【画像】平成26年度政府案に反対、民主案に賛成の討論に立つ、古川元久さん、衆議院本会議、衆議院インターネット審議中継から。
【2014年2月28日(金) 衆・予算委員会】
午前8時25分から、全閣僚が出席して開議。
まず、維新の会の桜内文城さん・結いの党の柿沢未途さんらが提出した「平成26年度予算案の修正案」が趣旨説明。
政府原案と修正案の両案が議題となり、桜内さんらが答弁席に座りました。
おそらく本予算審議では初めてのケースではないでしょうか。
そのうえで、二階俊博委員長は締めくくり質疑を宣言しました。
民主党からは、大串博志さん、岡田克也さん、長妻昭筆頭理事が質問。
長妻さんは「今回の予算審議は土日を除けば、14日間しかなく、きわめて短い」「さきほど岡田委員からあった集団的自衛権の問題について、きょうの集中審議を求めていたのに、委員長職権で、締めくくり質疑になってしまった」と指摘。
また、午後1時から、財務金融委員会、総務委員会が設定されており、軽自動車増税などの平成26年度税制改正関連法案も強行採決し、今日中に本会議で可決し、参院で送付するのではないかとの警戒感を求めました。
そのうえで、およそ10分ほど質問時間を余らせた状態で、「この採決は認められません」と用意されたペーパーを読み上げ、威風堂々と、民主党6委員が一致団結して、委員室から退出しました。
民主政治と国民生活を守るため。
この後、政府案・修正案の質疑に立った、維新の松野頼久幹事長も「今、民主党の人が退出していったが、おそらく強引な国会運営に抗議して退出したんだと思う。私たちもきょうは集団的自衛権に関する集中審議を求めていた」として、小松一郎内閣法制局長官に質問。その後は、桜内文城・修正案提出者に質問しました。
最終質疑者が終わったところで、長妻理事が委員室に戻り、二階俊博委員長に直談判したところ、委員長は「ほとんどあなたの言う通りにやっているじゃないか」と語りました。この後、民主党は再び退席。このため、民主党の組み替え動議は出ませんでした。
「みんな」、「共産」、「生活」がおのおのが単独で組み替え動議(撤回のうえ、編成替えを求める動議)を提出。
各党の態度。
自民党が政府原案に「賛成」、みんな動議に「反対」、共産動議に「反対」、生活動議に「反対」、維新・結いの修正案に「反対」。
維新が政府原案の「撤回を強く求める」、「反対」、「反対」、「反対」、維新・結いの修正案は「賛成で採用を強く求める」。
公明党が「賛成」、「反対」、「反対」、「反対」、「反対」。
共産党は「まず今日の採決に抗議」したうえで、態度は「反対」、「反対」、共産動議に「賛成」、「反対」、「反対。
生活は「反対」、「反対、「反対」、生活動議に「賛成」、「反対」。そのうえで最後に拙速な採決に強く抗議。
採決。
野党各会派提出の4案は、それぞれ、提出した会派だけの賛成で広がらず、すべて「起立少数で否決」されました。
ここで、民主党の長妻昭理事、岡田克也、古川元久、篠原孝、大串博志、玉木雄一郎の平成26年度予算委員が委員長席で抗議。
二階委員長は、自民党の塩崎理事に委員長席に来るよう要請しました。「委員長解任決議案」提出を避けるねらいがあると推測されます。
この後、政府原案は、自民党と公明党の2党の起立多数で可決。
本会議への報告書作製の委員長一任は「異議なしと認めます」と宣言しました。
ここで、二階さんは「本日はこれにて散会します」と話しました。
毎年恒例の、委員長のあいさつはありませんでした。
【2014年2月28日(金)衆・財務金融委員会】
所得税法改正案(186閣法7号)と地方法人税法案(186閣法8号)、そして、民主党修正案(古本伸一郎さん、松本剛明さんら提出)が議題に。
自民党の越智隆雄さんから打ち切り動議が出て賛成多数で可決。民主党案への質疑は残念ながらありませんでした。
討論では、維新、共産党、生活とも、委員会運営の抗議から始めました。民主党修正案については「一部賛同できるが、消費増税を前提にしているので賛成できない」と共産、生活が語りました。
採決の結果、民主党修正案は民主党のみの賛成で否決。
政府原案は自民党と公明党だけの賛成多数で可決。
この後、7号議案につける附帯決議は、自民党・公明党・民主党の3党が提出。賛成多数で可決しました。
本会議への報告書の一任には、自公以外が反対しましたが、賛成多数で議決しました。
【2014年2月28日(金)衆・総務委員会】
地方税法改正案(186閣法10号)とそれに対する民主党修正案(原口一博さんら提出)。
地方交付税法改正案(186閣法11号)が議題に。
開会直後に、自民党の橋本岳さんから質疑の打ち切り動議が出て、賛成多数で可決。原口理事の抗議する声が聞こえました。
採決では、民主党修正案に、民主党に加えて、共産党の塩川鉄也さんも起立しました。
政府原案は、自民党と公明党のみの賛成で起立多数で可決。
維新は政府原案、修正案ともに反対しました。
【2014年2月28日(金)衆・本会議】
本会議で、民主党は組み替え動議(撤回のうえ編成替えを求める動議)を出しました。維新の修正案と2つ並んで議題になりました。
玉木雄一郎さんが趣旨弁明(=委員会を省略し本会議で直接議案を出した場合衆議院では「趣旨説明」ではなく「趣旨弁明」と言います)をしました。
政府原案の問題点として(1)平成26年度予算に向けた概算要求を、平成25年度補正と平成26年度本予算に「分割計上」されたものがあり、かつ、その総額が概算要求額を上回る事業が少なくとも69事業ある(2)公共事業が多く多額の年度繰り越しがある(3)復興特別法人税の1年前倒し廃止は国民の間に不公平感があり復興面でも難がある(4)エネルギー予算の見直しが必要であるーーと指摘しました。
そのうえで、民主党の編成案として(1)公共事業を1兆円程度削減する(2)水膨れ予算として補正と本予算が概算要求を越えている分を減額する(3)基金も同様に適正な規模に減額する(4)復興特別法人税の1年前倒し廃止を撤回する(5)人への投資(介護労働者、子育て、高校授業料無償化所得制限撤廃、給付型奨学金の)を拡大するーーなどとした6項目の編成案を示しました。
これに先立ち、玉木さんは予算審査を振り返り、「首相の答弁が編成ベースで比較していたが、執行ベースで比較すべきだ」、「減反廃止により農家の所得が13%増えるとしていたが、(集落単位による計算なので)実際には農家あたり6%減る、ことを最終的に林農相が認めた」 と指摘し、「国民に正しい情報を伝えるべきだ」、「事実に対して誠実であらねばならない」と念押ししました。
討論には、古川元久さんが登壇。政府案に「反対」、維新案に「賛成しかねる」と表明しました。古川さんは、指摘があった分割計上について「69事業、2・2兆円(以上)にのぼる」と指摘し、「さきの補正予算は、初めから5兆円ありき、の編成だったことが分かる」としました。そして、「私は大きな怒りをもって、この本会議にのぞんでいます。短期間の審議は、与党の横暴であり、謙虚さが感じられない」「補正と本予算をあわせると101兆円になる。かつての自民党政権に先祖返りしたような、公共事業中心のバラマキ予算だ」と演説しました。
平成26年度総予算3案は午後6時29分、
投票総数465
賛成 325(自公)
反対 140(全野党)
で可決しました。年度内成立が確実になりました。
続いて、平成26年度の地方税法改正案(186閣法10号)、地方交付税法改正案(186閣法11号)が議題になりました。
この地方税法改正案には、軽自動車税やバイク二輪車への増税が含まれています。
近藤昭一さんが反対討論に立って「地方が苦しんでいます」と演説。採決の結果、与党や、野党の半分程度の賛成で、可決しました。
最後に、平成26年度国の税制改正2法案(所得税法改正案、地方法人税法案、186閣法7号・8号)が議題になりました。
討論に立った古本伸一郎さんは「政治は過去2回と違い、消費税の純増税を国民にお願いするのは初めてであり、もっと国民の負担を軽減すべきだ」と語りました。財務政務官時代の思い出として、「藤井裕久財務相に、『このままではホントウに予算は組めないのか』と聞いたら、『輪転機を回せばいくらでも(国債とお札を刷って)組めるよ。でもそんな自民党の政治を改めよう』と言われた。それが社会保障と税の一体改革であり、その増税分は社会保障4分野(年金、医療、介護、子育て)に限定して使わなければならない」と自民党の来年度予算・税制改正を批判。そのうえで、「我々の主張する給付つき税額控除はすぐれた制度であり、具体的に国民に提案すべきだ」としました。
採決の結果、自民党、公明党に加えて野党の賛成もあり、可決しました。
来週以降は、参院で予算、衆院で予算関連法案をめぐる攻防が続き、連休前まで衆参とも委員会・本会議フル回転の状況が続きます。
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