民主党の全常任委員会・特別委員会の配置表を入手していますので、それをもとに書きます。

 実は、委員長は常任、特別とも、9月代表選で小沢一郎さんの推薦人になった人も含めて全員続投しています。

 ただ臨時国会の配置のままだと、手直しが必要な部分はありました。例えば、1年生議員の宮崎岳志さんが、厚労委員と財金委員を兼ねていました。しかし、両委員会とも政権の命運をにぎる予算関連法案があり、合計9本になります。そして日切れ法案(予算関連法案)の採決の時間は重なることが多いので今回、財金委員兼務は解消されました。同期が多いので、「委員の差し替え」はやりやすいですが、それに伴う煩雑な事務からトラブルが生じかねず、それを未然に防げて良かったです。

 9月の代表選で、菅直人総理を支持し、仲間を集めて官邸に政策提言をした人などはポジションが良くなり、一方で、小沢系が要所から外されている傾向はたしかに見て取れます。しかし、特別委員会の理事になっていたり、そもそも人数の関係がありますから、要所から完全に一掃されたわけでもありません。

 例えば、イチバン要所の議運理事では、小沢・鳩山系の松野頼久筆頭理事、小沢系とされる高山智司さん、村井宗明さん、横山北斗さんの3理事が留任し、引き続き前線部隊を率います。

 花形で、早ければ月末から委員会審議が始まる、予算委員会。ここは、鳩山・小沢系の川内博史理事、小沢側近の岡島一正さんが外れ、手塚仁雄さん、泉健太さんが理事に送り込まれました。が、若泉征三さんも理事に新任しますから、小沢完全排除ではありません。

 与党の予算委員は、長時間イスに座り、基本的にTVに映るだけという存在ですが、地元に帰ったときの効果はてきめんのようです。ここも小沢秘書出身の川島智太郎さん、小沢ガールズの三宅雪子さん、早川久美子さん、北辰会会長の黒田雄さん、一新会会員の糸川正晃さんらは外れました。民主党最高顧問・倫理委員長の渡部恒三さんは引き続き続投、政権交代前後でもう5年ぐらい予算委員を務め、「恒三さんは議会の子だ」という感じがします。新しい予算委員には、菅・岡田執行部主流系の石毛子・民主党副代表(女性の衆院議員では結党後初の副代表就任)のほか、副幹事長の本多平直さん、元副幹事長の生方幸夫さんらが入りました。また、実際には質疑に立っていた、城島光力・民主党政調会長代理も予算委員となり、「党政調と内閣の一元化」に向けて、ますます分かりやすい体制になりました。このほか、比例単独「いちもく会」でも、金森正さん、竹田光明さん、水野智彦さんら、岡田幹事長の評価が高い人が予算委員となりました。いわゆる「チルドレン」は、1年生議員で唯一質問している鹿児島2区(奄美群島含む)比例復活の1期生打越明司さんや、それから高邑勉さんら、派手さを嫌う実務家タイプの1年生が起用されています。1年生の中でも、目立ちたがり屋は除外されました。中堅の実力派では、大串博史さん、小川淳也さん、津村啓介さんら「政務三役帰り」が入っています。出番は少ないでしょうが、質疑を聞いてみたい人たちです。ただ、小沢系でも、自治労出身の稲見哲男さんが入っていて、予算委員として全体的によくできた厚生だと思います。

 小沢系は特別委員会の理事に多く就任しました。青少年問題特別委で、岡本英子理事、海賊・テロ特別委で、岡島一正理事・中野譲理事、拉致問題特別委で鷲尾英一郎理事、科学技術・イノベーション推進特別委に熊谷貞俊理事といった面々です。

 パシフィック・パートナー(TPP)に関して、専門的・矮小化がみられる農林水産委員会もていねいな人事になっています。まず小沢系の中根康裕筆頭理事が、災害対策特別委の筆頭理事に回り、代わりに津島恭一さんが農水委の筆頭理事になるという交換トレードがありました。農水委の人事に関して「小沢外し」とツイッターなどで発言している議員もありますが、実際には理事に仲野博子さん、梶原康弘さん、委員に柳田和己さん、金子健一さん、野田国義さん、加藤学さん、石山敬貴さん、中野渡詔子さん、石原洋三郎さん、山岡達丸さんら小沢系が目白押しです。ところで、北辰会の代表世話人というのでしょうか、それを務めている京野公子議員が、「小沢派追放!」と主張していますが、実際には、新しく山岡達丸さん(山岡賢次副代表の子息)が加わるなど、「小沢派」の人数は変わらず。京野さん、イタイです。小沢一郎さんが、地方の議員が農水委に大挙して押し寄せる現況をうまく利用して、小沢さんの党内での影響力を保ってきたことがうかがいとれます。なお、現時点で、パシフィック・パートナーに関する具体的な法案を審議する予定はありません。

 1年生議員でただ一人、「小沢一郎候補推薦人」に名を連ねた岸本周平さんは、財務金融委員と内閣委員という、良いポジションを得ました。一方、ただ一人「菅総理推薦人」に名を連ねた山尾志桜里さん。産後検診などがあるため、臨時国会では負担の少ない安全保障委員となっていましたが、通常国会では外務委員となり、当初提出で19本の条約と、在外公館法案(予算関連)の審査にあたることになりました。これは、内閣が他の国の政府と交渉してつくった条約の一つ一つを精査する作業になります。時間的拘束は比較的短いですが、仕事もするということで、産休なし、ということになります。

 厚生労働委員会の筆頭理事に渡辺周さんが起用されたのは安心感があります。

 財務金融委員会では、「デフレ脱却議連」の松原仁会長がついに委員の座をつかみました。一方で、財務省出身の玉木雄一郎さん、日本銀行出身の小野塚勝俊さん(続投)、野村證券出身の近藤和也さんが加わりました。JAバンク出身の小山展弘さんはしっかりと残りました。これだと、党内の政調部門会議の論戦が面白くなりそうですが、論戦の相手は自民党であることをけっして忘れないで下さい。この辺は古本伸一郎・筆頭理事がしっかりと束ねるでしょう。

 人気の総務委員会。そのわけは、①地方自治を預かるので、地方議会出身者が希望しやすい②地方税制を預かるので、国税の財金と同様に権限が強い③世論への影響力があるNHKなど放送業界を預かる④通信産業は成長分野⑤日本郵政について議論する--の5点でしょう。そのかわり、総務委は多岐にわたり、黄川田徹筆頭理事は、「日本郵政改革法を審議する特別委員会」を横に出したいという考えだそうで、検討に値する意見だと考えます。その総務委ですが、小沢系の岩手1区選出の階猛さんが理事・委員から外れました。渡辺周さんの後に、後藤祐一さんが入りましたが、基本的に続投。ここも小沢系が多いです。この「農水」「総務」に小沢系が多いと言うことは「地方の不満・不安」を体現していると言えるでしょうから、菅・岡田民主党は、地方の声にもっと耳を傾けないといけません。小沢切りとは別の話です。

 この半年ですっかり知名度が上がった政倫審は、川内博史さん、主流派の郡和子さんの理事2人が退任。郡さんは本籍地の厚労委員を続投し、予算委員にも新任。東北放送アナウンサー出身ですから、本人の希望かもしれません。かわりに、主流派の森本哲生さん、中間派の後藤齋さんが入りました。委員に関してはまったく変化がなく、「差し替え報道」の影響と、政倫審の場外(党内、与野党国対、予算委員会の証人喚問)に主戦場が移ったことをうかがわせます。

 初当選直後ですが、新党大地・代表代行の浅野貴博さんを理事(安全保障委員会)に起用する心配りがありました。また、以前、法務委員会の理事を務めていた阿知波吉信さんが科学技術・イノベーション特別委の理事になりました。菅支持で流れをつくった論功行賞という意味合いもあると思います。

 科学技術・イノベーション特別委員会の第177通常国会新設は、20日の議運理事会で決定しています。これについて、発案者の公明党は、公明新聞で「技術者によるアドバイザリーボード(専門家部会)を設けるなど、今までの国会になり新しい運営をさぐり、『熟議』のねじれ国会をめざしたい」としており、めずらしく「熟議」という言葉で、民主党への感謝のメッセージを送りました。

 よって、ねじれ国会において、科技・イノベーション特別委(川内博史委員長)は与野党衆参の国会論議のパイロット委員会として注目したいと思いますが、その理事には、元科技担当政務官の津村啓介さん、元国交相で建築に明るい馬淵澄夫さん、内閣府政務官を務めた泉健太さん、「大阪のガリレオ」の異名を持つ名物阪大教授だった熊谷貞利さん、そして、総務省で情報通信も担当し、政局の流れもつくれる阿知波吉信さんという重厚な理事会を民主党はつくりました。委員には残念ながら、理系の専門家は見あたらない凡庸な印象があります。一方、公明党は工学博士、医学博士、理学博士がごろごろいます。委員会も大事ですが、まずは理事会が大局観をもって、新しい国会運営に取り組んでいって欲しいと思います。担当大臣は玄葉光一郎さんになります。玄葉さんが科学技術担当大臣を兼ねています。

 2011年、日本政治の安定へ。議員は、まずは目の前の仕事を1日、1日、しっかりと最後までにやり遂げることです。法案審議の中で、与野党、衆参の友人も出てくるでしょう。

 みんなの党の山内康一・国対委員長は、ブログで「民主党の安住国対委員長が就任のご挨拶にお見えになりました。私が自民党の1年生議員だったころ、臓器移植法改正の件で安住さんにはたいへんお世話になったことがあります。(略)今度の安住委員長は年が多少近いので話しやすい雰囲気です。(略)何でも反対のむかしの社会党的な野党にはなりたくはないのですが、おそらく反対せざるを得ない状況は多々あることでしょう。(略)安住さんにはむかしお世話になっただけにやりにくい気がします。民主党政権が野党時代を思い出して、建設的な提案をしてくれれば、国会で健全な政策論争ができると思うのですが・・・」と書いています。

 岡田・安住体制のぶれないリーダーシップの下、2011年国会が週明けスタートします。どうも自民党が衆院自民党と参院自民党の分裂に近いような状態に陥っているようです。 召集前々日でこれだけ展望が描けない通常国会も珍しいでしょう。岡田・安住のしっかりとぶれない安定した足腰の下、この歴史的な不安定さをうまく活用して、しっかり新しい「熟議の国会」「政治システム」を作り直していきましょう。

 微力ですが、私もしっかりと国会をウォッチし、展望を描き、改革の素案をこのブログで発表していきます。よろしければ、私の背中を押してください。