[画像]参議院本会議で、法案審査の委員長報告をする、民主党の大久保勉・参議院経済産業委員長(当時)、2013年11月13日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
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サントリー、米ウイスキー大手買収=ジムビーム生産―1.6兆円で蒸留酒世界3位に(時事通信) - goo ニュース
ビッグニュースが飛び込んできました。サントリー(非上場、佐治信忠社長)が蒸留酒「ジムビーム」をアメリカなどで、サントリー社の蒸留酒をシンガポールなど東南アジア各国で販売している「ビーム社」(ニューヨーク証券取引所上場、創業地・ケンタッキー、本社・シカゴ)を1・6兆円で買収し、ことし半ばに完全子会社にすることになりました。上場株をかなり割増して買い取るので、完全子会社化の成功は確実と思われます。
1・6兆円はサントリーの手持ち資金と三菱東京UFJ銀行から1兆円を借り入れるようです。 この3連休の日本銀行も106兆円が寝ていますから、多少の円安とはいえ、今のうちにどんどん買っちゃった方がいいでしょう。
「どちらかといえば所得減税どちらかといえば法人増税」の方向性の民主党政権時代から、企業合併による産業の新陳代謝により、利益を増やして、法人税収を増やすのは、民主党政権時代からねらってきた政策です。
先の臨時国会では、産業競争力強化法(平成25年12月11日法律98号)について、閣法について、民主党の修正案、維新の修正案、みんなの修正案の3つが衆・経済産業委に提出する異例の採決となりましたが、民主党の修正案が可決されました。
衆経済産業委野党筆頭理事の民主党・田嶋要さん(千葉1区)が、参院で修正案趣旨説明しました。これをうけて、民主党の大久保勉・経済産業委員長(福岡・2010年) が審査し、会期内にしっかりと仕上げました。ところが、委員長報告の後に、解任決議を出される異例の事態となりました。通常国会では、大久保さんが再び経済産業委員長になるべきでしょう。
サントリーは言うまでもなく、非公開企業であり、オーナー家の佐治信忠社長の強いリーダーシップと勇気による決断です。おそらく、ウィスキーと言うのは単価が高いし、今回の合併では、人件費節減による効果というのは意識していないと考えられます。しっかりとマネーを海の向こうから日本国内に持ってきてれる合併です。まさに痛快、これで、来月のオリンピックでメダルゼロでもお釣りがくるくらい、母国の素晴らしさを感じております。
ただ、なぜ、非上場のオーナー社長がこの決断をできたのか。
衆での審議で、民主党の近藤洋介さんは次のように指摘しています。
「こうした旧興銀の代替ではないんでしょうけれども、産業革新機構がある意味で旧興銀などが担ってきた役割を果たした部分もあったかと思いますが、産革機構で問題が解決するとも思えないわけであります。長期資金がなかなか回らなくなった一つの背景に、会社は株主のものである、株主のものだから短期の利益を追求していきましょうという考え方、言いかえれば株主資本主義が余りにも強くなり過ぎた結果、長期のお金、足の長いお金が全体に行き渡らなくなってしまったのではないか。短期のお金の回し方だけ。その背景には要するに株主資本主義。それはそれで一つの正しい理屈なのかもしれませんけれども、それが余りに強くなり過ぎた結果ではないかと私は思うわけであります」
近藤指摘はその通りです。日本経済復活のためには、法人、農地は創業者に戻すべきでしょう。
今回は、SPC(特別目的会社)という手法を使います。
ホリエモンが使っていたのは、証券会社にLBO(レバレッジド・バイイング・アウト)といって、買収をねらっている会社の資産価値を担保にして、てこのように、買収しようとしている会社が資金を調達するという魔法のような手法です。
今回は、サントリーの手持ち資金と三菱銀行の融資だけで、全株買収するという話です。
しっかり買い、ブランド価値はこのままにして、単価は高く、人件費もそのまま。そして日銀が金融引き締めに動いた後には、法人税収をしっかりと払って、国債の償還に充てていく。他の会社、例えば商社のサラリーマン社長も、佐治さんに続いてほしい。
サントリーホールでのオバマ大統領演説で「TPP」という言葉が出てきたわけですが、太平洋の向こう側から富を取ってきた。
佐治さんは、日本経済界の金メダリストです。