菅直人さんが9月26日(日)、池田大作さんが1983年につくった「
東京富士美術館」(東京・八王子市)を訪問し、この日が会期末だった「ポーランドの至宝 レンブラントと珠玉の王室コレクション」を堪能しました。
詳しい方も、そうでない方もいらっしゃると思いますが、レンブラントはポーランドではなくフランドル、オランダの生まれですから、これはポーランドの美術館のコレクションの一部を運んできた展覧会と言うことになります。平成不況後の我が国の西洋美術の展覧会はこの形式が増えています。
私も菅さんに触発されて、東京富士美術館に行ってみようかと思いましたが、この展覧会は残念ながらすでに会期末で、このあと、西の文化の巨人・佐治敬三さんがつくったサントリーミュージアム(大阪・天保山)で10月6日~31日、北九州市立美術館・分館で11月10日~12月5日、広島県立美術館で12月15日から年をまたいで1月12日まで開かれるそうですので、お近くの方はのぞいてみたらいかがでしょうか。スケジュール→
http://www.fujibi.or.jp/exhibition/old/pohland/index.html ちなみに、日本人、とくにその99%以上であるクリスチャンでない日本人には、レンブラントは難しい、肖像画はいいけど宗教画は難しいと言われます。私もそう思いますが、数年前に気付いたのですが、レンブラントは近くの具象的な部分はより具象的に、そして、遠くの抽象的な部分はより抽象的に描いているんですよね。美術学的な説明は私にはできませんが、そういう風に、具象性と抽象性のメリハリが利いていて、だから画面からドカーンと飛び出てくるように見えるんだ、と思うとレンブラントが見やすくなるかも知れませんので、ためしてみてください。
[画像]「ポーランドの至宝 レンブラントと珠玉の王室コレクション」のチラシ(同館HP)
私は八王子の東京富士美術館には行ったことがありませんが、私は中央線沿線の高校に通っていましたから、うちの学校法人は創価学会とは全く関係がなく、むしろ立正佼成会の開祖の親族が同窓生だったりしますが、東京富士美術館の入場券(おそらく割引券ではなく、無料券だと思います)をいただいたことがあります。
このように、ヨーロッパ貴族の専有物であるレンブラントに、太平洋の島国の日本国民、それも庶民が触れる機会をつくってくれる池田大作さんは、創価学会員ではない私から見ても、すばらしい方だと思います。池田さんは三井不動産の江戸英雄会長にかけあって中国人留学生200人を留学終わりに東京ディズニーランドに招いたりしています。三井不動産、とくに江戸会長のころはしこたま貯め込んだんだから、そのくらいして当然ですが、これも池田さんがかけあってスタートしたということです。
芸術の秋とはいえ、あまり美術展が好きなようには思えない団塊の世代の菅さんが、東京富士美術館を訪れたことについて、公明党に秋波を送ったとの観測があり、27日付日経新聞2面は、
公明党幹部は「魂胆が分かりやすすぎる、逆にやりにくい」と述べたと伝え、公明党幹部が照れるほどの秋波だったようです。
[写真]上・池田大作さん(創価学会ホームページ)下・特別展の入場10万人突破を喜ぶ東京富士美術館のみなさん、9月17日(同館HP)。
人生の成功者が1ヶ月(30回)にわたりその歩みを振り返る日経新聞の「私の履歴書」ですが、池田大作さんは35年も前に登場しています。それをまとめた聖教文庫のはしがきで池田さんは「47歳と、ようやく半世紀に達しようとしている若い私にとって、人生はいよいよこれからが正念場である」として、執筆を依頼された1971年頃から数回執筆を求められていて、「お断りばかりもできなくなって、お受けしたしだいである」と書いています。
ところで、これとは別に1968年12月に、池田さんは『マイライフ』という印刷物に、次のような随筆を書いてます。タイトルは『一枚の絵』で、「私の自室に一枚の絵がある」と書き出し、初めてのヨーロッパ旅行でみつけた複製画のエッチングを購入した思い出をつづっています。ところが『一枚の絵』という随筆なのに、どういうわけかもう1枚の絵の話になります。「私の事務をとる会館に、一枚の絵が懸かっている」として、東山魁夷(ひがしやま・かいい)の『青い沼』という絵を紹介しています。
池田さんは東山魁夷の『青い沼』について、「いかなる一本の木も、氏の手にかかると、一つの性格さえ帯びて、そのすがすがしい瑞々しさを発散する」と評しています。これを読んで、私はサラリーマン時代に見飽きた一つの絵を思い出しました。
[画像]日本経済新聞社の社章「太陽樹」東山魁夷の作品
日経新聞社の社章、「太陽樹(たいようじゅ)」で、東山魁夷の筆によるものです。これはまさに「いかなる一本の木も」「一つの性格さえ帯び」「すがすがしい瑞々しさを発散」しています。この随筆を発表した3年後に、日経は池田さんに「私の履歴書」の執筆を依頼し始めたことになります。池田さんが送った秋波と見ることもできます。
池田さんは随筆を「一枚の絵について語ろうとして、つい二枚の絵を語ってしまった。その罪は私にあるのではない。東山魁夷の一枚の絵が強引に発言を求めて、きかなかったからである」と締めくくっており、どうやら池田さんが照れ屋さんであることがうかがえます。そして、記念すべき1975年(昭和50年)2月1日付日経『私の履歴書』の第1回を池田さんは次のように書き出しています。
「
私の履歴書はいたって平凡である。」
池田さんはやはり照れ屋のようです。
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民主党幹事長の岡田克也さんは
『岡田語り。』で次のように述べています。
[画像]岡田克也著『岡田語り。』
「今回のイギリスの一件(2010年5月6日の総選挙)を見て、
完全小選挙区制は、やはり問題があるということを改めて感じた次第です」「基本的にはきちんと政権交代ができる大きな2つの政党が競い合うということであり」「
時には連立政権もあるという柔軟性が必要だと思っています」(の299~300ページ)。
二大政党を動かすうえで欠かせないのは第三極の存在です。私もこの1年間でようやく分かってきました。そしてそれが我が国においては公明党であることは言うまでもありません。積極にデートに誘う菅さんの民主党と照れ屋さんの公明党ですが、ここはお互いの組織のためではなく、ニッポンのたまに大人の連携に踏みきらなければなりません。
さあいよいよ、第176臨時国会がこの金曜日(10月1日)にスタートします。2010年10月1日を、日本の歴史を前に進める記念日にしましょう。これから3年間続くのは「ねじれ国会」ではありません。民主党と公明党の熟議が作り上げる「ねばり国会」です。もう、ああだこうだいっている場合ではありません。
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きょう(9月28日)、午前10時から参院外交防衛委員会で尖閣諸島問題で閉会中審査が開かれます。内閣最年長の防衛大臣、北澤俊美さんが答弁に立ち、安定感を示すものと思われます。質問には佐藤正久シャドウ防衛副大臣らが立ちます。1年前の小沢一郎独裁体制に比べれば、日本は少しだけ前に進んでいる、と僕は思います。