【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

旧優生保護法は違憲で除斥期間20年使えず、一時金支給法で、立憲「政府は法改正案を検討すべきだ」

2024年07月03日 23時32分39秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]朝焼けの最高裁判所事務総局に出勤する職員たち、宮崎信行撮影。

 最高裁判所大法廷は、旧優生保護法(昭和23年法律第156号)は違憲立法で、被害者の国家賠償の請求権は残っているとの判決を出しました。判決は「一時金支給法」(平成31年)は「損害賠償責任を前提とすることなく、320万円を支給することにとどまるものだ」しました。このため、超党派議員立法の「一時金支給法」を申請せずに、新しく国家賠償を提起する人も出てきそうです。立憲民主党は「政府は一時金の水準等を含む今後の対応について、不断の検討及び見直しを行うべきです」とした長妻昭政調会長、菊田真紀子NC大臣のコメントを発出しました。

 先の国会は、一時金給付法の期限を単純に5年延長するだけの改正法となりました。同法を申請しないで、これから国家賠償法にもとづく提訴をする考えの人もいることが予想され、被害者の年齢も考慮して、政府は難しい方程式にのぞむことになります。

 「トクラさん」というと経団連会長・博覧会協会会長も「トクラさん」ですが、最高裁長官は「戸倉三郎」さんです。行政法の宇賀克也裁判官も参加しました。

 判決では、被告である国が「民法の、改正前の旧724条の除斥期間20年が成立した」と反論したことを、最高裁は「著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合に」は国の反論は「信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる」として退け、請求権がいきているとしました。

 また、民間の調査で、福岡県の人口の3分の1である長崎県内での手術件数が九州トップだとする、病院経営の闇も明らかになりつつあります。大分県出身の明治維新の人物というと、福沢諭吉塾主に限られるようですが、医師や院長が大分県でその権威と権勢に溺れたふるまいを、仮にしていたら言語道断です。闇が少しずつ明かされることに、せめて期待したいです。

 以上です。