[写真]首相官邸裏に咲くすいせん、きのう2020年5月28日、宮崎信行撮影。
金曜日は午後4時台のアクセスが増えますので、可能な限り、毎週金曜日は午後4時台に国会のまとめ記事を出していきます。今国会で成立しない政府提出法案はわずか3本(国家公務員・検察庁、地方公務員、種苗法)にとどまり、成立率は94%前後になると見通せます。安倍一強政治が続きます。
【参議院本会議 令和2年2020年5月29日(金)】
山東昭子議長が、議題に追加して法案の趣旨説明を聞くかどうかの動議を出して、全会一致で議決しました。衆議院の議事進行係と違い、参議院では議長が議題追加の動議を自ら提出するルールです。
「社会福祉法改正案」(201閣法43号)が加藤勝信厚生労働相から趣旨説明されました。衆参与野党の国対が「重要広範議案」4本目としているため、安倍晋三首相が答弁しました。参議院では「登壇案件」がもう1本残っている、と思います。
この後、法案の採決。アスベスト飛散防止を盛り込んだ「改正大気汚染防止法」(201閣法51号)は過半数で可決し、成立しました。施行は公布の日ないし2年以内の政令で定める日。マスコミの担当部署が違うこともあってか、小泉進次郎環境大臣の国会答弁が報じられることはありませんでした。
重要広範議案3本目だった「年金制度改正法(改正国民年金法)」(201閣法34号衆修正)も過半数の起立で可決し、成立。ずっと政治プログラムに上がり続ける、パートタイム労働者の厚生年金加入拡大がさらに進みました。衆議院での修正部分は、障害年金と複数の子の児童扶養手当を受けている人の調整額は多い方をとることを明記するなどしました。
【参議院政府開発援助等に関する特別委員会 同日】
閣僚経験者で、参議院議院運営委員長もつとめた、山本順三特別委員長が冒頭から起立。「本委員会で大臣の所信に対する質疑を初めて行うことになった。理事、委員のみなさん、茂木外務大臣ら関係者に感謝する」と語りました。この委員会は参議院側にしか設置されていません。今国会では「行政監視委員会」も小委員会を設置しています。そちらの小委員長は西田実仁・公明党議員会長。参の主流派で「参議院らしさ」を強調しているようです。扇の要は、石井準一議員なんだろうと思います。
【衆議院内閣委員会 同日】
「道路交通法改正案」(201閣法38号参先議)が全会一致で可決すべきだと決まりました。来週の衆議院本会議で成立。委員会の附帯決議はありません。
公明党の佐藤茂樹さんは「あおり運転の対策を党で担当してきた。2017年当時に私が小此木八郎国家公安委員長に質問として取り締まり強化を求めたところ、2018年に警察庁から各県警に通達が出された」と語りました。
法案提出にいたったタイミングについて、武田良太国家公安委員長は「常磐道での事件を受けて、国民から多くの声が寄せられたので改正することになった」「罰則によりかなりの抑止になるだろう」と答弁。世論を見て、改正法案を出したと明言しました。警察庁は25年前、オウム真理教事件の捜査で別館逮捕を繰り返した時に「世論も警察権力を指示している」と明言しました。もちろん坂本弁護士一家殺人事件はそれよりずっと前に発生しており、警察の対応は遅きに失していたのですが、世論の支持を錦の御旗にするのは日本の警察に顕著にみられる傾向だと考えます。あまり海外では、警察は尊敬や信用はされていないと思います。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「中小企業成長促進法案」(201閣法50号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。政策減税は入っていないようです。経営者保証を外しやすくしたり、政府系金融機関が海外進出企業に直接融資できるようにしたりする束ね法案です。
【衆議院国土交通委員会 同日】
「無人ドローン規制のための航空法など改正案」(201閣法29号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。質疑の中では、ドローン規制法令が複雑になっているとの指摘がありました。私は、ドローンに機体番号をつけることで、国交省航空局が手数料収入を増やそうとしているのだと考えますが、全会一致で可決しました。
【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 同日】
「第10次地方分権一括法案」(201閣法32号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。
またまた埼玉県でしたが、居住実態のない立憲民主党埼玉県議会議員が、最終的には週刊文春で不倫を報じられたとの理由で辞職しました。資産公開の条例違反を指摘され、その後、公選法の地方議員の居住要件違反も指摘され、会派内の第三者委員会が設けられていたようです。この法案は、居住要件に違反した立候補者を選管などの告発で刑事罰にかけることができる項目も盛り込まれています。きょうの質疑もでもこの条項は取り上げられましたが、国会議員の質疑ですから、まったく他人事の審議でした。役所の負担を軽減するための知事らの提案がこの法案で国会にかけられていました。
【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
「復興庁を10年延長する復興庁設置法及び特別会計法改正案」(201閣法33号)を審議。次回も質疑を続けることにして、散会しました。
【閣議 同日】
祝日法や2020年東京オリンピック・パラリンピック特別措置法の改正などが盛り込まれた1つの法案が閣議決定され、国会に提出。
また少子化対策基本法にもとづく、5年に1度の「少子化社会対策大綱」も閣議決定。今後法改正が必要と思われる初めての内容も含まれました。内閣府の男女共同参画局は前身の総理府男女共同参画室に仲良くしてもらったキャリアがいました。それまでやったことはない法制執務を教えてもらいながら、政策の実現を図ろうとする意欲を感じました。閣議決定が先で改正法案が後というのは、逆のようにも感じますが、官僚が政策を予算関連法を盾に前に進めようとする、意欲は感じられます。民主党政権下野後にも、けっこう私と接触しようとするキャリア官僚の人はいましたので、この夏以降は、少し意見交換する時空を自分から創出したいと考えています。
金曜日は午後4時台のアクセスが増えますので、可能な限り、毎週金曜日は午後4時台に国会のまとめ記事を出していきます。今国会で成立しない政府提出法案はわずか3本(国家公務員・検察庁、地方公務員、種苗法)にとどまり、成立率は94%前後になると見通せます。安倍一強政治が続きます。
【参議院本会議 令和2年2020年5月29日(金)】
山東昭子議長が、議題に追加して法案の趣旨説明を聞くかどうかの動議を出して、全会一致で議決しました。衆議院の議事進行係と違い、参議院では議長が議題追加の動議を自ら提出するルールです。
「社会福祉法改正案」(201閣法43号)が加藤勝信厚生労働相から趣旨説明されました。衆参与野党の国対が「重要広範議案」4本目としているため、安倍晋三首相が答弁しました。参議院では「登壇案件」がもう1本残っている、と思います。
この後、法案の採決。アスベスト飛散防止を盛り込んだ「改正大気汚染防止法」(201閣法51号)は過半数で可決し、成立しました。施行は公布の日ないし2年以内の政令で定める日。マスコミの担当部署が違うこともあってか、小泉進次郎環境大臣の国会答弁が報じられることはありませんでした。
重要広範議案3本目だった「年金制度改正法(改正国民年金法)」(201閣法34号衆修正)も過半数の起立で可決し、成立。ずっと政治プログラムに上がり続ける、パートタイム労働者の厚生年金加入拡大がさらに進みました。衆議院での修正部分は、障害年金と複数の子の児童扶養手当を受けている人の調整額は多い方をとることを明記するなどしました。
【参議院政府開発援助等に関する特別委員会 同日】
閣僚経験者で、参議院議院運営委員長もつとめた、山本順三特別委員長が冒頭から起立。「本委員会で大臣の所信に対する質疑を初めて行うことになった。理事、委員のみなさん、茂木外務大臣ら関係者に感謝する」と語りました。この委員会は参議院側にしか設置されていません。今国会では「行政監視委員会」も小委員会を設置しています。そちらの小委員長は西田実仁・公明党議員会長。参の主流派で「参議院らしさ」を強調しているようです。扇の要は、石井準一議員なんだろうと思います。
【衆議院内閣委員会 同日】
「道路交通法改正案」(201閣法38号参先議)が全会一致で可決すべきだと決まりました。来週の衆議院本会議で成立。委員会の附帯決議はありません。
公明党の佐藤茂樹さんは「あおり運転の対策を党で担当してきた。2017年当時に私が小此木八郎国家公安委員長に質問として取り締まり強化を求めたところ、2018年に警察庁から各県警に通達が出された」と語りました。
法案提出にいたったタイミングについて、武田良太国家公安委員長は「常磐道での事件を受けて、国民から多くの声が寄せられたので改正することになった」「罰則によりかなりの抑止になるだろう」と答弁。世論を見て、改正法案を出したと明言しました。警察庁は25年前、オウム真理教事件の捜査で別館逮捕を繰り返した時に「世論も警察権力を指示している」と明言しました。もちろん坂本弁護士一家殺人事件はそれよりずっと前に発生しており、警察の対応は遅きに失していたのですが、世論の支持を錦の御旗にするのは日本の警察に顕著にみられる傾向だと考えます。あまり海外では、警察は尊敬や信用はされていないと思います。
【衆議院経済産業委員会 同日】
「中小企業成長促進法案」(201閣法50号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。政策減税は入っていないようです。経営者保証を外しやすくしたり、政府系金融機関が海外進出企業に直接融資できるようにしたりする束ね法案です。
【衆議院国土交通委員会 同日】
「無人ドローン規制のための航空法など改正案」(201閣法29号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。質疑の中では、ドローン規制法令が複雑になっているとの指摘がありました。私は、ドローンに機体番号をつけることで、国交省航空局が手数料収入を増やそうとしているのだと考えますが、全会一致で可決しました。
【参議院地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 同日】
「第10次地方分権一括法案」(201閣法32号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。
またまた埼玉県でしたが、居住実態のない立憲民主党埼玉県議会議員が、最終的には週刊文春で不倫を報じられたとの理由で辞職しました。資産公開の条例違反を指摘され、その後、公選法の地方議員の居住要件違反も指摘され、会派内の第三者委員会が設けられていたようです。この法案は、居住要件に違反した立候補者を選管などの告発で刑事罰にかけることができる項目も盛り込まれています。きょうの質疑もでもこの条項は取り上げられましたが、国会議員の質疑ですから、まったく他人事の審議でした。役所の負担を軽減するための知事らの提案がこの法案で国会にかけられていました。
【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
「復興庁を10年延長する復興庁設置法及び特別会計法改正案」(201閣法33号)を審議。次回も質疑を続けることにして、散会しました。
【閣議 同日】
祝日法や2020年東京オリンピック・パラリンピック特別措置法の改正などが盛り込まれた1つの法案が閣議決定され、国会に提出。
また少子化対策基本法にもとづく、5年に1度の「少子化社会対策大綱」も閣議決定。今後法改正が必要と思われる初めての内容も含まれました。内閣府の男女共同参画局は前身の総理府男女共同参画室に仲良くしてもらったキャリアがいました。それまでやったことはない法制執務を教えてもらいながら、政策の実現を図ろうとする意欲を感じました。閣議決定が先で改正法案が後というのは、逆のようにも感じますが、官僚が政策を予算関連法を盾に前に進めようとする、意欲は感じられます。民主党政権下野後にも、けっこう私と接触しようとするキャリア官僚の人はいましたので、この夏以降は、少し意見交換する時空を自分から創出したいと考えています。
インターネット版官報
Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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