渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

憲政史上最厚の布陣だ 長妻予算理事異例の2年続投、辻元海賊・テロ筆頭理事、松原国対の衆院委員会

2013年09月30日 11時26分37秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[写真]松原仁・民主党国会対策委員長、本人公式ホームページから。

 民主党・無所属クラブの衆院での新しい理事・委員配置が決まりました。海江田代表、大畠幹事長、松原仁国対委員長のもとです。

 衆院会派「民主党・無所属クラブ」の委員長・理事・委員配置は次の通り。委員会ごとの前の数字は委員会定数―後ろの数字は民主党・無所属クラブの割り当て議席。理事は各委員会1人しかいないので当然全員が筆頭理事。

以下、常任委員会

【内閣(40-5)】理事・近藤洋介、委員=大島敦、津村啓介、若井康彦、後藤祐一

【総務(40-5)】理事・原口一博、委員=近藤昭一、黄川田徹、福田昭夫、奥野総一郎

【法務(35-4)】理事・階猛、委員=横路孝弘、田嶋要、郡和子

【外務(30-4)】理事・松本剛明、委員=玄葉光一郎、長島昭久、小川淳也

【財務金融(40-5)】理事・古本伸一郎、委員=前原誠司、安住淳、武正公一、鷲尾英一郎

【文部科学(40-5)】理事・笠浩史、委員=松本剛明、細野豪志、山口壮、菊田真紀子

【厚生労働(45-5)】理事・山井和則、委員=長妻昭、柚木道義、中根康浩、大西健介

【農林水産(40-5)】理事・大串博志、委員=後藤斎、鷲尾英一郎、玉木雄一郎、寺島義幸

【経済産業(40-5)】理事・田嶋要、委員=枝野幸男、辻元清美、近藤洋介、岸本周平

【国土交通(45-5)】理事・若井康彦、委員=三日月大造、泉健太、後藤祐一、寺島義幸

【環境(30-3)】理事・吉田泉、委員=荒井聡、生方幸夫

【安全保障(30-3)】理事・長島昭久、委員=中川正春、渡辺周

【国家基本政策(30-3)】理事・後藤斎、委員=海江田万里、大畠章宏

【予算(50-6)】理事・長妻昭、委員=岡田克也、古川元久、篠原孝、大串博志、玉木雄一郎

【決算行政監視(40-4)】理事・柚木道義、委員=野田佳彦、馬淵澄夫、階猛

【議院運営(25-3)】理事・渡辺周、委員=篠原孝、泉健太

【懲罰(20-3)】委員長・高木義明、理事・松原仁、委員=菅直人


以下、特別委員会

【災害対策(40-5)】理事・三日月大造、委員=中川正春、黄川田徹、吉田泉、寺島義幸

【政治倫理の確立および公職選挙法改正(40-5)】理事・篠原孝、委員=岡田克也、小川淳也、奥野総一郎、後藤祐一

【沖縄および北方問題(25-3)】委員長・安住淳、理事・菊田真紀子、委員=前原誠司

【青少年問題(25-3)】理事・中根康浩、委員=菊田真紀子、柚木道義

【海賊行為への対処ならびに国際テロリズムの防止およびわが国の協力支援活動等(45-5)】理事・辻元清美、委員=枝野幸男、岸本周平、奥野総一郎、玉木雄一郎

【北朝鮮による拉致問題等(25-3)】理事・鷲尾英一郎、委員=原口一博、笠浩文

【消費者問題(40-5)】理事・郡和子、委員=武正公一、泉健太、中根康浩、大西健介

【科学技術・イノベーション推進(40-5)】理事・福田昭夫、委員=古川元久、大島敦、細野豪志、津村啓介

【東日本大震災復興(45-5)】理事・黄川田徹、委員=玄葉光一郎、福田昭夫、郡和子、階猛

【原子力問題調査(40-5)】理事・中川正春、委員=荒井聡、辻元清美、生方幸夫、馬淵澄夫

【憲法審査会(50-6)】幹事・武正公一、委員=枝野幸男、長妻昭、細野豪志、長島昭久、古本伸一郎

【政治倫理審査会(25-3)】幹事・古川元久、委員=山井和則、山口壮

[解説]

 委員長には、懲罰委員長に高木義明さん、沖縄・北方特別委員長に安住淳さんの就任が内定。

 花形の予算委員会では、筆頭理事に長妻昭さんが異例の2年続投になりました。前回の本予算審議では与党側筆頭理事を更迭に追い込んだ戦闘力が買われたようです。委員では玉木雄一郎さんが続投を決めました。新しい予算委員には、岡田克也・古川元久・篠原孝・大串博志の4人が加わります。行革・農政重視という風情ですが、選挙区が極端に広くなる大串さんのテレビでの露出について、全党的に配慮してほしいところです。

 議院運営委員会筆頭理事も、渡辺周さんが総選挙後の各派協議会から連続して担当し続けます。

 第46期衆議院では、「民主党理事」は全員が自動的に「野党筆頭理事」になるため、3期生以上が担当。

 原発廃炉会社の議員立法の舞台になると予想される、経済産業委の筆頭理事には、田嶋要・元現地本部長(経済産業政務官)が法務委理事から横滑り。これ以上の適任はいないでしょう。近藤前理事も委員に残ります。

 除染の環境委員会では福島5区の吉田泉さんが筆頭理事に就任。

 外務委筆頭理事には、松本剛明元外相が就任。そこの大臣経験者となると、松本外務理事、続投の原口一博総務理事の2人となりますが、とくに外務省は野党への情報隠し体質が顕著で、大臣経験者の威光で一掃したいところです。

 公務員制度や特定秘密保全法制が目白押しの内閣委員会筆頭理事には近藤洋介さんが経産理事から横滑りします。委員には大島敦さんと後藤祐一さんという公務員制度に詳しいながらもやや違った立ち位置の人が混在します。維新やみんなの考えとの距離感が注目です。

 国交の筆頭理事には若井康彦さんが内閣委(委員は継続)から回りますので、全体的に、各々が専門分野に「戻る」という印象の配置です。

 厚労の山井和則、農水の大串博志、文科の笠浩史の各筆頭理事は安定の続投。

 自衛隊法改正法案を臨時国会で審議する安全保障委員会では長島昭久筆頭理事が続投し、渡辺周・中川正春委員が加わり、「自民党より右」になりました。

 ところが、海賊・テロ特別委員会の筆頭理事には辻元清美さんが就任。これにより、政府自民党が海賊・テロ特委に法案を付託しなくなる可能性が考えられ、ある意味、最強の筆頭理事になりそうです。

 衆参ねじれの解消で、自民党による強行採決への備えが必要です。財務金融委員会では、古本伸一郎筆頭理事が再び就任し、前原誠司・安住淳・武正公一・鷲尾英一郎の4委員という猛者が構えます。総務委も前述のとおり原口筆頭理事が続投します。

 空転国会時の審議拒否戦術見直しの糸口になりやすい、災害対策特別委の筆頭理事には三日月大造さんが就任。国交副大臣、国対副委員長、双方の経験が評価されたものと思われます。

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安住淳さんが衆院沖縄北方特別委員長に6年ぶり復帰へ 前回安倍内閣の初心に戻る【追記あり】

2013年09月28日 08時32分14秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[写真]2010年国勢調査にもとづく新区割りで、新しい衆宮城5区の有権者にあいさつする安住淳さん、本人公式ホームページから。新区割りのもととなった「0増5減緊急定数是正法(平成24年法律95号)」は自らが成立に尽力した。

 2013年10月15日(火)に召集されると思われる第185臨時国会で、安住淳さんが、衆議院沖縄および北方問題に関する特別委員長に、各党議員の推挙で互選されること見通しとなりました。

 10月15日正午の本会議で、伊吹議長が沖北特委員25人の指名。すみやかに委員会を開き、最年長議員が議事を取り、満場一致で安住委員が委員長に当選します。

 「6人組」など岡田系議員の衆院委員長ポスト獲得は下野後では初めて。

【追記 2013年9月29日(日) 午後5時半】

 特別委員長は必ず一つ、常任委員をやらなければなりません。

 衆・財務金融委員会では、筆頭理事を古本伸一郎さんに返したうえで、引き続き委員にとどまります。衆院最大の「対決委員会」として日切れ法案をめぐる二大政党が激突する際には、財務大臣・国対委員長経験者ながらも、現場で戦うことになるかもしれません。

 一方、衆・東日本大震災特別委員は卒業。これは民主党にあてられた5名は引き続き、東北・北関東選出議員が占めますので、譲った格好です。この委員会では、黄川田徹さんが出している「土地処分迅速化法案」(183衆法49号)が継続審査にはなっているとはいえ、ひとやま越した印象があります。

 この項は、読者の方のリクエストに応じて、追記しました。

 【追記おわり】

 安住さんは、かつてあった「民主党7奉行」のメンバーからは外れましたが、下野後に結成した「社会保障と税の一体改革6人組」には旧7奉行以外から唯一の新規メンバーに選ばれ、加わりました。

 今週9月24日の記者会見で海江田代表は「党の一体感を持つためには、やはり6つの課題については従来の部門会議と切り離して議論してもらって、意見の集約をお願いするということで、それぞれの会長にどなたを選ぶかということについてもかなり私としては腐心をして、心を砕いて、会長をお願いしたわけであります」としており、6人組をそれぞれ「総合調査会長」にしようとしたことになります。ただ、安住さんは、党よりも国会で、初心にかえることで、政権復帰をめざすことになりました。

 安住さんは第1次安倍内閣がスタートした平成18年2006年9月28日から翌年8月10日までの第165臨時、166通常、167臨時国会で、衆・沖北特委員長をしています。この間、165臨時国会の12月13日には、参院の沖北特で、北方領土の旧漁業権者への特別措置法改正法案に関して、趣旨説明と答弁をしました。安住さんの参院答弁はこれが初体験でした。
 その初心に戻ることになりました。

[国会会議録から引用はじめ]

165 - 参議院 - 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 
 平成18年12月13日

○衆議院議員(安住淳君) ただいま議題となりました北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
  北方地域の漁業権者及び居住者については、さきの大戦の終結に伴い、我が国固有の領土である歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島から強制的に移住させられ、北方地域に復帰することはもとより、その周辺水域で漁業を営むこともできない状況に置かれている特殊な地位に配慮し、昭和三十六年、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律を制定し、当時、北方協会、現在の独立行政法人北方領土問題対策協会がこれら北方地域旧漁業権者等に漁業その他の事業及び生活に必要な資金を低利で融資する措置を講じております。その後、平成八年、北方地域旧漁業権者等への援護措置の一環として、その生計を維持している子又は孫に融資資格を生前承継できるようにするため本特措法の一部改正を行いました。
  しかし、我が国固有の領土で出生したにもかかわらず終戦日を基準として六月以上生活をしているという要件を満たさない者は、本特措法上、元居住者とされないため、北方領土問題対策協会が行う融資の資格者に該当しておりません。
  本案は、かかる状況を解消するなど所要の改正を行おうとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
  第一点は、昭和二十年八月十五日まで引き続き六月以上北方地域に生活の本拠を有していた者の子であって、同日以前六月未満の期間内に北方地域で出生し、かつ、引き続き同日まで北方地域にいた者及び同日後に北方地域で出生した者を新たに元居住者に加えることであります。
  第二点は、生前承継制度を補完するための死後承継制度を創設し、元居住者又は旧漁業権者の死後承継者が生前承継することなく死亡した場合、生前中にその主たる生計を維持していた子又は孫のうち一人に限り承継を可能にしようとするものであります。
  何とぞ速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げます。
  以上でございます。

(中略)

○衆議院議員(安住淳君) 今、主濱先生の方から質問がありましたが、まず冒頭、この法律案は衆議院におきまして全会一致で、委員長提案という形で先般通過をいたしました。
  皆様方御存じのとおり、昭和二十年のロシア軍の侵攻またそれに伴う不法占拠という形で、当時、政府の調べにおいては、この北方領土、我が国の領土においては一万七千二百九十一人の島民がここで生活をしていたというふうな調査結果がございます。しかし、侵攻そして不法占領の後、これらの方々は、いわゆる北海道内はもとよりこのふるさとを離れてしまいまして、漁業権はもとより財産権等についても制限されるという特殊な状況に置かれていることは皆様御存じのとおりでございます。
  その後、政府は昭和三十六年に、先ほど私が提案いたしました中にありますが、特別措置に対する法律を作りまして、これらの方々に対する具体的な融資制度を設けて特殊な事情にかんがみ支援をしてきたわけでございますけれども、しかし、今日に至るまで、先ほど提案理由の中にありましたけれども、一部の方々は北方四島で生まれたにもかかわらず六月以上そこに生活をしていないということでこれらの融資資格を受けられなかったという点が大きな問題として残っておりました。
  また一方、生前の承継をすることなくもう居住者の方も随分とお亡くなりになっておられて、そのお子様やお孫さんが元居住者等と主たる生計を維持していたにもかかわらず、一緒に、この融資制度を認められないというふうな言わば不公正な状況が続いていたということで、地元からの強い要望、また与野党の議連の多くの方々の方からも法改正が必要だという声が起こりまして、今回のこの臨時会におきましてここの部分を改正をし、不均衡を是正することによって旧北方地域の漁業権者等の生活の安定を図り、またこれまで長く六十年にわたって言わば融資制度の恩恵を受けられなかった方々に対して法律の適用されている方と同等の措置を講じようというのが本法案の趣旨でございますので、是非御理解をいただきたいというふうに思っております。

[引用終わり]


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馬淵澄夫さん質問で東電遮水壁先送りで国交省と経産省亡国の省壁が判明 衆・経済産業委

2013年09月27日 18時01分33秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[画像]馬淵澄夫衆議院議員が、衆・経済産業委で配布した資料のうちの1枚、赤いハイライトは馬淵事務所自身によるもの。

【2013年9月27日(金) 第184回国会閉会中審査 衆・経済産業委員会】

 「東京電力に関する問題、とくに汚染水」に関して、閉会中の国政調査が行われました。

 参考人として広瀬・東京電力代表執行役社長が答弁しました。

 この中で、馬淵澄夫さんの質疑の中で、東電が遮水壁の建設を先送りした陰に、国交省と経産省から国費の支出の話があるので、自己負担を見合わせていたことが分かりました。

 まず上のペーパーですが、作成した日時と組織、人の明記がありませんが、馬淵さんが「東電が作成したペーパーか」と質問したところ、広瀬社長は「その通りでございます」と答弁しました。なお、きょうは参考人質疑ですから、証人のように偽証罪に問われることはありませんが、広瀬社長の答弁は本当だと感じました。

 委員会では、「福島第一原子力発電所地下バウンダリの基本仕様について 平成23年6月13日 東京電力株式会社」と書かれた2枚のペーパーも配られました。この中には、「1~4号機原子炉建屋およびタービン建屋の周りに遮水壁を構築する」と間違いない断言されています。さらには「高濃度の滞留水がこれ以上潰瘍に流出させないために、後追いにならない備えとする」とまで、書いています。

 ところが、これが実際にはプレス発表されず、現在も着手されていなわけです。

 これについて、2011年6月13日に東電のいずれかの部署が馬淵さんに渡したのが上のペーパーです。

 この中で、「最も有力な対策と位置づけ」ているとまでしながら、「対策費用は」「1000億円レベルとなる可能性もある」としています。

 そして、馬淵さんは赤いハイライトをしていませんが、(2)のところで、「政府側から国プロジェクト化の示唆(当初は国交省予算)があり」「経産省(原子力政策課)でも最近になり検討を始めたとの認識」を持っているとしています。そして、末文に「費用負担のあり方(国家プロジェクト化)は、今後の検討の中で別途判断されていくものであること」と結んでいます。

 なんのことはない、国費で面倒を見てもらえるのではないかという、人間の「おくれ体質」から、自分の財布からお金を出すのを見合わせたのでしょう。

 ここで、震災後3か月以内に、国交省が動いていたということですが、部署名は書いてありません。これは東京電力企画部が国交省との付き合いが少ないからでしょう。私の推測としては、水防や砂防の部署が予算をつけて、プロジェクトを増やしたかったのではないか。それを聞きつけた経済産業省資源・エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課が巻き返しにはかったのではないでしょうか。おそらく、互いに民間業者がからんでいるのかもしれません。

 一つだけ、東電に理解したいのは、やはり、「国が払ってくれる」という話になったら、1000億円の出費はいったんためらうと思います。これは御自身の家計だったらどうするか、一人ひとり考えていただきたいところです。

 このことは、ほかにも気づいている議員がいるようで、民主党の会議では、汚染水の浄化装置(ALPS)について、きょうから動いている3系統を東電が東芝から購入したのに、新しいALPSは国費で購入することについて「絆創膏を貼っているようだ」とちぐはぐな対応が指摘されました。広瀬社長は「もぐらたたきのようで申し訳ない」と答弁していましたが、共産・塩川議員が「第二ALPS(アルプス)と私は呼ばせてもらう」としたうえで、国費で負担してもらうことについて広瀬社長に聞きました。広瀬社長は「第二アルプスを国の予算でやっていただけるのはありがたい」と本音を漏らしました。これに先立ち、広瀬さんは「(第二アルプスは)高性能なアルプスだ」と答弁し、「高性能」であることを強調しました。高性能だから、国の研究開発補助金として支出してもらう、という考えです。

 さて、馬淵さんの質疑で、海江田万里大臣率いていた経済産業省に加えて、大畠章宏大臣が率いていた国土交通省の名前まで出てきました。ブーメラン民主党どころか、「ふたまたブーメラン民主党」ということになってきましたが、ぜひ徹底的に国交省も追及していきましょう。それが、与党経験ある野党が世代交代をしながらも再び与党になることをめざす、政権交代ある二大政党政治の始まりにおける混乱に過ぎないからです。なお、馬淵さんの質問時間の直前に、委員外との長妻昭さんが現れ、議員傍聴をしました。

 これにまつわる情報を隠して自殺する人などありえません。それは、その人ひとりだけでなく、ほかにも複数名が知っている情報だからです。私には、海江田さんも大畠さんも何かを必死に隠しているように思える節があります。公文書公開法と情報公開法にもとづきながらも、しっかりと国交省と経産省の情報をめぐるやりとりをこれからも明らかにしていきたいところです。

 東電の広瀬社長を初めて見ました。小柄で、おそらく150センチメートル台だと思いますが、しっかりとした目で、何か高校野球の2番セカンドがバントで食らいつくような印象がありました。伝わらない表現ですが、私は委員室で「ちばてつやさんの漫画・アニメ、キャプテンの谷口みたいだな」と感じました。けっこう信頼できるような気はします。「東電だからすべて悪人」というきめつけはいけません。

 実は、衆議院経済産業委員会は生まれて初めて傍聴しました。が、40人委員会(予算委は50人)なので、驚きました。そして、この委員会の国政調査案件のなかには「独占禁止法および公正取引に関する件」が含まれています。しかし、公正取引委員会は内閣府ですから、衆内閣委になりそうなものですが、以前から不思議に思っていました。おそらく大臣が一人だけ、存在意義が希薄になっている経産省ということで、公取もいれることで、衆・経済産業委員を「企業の用心棒」のように思わせているのではないでしょうか。しかし、逆に、議席を大量にもつ第一会派の新人議員が、任期が折り返した後に、経産委員に回されたら、国対の評価が低いとうたがってみてもいいかもしれません。40人委員会というのはおかしいですよ。

 ただ、原発問題については、先の通常国会では衆議院環境委員会が活躍していましたが、今後は、東電の分社廃炉子会社化の超党派議員立法が予想されます。民主党は第185回秋の臨時国会から、隠し玉ともいえる筆頭理事を投入します。田嶋要さんです。これはかなり期待できるのではないでしょうか。

 それはさておき、しっかりとした説明を経産省のみならず、国交省にも求めます。

 議論とは、情報があって初めて成り立つものです。

 さあ、これからが政権交代ある二大政党政治のスタートです。
 

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【速報】きょう午後5時に政党助成金使途報告書公開、平成24年、小沢グループ新党「きづな」など焦点

2013年09月27日 10時54分40秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

(このエントリーの初投稿日時は、2013年9月27日午前11時で、その後に仕立て直し予定)

 今後の政治日程by下町の太陽は、ただいま更新しましたが、きょう2013年9月27日(金)午後5時、総務省が平成24年(2012年)の定期公表分と、解散政党分の、政党助成金の使途報告書をインターネットで公開することが分かりました。

 小沢グループ新党「きづな」などの動向が分かるもようです。

 当初、9月30日(月)の見通しでしたが、国民の関心が高いことから前倒しました。

 報道は午後5時以降解禁される見通しで、NHKの午後5時のニュース(大相撲中継)で、全容が分かるのだろうと推測されます。

 アドレスは、下の通り。

http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/

 今日付けの官報ですでに要旨は公開しています。

 きょう公開されるのは、2012年(平成24年)1月1日~12月31日の政党助成金の使い道。このため、焦点は民主党を集団離党(除籍)の小沢一郎グループが結党した「新党きづな」「国民の生活が第一」とその解散になります。

 なお、政治団体である「日本未来の党」と「生活の党」は2012年の時点では政党助成金を受け取っていないので、対象外だろうと考えられます。なお、生活の党は、ことしから7億円という巨額の助成金を受け取っており、9議員で7億円なので、小沢氏の資金力が今後盛り返すものと考えられます。

 なお、各党が機関誌収入や寄付金で集めたお金は「政治資金収支報告書」になります。ただ、「領収書添付」になってから、公開日は11月30日ごろとなっており、2か月間、実態がつかみきれない状況が続きます。

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参・予算委筆頭理事に大塚耕平さん 郡司彰新会長起用、民主党きってのプレゼンテーション能力

2013年09月26日 07時25分52秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[写真]3選を果たした民主党の大塚耕平参院議員、2013年7月21日午後8時5分、民主党ホームページ

 大塚耕平さんが参・予算委の筆頭理事に就任することが分かりました。

 意外にも、大塚さんの参予算委筆頭理事就任は初めて。

 国会では「4月1日」は本予算成立から法案審査開始という極めて政治的緊張感が高まる時期のため、9月中ごろに人事異動をして、秋の臨時国会に入り、人脈をつくり、勉強し、場馴れしたうえで、翌年の6月~8月の通常国会会期末の緊張した政局に臨んでいく、という、年間の人事スケジュールをとっています。これは、議会でも、国会だけ。国会内でも、基本的には2大政党だけの話です。

 臨時国会に補正予算はでない見通しなので、10月1日(火)午後6時の首相会見の翌日以降の、閉会中審査や、召集翌週の10月22日(火)以降などに集中審議のセッティングなどで理事会での協議があるかもしれません。通常国会には補正予算が出るので、1月下旬・2月上旬から早速、大塚筆頭理事の姿がTVでも見られるでしょう。3月の本予算審議は、「30日ルール」から「消化試合」とも揶揄されますが、グラフやパネルを使って、社会保障と税の一体改革などに関して、首相らから言質をとり、いずれ、言行不一致をつく材料になりそうです。

 とくに3党合意に基づく、社会保障制度改革プログラム法案の金額と時間軸が混然となった立体的な議論を国民に分かりやすく見せながら、与党の混乱を議事録に残す手腕は、間違いなく、断然トップの能力を持っているだろうと考えられます。それを自分が質問したり、他の委員にテーマと時間を割り振ったりする、プロデューサー(兼)ディレクター(兼)出演者が筆頭理事です。

 いずれにしろ、政権交代ある二大政党政治の真価が問われる予算審議になりそうです。

 郡司彰民主党・新緑風会会長(民主党参議院議員会長)が、第185臨時国会・第186通常国会で、参議院予算委員会の委員長が自民党の山崎力さんであり、強力であることから、大塚さんの起用を決めました。

 大塚さんは第1次野党期最後の第171通常国会では、財政金融委員会の筆頭理事を務め、予算関連法案採決の直前に、平田耕一財務副大臣(三重3区比例)のクビをとるお手柄をみせました。この国会中に衆院が解散され、平田さんはJC主催の討論会の席上「私が当選する可能性は万に一つもありません」と謎の発言をした後、第45回衆院選で民主党の岡田克也候補に惜敗率36%の大惨敗を喫し、政界を引退したもようです。

 第1次与党期には、外相に昇格した外務副大臣への転出にともない不在になった、民主党広報委員長に就任。多額の政党助成金を扱う部署で、これは岡田幹事長が決めましたが、その大塚委員長もすぐに厚生労働副大臣に急きょ就任するなどバタバタした政権・党運営でしたが、そつなくこなしました。

 第23回参院選愛知県選挙区(定数3)で、トップの自民党(105万票)には及ばない75万票で2位当選。ただ、最下位当選のみんなの党にはダブルスコアをつけており、愛知の底堅さを見せました。

 3期目となりましたが、いまだに大臣経験はなく、民主党きってのプレゼンテーション能力があるので、大いに期待できそうです。

 大塚さんは野党議員時代の最後に、次のように予算委で話しており、この続編が聞きたいところです。

 「パンドラの箱は、開けちゃならないといって開けたら人間を不幸にする要素がぶわっと飛び出したけれども、最後に希望が残ったという、そういうふうにも言われておりますが、私たち野党が予算改革をやりたいのは、国民の皆さんを不幸にする、母子加算の二百億を削るような、そういう予算のパンドラの箱から不幸の種を出して、希望を国民の皆さんにお届けしたいということなんです」

 民主党のパンドラの箱も3年かけて、しっかりとあければ、最後に希望が残りそうです。

 

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◎教育委員会を諮問機関に格下げの抜本改革法案 下村文科相が第186通常国会提出へ

2013年09月25日 10時39分17秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[写真]自民党の下村博文・文科相(兼)五輪相。

 日本の教育委員会行政については、朝日新聞が圧倒的に強い影響力を持っています。私が聞いた話では、「広島支局時代に広島県教育委員会事務局だけを担当していた」ということで、朝日は県教委専任記者がいる。もちろん、高校野球もありますが、「県立高校の入学試験の概要一覧表」なんかも記者が打ち込んでいて、あれは人生にもかかわるので、若手とはいえしっかりと責任をもって、県教委事務局を担当しているそうです。多少の経費節減で状況が違うかもしれませんが、教育行政関係者は朝日新聞を購読しているので、その影響力は圧倒的です。

 2013年9月25日(水)付朝日新聞は1面トップで下村博文文科相から「今後の地方教育行政」について諮問を受けている中央教育審議会(中教審)が、地方教育行政の執行機関を教育委員会から首長に移す案を盛り込んだ中間とりまとめを9月26日に分科会で議論し、年内に大臣に出すといった趣旨の報道をしました。

 下村文科相ら自民党政権は第186通常国会(2014年1月召集)に、地方教育行政の組織および運営に関する法律などを改正する法案を閣法として提出する見通し。

 私も十数年以上、教育委員会の廃止も含めた抜本改革を持論としてきただけに、大いに応援したいところです。

 現在、衆議院では、維新の会が提出した「教育委員会廃止法案」(183衆法25号)が全会一致で継続審査となっています。このほか、民主党が出した法案も継続審査となっています。

 まず、読者の方に問いたいのは、おすまいの自治体の教育委員5人の名前を一人でも知っているか、ということです。政治・行政の基本は情報公開ですが、顔も名前も知らない委員に教育行政の責任を任せられません。たとえば、「私が解雇されたのは小泉首相のせいだ」という人はいても、「私が英語ができないのは中学校のころの教育委員の責任だ」と言う人を聞いたことがありません。

 地方教育行政の組織および運営に関する法律では、「都道府県、市町村に教育委員会を置く」(第2条)とし「教育委員会は、五人の委員をもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、(略)町村(略)の教育委員会にあつては三人以上の委員をもつて組織することができる」(第3条)となっています。
 そして、「委員は」「地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命」しています。「委員の任期は、4年」で「委員は、再任されることができ」ます。「教育委員会は、委員のうちから、委員長を選挙し」「委員長は、教育委員会の会議を主宰し、教育委員会を代表」しています。

 ところが、地方教育行政の長は、教育委員長ではありません。

「教育委員会に、教育長を置く。教育長は、(略)委員(委員長を除く。)である者のうちから、教育委員会が任命する」とあります。

 つまり地方教育行政の長は、教育委員長とは別にいる、教育長(兼)教育委員です。このことをどれだけの人が知っているのでしょうか。

 そして、「教育委員会の権限に属する事務を処理させるため、教育委員会に事務局を置く」とあります。新聞の地域面で単に「県教委は、」という主語では始まる記事は、この県教委事務局の課長などをさしている場合が多いです。そして、これは県教組によって、あるいは県内自治体でも温度差がありますが、教職員が県庁・市役所に入り、課長などを経て、教育長、市長になっています。たとえば神奈川県川崎市の前市長は76歳のときに今の市長に敗れ、3期12年務めた市長の座を降りましたが、「本当は(市長より)校長になりたかった」と落選の弁を述べました。教育長は、首長が副知事・副市長につぐ県庁・市役所採用の幹部職員を任命するケースと、県教組が推薦している教育委員会事務局の課長などを務めた教育委員が任命されるケースがたいていだろうと思います。この辺は、自治体によって、事情はかなり違います。

 朝日新聞が報じている案だと、教育委員会を執行機関から格下げし、教育基本方針などの諮問を受け、教育長に答申するといった機関になるようです。首長は教育長を直接任命・罷免できるようになるようですが、これはおそらく現在も事実上、首長と議会の関係と変わらないのではないかと推測します。

 今後は、教員の不祥事への対応を教育委員会が決定できるのかどうかという細部も詰めていかないといけないように思います。

 そして、最大の抵抗勢力は、教育委員は、「月1回の会議に出席するだけで月収20万円」というケースも多いようですから、全国の都道府県市区町村の教育委員、全体で9000人ほどいるはず。執行機関から諮問機関になれば、月給が下がる傾向になるでしょうから、抵抗があるかもしれません。ただ、維新の会の「教育委員会廃止法案」も全会一致で継続審査になっていることからすると、案外簡単に改正できて、「この65年間の教育委員会制度はなんだったのか」という日本的なあっけないフィナーレになるかもしれません。

 群馬県出身という理由だけで清和会の下村大臣ですが、さすがは民社党推薦で都議会に初当選した骨のある政治家です。

 下村大臣はよくやっていると思います。

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民主党女性副委員長に玉木雄一郎さんが就任でさあ巻き返しだ

2013年09月24日 19時25分15秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]玉木雄一郎・民主党衆院議員、同氏フェイスブックページから。

 民主党は2013年9月24日(火)の第594回常任幹事会で、国民運動委員会から独立させた「女性委員会」の役員を補充しました。

 郡和子委員長、吉川沙織委員長代理に加えて、新しく副委員長に相原久美子さん、徳永エリさん、大西健介さん、斎藤嘉隆さん、さらに玉木雄一郎さんを補充する人事を全会一致で決めました。

 民主党女性委員会のホームページは下の通り。

http://dpj-womens.net/

 玉木さんは当選2回の44歳で、香川2区選出。本州以外の民主党唯一の小選挙区当選議員。

 先日は、ある前衆院議員から「私、半年前の、県連大会で次の選挙出ないと言ったんですけど、いまだに「引退」という記事が出ないんですが、いいんですかね?」ということでしたが、いろいろ聞いたら、「そういえば、玉木は(1期生の与党期に)政策調査会であまり見かけなかった。地元を回っていたんでしょうね」とポツリ。

 さて、対する自民党女性局ですが、これはエスタブリッシュメントです。自民党女性局の機関誌、月刊誌「りぶる」の広告を見ると、「特別企画 輝く女性たち 第3回 高市早苗政務調査会長」「連載 金美齢の常識・非常識 攻めの姿勢で単独過半数を」「歌プラス22 西城秀樹さん」など盛りだくさんの内容。月刊購読料は送料込みでわずか3600円(消費税込みかどうかは記載がなく不明)。

 森山真弓さんは内閣官房長官になってメガネを7つ購入しましたが、稲田朋美・行革相もメガネを10ほど持っていて、毎朝秘書官にその日の服装にあうメガネを選んでもらうとのこと。

 玉木さんは先の通常国会の衆議院内閣委員会で行革について、次のように語っていて、私は天才だと感じました。

[国会会議録から引用はじめ]

 これは、政権がかわっても継続維持をしていただけるというふうになった行政事業レビューシートの検索エンジンを、グーグルのカスタム機能を使って新たにつくったものです。お金はほとんどかかっていません
 
 例えば、と今入れていますけれども、鯨と入れて検索をかけますね。そうすると、行政事業レビューシートの中で鯨と出てくるものが全部出てきて、例えば捕鯨の関係とか、あるいはシーシェパードの対象で外務省だったりとか、つまり、省庁横断的にいろいろなものを横串で検索がかけられるんです

  私は、の中を変えたのは検索エンジンだと思っていて、政府を変えていくのも、こういう検索機能を徹底的に使うことだと思うんです。そのためには、検索にひっかかるようにもともとの予算とか決算とかを一定のルールの中できちんと整理してそもそもつくっていく。あるいは支出の際には番号なんかをきちんと入れてもらうというふうにすれば、例えば、概念的には予算執行年度が終わった瞬間に決算ができているとか、そういうことも理論的には可能なわけです

[引用おわり]

 私は古い人間なので、自民党女性局と聞いただけで、稲田大臣がしているおしゃれメガネを連想してしまいます。民主党の女性支持層は薄目です。これは、女性、とくに30代、40代以上の女性が「安定を大事にする」という特性があるからだと考えられます。

 その意味で、安定感のある玉木さんが民主党女性委員会のメンバーに加わったことは頼もしいことだし、ある意味、巻き返しの始まりだと考えます。

 ちなみに、上の玉木さんの議事録は連休前国会最終日にかけこみで衆委員会で可決した「マイナンバー法案」の審議に差し替えで登場したときのものです。言うまでもなく、マイナンバー法案は、玉木さんの先輩である大平正芳首相以来の40年来の悲願でした。大平さんは終戦直後に大蔵省で机を並べていた宮澤喜一さんに「なあ、日本では戦争で何もなくなってしまったが、鉄道は残っているから、あれを担保に外国からお金を借りられないか」とポツリとつぶやいたそうです。ゼロ式戦闘機がゼロ系新幹線になるとは大平さんも驚いたでしょうが、玉木さんの「検索エンジンで予算執行年度が終わった瞬間に決算ができている」と発言はさっぱりわからないでしょうが、まあ、終戦直後に比べれば、2013年の日本も、2013年の民主党も十分に復興できると考えています。

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第185臨時国会の10月15日(火)召集前倒し不可能に維新拒否で衆院の「要求書」作成できず

2013年09月24日 11時40分07秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

 写真は民主党ホームページから。

 第185臨時国会の2013年10月15日(火)召集(見通し)の前倒しが不可能な状態になりました。

 連休明けのきょう午前8時から、都内ホテルで、野党幹事長・国会対策委員長会談が開かれました。これは、自公民3党幹事長会談に先週出席した大畠・新幹事長の呼びかけに野党各党が応じたもの。

 ところが、維新の会が、臨時国会召集要求書(憲法53条、国会法3条など)への署名を拒否しました。

 現在情報を調べていますが、維新の会は、外交日程を優先する国会改革などから、APECや10月8日ではないかとされるTPPの首脳による「大筋合意」(破たんの可能性も)などを優先すべきだとの考えではないかと推測します。

 この結果、衆院では、民主党(56)、みんな(18)、共産(8)、生活(7)、社民(2)の合計でわずか91議席。定数480の「4分の1」(憲法53条)は120議席で遠く及ばない状況になりました。

 このため、5党は参院で集めるようです。参院では民主党(58)、みんな(18)、共産(11)、生活(2)、社民(3)で92議席なので、「4分の1」の60議席は大きく上回ります。

 ただ、私が調べたところ、参議院だけで臨時国会召集要求書をつくったのは、過去に第105回臨時国会の1度だけ。これは、1986年(昭和61年)5月26日で、半数改選がせまる参自民党(当時単独過半数)が「円高対策樹立のための臨時国会の召集」を要求。翌朝、第2次中曽根内閣は「円高対策の樹立と、衆議院定数の違憲状態の解消のために臨時国会を召集する」と決定し詔書を発布。6月2日に召集されたところ、午後2時に、衆議院解散詔書を発布し、衆議院議長が議長サロンで朗読。いわゆる「死んだふり解散」で、衆参ダブル選挙で、第2次中曽根内閣は圧勝し、自民党総裁任期延長による、第3次中曽根内閣・中曽根裁定へとつながりました。おそらく、藤波孝生・自民党国会対策委員長のシナリオでしょう。このときは、改正公職選挙法の施行日と(解散日でも参院選公示日でもなく)衆院選公示日にあわせ、47都道府県に紙媒体の官報が届くように個人で列車で配達したりというトリックにつぐトリックでした。

 今の日本に必要なのは、トリックではなく、君子は本を務む、本立ちて道生ず。民主党は2013年10月15日(火)召集に向けて、原発問題、農政、TPP、決算審査などの閉会中審査にとどめるべきです。いずれにしろ、たった、3週間しかありません。

 ◇

 会員制ブログの「今後の政治日程by下町の太陽・宮崎信行」を更新しました。

http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65&entry=34322

 きょうの午前8時から、野党幹事長会談が都内ホテルで開かれ、第185臨時国会の2013年10月15日(火)からの前倒し召集の署名集め(総議員の4分の1以上)が始まる見通しですが、召集に関して、政府の期限が決まっていないため、前倒しはないもよう(あるいは小幅か)。

 基本的には、衆議院経済産業委員会、予算委員会などの閉会中審査で、政府は対応する見通し。
 
 民主党は秋の臨時国会で、委員配置を新しくし、自民党も副大臣・政務官と委員配置の一新を予定しています。このまま、来年の第186通常国会まで続投する見通し。来年の通常国会は、法案次第では大幅延長も予想されます。集団的自衛権や、日本国憲法改正は先送りされるでしょう。

 衆議院解散はすぐにはありませんが、「今後の政治日程by下町の太陽」の登録者は、過去最多になっています。ありがとうございます。今後とも、長期的視点に立って、力の入れ方、手の抜き方の認識を共有して、永田町で「不毛だ」と感じることをなるべく減らして息の長い政治との付き合い方を一緒に勉強していきたいと考えております。

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防衛医大看護学科1期生の願書は来週しめきり 野田政権最後の法律、我が党前に倒れる

2013年09月24日 09時17分59秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 チルドレン・ファーストと未来への種まきをした我が党の第1次与党期の最後、解散直前に成立させた法律が、「防衛医科大学に看護学科を新設する法律」だったことが分かりました。

 これは、「自衛隊法を改正する法律」(自衛隊法等の一部を改正する法律、181閣法5号、平成24年法律100号)です。

  かなり無茶な審議日程で、11月6日(火)に提出、総理の解散宣言翌日の15日(木)に衆安全保障委員会付託、16日(金)に委員会で可決のうえ、本会議に緊急上程し、可決、参院送付。さらに、16日(金)に参外交防衛委員会付託し、可決、本会議上程、可決・成立。そして、午後3時半、衆本会議が再開され、民主党初の解散詔書が朗読されました。

 なお、衆議院通過は我が党としては最後の法律ですが、参本の審議順から、成立した法律としては平成24年法律102号まであります。ですから、我が党が第1次与党期に成立させた法律は、平成24年法律102号まで、ということになりますから、これは全党員が政権を取り戻すまで絶対に暗記しておいてください。


解散詔書の準備が進む中、2012年11月16日の衆本会議で、政権最後の委員長報告をする神風英男さん。

 この防衛医大看護学科設立法案は、当初は「防衛省設置法改正法案」として提出されながら成立していなかったのですが、当ブログは、第180通常国会の会期末付のエントリーでも「他の学校を出た看護師を自衛隊が採用すれば事足りるわけで」と廃案で問題ないとの考えを示していました。

 しかし、自衛隊最高指揮官を務めた野田佳彦首相の下、防衛大臣政務官を務めた神風英男さんが衆安全保障委員長として執念を見せたことになりました。野田さんは松下政経塾第1期生、神風英男さんは7期生。無償教育のもと、公に奉仕する人になろうとした人です。自衛隊への思い、無償教育への思いが、防衛医大看護学科創設につながったのでしょう。

 2014年4月1日入学の1期生は、来週9月30日(月)に迫っているので、希望者は急いでほしいと考えます。私の乏しい人生経験からすると、国家国民のために働きたい、公のために役立ちたい、という希望があれば、悩んでいれば、まずとりあえず願書を出してしまった方がいいです。世の中打算的なやつが9割です。ただ、公のために役立ちたいと思う人は、運が味方してくれるから、とりあえず応募した方がいいでしょう。

 そして、松下政経塾出身で、自衛隊の最高指揮官と防衛政務官をつとめた2人。私は政権末期には、「我が党はたとえ倒れるにしても前に向かって倒れよう」と再三再四、呼びかけきましたが、こうやって現実になっていてうれしいです。野田佳彦さんは総理を辞任し、神風英男さんは惜敗率75%、いってこいで9000票差で落選しました。

 防衛医大看護学科卒業生は、技官として、防衛医大病院で研究や後進の指導にあたるコースもあるようです。自衛官採用コースもあるようです。米軍初の女性将官は物流(兵站)部門でしたが、やがて、30年後、2040年ぐらいには、日本では、女性看護師が将官になるでしょう。民主党は倒れましたが、タンポポの綿帽子のように、日本の未来への種をまきました。

 防衛医科大学校医学教育部看護学科(設立準備室)に関する情報は下のアドレスから取り出すことができます。
http://www.ndmc.ac.jp/college_ka/

↓下のパンフレット画像をクリックしてもらっても、上のホームページに飛ぶことができます。



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黒い金脈「薬」漬け「金」まみれ安倍首相がネット解禁を急ぐ 第185臨時国会に薬事法改正法案提出

2013年09月23日 11時39分07秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

 自民党総裁(清和会)で首相の安倍晋三さんの黒い金脈が浮上しました。

 ケンコーコムの勝訴を受けて、政府は薬のインターネット販売を解禁し、第185臨時国会に薬事法改正法案を提出する方針。

 ただ、アメリカ、インド、インドネシア、フィリピン、欧州などで購入できる、こちらのVICS NYQUIL(ビックス・ニキル)という市販の風邪薬は飲むと一晩眠れば治ります。

 
[写真]ビックス・ニキルを引き始めに飲むと風邪は一発で治る(ことがほとんど)。日本でも販売すべきだ!、アメリカP&Gホームページから。

 ビックス・ニキルは、アメリカではP&G(ピー・アンド・ジー、プロクター・アンド・ギャンブル)が販売しています。日本では「ビックス」ブランドは大正製薬が販売していますが、「ニキル」は売ってません。アメリカらしいおどろおどろしい色に、極端に甘い溶剤のニキルですが、たいていの風邪は引き始めに飲んで一晩眠れば治ります。これが日本で売られていないのは、日本医師会の抵抗とみて間違いないでしょう。ネットは無理でも店頭で販売できないものでしょうか。

 ビックス・ニキルはさておき、安倍晋三首相の政治資金管理団体「晋和会」の2009年1月1日~2011年12月31日までの3年分の政治資金収支報告書をみると、安倍さんが薬のネット解禁を急ぐ理由が透けて見えます。


 
 団体献金にしめる「日本薬業政治連盟」と「製薬産業政治連盟」の比率が上げっています。

 安倍さんの場合は、毎年「東京政経研究会」から多額の団体献金がありますが、これは事実上、父の安倍晋太郎さんからの遺産相続分と言っていいマネーです。これに関しては、岡田克也さんが長年批判的で、議員立法も出しています。第171通常国会「政治資金規正法改正法案」(171衆法34号)が、現時点では、税法・政治資金規正法どちらも合法の状態です。

 これを抜いて計算すると、「薬l関連は、73%、75%、100%と上がっています。日本薬業政治連盟は下野後も安倍さんに政治献金を続けた唯一の政治団体(業界団体)となります。このほかに、政治資金パーティーの高額購入分も報告書でインターネット公開されています。「製薬産業政治連盟」もわけあってか、団体献金はしていませんが、毎年パーティー券の高額購入者として野党時代の安倍さんを支えました。

 このうち、晋和会の平成23年の政治資金収支報告書です。

 総務省ホームページ、リンク先はPDF
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/121130/1212300059.pdf




 このように野党期を支えた「日本薬業政治連盟」と「製薬産業政治連盟」への配慮が、アベノミクス3本の矢、成長戦略のトップバッターとして、さらにケンコーコムによる勝訴もきっかけとして、実現したということになりそうです。

 今、まさにすべきことは、同様なことを民主党議員に献金する。団体献金を受け付けていない長妻昭さんもいますが、党への献金、個人献金、あるいは、サポーター(年2000円)になるなどして、野党民主党に献金するのは、まさに今なのです。

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石破茂・自民党幹事長が我が党にエール、「民主党の与党経験が問われる」第2党以下言及せず

2013年09月22日 14時35分06秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[写真]自民党幹事長の石破茂・衆議院議員(鳥取1区)、衆議院ホームページから。

 2013年9月22日放送のNHK日曜討論に、任期満了前に向こう1年間の続投が決まった石破茂・自民党幹事長が出演。

 第185臨時国会(2013年10月15日召集の見通し)に臨むうえで、司会のNHK島田敏夫解説委員が「衆参ねじれが解消して、自民党の中には、野党の言うことは聞き置くだけでいいという人がいるが、第185臨時国会で野党とどう向き合うか」と問われました。

 野党全体について聞かれたにもかかわらず、石破さんは「やはり野党第1党である民主党。それは与党を経験して、いろいろなことを学んできたはずなんです。自分たちが政権にあったときに、どれくらい国家運営にマイナスになることがあったんだろうか。自分たちが与党であれ、野党であれ、国家国民の利益の方が優先するんだ。そういう共通認識を持っていけば、野党も反対するだけだ、与党も(野党の言い分を)聞き置くだけだという話にはならない。とくに民主党のみなさんの認識が問われると思いますし、それに向き合う誠実さが我が党にも問われる」と語りました。

 野党第2党以下には言及しませんでした。

 この日の読売新聞記事では、堺市長選で、民主党支持層はほぼ全員が推薦候補を支持している、との情勢分析がありました。もちろん、支持層を広げたり、無党派に浸透したりしたい、という気にもかられますが、今は、民主党支持層がほぼ全員が我が党公認・推薦候補を支持する状況を素直に喜びたいものです。政策に関しては、(仮に)当選後に、現職に伝えればいいんのです。

 また、きょうの報道で初めて知りましたが、我が党の地方議員は、昨年2000人以上いたそうです。公明党の3000人の3分の2いたということになります。今は2000人を切ったそうですが、これも、結束固めにはいいでしょう。これからは、国会議員団型から、国・地方連動型の政党になっていきますから、私ももっと我が党地方議員団に関心を寄せていきたいと考えています。

 政権交代ある二大政党政治は、下野した今がスタートです。

 

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元政務官は大臣をめざす尾立源幸北方領土初訪問、風間直樹ケネディ次期大使公聴会に参加

2013年09月20日 16時51分24秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[画像]笑顔で北方領土に旅立つ、尾立源幸・元財務大臣政務官(右)、2013年9月19日(木)、ANNニュースから。

 厳しい冬の審判(衆院選)、灼熱の夏の審判(参院選)をへて、かくも長い夏休みに入っている国会ですが、民主党の元政務官は次期与党期に向けて元気です。

 ごらんのように、2013年9月19日(木)、民主党大阪選挙区(2016年改選)の尾立源幸(おだち・もとゆき)元財務大臣政務官が北方領土に旅立ちました。もちろん、北方領土は海外ではなく日本ですので、ビザなし渡航となりますが、4泊5日の日程はすべて船中泊という強行軍。国後島、択捉島を回ります。これは参議院沖縄・北方問題特別委員会の視察によるものです。尾立議員の北方領土訪問はこれが初めて。

 

 そして、2013年9月20日(金)朝(日本時間)のNHKニュースでびっくりした人は私一人ではないでしょう。ケネディ次期駐日アメリカ大使(候補)の米国会参議院の参考人質疑で、ケネディさんの左肩のところに、風間直樹・前外務大臣政務官(新潟選挙区、2019年改選)の姿が。上の画像はアメリカ国会に3チャンネルある審議中継テレビ、C-SPANのインターネット版からキャプチャしました。

 

 ちょうど風間さんの席から撮ったケネディさんの背中。風間直樹公式フェイスブックから。

 

 ご覧のように、風間さん用の席を用意するなど、米国会は民主党を二大政党としてしっかりと扱っています。維新やみんなでこのような扱いがあるでしょうか。

 このようにかくも長い夏休みですが、民主党政務官経験者は、いずれは、副大臣、大臣へと、しっかりと経験を積んでいます。

 おごれるものは久しからず。その一方、清和会の稲田国務大臣があすからフランスを訪問するときょう発表しました。公文書館などを視察するとのこと。これに先立ち、同じく清和会の森まさこ大臣もフランスを訪れています。清和会女性大臣はなぜフランスを目指すのか。海部内閣の高原須美子元国務大臣は著書の中で、フランスで「ミニストレ・タカハラ」(高原大臣=女性形)と呼ばれ、「私はもう大臣ではありません」と答えたら、「フランスでは一度大臣を務めたら一生ミニストレと呼び続けるのですよ」と言われ、「日本の予算委員会は質問者も答弁者も大臣だらけになってしまう」と日本政治を揶揄していました。「ミニストレ・モリ」、「ミニストレ・イナダ」と呼ばれて、ベルサイユのばら気分になるわけではないでしょうが私の持っている一部情報では、両大臣は来年の連休も、夏も、内閣改造でも続投する、という噂があります。ですから、あわててフランスなど行くことなどないでしょう。

 

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特定秘密保全法案と情報公開法改正法案のセット論広がる 公明党代表も示唆

2013年09月20日 06時08分57秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

 当ブログが1か月前に主張した「特定秘密保全法案(仮称)提出へ 情報公開法改正とセットで議論すべきだ」との意見に与党からも賛同論が出てきました。

 自民党政府は「秘密保護法案とNSC設置法案のセットでの議論」を主張しています。

 2013年9月20日付の公明新聞は、前日の山口代表の記者会見の内容だとして、「行政情報の公開制度をこれまで発展させてきたこととの関係でよく議論することが重要だ」と発言したと伝えられています。

 私が主張しているのは、特定秘密保全法を施行し、「特定秘密」指定をするのにあたって、情報公開法(行政機関の保有する情報公開に関する法律、平成11年法律42号)の初の抜本改正案として民主党政府が提出した情報公開法改正法案(第177閣法60号)に盛り込まれた、裁判官によるインカメラ審理の法制化が必須であるとの主張です。

 民主党の海江田万里代表は2013年9月10日の記者会見で「私どもが秘密保護法の国会提出を考えていたときは、まさに尖閣諸島で中国の船が衝突事件を起こして、その映像が流れたということがありますので、それがどういう影響を与えるかということも考えてそこで検討したところですが、同時に、情報公開法とセットで話を進めていたわけであります。今回はそのセットの部分が全く抜け落ちているということで、私は問題が大きいなという認識でおります」
と語り、仙谷勉強会の当初の考え方と違ってきているとしています。

 ただし、情報公開法改正法案とNSC設置法案と特定秘密保全法案の3法案をすべて、第186臨時国会の衆参内閣委員会で審議するとなると、これは会期が間に合いません。とくに情報公開法改正法案は参考人質疑は必須でしょう。たまに自民党幹事長・国対委員長が「常任委員会は定例日があるので、定例日がない特別委員会を設置して審議したい」と発言し、そのまま、新聞の政治面が垂れ流すことがありますが、委員会の定例日というものは、国会法・衆議院規則・衆議院委員会先例のどこにも明記がない、国会対策用語でしかありません。ですから、やろうと思えば、内閣委員会を週3回でも、5回でもやればいいわけです。

 これは自民党と民主党の本質的な考え方が内包された対立軸ですから、第186臨時国会(2013年10月15日召集の見通し)に向けて、もっと民主党が強く押し出していってもいいでしょう。

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岡田克也さん「天命の幹事長」は藤井裕久さんが菅首相と取り持つ 今初めて知る真実

2013年09月20日 05時53分36秒 | 岡田克也、旅の途中

 岡田克也さんが2010年9月17日に、外務大臣をやめて、民主党幹事長に1年ぶり3度目、与党としては初めて復帰したのは、藤井裕久さんが菅直人首相(民主党代表)との間を取り持っていたことを、岡田さんが初めて公にしました。

 岡田さんは2013年9月19日付の「岡田かつやTalk-About」で、16日に藤井裕久さんの旭日大綬章叙勲記念パーティーに出席したとし、「藤井先生との関係で思い出すのは、私が外務大臣を務めていた折に、枝野幹事長が参議院選挙の敗北の責任を取って交代するとなったとき、後任の幹事長を私にどうかという話がありました。私としては、外務大臣を引き続きやりたいという気持ちが強かったのですが、藤井先生から、「国のため、党のために是非引き受けてくれ」と言われ、私としては天命だと受け止めて、幹事長をお引き受けしたことを思い出します」と語りました。

 この経緯としては、2010年6月2日に鳩山総理・代表が辞任したときに、当初、岡田さんは後継総理への意欲があったものの、その夜に党内派閥「凌雲会」創設者の枝野幸男さんが「菅副総理支持」を表明してしまったため、派閥を持たない岡田さんは選対事務局をつくれない状況になり、翌日、菅副総理自ら外務省を訪れて大臣室で岡田外相に支援を要請したため、筆頭推薦人を受け入れたということがあります。この際に、菅内閣での枝野幹事長就任と、岡田外相続投の人事は決まっていたのであろうと考えられます。ところが、直後の参院選で民主党が大敗したことから、幹事長の後継者として岡田さんという話になり、岡田さんは話が違うという意識があったと考えれます。

 これについて、就任当時の岡田幹事長の記者会見で、筆者が第一質問者として「この記者会見は1人1問と決まっている」と前々任者の小沢一郎氏を皮肉ったうえで、「(1)なぜ冒頭議員バッジを外したのか(2)藤井裕久さんから「日本の政治史にとって大切なときなのであなたしかいない」と言われたのではないか(3)奥さんから「1年前に幹事長を(小沢氏の命令を受けた鳩山代表)外された時にはあなた憤慨していた(のに、1年経って外相から幹事長に戻されることを拒むのはおかしい)じゃない」と言われたのではないか」という3つの質問をしました。

 これについて、岡田さんは(3)と(1)の質問には答えてくれましたが、(2)の藤井発言については返答がなく、その後も筆者はとくに追加取材をしていませんでしたが、今回のブログで、やはり藤井さんが菅首相と岡田外相の間を取り持っていたことが分かりました。その後、藤井さんは、野田内閣の最終局面まで人事への影響力を持ち、総理の抵抗を押し切って総理補佐官を無理やり辞めさせるという出来事までありました。

 岡田さんは藤井さんについて「いままでいろいろなことがありました」としました。これは、経世会・改革フォーラム21・新生党・新進党と足並みをそろえていたのに、新進党解党で、藤井さんがあろうことか、小沢氏率いる自由党に行ってしまったのが第一。ところが、運命とは不思議なもので、「自由党との合併」を公約にかかげた鳩山由紀夫代表が党内クーデーターで引きずりおろされると、菅政調会長が自民党・新生党出身の岡田幹事長代理を当選4回ながら幹事長に抜擢。岡田幹事長が自由党の藤井幹事長との信頼関係の中でスムーズに実務をすすめ、ちょうど10年前に民由合併をなしとげたのが一点。

 そして、民由合併後の初の通常国会で、菅代表が閣僚の国民年金未納を追及したところ、ブーメランで代表辞任に追い込まれた際、岡田代表・藤井幹事長の緊急登板で、参院選を戦ったところ、民主党結党以来初の第1党になるという、再ブーメランを果たしました。ところが、選挙に勝ったのに、藤井幹事長がおそらく小沢氏の命令か何かで、辞任してしまうという奇妙な現象が起きました。そして、次の通常国会では、郵政解散で大敗してしまいました。

 これだけでも相当省略していますが、岡田さんと藤井さんはほんとうに「いろいろあった」わけです。Talk-Aboutでの「これからも、テレビなどを通じて、あるいはいろいろな場で、民主党の将来に対してご指導・ご発言をいただきたいと思っています。」とのやや遠まわしな表現もそのような意味です。

 ところで、菅直人さんと枝野幸男さんといえば、羽田内閣を裏切り村山内閣をつくった「新党ぬけがけ」(新党さきがけ)の中心人物です。その後枝野弁護士の情報に基づき、菅厚生大臣が厚生省のすでにあることが分かっているファイルを大臣命令で出させたのは、有名な話です。そして、阪神・淡路大震災を迎えました。新党ぬけがけによる羽田内閣の裏切りは、日本の歴史にとって万死に値する罪であり、菅・枝野が東日本大震災で退陣に追い込まれたのは、天罰だと私は、実際のところは考えております。

 私は、2009年5月なり、2010年6月なりに岡田さんが総理・代表になっていたら、東日本大震災はちがった姿になったと考えています。しかし、それは心の中にとどめておきたいところです。

 岡田かつや公式ホームページの秘書日記には、ことし5月の「被災地に響く「岡田幹事長」」という記事があります。これは震災から2年以上経ったのに、今でも被災地では「岡田幹事長」と呼ぶ人が多いとの随行録。大船渡漁協の組合長さんは「当時の岡田幹事長のイメージがどうしても抜けず、いつも『岡田幹事長』と言っている」とのこと。



 3・11直後に、岡田幹事長が1期生議員らを集めて、「こういうときこそ、人は見られている」と指導しました。5月2日に全会一致で成立させた平成23年度第1次補正予算(復旧補正)では、「漁師さんが漁港のがれき処理をすると日当1・5万円」を盛り込み、全漁連会長から岡田幹事長は絶賛されました。その後、復旧・復興をめぐり政府内がおかしくなっていったわけですが、このとき私は、農協の組合長と違って、漁協組合長は組合員の生命を預かっているから、信頼に足りる人が多いな、と感じました。まさに「こういうときこそ、人は見られている」という感じです。もちろん、菅直人総理もその一人です。

 そして、岡田幹事長が就任会見で3つの質問のうち答えてくれた2つの答えの一つ。なぜ議員バッジを外すのか。その答えはこうでした。

 「バッジをはずすのは、別に国会議員を辞めたいからではございません。基本的に私は、国会の中、議員会館の中以外ではバッジをつけないということを、20年くらいやってきておりますので、今日は忙しすぎてそれを忘れていたということです。」

 この時点で、岡田さんは勤続20年を超えて21年目に入っていました。

 

 大蔵大臣に就任して、大臣室に入った羽田孜蔵相と綏子(やすこ)夫人(羽田孜公式ホームページから)。羽田さんもバッジをつけていません。皇居と官邸と大蔵省の往来にバッジは要りません。羽田さんは「有権者と語らうときにバッジほど邪魔なものはない」として、国会法で定められたところのほかは極力バッジをつけませんでした。バッジなしで街頭演説をする姿が、あの厳しい政治改革政局から20年経っても、岡田さん、石破さん、あるいは小沢一郎氏らが連続当選し続ける足腰になったのです。

 つまり、昨年末の羽田孜さんから羽田雄一郎さんへの長野3区世襲を強硬に岡田さんが反対したのは、「日本政治史における羽田孜の役割」に傷がつくことをおそれたからであることを、ぜひ千曲会のみなさんにもご理解いただきたいところです。

 藤井さんは羽田さんとともに今月、民主党顧問7人に就任しました。党規約にある党顧問が実際におかれたのは、今年が初めて。私が知る限り、藤井さんは合計3回引退表明していると思いますが、さすがに今回は引退表明撤回はないでしょう。いつも引退表明のたびに「自由人宣言」をしていますが、自由人ではなく、「民主人」として命ある限り見守り続けてほしいものです。

当ブログ内関連エントリー)羽田孜さん桐花大綬章、中野寛成、藤井裕久さんら旭日大綬章 政権交代訴えて、たった一度の人生で勲章

これも「天命」なのかな 岡田克也さん、民主党幹事長に1年ぶりに復帰

民主党「顧問」に新進党7人衆 革命第一世代は我々新進党勢だったと証明、これからが本番だ!

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馬淵澄夫さん「原発陸側遮水壁、2年前に東電が拒否」東電「武藤副社長と連絡つかない」と情報公開拒否

2013年09月18日 15時22分46秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

[画像]2年前の東電原発遮水壁拒否を証言する馬淵澄夫さんと取材する筆者・宮崎信行(左端)、ANNニュースから。

 民主党の東京電力福島第一原子力発電所事故対策本部(大畠本部長、玄葉光一郎事務総長、大島九州男事務局長)は2013年9月18日(水)国会内で、会議を開きました。

 東京電力からは、目がうつろだったフェローに代わり、松本純一・東京電力改革特別タスクフォース事務局長代理が出席。肩書は耳慣れないところですが、松本純一さんという人はこちら。

 

 この2年半、テレビですっかりおなじみの顔ですが、筆者は初めて見ました。

 会議はまず大畠本部長が「きょう夕刻官邸に申し入れに行く」と語りました。

 大島九州男事務局長(参議院議員)に促されて、前回の会議(福島県で開催)での東電の宿題として、松本氏は「各タンクエリア堰内溜まり水の状況」と題するA4判4枚を説明。タンクから漏れた汚染水の堰内の溜まり水のうち、台風18号で、H4(北)エリアというところにあるタンクから、1リットルあたり17万ベクレルの放射能が9月15日に出たものの、9月16日午前3時4分から午後8時57分に汲み上げて、堰内の水位(溜まり水)が11センチから3センチに減らした、などと説明しました。放射能が低いタンクは、排水したようですので、地下水も含めれば、少なくとも湾内の海には出たのだろう、と筆者は認識しました。とはいえ、なにかすぐに太平洋に健康被害のある魚が出たりするような問題ではないでしょう。ただし、かなり長期間かつお金がかかる。そのことの方が問題でしょう。

 ところが、ここで松本氏が着席したところで、大島さんが激怒。怒る大島さんを初めて見ました。「前回宿題だった、馬淵さんの言っている遮水壁をつくらなかった経緯についてのペーパーがない」との指摘に、松本氏は「弊社の武藤栄元副社長と連絡がとれず、馬淵先生がおっしゃっている内容との確認がとれない」として、東電社内で、同氏と副社長の連絡がとれないから、資料を持参しなかったというありえない詭弁を弄しました。



 ここで、馬淵澄夫さんがノートを見ながら、口頭で経緯を説明しました。まだ、朝早かったので、朝日1面を見ながら話を聞く出席者も多く見られました。

 ターミネーターのBGMが流れるかのような緊張感の中、馬淵さんは次のように説明しました。

 「(2011年の)6月11日に、私と東電の吉田所長が責任者として(原発の)サイト内に入り、遮水壁が必要だと吉田所長と確認をしました。6月13日に当時担当だった武藤副社長に話し、6月14日に海江田万里経済産業大臣(当時)に記者発表してもらう手はずになっていたところを、武藤副社長から、「株主総会が迫っており、有価証券報告書(有報)に監査が入っている。遮水壁をつくるには1000億円かかるので、資本市場に動揺を与える」として、14日の海江田大臣の記者会見をやめてほしいとの要請が(経産省に)入った。これを私たちのタスクフォースが察知し、海江田大臣にかけあったところ、「市場に混乱を与えるので発表しない」と官邸と経産省が判断した。そこで、「遮水壁はやることは確認している」との文章をつくってもらった」

 こういう趣旨の説明をしました。「官邸と経産省が判断した」との説明には、私は、海江田さんが現在党の代表なので、「官邸と~~」としてリスクを分散させたのかなあ、という感想を私見として持ちました。

 この後、松本氏は「武藤と確認できていない」と答えました。

 なお、汚染水の量に関して松本氏は「炉心を冷やすのに必要な日量400トンだ」との説明をしました。これは以前からぶれておらず、事実でしょう。この水をいつまでタンクにため続けるのかが問題ですが、民主党議員からは、ALPS(汚染水の洗浄装置)を東電が3系統整備(故障中)したのに、4系統目を国費(予備費)から整備することの違和感が提示されました。



 これを受けて、予備費の支出には反対しないが、技術的に難しい作業を国費で負担するようになると、東電としては、技術的に難しい作業を国費ですぐに取り掛かろうとする一方、技術的にやさしい作業は東電負担になるので翌年度に先送りしようというインセンティブが働いてしまい、まず難しい作業から始めようとする工程表のずれがでるのではないかとの指摘が出ました。これは3・11当時、ピカピカの1年生のヒラ議員だった玉木雄一郎・政調副会長の指摘で、これについては会合の最後に、玄葉事務総長が引き取り、東電と国費の財源スキームも検討していくことを確認しました。

 いずれにしろ、東電は民主党ににらまれたら、逃げ切れないと覚悟すべし。「夏休みの宿題を忘れたのは親の病気を看病していたからです」と嘘をついて、かえって大事になる小学生のような対応は自民党にしか通用しません。

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