(このエントリーの初投稿日時は2016年2月24日午前8時半で、それから23日付にバックデートしました)
[写真]5野党連携協議会の発足を説明する、民主党の枝野幸男幹事長、2016年2月23日(火)、国会内、筆者・宮崎信行撮影。
民主党と維新の党が合流する案が大筋で合意された、平成28年2016年2月23日は、これとは別に大きなスキーム(枠組み)が動きました。
民主党の枝野幸男幹事長、日本共産党の山下芳生書記局長(参)、維新の党の今井雅人幹事長、生活の党と山本太郎となかまたちの玉木デニー幹事長、社民党(社会民主党)の又市征治幹事長(参)の5人は国会内で会談し、
「5野党連携協議会」
を設け、議題の有無にかかわらず、定例で開催することを決めました。
2月19日の5党首会談の確認事項4項目の具体化をすすめます。
5党首の確認4項目は次の通り。
(1)安保法廃止と閣議決定の撤回。
(2)安倍政権打倒。
(3)国政選挙で現与党及びその補完勢力を少数に追い込む。
(4)国会における対応や国政選挙等あらゆる場面でできる限りの協力を行う。
会議の席上、山下書記局長から、同党の「都道府県委員長会議」で、志位和夫幹部会委員長がしたスピーチの原稿が配られ、第24回参院選での1人区の野党候補一本化の決意が示されました。
5党の議席占有率は衆議院で25%。
民主党と共産党の連携は「後期高齢者医療制度」「労働者派遣法」「安保法(戦争法)」など個別テーマごとにありました。
ただ、帝国議会から国会に衣替えして以降、野党第3党が定位置だった共産党は国対委員長会談からも排除されていた時代が長かったです。今回、はじめて野党第2党になったこともあり、5党幹事長会談が常設化されることになりました。おそらく日本政党史で初めてと思われます。
基本的には、参院選に向けた選挙区の候補者調整が、「5野党連携協議会」の枠組みを通して行われることになります。
[日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」ウェブサイトから全文引用はじめ]
日本共産党の志位和夫委員長が22日の全国都道府県委員長・参院選候補者会議で行った報告は次のとおりです。
みなさん、おはようございます。連日のご奮闘に心からの敬意を申し上げます。
私は、常任幹部会を代表して、全国都道府県委員長・参院選候補者会議への報告を行います。
まず、この会議を招集した目的についてのべます。
2月19日、5野党党首会談――日本共産党、民主党、維新の党、社会民主党、生活の党の5党による党首会談が行われ、国政選挙での選挙協力の協議に入るという合意がかわされました。わが党は、昨年、9月19日の4中総決定――「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の「提案」にもとづいて、この5カ月間、野党共闘のための努力を粘り強く続けてきましたが、2月19日の5野党党首会談の合意によって、新しい画期的な政治局面が開かれました。
この新しい政治局面にどう対応し、参議院選挙での勝利・躍進の道をどう切り開くかについて、緊急に意思統一を行うために、この会議を招集いたしました。
一、5野党党首会談の内容とその意義について
報告の第1の主題は、5野党党首会談の内容とその意義についてであります。
(1)5野党党首会談では、まず安保法制=戦争法を廃止する法案を共同して提出することを確認しました。安保法制廃止法案の共同提出は、この法制に対して怒りと不安をもつ多くの国民の声にこたえる重要な意義をもつものです。国民の前で、この法案を真剣に審議することを、与党に強く求めていきます。
(2)そのうえで、党首会談では、5野党共同の取り組みの方針として、次の4点を確認しました。
第1に、安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を共通の目標とする。
第2に、安倍政権の打倒をめざす。
第3は、国政選挙で現与党およびその補完勢力を少数に追い込む。
第4は、国会における対応や国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力を行う。
これらの目的を達成するために、5野党の幹事長と書記局長間で早急に協議をし、具体化をはかる。
以上が5野党党首会談での確認の内容であります。
私は、党首会談の席で、この確認事項に全面的賛同を表明するとともに、わが党は、誠実かつ真剣に協議に臨み、できるだけ速やかに合意を得るために力をつくす決意だとのべました。また、参議院選挙の1人区の候補者調整にあたっては、安保法制=戦争法の廃止、立憲主義回復という大義の実現のために、わが党としては思い切った対応を行うことを表明しました。
(3)さらに、わが党が一貫して追求している「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」について、私は、党首会談の席で、次のように表明しました。
「この場で合意を求めるということではありませんが、一言、表明しておきたい。わが党は、安保法制=戦争法の廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回のためには、この二つの仕事を実行する政府――『国民連合政府』が必要だと主張してきましたし、今もその立場は変わりありません。同時に、この問題については、賛否さまざまだということも承知しています。そこで政権の問題は、横に置いて選挙協力の協議に入り、今後の協議のなかでわが党の主張をしていきたいと考えています」
5野党の間で、安倍政権に代わる政権構想については、まだ合意がつくられていません。そこで、この問題は「横に置いて」――保留して、まず選挙協力の協議に入るという判断をし、その旨を表明しました。
党首会談の席での私のこの表明について、座長の民主党・岡田(克也)代表から、各党に意見が求められましたが、どの党からも異論は提起されませんでした。党首会談の確認でも、連合政府の必要性は否定されていませんし、むしろ四つの確認事項を実行しようとすれば政権の問題は避けて通ることはできなくなってくるでしょう。わが党は、「国民連合政府」について、「これしかない」という必然性をもった「提案」だという確信をもっており、この「提案」の方向で野党間の合意形成が図られるよう引き続き努力をしていきます。
(4)つぎに5野党党首会談での合意の意義についてのべます。
5野党党首会談で、安保法制廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を共通の目標として確認し、国政選挙での選挙協力を行うことを確認し、それを具体化するための協議開始が確認されたことは、「野党は共闘」を望む多くの国民の声にこたえた、きわめて重要な合意、画期的な合意となりました。
日本共産党の歴史のなかでも、国政選挙で、戦争法廃止と立憲主義の回復という国政の根幹にかかわる課題を共通の目標として、全国的な規模での選挙協力に踏み込む、その合意が得られたということは、文字通り初めてのことであります。この合意は、日本の政治に、日本国憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を取り戻していくうえで、大きな前進の一歩となるものであります。
この合意の達成にいたった力は何か。二つの点をのべたいと思います。
第1に、それは何よりも世論と運動の力によるものです。戦争法が強行された後も、その廃止を求める国民運動、市民運動が継続的に発展し、そのなかで「野党は共闘」を求める世論と運動が広がったことが、この合意を達成するうえで大きな後押しとなりました。まさに国民の力がつくりだした合意であります。戦争法が強行された9月19日を忘れるなと、毎月、19日には、東京でも全国でも大規模な戦争法廃止の運動が続いてきましたが、ちょうど5カ月目の2月19日に5野党党首会談の合意が実ったことは、今回の合意をつくりだした力が、国民の運動、市民の運動にあったことを象徴的に示すものです。
第2に、わが党が「戦争法廃止の国民連合政府」の「提案」を行い、その実現のために中央でも地方でも奮闘してきたことが、重要な貢献となりました。わが党の「提案」のうち、安保法制=戦争法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回という政治的な合意、国政選挙での選挙協力の合意が、5野党で確認されたことはきわめて重要であります。「提案」にそくして原則的かつ柔軟な努力を重ねてきた全国の党組織と候補者のみなさんの奮闘が、この合意へと実りました。私たちは先日の全国候補者会議の場で、「わき目もふらずに党躍進のために奮闘を」と呼びかけました。この呼びかけにこたえて、候補者のみなさんを先頭に大奮闘していただいた。このことも今回の野党党首会談の合意につながりました。私は、全国の党組織のみなさんの奮闘、とりわけ予定候補者のみなさんの奮闘に、心からの敬意と感謝を申し上げるものです。
すでに「しんぶん赤旗」でも紹介していますが、今回の野党党首合意に対して、安保法制=戦争法反対のたたかいを、ともに取り組んできた方々をはじめ、広範な国民から強い歓迎の声が寄せられています。党本部にも、「涙が出るほど感動し、胸がふるえた」など、多くの歓迎と激励の電話やメールが寄せられています。
政府・与党からの反応もさっそく伝わってきました。自民党の二階(俊博)総務会長は、19日の記者会見で、「共産党がそういう戦法で来るなら、絶対に負けないよう自民、公明両党が団結して徹底的にたたかう」と強調し、対抗心をあらわにしました。
おおいに受けて立とうではありませんか。5野党党首会談の合意に対して、多くの国民から強い歓迎と激励が寄せられていることを全党の大きな確信にして、参議院選挙での勝利・躍進を必ず勝ち取ろうではありませんか。
二、選挙協力の協議にのぞむ基本方針について
報告の第2の主題として、選挙協力の協議にのぞむ基本方針についてのべます。
5野党党首会談での確認は、選挙協力のスタートラインに立ったということであって、この確認を具体化する協議はこれからです。わが党は、選挙協力の協議にのぞむ基本方針として、次の諸点を重視して対応していきます。
(1)第1に、党首会談の合意にもとづいて、安保法制=戦争法廃止、集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を、国政選挙における野党各党の選挙公約とすることを確認していきたいと思います。政権の問題については、「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」をめざす日本共産党の「提案」を引き続き主張し、「提案」の方向での合意形成をめざします。
(2)第2に、選挙協力の協議にあたっては、まず参議院選挙1人区での選挙協力について合意を得ることを優先して協議を進めるようにしたいと思います。
(3)第3に、参議院選挙1人区で、わが党が、他党の公認候補者および推薦候補者を応援する場合は、中央段階での協議と確認を踏まえて、わが党の県委員会と候補者本人・県連との間で、(1)安保法制廃止、閣議決定撤回を選挙公約とすること、(2)選挙協力の意思があることを確認することを、その条件とします。
(4)第4に、熊本県ですでに実現しているような無所属の野党統一候補の擁立は、きわめて重要な意義をもつものであり、可能性があるところではそれを追求します。
(5)第5は、選挙協力の形態は、地域の実情に応じて幅をもった対応となりますが、わが党としては、単なる「すみわけ」ではなく、本格的な「協力」をめざします。選挙協力が合意されたとしても自民、公明に勝つことは容易ではありません。政党・団体・個人が力をあわせ、それぞれが全力を発揮してたたかってこそ、勝利の道は開かれます。
(6)第6に、安保法制=戦争法以外の政策課題についても、中央段階、県段階で協議し、可能な限りの一致点を得ることを追求します。
5野党党首会談では「安倍政権打倒をめざす」ことを確認しており、この立場に立って協議をすれば、安倍政権の国民の利益に背く暴走をストップし、転換をはかるという点で、切実な暮らしと経済の問題なども含めて、さまざまな一致点をつくり得ると考えます。
(7)第7に、衆議院選挙の小選挙区における選挙協力は、参院選1人区での選挙協力と同じ方針というわけにはいきません。参議院選挙では複数定数の選挙区が一定部分を占め、有権者全体の約6割を占めますが、衆議院選挙では選挙区はすべて小選挙区です。衆議院選挙で野党共闘を成功させながら、同時に、日本共産党の躍進を勝ち取るために、次のような方針で協議にのぞむようにします。
衆議院選挙の小選挙区における選挙協力は、直近の国政選挙の比例代表選挙の野党各党の得票を基準にした、「ギブ・アンド・テイク」を原則として推進することとしたい。これがわが党の提案です。そのための他党との協議は、中央段階で責任をもって進めるようにしたいと思います。
わが党が、他党の公認候補者および推薦候補者を応援する場合は、第3の方針と同様の方針――中央段階での協議と確認を踏まえて、わが党の都道府県委員会と候補者本人・県連との間で、(1)安保法制廃止、閣議決定撤回を選挙公約とすること、(2)選挙協力の意思があることを確認することを、その条件とします。
いつ解散・総選挙となっても対応できるよう、中央段階の協議と並行して、各都道府県委員会は、党中央とよく相談して、小選挙区予定候補者の擁立を進めていくようにしていただきたいと思います。
以上が選挙協力の協議にのぞむわが党としての基本方針です。明日にも、書記局長・幹事長による協議が開始されます。わが党としては、5野党党首会談の合意にもとづいて、いまのべた基本方針にたって、できるだけ速やかに、まずは参議院選挙1人区での選挙協力について具体的な合意を得るように、力をつくすものであります。
三、参議院選挙の勝利・躍進をめざす方針について
報告の第3の主題として、参議院選挙の勝利・躍進をめざす方針についてのべます。参議院選挙をたたかう基本方針については、すでに中央委員会総会決定や幹部会決定で明らかにされていますが、それにくわえて、5野党党首会談の合意を踏まえて、次の諸点を重視して奮闘したいと思います。
(1)第1は、参議院選挙1人区の予定候補者のみなさんの活動についてであります。野党党首会談の合意を具体化するなかで、参議院1人区の予定候補者のかなりの方々は、立候補を取り下げることになると思います。率直に言って、4中総決定という新しい方針のもとでの候補者活動には、新しい方針の先頭に立つ開拓者としての喜びとともに、複雑さや、困難もあったと思います。たくさんの苦労をされてきたことと思います。候補者のみなさんの奮闘があったからこそ、5野党党首会談の合意に到達することができたということを、私は強調したいと思います。政治的大義に立って、一度表明した立候補を取り下げるというのは勇気のいることですし、日本共産党員ならではの行動であります。私は、党中央委員会を代表して、予定候補者のみなさんのこれまでの奮闘に、心からの敬意と感謝を申し上げるものであります。
そのうえで、お願いですが、選挙区予定候補者のみなさんが、立候補を取り下げることになった場合には、原則として比例代表予定候補者となっていただき、その県を中心に活動していただきたいと考えています。選挙区予定候補者として蓄積してきたたくさんの活動の成果があると思います。それを今度は、比例代表予定候補者としてさらに発展させていただきたい。そういう方向で、個別によく相談させていただきたいと考えています。わが党の躍進のうえでは、「比例を軸に」がいよいよ重要になってきますが、予定候補者という点でも、躍進のためのかつてない厚い体制を築いて、この選挙を勝ち抜きたいと思います。
(2)第2に、5野党党首会談で野党共闘が確認されたもとで、次の二つを参議院選挙の目標として奮闘するようにします。
第1は、野党が結束してたたかい、自公とその補完勢力を少数に追い込むことであります。わが党は、全国32の1人区のすべてで、しっかりとした野党共闘を実現し、自公とその補完勢力に勝利することをめざして、他の野党としっかりスクラムを組んで奮闘するものであります。
第2は、日本共産党の躍進を必ず勝ち取ることであります。「国民連合政府」と野党共闘を呼びかけた党として、また日本の政治の根本的転換のためにも、日本共産党の躍進は国民への責任だと肝に銘じて頑張りぬきます。全国どこでも「比例を軸に」を貫き、全党の力を一つに集めて、比例代表で「850万票、15%以上」を必ず獲得し、8人以上の当選を必ず勝ち取ろうではありませんか。13の複数定数の選挙区では、そのすべてで日本共産党公認候補の必勝をめざしてたたかいます。
(3)第3に、4月24日投票の二つの衆院補欠選挙――衆院北海道5区補選、衆院京都3区補選で、野党が勝利を勝ち取ることは、その後の参議院選挙、総選挙にとっても、きわめて重要であります。
北海道5区は筋の通った野党共闘が成立しました。私は、共闘の成立のために尽力されたすべての方々、とりわけ予定候補者として奮闘した橋本美香さんに、心からの敬意を申し上げるものです。わが党は、野党統一候補となった池田真紀さんの勝利のために全力をあげて奮闘します。
京都3区は、急な選挙になりましたが、5野党党首会談で合意が確認されたという新しい状況を踏まえ、党首会談の合意の立場にたって対応するようにします。
(4)第4に、戦争法の具体的危険を告発し、戦争法廃止の2000万署名を達成することをはじめ、国民運動の大きな高揚をつくりだすなかで、選挙戦をたたかうことの特別の重要性を強調したいと思います。
すでに5野党党首会談の合意は、国民運動全体を大きく励まし、はじけるような新しい勢いをつくり出していますが、さまざまな国民運動の大きな高揚のなかで、国民とともに選挙をたたかうようにしたいと思います。
わが党は、国会論戦で、戦争法の発動によって「殺し、殺される」現実の危険がどこにあるかを、南スーダンPKOに派兵された自衛隊の任務拡大、対IS軍事作戦への自衛隊の参加という二つの具体的問題で追及しました。戦争法の現実の危険という問題は、ここにきてメディアの注目も向けられるようになってきています。昨日付の「朝日」では、「南スーダン緊迫PKO 遅れる新政権樹立 武装兵満載のトラック往来」の見出しで、内戦状態に陥っている南スーダンの現状を報道するとともに、わが党の論戦を紹介し、「事実上の内戦状態の中で、自衛隊の任務や武器使用の範囲が広がれば、それだけ隊員らの危険は高まる」と報じました。
戦争法の本質的な危険がどこにあるか、差し迫った現実の危険がどこにあるかを、多くの国民のものにしていくことは、廃止の世論と運動を広げていくうえで、決定的に重要であります。国会論戦の成果も活用し、戦争法廃止の国民運動の大きな高揚をつくりだす先頭に立ち、戦争法廃止の2000万署名を達成するために全力をあげることを、強く呼びかけるものであります。
(5)第5に、日本共産党の躍進を勝ち取るために、党をどう押し出すか。野党共闘によって野党全体の勝利のために奮闘しながら、党の躍進を勝ち取る。そのさいに、党をどう押し出すか。つぎのような諸点を重視して訴えていきたいと思います。
一つは、「安倍政権の暴走に確かな足場をもって対決し、転換の展望を指し示す党」という押し出しであります。
たとえば戦争法廃止という課題を考えてみますと、この法制の本質は、日米新「ガイドライン」の具体化であり、日米軍事同盟のこれまでとは質的に異なる侵略的強化というところにあります。戦争法を廃止するということは、日本の政治に立憲主義・民主主義・平和主義を取り戻す意義をもつものであるとともに、異常な「アメリカいいなり政治」を打破するきわめて重要な一歩となります。異常な対米従属の打破という綱領的立場に立つ日本共産党の躍進は、この悪法を廃止する確かな力になる。このことを大いに訴えてたたかいたいと思います。
経済問題でも、わが党は、「アベノミクス」を根本から批判するとともに、「貧困と格差をただし、暮らし最優先で経済再生をはかる四つの提案」――消費税10%増税の中止、社会保障削減から充実への転換、人間らしい雇用のルールの確立、TPP(環太平洋連携協定)交渉からの撤退――を提唱していますが、このすべてを貫いているのは「財界中心の政治」のゆがみをおおもとからただすという綱領的立場です。そうしたしっかりした対決の足場と、転換の展望を指し示す日本共産党の躍進こそ、国民の暮らしを守り、経済政策を抜本的に転換する確かな力になる、このこともおおいに訴えていきたいと思います。
自民党政治を根本から変える綱領を持つ党――日本共産党の綱領的な値打ちを縦横に訴えていこうではありませんか。
二つ目は、「国民の共同、野党の共同を何よりも大切にし、共同の力で政治を変える党」という押し出しであります。
もともと統一戦線の力で政治を変えるというのは、わが党の綱領路線の一貫した立場ですが、4中総決定――「戦争法廃止の国民連合政府」の「提案」と、それにもとづく野党共闘をめざす粘り強い実践は、今日の情勢のもとで、統一戦線の方針を大胆に具体化・発展させるものになっています。
そしてこの間の全党の努力を通じて、「国民の共同の力で政治を変える党」というわが党の値打ちは、よりいっそう光っているのではないでしょうか。また、その値打ちは、参議院選挙のたたかいそのものの中でも示されていますし、今後、野党共闘が具体化されていけば、いっそう生きた形で示されてくると思います。「国民の共同の力で政治を変える党」――、この党の値打ちを大いに訴えていこうではありませんか。
三つ目は、「安倍政権に代わる責任ある政権構想――『国民連合政府』を提唱する党」という押し出しであります。
さきほどのべたように、安倍政権に代わる政権構想をどうするかは、まだ野党間で合意がつくられていません。しかし、今後の情勢の展開のなかで、政権の問題は、どの野党にとっても避けて通れなくなることは間違いありません。
たとえば茂木(敏充)自民選対委員長は、野党に統一候補擁立の動きがあることに関し、こうのべました。「統一候補との全面的な対立になれば、自公両党の安定政権か、共産党も入った革新勢力にこの国をゆだねるのかの選択となる。国民の明確な判断を仰ぎたい」。相手は「政権選択だ」といって、今度の選挙をたたかおうとしている。相手がこういう構えで野党共闘に対抗しようというもとで、そういう動きとの関係でも、野党がどういう政権構想をもつかがいや応なしに問われてきます。野党間で政権問題についての前向きの合意をつくることは、政府・与党による野党共闘に対する攻撃を打ち破っていくうえでも、きわめて重要になってくることを強調したいと思います。そういう見地で他の野党ともよく話し合っていきたいと思います。
日本共産党は、この問題について確かな答えを持っています。安倍政権に代わる合理的で現実的な政権構想――「国民連合政府」という政権構想を持っています。こうした責任ある政権構想を掲げる日本共産党を躍進させることは、安倍政権を倒し、日本の政治を変える確かな力となる。「日本共産党の躍進で国民連合政府の実現を」――このことを大いに訴えて選挙戦をたたかおうではありませんか。
(6)最後に訴えたいのは、野党の選挙協力の具体化は、できるだけ速やかに合意を得る努力を行いますが、相手があることでもあり、若干の時間を要します。選挙協力の協議をしている期間も、参議院選挙躍進に向けた取り組みを絶対に中断させず、発展させることが重要であります。
全国どこでも、比例代表での躍進を目指す取り組みを、投票日からの逆算で「やるべきことを、やるべきときまでにやり抜く」という見地で、一気に加速させようではありませんか。全国13の複数定数の選挙区での必勝を目指す取り組みに、全力をあげようではありませんか。選挙戦の取り組みと一体に、党を強く大きくする仕事――党員拡大を根幹にした党勢拡大に全力をあげようではありませんか。
5野党党首会談での選挙協力での合意は、日本の政治を変える大きな希望を多くの人にもたらすとともに、日本共産党への注目と期待を大きく広げています。今まさに党躍進のチャンスの情勢であります。全党が心を一つに、日本共産党躍進の大きな流れを、全国どこでもつくりだすことを心から訴えて私の報告といたします。
[全文引用おわり]
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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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