政権交代後の最初の論戦の舞台となった第173臨時国会が4日、終わりました。午前10時からの参院本会議は郵政株式売却凍結法を可決・成立させた後、いったん休憩。午後1時から衆院本会議の国会同意人事をこなした後、散会。参院本会議も自動的に散会となり、これで今年の国会は終わりました。
8月30日に政権交代が起こるなど、2009年の国会は憲政史上最も“暑い”国会になりました。
1月5日に通常国会が召集され、補正予算(定額給付金補正)を可決。この際、参院で、野党・民主党提出の修正予算案(定額給付金を歳出から除外)が可決されました。修正予算案が可決されたのは、現行憲法下、初めてのことでした。衆院では、政府案通りに再議決されました。
その後の当初予算案審議は、政権交代をめざして民主党予算委員12人が大活躍。菅直人筆頭理事、仙谷由人委員らが政府入り。2月24日の一般質疑では大島敦委員(現・内閣府副大臣)が「派遣とは辛さの外部委託だ」とする“派遣問答”をし、グッとくるものがありました。翌日の一般質疑では、筒井信隆委員が「きょうは、地球温暖化対策の問題を中心にお聞きする予定でございますが」と切り出したにも関わらず、石破農相と農業者戸別所得補償について論争になり、なんと42分後に本題に入るという出来事がありました。マニフェスト実現に向けたすさまじい執念を感じました。筒井さんは後日のTV入り集中審議で麻生首相から「私は総務相時代に郵政4分社化に反対だった」という答弁を引き出すヒットにつながりました。
当初予算案の討論(反対)には、民主党で初めて1回生から逢坂誠二委員が本会議に登壇する談論風発デモクラシーの到来を示しました。参院予算委で筆頭理事を務めた峰崎直樹さんも政府入りするなど、新しい人材が登場しました。補正・当初予算審議の中で、財務副大臣、財務大臣のクビを、大塚耕平・参院財政金融委員会筆頭理事らが取るという、政策オタクからの脱却もみられました。
民主党は結党以来、政府予算案をすべて年度内に成立する「健全野党」ぶりを発揮し、「第1期野党生活」を卒業しました。
7月21日、衆議院解散。8月18日第45回衆院選公示。同月30日、政権交代。
第172特別国会が9月16日、召集され、鳩山由紀夫さんが内閣総理大臣に。残念ながらこの国会は4日間で占めてしまいました。
第173臨時国会は10月26日に召集。鳩山総理は所信表明を「あの暑い夏の総選挙から2ヶ月が経ちました」と切り出しました。年金制度への言及の中で、「ミスが起こっても、それを隠さずに」。そして日本社会は「誰もが誰もを知っている共同体」から、誰かが誰かを知っている共同体」へと、東京生まれらしい村社会からの脱却を宣言しました。さて、現在の与党・民主党にそれができているでしょうか。まずは政治家自らが襟を正さねば国民はついて行きません。
代表質問では自民党の西村康稔議員が長妻昭厚労相の担当事務が多いことをやり玉にあげて、「大変でしょう、代わって上げますよ」と挑発。その上で、「あの過酷な夏の悔しさをバネに自民党の再生を図っていきます」と演説を締めくくり、二大政党デモクラシーの到来を感じさせました。
その後は、民主党の山岡賢次・三井辨雄正副国対委員長らの不手際が連発し、自民党の川崎二郎国対委員長らが徹底抗戦に出る隙を与えました。同党の政権復帰にかけるすさまじい執念を感じさせ、自民党が民主党を土俵際付近まで追い込んだところで、2009年国会は閉幕しました。
来年の通常国会は1月中旬に召集されると思います。第二次補正予算案、来年度予算案がありますが、まずは国家行政組織法改正案を先に審議してほしいと思います。
私自身、さまざまな変化に立ち会え、国会傍聴を通して自分自身が大きく成長することができました。憲政史上最大の激変だった2009年、平成20年。二大政党による政権交代が当たり前のデモクラシーが確立し、2度とこのような激変がなくていいように願っています。
ことし1年間、ご協力いただいた各位に心から感謝します。
では、1ヶ月半、しばらく鋭気を養いますので、ブログの更新ペースは落ちます。でも、どうしても書きたいことが起きそうですが(^^;)
とにもかくにも、政権交代が実現した。とりあえずは、それで十分です。
ついについに成立しました。
私たち日本人の300兆円の財布が守られました。
日本郵政株式売却凍結法が可決・成立です。
参院本会議は4日、第173国会会期末の本会議で同法案を議題としました。「委員長よくやった!」との声が自見庄三郎さんから参院総務委員長にかかりました。
採決し、
[画像]参院インターネット審議中継からキャプチャー
投票総数 153
賛成 132
反対 21
の賛成多数で、間近(来年10月)に迫っていた「日本郵政(政府100%出資)」株式の売却をやめさせる法律が可決・成立しました。
振り返れば、長い道のりでした。
2007年7月の第21回参院選(逆転の夏)の後、第168臨時国会で、自見庄三郎君ほか6名発議の議員立法が参院事務総長に提出されたのは、2007年8月10日のことでした。
参院は2007年12月12日には「賛成票132 反対票103」で法案を可決し、衆院に送付しました。
しかし、このころは「ねじれ国会」でした。
ところがここからが長かった。衆院総務委員会で法案が審議入りしたのは、2008年12月9日のことで、なんと衆院自民党は1年間もの間、法案を吊して、審議すらさせなかったのです。
この長く不安な「空白の1年間」に、当ブログは、2008年3月27日付エントリーで、「かんぽの宿」問題にいち早く気付き、指摘しました。
この「かんぽの宿」が郵政民営化問題を抽象論から具体論に変えました。
第171通常国会では、冒頭から国民新党の自見庄三郎さんが参院本会議での代表質問で取り上げ、2009年2月5日のTV入りの衆院予算委での下地幹郎さんの質問で一気に世論の関心が高まりました。さらに社民党の保坂展人さん、民主党の原口一博さん、川内博史さん、松野頼久さんらが助太刀に馳せ参じ、予算委・総務委・財金委で徹底追及し、野党でありながら、終始優位に論戦をすすめました。
私自身2008年3月27日の指摘が、2009年2月以降の国会論戦につながったと自負しており、一人の日本人として、子孫にリンゴの木を残せたのかな、と考えております(^_^)v
郵政民営化凍結にめげずに頑張れたのは、ブログ界でも、植草一秀さん、喜八ログさんとのスクラムが組めたことも大きかったです。感謝します。
とかく「郵政」というのは、目に見えない難しい世界です。すべての国民が理解すべき問題ではありません。でも、「何かおかしいぞ」と感じた人間は、すぐに声を上げなければ行けない。もちろんそれは郵政に限ったことではありませんが、仲間と志とほんの少しの勇気があれば、どんなことでも実現できるという自信を持つできた貴重な2年間でした。
当ブログ内の「郵政民営化」カテゴリーの一連のエントリーはこちらをクリックするとごらんになれます。
「日本郵政株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式の処分の停止等に関する法律」(第173回国会・閣法第10号)
第二条 政府は(略)その保有する
日本郵政株式会社の株式を処分して
はならない。
1月5日の常会召集日には野党だった民主党。8月30日「国民の投票により、単独過半数を持つ政党が交代し、政権交代をする」という帝国議会開設以来、120年目にして初めての体験をすることができました。
明治維新で「国民」になった私たちが、政治を自分たちの手に取り戻したといえるでしょう。まさに日本海海戦に勝利した時のような高揚感が日本を包みました。
昨日は、日比谷公会堂に押し寄せた既得権益者の連中が、衆院国土交通委員長を吊し上げる事件がありました。日本がこれからも右肩上がりで経済成長していくと信じている輩はたくさんいます。
日本海海戦勝利の背景に外債の存在があったことを知らなかった国民が同じ場所で日比谷焼き討ち事件を起こしたことに似ています。自称「一等国」になったわが国は坂の上の雲を踏み外し、先の大戦へと転落していきました。いまだに国連憲章では「旧敵国」です。
政権交代が定期的におこる二大政党デモクラシーの完成にはまだまだ時間がかかります。私たち国民がしっかりと仕上げていかなければ行けません。
憲政史上最大の2009年(平成20年)が終わります。私たちは二度とこのようにダイナミックな年を作ってはいけません。民主党がダメになったら自民党にまた政権交代する。当たり前の民主主義をこの国に作り上げなければいけません。さもなければ日本は死にます。
さまざまな思いとともに迎える第173臨時会の最終日。ことしの1月5日の通常国会召集日を思えば、日本のデモクラシーが大きく前進したことは絶対に間違いありません。
財界における民主党(二大政党制)最強応援団長の稲盛和夫・京セラ創業者がこのほど、川内博史(かわうち・ひろし)衆院国土交通委員長(鹿児島1区)を「裏の官房長官」に“任命”したことが分かりました。
京都に本社がある京セラですが、鹿児島県内にも3つの工場をもっていることから、鹿児島経済でも稲盛さんは強い発言力を持っています。
稲盛さんは川内さんを「鳩山総理、小沢幹事長、菅副総理と等距離で話せるのは民主党で君だけだ!」として、「裏の官房長官」になるよう要請したもようです。
第172通常国会まで、「衆院予算委員&国土交通委・筆頭理事&民主党国対筆頭副委員長&鹿児島県連代表」というクソ忙しい役回りで馬車馬のように働き、国会というオープンな舞台で八面六臂の大活躍をした川内さんを、稲盛さんが政権交代の立役者の一人、として評価したのだろう、と思われます。
この背景には、稲盛・応援団長が、銀座にあるスーパー高級日本料理店「吉兆」に歴代代表5人と参院議員会長、国対委員長を呼んで開いた11月24日の「政権交代の祝賀会」で、「なんか上手くいってないな~」との感想を持った可能性があります。
ガソリン値下げ隊長の明るいイメージが強い川内さんに「裏の~」というのはあまり似合いませんので、「バックベンチャー(政府応援団)の隊長」という方がいいですかね(^o^)
川内さんは現在、「暫定税率撤廃による減税」というマニフェストを実現するために、地球温暖化対策税構想の見直しを迫るなど、「ガソリン値下げ隊長の卒業試験」に取り組んでいます。
何かが起こる延長国会。
ついに民主党議員が立ちました。
民主党政府外議員30人が12月1日午後4時半、国会内幹事長室に押しかけ、小沢一郎幹事長本人に、「2009年12月1日 民主党幹事長 小沢一郎殿 小沢幹事長への要望書~政治主導とはマニフェストを実現することである~」と題する文書を提出しました。
民主党国会議員が大人数で幹事長室に押しかけ、直訴(要望)をしたのは政権交代後、初めて。
A4判1枚紙の差出人は、
民主党 衆議院
総務委員会
農林水産委員会
経済産業委員会
国土交通委員会
環境委員会
委員会有志一同
と記されています。
申し入れには、近藤昭一総務委員長、筒井信隆農水委員長、川内博史国土交通委員長ら常任委員長が入りました。派閥ではなく、所属委員会の有志が声掛けをするという実に民主党らしい「蜂起」でした。与党というものは、こういった「さわやかな党内抗争」によって、政権を前に押し出す力を生むことができます。
小沢幹事長のお膝元である「小沢グループ」からも筒井信隆さん、黄川田徹さんらが出席。
きっかけは先週の環境省政策会議での「地球温暖化対策税」をめぐる議論から「これでは国民のみなさまとの約束を果たせない」との危機感を持った環境委員会所属の2新人議員が、その後の財務・総務省政策会議での発言から、危機感を共有していることに気付いた当選5回生に相談したことがきっかけのもようです。
きょうの面会では、川村秀三郎・元林野庁長官、川越孝洋さんら60歳以上の新人議員が「戸別所得補償」などで幹事長に対して直接、意見しました。また、比例復活の30歳代という弱い立場のC議員、N議員(女性)が幹事長室から出る姿が颯爽としていて、その目が輝いていたのが印象的でした。
11月・臨時国会での運営不手際→12月・予算案編成→1月・通常国会召集→7月参院選という日程を考えた場合、きょうのタイミングで直訴しないと「国民との約束であるマニフェストが守れずに参院選に負ける」という強い危機感が政府外衆院議員の1割超にあたる30人が蜂起する事態になったのだと思います。参加した新人議員には地方議員出身者が多く、「(予算案編成期である)12月という月の大切さ」を知っている人が多かった、といえるのではないでしょうか。
与党・民主党に初めて自浄作用が働きました。
小沢一郎幹事長は「政府に伝える」と明言しました。なお、要望は非公開で行われ、冒頭の「アタマ撮り」取材も許可されませんでした。党側の同席者は、佐藤公治、樋高剛、吉田治の各副幹事長。
さて、要望書の全文やその他の出席者などの情報は、敬意をもって明日付の朝刊各紙に譲ることとし、追加情報はあす意向に更新します。
今回の蜂起は、特段の組織によるものではないと、当事者は説明しており、私もメンバーからして、そうだと思います。
この情報を知らず「要望」に加われなかったことを「悔しい」と感じた議員におかれましては、その悔しさを「行動」に変えることを願います。
なんとか、大丈夫かなあという気がしてきました。
3歩進んで2歩下がる民主党政権ですが、きょうはしっかりと1歩、前に踏み出しました。
時事ドットコム:マニフェストの実行要望=民主有志が小沢氏に
民主党の川内博史衆院国土交通委員長ら同党有志の国会議員約30人が1日午後、国会内に同党の小沢一郎幹事長を訪ね、子ども手当の支給やガソリン税の暫定税率廃止など衆院選マニフェスト(政権公約)を実行し、来年度予算に反映させるよう要望した。
これに対し、小沢氏は「政策は政府が決定するが、要望は伝える」と述べるにとどめた。鳩山政権では、政策決定の内閣一元化を進めており、小沢氏は政府の政策には関与しない姿勢を堅持している。(2009/12/01-19:26)
(引用はじめ)
政府の行った「事業仕分け」のように、国会の動きも透明で国民に分かりやすいものにしたい。
(引用いったん終わり)
との考えを表明しました。
きょうの参院本会議は先着順の傍聴券が札止めとなりました。中小企業融資や住宅ローンの条件変更がしやすくなる「中小企業者など金融円滑化法」、新型インフルエンザ予防接種の費用を軽減する「新型インフル法案」など17法案を可決しました。条約の承認や、主要な国会同意人事もありました。
とはいえ、最終日にいっぺんに可決したため、国民の関心が分散されてしまいました。こういった「料理の盛りつけ」は、自民党は上手すぎて困るし、民主党は下手すぎて困ります。
参議院の責任者として、事業仕分けに関心が集まったことに内心忸怩たる思いがあると思います。悔しいんだと思います。
また与党の国会運営に関して、議長は細川内閣の国務大臣(科学技術庁長官)として、予算成立が6月にずれ込み、それが遠因となって内閣が倒れた悔しい思い出を共有しています。
議長でありながら、しっかりと国民目線でメッセージを送れる参議院議長を持てたことは幸せなことだと思います。昔は貴族院だったんですから。良識の府・参議院の再生に、江田さんの存在は欠かせません。江田さんは、来夏の第22回参院選岡山選挙区にも出馬するだろうと、各方面から期待を集めています。
議長のコメント全文は以下の通り。
第173回臨時国会は本日、会期の最終日を迎えた。午前の本会議では、同意人
事に加え、肝炎法案、新型インフル法案、金融円滑化法案等17本もの法案を可
決した。「終わりは脱兎の如く」だが、与野党対立を最後まで引きずり、自民
欠席、公明出席で150数人の出席だった。参議院が重視している平成20年度決
算の審議は、午後の本会議で、各会派が揃って行われたが、会期延長は衆議院
だけの議決となり、与野党の対立は大きい。政府の行った「事業仕分け」のよ
うに、国会の動きも透明で国民に分かりやすいものにしたい。
不慣れ、不景気も含めて党内の雰囲気が悪いのが心配です。
言うべきことはしっかり言う人は国民は応援するし、記者団も見逃さない姿勢があると、感じとっています。
参議院で、午前10時14分、改正防衛省職員給与法が可決、成立しました。
政治主導を掲げる民主党内閣での法律成立はこれが初めて。
遅い!!
陛下のご署名(御名御璽)を経て、広く天下に公布されます。
参院本会議はこのあと、衆法「肝炎対策基本法」、閣法「中小企業など金融円滑化法」などが順次、可決・成立する見通しです。
自民党は本会議に出席していない模様です。
きょう(11月29日)は1年納めの九州場所の千秋楽ですが、2009年、憲政史上最も長かった1年も、あす(11月30日)、秋の臨時国会が会期末を迎え、今年の国会は終わります。
ところが、8月30日に政権交代したのに、民主党は一本の法律も成立(衆参で可決)させていないという、まったく無計画な大失態国会運営が続いています。さらには党首討論(QT)も一度もやっておらず、目を覆わんばかりの状態で、延長は不可避な情勢です。
29日放送のNHK日曜討論は最終盤国会恒例の各党国対委員長による討論でした。
野党・自民党の川崎二郎国対委員長(三重1区比例、元運輸大臣)は12月18日(金曜日)までの3週間15営業日の延長を要望しました。
与党・民主党の山岡賢次国対委員長は「できるだけ短期間にしたい」と延長を示唆する発言をし、野党から「(延長することで)決まったんですね」と突っ込まれ、動揺しながら、「法案を全部通してくれれば(延長する)」と言いました。
山岡さんは「延々と話題ばかりをしゃべっている国会は与党だから、意味がない」としました。また、早く国会を閉じて、景気対策のための(第2次)補正予算案を編成したい、という趣旨をくり返しましたが、補正に関しては、政府との連絡はないと思われます。
川崎さんは「(私にとって)長い国対生活だが、(会期の)最終日にならないと(延長するかどうかが)分からないというのは初めての経験ですよ、おかしいよ」と述べました。
川崎さんは、
与党が「延長しない」と主張
野党が「延長してしっかり議論しろ」と主張
という構図は「フツーと違う」と指摘しました。
出席者のなかで唯一30歳代の野党・みんなの党の山内康一国対委員長が「QT(党首討論)は週に1度必ずやりましょう」と呼び掛けると、山岡さんは「法案をババッと通してくれるんだったら、(今週は)QTをやりますよ」という残念な答え。与党・社民党の近藤正道・参院国対委員長、来夏の第22回参院選で改選を迎えることなどへの配慮から、近藤さんが社民党を代表して出席したんだと思いますが、与党の近藤さんからも「1国会に1回QTがあるのは当然だ」との注文が飛びました。
川崎さんが12月18日までの会期の延長と、①予算委での集中審議②本会議での平成20年度決算の総括質疑③党首討論の3点セットを要求すると、山岡さんは「きのうまで与党をやっていた(自民党の)川崎さんのことばとは思えない」と発言しました。しかし、これはきょうは与党が山岡さん、野党が川崎さんです。川崎さんは政権交代でアタマがチェンジできているのに、山岡賢次さんはアタマがチェンジできていないことが顕著に表れたといえそうです。
あす午前8時から与野党国対委員長が会談するそうです。いずれにしろ、延長は避けられない状況で、あすは条件闘争の色彩が濃くなりそうです。
隔週で交代している日曜討論の司会者、今週の司会は島田敏男・NHK解説主幹でした。
私としては、QTをやらずに年を越すのは反対です。あり得ないことだと思います。政権交代年に1度もQTをやらなかったら、自民党はこれをネタに、第22回参院選で徹底的に民主党へのネガティブ・キャンペーンをしてくるでしょう。一方、今国会で自民党がどんなに審議拒否をしても、来年の7月には国民全員が忘れますから、かなり荒いことをしてくることは想定内です。それへの備えがなかった民主党国対は甘すぎる。
会期の延長は国会の議決が必要ですので、どのような状況になろうと、あす30日には衆参本会議は必ず開かれます。
なお、民主党やNHKのホームページによると、あすは午後2時~4時までの2時間、参院本会議場から平成20年度決算に関する質疑でNHK中継が予定されますので、これは優先的に行われると思います。
不毛な日程国会になりますが、いずれにしろ、今年最後ですし、野党・自民党の奮闘は政権復帰にかける並々ならぬ執念を感じます。このペースでいけば、来夏の参院選は自民党が勝つでしょう。ここでうんざりしたら、政権交代は無に帰します。ここを乗り越えないと、第46回衆院選で民主党は政権を必ず失います。
【衆院本会議 2009-11-26】
給与法改正案が衆院を通過し、参院へ。
肝炎対策基本法案が衆院を通過しました。エリーこと福田衣里子さんよかったですね。
きょうで、今国会の衆院は一山越した感じがあります。
郵政民営化見直し法案が審議入りし、質疑がありました。民主党新人では本会議登壇者第1号として、郵政省出身の奥野総一郎さん(千葉9区)が質問しました。
この法案はこれから、衆院総務委員会で審議が始まりますが、会期末の30日までの衆参での可決・成立は厳しい日程ですので、延長に向けた与野党の攻防が続くことになります。
◇
ツイッターで本会議の実況・解説をしましたので、つぶやきをこちらにもまとめて載せます。あくまでも個人的なメモですから、不正確な記述が含まれています。
◇
13:04 from web #kokkai 衆議院本会議が始まりました。きょうはかなり多くの法案が可決され、参議院に送られる見通しです。
13:08 from web #kokkai 国幹審委員、細野、鈴木、小宮山(泰)議員、山花議員。鈴木、小宮山さんは一新会・・・
13:10 from web #kokkai 給与法改正案が可決→参院へ送られました。国家公務員のみなさん、おめでとうございます。
13:18 from web #kokkai 衆院本会議。肝炎対策基本法案が審議入り。藤村修・厚生労働委員長の趣旨説明が始まりました。
13:21 from web #kokkai 肝炎対策基本法案は委員会審議を省略して、全会一致(「異議なし」の発声)で衆議院を通過しました。可決の声で大きな拍手が起きました。
13:32 from web #kokkai 国会議員の歳費・旅費・手当に関する法律案と国会議員の秘書の給与等に関する法律案が委員会審議を省略して、可決されました。人事院勧告を実施するもののようです。
13:32 from web #kokkai 日本郵政株式売却凍結法案が審議入り。亀井担当大臣の趣旨説明に入りました。
13:35 from web #kokkai おお!本会議の質疑に民主党の奥野総一郎さんが登場。新人の本会議登壇第1号ですね。知らなかったので、驚きました。
14:00 from web #kokkai 郵政見直し法案。自民党を代表して、「反対」の立場から質問しているのは自民党の中谷元さん。高知2区選出で、特定郵便局が多い選挙区だとして特集されたこともあります。
14:02 from web #kokkai 野党時代の原口さんの議事録を引用して、大臣としての発言と違うと追及されています。インターネットは便利だけど、大変でもあります。
14:10 from web #kokkai 平野官房長官、日本郵政社長の人事は“天下り”?との質問に答弁しました。議場がヤジの応酬になったようです。自民党は平野官房長官をねらっているのかなあ・・・
14:14 from web #kokkai @rose6986 原口大臣は答弁の最後に「5年前の私の発言をよく読んでください」と言い返しましたよ。さすがですね。
14:25 from web #kokkai 郵政見直し法案、公明党は西博義さんが「反対」の立場で質問。この人は近畿ブロック比例単独ですが、事務所は和歌山県にあるはずです。地方選出議員が「郵政見直し」に「反対」の立場で質問するのは、ある意味「ねじれ」です。が、地方での関心が高い証拠とは言えるでしょう。
14:32 from web #kokkai 衆院本会議。平野官房長官がさきほど、ヤジに反応したようです。あまり自信がないようすで演壇に立っているように感じられます。
14:37 from web #kokkai さきほどの肝炎対策基本法案の「委員会審議を省略して」は間違いでした。委員会で審議のうえ、本会議に上程されていました。今夜のニュースはエリーこと福田衣里子さんの笑顔がいっぱい咲きそうです。
14:51 from web #kokkai 質疑は終局し、衆議院本会議は散会しました。郵政見直し法案はこれから、衆院総務委員会で審議されます。会期内(30日まで)の成立はまず不可能ですので、延長に向けた与野党のかけひきが続きます。
14:51 from web #kokkai きょうの国会に関するつぶやきはこれで終わります。
[画像]左は小沢一郎・民主党幹事長、右は岡田克也外相
岡田克也外相が25日、国会日程の合間をぬって、国会内の民主党幹事長室に顔を出したようです。MSN産経新聞が伝えています。小沢一郎幹事長と岡田外相は前夜、稲盛京セラ創業者の呼びかけで、銀座・吉兆で歴代代表5人と輿石東、山岡賢次両議員の合計8人で会食しています。推測ですが、岡田外相は小沢幹事長に習近平・中国国家副主席の来日日程を連絡したのではないでしょうか。
小沢一郎さんは12月10日(木)から訪中し、12月11日(金)の午後、「中国の国家指導者(首脳級)」と記念撮影などをすることになっています。訪中団全体は13日(日)午後に北京を離れます。一方、習近平さんは12月14日(月)から来日し、17日(木)まで滞在。その後に、ユーラシア大陸に戻って、韓国・カンボジア・ミャンマーに寄る日程だと、報道されています。習副主席は鳩山由紀夫首相と会談するほか、陛下との面会も希望していると報じられています。
小沢、岡田両氏が会談 普天間問題など協議か - MSN産経ニュース
民主党の小沢一郎幹事長は25日、国会内で約20分間、岡田克也外相と会談した。沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設問題や小沢氏ら約140人の民主党議員が参加する来月10日からの訪中計画などをテーマに意見交換したとみられる。会談は岡田氏が申し入れた。
中国・習副主席、12月14日に訪日 胡主席後継の最有力候補 - MSN産経ニュース
中国の胡錦濤国家主席の最有力後継候補、習近平国家副主席が12月14日から日本を公式訪問する日程が固まった。期間は17日までの4日間。複数の日中関係筋が25日までに明らかにした。
習氏が2008年3月に副主席に就任して以降、初めての訪日となる。胡氏が副主席時代の1998年に訪日した前例にならった訪問で、鳩山由紀夫首相らと会談し、日中の戦略的互恵関係の発展を確認する。
98年の胡氏の訪日時には天皇陛下が会見したことを踏まえ、習氏も同様に面会を求めている。地方都市の訪問も検討している。
訪日後、韓国、カンボジア、ミャンマーも訪問する予定。韓国の李明博大統領ら各国首脳と会談する見通しで、3年後の共産党大会を受けた世代交代に向け、お披露目の場となりそうだ。(共同)
【衆院農水委員会 2009-11-25】
政権交代後の国会を見ると、驚くことが多いです。
自民党新人は5人います。元参院議員を除くと4人です。うち小選挙区勝ち上がりの自民党新人は3人だけです。その一人、伊東良孝議員(自民党、北海道7区)が質問に立ちました。
何事も初めが肝心ですが、伊東さんはのっけから、「大臣は答弁が長いと言われています」とカウンターパンチをかましながら、赤松農相に捕鯨について質問。
赤松農相は特に反応せずでしたが、佐々木隆博・農水政務官(民主党、北海道6区)が「伊東議員とは地方議会(北海道議会)で一緒でした」こうして国会で論戦できて「うれしい」と持ち上げながら答弁。ところが、伊東議員はこれにまったく応じずに質問し続けました。
大逆風の自民党で新人で北海道で唯一、伊東さんが小選挙区で勝ったのは意外でした。こうして国会で初めて伊東さんを見ると、「やはり猛者だったんだな」と確認できます。こうやって選挙結果と国会審議を見比べると、いろいろなことが見えてきます。伊東さんは町村信孝さん、武部勤さんらの比例復活組に代わり、自民党北海道連会長に就任しているようです。
で、何が驚いたか。伊東さんは、前釧路市長。捕鯨が盛んですから、地方政界でこの問題に取り組んできたようです。捕鯨に関して、シーシェパードやグリーンピースなどの国際的な市民団体の抵抗などについて赤松農相に問い質しました。
そのなかで、伊東さんは「仕分けに入っているかどうか知らないが、農水省として捕鯨は守って欲しい」と要望しました。
与党・民主党などの「事業仕分け」は、予算を削る作業をしています。
野党・自民党の伊東さんは、「農水省はしっかり予算を付けろ」と質問したのです。
野党新人が「予算を付けろ」--政権交代後の新しい国会の姿です。
さて、これを民主党関係者・支持者が「自民党も変わらないねえ」とせせら笑うようだと、そこに来夏の第22回参院選に思わぬ落とし穴が待っているかもしれません。
まだまだ判断は早いですが、かつてない光景を目にしたということで、スケッチしました。
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連休明けのきょう24日も参院環境委員会だけは動いていました。野党も出席して、午前、午後にわたり、小沢鋭仁環境相らが一般質疑に応じました。この委員会の委員長は自民党参院議員が務めています。
民主党参院議員で自動車総連出身の池口修次(全国比例)さんらが、「地球環境対策税」について、野党っぽい質問をしていました。政権交代による参議院与党の変化というのも大変面白いので、今後もウォッチしていこうと思いました。池口さんは「自動車に乗る人が担税力があるという前提は違う」と主張していました。自動車は生活必需品だという雰囲気でした。
野党の質問のときには、環境省政務三役のほか、財務省、国交省の副大臣も答弁席に座っていました。野党から質問通告があり、政治主導だから見られる光景ですが、全部応じていると、政務三役も大変だと感じました。
参院会派「民主党・新緑風会」国対委員長の平田健二さん(参院岐阜)が18日、国会内で定例記者会見しました。
平田さんは第173臨時会の現状について、
「臨時国会は召集4週目で残り1週間だが、参議院には一本も閣法(内閣提出法案)が来ていない」とし、残り1週間で参院に法律が来ていないのは記憶がない、としました。平田さんは当選3回です。
さらに発言は踏み込み、「民主党もいかがなものかと思いますがね、衆議院はね」と語り、党本部および衆院の「小沢・山岡国対」を批判しました。「(衆院では312議席と)数も多いんですから、しっかり仕切っていけばいいと思うんですが、そうなっていない」との感想を示しました。
さらに、平田さんは
「参議院の審議をしなくてもいいのかなあ、という状態になっている」と危機感を募らせました。
また、参院の審議においては、「閣法をきっちりと仕上げて、それから委員長・議員提出の議員立法を各委員会にかけていく」とする、基本ルール(平田原則)をしっかりと示しました。
民主党の国会対策は、小沢一郎幹事長と、山岡賢次国対委員長ラインが担当しています。山岡国対委員長の下、参議院担当の国体副委員長は鈴木克昌さんが務めています。副担当は平田さんと同じ岐阜県連の議員が務めています。鈴木・衆院議員は一新会の代表幹事です。
民主党は鳩山総理の所信表明に関する代表質問に立ちませんでした。しかし、17日の衆院本会議では閣法「貸し渋り貸しはがし対策・中小企業金融円滑化法案」への代表質問に鈴木代表幹事が真っ先にたち、さらに冒頭で過去の災害を持ち出してお見舞いを述べるという、少し勘違いした演説をしました。
党幹事長室では、青木愛・副幹事長ら2人が参議院担当になっています。
民主党ニュースが平田国対委員長の会見を伝えていますが、このエントリーで紹介した発言は丸ごとカットされています。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=17292
ツイッター(http://twitter.com/kokkaiblog)で、「臨時国会が始まって23日経ったのに、いまだに参院では1本も法案が審議入りしていない異常事態に驚いています」とつぶやいたら、「なんつう無駄」という感想をいただきました。
ちなみに、小沢一郎率いる民主党本部の予算200億円は事業仕分けの対象になっていません。
http://www.dpj.or.jp/news/?num=17292
2009/11/18
野党が無理難題を突き付け、法案審議を遅らせている 平田参院国対委員長
平田健二参議院国会対策委員長は18日午後、国会内で定例記者会見を行い、今後の国会日程について記者団に語った。
はじめに平田国対委員長は、今国会会期の残りが実質1週間であることを指摘。いまだに、参議院に法案が1本も送付されておらず、いつ送付されるかも分からない状況が続いていることについて、「国会同意人事をめぐる問題もあったが、ちょっと経験がない」として、野党慣れしていない前与党が、衆議院で無理な要求をしているようだと報告した。
一例として平田委員長は、「国土交通委員会に提出されている北朝鮮関連の法案2本について、本来国交大臣の出席だけでよいところを、外務大臣と官房長官の出席まで求めている」ことを挙げ、「いかにして法案審議を遅らせるかということだけで野党はやっている」と指摘した。
このような状況にも関わらず、25日の党首討論を野党が要求していることについて、「法案審議の目途も立たないのに、いかがなものか」と苦言を呈した。一方で、インフルエンザ対策法案と金融円滑化法案は、総理入り総括質疑を要求するなど、「要求の仕方が無茶苦茶だ」として、総理が他の委員会に出席した週は党首討論をしないと決めたルールを無視した野党の要求に応じることは難しいとの見方を語った。
そのうえで、「やらないと言っているわけではない。早く法案を成立できるような話し合いをしてから、党首討論の協議に入るのが筋だと思う」と述べた。
また、マニフェストにある施策の予算を圧縮する可能性について、鳩山総理が言及したことについて記者団に問われ、「税収見込みが当初より大幅に落ち込んでいる事実を踏まえた上での発言であり、国民と約束はしたけれど、いくらかは圧縮しなければならないということではないか」と述べた。