[画像]年次税制改正法案の答弁を聞く、民主党の鈴木克昌さん、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【平成27年2015年2月26日(木)衆議院予算委員会】
一般質疑の2日目が行われました。民主党の柚木道義さんや、維新の党の小熊慎司さんが、下村博文文部科学大臣が、地方「博友会」を政治団体として届けていないのに、規約に「下村博文氏を支援する」と書いてあり、年会費を集めていた疑惑が追及されました。下村文科相は「任意団体なので収支報告の必要がない」としながらも、「博友会の中で、任意団体ではなく政治団体として届け出ようという話があるらしい」と答弁しました。政治団体として届け出ないというのは、政治資金規正法にもとづく収支報告書以前の低レベルの話であり、きわめて悪質としか言いようがありません。予算執行のために必要な「大臣の政治とカネの資質」について、今までとは異次元の疑獄事件に発展する可能性が大きくなっています。
地方公聴会は3月4日(水)に行うことが全会一致ですんなり議決しました。
【同日 衆議院本会議】
元社民連書記長で、新進党結党に参画した、元衆議院議員、阿部昭吾さん(享年86)=正四位・旭日瑞宝章=に対して、全議員起立の下、町村信孝議長が弔詞を朗読しました。
別エントリーのとおり、特定秘密保護法(平成25年12月13日法律108号)に基づく、改正国会法および改正衆議院規則による、衆議院情報監視審査会が発足しました。
続いて、平成27年度年次税制改正の、国税改正法案(189閣法3号)が麻生財務相から趣旨説明され、代表質問が行われました。
その後、平成27年度の地方財政計画、地方税改正法案(189閣法5号)、地方交付税法改正法案(189閣法6号)が高市総務相から趣旨説明され、代表質問に総務相や石破地方創生担当相らが答弁しました。
国税の年次改正法案では、民主党の鈴木克昌さんが「再来年、平成29年4月に消費税を10%に必ず上げると宣言するような、(社会保障と税の一体改革のための平成24年税制抜本改革法附則18条の)景気条項をなくすのは問題だ」と指摘。そして、「複数税率だけでなく、マイナンバーの来年施行を踏まえて、給付つき税額控除を導入すべきだ」としました。
これに対して、麻生財務相は、与党は軽減税率(複数税率のこと)を検討しているが、給付つき税額控除は検討していない、ととれる趣旨の答弁をしました。これは、3党合意どころか、法律にも違反していると言わざるを得ず、長いたたかいの始まりといえそうです。
鈴木さんはこのほか、「法人税の実効税率を下げてきたが、それによる具体的な事例を示せ」としたほか、今次税制改正の贈与税の非課税枠の拡大は反対だ、自動車関係税制を改正するがよりシンプル化が必要だ、との趣旨の質問演説をしました。安倍首相は贈与税の非課税枠の拡大について、「高齢者層から若年層に(金融)資産の移転を促すのが狙いだ、と答弁しました。
民主党は、おとといの次の内閣で、対案になる「格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置に関する法律案」を提出する方針を決めました。下野後、最初の年次税制改正では、3党協議をし、「民主党が考える税制」を、法律の附則の最後に「検討事項」として1ページ分入れました。その次の昨年の年次税制改正では、衆議院の財務金融委員会で、修正案を提出。1日程度、閣法と修正案を同時に議題して審議しましたが、採決は、当然のことながら否決されました。対案がどのようなものかまだ分かりませんが、年次税制改正の議員提出法案となると、ひょっとする初めてかもしれません。議員、秘書、衆議院法制局、民主党政策調査会事務局などがかかわっていると思いますが、大変な苦労であると同時に、政権復帰後に必ず力となりそうです。
地方の法案では、民主党から逢坂誠二さんが登壇。これに対する答弁で、石破地方創生相の地域自主戦略交付金(地方一括交付金)についての答弁に一部誤りがあったように、私には思えました。維新の党への答弁で、高市総務相は「臨時財政対策債(臨財債)の発行を大幅に抑制することができた」と平成27年度予算案での、アベノミクス効果を誇りました。
2月26日(木)ということで、例年より遅い審議入りとなったことから、今年もまた、税理士さんや、その担当編集者には落ち着かない年度末となりそうです。
【同日 参議院財政金融委員会】
半年に1回の、日銀法54条1項にもとづく報告書への質疑がありました。
黒田東彦・日銀総裁らに対して、大塚耕平さん、中山恭子さん、平野達男さんらが質問しました。
tag (宮崎信行)
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