[写真]国会議事堂の中央玄関から2階を経て3階に上がる階段、おととし2017年、宮崎信行撮影。
若いセンセイ方の張り切り過ぎは、予想通り、迷惑だったようです。
2010年以降のねじれ国会で、野党・自民党、公明党や超党派などの議員立法に盛り込まれた「市町村の計画策定の努力義務」が地方自治体の仕事を圧迫していることが分かりました。
これは、先の第200回臨時国会2019年11月25日の参議院行政監視委員会で、西田実仁・公明党参議院議員会長の質疑分かりました。
西田さんは、野党時代の公明党が2011年の東日本大震災で、「遅い、にぶい、心が無い」と政府・民主党を批判。「防災減災ニューディール基本法案」を出し、復興基本法に「全国防災」といういわくつきの抜け穴をこしらえました。
西田さんは、野党公明党の同法案と、野党自民党の「国土強靭化基本法案」が政権交代直後に合体して「防災減災等国土強靭化法」(当ブログ内2013年6月記事など参照)となったと説明。県や市町村が「国土強靭化基本計画を定めることができる」とする規定について、策定状況を問いました。
内閣官房は、47都道府県は策定したが、市町村ではわずか117団体しか策定していないと答弁。その理由として「主に担当する職員の不足ですとか策定のノウハウの不足が課題として挙げられている」と説明しました。
ことしの台風15号では、罹災証明書の発行が遅れて、生活再建のイのイチバンの責任を果たせない自治体が続出。職員不足は深刻であり、なかなか、国の議員立法に付き合いきれないのが本音だし、それが正しい、と思います。
西田議員会長は「もちろん、私も含めて議員立法のときにはいろんな思いを込めて法律を作っておりまして、それぞれその法律の趣旨というものはいずれも重要なものであります」と自己正当化しました。
しかし、地方分権一括法で、紐づけ枠づけの地方移譲を進めてきた内閣府のセクションの政府参考人。答弁では「計画策定などの義務付けによって必要以上に地方公共団体に負担を強いることは、地方公共団体の自主性を強化し自由度を拡大するという地方分権改革の趣旨に鑑み、適当ではないと考えております」とピシャリ。
ここ数年、超党派の議員立法に消極的な立憲民主党などに対し、自民党、公明党、維新の政府外議員らが毎年6月にSNSで批判するのが風物詩となりつつありました。しかし、それは自分が汗を流したから重要な立法だと錯覚してしまった大局を欠いた視点に過ぎません。21世紀になってからの議員立法ブームにも見直しの機運が出てきました。
ちなみに、英国庶民院では、議員立法提出権は抽選であり、政府外議員全員にあるわけではありません。米国の上院、下院は、「閣法」はありませんが、年間およそ2万本の議員立法が提出されるため、議院運営委員会から常任委員会に付託される確率はほぼゼロ%。このような実態のようです。
野党は、「外弁法改正案」(200閣法12号)の審議に応じない方針をとりました。今国会は来週2019年12月9日(月)に会期末を迎えます。かつてないことですが、本来は審議未了廃案闘争をとる野党の安住淳国会対策委員長が、第200回臨時国会を延長して、衆参で予算委員会を開催して、桜を見る会の審議に応じるよう要求。これをうけて、参議院野党の芝博一国会対策委員長は、衆議院から送られてきた「外弁法改正案」の審議に応じない方針を固め、参議院法務委員会の開催を拒否。法務委の定例日での開催は、今国会当初会期内ではなくなりました。あすは、理事懇談会の開催にも応じないことになりました。
法案は、外国人弁護士が、法人代表になれるとするなどの内容が盛り込まれています。委員長は公明党議員が占めており、参議院自民党としても強行的に開催させることができない委員会となっています。
この法案が廃案となるか、それとも、短時間でも衆参予算委を開催して定例日以外の月曜日に委員会本会議で一気に成立させるかの駆け引きとなりそうです。
●第200回臨時国会は野党の見せ場なく当初会期内で閉幕へ
第200回臨時国会。政府新規提出15法案のうち5本が法務省関連。「外弁法改正案」(第200号閣法12号)が、あす衆議院を通過。木曜日の参議院法務委員会で審議される公算。来週月曜日、2019年12月9日(月)までの当初会期内に、全法案が成立することが確実な情勢をなりました。
(関連記事の紹介 外弁法改正案の2019年通常国会提出は先送りに成立は早くとも2019年8月以降か)
野党の見せ場がまったくないまま2019年国会は閉幕し、10兆円補正予算案や、海上自衛隊ホルムズ海峡派遣の連立与党内調整などが焦点となりそうです。
●宮崎個人は実りの秋だった先月11月
さて、7月9日に、国会傍聴取材を一時中断しました。それまで開会中の平日はアポイントを入れないというストイックな姿勢で、国会傍聴取材に取り組んできました。先月11月、私は、合計7回の事前アポイントメントの会合に出席。うち4回は平日で、そのうち3回は私が主催企画。これだけでも、人脈がとても広くとても深くなりました。知己の主催では、女性の経営者3名以上と、男性の経営者2名以上で夜通し合宿。どこでそういう人と知り合うのかと聞かれそうですが、本当に仲間が増えて、世間がさらに広がりました。
12月から来年2月中旬までは、1周忌を終えたばかりの父と私が、唯一経営をめぐって対立していた「貸店舗」事業に初めて着手することになり工事が続きます。2月中旬からは募集事業に入るわけで、在宅在京中心となりそうですが、この事業を優先順位第一とする期間が続きます。
●今週金曜日の裁判のおしらせ
さて、私が原告として、石川大我立憲民主党参議院議員(候補=当時)を訴えた民事の名誉棄損訴訟ですが、今週金曜日に第2回弁論があります。事件番号は令和元年(ワ)第18731号名誉棄損事件。原告宮嵜信行、被告石川大我さん。2019年12月6日(金)午後1時10分から、東京地方裁判所第510号法廷です。前回は朝早かったので、私のファンの方がとりあえず来てみたけれども入れなかった、でも偶然に昼食時の地下1階で遭遇するということがありましたので、今回は事前に日時などをお伝えします。おそらく数分程度のごく短時間で終わり、裁判長が結審を言うのではないか、というように私は考えております。最近著名政治家が原告となり被告のジャーナリストが敗訴したり、反訴して勝訴したりしています。くれぐれも言っておきますが、今回の事件は、私が原告ですので、よろしくご理解ください。
(関連記事のご紹介 苦渋の判断、石川大我さんを東京地裁に訴え受理されました、石川さんのツイッターで「LGBT差別者と勘違いされて袋叩きにされたので名誉棄損で110万円支払え」と宮崎信行 )
(関連記事のご紹介
●永田町と霞が関とマスコミに混乱も
7月9日の国会傍聴取材の停止から5カ月。その後の閲覧数はgooの解析では4分の3ほどいただいていますが、Googleの解析では5分の1ほどにまで落ち込んでいます。そのわりには、リアル社会に接する、私の影響力はさほど落ちていないようです。しかし、台風19号を前に、数か月前からその日に開催されるとの日程が分かっていたはずの参議院予算委員会をめぐって、永田町と霞が関が混乱しました。おこがましいけれども、何らかの影響があったかもしれません。例えば、個人のアドレスを開設して再開するというようなことも考えていますが、その場合は、費用がかかるわりに、SEO、すなわちGoogle検索時に上の方に出なくなるかもしれません。来年1月ごろから、再開することもあるかと思いますが、インターネットコンサルタントの人と話す時間も欲しいとも考えています。また、NHKのインターネット常時配信が今月末から始まるとみられていましたが、なぜか総務省が横やりを入れました。Yahoo!ニュースとLINEニュースの配信者が資本を合体させることも決めました。インターネットメディアが際限なく増えていく中で、私が生きる道は、私には明確に見えつつあります。
日本共産党の大門実紀史・参議院議員は、2015年4月の安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に、マルチ詐欺商法「ジャパンライフ」の山口会長が招かれた件で、前年に消費者庁の新課長が「政治的背景による余波を懸念する」として、立ち入り調査をすべきだとの部下の声をかき消し、呼び出しての注意にとどめさせていたことを示す内部文書を提示しました。
大門さんによると、消費者庁の取引対策課の職員は2013年12月に当時の課長に「本調査すべきだ」との文書を上げました。2014年5月に、山田課長が就任し、7月に「本件の特異性にかんがみ、政治的背景による余波を懸念する」とした部内限りの文書を配り、立ち入り調査ではなく、役所に呼び出して注意する「召還」の行政処分にとどめるべきだ、と決め、その場で文書を回収。最終的に、2014年9月に文書注意するという不十分過ぎる行政処分にとどまりました。2018年に被害弁護団がジャパンライフの破産申請をすることで、「やっととどまった」と大門さんは指摘。2015年4月の桜を見る会招待状は「ジャパンライフが苦しい時の、最後の荒稼ぎに手を貸した」と批判しました。
きょう令和元年2019年11月29日(金)は朝から、野党が欠席。与野党国対委員長会談をへて、午後1時20分頃から、審議復帰。参議院だけにおかれている「地方創生及び消費者問題に関する特別委員会」の審議で、大門さんは「法案の審議もあるが、こういう情勢、こういう日ですので、新しい情報も入ってきたので、委員会の所管事項なので質問します」と切り出し「怒りが隠せない問題だ」としました。ジャパンライフ会長の招待番号は「60-2357」だとし、総理枠で招待されたことは明らかだと主張しました。
[写真]衆議院の委員会が開かれる分館の2階、おととし2017年5月、院の許諾を得て、宮崎信行が撮影し、所持。
人事院勧告を実施するために必要な給与法を改正する関連法案を審議する、衆議院の委員会が順調に動きました。
第200回臨時国会は、召集から15日が経ちました。
火曜日、水曜日の参議院予算委員会では異例の安倍晋三首相の令和元年台風19号に関する3分程度の政府報告に対する各党の質疑が挟み込まれる格好となりました。しかし、大きな炎上はありませんでした。
国家公務員一般職給与法改正案や、同特別職給与法改正案を審議する衆議院内閣委員会は各大臣から所信的あいさつを聞きました。人事院総裁による人事院勧告の説明もありました。
裁判官や検察官の給与法改正案を審議する衆議院法務委員会も。
そして、異例の外務大臣から防衛大臣に横滑りした河野太郎大臣。衆議院安全保障委員会で所信的あいさつ。防衛省設置法改正案が今後審議されますが、人事院勧告以上に、初任給は月0・8万円アップ。菅義偉・内閣官房長官は、中東への自衛隊派遣を記者会見で発表しました。
在外公館の給与法案は来年の通常国会になります。条約の承認案を審議する、衆議院外務委員会も順調に滑り出しました。
菅原一秀・新大臣の贈答品スキャンダルがある、衆議院経済産業委員会も定例日のきょう開かれました。但し、今後は、田嶋要・野党側筆頭理事が、委員会の日程立てでせめぎ合う局面もありそうです。
以上、令和元年2019年10月18日(金)の国会の動きの簡単なまとめでした。
【追記 2019年9月21日19時】
令和元年2019年10月1日(火)に、衆・災害特の閉会中審査が行われることになりました。
【追記終わり】
読売新聞の写真特集を見ると、被災した方には申し訳ないですが、「何が何やらわからないぐちゃぐちゃ」。
千葉県内で、台風による倒木、屋根などの損壊、停電の被害が出ました。「令和元年台風15号」が上陸した千葉市とその南の房総半島で、災害救助法が適用され、被災から11日経った今も日常が戻っていません。
これについて、衆議院災害対策特別委員会は17日(火)に、参議院では18日(水)に理事懇談会を開きました。ここで、衆議院では、来週26日(木)にも、武田防災相らを呼んで政府報告と質疑を行いたい方向で、まとまりかけました。しかし、翌日の参議院での審議では、与党はやるともやらないとも言わない姿勢に転じました。これについて、野党理事の一人は、「政府が与党にストップをかけたようだ、と感じた」としています。
立憲民主党の枝野幸男代表は、きのう、「26日にいったんセットしたと報告を受けたが、その後、先延ばしになったようだ」と話し、与党を批判しました。
千葉県庁の初動の遅れのほか、内閣改造を日程通り行った安倍内閣や森田千葉県知事への批判が高まっていることから、官邸側がなんらかの圧力をかけたと考えられます。
戦後林野行政の失敗についても、議論が広がってほしいところです。
[写真]文部科学省、きょねん9月、宮崎信行撮影。
文部科学省は「給特法」の改正の検討を始めました。
筆者・宮崎信行の取材に対して、初等中等局(初中局)財務課が認めました。
きのう、平成31年2019年1月29日(火)、大臣が本部長の「学校における働き方改革推進本部」の初会合が省内で開かれました。審議会の答申である、「月45時間以内年360時間以内の時間外勤務」を可能とする、教員の変形労働制導入には、法改正が必要で、この中で、「給特法」(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の改正の検討が必要だとの認識が共有されました。
審議会の答申では、「給特法の改正は必要ない」とのニュアンスに感じました。省内では「教員の残業代が増えるとか減るとかの話ではない」(初中局財務課)とのことですが、本来は公務員には認められていない変形労働制を実施するために「根拠」として、法律の精査が必要だ、との方向性が確立されました。現在のインターネット署名の「改正」は「廃止」ということでしょうが、逆の意味で「改正」という道筋になってきました。
関連法を一括改正する法案として、ことし2019年秋の臨時国会や、来年2020年の通常国会の「日切れ指定」などで提出されるとみられます。
これとは別に、来年度予算案では部活の指導の補助をする人の大幅増員が盛り込まれています。幼児教育無償化と、高校無償化のはざまで、義務教育教員の環境をめぐって、平成から新元号にかけて、教育にとって大きな議論が国会の内外で起こりそうです。
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(C)2019年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2019
日米新条約「TAG」(ティーエージー)締結に向けて、日米が交渉することになりました。
「TAG」とは、私も数十分前のNHKニュースで初めて知った言葉ですが、茂木敏充自由貿易協定担当相によると、
Trade Agreement on goods、トレード・アグリーメント・オン・グッズ、日米物品貿易協定ということになるようです。
報道によると(日米、貿易交渉開始で合意 トランプ大統領、安倍首相と会談)、安倍晋三首相(自民党総裁)は国連総会出席のため訪れたニューヨークで、トランプ米大統領と日米首脳会談。現地時間の26日、こちら時間の2018年9月27日、二国間の自由貿易協定の交渉を、茂木大臣、アメリカの通商代表が行うことをそろって説明しました。
茂木大臣は単独で取材に応じて、TAGでは、日本の自動車完成車、鉄鋼、アルミニウム、農産物など「物品」の関税について交渉。この交渉の間に、アメリカ政府は、関税を引き上げる制裁措置をとらないことを確約。物品の交渉の締結の後に、投資やルール分野の交渉をすることになりそうです。
現在、米中貿易戦争が進行しており、中国ではすでに米国産の農薬などが使えず農業生産に被害が生じている、とされています。計算上、米中が関税引き上げ合戦になった場合は、米国が勝つのは確実。しかし、米国内でも、政府の収入が増えて、企業の売上高が減るかもしれません。再来月の中間選挙で共和党・民主党どちらが勝っても、連邦議会は伝統的に保護主義であり、議会の支えを得ながら、米政府の「社長」であるトランプさんが確実に「米連邦政府の売上増」を達成しそうな公算。
日本自動車メーカーは、四半期決算発表の席で、トランプさんが投げている「一番高いボール」で、完成車1台を米国に輸出すると、米政府に66万円の関税を払わなければならない、との驚きの試算を発表しましたが、時期は分かりませんが、TAG締結の時まで、関税の懸念は先送りされました。
ISDS(ISD条項)などのルール分野や、投資分野は、TAG締結後へと2段階先送りされました。
言及はなかったようですが、米国がTPPに再加入して、TPP12に戻る、ということは無い、ということだと思います。
日米は軍事力で非対称ですが、平和安全法制により、アメリカの「存立危機事態」で集団的自衛権を発動し、米国の戦争に日本が助太刀するリスクは高まりそうです。
日本の国内政治としては、米、トマトなどをめぐって、日本の農業団体が反発することも予想されます。
TAGが妥結した場合は、国会に「TAGの承認を求めるの件」が提出されることになります。
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(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018
給特法の改正や廃止も含めた、中学校教員の「残業」に関する制度改正が、中教審を舞台にして、激化することになりそうです。2019年国会で何らかの法案が提出されるかもしれません。
●誰も知らなかった「給特法」。
「給特法」をご存知でしょうか。
「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(昭和四十六年法律第七十七号)です。中学校などの教師が部活動の顧問として、夕方や土日に出勤しているのに、残業代が出なかったり、拘束時間が長かったりする「ブラック労働」の現況との指摘が上がっています。
その法律第3条などで
「教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない」
「その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない」
とあり、基本給の4%の「教職調整給」だけで、給料に天井があり、労働時間に天井がない「働かされ放題」になっているようです。
この法律は定番の「六法全書」にも載っていません。あまり経緯に詳しくないので「誰が最初か」の固有人名はまったく上げませんが、疑問を感じた先生が私的な時間に調べたところ、どうやらこの昭和46年1971年の法律が根拠になっているらしいと突き止めたようです。
●「学校における働き方改革に係る緊急提言」おととい発表。
これらの指摘もあってか、文部科学省の「中央教育審議会初等中等教育分科会学校における働き方改革特別部会」は、おととい平成30年2018年8月29日(水)、「学校における働き方改革に係る緊急提言」をとりまとめて発表しました。
「特別部会」は続きますので、給特法の改正案や廃止案などといった、改正法案提出にむけたかけた駆け引きが活発化しそうです。
【追記 31日午後7時】特別部会の課題に、給特法の見直しが入りました。【追記終わり】
●突然「文科省は、教員の残業時間は夏休みを入れた1年間で計算したい」と報道。
ところが、これが出た昨日付の毎日新聞1面が「文部科学省は労働時間を年単位で管理する変形労働時間制を導入する方針を固めた」と報じました。夏休み期間などを合算して計算することで、残業代を払いたくないとする、文科省・県教委などの思惑が働いたと推測できます。これには、給特法改正の有志のグループや、日教組組織内立憲民主党参議院議員らが一斉に「これはなんだ」と当惑する声が出ました。
●文科省は、来年度予算案で部活動指導員を3倍増へ、但し、要するに残業代は払いたくないとの思惑見え隠れ。
さきほど、文科省が財務省に提出した平成31年度概算要求では、「適切な練習時間や休養日の設定など部活動の適正化を進めている教育
委員会を対象にした、中学校における部活動指導員」を、今の4500人から1万2000人へと大幅に増やすよう、提案しました。
財務省が満額認めれば、部活指導員で、中学の教師の部活顧問残業が緩和されるとみられます。
これらの動きは、要するに、文科省・県教委は、残業代を払いたくないという一点に絞られるでしょう。仮にそれならば、教員の残業上限時間管理などのために、地方公務員法や、労働基準法などを採用するということもありえそうです。
●当面は中教審が主戦場か。
この「給特法」を探し出した教員の活動は他とするうえで、残業代を払うのか、ブラック部活顧問時間の上限を設けるのか、さまざまな観点からの法改正案の検討が、中教審を主舞台にして進むことになりそうです。
●正規非正規の格差、世代間格差で実は階級社会の教員社会。
小中学校の教員をめぐっては、人口急増期に新卒採用した教員の退職金を確保するために、非正規の「講師」を増やすなど、とても公的セクターとは思えない、階級制ができてしまいました。さまざまな業種の中でも、深刻な世代間格差があります。
仮に文科省が法案のとりまとめに成功すれば、その後の、国会審議は超党派でスムーズに進むことが予想されます。
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