【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[きょうの国会]代表質問は大きな進展はないが、榛葉賀津也さん「厚労省不正統計の解明が無ければ予算を審議できない」と息巻く

2019年01月31日 18時47分39秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]参議院議員会館、皇居桜田門外から、今月、宮崎信行撮影。

 厚労省の統計不正問題で、野党は予算審議に応じられないと代表質問で打ち出しました。また、きのうの国会内での「野党合同ヒアリング」で、きょねん2018年のほとんどの月の実質賃金が前年比マイナスだったことが濃厚になりました。

 決め手のないまま衆議院では代表質問が終わりました。ただし、「保育園」「森友」と続く、大臣の首はとれないけど、予算審議が終わっても問題はくすぶり続ける。いわば「SNS世論政治」が、参院選に打撃を与えそうな気配を感じています。

【参議院本会議 平成31年2019年1月31日(木)】

 施政方針演説に対する代表質問1日目。

 IRカジノ法を突然参議院で修正議決し衆議院に回付するなど、参議院の闇将軍のイメージがある、国民民主党の榛葉賀津也さんが自ら登壇。今夏は、日本全国でたった4つしかない「2人区」というレアなルールで改選をめざします。

 榛葉さんは「統計不正がこのままでは予算審議ができない」とぶち上げました。

 自民党は、橋本聖子参議院議員会長。調べたら、現在54歳です。同派閥同県連の伊達忠一議長が今夏引退しますが、その後の参議院議長の座はどうなるのでしょうか。橋本さんの質問は「米中貿易摩擦があるが、自由貿易体制の発展と地球規模の安全保障体制の改善のために、総理は何をするか」というおそろしく漠然とした質問でした。

 この後、鴻池祥肇さんへの哀悼演説。立憲民主党の福山哲郎参議院議員会長は「平和安全法制特別委員長として、参議院は衆議院の下請けではない、と発言していた」と故人をしのびました。散会。

【衆議院本会議 同日】

 施政方針演説に対する代表質問2日目。

 志位和夫さんは、「貿易赤字削減のため、武器輸出をすすめるトランプ大統領に言われるがままに、浪費的な爆買いをしている」と痛烈に批判。当初予算案審議は、次期中期防5か年計画についての初めての国会議論になります。

 馬場伸幸さんは「野党が責め立てると、厚労省から情報が出てこなくなるのではないか」とくぎをさしました。維新の会として「ネットサロンを開設した」とし、「ネットサロンで最も多いのが、韓国外交に関する意見。安倍首相はおとといの施政方針演説で韓国外交に言及しなかった」とし「戦略的無視だ」と馬場さんの解釈を示しました。そのうえで馬場さんは「売られた喧嘩は買わなければならない」と演説し、場内がどよめきました。

 野田佳彦さんは「北方領土は日本固有の領土だが施政権はロシアに属する。きのうの総理の答弁では、ごにゃごにゃ言って分からなかった」と確認しました。首相は「北方領土は日本が主権を有する」という認識が過去からの政府見解だとしていますが、首相は「きのうは野次がうるさかった」と正面から受け止めませんでした。安倍さんが官房副長官として訪朝した際は、田中均・アジア局長が歴史に名を残したくて暴走したとされていますが、ロシア交渉も一部の外交官が小村寿太郎のように教科書に自分の名前を載せたくて、暴走しているのでしょう。

 この後、園田博之さんへの追悼演説がありました。渡海紀三朗さんは「さきがけ時代の仲間との食事会では旺盛な食欲をみせており、入院したと聞いて、三原朝彦さんと一度お見舞いに行こうと思っていたがかなわなかった」と語りました。新党さきがけ結党メンバー10名のうち2名が鬼籍に入られたようです。新生党はもっと鬼籍に入られた方が多いですが、新生党に比べれば選挙地盤が薄弱だったさきがけの10名は相当な勇気の持ち主だったのだな、と平成の終わりに感じました。

 北川知克さんへの追悼演説。伊藤信太郎さんは「父の代から同じ政治グループ(河本派・番町研)に属しており、北川家と伊藤家は深い仲にある」としました。大島理森議長も、自民党で最も弱かった河本派に属していましたが、北川さんと伊藤さんは、今は第2派閥の麻生派・志高会に身を寄せていることになります。そんな弱小派閥の世襲議員の追悼演説は、比例繰り上げ当選を待つときの心境など、当人以外はどうでもいい話で、自民党中堅のレベルの低さを感じさせました。散会。

【参議院議院運営委員会 同日】

 開かれました。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 理事会と委員会が開かれました。また、衆議院厚生労働委員会も、理事懇談会を開きました。

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1月30日(水)のつぶやき

2019年01月31日 01時51分36秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

「新聞電子版」と「インターネット上の情報提供サイト」との合理的・明確な線引きは無い、首相が答弁

2019年01月30日 17時03分29秒 | マスコミ批評

 首相は

 「電子版の新聞と、他のインターネット上の情報提供サイトとの間で合理的かつ明確な線引きが困難だ」

 と答弁しました。

  きょう平成31年2019年1月30日(水)の衆議院本会議(議事録は第2号)。前々日の施政方針演説に対する玉木雄一郎・国民民主党代表の質問。「新聞は、消費税率(10%に引き上げが法定)が上がっても、軽減税率が8%に据え置かれるが、なぜ新聞電子版は10%なのか」ことに関する安倍晋三首相の答弁に盛り込まれたものです。

 例えば、10月以降、「日経電子版」は消費税率10%ですが、「宮崎信行の今後の政治日程」も、10%。NHKインターネット常時同時配信も10%になります(NHKは料金そのものを引き下げの予定)。

 マスコミ4媒体のうち、テレビは有限、新聞はほぼ有限、ラジオは有限、インターネットは無限です。なので、インターネット上の情報提供サイトは、まるっきりマネタイズ(課金)はできていない現状だと思います。政治報道としては、他の媒体もさっぱり収益は上がっていないと考えられます。最近、ブロック紙出身のジャーナリスト(43歳)が新聞からネット媒体に移るには「40歳前がいい」という発信をしていましたが、経営者も兼ねる私としては、「年収」という大きな価値からすれば、年齢を問わず、正社員記者(編集職)は絶対に新聞社は辞めない方がいいと考えます。

  さはさりながら、新聞電子版とこのブログは線引きが難しいそうですから、頑張ります。放送法第4条が適用されないようにしたいところです。

 私としては、現在の「一人の新聞ヘビー購読者」という立場・経済的環境としては、新聞の消費税率は教科書同様に消費税法別表と同じ「0%」にしたらいいというのが本音ですけどね。

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安倍首相、民主党政権との比較は封印、終始ていねいな答弁、枝野幸男さん、玉木雄一郎さんら代表質問

2019年01月30日 16時34分41秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

【衆議院本会議 平成31年2019年1月30日(水)】

 第198回通常国会は3日目で、施政方針演説など4演説に対する代表質問が始まりました。

 枝野幸男・立憲民主党代表、二階俊博・自民党幹事長、玉木雄一郎・国民民主党代表の3人が質問しました。

●首相、民主党政権との比較は封印。

 首相はおとといと同じ、地味な黒系統のネクタイを締め、眼鏡(メガネ)をかけて答弁。これまでのように、「民主党政権時代との比較」は封印。連合については、会長とのトップ会談などで「切り崩し」ができたとの認識もあってか、毎月勤労統計の調査の根拠として固有名詞を出すだけで、「民主党の支持団体の」というような言葉は使いませんでした。

●立憲枝野代表は10分間は質問せず党の共生社会をアピール。

 立憲の枝野代表は、冒頭10分間は、質問せず党の立ち位置を強調。経済政策では新しい付加価値を生み出すことが可能になるよう、同調圧力などのない、多様性のある社会をめざすとしました。

●厚労相罷免は拒否。

 質疑では、まず、不適切統計について「国家の基礎がゆらいでいる」と強調し、予算案の組み替えが必要になったのに、根本匠・厚労相の首相への報告が遅かったのではないかとただしました。これについて、首相と官房長官は「12月28日に秘書官から報告を受けた」と答弁。根本大臣は「一報を受けたときに予算案との関係性は判断できなかった」とし「私としては統計部門だけの問題ではなく省全体の問題として信頼回復を指揮する」としました。安倍首相は先週の閉会中審査での厚生労働省の答弁(おもに定塚由美子・官房長の第三者委員会報告書をめぐる答弁を念頭)について「厚生労働省の答弁は間違いであり、慎重な答弁を必要とする」と語りました。自民党の二階幹事長もこの問題に言及しました。

●沖縄では丁寧な答弁。

 NHK日曜討論での新年党首インタビューで、昨年末の辺野古新基地建設のための土砂投入の前に、(一部の)サンゴを移植したことについて、沖縄県知事らから認識の違いがあると指摘され、NHKがニュース番組のなかで、フォローを迫られた案件。枝野代表は「首相が言った、あそこのサンゴ、とは具体的にどこか」とただしました。首相の答弁は埋め立て地は広範囲で、長期間の閉鎖が必要になるなどとして、長時間にわたり経緯を説明し、この問題にナーバスになっていることをうかがえわせました。玉木さんからの日米地位協定による外国軍への国内法適用に関する外務省の説明変更についても、安倍さんは時間をかけて答弁しました。

●「兵器ローン」の表現は「間違いだ」と断定。

 枝野代表が、防衛省の歳出の国庫債務負担行為設定にともなう後年度負担について言及。首相は「武器ローンと言ったが、自動車ローンなら初めに車の所有権は移転しているが、装備の所有権が初めに国に移転しているわけではない」という趣旨の答弁をし、「ローンと表現するのは間違いだ」と明言しました。

●「ファーウェイ」の安全保障上の排除。

 玉木代表は、中国のスマホ大手「ファーウェイ」製品を、アメリカが安全保障上の理由で排除し、日本が同調したことについて、「アメリカによるデカップリング(経済圏からの締め出し)について、他の同盟国ではしていない国もある」と指摘しました。首相は「WTOルールに整合すべきだ」と答弁し、米中貿易摩擦について、アメリカ側の立場も尊重しながら、自由貿易体制を維持する姿勢を強調しました。

●憲法改正では衆議院憲法審査会に出てきて。

 玉木代表が憲法改正について質問すると、安倍首相は「衆議院憲法審査会に出てきて、自民党の議員と議論してほしい」とかわし、この問答は、首相の説得力に軍配が上がった感じがします。

●北方領土は主権の及ぶ領土。

 首相が二島先行返還(全面積の7%)に前のめりになっていると懸念されていることについて、枝野、玉木両代表が言及。首相は「北方領土は我が国が主権を有する島々であり、その態度は変わりない」としました。我が国が所有権・領有権をもつ「日本固有の領土」からは微修正があったとのことで、首相の「その態度は変わりない」は明確に虚偽答弁だ、と私は感じました。

 動議が出て、これ以外の政党の代表質問は、あす午後2時から行われることになりました。

【参議院 同日】

 ありません。あすは午前10時から代表質問。

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麻生太郎副総理「連合」の正式名称を誤答弁

2019年01月30日 15時58分10秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 麻生太郎副総理は、衆議院本会議で、国民民主党代表の質疑に対する答弁で、「連合、日本労働組合総連合のことですが」と、連合の正式名称を間違えました。

 連合の正式名称は「日本労働組合総連合会」。

 全労連、「全国労働組合総連合」の語尾と混同した可能性があります。この混同、実は、立憲民主党・国民民主党・社民党・自由党の秘書でもよくあります。

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安倍晋三首相が眼鏡(メガネ)をかけて答弁、俳優・小泉孝太郎さん宣伝の「ハズキルーペ」では無いもよう

2019年01月30日 14時50分21秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 安倍晋三首相が眼鏡をかけて答弁。

 第198回通常国会3日目。

 代表質問の中で、安倍さんは、眼鏡をかけて答弁しました。

 見た目は若いが、64歳の安倍さん。

 安倍さんを引き上げた小泉純一郎元首相の長男、俳優の小泉孝太郎さんらがCMで「ハズキルーペ」を宣伝。テレビCMのヘビーローテーションという伝統的な手法で、きょう現在、社会はハズキルーペの話題でもちきりです。

 長期安定政権で、若さをアピールする必要も減ったということでしょうか。

 もちろん大事なのは見てくれよりも、答弁・施策の中身です。


[画像]小泉孝太郎さんが宣伝する、ハズキルーペ、公式サイトから。 

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2015年改正裁判員法の「3年後見直し規定」にもとづく「裁判員制度の施行状況等に関する検討会」今月発足、改正法案検討へ

2019年01月30日 11時37分55秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」

[写真]法務省、今月、宮崎信行撮影。

 「裁判員制度の施行状況等に関する検討会」が法務省内に設置され、平成31年2019年1月16日(水)初会合がありました。

 これは、2015年安保国会で、衆議院法務委員会(柴山昌彦・与党、山尾志桜里・野党両筆頭理事)で、審議されたもので、政府原案に初めからあった「附則による、3年後見直し規定」が成立しました。この3年後見直し規定にもとづき、検討会が設置されました。最高裁判所事務総局を代弁する格好で東京地方裁判所部総括判事、検察庁からは、東京高等検察庁部長、警察庁からは刑事局課長が委員に名を連ねました。初回会合では、2015年の衆参法務委の附帯決議も配られました。

 法相は15日の記者会見で「この検討会は刑事局が裁判員法一部改正法に基づく検討作業を行うに当たって、意見交換を重ねていただき、その作業に必要な協力をお願いするものです。いつまで継続するかや検討結果を取りまとめるかどうかについては,議論の状況にもよりますので、現段階では未定であると申し上げます」と語りました。

 但し、NHKの今月の「クローズアップ現代」で、裁判員を拒んだ人のファイルを整理する職員の姿などの取材映像などを公開しており、法務省内に改善を求める機運があるようにみてとれます。

 また、恐怖人事・忖度がはびこると指摘されている、最高裁事務総局による対応にも注視が必要かもしれません。

 附帯決議は、調査局作成の原案を、国会議員としては、山尾志桜里さん、井出庸生さん、小川敏夫さん、有田芳生さん、真山勇一さんらがかかわったのではないか、と考えます。

 以下は、衆参両院の法務委付帯決議をつけて、この記事の本文は終わります。

[2015年の改正裁判員法についての衆参法務委の附帯決議、法務省作成のホームページから全文引用はじめ]

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年

法律第37号)に対する附帯決議(衆議院法務委員会)
政府及び最高裁判所は,本法の施行に当たり,次の事項について格段の配慮
をすべきである。
一 長期間の審判を要する事件等は,国民の関心が高く,社会への影響も大き
い事件が多いことから,裁判員制度が創設された目的に鑑み,その除外決定
は極めて例外的な措置であることなど,本法の趣旨の周知徹底に努めること。
二 審判に著しい長期間を要する事件等の対象事件からの除外決定は極めて例
外的な措置であることに鑑み,除外の要否の検討を行う前提として,関係者
の協力の下,公判前整理手続等において必要な審判期間及び公判期日等につ
いての十分な検討を行うとともに,できる限り裁判員等選任手続の実施を図
り,裁判員裁判を実施するために最大限の努力を尽くすことなど,本法の趣
旨に沿った運用がなされるよう周知徹底に努めること。
三 本法の附則に基づく三年経過後の検討の場を設けるに当たっては,国民の
視点からの見直しの議論が行われるよう,裁判員経験者,犯罪被害者等の意
見が反映されることとなるように,十分に配慮すること。
四 裁判員裁判の円滑な実施を図るため,裁判員制度施行後の辞退率の上昇及
び出席率の低下について十分な検討を加え,必要な措置を講じること。
五 事業者による特別な有給休暇制度の導入などの職場環境改善の促進,保育
所・学童保育等を日常的に利用していない者がこれらの施設を利用すること
の確保等,できる限り国民が裁判員として裁判に参加できるような環境の構
築に向けて,更に積極的に取り組むこと。
六 国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に訴訟手続を行う制度の在り
方について,差し当たり刑事訴訟手続における国民参加の制度である裁判員
制度が導入されたことに鑑み,国民の司法に対する理解・支持を更に深め,
司法の国民的基盤をより強固なものとして確立するため,広範な視点に立っ
て検討を行うこと。
七 本法の附則に基づく三年経過後の検討に当たっては,死刑事件についての
裁判員制度の在り方,性犯罪についての対象事件からの除外などの犯罪被害
者等の保護の在り方,否認事件への裁判員参加の在り方,裁判員等の守秘義
務の在り方等,当委員会において議論となった個別の論点については,引き
続き裁判員制度の運用を注視し,十分な検討を行うこと。
八 裁判員制度施行後における殺人罪及び強盗致死傷罪等の起訴率の低下と制
度の影響との因果関係について,本法の附則に基づく検討までに検証を行う
こと。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律の一部を改正する法律(平成27年
法律第37号)に対する附帯決議(参議院法務委員会)
政府及び最高裁判所は,本法の施行に当たり,次の事項について格段の配慮
をすべきである。
一 長期間の審判を要する事件等の裁判員対象事件からの除外手続について
は,司法の国民的基盤の確立を目的とする裁判員制度の趣旨に鑑み,その決
定は極めて例外的な措置であることを踏まえた的確な運用がなされるよう周
知徹底すること。
二 裁判員制度施行後の辞退率の上昇及び出席率の低下について十分な調査を
行うとともに,裁判員裁判に対する国民の参加意欲を高めるため,法教育や
裁判員制度の意義及び内容に関する広報啓発活動を拡充し,裁判員経験者の
体験を広く国民が共有できるよう努めること。
三 裁判員の心理的負担を緩和するための方策の推進及び裁判員等の守秘義務
の範囲の明確化について更に取り組むとともに,裁判員制度の運用を注視し
つつ,守秘義務の在り方全般にわたって引き続き十分な検討を行うこと。
四 地方公共団体,企業等との協力体制を強化して,特別な有給休暇制度の導
入や託児・介護施設の優先的利用等,仕事や家庭を持つ国民が裁判員等とし
て活動しやすい環境の整備について更に積極的に取り組むこと。
五 本法附則に基づく三年経過後の検討の場を設けるに当たっては,国民の視
点からの見直しの議論が行われることの重要性を踏まえ,裁判員経験者,犯
罪被害者,法廷通訳人などの裁判員裁判関係者の意見が反映されるようにす
ること。
六 当該検討に当たっては,国民の司法に対する理解・支持を更に深め,司法
の国民的基盤をより強固なものとして確立する観点から,裁判員制度の対象
の範囲,死刑事件についての裁判員制度の在り方,公判前整理手続の在り方
等について着目し,十分な検討を行うこと。

[2015年の改正裁判員法についての衆参法務委の附帯決議、法務省作成のホームページから全文引用おわり]

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「給特法」はいってん改正の方向、「教員の変形労働制の関連法案」に盛り込みへ、「残業代が増える減るの話では無い」と文科省、改元後、秋の臨時国会or来年の通常国会に提出へ

2019年01月30日 11時07分31秒 | 第199第200回臨時国会(2019年8月から12月)

[写真]文部科学省、きょねん9月、宮崎信行撮影。

 文部科学省は「給特法」の改正の検討を始めました。

 筆者・宮崎信行の取材に対して、初等中等局(初中局)財務課が認めました。

 きのう、平成31年2019年1月29日(火)、大臣が本部長の「学校における働き方改革推進本部」の初会合が省内で開かれました。審議会の答申である、「月45時間以内年360時間以内の時間外勤務」を可能とする、教員の変形労働制導入には、法改正が必要で、この中で、「給特法」(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の改正の検討が必要だとの認識が共有されました。

 審議会の答申では、「給特法の改正は必要ない」とのニュアンスに感じました。省内では「教員の残業代が増えるとか減るとかの話ではない」(初中局財務課)とのことですが、本来は公務員には認められていない変形労働制を実施するために「根拠」として、法律の精査が必要だ、との方向性が確立されました。現在のインターネット署名の「改正」は「廃止」ということでしょうが、逆の意味で「改正」という道筋になってきました。

 関連法を一括改正する法案として、ことし2019年秋の臨時国会や、来年2020年の通常国会の「日切れ指定」などで提出されるとみられます。

 これとは別に、来年度予算案では部活の指導の補助をする人の大幅増員が盛り込まれています。幼児教育無償化と、高校無償化のはざまで、義務教育教員の環境をめぐって、平成から新元号にかけて、教育にとって大きな議論が国会の内外で起こりそうです。

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1月29日(火)のつぶやき

2019年01月30日 01時52分29秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

岡田克也さん「小沢一郎さんなら1人区全部で野党候補の調整できるかも」「国民の間で安倍内閣への怒りは強く、野党がまとまれば風が吹く」

2019年01月29日 22時42分48秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんは、きょう、平成31年2019年1月29日(火)、BS11(ビーエスイレブン)の「インサイドアウト」に出演しました。

 10年前、岡田さんは政権交代が確実だった、2009年8月4日のこの番組で、「米国債は売らない」と断定し、新政権への市場の懸念を払しょくしました。


[写真]政権交代直前の、民主党の岡田克也幹事長、2009年8月4日、BS11インサイドアウト、宮崎信行撮影。


[写真]きょうの岡田克也・衆議院議員、2019年1月29日、BS11インサイドアウト、宮崎信行撮影。

 10年経って、コンタクトレンズをメガネに戻した以外は、あまり変わらないといった印象です。この番組は、10年前は毎日新聞の松田記者だったのですが、今は元よみうりテレビの岩田さん、ということで、我々政治記者界隈の地位はこの10年でやや下がったか、いろいろありましたからね。

 きのう安倍首相の施政方針演説について、岩田さんの問いに答えて、岡田さんは「平成の次の時代をきりひらく、と同じフレーズを繰り返した。それは良い。しかし、国民に対して責任を持てというよりも、リーダーとしてどうすべきかを語らなければならない」としました。バラマキを明言したことについては「参院選対策だ」と一刀両断。「国民に責任を持て、というのに冗談じゃない」と語調を荒げました。

 きょうの番組の特集は、「平成政治をどう総括?目指す政治改革は?」。

 岡田さんよりも10歳以上年上の戦中生まれ、小沢一郎さんが、国民民主党の玉木雄一郎さんと合流することで合意し、報道では「小沢一郎・国民民主党幹事長論」が浮上しています(玉木代表、平野博文同党幹事長らは否定)。

 岡田さんは、公の場の発言ではひさしぶりに「小沢さん」の名に言及。岡田さんは、半年後の参院選1人区について「小沢さんなら一人区で統一候補をつくれるかもしれませんね」と期待を示しました。ニュアンスとしては岩田さんの質問に対して、否定はしない、くらいのニュアンスです。岡田代表は3年前に野党完全統一を完成させてましたが、直後に、なぜか都知事選の不振で突き上げられ、都知事選投票日前に辞任してしまいました。なので、今回は、主導権をとるつもりはありません、当たり前ですね。

 岡田さんは「小沢先生にとっては、国民民主党の党本部の100億円、職員、県連スタッフがあると、自らの力を発揮させる力を持てる」との分析を示しました。司会の岩田さんや、同席した川上和久・元明治学院大学教授が、小沢さんの過去の経緯に触れたことについてはうなづきながらも、岡田さんは「野党が結束すればいい」と前向きな姿勢を隠しませんでした。

 7月21日投開票の参院選について「国民の間に、安倍政権のおごりへの怒りがあるのは間違いない」とし、野党が候補者調整できれば、「野党がまとまれば風が吹く」との認識を示しました。

 岡田さんは現在、政党を代表する立場にありませんので、志位委員長や連合への言及は一切ありませんでした。なお、最後の今日のニュースで「細野豪志さんが自民党二階派入りへ」については、岩田さんが景気のニュースを岡田さんにふったので、何もコメントはありませんでした。

 で、岡田さんは参院選で「立憲、国民、無所属の人を人物本位で応援に行くというフリーハンドを維持したい」と語りました。1時間近い番組ですので、「フリーハンド」というところにちょっと、岡田さん個人の本音が出てしまったかもしれません。

 BS11の話はこの辺で。
 


 昨年末異例のことがありました。衆議院第一議員会館内で、先の臨時国会中、岡田さんは、オンレコの定例記者懇談会、というものを開いていたのですが、そこで、上の「井村屋のえいようかん」というものが配布されました。岡田事務所がなんか配るのは異例ですが、このようかん5本入りの1箱は、帰宅して調べたら、アマゾンで税込で総額432円のものでした。岡田さんは名指しを避けながらも、民進党から希望の党への合流を持ち掛けたその当時の前原誠司代表を激しく批判しました。



 で、岡田さんがつくりぶち壊された、旧民進党のキャラクターが「ミンシン」くん=おととし2017年3月9日、党本部内で、宮崎信行撮影=。このミンシン君の角の部分と、井村屋のロゴが似ているとの指摘が出て、枝野幸男幹事長(当時)からの依頼で、三重県連の岡田克也代表(当時)が井村屋さんに電話して、了承を得ました。

 このミンシンに似た、井村屋のようかんには、「5年保存」ということで、非常食になるようです。岡田さんが平成の終わりに「5年保存」を記者に配った理由は分かりません。朝日新聞記者から「立憲民主党・無所属フォーラムになっても、この懇談会を続けてほしい」との依頼を受けた岡田さんは、枝野幸男代表との「ワンボイス」にしたいと、今年以降の開催を拒みました。 

 私・宮崎信行としては、面と向かって言えませんが、岡田先生も、応援演説に行ったら、陣中見舞いとして、こちらの井村屋さんの「えいようかん」100箱(500本)だといくらなんでも重いですから、同等の、陣中見舞い5万円くらいは持っていって、収支報告書に書くくらいのことはやったらどうだい、と思います。亡き仙谷由人さんから初出馬の前に30万円振り込んでもらった、という話を、葬儀告別式に前後してかなり聞きましたので。で、まあ、面と向かって言えと言われるかもしれませんが、そんなこと言えるわけないですね。私としては、今後、井村屋さんの「えいようかん5年保存」については、今後、自費でアマゾンで買って、まず亡父の仏壇に供えて、その後、非常用の防災食にしていきたいと思います。おいしかったですよ。

 最後にもう一度BS11の番組に戻って、岡田さんは衆議院での政権交代後の枝野幸男首相について、「当然ですね。第一党の党首なんですから」と断言しました。

 10年前のBS11インサイドアウトを全文引用して、この記事は終わります。

[2009年8月付の当ブログ内記事から全文引用はじめ]



◎岡田幹事長が「米国債は売らない」と断言

2009年08月05日 00時38分26秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代



 民主党幹事長の岡田克也さんは4日放送のBS11「インサイドアウト」に出演しました。このなかで、

 「米国債を売るという選択は当面ない」と断言。

 「ずっと持ち続けるという前提」だと話しました。

 「当面」と付け加えたのは政策判断の手足を縛られないためであって、事実上100%ないという意味合いにとっていい、と僕は思いました。

 米国債について、
 「含み損もある(から売れないという側面もある)が、」としながら、それも含めて、内外金利差による運用益も期待できるとの認識を示しました。

 外為特会(外貨準備高)はおよそ100兆円で、その8割以上が米国債とみられます

 財務省所管の外為特会(外国為替資金特別会計)と財投特会(財政投融資特別会計)は「毎年コンスタントに運用益が出ている」とし、“埋蔵金”として、子ども手当などの財源に活用する考えを示しました。財投特会は運用利殖金収入というのが4兆2500億円ありますが、僕は財投特会に関しては不勉強です。

 外為特会の運用益3兆3000億円は、ストックではなく、フローのお金ですから、毎年、必ず出てきます。外貨準備高を取り崩さなくても、毎年、毎年、3兆3000億円がドンドン出てきます(^_^)v

 平成21年度特別会計書の171ページ~173ページによると、財務省は今年度3兆3000億円近くの運用益(利子収入)を見込んでいます。外為特会すなわち外準の8割以上はドル建て米国債だとされています。

 ちなみに、この米国債のほとんどは市場で流通している30年物とは違い、アメリカ財務省と日本財務省間の帳簿上のやりとりだけで、証券は存在しないようなんです。自民党54年長期政権が伏魔殿に隠した、ベールに包まれた存在です。

 とはいえ、外準取り崩し、すなわち米国債大量売却は金融市場を混乱させます。また、日本とアメリカは同盟国でありながらも、対等な関係ではなく、米国が上、日本が下の立場であることも現実として認めるべきでしょう。

 外為特会の予算書を見ると、歳入(収入)が3兆4197億円ありながら、歳出(支出)は1兆6431億円しか計上されていません。

 実に人を馬鹿にした“帳簿”です。民間企業がこんな申告をしたら、同じ財務省敷地内にある国税庁が飛んできます。この外為特会の歳入と歳出の差額(1兆7000億円)はどこに消えているのでしょう? 仮に政権交代したら、民主党大臣が乗り込んで、金庫を開け、情報の把握につとめないといけません。

 ◇

 岡田さんは同番組で、全国10カ所で開いているマニフェスト説明会での意見について、「謙虚に耳を傾けて」、最終版マニフェスト(8月18日公示日以降に配布可能)に反映させる考えを示しました。が、マニフェストが大きく変化することはないとしました。

 ◇

 岡田さんは「官僚はけしからんが、族議員はもっとけしからん」、「大臣よりも族議員の方が影響力があり、中には元首相もいる」と述べ、脱官僚よりも族議員を退治する必要性も指摘しました。鳩山政権の政権構想の原則2「政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ」です。族議員の退治で、「官僚はホッとするんじゃないですか」としました。小沢一郎さんらがスローガンとして訴えている“霞が関解体”について、民主党幹部の一人として、霞が関操縦のバランスをとった発言でしょう。

 岡田さんは最近の例として、石破農相が減反選択制を主張しながら話が消えたのは、農林族議員のせいだと指摘しました。麻生首相が「幼保一元化」を唱えたのに頓挫したのも文教族の影響力があるとの認識を示しました。

 麻生首相は文教族議員ですが、文教族のドンは森喜朗元首相(石川2区)です。自民党政治は、首相よりえらい族議員が決めていると批判したのだと、僕は感じました。




[2009年8月付の当ブログ内記事から全文引用おわり]

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異例の参議院決算質疑から国会論戦スタート、統計で新しい話は無し、第198回通常国会

2019年01月29日 17時34分32秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]参議院本会議場の速記者の出入り口、おととし、宮崎信行撮影。

 施政方針演説は、質問通告日として1日明けることが多いのですが、今年は異例のはこびで、参議院で、平成29年度決算の全般質疑2時間コースから始まりました。

【参議院本会議 平成31年2019年1月29日(火)】

 「平成29年度決算」が、麻生太郎財務大臣から説明されました。

 これに対する代表質問がありました。自民党では熊本で改選を迎える、馬場成志さん(岸田派)が、「厚労省の政務官を経験した者として遺憾だ」とし「全世代型社会保障への展開が大事だ」「熊本地震の復興が大事だ」としました。根本匠・厚労相は、きょうは、平謝りの姿勢を、各質問者に通しました。前参議院議院運営委員長である、山本順三防災相は地震の復興に関して話しました。

 広島で改選を迎える、森本真治さんは、日本が核兵器禁止条約に署名しなかった理由について問いました。厚労省の問題では「ギリシャ危機は統計の問題から始まった」と指摘。風間直樹さんは、新潟選挙区不出馬を表明していますが、風間さんは「統計の問題は、違法行為だ」と指摘。会計検査院OBOGの天下りについて、人事院総裁が7年ぶりに本会議壇上に上がりましたが、明快な答弁はありませんでした。

 その後の質疑で、厚労相は「地方自治体のヒアリングもする」「私が先頭に立ち、組織を挙げて信頼回復につとめる」などと答弁しました。

 きょう、なにか新しいことがでてきた、ということは無いと思います。こういうの、新部記者時代に「とくに何も無かった」と報告して有ったら、デスクから罵声を浴びていましたから、トラウマであまり言わないのですが、今は自由な立場ですから、統計問題で、新しい話は出てきませんでした。散会。

【参議院決算委員会 同日】

 石井みどり委員長(竹下派)は、今夏不出馬で、日本歯科医師会の凋落を感じます。しかし、麻生派がやむなく人数が減り、竹下派が再び自民党第二派閥に。田中角栄さんの流れを汲む、竹下派・二階派が合併すると、細田派を凌駕する最大派閥ですから、新元号のもと、新世紀で初めて竹下派の時代が来るかもしれません。

 「平成29年度決算」について、麻生財務大臣が説明。柳麻里・会計検査院長らが就任のあいさつをしました。検査報告で、柳院長は、エネルギー特別会計から独立行政法人JOGMEC機構への拠出金が毎年執行残が出ており、資源開発会社へのリスクマネー供給にあたり、JOGMECはよく見積もるべきだとする検査結果などを報告しました。散会。


【衆議院 同日】

 ありませんでした。

【議案課 前日】

 政府から提出された「第2次補正予算案関連の地方交付税総額特例法案」は議案番号が、「198閣法1号」となりました。法案の正式なタイトルは、総務省のホームページ、両院のホームページなどで、確認してください。

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1月28日(月)のつぶやき その2

2019年01月29日 01時50分52秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

1月28日(月)のつぶやき その1

2019年01月29日 01時50分51秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

第198回通常国会は河野太郎外相の「大使公邸に腕の良い料理人を集める」という不毛な決意の演説からスタート、松岡利勝さん13回忌だが自殺者はでない国会であってほしい

2019年01月28日 18時03分45秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

[写真]河野太郎外相、参議院本会議、きょう、参議院インターネット審議中継から宮崎信行がスクリーンショット。

 第198回通常国会が、きょう、平成31年2019年1月28日(月)召集されました。

 異例のはこびですが、あすは、参議院本会議で決算に関する代表質問があります。

 日本では出る杭は打たれますが、出過ぎた杭は打たれない、そうです。忖度の空気の上の雲の上まで突き抜けて、この150日間も書いていこうと思います。

 【宮崎信行】空気の上の雲を越えて

 4日前の記事で、毎月勤労統計の不適切な調査に関する初の国会審議(閉会中審査)で、今月発足した第三者委員会の話が炎上した、としました。きょう召集日の朝日新聞1面トップは、そのヒアリングに、厚生労働省の定塚由美子官房長(56歳、東大法、昭和59年労働省採用)が同席していた、と報じました。労働省採用の女性官僚はさされやすいのかもしれませんが、想定外で、呆れはてる内容で、逆に関心が薄まりやしないかと心配です。

 陛下、明仁さまにとっても、最後の国会開会式。「菊のタブー」もあるのか報道されていませんが、陛下の父、裕仁さまは、96年前、開会式(開院式)に向かう途中に暗殺未遂にあっています。散弾銃は車を通過して侍従がけがをしながら裕仁さまは、「気づかなかった」とおとぼけ。容疑者は衆議院議員の子ども。警視庁は、容疑者を袋叩きにする群衆の整理の方が大変だったそうです。父は当日議員辞職し、帰郷、断食して餓死。これにより、関東大震災の補正予算案の審議が遅れ、暗い時代へと突入しました。このため、戦後の国会法では、召集詔書に書かれた日に、自動的に国会の会期がカウントされるようになったので、天皇陛下が国会に来る法律上の必要性は全くありませんが、きょうも、陛下は国会へ。

 安倍晋三首相の施政方針演説は、7年連続。さすがに新味はないのですが、きょねんの「明治維新と戊辰戦争」のタブー破りから打って変わって、しっかりと代替わりをしていくことを明言しました。幼児教育と高校の無償化で、アベノミクスは完成するとしました。「今こそ自由貿易の旗を高く掲げなければならない」としました。安倍さんの言い方としては、トーンダウンで、トランプさんに配慮か。法案提出を見送った「会社法」と「携帯電話料金4割値下げ」については、首相の口で言わせることで、路線を敷こうとする省の考えが、短冊から透けて見えたような感想も持ちました。

 安倍さんにとっては、12年前の国会で、「なんとか還元水」で松岡利勝農相(伊吹派)が自殺してしまったことがありました。13回忌ということになるでしょう。きょねんは、近畿財務局職員が自殺し、その遺書を内閣官房副長官が入手し、国税庁長官に読ませるというえげつない事態が起きました。なぜ、96年も前の摂政が今の天皇陛下の父だったのだろうと思いをはせると、大正デモクラシーでは坂の上の雲(日露戦争)からの転落が始まっていたので精神に支障をきたす人が多かったため代替わりし、戦争で多くの人が亡くなったものの、経済発展で寿命が延びた。なので、今の日本では世代交代が遅れて、80歳を過ぎた政策決定者が多く残っているのでしょう。松岡さんの13回忌を迎えるにあたって、自殺者が出ることで、物事が動くようなことはあってほしくないと考えます。

 河野太郎外相の外交演説では、「中東に負の歴史を持たない日本が、中東の平和と安定に一層の役割を果たす」「外務省に良い人材を集める」「腕のよい料理人を、大使公邸に集める」など、さっぱり訳の分からない珍演説を展開しました。もっともらしいことを言って、大局を間違えている政治家であり、日本はこういう人が多いですから、気を付けないといけないです。

 麻生太郎財務相の財政演説についてですが、同じことを思っている人が多いと思いますが、平成31年度予算案の説明の後で、平成30年度第2次補正予算案の演説をするのは順序が逆にように感じます。

 茂木敏充・経財相の経済演説ですが、茂木さんは竹下派の緊急会合で真ん中に座ったようで、意気軒高という感じでした。


【衆議院本会議 平成31年2019年1月28日(月)】

 特別委員会は従来を維持して設置されました。

 樽床伸二さんから議員辞職届が提出され、了承されました。衆議院先例85では、辞職願には理由をつけることにしています。「今般行われる、(衆議院議員)大阪12区(補欠)選挙立候補のため」。過去には「知事選立候補のため」は多数先例がありますが、「衆院選出馬のため」はかなり珍しいようです。

 中尾栄一さんへの弔詞が朗読されました。


 この後、上述の通り、安倍晋三首相の施政方針演説、河野太郎外相の外交演説、麻生太郎財務相の財政演説、茂木敏充経財相の経済演説。議事進行係の星野剛士さんの動議で「30日午後1時から質疑を行う」ことが決まり、散会しました。毎年同じことを書いていますが、きょうの、ことし最初のNHK国会中継で発言した6人は全員自民党員だったことになります。

【参議院本会議 同日】

 院の構成が変わったため、懲罰委員長ポストが自民党から、「維新・希望」の室井邦彦さんに移りました。特別委員会は従来通り決まりました。再開後は、安倍晋三首相の施政方針演説。河野外相の外交演説で、上述の内容をめぐって、森裕子さんらからかなり野次が飛びました。麻生太郎財務相の財政演説、茂木敏充・経財相の経済演説がありました。伊達忠一議長が「質疑は後日にする」とはかり、散会しました。

【衆議院各特別委員会 同日】

  委員長を互選しました。

【参議院各特別委員会 同日】

 委員長を互選しました。徳永エリ・東日本大震災復興特別委員長は、委員派遣を決めました。渡辺猛之・政治倫理の確立及び選挙制度改革に関する特別委員長は、亡くなった鴻池祥肇さんへの黙とうを呼びかけました。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 議長応接室、いわゆる「サロン」で開催。

【参議院議院運営委員会 同日】

 開催されました。

【両院・開会式 同日】

 参議院本会議場で行われました。

【政府 閣議 同日】

 第2次補正予算案に関連した、地方交付税法改正案を閣議決定し、国会に提出。

 首相の施政方針演説→こちら

 平成31年度予算書・予算参照書→こちら

 外交演説→こちら

 財政演説→こちら

 経済演説→こちら。 

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特別養子縁組の利用促進のための民法・児童福祉法など改正案提出確定、「15歳引き上げ」「児童相談所長が申し立てできる」

2019年01月27日 16時06分04秒 | 第198回通常国会2019年1月、改元、参院選へ激闘

 実親と子の法定関係を断つことができる「特別養子縁組」を、現行法の「6歳未満の子」から「15歳未満の子」に引き上げ、申し立てることができる人に児童相談所長を含める、民法と、児童福祉法などの改正法案が明日からの第198回2019年通常国会に提出されることになりました。

 法務省は先週、シンプルなタイトルの「民法等の一部を改正する法律案」(198閣法 号)を、3月中旬に提出すると国会に伝えました。

 報道を加味すると、法務省の「法制審議会特別養子制度部会」が来月、最終とりまとめをします。その「たたき台」が既に公開されています。国会に示した資料では「引き上げ」としかありませんが、2月の答申を受けて、「15歳未満の子」に年齢を引き上げる民法改正条項が盛り込まれることになります。

 厚労省が所管する児童福祉法についても改正され、児童相談所長が裁判所に申し立てることができます。裁判所では、手続きを2段階にします。第1段階では、実の親も加わり調べます。第2段階では、実親は加われず、その結果も知らされることはありません。

 厚労省は3年前の通常国会で児童養護施設よりも特別養子縁組の方向性へシフトしていく法案を提出しました。(当ブログ内関連エントリー

児童養護施設から特別養子縁組(里親)の方向へ、厚労省とりまとめ、児童福祉法改正案提出へ

)。

 その後、NPOが百万円強の手数料をとって6歳以上の養子縁組をあっせんしている実態が明るみになりました。しかし、NPO理事長は「百万円強の手数料で、本人も実親も里親も納得している。皆が得をしている」と新聞で語っており、説得力がありました。

 今後は6歳以上15歳未満の子でも、実親と法的関係を完全に断って、里親と一生暮らしていくことが可能になります。

 法案が2019年6月26日(水)までの会期中に審議を終えて成立するかどうかは、時間的には微妙で、おそらく難しいだろうと思いますが、年内に成立する公算がきわめて高いだろうと考えられます。

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