【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小林鷹之「選択的夫婦別姓反対」タカ派強調、直諫の会重徳和彦会長ら野田佳彦氏に要請、維新1期生「埋没危惧」

2024年08月19日 20時23分51秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]メッセージボードを背に総裁選出馬の記者会見をする「コバホーク」こと小林鷹之・衆議院議員、きょう2024年8月19日、衆議院第一議員会館で、宮崎信行撮影。

 地元でこどもを抱えた男性衆議院議員を目の当たりにしましたが、きょう令和6年2024年8月19日(月)の永田町は与野党とも多くの議員が上京していました。

 立憲民主党代表選は、あさって午後3時半から、既に立候補を表明した枝野幸男さんが政策を発表して本格化する見通し。政策は既に発表した「直諫の会」は、重徳和彦会長・中島克仁会長代行・青柳陽一郎幹事長・源馬謙太郎事務局長の4議員が野田佳彦さんを訪ね、政策の説明と、代表選出馬を要請しました。ブリーフィングの途中から横浜の篠原豪さんも陪席しました。重徳会長らは、2012年の総選挙で民主党公認として出馬した経験がない4人が、政治改革を旗印に安定感のある野田元首相を担ぎ出したいとの意向を示し、それがかなわない場合は、重徳会長が出るか、断念するかとの行動をほのめかしました。

[写真]野田佳彦氏に出馬要請した後にブリーフする、直諫の会の重徳和彦会長ら、同日、宮崎信行撮影。

 重徳さんは次のように語りました。「私達は今回の役員を務めております4人でさきほど11時から野田佳彦元総理の会館の事務所にお邪魔をしまして、意見交換をさせていました。今、行われようとしている自民党の総裁選は、岸田総理の不出馬表明で流動化といいましょうか、スピード感が高まっているという状況なんで、我々は来るべき総選挙これはもう当然10月、11月には行われるということを想定して、立憲民主党としての考えをですねきちっと作っていかなければならないこれは急務である」「我々は皆さんご存知の通り、8月2日に直諫の会としての政策国家ビジョンである、インパクト立国というものを策定いたしましたので、この政策を説明を申し上げました」「元総理とは、私と中島議員が社会保障を立て直す国民会議という会派のメンバーでしたが、2番目の柱に位置付けられております。予防医療、かかりつけ医についても熱意をこめて承知をしておられました」と語りました。

 さて、自民党総裁選では、小林鷹之さんが立候補を表明して政策を発表する記者会見をしました。

 こちらは、およそ22名ほどの同党国会議員が同席したので、推薦人20人の確保は確実と考えられます。但し、全員が衆議院議員だったと思います。おもに「魔のn回生」ですが、先輩では5期の大塚拓さんがあらわれ、夫人の丸川珠代参議院議員が衆転が内定しており「清和会・裏金夫婦」で解散総選挙を戦うことの危機感の裏返しかもしれません。

[写真]小林さんの記者会見に同席したおよそ22名ほどの自民党衆議院議員ら、宮崎信行撮影。

 小林さんは「自民党は、生まれ変わる。」とのメッセージボードを背にしてスピーチと質疑応答。きょねん25歳男性が芦屋市長になり話題を呼びましたが、そのスピーチを指南した会社社長の女性も会場にいたので、同じ指南役のようです。

 小林さんは、裏金問題や派閥解体についての党風刷新を強調。その一方、政策面ではタカ派色をむき出しにしました。

 経団連が提言した選択的夫婦別姓を問われた小林さんは「ご質問ありがとうございます。選択的夫婦別姓についての見解をご質問いただきました。実際に、不便を感じ、具体的な不利益をこうむられている方がいることは認識をしております。その中でどういうアプローチをしていくかということですけれども、既に旧姓の併記がマイナンバーカードや住民票、こうしたところで認められてますし、多くの国家資格で認められるような制度改正がですね、常に我が国においてもなされています。ただ、課題の一つとしては、そうした制度改正が国民の皆様にまだまだ周知されていないというところはあろうかと思いますので、そこについてはしっかりと国としてももっと周知を徹底する形で、より現実的にそのスピーディーな形でこのニーズに応えていくべきだと思います」と答え、戸籍法改正を含んだ選択的夫婦別姓にゼロ回答を明言しました。きょねんのLGBTQ理解増進法については見解を問われる場面がありませんでした。

 ブルームバーグ記者が金融政策を質問した際には、すべてが頓珍漢な答えでした。小林さんは「ありがとうございます。ちょっと今たくさん質問いただきましたけれども、まず原則にあるのは、経済規模なんですね。その時々に財政政策と金融政策を柔軟に組み合わせ対応するということが正しいやり方だと思っています。その意味でいくつかご質問いただきましたが、政府と日銀がアコードを結ぶことについては私はこれは十分にありうるというふうに思います」としました。いったん止めて突っ込みを入れると、筆者の認識ではアコードは13年前から結びっぱなしだと理解しています。小林さんは「金融政策自身は、これは日銀の専管事項でございますが、今後の見通しについては、やはり私が申し上げられる範囲でちょっと慎重に申し上げますと、先日内田副総裁ご自身が利上げによってこの円安調整というものが結果として、マーケットが大幅に動いた。そのことについて、一定の責任というかそういうものを認められました。私はそれを率直に受け止めておりますし従って経済は生き物なので利上げをする、その利上げの判断については、やはり日銀とマーケットの関係者に丁寧な安定的な対話というものをしっかり心がけていただきたい。為替の話もありましたが、為替水準について私がコメントすることは適切でないと思いますが、基本的に為替相場というのは経済のファンダメンタルズを反映するものであって、一般論としては、急激な動きは変動は好ましくないというふうに思っております」と述べました。私は為替相場は、アメリカが量的緩和をやめ、日本が量的緩和をしているため、円が弱含みとなっているからで、ファンダメンタルズ(経済の基本体力)は2番目の理由だと考えます。要は、財務省は事務次官から1年生まで中央銀行の金融政策がからっきし理解できていないのでしょう。

 小林さんは、ジャーナリストの鈴木エイトさんに自ら言及したため、鈴木さんは質問で「ご認識ありがとうございます」と語りました。鈴木さんらの話では、旧統一教会の会合で、創価学会の教義よりも旧統一教会の教義の方が上だというニュアンスのスピーチをしたことがあるとの噂があります。現在11名が立候補の準備をし、小林さんが先陣を切って20名以上の議員と会見しましたが、その音声があって、公開された場合は、自民党国会議員による決選投票で小林さんが過半数をとることは至難になると考えるのが妥当でしょう。大変な地雷をかかえながらの選挙となります。

 日本維新の会の1期生は、冒頭書いたように、地元でこどもを抱えていましたが、既に上京している人も多かったようです。やはり、小林さんの会見を日テレニュース24で見ながら、これから1カ月間の「埋没感」をおそれているとのことでした。大阪万博などをめぐりかなり地元は厳しい情勢で、自民党の裏金も一刀両断としてきた有権者も落ち着きを見せ始めているとしています。兵庫県知事をめぐる問題は、自・維推薦で大阪維新の会顧問団員でなくても、「維新の知事さん」と近畿で見られており、県庁内の派閥抗争とはいえ、維新には向かい風のようです。

 立憲の大幹部の政策担当秘書は先月還暦。盆に地元で同級会が開かれ、「60歳で嘱託になり給料が4割減になる」との同級生のぼやきに「もらえるだけ、いいだろ」と言いたい気持ちを、ボスの選挙区でもあるのでぐっとこらえました。59歳11カ月でも60歳1カ月でも政策担当秘書の日常は同じですが、同級生の「落選したら、イオンで雇ってもらえるんだろ」との軽口には、そういう観点で小選挙区の投票行動(の準備)を考えてよいのだろうかと率直に語ったようです。

 何が言いたいかと言うと、みんな自分のことが大事なので、すべての有権者は傍観者にならずに、自分のことを主張すべきだと思うのです。

 立憲も、泉健太代表と枝野幸男前代表との一騎打ちでは、自民党総裁選と比べて見劣りすることになるので、第三の候補が立つことが望ましいというコンセンサスができつつあるようです。

 明日は、立憲の常任幹事会が予定されています。

 最後に、小林鷹之さんが記者会見で配布したA4判2枚紙の全文をつけます。

総裁選出馬にあたって
■ 「新たな自民党に生まれ変わる」(党改革・政治改革) まずは借頼回復。不正には厳正に対処。政策活動費や 文通費の更なる透明化。第三 者機関設置等の改革。開かれた活力ある人事や意思決定の仕組み。能力や経験を重視 し、あらゆる世代の議員の力を結集。
■ 総裁選の戦い方 若手からベテランまで、多くの言頼する同志とともに、「自民党が生まれ変わる」こ とを証明したい。 そのため 「脱・派閥選挙」をこの総裁選で徹底する。
■目指す国づくり 世界をリードする日本/真に自律し、他国の動向に右往左往しない日本/世界から、
頼され、必要とされる日本/夢と希望を感じられる社会
→2 0 5 0 年 の 日 本 の 姿 を 見 据 え た 「国 家 戦 略 2 0 5 0 」 の 策 定
■ 主な政策 1経済
・「経済が 政に優先する」。オールジャパンで日本経済を上昇気流に乗せる。
・世界をリードする戦略産業を育成し、暮らしがよくなる実感を全国津々浦々に届 ける新しい産業政策 「シン・ニッポン創造計画」。国家プロジェクトとして、地
方に大胆に投資。地方はもっともっと稼げる。東京一極集中是正にもつなげる。
・大企業と中小企業が、より対等な協働関係 。 を構築し、中小企業の利益増大を徹底 支援。本年中に物価高に伴う対策パッケージを打ち出す
令和 6 年 8 月 1 9 日
衆議院議員 小林鷹之


2外交・安全保障
・防衛力の強化。国家安保戦略の確実な執行、防衛生産基盤強化、自衛官の抜本的 処遇改善、能動的サイバー防街の法整備
・新たな外交戦略 「B R I DG E 」。価値観 や利害対 立が顕在化し つつあるグロー バルサウスと欧米先進国の「架け橋」となり、国際秩序を強化する役割を果た す。米中とは異なる、日本にしかできない方法で世界をリード。
・我が国初となる 「経済安全保障戦略」の策定、インテリジェンス機能の強化 3 「安 心 」 と 「希 望 」 に 関 わ る 政 策
・社会保障:給付か負担かではなく、第三の道。イノベーションを通じて、成長産
業でもある医療・介護の持続可能性を高める。創 を世界をリードする産業に。 若い人たちに過度な負担がかかる現行の社会保障の概念を打ち破り、将来に安心 と活力をもたらす社会保障制度改革
・ 教 育 ・ 若 者 対 策 : あ ら ゆ る 世 代 の 「選 択 肢 」 と 「可 能 性 」 を 拡 大 、 あ ら ゆ る 政 策
を総動員して、若者の手取りを大幅に増やす。結婚や子育てといった、若者一人 一人の希望をかなえられる社会をつくりあげる。就職水河期世代対策。
・防災・国土強靭化:事前の備えのための十分なインフラ投資、南海トラフ・首都 直下型地震の被害想定更新や対策強化
4憲法改正
・もはや先送りできない課題 政治の「要諦」は危機管理であり、緊急事態条項創 設と自衛隊明記は喫緊の課題。早期の発議に向けて、最大限の熱量で取り組む。
■ 鷹 の 「 換 羽 ( か ん う) 」 と い う習 性 と 同 じ く 、 自 民 党 も 、 時 代 に 合 わ な く な っ た 古 い 羽(慣例)を、勇気をもって脱ぎ捨て、新しい羽を生やす。大先輩から後輩まで、あ
らゆる皆様の協力を仰ぎ、守るべきものを守るために、新たな自民党を創っていく。
~自民党は、生まれ変わる。日本は、生まれ変わる。 この国を、より高く、より遠くへ。~

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小林鷹之さんは「隠れタカ派」だった「横田めぐみさんの拉致現場をこれから視察する」ために新潟で事実上の第一声で声震わす「道徳や倫理の教育が国力のマトリクスに必要だ」

2024年08月17日 15時57分40秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]右を指さす小林鷹之さん、新潟県燕市で、きょう令和6年2024年8月17日(土)、宮崎信行撮影。

 自民党総裁選にあさってにも出馬表明するとみられる当選4回の衆議院議員、小林鷹之さんが新潟県燕市で講演し「私は国力のマトリクスと呼んでいる」とし、「暮らしを豊かにする経済」と「国を守る安全保障」が車の両輪だとし、その下に「イノベーション」があり、それを支えるために「算数、国語、理科、社会みたいな知識の獲得だけでなく、道徳とか、倫理とか。人間力がある人材をどうやって教育していくか、これが国力だ」と述べ、意外と「タカ派」な側面を垣間見せました。道徳教育に言及したのは、40分ほどの講演の1分間ほどでした。

 巷間、財務省出身だから積極財政派ではなく財政再建派ではないかとの憶測がありますが、きょうの講演では、その兆しはありませんでした。

 40分間の講演の後の20分間ほどの質疑応答では、2年前に県議を引退したとする男性党員から、政治資金規正法の改正では、政党助成法を活用すべきで、野党とも協力すべきだとの意見が出ました。

 2問目は細田議員自らが行いました。細田議員は10日ほど前に、小林さんから講演したいとの電話をもらい、急遽党員を中心にきょうの集会を呼びかけたと明かしました。新・新潟2区で、総裁選行脚の皮切りをしようとした理由について、細田さんの質問に答えるかっこうで小林さんは、細田さんとハーバード大学留学が同時期で机を並べた人間関係があるとしつつも、真の狙いは、横田めぐみ氏が拉致された新潟市西区を含んだ選挙区だからだとのこだわりを明かしました。拉致問題に触れたおよそ2分余りの間に、声を震わせる場面もあり、10秒近く、感極まり沈黙するシーンもありました。

 小林さんは次のように語りました。

[動画]横田めぐみさんの拉致現場をこれから視察すると明かした小林鷹之さん、きょう2024年8月17日、新潟県燕市で、宮崎信行撮影。

 「どういう思いで、異国の地に強制的に連れ去られたのか。実はこの後、細田代議士にお願いして、めぐみさんが拉致された現場に行ってきます。私自身、一人娘がいて、中学生なんですね。そのことを考えると、もう胸が張り裂けそうです。北朝鮮に対してこの許し難い思い。主権を侵害して、犯罪行為をし、北朝鮮は許すことは当然できませんし、一方で、私も国会議員のはしくれとして、12年間活動してますけれども、この47年間、同胞をご帰国させることができていない。本当に悔しいというか、やらせないそういう思いでいっぱいになります。私自身、一国会議員の立場でどこまでできるかわかりませんが、被害者全員が一日も早く、日本の地を踏んで、家族と抱き締め合える日が来るように、細田先生ともに皆さんとともに、心を一つに歩んでいきたいと思います。きょう新潟に来させていただいた目的は、今の通りでございます」と述べました。

 タカ派のダークホースの登場で、「真のタカ派」あるいは「ファッションタカ派」とみなされる候補への支持が分散することも予想されます。

 ◇

 2020年国勢調査の10増10減にともない新・新潟2区は新潟市の西区西蒲区、南区と、燕市、三条市、加茂市、弥彦村、田上町で構成されます。第50回衆院選は、立憲民主党連続7期の菊田まきこさん、自民党連続4期の細田健一さんの現職対決となります。さらに日本維新の会公認で社会福祉法人理事長の40代半ばの男性新人の井上さんの3氏が立候補するかまえとなっています。

 比例ブロック4増4減で、比例北陸信越ブロックも11席から10席に減ります。前々回は50票差の野党勝利もあった新潟県ですが、第50回衆院選は、与野党対決はさらにし烈さを増し、与野党の中堅の現職・元職たちが生き残りをかける47都道府県最大の激戦県となります。




[写真]小林鷹之さん、新潟県燕市で、きょう令和6年2024年8月17日(土)、宮崎信行撮影。

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あれから31年、青年自由党・漁火会の中村ジュニア、逮捕のニュース 岩手県警 盛岡市

2024年02月24日 23時13分07秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 31年前の政治改革で、日本新党、新生党、新党さきがけのほか、平成維新の会(大前研一代表)とは別に、「青年自由党」が創設されました。

 あの夏、第40回衆院選で、中村功・東日本ハウス社長(民間人)の「漁火会」は、一人2000万円の選挙資金を有力若手改革派候補に提供しました。中村功さんの息子であり、東大法学部卒の郵政省キャリア官僚、中村力さんは無所属で中選挙区岩手1区で当選しました。

 青年自由党は「支部からの積み上げ型」を主張して、おそらく東日本ハウス社員だと思われる活動家が、説得工作などをしましたが、社業低迷も含めて、パッとせず。自民党熊本県議が離党して幹事長をつとめるなどの動きがありましたが、中村功党首自らが当初の主張を変更して自ら参院選に立候補せざるをえない状況に追い込まれ、失速しました。

 あれから31年ぶりの政治改革国会だとされています。その後、中村力さんは地方選に出るなどしていたようですが、62歳で、見知らぬ女性を殴ったとして逮捕されたとのニュースが飛び込んできました。容疑を否認しているようです。

 盛岡市内で女性を殴ってけがを負わせたとして、岩手県警は24日、元衆議院議員の無職中村力容疑者(62)=盛岡市=を傷害の疑いで逮捕し、発表した。盛岡東署によると、中村容疑者は「殴っていない」と容疑を否認しているという。
 発表によると、中村容疑者は24日午前9時ごろ、盛岡市内の雑居ビルで市内の30代女性を殴り、擦り傷などのけがを負わせた疑いがある。女性からの110番通報で駆けつけた署員が緊急逮捕した。女性とは面識がないという。署は、詳しい経緯などを調べている。
 中村容疑者は1993年の衆院選で旧岩手1区に無所属で立候補して初当選。1期務めたのち、2023年9月の岩手県議選盛岡選挙区に日本維新の会から立候補したが、落選した。


9人が裏金、「自民党政治刷新本部」のメンバー 吉川ゆうみ来夏改選・三重選出議員含む、朝日新聞が報道

2024年01月13日 05時53分04秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]吉川ゆうみ自民党政治刷新本部幹事、3年前の2021年9月、自民党大会会場で、宮崎信行撮影。

 「自民党政治刷新本部」(岸田文雄本部長)の吉川ゆうみ幹事らメンバー9名が、裏金をつくっていたことが、朝日新聞の報道で分かりました。自民党は今週2024年1月10日(水)総務会で設置を決め、11日に初会合を開いていました。

 このうち、岡田直樹、野上浩太郎、佐々木紀、上野通子、太田房江、松川るい、吉川ゆうみ、藤原崇、高橋はるみの9議員が、安倍派の政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分のキックバック還流分を政治資金規正法に違反して寄付として記載しない「裏金」をつくっていたそうです。安倍派で日本看護協会が支援る高階恵美子さんはなかったようです。

 来夏の参議院三重選挙区(改選定数1)に再選がかかる吉川ゆうみさんは予算委員会で盛山正仁文部科学大臣(岸田派)から「現代アートにお詳しい吉川委員を頼りにしている」と答弁されるなどの実績を上げてきましたが、裏金の存在が明確なので、野党首脳サイドは「なぜ伊勢新聞、中日新聞は取材しないのか」といらだつなか、岸田さんが「問題なし」とメンバーに入れました。実際は「歴代女性局長、青年局長の現職は全員入れる」という表向きの理由となっています。

 安倍派がつぶれればうれしいという内心がありそうな岸田さんに対して、菅義偉さんらが「派閥そのものをなくすべきだ」とけしかけましたが、首相兼任である岸田総裁をめぐっては、能登半島地震でも危機管理能力に疑問符がつき、政治刷新本部も出鼻をくじかれたかっこうです。

 一方安倍派内では、「優秀な秘書」ともくされた政策担当秘書・公設第一・第二秘書らで指定資金管理団体の会計責任者を兼ねている人が、代表者と違って会計責任者は逮捕され刑事責任を負うことをいまさら認識。恐怖におののいているとされ、組織が崩壊しそうです。

 が、それでいいのでしょうか。能登半島で自衛隊・近畿地方整備局を動かせる責任政党は自民党だけです。野党は批判ばかり。会計責任者を兼ねる自民党議員秘書はぜひがんばってほしいと思います。

以上です。

政権時代の民主党を口汚く罵った二大政党政治の敵、世耕弘成・参議院幹事長が辞表

2023年12月14日 20時17分24秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]ふりそそぐ雨の中、警戒心に満ちた目で見る世耕弘成さん、おととし2021年4月、長野市で撮影。

 平成22年2010年7月から平成24年2012年12月までのねじれ国会で、口汚く与党・民主党を罵った世耕弘成・参議院幹事長(参議院清和会=清風会会長)が辞表を出した、と報じられました。関口昌一・議員会長以外は通常国会が終わると役員不在となる会派規約だと思いますが、臨時国会後となると再登板は難しいと思われます。会派は「参議院第26控室」を幹事長室の個室として割り当てています。

 清和会パーティー券裏金疑惑で詰め腹を切らされました。

 参議院清和会3人衆のうち、山本一太さんは入閣後に知事転出。磯崎陽介さんは落選し、離党。森まさこさん、片山さつきさん(最近入会)、丸川珠代さんらは健在。西田昌司さんは本人が内閣に入らないものの議席維持。さほど攻撃しなかったとはいえ、橋本聖子さんは自称・「歴代最軽量の議員会長」もつとめました。

 このうち、世耕さんには、私は私怨があります。第176回国会の平成22年11月18日の予算委員会で、北澤俊美・防衛大臣に「じゃ、その市ケ谷の施設内に防衛大臣あるいは政務三役の後援会の皆さんとか来られたことないですか、お答えください。」と質問しています。

 どこかで出ているペーパーですが、セキュリティの都合で、北澤さんの同級生が幹事となり、長野を出発した観光バスごと市ヶ谷の防衛省・陸海自駐屯基地に入ったとあります。この直前に、市ヶ谷の釣り堀のあたりから1~2名乗り込んで加わったとあります。これは、私の同居の健在の実母、宮嵜愛子です。母によると、見学コース、誰でも通される地下壕と地上の灯篭がわざとずれているだとか、講堂の後ろ側は傾斜がついているだとかのほか、大臣室に入り、職員食堂で懇談。「亀井静香大臣はなぜ寝癖がついているのか」の問いに「亀井さんはシャツも後ろから出ている」との対話などをしました。私は現在総務省キャリアの同級生を誘って観閲式総合予行演習に行ったり、記者として観艦式の旗艦に乗ったりしましたが、戦後の防衛省・自衛隊の苦難の歴史において、他の役所は比べ物にならないくらい見学者を手厚くもてなし、国民理解と予算要求への応援を求めるのは、制服幹部候補らの組織文化の根底にある考え方です。

 政権を取り戻して1億円の裏金を作るような議員に、口汚く野党を叩き続けるような質問を、どうせ当ニュースサイトをネタ元に質疑したことへの私怨は、清和会(田中派の党内の最大の敵)ですし、いまだに引きずっています。

 和歌山県連内の二階俊博さんとの関係は完全に知りませんが、政権交代後の10年間、こういう政治家をもてはやした経済産業省の官僚や経済人には問題があります。また、関口会長も幹事長にここまで権勢をもたせて忸怩たる思いはないのでしょうか。

 私怨、反清和会からぶちまけているわけですが、彼は街頭演説で「今度の補正予算案は30兆円規模」と誘導していながら、総理や自公政調会長らが反映しない浮いた状態が続いていました。

 ネットを使って答弁書作成の働き方改革の実績はかけがえのない霞が関の財産となりましたが、裏金1億円のために、そこまで民主党を叩いて叩いて叩きまくった「身長150センチ台のリトルジャイアント」に対する憎しみは墓場まで忘れません。

 以上です。

【選挙制度】来月報告書をまとめることで合意、衆議院選挙制度協議会、「衆参一体改革の場を設けるよう党に持ち帰りたい」

2023年11月06日 18時42分16秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 衆議院選挙制度協議会は、きょう令和5年2023年11月6日(月)、国会内で、第13回の会合を行い、来月「最終報告書」をとりまとめることにしました。小選挙区制導入の当事者である細川護熙さん、河野洋平さん、佐々木毅さんらのヒアリングの内容と論点整理を盛り込むことにとどめ、具体的な提言は入らないとみられます。

 そして、来年1月召集の第213回通常国会で、議長のもとの正式な組織として設置するよう働きかける考えでまとまり、協議者が各党に持ち帰ることになりました。

 さらに、先月の「参議院徳島・高知合区の補選」が低投票率におわったことなどもふまえ、衆参一体改革の機運がうまれ、協議者が各々の党内で議論するよう持ち帰ることになりました。参議院議長のもとの参議院改革協議会(参改協)の枠組みがある中で、政党内での選挙制度シンプル化の声で、新しいうねりができるかもしれません。

 およそ1年前の10増10減改正公選法の付帯決議は次のように決めました。

公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
この法律の施行後においても、国会議員を選出する選挙制度は重要な課題のため不断に見直していくべきものであり、人口減少や地域間格差が拡大している現状を踏まえつつ、立法府の在り方を含め、議員定数や地域の実情を反映した選挙区割りの在り方等に関し、国会において抜本的な検討を行うものとする。  
当該検討に当たっては、速やかに、与野党で協議の場を設置し、円満かつ公正公平な運営の下、充分な議論を行い、次回の令和七年の国勢調査の結果が判明する時点を目途に具体的な結論を得るよう努力するものとする。
三 今回の区割り改定により、区割りが変更される選挙区が多数に上るため、政府においては、有権者に混乱が生じることのないよう新たな選挙区に関し十分に周知徹底を行うこと。

 この付帯決議にある「与野党で協議の場」が、衆議院選挙制度改革協議会です。

 以上です。

自民埃だらけ 第2次岸田第2次改造内閣

2023年09月28日 16時53分30秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 2012年12月の政権再交代から10年半が過ぎ、第3次与党期の自民党が埃だらけの様相となりました。

 今月13日に発足した、第2次第2次改造内閣の閣僚及び小渕選対委員長の報道が続いており、女性5閣僚のうち、加藤鮎子・土屋品子・自見はなこの3大臣とも政治とカネが報じられました。加藤、自見、両氏は野党時代を知らない議員で、党内のやっかみもありそう。

 当選5回の木原稔防衛大臣のコンサルタント、秋本真利衆議院議員と風力発電・競馬組合・コロナ給付金の報道も続いています。

[写真]2023年5月3日撮影。

 政権与党の乱れは、世の中にも波及しており、歌舞伎町では、朝8時半から、キャバクラ・ガールズバーの客引きをする男が出没するしまつ。民主党政権では見られなかった光景です。

 埃だらけとなりましたが、私は289小選挙区を精査していますが、立憲民主党単独で小選挙区の過半数をとるのは困難な状況。例えば、弁護士会副会長の肩書を持つ新人でも、過去の票をたどると、自民党現職を小選挙区で逆転するのは厳しいと思われます。

 今後の政治日程は、10月22日(日)の長崎4区と徳島・高知合区の2つの国政統一補選となりますが、自民全敗の観測もあります。その場合は、来年9月の自民党総裁選より前の解散総選挙はないとみられ、自民党税調と官邸・財務省だけによる国会不在の政治が当面続くものと考えられます。

 以上です。

コストカット経済を払しょくへ、その心意気やよし、新しい経済対策は、宮沢税調で社会保険料・税制切り込みか

2023年09月26日 20時05分40秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]首相はおととし2021年10月・大阪府内、宮沢氏は4年前の2019年2月都内で、ともに宮崎信行撮影。

 首相はきょうの定例閣議で、鈴木財務・金融相、新藤経財相、武見厚労相ら全閣僚に、新しい経済対策を来月2023年10月末までにまとめるよう指示しました。

 謎の日程で、10月末にパッケージをとりまとめて、補正予算案編成を指示した場合、閣議決定は早くても11月中旬。それから印刷・検算をすると、国会提出は12月上旬になります。来年の通常国会に提出するのかもしれません。

 首相はゆうべのぶら下がりで「長年続いてきたコストカット型の経済から30年ぶりに歴史的転換を図る。人への投資、賃金、さらには未来への投資である設備投資や研究開発投資まで、コストカットの対象として削ってきたことで、消費と投資の停滞を招いた、この状況を「冷温経済」と呼んだ専門家もおられましたが、我々はようやくこの「冷温経済」を脱し、活発な設備投資、あるいは賃上げ、そして人への投資による経済の好循環を実現し、経済の熱量を感じられる「適温経済」の新たなステージに移れるチャンスを、今、迎えています」と語りました。

 消費者物価指数が3%増になっても、日銀は物価高を認めず、賃上げが定着するまで金融緩和を続けるとします。首相の発言はその心意気やよしと、筆者としても大いに期待したいところです。

 首相は、真水の政府支出ではなく、減税を中心に柱建てしました。

 時期からして、宮沢洋一・自民党税調会長を中心とした議論に主導権を握らせるねらいと思われます。厚労省の社会保障審議会は現在、遺族年金の男女逆格差の理論的解消を議論し、来年の通常国会に改正法案を出しますが、これとは別に、社会保険料106万円の壁などと呼ばれる厚生年金加入要件について、財務省主導で税金を投入することで、社会保険料と所得税の負担割合を、財務省主導で乗り越えさせようという配慮を私は感じます。

 経済対策のねらいは、税制改正にあり、麻生太郎・鈴木俊一・宮沢洋一・岸田文雄の閨閥で進めようとしているのかもしれません。

 岸田さんはおととしも6月の骨太の方針がありながら、10月に新しい資本主義実現会議をつくりました。日程からして、宮沢税調主導にしたいのは間違いないでしょう。宮沢さんは中学・高校の同級生をNHK会長にしました。また、軽井沢に持つ2件目の別荘の資産報告を参議院に忘れましたが、これは素で忘れたようです。岸田・宮沢ファミリーの原宿の不動産は減少傾向ですから、意外と経営は得意でないのかもしれません。

 令和5年第1次補正予算案の提出がいつになるかさっぱり霧の中の異例の政治日程となりました。解散注意報は発令しっぱなしですが、第212回臨時国会の召集が年内にないかもしれません。

 コストカットを求めた日本人の陰湿さにへきえきしている私ですが、東京で生まれ・教育を受けてずっと住んでいますから、友人には恵まれています。友人の妻に叱られるシチュエーションもありますが、8年8カ月前、「どうして一人暮らししないの」と疑問形で言われて苦労したことがあります。最大の理由は、租税特別措置法第69条の4の法定相続人が同居していた場合は小規模宅地特例で評価額が5分の1になるから。明治通り沿いに路線価が高いところに本社兼自宅、河川敷に別宅を持っていたことから、自宅に住み続けたことで、相続税が大幅に安くなりました。こんなことを、友人との会話で話しても通じるわけがなく、疑問形での会話に忌避感を持っています。

 私は税制と選挙制度はシンプルでないと民主主義ではないと主張しても、インタビューが載るようなインフルエンサーが「さっぱりわからない」と感想を述べます。頭の良い人は複雑であることが食い扶持で、シンプルになると失業することへの深層心理からそういうことを言っているのでしょうが、政権交代が現実でないきょう、宮沢税調会長主導で、所得税と社会保険料の議論を、財務省主導に引き寄せ、多少なりともシンプル化していくことに期待したいと思います。

以上です。

【中央選挙管理会】「政治家女子48党」は「代表者に疑義」、今後創設者債務不履行などの懸念から10政党体制に変化も

2023年09月05日 19時54分54秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]衆議院別館(通称・第一別館)越しに見た、総務省。

 総務省自治行政局選挙部はきょう令和5年2023年9月5日の持ち回りの中央選挙管理会で、斉藤健一郎氏(参議院議員)が提出した政党「政治家女子48党」の名称変更届を「権限のある代表者によって提出されたものであることへの疑義が解消されない」として受理しないことを決めました。

 当面「政治家女子48党」の名称が続く見通し。

 同党は、4年前の統一地方選で躍進し、地方議員からの貸付金で第25回参院選をたたかい平成6年政党助成法にもとづく政党要件を獲得。失礼ながら、太いパトロンがいるとは思えない創設者らが複雑な法律を活用して新党をつくることに成功し、長年続いた7政党体制が、去年の参院選後は10政党体制と多極化しています。

 しかし、総務省が代表者に疑義があるとしたことから、直接の関連はないとえ、政党交付金の3カ月に1回の交付を申し込んだり、交付された民間銀行の口座から引き出したりできなくなることが予想されます。創設者(非議員)個人の名義を含めた個人・法人の多額の債務が不履行になり、民法上で破産することも予想されます。

 このため、次の参院選では、政治家女子48党として選挙をたたかう陣構えができない可能性が濃厚となりました。

 複雑な選挙制度や政党交付金や、政党間協力や党内小選挙区調整をめぐる不信感・無力感が高まっており、第50回衆院選に前後した政党の流動化や議員らの集散の動きが注目されます。

 総務省の発表文は次の通り。

本日、第2回中央選挙管理会が開催(書面開催)され、令和5年6月19日付け及び8月14日付けで齊藤健一郎氏から提出のあった公職選挙法第86条の6第5項及び第7項に基づく衆議院比例代表選出議員の選挙における名称及び略称の届出の異動届出については、権限のある代表者によって提出されたものであることへの疑義が解消されないため、受理しないこととされました。

 以上です。

「自民党以外の政党による政権」>「自民党を中心とした政権」、政権再交代後の10年強で初めてか

2023年07月17日 11時10分29秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]日本の世論調査の父、西平重喜さんの「統計調査法」初版は1957年発行・培風館。

 第50回衆院選は、最短で100日前後先にあるとの観測もあります。

 私・宮崎信行は、早稲田大学政治経済学部政治学科2年生(1993年)のとき、日本の世論調査の父・西平重喜・統計数理研究所名誉所員(元上智大学経済学部教授)の2単位ゼミと、田中愛治・青山学院大学教授(現・早稲田大学総長)の社会調査論4単位を取得しており社会統計・世論調査の学術的な方法にとても詳しいです。

 朝日新聞の2023年7月15日・16日に世論調査で、「今後も自民党を中心とした政権が続くのがよいと思いますか。自民党以外の政党による政権に代わるのがよいと思いますか」との問いに対する答えの割合が「自民党を中心とした政権」が41%、「自民党以外の政党による政権」が45%となりました。

 データサービス「ジーサーチ」で調べると、第48回衆院選(希望の党騒ぎ)直前の2017年10月4・5日調査では43%対33%となっています。

 第49回衆院選直前は「自民党を中心とした政権」が46%、「立憲民主党を中心とした政権」が23%となっていました。

 「自民党以外の政党による政権」を望んだ割合が、「自民党を中心とした政権」を望む割合を上回ったのは、2012年12月の政権再交代後の10年強で初めての可能性があります。

 ただ、立憲民主党の泉健太代表・岡田克也幹事長にとっては候補者一本化にあたる政策のすり合わせを求める突き上げがでてくるかもしれません。岸田文雄首相にとっては、現行の枠組みでの政策メニューの充実で逃げ切りをはかるしかなさそうです。

 もう一点、この分野の有識者が先週頃ツイッターで発表した論考に、誤りがありましたので指摘したいです。第48回衆院選直前の安倍晋三内閣の支持率は40%でしたが18歳から29歳までの支持率は49%です。先月の調査では岸田文雄内閣の支持率42%(先月の数字)ですが、18歳から29歳までの支持率は32%です。

 安倍内閣は18歳から29歳までの支持率が全年齢層平均より10ポイント前後高かったのが、岸田内閣では逆に10ポイント低くなっています。これはれっきとした違いで、政治どころか社会現象ともいえますから、一人一人考察する必要があるでしょう。

 18歳から29歳までは少子化で、そもそも有権者に占める割合が少なく、投票率も低い傾向が続いていますが、2016年から2017年にかけての英米の「急進左派バーニー・サンダーズ現象」で全年齢と同じような投票率に上がるなる大珍事がありましたので、自民党の締め付けが効かないばかりか、全国の陣営総崩れとなることもありそうです。

 第50回衆院選は再来年夏以降の可能性もあります。


[写真]摂氏35度の猛暑の平日昼から地べたに座り込み酒盛りする若者を中心とした男女、事前に新品のお酒を大量に買い込んでいるがアサヒビール「大五郎」とサントリー「ストロングゼロ」の2つで価格を調べると安価なもの、今月2023年7月某日、東京・新宿区歌舞伎町「トー横」の「広場」で、宮崎信行撮影。

 以上です。

児童手当の所得制限を撤廃、首相、1月の茂木幹事長提言から5カ月遅れ、立憲「失われた10年」と批判再燃へ

2023年06月13日 18時52分21秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]岸田文雄首相・自民党総裁、先々月2023年4月、千葉県内で、宮崎信行撮影。

 岸田首相は、きょう令和5年2023年6月13日(火)午後6時半から記者会見し、「児童手当の所得制限を、令和6年10月から撤廃する」と明言しました。同日閣議決定した「こども未来戦略方針」の内容として説明しました。

 民主党が2007年参院選「3つの約束」や2009年衆院選「マニフェスト」も目玉として、年少扶養控除廃止を財源とした「こども手当」を創設。その後小沢一郎幹事長が「全国民からの要望として所得制限をつける」という意味不明な要望をしましたが、鳩山由紀夫首相が、可部哲生・厚労担当主計官らを説得し、継続。しかし、2010年参院選のねじれで、バラマキ4kと批判され、こども手当法の成立が2011年3月下旬まで難航し、玄葉光一郎政調会長ら民自公3党合意で、所得制限を見返りとした特例公債法成立へと追い込まれました。今世紀初頭から民主党の支持が厚い傾向があった都市在住の高所得サラリーマン世帯からの批判もありました。

 今国会3日目の茂木敏充幹事長の代表質問で、所得制限撤廃が浮上。当初、総裁と幹事長が事前に示したあわせたやりとりと思われましたが、加藤勝信厚生労働大臣らが批判。立憲民主党は、かつてのマニフェストの正しさが証明されたとして「失われた10年プロジェクト」を立ち上げましたが、成案ではないと分かり、中断していました。

 首相が閣議決定にもとづき、児童手当の所得制限撤廃に10年ぶりに追い込まれたことから、今後は、所得税の控除をめぐる税制改正議論や、立憲民主党による「失われた10年批判」の再燃が予想されます。

 以上です。

これが答えだ

2023年05月10日 07時39分03秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 政治改革から人間の人生で一回り、30年経ちました。

 新生党の在籍証明を出す権限を、羽田孜家から与えられている筆者・宮崎信行にとって、政権交代ある政治は、単身渡米からわずか5年後の当時20歳前後だった私の最大の成功体験であり続けます。

 当ニュースサイトをめぐって、時折、「宮崎信行氏の問題は、政権交代が大事だと言いながら、なぜ大事なのかを説明できていないことだ」との批判があります。

 高卒の両親が、私の出生前から経済的に莫大な成功を収めており、本来対等な立場である同業他社社長まで仕事を振ってもらえる力関係となってから生まれた私に対して、疑問形で話しかける大人の男性は、ことごとく人さらいだと疑われかねない地域経済事情で育ったため、ほとんど疑問形に対して日本語で答えられない人生経験から、そうなったのだと思います。

 朝日新聞2023年5月3日付に、3000人に対して郵送法で66%から回収した世論調査結果が出ました。

 このうち、「政権交代が今後も繰り返されるほうがよいと思いますか、そうは思いませんか」との問いに、繰り返されるほうがよいが54%、そうは思わないが39%となりました。

 平成5年政治改革4法の最大の眼目である衆議院小選挙区比例代表並立制では、「小選挙区制はよいと思いますか」との問いに、よいが53%、よくないが37%となりました。

 ともに、50%を超えていることを持って、答えとしたいと思います。

 以上です。

安倍晋三を氏に追いやり、小倉将信こども大臣抜擢につながった、自民党やり過ぎ参院選情勢調査ペーパーを公開、「ノルマ証券」なみの行き過ぎた「殲滅思想」

2023年04月30日 21時16分39秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 政権交代後10年間の「安倍晋三・菅義偉自民党」の国政9連勝には、参院選で「行き過ぎた殲滅思想」があり、民主主義を継続するためには「横綱相撲」をとるべきだと、筆者は主張してきました。実は、第26回参議院議員通常選挙中に安倍晋三元首相・清和会会長の暗殺のわずか6日前に、自民党都連が行き過ぎた情勢調査をしており、そのペーパーを筆者は入手してました。8月10日の内閣改造で、小倉将信さんが当選4回生74人で5人目の大臣(福田達夫総務会長、岸信夫前議員除く)に抜擢された根拠といえそうです。本当は8月10日に書きたかったのですが、気が重く、今ごろの記事化になりました。

このペーパーです。おそらく7月8日以前にもらったと思います。赤い書き込みは筆者が書き加えたものです。東京選挙区の朝日健太郎候補、生稲晃子候補、竹谷とし子候補、蓮舫候補らの支持率を、自民党東京都連の衆議院総支部ごとに集計したものです。

 
 自民党の本部・都連のどちらかが、7月2日・3日の「選挙サンデー」に、1小選挙区100以上のサンプルをもとに集計したものと示されています。

 
 このうち、朝日候補を支持する人は「小倉総支部」が「24・4%」となっていて、生稲候補は「4・4%」。自民党2候補を足すと、下村博文総支部などが多くなりますが、朝日さんに限れば、小倉さんが先輩を抑えて1位となっています。また、生稲候補の5倍以上と言うことは、小倉総支部が「朝日候補の方をお願いする」という票寄せと活動量が多かったと推測されます。木原誠二官房副長官より小倉さんの成績は勝っています。

[写真]朝日健太郎候補を応援する小倉将信衆議院議員、2023年7月4日、東京・町田駅近くで、宮崎信行撮影。

 これが評価されての、閣僚抜擢だっと思われます。安倍晋三内閣と違い、菅義偉・岸田文雄首相は、長野県連代表として参院選に連敗した後藤茂之さんを2回入閣させるなど安倍さんの頃の信賞必罰の姿勢は和らいでいます。

 そして私は7月8日の前夜、高市早苗政調会長が持っていて安倍晋三清和会会長が持っていない情勢調査を持っていました。自分でも驚く情報収集力ですし、ひるがえって、情報がないのに過信すると、地位によっては死につながるということになります。

 30年政治にかかわって断言できるのは、衆議院議員が怖いのは衆議院議員総選挙です。小選挙区では、衆議院会館事務所が地元の町長選挙に公設秘書全員を投入して国会開会中なのに閉めるような閣僚経験者も一部にいます。が、安倍晋三衆議院議員の地元事務所長ですら怖いのは次期衆院選で、自ら解散する内閣総理大臣の権力の源は「狂気」と言えます。

 参議院議員通常選挙で、味方である衆議院議員をここまで締めあげる味方にも、野党にも、有権者にも厳しい殲滅主義に走らせた、安倍さん、スガ・杉田和博正副官房長官、元宿仁さんら自民党幹部職員の焦りはなんだったのか。彼らは2009年の政権交代でも、歳費は維持し続けました。

 2014年7月1日の解釈改憲による立憲主義の破壊、アベノミクスによる所得再分配機能の破壊により、日本の議会制民主主義は、修復不可能な「ポイント・オブ・ノーリターン」を越えてしまったようです。

憲政史上最長の安倍晋三さんに、「汚物を見るような目」で警戒されたことを、筆者は反骨の政治ジャーナリストとして誇りに思います。

改めて警視庁防犯協力会員として、テロを許さない街づくりをめざしています。自民党大会会場近くの「高輪署」管内で撮影しました。なお、目じりのけがは、神奈川県で自分で転倒したもので、今は治っています。



 以上です。

1996年民主党の「コンクリートから人へ」教義からの解放、諫早湾干拓事業「非開門」最高裁確定も農林水産省はお詫び倒し談話

2023年03月03日 06時33分57秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]1996年民主党共同代表就任から27年たち露出は減りつつも立憲民主党最高顧問として今も前線で活動する菅直人衆議院議員、きょねん3月、参議院第一別館内で、宮崎信行撮影。

 最高裁はおととい諫早湾干拓事業の「非開門」を統一判断としました。高裁で開門の訴訟もありますが、非開門で確定します。

 国はゆうべ談話を出しましたが勝訴側とはいえ反省の弁が続きました。

 談話は「有明海の再生を願う皆様へ」「国の対応について、開門、開門反対いずれの立場からも、厳しい御指摘があることは承知しております」「割り切れない思いを抱えておられることは、十分に理解できます。国としては、皆様の一刻も早い有明海再生を願う切実なお気持ちとこれまでの御労苦に思いを致しつつ 」「最新の科学的知見に基づき、有明海の未来を見据えた話し合いを行い合意した有明海再生の方策を、協働して実施していく」「対立から協働へと関係を再構築し、有明海の未来をともに切り拓いていく」としました。

 1997年4月の閉門いわゆる「ギロチン」について、1996年民主党の菅直人、鳩山由紀夫共同代表は「ムツゴロウを守れ」と「コンクリートから人へ」を橋本龍太郎首相らに直談判。政策オタク路線につながる「公共事業コントロール法案」(147衆法25号・筆頭発議者菅直人さん)の策定や2009年政権交代後につながる「コンクリートから人へ」へのスローガンへと昇華していきました。

 その後、2008年に佐賀の漁業者の訴えが認められて「開門」判決。自民党竹下派の実力者・久間章生さん(長崎2区)の道路建設への関与や、谷川弥一衆議院議員の子どもが営農者に加わっていることが明らかになり、佐賀県議会百条委員会に谷川議員が出席しないなど複層から問題が自民党の下野に前後して噴出しました。

 しかし、失われた二十年では、GDPの循環は個人消費に続き政府支出も名目実額でマイナスになっています。自民党は野党時代に二階俊博元総務会長や藤井京大教授、公明党の石井啓一政調会長らが「国土強靭化」で民間シンポジウムを開いたほか、サンダース上院議員のMMTなど積極財政が日本の政策にも取り込まれました。

 立憲民主党は「コンクリートから人へ」の教義の洗脳から解放されるとともに、農林水産省も話し合いの場を設けて、漁業者への補償交渉に乗り出すなど有明海再生の道のりはまだ続きそうです。

 以上です。

「衆議院選挙制度協議会」の来週設置で与野党国対合意

2023年02月02日 17時45分05秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 きょねん11月18日付で既報の「衆議院選挙制度協議会」が来週令和5年2023年2月上旬に設置することを与野党が合意しました。



 再来月の補選は前の区割りで行われますが、昨年末から10増10減の改正公職選挙法が施行され、山口4区・和歌山3区が廃止され東京30区が新設されています。

 当サイトで既に報じたように、この法律の衆・特別委通過時の附帯決議に「人口減少や地域間格差が拡大している現状を踏まえつつ、立法府のあり方を含め、議員定数や地域の実情を反映した選挙区割りのあり方」を2026年春までに決めるよう求めています。

 細川護熙首相・羽田孜副総理の内閣で法律ができてから、「人口」ではなく「地域」が入ったのはこれが初めて。2011年3月に最高裁が「ドント方式に先んじた1県1人別枠方式」の法文が違憲だとして廃止しアダムズ方式に移行して以来の抜本改正となります。

  「アダムズ方式」導入の実務者は、細田博之・北側一雄・岡田克也の偶然にも2009年政権交代選挙幹事長トリオら5名となりました。この際、ある区割りが変更になる実務者が自分の県の定数1減をきらう場面もありました。これを超える抜本改革となります。
 累次の参改協では、18歳選挙権を、民法・衆議院に先取りして導入した改革の際に、長野選挙区の改選定数2→1を羽田雄一郎実務者(故人)が拒まないという出来事がありました。しかし、合区、特定枠でますます国民との参議院の距離が広がりました。但し複雑な制度で、日本新党の細川党首らに比べると失礼ながら、お金があるように思えない、山本太郎・立花孝志・神谷宗幣3氏が政党をつくり、政党交付金で組織固めをできるダイナミズムにもつながっています。

 以上です。