[画像]古屋圭司・衆議院議院運営委員長(自民党)、2017年12月5日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
人事院勧告の法案がすべて衆議院を通過し、今国会(9日土曜日が会期末)での成立が確定。第195回特別国会は衆議院では峠を越しました。「保険業法改正案」(195閣法4号)だけ吊るしが降りておらず、継続して、来年3月31日までの日切れ法案となりそうです。
【衆議院本会議 平成29年2017年12月5日(火)】
まず、「北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議」が全会一致で採択されました。
次に、「旅館業法改正案」(195閣法7号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。150日間の通常国会で審議入りすらできなかった法案が、特別国会では全会一致で通過するのですから、会期制は面白いと考えます。
「特定フィブリノゲン製剤によるC型肝炎被害者救済法を5年延長する法案」(195衆法1号)も全会一致で可決し、参議院に送られました。
「平成29年度人事院勧告を完全実施するための一般職国家公務員給与法改正案」(195閣法1号)
は、維新の反対、自民党、公明党、立憲民主党、希望の党、共産党などの賛成多数で可決し、参議院に送付されました。金曜日に成立し、公布・施行される見通し。
「同、特別職国家公務員給与法改正案」(195閣法2号)
「同、国家公務員退職手当法改正案」(195閣法3号)
は、共産党と維新が反対し、自民党、公明党、立憲民主党、希望の党などが賛成して可決し、参に送付されました。
これ、賛否ですが、共産党と維新は委員会で反対討論しているので本会議でも反対だと判断しています。ただ、正直、希望の党に関しては、おそらくそうだろうということで書いています。我が無所属の会は、インターネット中継で見てもさっぱりわかりませんから、当面、本会議での賛否については触れないでおこうと思います。最大野党の立憲民主党ですら、見た限りでは、賛否が分からないので、重要法案などは、SNSなどで賛否を明示してもらえればよいと考えます。
本会議に戻って、久しぶりに緊急上程がありました。前の前の任期で、維新の松野頼久代表(当時、現在は浪人)の提案で、なるべく緊急上程はしないことになっています。
「平成29年度人事院勧告を完全実施するための裁判官給与法改正案」(195閣法5号)と「同、検察官給与法改正案」(195閣法6号)は、維新の反対、自民党、公明党、立憲民主党、希望の党、共産党の賛成多数で可決し、参議院に送られました。
「競馬法改正案」(195閣法8号)も緊急上程され、全会一致で可決し、参に送られました。
「平成29年度人事院勧告を完全実施するための、自衛隊給与法改正案」(195閣法9号)は維新の反対、自民党、公明党、立憲民主党、希望の党、共産党、社民党の賛成多数で可決し、参議院に送られました。
この後、議院運営委員会で起草された、
「平成29年度人事院勧告を完全実施するための、国会議員秘書給与法改正案」(195衆法3号)は起立採決による賛成多数で可決し、参に送られました。
【衆議院安全保障委員会 同日】
「自衛隊職員給与法改正案」(195閣法9号)が審議され、維新が反対し、自公立希共社の賛成多数で可決すべきだと審査結果をまとめました。維新は、下地幹郎さんが「自衛官の給料は経済情勢に左右されるべきではない」と述べました。審議では与野党から、予備自衛官などの充足率が低いことについて質疑がありました。報道によると、予備自衛官が応召されたら、その企業に1日3万円を補てんする概算要求や自衛隊法改正案が、来年の通常国会に提出されるようです。
【衆議院農林水産委員会 同日】
「競馬法改正案」(195閣法8号)が全会一致で可決すべきだ、と決まり、衆議院本会議に緊急上程されました。質疑では、意外と、中央・地方競馬というものは、ご当地代議士というのが、多くて、金子恵美さん(福島1区、無所属の会)がJRA中央競馬の福島競馬場の震災後の除染や、地域に与えた希望について語りました。法案の内容は、中央競馬の畜産振興勘定を、地方競馬の赤字の補てんに使うものです。
【衆議院法務委員会 同日】
「裁判官給与法改正案」(195閣法5号)と「検察官給与法改正案」(195閣法6号)が維新の反対、自公立希などの賛成多数で可決すべきだとの審査結果をまとめました。
審議では、希望の党の柚木道義さんが、フリージャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS政治部記者の山口敬之さんに、旧刑法の準強制わいせつされたのに、警視庁刑事部長(元首相秘書官)の差し金で逮捕状が執行されなかった、と主張している事案について取り上げました。これは、先の通常国会で、本会議でも質疑されたものです。柚木さんの検察審査会法の改正が必要だとの主張は、一理あるのかなあと思いました。ただ、この事案は、反権力側の人も、警視庁は公平中立なのだ、という大前提で話していることに違和感を感じます。私は警察は公平ではないと考えます。私は、小学校5年生頃に、警視庁に便宜を受けたことがあります。これは、当時、おそらく桜田門(警視庁本部)の指示もあったのでしょうが、所轄警察署の交番のおまわりさんが、壁新聞をつくっていました。この中に、「クイズで正解して、かつ、抽選で当たった10名おめでとう」というコーナーがありました。あるとき、私の自宅におまわりさんがたずねて来ました。このとき、おまわりさんが、クイズの応募者が9名しかいなくて、1名足りずに困ったという話をしました。これは、当時、小学校の先生が、土曜日の夜に、趣味の天体観測教室をやっていて、私がよく行っていたので、何らかの名簿のようなものが提出されていたのではないかと考えます。小学校区唯一の交番だし、交番から見ても、管轄内唯一の小学校だと考えます。そして、このおまわりさんから、その回のテーマの天体観測についてクイズを出されたのですが、私は間違えてしまいました。おまわりさんは残念そうな顔をしながら、答えは何番なんですよ、と言いました。私は記憶力が良いのですが、そんなことはとっくに忘れたころに、交番前で壁新聞を見ました。そこには、なんと、「おめでとう」の10名の中に私の名前があったのです。ていねいにも、10番目でした。また、このときに、粗品をいただいたかどうかですが、おそらくいただいていないと思います。とはいえ、間違えたのに、クイズにあたった10名として紹介されたことから、私は、小学校5年生以降は、警察は公正中立でない、と確信しています。これは、我が人生にとって、とても貴重な体験だと考えます。なので、この「詩織さん」案件も、心情としては、冷めた目で見ています。
【衆議院総務委員会 同日】
野田聖子総務大臣の所信的あいさつに対する一般質疑がありました。
我が無所属の会の、原口一博さんは、県議同級生という立場からも野田さんに迫りましたが、その反応はイマイチのようでした。野田さんとしては、先輩総務大臣ということに反応していたようですが、あまり連携しようという雰囲気ではありませんでした。原口さんは、放送行政のクロスオーナーシップや、地方自治体の基金に対して、財務省が地方交付税を減額するよう求めていることをただしました。
【衆議院環境委員会 同日】
一般質疑がありました。
【衆議院懲罰委員会 同日】
委員長のあいさつなど。
【衆議院議院運営委員会 同日】
上述の法案が起草されました。
【参議院第1種常任委員会 同日】
総務委員会は開かれず、それ以外の10委員会が開催されました。
私のパソコンは、一時11委員会を同時視聴しました。おおむね12万円くらいのパソコン、標準的なインターネット回線を使っていますが、(危機管理上、パソコン、回線などはすべて複数あります)、丈夫に働いてくれて感謝です。
第1種常任委のうち、内閣委は、「国家戦略特区に関する学部新設について文部科学委員会への連合審査を求める」との提案を全会一致で可決しました。
外交防衛委は、前回出張だった、佐藤正久外務副大臣があいさつしたところ、さっそく「異議あり!」と、おそらく小西洋之委員の声が飛びました。野党側の藤田幸久・与党側の塚田一郎両理事が、5分前後協議した後、三宅伸吾委員長が「後で議事録を協議します」と引き取りました。佐藤さんが、「危険をかえりみず」などと自衛隊の服務の宣誓のようなことを、あいさつしたのを問題視したようです。
財政金融委員会は、前任者の不倫の不祥事で繰り上げ当選した、公明党の宮崎勝さんが「初めての質問だ」として、同党らしくさっそく2兆円の政策パッケージについて質問。前公明党参議院国会対策委員長の不倫問題について、私はまったく話題にならないな、と思いつつも、第48回衆院選での公明党敗北にじわりじわりと響いたようです。財金委では、森友学園をめぐる国有地払い下げについて、太田充・財務省理財局長が答弁。文教族のドンである、麻生太郎財務大臣はかつて聞いた話として、「早稲田大学理工学部建築学科の教授から、一級建築士を100人作っても家一つ建たない、家は、大工、土木、左官がいればできる、と言われてそういうものかなあと思った」と話していました。ちょうど、私学学校法人の政治献金の9割は自民党宛だとの記事が出ていましたが、何をいまさら、という気がします。
あさって法案を審議するとみられる、厚生労働委、法務委、農林水産委でも一般質疑がありました。法案審議の予定がない、文教科学委、経済産業委でも一般質疑がありました。国土交通委員会と環境委員会は、ともに大臣所信を聞きました。一般質疑は木曜日だと思われます。法案はありません。
5時前後に、衆議院を通過してきた各法案が、参議院委員会に付託され、趣旨説明されました。内閣委は、「人事院勧告」(195閣法1号から3号まで)、法務委は、「裁判官」「検察官」(195閣法5・6号)、外交防衛は「自衛官」(195閣法9号)、厚生労働委は「旅館業法改正案」(195閣法7号)、農林水産委は「競馬法改正案」(195閣法8号)が審議入り。金曜日の本会議で成立すると思われます。
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