【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

大島理森議長が異例の談話で国会法改正も視野に国政調査権の強化の議会制度協議会を提案、「財務省、厚労省、防衛省」を名指しし、「行政府の問題だが立法府の問題も」「国政調査権の強化検討」

2018年07月31日 19時56分01秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]大島理森衆議院議長、先々月2018年5月28日(月)、国会内で、筆者・宮崎信行撮影。

 大島理森衆議院議長は異例の所感を発表しました。

 大島議長は、先の第196回通常国会最後の本会議で挨拶を述べることができませんでした。これは対決法「IRカジノ実施法」の採決が参議院で残っていたため、不測の事態に3分の2再議決ができるように、議題が終わった後も、休憩のまま、散会したからです。

 大島議長はきょう、平成30年2018年7月31日(月)、「衆議院議長談話(今国会を振り返っての所感)」を発表。

 この中で、先の国会は、「議院内閣制における立法府と行政府の間の基本的な信任関係に関わる問題」があったと指摘し、

 (1)財務省の森友問題をめぐる決裁文書の改ざん問題
 (2)厚生労働省による裁量労働制に関する不適切なデータの提示
 (3)防衛省の陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報に関するずさんな文書管理

 の3省を名指しして、「一連の事件はすべて、法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれがあるものであり、立法府・行政府相互の緊張関係の上に成り立っている議院内閣制の基本的な前提を揺るがすものである」と激しく批判しました。

 そのうえで、まずは行政府(政府、内閣)の問題としながら、立法府(国会、衆議院など)は

「憲法及び国会関係諸法規によって与えられている国会としての正当かつ強力な調査権のより一層の活用を心掛けるべきであります。そして、必要とあれば、その実効性を担保するため、それら国会関係諸法規の改正も視野に入れつつ、議会制度協議会や議院運営委員会等の場において、各党各会派参加の上で、真摯で建設的な議論が行われることを望むものです」としました。

 議長談話により、秋の第197回臨時国会では、議院運営委員会で、「議会制度協議会」設置に向けた話し合いがなされそうです。

 大島談話の全文は以下の通り。

[衆議院ホームページから全文引用はじめ]

衆議院議長談話(今国会を振り返っての所感)


まず、今般の西日本の豪雨災害により亡くなられた多くの方々に対し、心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々にお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に対し心よりお見舞い申し上げます。衆議院では、10日の本会議で決議を行いました。先日の台風12号により、被災地の皆様には、二次災害の危険など更なる過酷な状況が続きますが、政府におかれましては、この決議の趣旨を十分尊重して、被災者の方々に寄り添いながら、対応に万全を期していただきたいと思います。

先般の通常国会は、1月22日にはじまり、7月22日まで、延長を含めて182日間の会期となりました。


1.この国会において、①議院内閣制における立法府と行政府の間の基本的な信任関係に関わる問題や、②国政に対する国民の信頼に関わる問題が、数多く明らかになりました。これらは、いずれも、民主的な行政監視、国民の負託を受けた行政執行といった点から、民主主義の根幹を揺るがす問題であり、行政府・立法府は、共に深刻に自省し、改善を図らねばなりません。


2.まず前者について言えば、憲法上、国会は、「国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関」(憲法41条)として、「法律による行政」の根拠である法律を制定するとともに、行政執行全般を監視する責務と権限を有しています。これらの権限を適切に行使し、国民の負託に応えるためには、行政から正しい情報が適時適切に提供されることが大前提となっていることは論を俟ちません。これは、議院内閣制下の立法・行政の基本的な信任関係とも言うべき事項であります。

しかるに、(1)財務省の森友問題をめぐる決裁文書の改ざん問題や、(2)厚生労働省による裁量労働制に関する不適切なデータの提示、(3)防衛省の陸上自衛隊の海外派遣部隊の日報に関するずさんな文書管理などの一連の事件はすべて、法律の制定や行政監視における立法府の判断を誤らせるおそれがあるものであり、立法府・行政府相互の緊張関係の上に成り立っている議院内閣制の基本的な前提を揺るがすものであると考えねばなりません。


3.また、行政・立法を含む国政は、「国民の厳粛な信託によるもの」であり(憲法前文)、民主主義国家においては、国政全般に対する国民の信頼は不可欠なものであります。

にもかかわらず、行政執行の公正さを問われた諸々の事案や、行政府の幹部公務員をめぐる様々な不祥事は、国民に大いなる不信感を惹起し、極めて残念な状況となったのではないでしょうか。


4.政府においては、このような問題を引き起こした経緯・原因を早急に究明するとともに、それを踏まえた上で、個々の関係者に係る一過性の問題として済ませるのではなく、深刻に受け止めていただきたい。その上で、その再発の防止のための運用改善や制度構築を強く求めるものであります。


5.以上のような問題を生起せしめた第一義的な責任は、もちろん行政府にあることは当然でありますが、しかし、そのような行政を監視すべき任にある国会においても、その責務を十分に果たしてきたのか、国民の負託に十分に応える立法・行政監視活動を行ってきたか、については、検証の余地があるのではないでしょうか。国会議員は、私自身も含め、国民から負託を受けているという責任と矜持を持たねばなりません。このような観点から、最近、各党各会派や議員グループから、国会改革に関して具体的な提言がなされていることも、衆議院議長として、承知しているところであります。

今国会を振り返り、私たちは、国民から負託された崇高な使命とあるべき国会の姿に思いをいたし、憲法及び国会関係諸法規によって与えられている国会としての正当かつ強力な調査権のより一層の活用を心掛けるべきであります。そして、必要とあれば、その実効性を担保するため、それら国会関係諸法規の改正も視野に入れつつ、議会制度協議会や議院運営委員会等の場において、各党各会派参加の上で、真摯で建設的な議論が行われることを望むものです。


(平成30年7月31日)

[衆議院ホームページから全文引用おわり]

このエントリーの本文記事は以上です。

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(C)2018年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki 2018

 


[訃報]吉田公一・元新生党衆議院議員、享年77、肺がん、吉田先生と秘書のみなさまには感謝、感謝、感謝ばかり

2018年07月31日 02時36分59秒 | 素晴らしき新生党保存会

 吉田公一・新生党衆議院議員(元民主党衆院議員の吉田公一氏死去)が77歳で、おととい亡くなった、という報道が夕べでました。衷心よりの哀悼。そして、吉田公一・東京9区総支部長とその秘書・スタッフのみなさまに、元新生党東京11区総支部員より、心より感謝、感謝、感謝、感謝、感謝を申し上げます。注・9区と11区は小選挙区比例代表並立制移行後であって、新生党時代(中選挙区時代)とは一致しません。

 新生党・民主党衆議院議員、農林水産副大臣を歴任された、吉田公一先生は、おととい、平成30年2018年7月29日(日)午後10時40分、肺がんのため東京都内の病院でお亡くなりになりました。享年77。葬儀は8月4日午前11時から東京都練馬区春日町4の17の1の愛染院会館で。喪主は妻和子(かずこ)さん。

 私は大学生・改革フォーラム21(自民党羽田派)→新生党時代に、ご指導いただいた先生をあまり言及しませんが、これは、松下政経塾出身の古山和宏さんで、大学5年間、ぞっと板橋区内の総支部には通っていました。ご存知の通り、古山さんが当選することはありませんでした。古山さんが永田町事務所を持つことがあれば、私のキャリアパスは、やや違ったものになっていたかもしれません。

 東京9区総支部はドタバタでしたから、吉田先生率いる、東京11区総支部(板橋区の4割の区界は練馬区と接している)のスタッフのみなさんにはお世話になりました。まず、出馬歴では1期先輩の古山さんは、吉田都議のパーティに出席。私も同伴。ここで、吉田都議を支える区議のみなさんは「あれ、中村先生からのお花が来てないな」。吉田都議は、系列の中村靖衆議院議員(中村梅吉元衆議院議長の子、その後未入閣のまま引退)から離れる格好で、新生党公認で衆院選に出馬。4人区でしたが、新生党ブームの中で初当選。この選挙区では公明党さん公認の石井啓一・現国交大臣も初当選し、自民党は新人の小林こうきさんが初当選し、中村さんは入閣適齢期・都連幹事長ながら落選しました。他の選挙区では、新生党の西川太一郎都議(現・荒川区長)も初当選し、議員会館は隣同士でしたが、両先生の折り合いは良くなかったようです。

 私は、月刊都議会リポート(行革で廃刊)を読んでいましたが、吉田先生の都議時代の質疑は、リベラルそのもの。我々新生党は連立をともにした公明党さんから「極右政党」という誤ったイメージを持たれましたが、吉田先生はリベラルそのものでした。我々政治改革派に共鳴して、宮澤解散のかなり前から、小沢一郎先生の公認内定をとっていたと思います。

 東京11区のパーティーでは、吉田代議士が応援に。吉田先生は下町のミッチーともいっていいほど、渡辺美智雄さんのように演説がうまく、笑わせ上手で、親しみやすく、政策通でした。あるときは、「狂犬病の注射をしているが、実は日本で●●年も狂犬病は発生していない。これは獣医師会の利権なんです。こういうのを改革したい」と聴衆の関心を呼びながら、「実は先ほど挨拶して、今ほど退席したばかりの、先輩の北村直人先生、あの人獣医師さん」と笑わせながらも、私は「勇気のある先生だな」と感じました。このときは、私たちの連絡ミスで、北村先生ら退席後に、吉田先生到着まで、数分間の時間があると勘違いしてしまい、早めに乾杯をしてしまい、食事をとりだす数十秒前に吉田先生到着ということになりましたが、「どうぞみなさん、お召し上がりながら聞いてください」と機転を利かせてくださり事なきを得ました。

 羽田孜・小沢一郎軍団の強さの象徴、箱根での新生党合宿。夜は酒盛りですが、この場でも、なんとなく都連中心に集まりますから、吉田先生の秘書と、古山さんの秘書が小学校の同級生だということが私によって判明する、という機縁もありました。だからどうしたという機縁ですが(苦笑)。

 以前も書きましたが、私がまさに冷や汗を書いたのが新進党時代の参院選。11区は、旧公明党出身の太田昭宏代議士が自ら比例転出を表明するというおどろくべき展開で、両者とも地盤の、小選挙区9区・11区での次期衆院選の公認を取れました。そして、新進党は組織を束ねるために、参議院東京選挙区で、魚住裕一郎候補(現公明党参議院会長)1人だけを擁立。夜の選対で、西新宿の事務所に行った際は、東京1区から、25区まで順にその日の情勢を報告。1区、2区、3区・・・と順に来て、でも、11区の私は当時学生で日中は入れてなかったので何も話せませんよ。以前にも書きましたが、この会議の司会役は、9区総支部で、新生党時代から旧知の秘書さん。何も話せない11区の私に、一般的に答えられるはずの自民党都議2人の対立(田中晃三、下村博文両都議)状況について質問してくれて、別に年中話せるはずの、田中、下村両都議の対立を説明して、さまになりました。これは、もう感謝、感謝、感謝、感謝の一言です。この選対は本部長、事務局長、そして夜の選対司会役まで旧新生党がやっていて、このことが、その後の東京都連での大敗、新進党分裂の遠因になったかもしれないとも思います。

 その後、吉田先生は、選挙区で自民党公認のガッツ石松さんと、96民主党さん公認の小川敏夫さんの挟み撃ちにあいながらも、強靭な足腰で再選。さらに、自民党で満を持して登場した、菅原一秀さんにも次の選挙で勝ちました。しかし2003年の選挙では、どういうわけか、吉田vs菅原なら、若い菅原さんの方がフレッシュというイメージが選挙区内でできてしまったようで敗れました。また、諸事情があったんでしょうが、私が取材できない時期に、吉田先生は、民主党羽田グループから民主党鳩山グループに移ったようですが、これはまあ賢明だったのかもしれません。そして、2009年に比例で復活。農林水産省の政務三役として、両院議員総会で発言し、「前日、日程表に3つぐらい官僚のレクシャーが入っていると、全部切っちゃうんだよ」との政治主導をスピーチ。これには、民主党議員は大爆笑。私は、吉田先生の言う通りだと思います。民主党政権は、総理大臣まで財務省のレクチャーに洗脳されてしまい、大惨敗を喫します。

 その後、吉田先生は、政治資金管理団体を解散。このとき、全国で気づいたのは私一人でしょうが、百数十万円ほどの残金を国庫に返納していました。通例、百数十万円でも、個人に寄付したり、自著を購入したりして、ゼロ円にしてから解散するのが普通です。吉田先生は、「吉田パイプ工業社長」の肩書もあったため、お金にクリーンではないのではないかとの予断を持ち、東京だから取材しやすいと勘ぐる記者もいて、私は2~3度そういう趣旨の質問をされたことがあるような気もしますが、この百数十万円国庫返納をみても、クリーンだった。上述で、細川・羽田連立内閣の頃に公明党さんから「極右政党」という間違ったイメージを持たれましたが、新生党結党時に、河野洋平官房長官(のちに自民党総裁)から「自民党が改革しなければならないのはなにか。それは出て行ったあの人たちの体質そのものではないか」と新生党を官房長官会見で批判し、自民党内も含めて批判・賛同が出ました。私も学生の立場で、新生党はクリーンでなかったかもしれません。ただ、それは、バブル末期で、自民党竹下派にはお金がある人が集まっていて、あの時の議員・秘書会青年部で逮捕された人はいるでしょうか。学生塾の3代目の代表だった石川知裕さんだけです。学生ながら、クリーンではないかもしれないが、我ら改革派だという意識は強かった。羽田内閣では、新生党・新生党秘書会青年部・学生塾は鬼の団結を示しました。これは、少数与党だったからですが(苦笑)、あのころの、都連の3区のメンバーで、「実はあのとき、宣車で怪我して羽田内閣の2か月間は病院に居たんです」という告白を聞いて、「それ言わなきゃ分からないですよ、先輩はみんな、我々新生党の仲間だというイメージしかないから大丈夫」。まあ、私は当時大学3年生の末席ですが、今でも新生党の仲間では、そういう話をします。

 吉田先生は、私が知る1993年ごろから、ずっと、脚をひきずっておられました。

 吉田先生。吉田先生の秘書のみなさまが今どうしているのか一人も分からないのですが、本当に、感謝、感謝、感謝、感謝、感謝、感謝、感謝、感謝、感謝、感謝ばかりです。

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池永肇恵さんが内閣府男女共同参画局長に 6年前、岡田克也副総理の記者会見で司会

2018年07月29日 17時14分12秒 | 霞が関人事

[画像]池永肇恵さん(左端)、2012年3月、首相官邸ホームページ内の岡田克也副総理記者会見概要内の動画からスクリーンショット。

 2012年初頭に、岡田克也副総理の記者会見で、内閣府大臣官房政策評価広報課長として司会をつとめた、
 
 池永肇恵さんが先週水曜日平成30年2018年7月25日に、内閣府男女共同参画局長に就任しました。

 おめでとうございます。

 池永さんは、昭和58年東大教養学部を卒業して、銀行を経て、昭和61年に経済企画庁入庁。総理府、経企庁、沖縄開発庁が合併した内閣府のキャリア官僚として活躍。男女共同参画局長は、旧総理府本府採用の女性キャリアが目標にしていることが多く、退任後は大学長、副知事などが出ています。池永さんは、経企庁採用ということで、まさか男女共同参画局長というコースは考えていなかったでしょうし、私は今でも、経済企画事務次官というポストを復活させるべきだと思いますが、男女共同参画局長となりました。

 こちらの部署は、昔は局ではなく室だったんですが、平成9年4月に、当時の総理府男女共同参画室長にあいさつにいったら、その流れで、「男女共同参画審議会設置法」(平成9年3月26日法律7号)の本則7条、附則2条を、室長に全文解説してもらいました。キャリア官僚の人生と言っても、意外に法案執筆にあたるのは、数回以下です。名取はにわさんという室長でしたが、本則7条、附則2条でも内閣法制局の審査など大変だったとの話。また実務の中で感じたようですが、「審議会設置法」というものは珍しいということでした。審議会設置法という霞が関には珍しい日の当たる大通りを堂々と歩くような法律は社会の脚光を浴びて、わずか2年後に「男女共同参画社会基本法」(平成11年6月23日法律第78号)が成立され、「審議会設置法」(平成9年法律7号)は廃止されるという功績になったようです。まあ、常時出入り可能な記者クラブメディアに居た時代の私ですが、さはさりながら、局長に法律全文を逐条で法制局の審査も含めて解説してもらった経験は、かなり貴重で、本当に感謝したいと思います。

 で、その「室長」の20年後輩である、内閣府男女共同参画局長に池永さんが就任。

 で、6年前は、課長として、岡田副総理記者会見の司会をするという、やや緊張感があり趣の違う仕事をされていたんだよ、というのがこの記事の趣旨です。

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1年前の記事)民進党の郡和子さんが、安住淳宮城県連会長の陣頭指揮で仙台市長に当選

2018年07月23日 20時03分26秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 
【7・23仙台ショック】民共自社4党連携「郡和子新市長」で2連勝、昨夏第24回参院選の宮城全県区51%に続く、民進党内で安住淳県連代表ら「4党連携」発言力増大へ
[写真]郡和子さん(左端)や、安住淳・民進党宮城県連代表、共産党の高橋千鶴子さん(比例東北)ら、野党4党連連携の当事者ら、昨夏の第24回参院選、日本共産党の機関紙「赤旗」ホームペー......
 

 


もう特区はやめにしよう、野党もりかけ追及が生み出した「永遠の今」、国家戦略特区法改正案は第196回国会で審議未了廃案(閉会中審査)に

2018年07月23日 14時59分09秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]ビル風が心配な、容積率特区、奥の左側が、東京駅、2018年7月、宮崎信行撮影。

 もう特区はやめにしましょう。

 野党の執拗な、もりかけ追及のおかげで、「国家戦略特区法改正案」(196閣法57号)は趣旨説明すらできずに、審議未了廃案となりました。但し、自民党と公明党の希望で「閉会中審査」の手続きが取られましたから、第197回国会(再来月にも召集)では衆議院先議の法案として残ります。

 これで、「特区法改正案」の名称で、都市再生特別措置法、構造改革特区法、国家戦略特区法、が改正されることは1年以上途絶えたことになります。国家戦略特区法は昨年12月に国家公務員の給与関連法で細かい改正が入っています。日本法令索引の、都市再生特別措置法構造改革特区法国家戦略特区法の、各々の沿革を参照してください。

 小泉純一郎・自公内閣で始まった「都市再生特別措置法」による、容積率緩和特区は、地方創生どころか、東京一極集中を生み出しました。

 
[映像]日本政策金融公庫のビル(旧・日経新聞本社)、東京都千代田区大手町1丁目、2018年7月、宮崎信行撮影。

 日本政策金融公庫ビルは、もともと、私がつとめていた株式会社日本経済新聞社の本社があった跡地。特区を使って、経団連会館、JA全中ビル、日経ビル、鉄鋼ビルディング、みずほ銀行本社が入るビルなどが次々と、容積率緩和特区で高層ビルになりました。

 今月、ベトナムから日本旅行に訪れた方も、温泉旅館は、東京・大手町の「星のや旅館」に泊まったようです。

 
[写真]星のや旅館、東京都千代田区大手町1丁目、2016年、筆者・宮崎信行撮影。

 本来なら地方に泊まった外国人観光客を、丸の内・大手町地区が吸収したということで、いわば「逆・地方創生」といったところです。

 この容積率特区は、日本列島の西・南では、福岡県・小倉までのよう。北海道・東北では、札幌と仙台にしかないようです。

 一方、この特区を活用してビルを高層に建て替えたのは、経団連、JA、鉄鋼ビルディング、日本政策金融公庫やみずほ銀行が入るビル、JP日本郵政、高島屋、三越、清水建設、歌舞伎座などがあるようです。こんなのは、政治力は、有権者や首長が束になってもかないません。

[写真]左から、経団連会館、JA全中ビル、日経ビル、財務省の東京国税局、東京都千代田区大手町1丁目、2018年、宮崎信行撮影。

 やはり需給が崩れて、隣の地区である「神田地区」では、貸しビルの賃料が下がっているようです。3代続く地主が儲からなくなったことが、1年前の都議会自民党の東京23区地域での大惨敗につながったのかもしれません。

 国会で継続中の「特区法改正案」は自動運転特区を設けるものですが、そんなものは、愛知・三重・埼玉・神奈川県警が、前後をパトカーで護衛してもらうよう、県議会で働きかければいいだけ。大地主が私有地で、自動運転して、除草剤まき車でも開発すればそこそこ売れるのではないでしょうか。

 現行特区のうち、兵庫県養父市の特区がやっている、薬剤師がテレビ電話で服薬指導できる特区は恒久法にしようという動きがあります。こういうのだけやって、新しい特区をつくることは、既得権益者に対して新規参入を政府が除外してあげることになります。

 もう特区は絶対にやめにしましょう。

 特区を全廃し、オールジャパンの恒久法で、公正な参入条件の日本経済に戻す。それが、国会がすべき永遠の今につながります。消費税率を上げることなんかよりもずっと、持続可能で世代間格差が少ない日本をつくれます。そういう意味では、特区法改正案の審議入りを阻止した、第196回国会での立憲民主党をはじめとした野党各党のもりかけ追及は効果があった、と私は考えています。

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第196回通常国会閉会

2018年07月22日 14時41分17秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 第196回通常国会は、平成30年2018年1月22日(月)に召集され、32日間の延長を含む、会期182日間を終え、きょう、7月22日(日)閉会しました。

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[訃報]松本龍さん、67歳。

2018年07月21日 10時55分17秒 | その他
NHKによると、松本龍さんが亡くなったそうです。67歳。肺がん。朝の訃報が午前中に報じられることは稀で、それだけ注目されていたということでしょう。1990年初当選で、連続7期。衆議院環境委員長を合計2回。その後、環境大臣になり、名古屋議定書の議長として、深夜にまとめました。九州選出の民主党議員の勉強会をつくり面倒を見ました。心より哀悼の意を表します。

IRカジノ施設整備実施法成立で、第196回通常国会は終幕、「改憲阻止国会」「忖度国会」「働き方改革国会」に

2018年07月20日 21時44分00秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

(このエントリーは、午後8時25分投稿で、午後9時50分に更新)

[写真]第196回通常国会の憲法改正発議は不発に、きょう2018年7月20日の衆議院憲法審査会、インターネット審議中継からスクリーンショット。

 第196回国会も事実上閉会。昨年秋の野党大分裂により、森友・加計学園などニッチもサッチもいかない国会となりました。野党は、会見勢力3分の2が両院をしめてから、2度目の通常国会でありながら、改憲発議阻止に成功。辻元清美・立憲民主党国対委員長の言葉で言う「立憲主義を守る国会」の設定があたり、辻元さんのもう一つ「忖度決着国会」では、佐川前理財局長の国税庁長官辞任という「決着」が図られました。一方、安倍晋三首相(自民党総裁)が設定した「働き方改革国会」は、法案の提出・成立が延長国会になだれ込むハプニング。そのもととなった、5年前の裁量労働をめぐる調査ミスについて、きのう、大臣が事務次官や局長を処分しました。財務事務次官のセクハラ辞任、外務省ロシア課長のセクハラ更迭と、文部科学省前官房長の裏口入学と、霞が関の「頭が良いとの思い込み」が完全に崩壊した国会ともいえそうです。

 内閣提出法案の成立率は、4年前の安倍内閣に比べると下がっていますが、今夜半には92・3%になる見通しで、きょねんの「95・5%」に匹敵する、高水準。このままだと、有権者としては、次は野党に勝たせるという選択肢が有力ですが、とはいえ、それほどの人材・財源がないというのが正直なところです。

 衆での枝野幸男代表・辻元清美国対委員長の抵抗野党路線が功を奏しましたが、参議院では半世紀にわたった日教組など旧総評系議員の会期末闘争ではなく、それ以外の連合議員が担当。組織を根城にした陰湿な参議院が変わりゆく萌芽が芽生えました。とにかく、辻元委員長の貢献は偉大だし、ひそかにそれを支えた、森山裕、穀田恵二両国対委員長も、本人たちは認めないでしょうが、「辻元清美と立憲バッカーズ」といったところで、議会制民主政治の屋台骨は保たれたと感じます。

【参議院本会議 平成30年2018年7月20日(金)】

 「IRカジノ施設実施法」(196閣法64号)は投票総数238、賛成166、反対72の賛成多数で可決し、成立しました。

 「平成30年特定災害関連義援金差し押さえ禁止法」(196衆法46号)は投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

 議院運営委員長から参議院規則の改正が図られました。「定数6増」を決めた参議院改革協議会の報告書にもとづき、(1)参議院行政監視委員会の定員を30名から35名に増やす(2)行政監視委員会が勧告をする際には、全議員に諮るーーとするもので、来夏の改選後に施行するとしました。投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で可決・成立しました。正直、骨抜きの改革です。

 この後、会期末処理。下述の「水道法改正案」(196閣法48号)の閉会中審査は起立採決となり、過半数の起立で継続することが来ました。

 それ以外は、すべて委員長の審査報告書通りに決まりました。

 この後、伊達忠一議長があいさつ。会期末の混乱もあり、議長への不信感が強いようで、野次で騒然としました。そして、散会を宣言しました。

【衆議院本会議 同日】

 第2ラウンドでは、閉会中審査手続きが、付託した委員会の審査結果通りに決まりました。休憩。その後、参議院で法案が処理されたので、そのまま散会となりました。このため、恒例の議長の挨拶はありませんでした。

 第1ラウンドでは、「安倍内閣不信任決議案」が審議され、投票総数455、賛成135、反対320で否決されました。
 
【参議院災害対策特別委員会 同日】

 午前10時15分設定で、午後6時20分頃開会となりました。

 「平成30年特定災害関連の義援金の差し押さえ禁止法案」(196衆法46号)。衆側の委員長から趣旨説明。質疑、討論は省略されて、採決。全会一致で可決すべきもの、と決まりました。本会議に緊急上程。

 法案は、豪雨だけでなく、大阪地震も対象。公布日に施行。施行前に受け取った義援金も対象になりますが、差し押さえ禁止の効果は施行日に発生するため、きょうから施行前日までに差し押さえることは禁止されていないわけで、周りの人から注意喚起があっていいかも。

 これに先立ち、小此木八郎防災担当大臣が豪雨について、政府報告しました。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 「森友・加計」特区をめぐる一般質疑などの余波で審議入りできなかった、「国家戦略特区法改正案」(196閣法57号)を継続(閉会中審査)にするかどうかが採決されました。法案の賛否は別として、立憲・共産が継続に反対し、自公などが賛成することで、閉会中審査手続きをとることにして、本会議で認められました。

【衆議院憲法審査会 同日】

 3月の自民党大会に前後して「森友・加計」のダメージが強く、「4項目」を発表しながらも、自民党は憲法改正発議案の国会提出が出来ず、ほとんど憲法審査会は開かれませんでした。


[画像]憲法改正発議案が出ずに肩透かしを食った、森英会憲法審査会長と、秘密保護法・平和安保法制を主導した中谷元さんの、両自民党議員、2018年7月20日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 与野党融和をもくろみ終盤に提出され趣旨説明された「日本国憲法改正手続きのための国民投票法の改正案」(196衆法42号)を閉会中審査にする手続きについては、自公維などが賛同しましたが、法案そのものには賛同する声も強いとの報道もある、国民民主党や、立憲、共産など野党のほとんどの会派が反対しましたが、賛成多数で、第197回国会への継続を前提に閉会中審査となりました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「水道法改正案」(196閣法48号)を継続調査にする件。自公と一部野党が賛成して、継続調査にすることを、本会議に上申することになりました。参議院での閉会中審査となる閣法は、この1本となります。秋の臨時国会では、参議院先議となり、衆議院でも再度審議をしないと成立しないことになりました。国民・立憲などは反対しましたが、秋の参議院の見せ場になるかもしれません。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「サイバーセキュリティ基本法改正案」(196閣法45号)と「成年被後見人の権利の制限の適正化のための一括改正法案」(196閣法56号)は閉会中審査となりました。両法案は、カジノなどの関係で、今国会では審議入りすらできませんでした。野党提出の議員立法では、ギャンブル依存症対策基本法の対案は、野党自ら撤回を求め了承されました。IRカジノ施設実施法案の対案は、野党が閉会中審査を求めましたが、与党が反対したため、今国会で廃案となりました。

 一方、前日に議長(議院運営委員会)から付託された「海洋再生可能エネルギー発電整備に係る海域の利用の促進に係る法律案」(196閣法46号)はまったく議題にならず本会議でも手続きがとられず、政府提出法案ながら審議未了で廃案になりました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 野党提出ながら審議された、国民民主党の後藤祐一さんが筆頭発議者の「種子法復活法案」(196衆法13号)は閉会中審査の手続きがとられました。自公も含めた全会一致で秋の国会に継続します。このほか、野党提出の旧林野庁給与、牛豚赤字補てんのマルキン、農業者戸別所得補償法案も継続することが決まりました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 平成30年7月豪雨への黙祷がありました。この後、完全無所属の鷲尾英一郎さんらが提出した「航空機ハイジャック防止(航空機強取等防止)措置に係る体制の強化のための施策の推進に関する法律案」(196衆法43号)が全会一致で閉会中審査(継続審議)にすることが決まりました。鷲尾さん、こんな法案だしていたんですね、タカ派ということなんでしょうか。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 阿部知子さんら野党が提出したエネルギー関連の法案の閉会中審査が決まりました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 請願が4本採択されました。腎疾患、小児特定疾患、ウィルス性肝がんなどの総合対策の樹立や、てんかんのある人とその家族の生活の支え方の対策の樹立などを求める請願を採択すべきだと本会議に上程し、衆議院として請願を採択しました。

 この後、西村ちなみさんらの保育士処遇改善法案、阿部知子さんらの産後ケアセンターの法案、岡本充則さんらの児童虐待防止の法案が閉会中審査にすることが決まりました。

【衆議院法務委員会 同日】

 例年通り、法務省の定員増の請願を採択すべきだとする審査報告書をまとめて、本会議に上程。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 毎年恒例の、参議院事務局の職員である、外交防衛委員会専門員がマイクを持って、請願の整理を説明。


[画像]マイクを持って、請願の整理一覧表を説明する、参議院外交防衛委員会専門員、2018年7月20日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

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【会期末の珍事】自民党内(甘利明・元経産相と同派閥同県連の委員長)に謎の力が働いたもよう、「海洋再生可能エネルギー発電法案」は政府提出なのに閉会中審査怠り廃案に、自民党内喧嘩はもっとオープンにやれ

2018年07月20日 19時26分17秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 「カジノ国会」の会期末のどさくさに紛れて、不思議な出来事が起きました。

 衆議院は、今第196回通常国会に政府が提出しながらも、延長しても、衆議院で審議入りすらできなかった閣法4本のうち、

 「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律案」(196閣法46号)の、

 継続審議(閉会中審査)の手続きをしませんでした。

 これにより同法案は、完全に廃案となりました。

 自民党・公明党連立政権が提出した法案のうち、衆議院内閣委員会の渋滞で審議入りできなかった

 「サイバーセキュリティ基本法改正案」(196閣法45号)、

 「成年被後見人の権利の制限の適正化のための一括改正法案」(196閣法56号)、

 「国家戦略特区法改正案」(196閣法57号)

 の3本は、本会議で閉会中審査となりましたので、次の第197回国会の召集日に自動的に議案になります。本会議では、閣法45号と閣法56号については、法案そのものではなく、継続するかしないかについて、共産党が反対。閣法57号は、立憲と共産が、法案の採決は別として、継続すること自体に反対しましたが、自公などの起立多数で、次の国会でも審議することになりました。なお、閣法57号は、きのう、内閣委ではなく地方創生特別委員会に付託されていました。

 その中で、与野党の賛成論が強いとされた「海洋再生可能エネルギー法案」が手続きを怠り、閉会中審査手続きが取られず、あさって22日(日)をもって、会期不継続の原則により、廃案になる。

 非常に不思議な出来事で、大玉ころがしのように、自民党の中の一部の有力者の何らかの意思が働いた可能性があります。

 なお、参考情報として、山際大志郎・衆議院内閣委員長と、甘利明・元経済産業大臣は、神奈川県連で麻生派(志公会)ですから、関係が深いとみられます。

 甘利明さんは議員立法「エネルギー政策基本法」の筆頭発議者で、その効果として、エネルギー基本計画の策定を政府に義務付けたことで、けっきょく、経産官僚がエネルギーミックスを決めることになり、省内が、原発族とガス族に分かれる事態を招いています。

 自民党も党内の喧嘩は、旧民主党ほどでなくていいですから、多少はオープンにやっていただきたい。

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自民党に弄ばれる郵便局長会13年ぶり2度目の屈辱、柘植芳文内閣委員長がIRカジノ実施法案強行採決【追記有り】

2018年07月19日 17時58分12秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

【追記 2019年7月22日】

 この記事で紹介した、「柘植芳文」さんは、2019年7月21日投票の第25回参院選で「59・8万票以上」で当選。自民党公認者の中では特定枠2人を除けば事実上トップ当選。個人名では落選した山本太郎さんの方がとりました。自民党を押す各種団体トップ当選で発言力が増すとみられます。日本郵政社員らの労働組合である「JP労組」の候補者も、立憲民主党で14・4万票以上とり、当選しました。

【追記終わり】

【参議院内閣委員会 平成30年2018年7月19日(木)】

 今第196回通常国会最後の対決法案「IRカジノ施設整備実施法案」(196閣法64号)が強行採決されました。今夜からあすにかけて成立の見通し。

 自民党は明日、汚れ役を買った、参議院内閣委員長の柘植芳文・全国郵便局長会顧問を、来夏の第25回参院選の公認候補に決定します。

 理事会の申し合わせで「討論は5分間」となりましたが、理事ではない山本太郎委員が討論で長時間の牛タン戦術に出ました。柘植芳文委員長は「山本君、ルールを守りましょう」と発言を止めようとしましたが、山本太郎さんは「自民党は自分たちの都合が良い時にはルールを守れ、というが都合の悪い時には、3党合意のようにルールを守らない」と言い返しました。

 野党分裂により、会期中に参議院内閣委員長が自民党にふられ、柘植芳文委員長となりました。全特=全国特定郵便局長会の会長として、民主党政権時代は、国民新党などと郵政民営化見直し法制定に奔走。郵便局長らは、民間人だから選挙もやりやすい、と2009年衆院選の国民新党躍進の原動力となりました。しかし、2010年には、40万票をとりながら、参議院比例代表で落選。2013年には、柘植さんが会長を辞めて、与党・自民党から出馬しトップ当選で、自民党=郵政の結びつき復活をめざしました。しかし、その後、地域限定正社員の大量昇進はよかったのですが、日本郵政は、とくにいいこともなく。

 総務委員長でもなく財政金融委員長でもなく、郵政・郵便局と関係ない内閣委員長として、カジノ強行採決。共産党の田村智子副委員長によると、10日の職権立てでは、目が潤んでいたようにもみえたと語りました。2005年の郵政解散から自民党に貶められてばかりの郵便局がなぜ、自民党を支持し続けるのかわかりませんが、自民党はあす、柘植さんを来夏参院選の公認候補に決定します。

 法案可決後に、附帯決議が31項目付きました。しかし、「カジノ委員会」につとめる公務員が誰か分からないのに、誰に向けた附帯決議でしょうか。今国会は附帯決議国会の様相を呈しましたが、働き方改革関連法で厚生労働省の行政にくぎをさす以外には、あまり意味がない、と私は考えています。

【参議院本会議 同日】

 第1ラウンドは、「伊達忠一議長不信任決議案」。採決の結果、投票総数223、賛成69、反対154で、否決されました。

 休憩。

 法案の緊急上程は見送り、第2ラウンドはなく、再開しないまま散会しました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 平成30年7月豪雨で黙とう。小此木八郎防災担当大臣が政府報告。質疑。

 この後、「平成30年豪雨被害者の義援金差し押さえ禁止法案」(196衆法おそらく46号)が全会一致で起草されました。

 さらに、この時点で参議院は波が高かったのですが、衆議院災害対策特別委員会は会期末処理を終えました。散会。

【衆議院本会議 同日】

 「平成30年豪雨被害者の義援金差し押さえ禁止法案」(196衆法おそらく46号)が緊急上程され、全会一致で可決し、参議院に送られました。

 この後、古屋圭司議院運営委員長解任決議案が提出されました。午後1時8分頃に休憩し、午後3時31分頃に再開しました。

 「古屋圭司議院運営委員長解任決議案」。大島理森議長が向大野新治事務総長に結果を報告させました。投票総数449、賛成132、反対317で否決されました。散会。

【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】

 まず、谷公一委員長が委員派遣の報告。この後、一般質疑がありました。この後、階猛さんが筆頭発議者となっている、「被災者生活再建支援法案」など6法案は、今国会は審議未了で廃案になりますが、継続審議にするため、閉会中審査とすることを全会一致で決めました。散会。

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新規閣法成立率90%超えて国会「死亡」民主党を叩いて膝を壊した片脚ケンケン民主主義の時代に

2018年07月18日 20時09分44秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]袋叩きにされた民主党の野田佳彦総理代表、2012年12月16日、筆者・宮崎信行撮影。

 第196回通常国会の新規閣法成立率は、きょうをおえて、90・8%となりました。異常です。カジノの成立をゆるすと、92・3%。その数字の間には、なんの意味もありませんが、なんとか、カジノ一本ぐらいは会期から押し出してほしいものです。法案の中身など関係ありません。とにかく廃案にしないと、民主主義は再起不能になります。

 あきらめる奴は、何をやっても成功しませんが、さすがにきょうは日本の議会制民主政治ももう終わりかなと思いつつあります。虐待死した結愛ちょんのように「もうゆるしてもうゆるして」と言っているのに、民主党をハンマーで叩いて叩いて、自分の膝も叩いて、片脚でしか歩けなくなった、あほ普通選挙民。私が200数十年以上、格差社会の頂点である家系に生まれたことについて、申し訳ないとか思う気もなくなってきました。陰湿で近視眼な日本で、非正規雇用や世代間格差に見て見ぬふり、年1万本のアダルトビデオが製造され、結愛ちゃん事件ももう忘れた。まあ、片脚ケンケンで、当面生きていくしかありません。選択肢があることを自由というのですから、選択肢がなければ不自由です。

 さて、きょうのニュースで劇団四季の主宰で演出家というか、私は社長でプロデューサーであった、浅利慶太さんが亡くなったとの速報がありました。浅利さんは橋本龍太郎首相と親しかったようで、首相官邸で名刺交換。ああいう方ですから、その後、年賀状を送ってきてくださっていました。私が横浜支局に9月転勤。なかなか自分一人で原稿が書けず、政治部出身ということもあり同僚のいじめにあいました。明けて1月に、横浜市(青葉区)に本社がある劇団四季の浅利慶太さんから年賀状が届き、さらに小野寺衆議院議員から電話、政治部談合体質から、他社である産経新聞の編集委員からファクスが届き、「お、なんだこいつすごい」と職場の雰囲気が変わったこともあいまって、その後、3年間以上は、新聞記者として書いて書いて書きまくる円熟期を迎えることができました。浅利さんは日経新聞「私の履歴書」で、自民党内で系統が違う石原慎太郎さんらと「日生劇場」をつくったときに、日本生命から出向していた人に「小道具の予算が足りないからといって、大道具の予算から流用してはいけない。なぜならば~~」という日常会話をしていたおかげで、人気商売なのに、会社を半世紀以上持たせられたようです。それも興味深いところです。哀悼の意を表します。

【参議院内閣委員会 平成30年2018年7月18日(水)】

 とりやめとなりました。

【参議院本会議 同日】

 午前10時から始まりましたが、休憩が2回宣言されました。第1ラウンド、第2ラウンドとなりましたが、2回目の休憩宣言の後は、再開せずに散会しました。

 まず「国務大臣石井啓一君問責決議案」が1時間半強審議され、投票総数237、賛成69、反対168で、否決されました。

 この後、「受動喫煙防止の改正健康増進法」(196閣法47号)が採決され、投票総数235、賛成176、反対60で可決し、成立しました。討論では、野党的な行動に走ってくれている、維新・オリジナルメンバー大阪選挙区コンビの、東徹さんが登壇。東さんは「希望の党の松沢成文前神奈川県知事と維新が出した議員立法を審議してくれたのに採決してくれなかったのは残念だ」とし「自民党内にも喫煙者がいると聞く。議事堂内の会派控室や、議員会館個室での喫煙もできなるくなるのは嫌だろうから、法案の骨抜きがあったと自民党内でも聞く」とし、「2020年施行ではなく、2019年秋のラグビーワールドカップに間に合わせるべきだ」と批判しました。

 続いて、衆議院議員立法2本が成立。「改正北方領土問題等の解決の促進のための特別措置法」(196衆法44号)と「改正北方地域の旧漁業権者等に対する特別措置法」(196衆法45号)は、一括して採決され、投票総数237、賛成237、反対0の全会一致で可決し、成立しました。基金の元本も取り崩して活用されます。

 ここで、伊達忠一議長は休憩を宣言。

 そして、午後3時に再開して第2ラウンド。ここでは、内閣委員長柘植芳文君解任決議案。採決の結果、投票総数235、賛成72、反対163で否決されました。議長は再び休憩を宣言。とはいえ、さすがに上述の通り内閣委員会は開けず、IRカジノ実施法案(196閣法64号)の採決は、あすあさって(あるいは土日)の攻防となりました。とにかく中身なんてどうでもいいから、とにかく廃案にしないと。

【衆議院本会議 同日】

 定例日以外ですが、古屋圭司議院運営委員長が設定しました。同委員長は前日の朝日報道について、きょう、理事などに文書で説明したようです。

 「医療法及び医師法を改正する法律」(196閣法60号参先議)は、共反対、自公立国などの賛成多数で可決し、成立しました。知事が県内大学医学部に地元枠を働きかけたり、地方病院の勤務歴を人事の参考にしたりする改正法律。

 「参議院選挙で、比例代表に拘束名簿式の特定枠を新設し、埼玉を増員する、6増0減の改正公職選挙法」(196参法17号参先議)。新聞社説を含めて、かなり世論が盛り上がりましたが、今の議会構成では成すすべ無し!!! 法案としては久しぶりの記名投票でしたが、投票総数451、賛成304、反対147の圧倒的多数で可決し、成立しました。自民党の小泉新治郎さんが白票(賛成票)を投票したさいには、改革の言うだけ番長ぶりに野次が飛びました。新生党結党35人衆の最年少ながら大臣を朝に辞任し夜に内閣不信任決議に賛成しその日以降は一度も再入閣できていない船田元さんが棄権しました。

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衆議院は古屋圭司・議運委員長の朝日1面スキャンダルで本会議が流会する波乱の週明け

2018年07月17日 17時08分34秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

(11時55分初投稿で、その後随時更新。)

[画像]岡田克也さんも委員長席に詰めたかけた、公職選挙法改正案の強行採決、2018年7月17日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正特別委員会 平成30年2018年7月17日(火)】

 良心の呵責なく、来夏からの参議院議員通常選挙で、埼玉を2増し(改選定数4人区)、比例を4増して、その一部に拘束名簿式の特定枠を設ける、「公職選挙法改正案」(196参法17号)が強行採決され、可決すべきだと決まりました。本会議に上程。野党は徹底抗戦するかまえで、会期中の本会議で採決できず廃案になることが半々の割合で予想されます。

 「政治改革派はあなたです」とばかりに、平成の海部俊樹内閣から羽田孜内閣までの4内閣と、朝まで生テレビ、日比谷公会堂などを席巻した、政治改革。きょうは、あのときの、二大スター、非世襲なのに32歳で当選した岩屋毅さん、非世襲なのに36歳で当選してしかも竹下派だった岡田克也さんが与野党に分かれて審議しました。あの熱病はなんだったのか。あれはジュリアナみたいなバブルの残り香だったんだろうと、平成の終わりに、私は冷静に振り返るようになりました。

 岡田さんは、現実的に、参議院の定数を増やした場合に、院の権限を減らすような改革をするという覚悟があるのか、と問いました。衆議院議員が、参議院の議員立法発議者に「覚悟」を質問するのは異例。

 この後、午前11時28分ごろに、自民党の白須賀貴樹さんが、質疑の打ち切り動議を提出。直後に、立憲の森山浩行さんが、平沢勝栄特別委員長の不信任動議を提出。速記を中断し、理事が協議した後、午前11時33分頃から、岩屋理事が委員長席に座り議事を取りました。森山さんは趣旨説明で、法案の審議が拙速だと批判。討論はなく、採決され、立国共などの賛成少数で否決されました。平沢委員長が復席。ただちに、強行採決。

 法案は、立国共維の反対、自公の賛成多数で可決すべきだ、と決まりました。

【参議院内閣委員会 同日】

 「IRカジノ施設実施法案」(196閣法64号)で総理入り質疑。

○参議院厚生労働委員会は定例日ですが開かれておらず、水道法改正案(196閣法48号)は参議院で会期末を迎えて廃案(継続調査の手続きがとられる見通し)になります。

【衆議院本会議 同日】

 けさの、古屋圭司・議院運営委員長のスキャンダル。午前10時半ごろに、委員長室前で記者団に「ほとんど差がない」と弁明。理事懇などがもめており、本会議の開会は大幅にずれ込み見通し。

 各党禁足(きんそく、本会議場まで十数分で間に合う永田町・赤坂などに待機)のまま、待機。

 午後4時半ごろに、一部会派が代議士会。その後、午後5時ごろに流会となりました。

【衆議院東日本大震災特別委員会 同日】

 もともと設定は、本会議散会後の開催予定でしたが、本会議が流会したので、この委員会も流会しました。

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会期末週の火曜日のっけから衆議院議院運営委員長の不祥事「ノート事務所のもの」認める、6増0減法案が不透明に

2018年07月17日 04時31分10秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]けさの朝日新聞1面トップ。

 さあいよいよ、第196回通常国会も会期末を迎えました。

 といっても、海の日3連休明けですから、きょうは火曜日です。会期末の7月22日は日曜日。ですから、衆議院本会議の定例日は、あと3回、きょう7月17日火曜日の午後1時から、そして、7月19日木曜日、20日金曜日しかありません。ここで、議運委員長解任決議案と内閣不信任決議案が提出されることは既定論戦。もちろん、前日までに設定すれば、土日も本会議は開けます。

 異例の週明けです。古屋圭司・衆議院議院運営委員長のスキャンダルが、朝日新聞1面トップ。これは、4世議員・古屋さんの政治資金パーティーの売り上げが、政治資金収支報告書に過少に記載された疑惑。朝日は、写真を載せた「ノート」と報告書の金額があっていないと指摘。古屋事務所は、このノートが古屋事務所から流出したことを認めました。しかし、ノートは、パー券の送付先のリストと説明。一般的に、事務所はパー券を郵送で一方的に送り、それから銀行に入金するかどうかを決めてもらう、という商慣行。ですが、「ノート」には、金額の記載もあり、1枚当たりの定価は同じはずですから、金額が書いてあるのは不自然です。

 いずれにせよ、円満ではないかたちで、最近古屋事務所を去った元秘書がリークしたものとみられますが、その人物の詮索は無用。古屋さんの説明が待たれます。

 与野党内外で物議をかもしている、「公職選挙法を改正して参議院選挙で6増0減して比例代表特定枠を一部導入する法案」(196参法17号)は、「衆議院が後議の院」で、けさ9時から委員会を審議し、今週中に衆・本会議で可決・成立するはこびでした。一部では秋の臨時国会でも施行は間に合うとの指摘もあります。既定路線である、衆・議運委員長解任決議案の提出に前後して、交代人事があることもありうる展開に。

 古屋さんは当選10回。国政情報センターの「国会議員要覧第一別冊」の最新版では、成蹊大学卒業の国会議員は3名居て、成蹊高校の卒業生は2名。古屋さんは安倍さんは、成蹊高校→成蹊大学→自民党衆議院議員という2人だけのパス。よき兄貴分の側近の古屋さん。入閣が遅れていましたが、2012年の政権再交代による第2次安倍内閣で、満を持して初入閣。背番号「96」を着た安倍首相が東京ドームで「憲法96条先行改正」というメッセージを発しながら始球式をする。このわけのわからないパフォーマンスも古屋先輩が長年育て上げた議連のアピールでした。

 会期末週に、衆・議運委員長のスキャンダル報道があるのは、5年前の第183回通常国会でもありました。自民党の佐田玄一郎委員長が、異性の学生と金銭を伴う関係があったのではないかと週刊新潮が報道。参院選を控えて延長がなかったため、佐田さんは「逃げ切りセーフ」でしたが、閉会直後に辞任し、選挙無しに議運筆頭理事が委員長になりました。

 上述の通り、衆・議運委員長解任決議案と、内閣不信任決議案の提出は既定路線でしたから、今週は、古屋、安倍「兄弟」が衆で問われる、展開となります。衆参との連携がうまくいかなかった第196回国会ですが、連携がうまくいかないゆえに、野党が会期末に漁夫の利を得るかもしれません。祈りましょう。

 泣いても笑っても、第196回通常国会は、残りあと6日間。民主主義では3度も選挙で政権交代した平成の、最後の通常国会会期末。経済社会ではあまりいいことがなかったけど、普通選挙による政権交代が3回もあった「平成デモクラシー」として、そこそこ日本史に残るでしょう。その、平成の、30年の総決算の、6日間。

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(C)2018年、宮崎信行。

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[戦争法の執行状況]なぜだ!?集団的自衛権の美名の下に、日本自衛隊が、フランス革命軍事パレードで先陣を切る、地球の裏側・パリ・シャンゼリゼ通りで凱旋門を背に

2018年07月16日 21時58分43秒 | 法律の執行状況

[画像]このエントリー内の画像はすべて、シンガポール紙「ストレーツ・タイムズ」のYoutube内動画から、スクリーンショット。

 これはいったいなんでしょうか?

 きのう、地球の裏側・フランス・パリのシャンゼリゼ通りで開かれた、「バスティーユ・デイ・パレード2018」(フランス革命記念日、パリ祭)の軍事パレードで、日本自衛隊が、シンガポール軍とともに、「先陣」を切りました。

 日本時間で、2018年7月15日、現地パリでは、7月14日(クォーターズ・ジュリエット)。

 3年前、平和安保法制・戦争法を成立させ、集団的自衛権の美名の下に、地球の裏側で、切れ目のない戦争参加を可能にした、安倍晋三首相(自民党総裁)も出席する予定でしたが、直前の平成30年7月西日本豪雨で外遊をキャンセルし、河野太郎外相が参加。

 シンガポール最大の新聞「ストレーツ・タイムズ」のYoutube版の動画では、2時間20分強の動画のうち、56分過ぎから、日本自衛隊が、シンガポール軍とともに、パレードの先頭で歩いたことが分かります。パレードでは、マクロン新共和国大統領が車列を組んで登場し、凱旋門を背にした観閲席で、リー・シンガポール首相らと握手。この後、戦闘機など軍用機が記念飛行。この後に、徒歩で、凱旋門を背に入場する軍事パレードの、先頭で日本自衛隊がやってきました。外国からの来賓という扱いで「先陣」だったと考えられます。











 パレードのクライマックスには、フランスの特長である騎馬隊も参加。欧州では長く、戦争参加は貴族の仕事。貴族の軍人はあまり前線に出ませんが、フランス貴族の一部は血の気が多く、騎馬隊として前線に出て戦死者も多かったとされ、それは貴族のあるべき姿といえなくもありません。その後、パリなど都市部の中間層である「市民」が不満を爆発させ王政を廃するフランス革命に成功。「市民」は、(1)契約自由の原則(2)所有権の絶対性ーーを手に入れます。この2つの原則は、日本国憲法の基本的人権や、民法などに反映されています。背広を着て働いている人の仕事の大半はこの市民宣言がもとになっています。また、オーケストラや、バイオリンソロコンサートに私たちが参加して聞けますが、これはフランス人であっても、フランス革命以後のことです。そのように現代の日本人がお世話になっているフランス革命ですが、なんで、その記念の軍事パレードに日本が参加するのか。





  地球の裏側に日本自衛隊を送る、安倍軍拡が、2014年解釈改憲と、2015年戦争法で、どんどん進んできます。もう戻れない坂道を下るしかありません。今、奨学金などの借金を負って、身の丈に合わない大学進学をしたり、派遣社員として、予備自衛官に年5日限定で参加したりすることは非常に危険です。

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