第187回臨時国会が2014年(平成26年)9月29日(月)に召集されるのではないか、という「9・29(きゅうてんにーきゅう)召集説」が浮上しました。
これは、産経新聞が報じたもので、9月29日(月)に召集され、12月上旬までの70日強になるのではないかというものです。
私としても十分に賛同できる説です。
今後の政治日程by下町の太陽もブログ版、メルマガ版とも更新しました。
これは1997年(平成9年)の第141回臨時国会も9月29日(月)召集でした。
このブログで何度も言及していますが、「年初の時点で、参議院選挙も、統一地方選挙も、与党党首選挙も、衆議院(解散)総選挙も9割以上ありえない年」というのは1997年以来、2014年は17年ぶりとなります。
1997年は第140回通常国会が1月20日から6月18日まで開かれ、150日間で延長なく終わりました。そして、9月29日召集まで3か月間の「夏休み」がありました。もちろん、私は橋本総理番記者だったので逆に仕事はみっちりあり、「財政構造改革」「行政改革(中央省庁再編)」「日露首脳会談」「内閣改造による佐藤孝行総務庁長官入閣への抗議と辞任」がありました。
1997年は翌年7月に参院選が控えていました。2014年は翌年4月に統一地方選が控えているということで、秋の臨時国会にかかるプレッシャーも同程度だと考えられます。そして、佐藤大臣辞任直後の秋の臨時国会では、「アジア通貨危機」「山一證券自主廃業」「北海道拓殖銀行破たん」「財政構造改革凍結論争」などで政権はピンチに陥り、翌夏の参院選で「自民党は共倒れ連発」という緩みによる地滑り的大敗を喫しました。
2014年9月18日ごろかと思われる安倍晋三首相の国連総会の一般演説で、集団的自衛権に言及するかどうかというが一つの召集前の見どころになりそうです。なによりも、内閣改造で入閣待望組から、秋の臨時国会召集直後に、スキャンダル追及は、今度の予想される顔ぶれからは十分に起きてきそうです。
また、12月上旬まで会期があることで、11月の税制改正論議で、与党内議員が党税調にのめりこみ過ぎて国会を空洞化させたり、逆に党税調が国会が多忙な時にインナーで決めてしまうようなことがあると、与党内のひずみに拍車がかかりそうです。
もちろん、1997年と2014年ではいろいろなことが違います。例えば、1997年11月1日付日経新聞夕刊に、私が書いた記事には「佐藤孝行氏の総務庁長官入閣問題では、9月11日の内閣改造直後から、橋本首相あての電子メールが殺到した。首相あての電子メールは通常1日20件くらいだが、この時は約100件に急増。ほとんどが佐藤氏入閣に対する厳しい批判で首相周辺は衝撃を受けた」とあります。
首相あてメールが1日100件になり、批判が多かったことが佐藤大臣更迭を後押ししたことになります。このなかで、100件中ほとんどが佐藤氏に厳しかったことに首相周辺が衝撃を受けた、とのことですが、最近のSNS(メール、Twitter、2ちゃんねるなど)で、「100件中ほとんど批判」ということがあっても、別段衝撃を受けることではないと考えます。
我が党を代表する政治家である、後藤斎さんは第47回衆院選で山梨1区から出馬する見通しで、地元活動が大変だろうと考えられますが、自民党が候補者調整がついていません。後藤さんは昨年秋の臨時国会で「私も韓国は余り行ったことがないのでよくわかりませんけれども、飲食店、レストランで出すキムチは、ほとんど無料で、食べ放題みたいな形で、ほぼ輸入の方が多くて、中国からの輸入が多い。そして、韓国産と称して中国産を、やはり偽装の問題で韓国政府当局の取り締まりをしているところが、食の偽装で年間数百件ずつ摘発をしているという話もあるようなんです」と語っています。
実績自慢がフツーの政治家でありながら、「韓国は余り行ったことがないのでよく分かりませんけれども、」と語る謙虚さ。あるいは、ネット上で、民主党は韓国人が運営しているという自民党員による書き込みがずっと続くことに配慮して、「余り行ったことがない」と断ったのかもしれませんが、一等国民のほとんどは、ネットに書かなくても、民主党が政権交代ある政党として日本に不可欠だと知っています。後藤さんは我が党を代表する政治家なので、ぜひ、自費でも、この3か月間に、韓国をはじめとする海外に行って大いに見聞を広めていただきたいところだと存じます。
この3カ月間の夏休み。計画を立てて、規則正しく過ごした民主党員が、実りの秋を迎えることになります。
【追記2014年8月23日(土)午前5時50分】
このエントリーは連日多くの方にご愛読いただいており、まことに感謝します。
上の方にはありませんが、このエントリーの翌日7月1日に「集団的自衛権」の閣議決定があり、小野寺防衛大臣が速やかに訪米し、ヘーゲル国防長官との間で、「12月末予定の日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインについて、9月に中間報告をまとめたい」と合意しました。
安倍首相が9月20日前後に、ニューヨーク国連本部を訪れると思われ、その際に、アメリカのホテル・施設などで、日米間で、ガイドラインの中間報告に、総理が署名したり、関係大臣が署名したりする可能性が極めて大きくなりました。結果的に、臨時国会召集前週にガイドラインに署名するという、1997年と同じ展開となりそうです。(ただし1997現行・新ガイドラインは最終報告、今回は中間報告)。
ガイドライン再改定では、「周辺事態における米軍への自衛隊基地(岩国など)武器弾薬の提供」が盛り込まれる可能性があります。これが既成事実化すると、仮に次の総選挙で民主党が単独過半数をとって、海江田内閣が発足しても、「東アジア共同体の鳩山内閣」の大失速からして、ガイドラインの再々改定は不可能と考えられます。二大政党のコンセンサスがある、ガイドライン再改定をしっかりと、私としても訴えていきます。
今後の政治日程にも反映させました。
【追記おわり】
[写真]畔柳信雄・第31次地方制度調査会会長(三菱東京UFJ銀行元頭取、特別顧問)、公益財団法人「日本テニス協会」のウェブサイトから。
連休明け国会第2週で衆議院での法案裁きの週だったことと、安倍首相の集団的自衛権の記者会見があったので、書きそびれたままでしたが、2014年5月15日(木)、第31次地方制度調査会が発足しました。第30次地制調では、西尾勝会長のもと、「指定都市の総合区」「中核市と特例市合併」「基礎自治体同士の連携協約」をとりまとめ、先の通常国会で法律になりました。
第31次地制調では、副会長だった、畔柳信雄(くろやなぎ・のぶお)三菱東京UFJ銀行特別顧問(元頭取)が互選で就任しました。
言語道断、許されない人事です。
三菱東京UFJ銀行は、多くの都道府県市町村の指定金融機関をつとめています。さらに、同行が筆頭株主となる地方銀行は、ある県のほとんどの市町村の指定金になっていたり、逆に2つの地方銀行で県内で骨肉の争いをしていたりしています。
指定金の親玉が地制調の会長になることなどあってはなりません。どうやら自治省出身の事務次官経験者が、中学、高校、大学を通じて、畔柳さんとテニス部の同窓生であることからこのような人事があったように推測できます。
そして、2014年6月30日(月)付の読売新聞1面トップでは、「秋の臨時国会に中小企業地域資源活用促進法改正案を提出する」との報道がありました。
これを読むと、同法は、都道府県が「地域資源」として約1万4000件の特産品を指定し、その生産業者に対して政府系金融機関が低利融資をしています。
改正法案では、市町村が「ふるさと名物」を指定。国が市町村に対して無利子貸し付けをし、市町村が「超低利や無利子で5年~10年程度の貸し付けを行う制度を新設する」(読売新聞記事の表現)としています。
国が市町村に無利子で貸し付けて、市町村が業者に「超低利や無利子で5年~10年程度で貸し付け」たら、その中間マージンは、指定金丸儲けではないですか。業者が倒産しても、そのリスクは国や市町村が負い、指定金は負わない、というしかけが、おそらく提出されてくる改正法案に書き込まれるはずです。
この法律のことを知らなかったのですが、主務大臣は、経済産業大臣、総務大臣、農林水産大臣らになっています。読売記事は「政府は、」としか書いておらず、どの省か分かりません、内閣官房かもしれませんが、いずれにせよ、経済産業省系ではなく、総務省系の職員がかかわっているように感じます。
こういうことをやっていると、毎朝午前5時半に出勤する社員が出世して、子供を保育園に預けてから午前7時半に出勤する社員が遅れをとるというものすごく息苦しい金融界になっていくでしょう。銀行マンは、自転車のペダルを漕いだ数で評価されるべきですが、国から無利子で調達したお金を、超低金利で貸し付けて、利ザヤを稼ぐ商売とは、おそろしく楽であると同時に、ミスひとつで失業します。
先の通常国会でも、融資が貿易保険の対象になり、インフラをつくる海外事業者に政府のあっせんで銀行が出資できるようになりました。このような第3次与党期における自民党政権のじわじわとした、金融国家化に絶対に反対します。
おそらく数年後から、すべての金融機関が個人定期預金が減少することになるでしょう。日本銀行が国債を買い取るようなオペレーションもありうるかもしれません。自民党政策調査会が成長戦略として打ち出した「スーパーリージョナルバンク」は一つの手法として評価したいところです。
とにもかくにも、第31次地制調の畔柳会長は今すぐ辞めろ、と強く要求します。
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[写真]第186回通常国会の開会式でおことばを述べられる陛下、2014年1月24日(金)、参議院本会議場、宮内庁ウェブサイトから。
天皇陛下は、2014年6月27日(金)、第186通常国会最後の参議院本会議で可決し、成立した合計18本の法律をすべて公布なさいました。これにより、第186通常国会(2014年1月24日から6月22日)の制定法律は平成26年法律1号から103号までの合計103本となりました。
4年前の第177通常国会(震災・3党合意国会)は最大与党は岡田3兄弟(岡田克也幹事長、安住淳国会対策委員長、玄葉光一郎政調会長(兼)国務大臣)が100本公布に成功。しかし、石破茂幹事長・佐藤勉国会対策委員長・高市早苗政調会長ひきいる自民党は第186通常国会で103本公布ということで、石破幹事長に抜かれてしまいました。き~、悔しい。
過労死等防止法は平成26年法律100号と区切りの良い数字になりました。
審議が難航した改正会社法は、90号と91号になりました。今後、政令・省令なども含めて強制買取された少数株主への配慮などを法務省がつくっていく見通し。
国税不服審判など行政不服審査ができるようになる改正行政不服審判法をうけて、特定行政書士が審判を申し込める、行政書士法を改正する法律は、平成26年6月27日法律89号となりました。
会期末最終日まで時間はかかりましたが衆参とも全会一致で成立した小規模企業振興法は94・95号。5名以下の「小企業」を法制化しており、今後は、5名以下の会社は、小企業、小規模事業者という表現が、中小企業・零細企業という表現よりもじわじわと浸透していくのではないかと思われます。
司書教諭ではなく「学校司書」を初めて法制化した「学校図書館法の改正法律」は平成26年法律93号。
大学の教授会の権限を下げ、学長・副学長の権限を格上げする大学ガバナンス法(学校教育法および国立大学法人法を改正する法律)は平成26年法律88号。
以上で触れた法律を含めて、きょう公布された法律は以下の通り。これで第186国会制定法律の公布はすべて終わりました。
平成26年(2014年)6月27日に公布された法律。( )内は法律番号。
○国会法等の一部を改正する法律(八六)
○原子力委員会設置法の一部を改正する法律(八七)
○学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律(八八)
○行政書士法の一部を改正する法律(八九)
○会社法の一部を改正する法律(九〇)
○会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(九一)
○建築士法の一部を改正する法律(九二)
○学校図書館法の一部を改正する法律(九三)
○小規模企業振興基本法(九四)
○商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部を改正する法律(九五)
○放送法及び電波法の一部を改正する法律(九六)
○介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律(九七)
○アレルギー疾患対策基本法(九八)
○国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律(九九)
○過労死等防止対策推進法(一〇〇)
○養豚農業振興法(一〇一)
○花きの振興に関する法律(一〇二)
○内水面漁業の振興に関する法律(一〇三)
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[画像]左は、第39回衆議院議員総選挙(1990年2月)の公明党のポスター「福祉と平和の新時代」、目で見る議会政治百年史(衆議院・参議院編)から。
岡田克也さんは2014年6月27日(金)夕、メルマガ・ブログなどで情報発信し、公明党が集団的自衛権行使に向けた憲法解釈の閣議決定に来週にも応じる方向性になったことについて、「公明党は、平和の党ということでいままでやってきたわけですが、その看板を外すのか、そのことさえ問われる事態」と名指しで強く批判しました。
公明党立党50年を前に、新進党に所属した岡田克也さんが公明党を名指しで強く批判するのは極めて異例。
画像は、岡田さんが衆議院三重1区に、自民党公認(経世会)で初当選した1990年2月の第39回衆議院議員総選挙。岡田さんが公認を受けた自民党(海部俊樹総裁、小沢一郎幹事長)のポスターは「世界のあこがれ自由な日本」。これに対して公明党は「福祉と平和の新時代」でした。選挙サンデーの後、「ネルソン・マンデラ氏、27年ぶりに釈放」の世界の変わり目を迎える中、岡田さんは、自民党の北川正恭、川崎二郎両先輩に票では負けたものの、公明党の坂口力政策審議会長を落選させて、初当選を果たしました。山口那津男さん、北側一雄さん、富田茂之さんらも同時に衆議院議員になりましたが、8期連続当選で来年の通常国会で在職25年表彰を受ける見込みなのは、自民党8名、岡田さんら民主党4名の見通しで、1990年初当選組の公明党で連続8回当選できた人は一人もいません。
その後、新進党では、「坂口力ネクスト外相・岡田克也ネクスト外務副大臣」で政権に備えましたが、小沢氏によって突如解党されてしまいました。
岡田さんは「政府は集団的自衛権について8つの事例を出しました。この中の、例えばペルシャ湾における機雷の掃海などは、公明党は従来から認められないということを主張してきました」としました。岡田さんは5月28日の予算委でも、安倍晋三首相が「国民の生命と財産を守るために必要だ」と言うのに対して、「石油の備蓄は1年分ある」と反論して、国民の生命に急迫不正の危機があるわけではないとしました。
岡田さんは「いままでの憲法9条の解釈というのは、政府が単独で決めてきたのではなくて、国会における様々な議論、特に、政府もいろいろな見解を国会に示すなかで練り上げられてきたものです。それを変えようということですので、国会を無視してできないと思っています」と指摘。
さらに、「しかも、国民の多くは集団的自衛権に対してよく分からないという状況です」と主張。
旧友である公明党に対して、安倍自民党の共犯者になった「戦争と福祉の公明党」になることがならないよう、強く自制をうながしました。
政府、1日閣議決定へ最終案=公明、30日にも意見集約―集団的自衛権(時事通信) - goo ニュース
政府は27日午前の安全保障法制整備に関する与党協議会で、集団的自衛権行使を容認する新たな憲法解釈の閣議決定最終案を提示した。公明党の山口那津男代表は最終案の骨格を受け入れる意向を表明しており、執行部は30日に意見集約したい考え。自民、公明両党の正式合意を経て、政府は7月1日の閣議決定を目指す。
公明党の与党協議会メンバーは27日、「執行部が30日に一任を取り付け、7月1日に与党合意する」との日程を描いていることを明らかにした。
最終案は前文で「わが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、重大な国家安全保障上の課題に直面している」と指摘。「同盟国である米国や友好国と連携し、抑止力を高めることが重要だ」と強調した。
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[画像]「長谷川閑史・産業競争力会議委員の解任要求を拒む、自民党の小泉進次郎・内閣府大臣政務官、2014年6月26日(火)参議院厚生労働委員会閉会中審査、参議院インターネット審議中継から。
【参議院厚生労働委員会 2014年6月26日(火)閉会中審査】
第186通常国会は閉会しましたが、参議院厚生労働委員会で閉会中審査による、一般質疑が行われました。
参・厚労委は20日(金)に、「社会保障および労働問題などに関する調査」を「継続調査」とすることを全会一致で決定し、議長に申し入れ、内閣と衆議院に通知していました。
国立国会図書館の議事録では、第186回国会のカテゴリーで収録されます。
「きょうは社民党の福島みずほ理事の発案で、武田薬品工業とノバルティス・ファーマ社の臨床試験の不正を早めに質疑すべきだということになった」(足立信也さんの質疑での発言)ことによる閉会中審査でした。
質疑はいつも通り、自民党、民主党、公明党、「日本維新の会・結いの党」、みんなの党、共産党、社民党の7会派の順で行われました。が、摩訶不思議なことに、与党の自民党は「社会福祉法人の内部留保について」、同じく与党公明党は「地震発生時の救命体制について」だけ質問し、製薬の話はまったくしませんでした。おそらく理事会で「なんかあった」んでしょうが、先の国会は政府側のミスが相次ぎ、秋や来年にかけて重要法案の提出が予定されるので、野党に配慮したと思われます。
民主党の足立信也さん(元厚労政務官)は、武田薬品工業の高血圧治療薬「プロプレス」の医師主導型臨床試験での治験結果の不正について、18日に出てインターネットでも読める、第三者機関とされる弁護士事務所の報告書に、独自の情報を加えするどく追究。治験の調査票を、京都大学内のセンターで、武田社員がデータ入力していたとすると、厚労省医政局長は「治験の信ぴょう性は大きく下がったと言わざるを得ない」と同調しました。
[画像]民主党の足立信也さん、2014年6月26日(火)参議院厚生労働委員会閉会中審査、参議院インターネット審議中継から。
第三者機関の報告書では、「治験の責任者は、初めから(武田薬品工業社長の)長谷川閑史(はせがわ・やすちか)氏だ」となっていると指摘。足立さんは「きょうは参考人として来ていただきたかったが、あす大阪で株主総会があり、大荒れになることが予想されているので準備に手間取っているとの理由で来てもらえなかった」としたうえで、「薬事法違反の可能性もある」と厳しく糾弾。
製薬協(日本製薬工業会)が長谷川氏を副会長の役職を6カ月間の停止処分にしていると指摘。そのうえで、長谷川氏が、安倍首相肝いりの産業競争力会議の民間委員であり、雇用・人材分科会主査として、残業代ゼロ・ホワイトカラーエグゼンプションをすすめていることを問題視。内閣府から、小泉進次郎政務官を呼び、解任するよう求めました。
これに対して、小泉進次郎政務官は「産業競争力会議は、一企業の利益を追求する場ではなく、さまざまな観点から日本の成長戦略を考えていく場だ。一人の委員の意見によって結論が決まることはない。偏った人選ではない」と答弁。解任要求を拒みました。
この後、共産党の小池晃理事、社民党の福島みずほ理事もそれぞれの質疑のしめくくりを、長谷川氏の産業競争力会議の委員解任要求でまとめました。
このうち、小池さんの質疑に対して、田村憲久厚生労働大臣は「厚生労働省は所管官庁ではないが、内閣官房が適切な措置をとってくれると思う」と語り、解任要求に理解を示しました。自民党内にも、清和会の小泉進次郎政務官と、平成研究会の田村大臣との間で温度差があることがうかがえました。
小池さんの質問に対して、武田の「プロプレス」は1・5兆円の売り上げがあるとの答弁を受けた後、「長谷川氏は初めから京大内の研究を仕切っており、日本人による日本人のための初めての画期的な臨床研究だったのに台無しにされた。健康保険財政に与えた損害についても厚労省は調査すべきだ」としました。
ノバルティスの「ディオバン」については、民主党の小西洋之さんが「税金を使った研究で誇大広告を打った場合は、会計検査院の検査の対象になるのではないか」と指摘し、検査院は厚労省を調査する方針を占めました。
みんなの党の薬師寺みちよさんは、党女性局長して東京都議会での塩村文夏同党都議に対する「産めないのか」といった自民党都議からのセクハラ野次に言及。田村大臣は「私も政治家として大いにいましめていきたい」とわが国における女性の地位向上をめざすことを明白に打ち出しました。この後、新薬開発について、「推進するのは法律なのに、倫理は指針にとどまっている」として、倫理に関する法制化を求めました。
[画像]2014年6月26日(火)参議院厚生労働委員会閉会中審査、参議院インターネット審議中継から。
(関連エントリー黒い金脈「薬」漬け「金」まみれ安倍首相がネット解禁を急ぐ 第185臨時国会に薬事法改正法案提出)
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[画像]天皇陛下が公布された「宅建士法」を掲載した2014年6月25日付官報号外141号の一部。
天皇陛下は2014年(平成26年)6月25日(水)、宅建士・宅建取引士を国家資格として法制化した「宅地建物取引業法の一部を改正する法律」(法律番号平成26年6月25日法律81号)を公布され、同日付官報号外第141号に掲載されました。施行は「公布の日から1年以内の政令で定める日」。国土交通省内で、今の宅地建物取引主任者全員を無試験で宅建取引士に移行させるための名簿の整備や、新試験の設計にめどがついたら、政令が閣議決定される見通しです。
50名以上の企業にメンタルヘルスケアのためのストレスチェックを義務付ける改正労働安全衛生法(労働安全衛生法の一部を改正する法律)は平成26年6月25日法律82号。施行日は、「公布の日から1年以内の政令で定める日」。こちらは、周知のほか、資金の手当ても考えて、初年度から100%履行されるように、厚労省などがしっかりと行政執行することが求められます。
改正児童ポルノ禁止・処罰法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律) は平成26年6月25日法律79号。超党派の議員立法とはいえ天皇陛下が公布することによって、逮捕・勾留・起訴ができるわけです。立憲主義は警察、検察を縛るわけですが、同時に、公衆としての国民の理解も必要になります。
ごった煮で問題の多い法律である「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」は平成26年6月25日法律83号として、すでに一部は公布と同時に施行されています。これが公布・施行されて地域包括ケアシステムが完成するわけでなくむしろ後退する部分もあります。法律の執行を、その名の通り「地域ぐるみ」でチェックし、意見していかねばなりません。
「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」は平成26年6月25日法律80号。8割以上の多数決でマンションを建て替えたり、底地ごと売ったりできるようになります。
「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」は平成26年6月25日法律84号。初めて「食品の地理的な名称ブランドの保護」 が法制化しました。とはいえ、農林水産省を権威としてあがめたり、同法に盛り込まれた融資機能を農水省が打ち出の小槌にするようでは困ります。同時に地域社会も、「○○牛」という呼び名が日本国内で競争力があっても、海外に輸出する場合は、愛着を捨てて、単に「和牛(Wagyu)」とした方が海外店頭で高く売れる場合もあるので、専門家のアドバイスを受けることも大事かも。
「地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律」は平成26年6月25日法律85号。こちらは、自然トラストとして、「入域料」を徴収することができますが、判断は自治体に任されます。ただ、「入域料」の概念が広く国民に知られるような努力を関係者はしていく必要があるでしょう。
生まれた瞬間から、ご皇位継承順位第1位であり、皇太子殿下であらせられた天皇陛下は、法律の公布にあたっては、法律に目を通されてから御名御璽をなさっているとされています。陛下にとっては、目を通さない方が落ち着かない、というのが本音でしょう。先の第186通常国会では、さらに17本の法律が可決・成立してます。陛下にとっては御公務(日本国憲法第7条に定められた国事行為)がお忙しい梅雨があと1週間ほど続きそうです。そして、無試験だろうと、すべての宅建士は、陛下の前で「宅地建物取引士です」を胸を張って言えるよう日々の鍛錬が求められます。まあ、日々の日常業務をしっかりやる、ということでしょうが。
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【2014年6月20日(金)参議院本会議】
第186通常国会最後の参議院本会議で、「特定秘密保護法附則10条にもとづく、参議院情報監視審査会設置の参議院規則改正と規程」に、みんなの党の13名が、反対票を投じていたことが分かりました。
第185秋の臨時国会で、特定秘密保護法について、渡辺喜美代表(当時)と安倍晋三自民党総裁(首相)の党首会談を受けて、「責任野党」と称され4党合意(自維公み)で衆議院修正。しかし、1期生による稚拙な修正となり、「30年後公開」が「60年後公開」と自民党に利用されたため、衆議院で造反が出て、参議院の採決では、水野賢一さんら15名は退席、川田龍平さんら3名は反対しました。
一方、片山虎之助さん、アントニオ猪木さん、中山恭子さんら「日本維新の会」は、川田さんら3名を含む「結いの党」(5議席)とともに、引き続き、棄権しました。
賛成は自民党(114議席)と公明党(20議席)のみでした。
このため、安倍首相が「責任野党」と称した2党は、参・情監審査会の投票の段階では、1人も賛成者がいない事態となりました。さらに2党は合計4党に分裂するという、安倍ちゃんにいいように利用されただけで終わり、水野議運理事の孤軍奮闘ぶりが際立つ格好となりました。12月と目される、特定秘密保護法施行に向けて、4党態勢は完全に崩れましたが、議席数ではなお、衆参過半数を維持しており、その政治姿勢が今後の大型選挙でじわりと影響するかもしれません。
みんなの党が反対に転じた理由には、長谷川岳さん、上月良祐さんら自民党参院議員の答弁がぐだぐだだったことに加えて、情監審査会の設計があまく、8名の中に、議運理事である、みんなの党と日本共産党が中に入れないことへの不満があったと推測できます。この、みんなの党が入れない、という一点が決め手だったのでしょう。党利党略と言えばそうですが、参議院みんなの党として譲れない一線でしょう。
(関連エントリー特定秘密保護法附則10条にもとづく「参議院情報監視審査会規程(案)」の審議で自民党しどろもどろ)
(関連エントリー「参議院情報監視審査会規程案」が不十分な内容・審議のまま会期末にどさくさ強行採決 特定秘密保護法)
民主党は第187臨時国会で、衆議院内閣委員会で継続審査(閉会中審査)となっている、
「情報公開法改正案」(枝野幸男君外2名提出、185衆法1号)
「特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案」(渡辺周君外2名提出、185衆法11号)
「情報適正管理委員会設置法案」(渡辺周君外2名提出、185衆法12号)
「公文書管理法改正案」(渡辺周君外3名提出、185衆法13号)
の4本に加えて、否決された、国会法104条など改正法案を含めて、政権復帰後の行政運営も含めて、機密情報保全体制の構築に全力を挙げるかまえ。
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[写真]3年ぶりに行われた国会議事堂の夜のライトアップ、2014年2月3日(月)、筆者・宮崎信行撮影。
衆参ねじれが8年ぶりに完全解消した通常国会となった、第186回国会は、2014年(平成26年)1月24日(金)の召集から当初会期通り6月22日(日)に閉会することになりました。
衆議院本会議は、参議院の動向を考え、休憩のまま散会する運びですが、参議院本会議では20日午後9時半過ぎに、山崎正昭議長が恒例のあいさつをし、「内外の情勢多難なおり、議員各位におかれましては、一層ご自愛ください」と語りました。
秋の第187回臨時国会の召集は現時点では未定ですが、おそらく9月下旬の可能性が高いと思われます。その前に、内閣改造・与党第1党人事異動がある見込みで、新しい布陣での国会となります。
国政選挙も統一地方選も「99%ありえない状況」で迎えた17年ぶりの通常国会でした。前回(1997年第2次橋本内閣)と同じく、150日間で閉会しました。秋の臨時国会の召集まではおそらく3か月間前後の閉会中期間となりそうです。ただ、閉会中審査は、集団的自衛権は確実で、TPP、景気、原発や放射線に関する問題、何らかの災害発生で、いくつかの委員会が開かれます。
最大野党・民主党議員も年初から、「ことしは落ち着いて政策に取り組めそう」と語っていました。予想通りに、閣法成立率98%ながら、与党経験をいかして、議院修正、附帯決議、議員立法などで縦横無尽に活躍。空転がほとんどない密度の濃い国会でしたが、日程闘争の不毛さがなく、充実した国会運びでした。
昨秋の松野頼久・衆議院議員の提案もあり、委員会から本会議への「緊急上程」がほとんどなくなりました。議事進行係のあべ俊子さんの出番はあまりありませんでした。あらためて考えてみましたが、憲法上、当初予算案は通常国会の最重要議案です。だったら、緊急上程ではなく、本会議の日程として公報に載せるべきでしょう。仮に災害対応の補正予算案であっても、当面は、本予算の予備費で対応できなければおかしい。いかなる場合でも、予算案、税制改正法案はすべて公報に載せて本会議の日程にするべきでしょう。ちなみに、昨年の予算成立の瞬間は、本会議場一般傍聴席には、私を含めて2名しかいませんでした。政党に関係なく国会の敗北でした。
衆参ねじれ解消後の先の臨時国会で、参・文教科学委委員会の大島九州男・野党側筆頭理事が始めた、「採決で反対した後に附帯決議案を筆頭発議者として提出して採択する」とのパターンが衆参とも大流行。採決で反対した直後に提案する、ならば、「いつから案文を書いているのか?」とのツッコミがありそうですが、衆参とも与党過半数ならば、あらかじめ採決結果は分かりきっているので、文句は出なかったようです。民主党の意見を附帯決議に盛り込むことができました。ただ、流行しすぎて、終盤は、自民党議員が提出した議員立法が全会一致で可決した後に自民党議員が附帯決議を付ける、となると、くどすぎるかもしれません。
今後は法律附則は当然として、附帯決議も含めて「法案の見直し規定」の時期を把握して、守ることが、改選を超えて、国会議員が共有すべき任務といえるでしょう。
衆議院予算委員会の野党側筆頭理事を2年続投するというモーレツ議員ぶりを見せた長妻昭さんが、今国会も徹底審議路線を求め、空転がまるっきりない国会運営となりました。衆参とも決算委(決算行政監視委)が危機感を持ち、参・決算委は月曜日の午前10時から午後6時まで、府省別審査をしました。
安倍首相は召集前から、「好循環実現国会」と設定しました。ただ、制定法律からすると、たとえば、改正貿易保険法は「融資も貿易保険の対象」にしました。改正中心市街地活性化法や小規模企業振興基本法では、日本政策投資銀行や商工会議所の融資機能が拡充しました。国会とは関係ありませんが、第31次地方制度調査会会長に、多くの自治体で指定金融機関をつとめる東京三菱UFJ銀行の前の経営者が就くなど、「金融機関の好循環実現国会」だったともいえそうです。
改正司法試験法、宅建取引士、学校司書、特定行政書士などの国会資格の法律が成立しました。4月1日から消費税が8%に引き上げられたことで、国家の永続性がたかまったことと無縁ではないでしょう。
参議院では、序盤に、内閣法制局長官や、NHK会長を呼んで衆議院と同じ質問で吊し上げるというあまり感心できない場面がありましたが、やがて収束。これまでと違い、やる気のある議員がいろいろな委員会で何度も登場する、新しい参議院の姿がありました。これも黄金の3年間ということもありますが、ニコニコ動画も含めたネット中継の効果もあると考えます。そして、会期末には、石原伸晃環境大臣が任にふさわしくないとの決議に、衆参の各野党が一致団結しました。ちなみに、衆環境委は、民主党筆頭理事が、維新の会1期生を気に入って附帯決議案の朗読者を任せた最初のシーンが昨年の筆頭理事のときにありました。
参院では会期末に問責決議案を出しました。かつ、否決されたこともあって、10年間続いた問責参議院からの脱却も、そろりと進みました。
◇
150日間、おかげさまで、無病息災で完歩することができました。今国会では以前に増して、法案を追いかけることが楽しく、本会議・委員会ともインターネット傍聴が多く、月曜日も含めて議員会館はほとんど回れませんでしたが、私にとって実り多い国会でした。お支えいただいたみなさまに心より感謝します。
◇
閉会中審査などの、理事懇談会、理事会、委員会などの情報があれば、ぜひ教えてください。例年どうしても見落としがちになってしまっております。
筆者のメールアドレスは、
miyazaki@wa2.so-net.ne.jp
国会法改正案の投票が終わりました。これから集計になります。これが成立すると、まず「衆議院情報監視審査会」の発足が確定することになります。
この後に、参議院の規則案・規定案への投票が行われます。#Kokkai
改正国会法が可決し、成立してしまいました。
ただ、投票総数224、賛成146、反対78なので、十数人投票者が減っています(棄権?)
記名投票なので、結果は押ボタン式よりもかえって反映が遅れますが、賛成議員、反対議員ともすべて後で名前が分かります。#kokkai
山崎正昭参議院議長が閉会のあいさつで「内外の時局多難な折、ますますのご自愛を」と議員に呼びかけました。回付、返付がないため、このまま衆議院本会議は再開せず、閉会します。#kokkai
新規提出閣法で成立しなかったのは「労働者派遣法改正案」と「知識専門職の有期雇用法案」と、ともに厚労省提出の2法案。成立率は98%。このほか、継続審査だった「テロなど組織犯罪への資金提供処罰法案」も成立せず。「派遣」は廃案、「有期」「テロ」は衆で継続審査に。#kokkai
「特定社会保険労務士法案」は参・厚生労働委で「継続審査」となりました。次の国会では、衆参両院の議決が再び必要になりますので、今国会では、事実上ほぼ廃案に近い結果となりました。#kokkai goo.gl/joZcEt
第 三 会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(第百八十五回国会内閣提出、第百八十六回国会 衆議院送付) ( #国会を見よう 参議院本会議ミラー moi.st/45fb951 )
NHKのインターネット事業を拡大し、民間放送の経営基盤を強化する、改正放送法および改正電波法は、投票総数239、賛成227、反対12で可決し、成立しました。#kokkai
特定行政書士が行政不服審査の申請をできるようにする、改正行政書士法は、投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し、成立しました。#kokkai goo.gl/uZYodC
総長・副総長の権限を高め、教授会の権限をおさえる、大学ガバナンス法案(改正学校教育法および改正国立大学法人法)は投票総数238、賛成223、反対15で可決し、成立しました。#kokkai
過労死等防止法、介護・障害福祉施設従事者の処遇改善法、アレルギー疾患対策基本法は投票総数239、賛成239、反対0で、医療機器の研究開発推進法は投票総数239、賛成227、反対12の賛成多数で、各々可決し、成立しました。#kokkai
@kAssy0121 午後8時ごろ、投票総数239、賛成239、反対ゼロの全会一致で可決して、成立しました。
岩城委員長が、国会法改正案、参議院情報監視審査会規程案、参議院規則改正案の審査について、委員長報告。参議院本会議。webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php #kokkai
#kokkai 衆。海賊対処・テロ防止特別委員会は、8会派共同提出の、イスラム過激派による女性生徒誘拐事件などに対する抗議決議。
もちろんそれはいいのですが、今国会で1回質疑をしただけの同委員会の存在意義のアリバイ作りでは困ります。特別委の陣立ての再検討も秋の臨時国会で必要。
衆議院の常任委員会、特別委員会の会期末処理は(環境委員含め)すべて終わりました。午後1時から本会議。
環境委は、石原大臣の発言と不信任決議案をうけた質疑がある可能性もあり、休憩となっています。#kokkai
#kokkai 参議院議院運営委員会、小野次郎さんの質問に対して、答弁者は「議員は、情報監視審査会に関する仕事に限っては、(適性検査の対象でない)秘書を使わないようにしてほしい」と答弁。
「特定秘密を洩らしたことで懲罰委員会にかけられた情報監視審査会委員について、懲罰委員は特定秘密をみられないのに、どうやって処分を決めるのか?」で、自民党提出者が答弁に窮しています。参・議運委。#kokkai
自民党理事が答弁中に「ちょっと理事の人座ってください」と委員長の議事整理権を代行(?)してしまい、委員長(自民党)から「答弁だけしてください」と注意され、謝罪しました。#kokkai
衆議院本会議は、伊藤信太郎・環境委員長解任決議案が議題になりました。趣旨説明は、民主党の吉田泉さん(環境委の野党側筆頭理事)。「石原環境大臣への質疑を職権で延期した」としています。#kokkai
民主党は、石原伸晃環境大臣が、沖縄県・座間味島で、県警機動隊の警備をえながらダイビングをしていたり、本会議・委員会に酒気帯びで出席していたりした疑惑を指摘。衆議院本会議。#kokkai
鉢呂氏は子供達が食べる食品の安全性を高める案を持っていた方です。とても惜しい方です。RT @YumGreens @OracleNow @kokkai_live
参・議院運営委員会は、テレビカメラが増えてきました。強行採決が近づいているのかもしれません。特定秘密に関する、国会法改正案や参議院情報監視審査会規程案などの審議。#kokkai
特定秘密保護法附則10条にもとづく、国会法改正案(186衆法27号)、参議院規則改正案(186規則3号)、参議院情報監視審査会規程案(186規程2号)は、自民党の岩城光英委員長によって強行採決されました。#kokkai
民間紛争解決手続に上限を設けることに反対です。また、早く成立させて下さい。
特定社労士が裁判でも陳述 社会保険労務士法の改正案が衆委員会可決 会期内の成立は不透明な情勢 blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/… @kokkai_liveから
うーん、複雑な気持ち。司書教諭にすると司書としての専門性が失われる可能性あるけど、それ以前に図書室の『先生』な訳だし・・・ RT @kokkai_live: 学校司書を法制化する学校図書館法改正案が可決して、参・文科委は散会。#kokkai
衆議院内閣委員会は「公文書公開法改正案」「TPP情報公開法案」「死因究明法案」など法案を全会一致で閉会中審査を決定。次に、多数決で「情報公開法改正案」「行革実行法案」「IR法案(カジノ法案)」「道州制法案」などを閉会中審査にすることも決めました。散会。 #kokkai
#kokkai ちなみに、「法案の閉会中審査」が決定したとしても、閉会中に本会議は開けませんので、可決されることはありません。秋の臨時国会へ「継続審査」になったという意味合いです。
もちろん予算・外務・安保委などの「国政調査の閉会中審査」には、「閣議決定の質問」が含まれます。
厚労省の杉原千畝がいたのかな・・・@Kstigarbha @mu0283 ありえないミスを敢えてすることで廃案に追い込むという厚労省職員の戦術だったのでは。 QT @mu0283 RT @kokkai_live 「【速報】「労働者派遣法改正案」が廃案 #kokkai...
よし、次は、勤労者の待遇改善! @kokkai_live: 「【速報】「労働者派遣法改正案」が第186通常国会で廃案 民主党、「生涯ハケンで一生搾取」の奴隷化阻止」#kokkai goo.gl/0zezEx
すぐ出てくるとは思うけど、とりあえずひと息。“@kokkai_live: 「【速報】「労働者派遣法改正案」が第186通常国会で廃案 民主党、「生涯ハケンで一生搾取」の奴隷化阻止」#kokkai goo.gl/0zezEx”
昨年の通常国会から継続審査となっている「テロなど公衆等脅迫目的犯罪の資金提供者処罰法案」(183閣法30号)は可決されませんでしたが、秋の臨時国会への継続審査は全会一致で認められました。衆・法務委。#kokkai
#kokkai 参議院議院運営委員会が開会。特定秘密保護法附則10条にもとづく参議院情報監視審査会の設定に関して。民主党の福山哲郎さんが「ワールドカップの引き分けで、答弁者のみなさん、イライラしないようにしてください」と釘をさして質疑スタート。#kokkai
衆財金委は「健全なる飲酒環境の整備に関する請願」を全会一致で内閣へ送付。維新桜内さん提出の2つの衆法を閉会中審査にしましたが、前原誠司さんが1年半前に提出した「国と自治体双方の財政健全化法案」(183衆法33号)は閉会中審査にならず、廃案になったもようです。#kokkai
「公認心理師法案」(186衆法43号)は、全会一致で衆・文部科学委員会で、継続審査が決まりました。
なお、文科省・厚労省共管になる法案なので、厚労委の関与もいるので、秋の臨時国会でもすぐに成立とはいかないと予測されます。関係者は粘り強く働きかけてください。#kokkai
#kokkai 5月末に「内閣人事局」が発足しましたが、3党合意に前後して、民主党が提出していた国家公務員制度に関する議員立法は、衆議院内閣委員会に付託されていましたが、継続審査手続きがとられませんでしたので、廃案になったようです。今後は「自律的労使関係」が課題として残りました。
衆議院の定数是正と定数削減のための、
民主党提出「5増35減法案(海江田・岡田法案、183衆法8号)」と
維新提出「定数3割削減法案(園田法案)183衆法13号」は、
ともに多数決で閉会中審査となりました。衆・政治倫理選挙特別委員会。#kokkai
福山哲郎さんは「情報監視審査会の部屋は、電磁波の遮蔽などをするが、12月に施行で、その部屋をつくる予算はどうするのか?」と指摘。特定秘密保護法附則10条にもとづく参議院情報監視審査会規程案などの議論。参議院議院運営委員会。#kokkai
#kokkai 2年前に代表が総理として政治生命をかけた採決で青票を投じて除籍になった人が民主党を評価しないでください。我々の沽券にかかわります。RT @miyake_yukiko35 @kokkai_live 厚生労働委員会(生活の党は委員がいない)~~民主党がかなり頑張った
衆議院決算行政監視委員会は、理事会で、「委員会改革の申し合わせ」を決定。(1)1年以内に審査終了(2)小委員会をつくり政策の是非は別として審査する(3)改革方針は今後も見直すーーの3点。松浪健太委員長「6回の勉強会で他国の決算審査の制度も学んできた」#kokkia
衆議院議院運営委員会は民主党の福山哲郎さんの質疑が終了。昨日は質問しなかった公明党から、河野義博さんが登場して、質問。答弁者のペースを整えるためもあっての公明党による質疑でしょうか。#kokkai
#kokkai 衆議院予算委員会は、予算の実施状況に関する件(国政調査)について、閉会中審査ができるよう議長に要求することを全会一致で議決しました。
鉢呂吉雄さんと石原伸晃さんの違いは明白。鉢呂さんはたたきあげ、石原さんは(選挙区は違うが)世襲議員。「お父さんにお世話になった」同僚議員の人数が違う。RT @miyake_yukiko35 鉢呂大臣(当時)と石原大臣の違いは明白。~~身内が辞任に追い込んだようなものとも言える。
[画像]特定秘密保護法にもとづく国会法改正案などを強行採決する岩城光英・議院運営委員長(自民党)、2014年6月20日(金)参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【参議院・議院運営委員会 2014年6月20日(金)】
昨日に続き、特定秘密保護法附則10条にもとづく、
「国会法改正案」(町村信孝衆議院議院ら提出、186衆法27号)、「参議院規則改正案」(186規則3号)、「参議院情報監視審査会規程案」(186規程2号)を審査。
きょうは自民党、公明党の与党も質疑し、委員外議員として社民党も質問しました。生活の党は質問しませんでした。森まさこ国務大臣、内閣官房審議官、参議院事務総長らも答弁しました。
この中で、「特定秘密を洩らした審査会委員を懲罰にかける場合、懲罰委員は特定秘密を知らないのにどうやって処分を決めるのか」「懲罰動議に関する案件を審議する議院運営委員会は、特定秘密を知らずにどうやって審議するのか」「質問主意書の中に、特定秘密が入っていたら、参議院議長が内閣に転送したことによって、特定秘密がホームページに出ることになるが、議長が漏えいしたことになるのか」「審査会の部屋は、電磁波を遮蔽するなどの工事が必要だと言うが、今年12月に法施行で、今年の予算はどうするのか」などの鋭い質問に、与党の衆議院議員、参議院議員らがからっきし答えられない状態になりました。
それでも、午後3時半過ぎに、自民党の宮本周治参議院議員が、「質疑をの打ち切り速やかに採決する」動議を提出。
[画像]質疑の打ち切りと速やかに採決するよう動議を提出する自民党の宮本周治参議院議員、手前の起立した人物、2014年6月20日(金)参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
[画像]向大野新治・第15代衆議院事務総長、2014年6月20日(金)、衆議院本会議、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
伊吹文明衆議院議長は、鬼塚誠(おにつか・まこと)事務総長から提出された辞表について、本会議にはかり、全会一致で了承を得ました。
ここで、欠員となった事務総長選挙に入りましたが、緊急動議により選挙を省略。議長は、向大野新治(むこおおの・しんじ)事務次長を第15代衆議院事務総長に選びました。
鬼塚体制では、4人目の事務次長となった向大野さんですが、順当に事務総長になりました。
向大野さんは、鬼塚さん同様に、東京大学法学部卒業。衆議院事務局で上級職採用が始まった1期生が鬼塚さんですので、衆議院事務局も、府省とそん色なくなってきたようです。
向大野さんは、東京都出身ですが、今は千葉県在住で手賀沼サイクリングが趣味。
2003年1月1日付で、綿貫議長(駒崎義弘事務総長・鬼塚事務次長)時代の秘書課長に就任。庶務部長、警務部長、管理部長を歴任。その後に、本会議をつかさどる建制順筆頭の議事部長を、2010年7月1日から震災を経て2011年9月1日まで務めました。それから委員会をつかさどる委員部長に就任。委員部長経験者の事務総長昇格は3代連続。2012年10月1日、事務次長となりました。
来年か再来年には、内閣官房長官から解散詔書を受取り、確認して折り目を付けて、伊吹議長に渡し、第47回衆議院議員総選挙の後の、第75代衆議院議長の選挙を取り仕切ることになりそうです。
向大野さんは早大講義録をもとにした自著『政治の考え方』で、「制度的には、政権交代が議会の最大の役割であり、野党側が与党側の示す政策や法案等に同意せず、彼らを窮地に追い込もうとするのはある意味当然」「国会での対立は、単に与野党議員の対立ではなく、必ず国民間の意見の相違がその背後にある」(290ページ)と主張しています。頼もしい限り。前回の政権交代期に衆議院事務総長をつとめた谷福丸さん(第129回国会から第158回国会)は先例にとらわれない、我々細川・羽田内閣連立与党および野党・新進党に厳しい事務総長でした。しかし、向大野さんは、きっと最大野党・民主党を支えることによって、国民のための政治体制の構築すなわち衆議院事務局のパワーアップができる事務総長になるだろう。そう期待せざるをえません。
前回の交代の際は、辞表が出された後事務総長が議長と握手をして退場。事務次長が事務総長席に代理で座った後、事務総長に選ばれました。今回は、これに先立つ大臣不信任決議案の記名投票表決終了後に、あらかじめ、席を交代していました。はにかみやの鬼塚さんらしい交代でした。
鬼塚さんの在任期間は、第171通常国会最終盤の2009年7月9日から第186通常国会最終盤の2014年6月20日までとなりました。
まさに憲政史最大の歴史的局面において、そつのない「安定の鬼塚」だったと言えましょう。
この間、麻生内閣がつくり河野議長が朗読した衆議院解散、民主党への政権交代、衆参ねじれ、東日本大震災、社会保障と税の一体改革法の採決をめぐる小沢一郎氏らの造反、野田内閣がつくり横路議長が朗読した衆議院解散、自民党への政権再交代、伊吹議長就任、衆参ねじれ解消。まさに歴史の証人となりました。
[画像]最後の本会議で、議長の命令で集計結果を発表する鬼塚誠さん、2014年6月20日(金)。
大乱世をとりしきった「安定の鬼塚」から、平時をとりしきる事務総長ですから、「発信力の向大野」ということになるのではないかと期待しています。衆参とも東京っ子の事務総長ということになりました。まずは英国議会同様、「国会のホームページ」をつくらねばなりません。向大野さんは「発信」の衆議院事務総長になると同時に、衆議院情報監視審査会事務局の発足にあたり、適性検査を受ける職員のなかに、なるべく防衛・警察・法務などからの出向者を避けるとともに、「秘密」の名の下に、情監審査会事務局に数十年務めて安住するような職員をつくらないようにする制度設計が求められます。
地味な存在の役所である衆議院事務局ですが、量的にも質的にも厚みを増して、明治維新以来の行政府偏重のいびつな政治を是正していくため、私も大いに協力していきたいところです。
もう一度、政権交代をしっかりと見届けて、政権交代ある二大政党政治を日本に根付かせれば、向大野事務総長は歴史に名を残す「日本のアースキン・メイ」になるでしょう。アースキン・メイは1871年から1886年まで在任した庶民院事務総長で、いまだに名前が残っています。
[画像]社会保障と税の一体改革のための改正認定こども園法の採決で、岡田克也衆議院議員(副総理・社会保障と税の一体改革担当大臣、当時)から白票を受け取る向大野新治・衆議院参事。右端は野田佳彦首相(当時)。上段は左から鬼塚誠・衆議院事務総長、横路孝弘・衆議院議長(当時)、2012年6月26日(火)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
[画像]社会保障と税の一体改革法の記名投票を集計する、中段左から、衆議院事務局の向大野新治参事、岸本俊介参事、清野宗広第23代事務次長(現在は退職)、辻本頼昭参事ら、2012年6月26日(火)、衆議院本会議。
安定の鬼塚から、発信の向大野へ。
さあいよいよ、国会新時代の幕開けです。
【衆議院厚生労働委員会 2014年6月20日(金)】
後藤茂之委員長が午前9時10分開議。
まず呼吸器疾患などに関する請願を全会一致で採択し、内閣に送付。
「労働者派遣法改正案(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案)」(186閣法56号)の閉会中審査手続きをしませんでした。もともと衆議院議長(議運委)から付託を受けていなかったと思います。
これにより、労働者派遣法改正案は廃案になりました。
施行令による専門26業務を撤廃するもので、事実上「生涯ハケンで一生搾取」を実現する「現代の奴隷化法案」は阻止されました。
民主党、日本共産党の激しい抵抗により、「付託すらされない廃案」という「目に見える成果」となりました。もちろん3月11日に閣議決定した安倍首相ら自民党・公明党大臣の政治的責任は残ります。
法案には、附則で「(改正までは現行法通り)懲役1年以下」とすべきところを「懲役1年以上」とコピペミスするという、厚労省職員のありえないミスがありました。手書きの時代なら「以下」を「以上」と書き違えることはあっても、コンピューターの時代に「以下」が「以上」に入れ替わるというのはまっこと不可思議なミスでしたが、これはもう不問に付していいんじゃないでしょうかね。
重徳和彦さんが提出した議員立法「世代間格差を是正するための公的年金制度及び医療保険制度の改革の推進に関する法律案」(185衆法27号)は起立多数で閉会中審査になりました。
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おかげさまで、きのう2014年6月19日(木)の24時間のアクセス数が10385PV(ページビュー)と、1万PVを越えました。これまでもYahoo!ニュースのポータルサイトに載った際には1万PV越えがありましたが、それ以外では初めてです。今国会中に、通算1000万PV越えを達成。BLOGOSへの掲載も始まりました。今後ともどうぞお引き立てのほどよろしくお願いします。