【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【それから】麻生首相(現財務相)、2009補正の県渡し切り基金、「財務省は県の執行状況を把握できていない」 第186国会

2014年03月19日 20時44分50秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[画像]基金のしくみを説明する麻生太郎財務相とパネルを持つ愛知治郎財務副大臣(参院議員)、2014年3月19日(水)の参・予算委、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【参・予算委 内政と外交の重要課題に関する集中審議 2014年3月19日(水)】

 自民党第2次与党期最後の予算となった、平成21年度第1次補正予算(2009年4月、麻生首相・与謝野馨財務相)などにより都道府県に渡った基金について、麻生太郎現財務大臣は、「正直言って、財務省として各県の執行状況を把握していない」 と初めて認めました。

 麻生補正を含む平成21年度決算(案)は、いまでも衆参とも継続審査になっており、可決(是認)していません。

 民主党の大塚耕平筆頭理事が「基金は法的根拠がないのに、活用というか乱用されている」としました。ここで麻生大臣はパネルで「基金のしくみ」を説明。このなかで、財政法で繰越明許が認めらているので、法的根拠があるとしました。まあそうかなと考えます。

 4月に11・5兆円を積み増して、自民党系首長が多い都道府県にばらまく、疎開させるという、第2次与党期最後の自民党の引き際の悪さ。幸か不幸か、平成21年度予算は、いまだに衆参とも決算審査が終わっていませんから、会期を延長してでも、決算審査をやるのが、第3次与党期自民党がお得意の自浄能力で政権を長持ちさせることにつながるかもしれません。

 大塚さんは、2009年通常国会では、参議院財政金融委員会の筆頭理事として、平田耕一財務副大臣の辞任と引き換えに予算関連法案を通すと麻生太郎首相にせまりました。平田副大臣は辞任。なぜか翌朝、みのもんたさんの「朝ズバ」に出演し、辞任のポイントを自ら解説するとともに、先に辞任した中川昭一前財務大臣は悪くないと擁護しました。通常国会末に解散され、衆院選直前の三重3区JC討論会で、民主党の岡田克也(予定)候補に向かって「私が当選する確率は万に一つもありません」 と謎の公約を絶叫。敗れ去りました。政権交代直後に、岡田さんは初めての政務三役として外相に就任しました。

一連の関連エントリーの中から、2つ、全文引用します。

[当ブログ内エントリーから全文引用はじめ]

【後半国会へ】予算・法案すべて年度内成立→補正予算で対決へ 解散含み

2009年03月26日 23時59分59秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

(初投稿は2009年4月2日午前9時半で、バックデート)

[写真]上、カメラマンと参院事務局を背にした大塚耕平・参院財政金融委員会筆頭理事(民主党政調副会長) 下、13人の官僚を背に答弁する麻生首相=3月26日の参院財政金融委員会。

 おはようございます。

 大塚耕平さんと、官僚13人を背にたじろぐ麻生首相を映画フィルムみたいにつなげてみました。

 3月26日朝の日経朝刊で平田耕一財務副大臣(三重3区)の株式の大量取引が明らかになり、この日の財政金融委員会は騒然。午後の締めくくり質疑で大塚さんが「本当は総理や財務相と財政・金融に関する議論をしたいのだが」としながら、この問題を攻め、平田財務副大臣が辞任。歳入関連法案の採決に応じました。

 公債の発行及び財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律案
 所得税法等の一部を改正する法律案

 英国では財務大臣だけ、チャンセラーChancellor of EXchequer と呼び、他の大臣のセクレタリーSecretary,ミニスターMinisterとは違う呼び方をします。日本で言えば「大蔵卿」という雰囲気でしょうか。第1次ブレア内閣からブラウン大蔵卿でしたから、ブレア退陣後の労働党党首選でブラウンさんが無投票で後継者になったのは既定路線だったことがうかがい知れます。

 第171通常国会の予算審査は、正副財務大臣が辞任するという異例の展開になりましたが、第2次補正予算3案とそれにつづく2009年度本予算3案が年度内に成立しました。さらに民主党はいわゆる日切れ法案を3月31日にすべて処理しました。

 昨年4月1日は、暫定税率を失効に追い込み、ガソリン25円程度の値下げに成功。野党第1党としては憲政史上最大の世直しに成功しました。

【夜明け前】民主党の世直し大成功、ガソリン6割が値下げ!

 あのときはすぐにでも政権交代になるのかと思いましたが、なかなかすんなりとはいかないものです。派手な年度越えから静かな年度越えへ。政権交代への雌伏の時と判断して良いのでしょうか。

 ◇

 さて、1日朝、日銀短観(3月調査)が発表されました。足元の景況感(DI)は大企業製造業で「マイナス58(%)」となり、「34ポイント悪化」。DIも悪化幅も過去最悪となりました。業種別には自動車がひどい。人員の余剰感も多く、雇用の先行きも暗いです。どうしてこのニュースがもっと話題にならないのか。私のように3ヶ月ごとに必ず短観を読んでいる者にとっては「想像を絶する状態」で具体的に今後どうなるかよく分からないというのが本音です。短観にふれたくない気持ちは分かりますが、あまりにも経済への関心が疎いと私は感じます。

 ◇

 4月4日~8日に北朝鮮がテポドン2号を打つ動きが進んでいます。麻生首相や河村官房長官の話が白々しく感じるのは事実ですが、PAC3とイージスで迎撃体制をとることは安全保障上、当然のことです。訓練ととらえてもいいですが、迎撃体制をとること自体が抑止効果になり、北朝鮮に対する外交カードになります。政府筋こと鴻池祥肇・官房副長官が「当たるわけがない」と言っているのは、結果として麻生首相を助ける発言です。無関心や鴻池発言への過剰反応をみるにつけ、やはり安全保障への意識が低いと思います。テポドン2号が発射されたというニュースに接したら、屋内に待避するという行動を身につけたいものです。

 ◇

 人間の脳の総量には限りがあります。毎日テレビジョンから馬に食わすような情報を頭に入れれば、どんどん忘れます。物忘れが激しい人はテレビの視聴時間を確認した方がいい。明石家さんまの馬鹿笑いという情報を入れることによって、大事な思い出がひとつ、頭から押し出されたかもしれません。

 ◇

 それはさておき。

 後半国会に入りました。

 政府自民党は4月末にも2009年度第1次補正予算案を国会に提出し、民主党が抵抗した場合は解散する構えをみせています。

 民主党は補正予算に対案を示し、対抗するようです。ちなみに2008年度第1次補正予算について、私は政府案におかしな点を見つけたのですが、民主党が賛成に回ったので、このブログに書きませんでした。それはもういいのですが、経済効果の実効性があったかどうかの検証チームをつくることになりました。徹底審議という格好で抵抗してほしいと思います。これは解散総選挙の勝利につながると思います。

 それ以外の政府提出法案の審査も各委員会で進んでいます。相変わらず民主党衆院議員はマジメに審査に取り組んでいます。僕はもっと国会をさぼって地元を回った方がいいと思います。自民党の佐藤ゆかり議員は、本会議や財務金融委員会では眠っているところしかみませんが、東京5区ではリードしているという情勢分析が多いです。地元活動はしっかりやっているのでしょう。

 民主党のきまじめさが今政治に求められていると主権者が判断するならば、僕はほんの少しだけ古い考え方の持ち主なのかもしれません。

 きょうの読売新聞4面によると、3月20日の小沢さん、鳩山さん、菅さんの会食で、菅さんが小沢さんに「選挙対策本部長をやったらどうか」と言い、小沢さんが「ありがとう」と答えていたことが分かりました。「党関係者が1日、明らかにした」となっており、鳩山さんもしくは小沢側近議員が読売新聞に話したんだと思います。小沢さんは2007年11月から選挙対策本部長であり、「代表辞任を暗に促したのではないか」との見方が出ているようです。

 菅さんは3月26日の記者会見で、「(3月24日役員会前の)私と小沢代表だけの話がなぜ違う形で(朝日新聞という)表に出るのかなと若干不思議に思っております。私がその場で申し上げたことは実はその後の役員会でも申し上げたのですが、もう少し時間をとって判断をされる方がいいのではないかと思うということを申し上げました」(=党役員室作成の記者会見要旨)と述べており、菅さんの説明とは食い違いがあります。私は菅さんに不信感を持っています。そんなことを言う前に東京都連の応援演説をしたらいいのではないでしょうか。


東京新聞:『5月解散論』じわり戦闘モード 民主、補正で対抗再始動:政治(TOKYO Web)

『5月解散論』じわり戦闘モード 民主、補正で対抗再始動
2009年4月2日 07時05分

民主党「次の内閣」閣議であいさつする鳩山幹事長。右は直嶋政調会長=1日、東京・永田町の民主党本部で
 
  民主党は1日、天下りや消えた年金、失業対策などの検証チームを設置し、国会で追及する方針を決めた。政府案にぶつける対案の提出も進める。小沢一郎代表の公設秘書が絡む西松建設の違法献金事件で沈滞ムードに包まれていたが、与党内の「5月解散論」をにらんで再び戦意を取り戻そうとしている。 (後藤孝好)

 山岡賢次国対委員長は一日の党会合で、二〇〇九年度補正予算案の審議に野党が抵抗すれば、衆院解散に踏み切ることもあり得るとした麻生首相に対し、「首相は大見えを切った。ぜひやっていただきたい」と挑発。同予算案の早期採決には応じず、徹底審議で政府与党を追及する可能性を示唆した。

 同党は、〇八年度補正予算と〇九年度予算の景気対策としての効果は不十分として、二日には(1)天下り(2)消えた年金(3)失業対策(4)貸し渋り(5)定額給付金-の検証チームを発足させ、実態調査に乗り出す。

 一方、党「次の内閣」は一日、政府の地域力再生機構法案の対案として、中小企業再生支援機構法案の提出を決定。障がい者虐待防止法案も、早期に提出して政府与党に対抗するなど、今回の事件後、陥った戦意喪失状態から立て直そうと懸命だ。

 というのも首相が早期解散をちらつかせてけん制する中、守勢に回っていては、次期衆院選に向けて、党の力量を国民に不安視されかねないからだ。鳩山由紀夫幹事長は「国民のための政策をつくるということをしっかりと示す時期に差し掛かっている」と訴えた。

 また、与党との対決姿勢を前面に打ち出すことで、小沢氏の辞任論がくすぶる党内の関心を国会や政策に向けさせる狙いもあるようだ。

 ただ、小沢氏の進退問題を抱えたままでは国民の関心の高い「政治とカネ」の問題で攻めきれず、逆に与党の反撃を受けかねない。党内には「与党は、小沢代表の問題やマルチ商法関連業者からの資金提供問題を追及してくるのではないか」と、泥仕合への懸念も出ている。

(東京新聞)

[全文引用おわり]

[当ブログ内エントリーから全文引用はじめ]

お前は蒋介石か! 自民党が46基金(4・3兆円)を疎開させる 

2009年05月02日 14時26分07秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[写真]自民党本部(上)と総裁の麻生

 「故宮」という名の博物館は台北と北京の両方にありますが、中国・清朝までの紫禁城の文化遺産の多くは台北の故宮博物館(故宮博物院)にあります。

 敗色濃厚となった蒋介石率いる中国国民党が、中国共産党の手に渡る前に、船に乗せて、台湾島(台湾)に疎開させたからです。

 そして、現在に至る。

 どうやら自民党が蒋介石状態になりました。

 政府自民党が提出し、連休明け5月7日に衆院予算委員会で基本的質疑が始まる「2009年度第1次補正予算案」が「自民党・蒋介石状態ネコババ疎開予算」であることが判明しました。

 衆院予算委の細野豪志委員の質問主意書に対し、自民党政府は1日の閣議で「46種類の基金をつくり、総額4兆3000億円を疎開させる」との趣旨を認めた内容の答弁書を18閣僚のサイン(花押)入りで決定しました。

 細野豪志さんの質問主意書と自民党政府の答弁書のやりとりは下のホームページにいずれ載ると思います。衆議院事務局さん、早く作業してくださいね(^_^)v
 http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/171334.htm

 これとは別に、衆院予算委の枝野幸男理事(民主党)は政府から資料を取り寄せました。この資料を当ブログは独自のルートで入手しましたので、お知らせします。

 ここで紹介するのは一般会計です。

 雇用保険を受給できない人に職業訓練をする「緊急人材育成支援事業」などを名目に7000億円の基金を造成。

 「介護職員の処遇を改善する」という美名の下に3975億円の基金をこしらえました。

 「都道府県が2次医療圏単位を基本として各地域の実情を踏まえて作成する地域医療再生計画について有識者による協議会の審査・承認の上で行われる事業」という“霞をつかむような儲け話”に3000億円の基金をつくります。

 「非正規労働者、中高年齢者の一時的な雇用・就業機会をつくる雇用の受け皿を

つくる都道府県の創設した基金積み増しのための基金に3000億円。

 介護職員が研修で職場を離れる時の代替職員の雇用に3000億円。

 こういった巨額の基金に自民党の影響力を忍ばせます。基金ですから複数年度にわたって使えます。

 3000億円以上はすべて厚労省の事業。同省はハコモノを造るのではなく、現金給付が多いので、巨額になる傾向は以前からあります。

 農水省は「農地集積加速化事業」と銘打って小規模農家・高齢農家が担い手に農地を任せる交付金として2979億円の基金をつくります。しかし、農水省は健康商法のように猫の目のように、少しずつ違う表現でいろいろな交付金(補助金)を考えつくもんです。

 これにより2009年度第1次補正予算案が、経済対策ではなく、自民党議員の政権転落&失業後の雇用対策であることが明白になりました。

 自民党、民主党双方の支持者から巻き上げた税金で基金を4兆3000億円つくり、複数年度で使いますから、仮に民主党に政権をとられても、当面の生活はできるわけです。

 自治体や天下り団体にも基金を絡めますから、その疎開先の「故宮」に行けば、年間2000万円程度の生活費は確保できるでしょう。

【おしらせ】

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 今後とも「国会傍聴記by下町の太陽」をよろしくお願いします。

NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース -マクロ経済の動向から金融政策、業界の動きまでカバー

 政府が追加経済対策を計上した2009年度補正予算案で、総額4兆3000億円に上る46種類もの「基金」をつくることが明らかになった。地方自治体などにお金をプールし、複数年度の支出を確保する狙いだ。ただ予算が過剰に積まれたり、お金の使い道が不透明になるなど財政規律を損ねる懸念がある。

 民主党の細野豪志衆院議員の質問主意書に回答するため、1日に閣議決定した答弁書で判明した。日本の予算制度は、単年度ごとの予算について国会の承認を得るのが原則。補正予算でこれだけ多くの基金を設けるケースは異例で、野党などから「ばらまき」との批判が強まる可能性もある。

 答弁書によると、46基金のうち22が農林水産分野で計7000億円を計上。1兆円の農水予算の7割を基金方式に頼った計算だ。競走馬の種馬を生産する農家向けの基金に50億円を積むなど、各事業に「薄く広く」予算を計上した。社会保障は、非正規労働者への再就職支援(7000億円)など11の基金に計2兆8000億円を盛り込んだ。(01:22)

[全文引用おわり] 


【それから】21年度麻生補正の「基金」が第186国会で追及、「能力開発協会」0・7兆円の一部がヤクザに流れる結果に

2014年02月12日 17時20分37秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ


 第171通常国会(2009年)カテゴリーに、第186通常国会(2014年)の予算審議を書きます。

 平成26年度本予算(案)審議は、民主党、維新、みんな、結いの党、共産党、生活の党の野党全党が質問しました。

 この中で、維新の松野頼久さんと、結いの党代表の江田憲司さんが、わが国で唯一4月に一般会計を補正した麻生内閣の「平成21年度第1次補正予算」(麻生首相、与謝野財務相)、に盛り込まれた、中央職業能力開発協会への7000億円が、ナント、やくざに流れていたことが分かりました。

 当時からこの7000億円の問題を把握していた松野さんは今国会冒頭の代表質問から提示している「基金」について、会計検査院の検査結果を活用。7000億円が使い切れず、残ったまま、積み増された結果、運用益が「3億6000万円」に上ったことを明らかにしました。このお金は、一般会計の予算・決算には載らない数字です。

 そして、この「7000億円」とその後の積み増しを原資とした事業で、麻生太郎大臣の地元、福岡県のヤクザ「道仁会」に流れていたことが分かりました。これは昨年11月に朝日新聞などが報じていたようで、私は今回初めて知りました。

 朝日の記事によると、

 福岡県警は2013年11月4日、組長ら15名を

 「職業訓練としてファイナンシャルプランナーの講座を開くと、厚生労働省が所管する特別民間法人「中央職業能力開発協会」に2011年4月に申請。講座を実質的には開かなかったにもかかわらず、同年8月までに訓練の費用や受講生の生活費名目で計810万円を協会からだまし取った疑い」

 で逮捕していたそうです。さらに、この受講生は、やくざではなく、知り合いの不良グループすなわちチンピラが務めていたようです。当然おこづかいはもらったでしょう。

 「我々の税金」→「基金」→「ヤクザ」→「未成年チンピラ」

 という最悪のマネーの流れとなってしまっています。

 さらに同協会がヤクザのフロント企業かどうかのチェックをしていなかったことも分かっています。

 ヤクザと麻生大臣の関係は不明。

 結いの党の江田さんも同じ問題を取り上げ、麻生大臣は「リーマンショックの後なので、景気対策でそういうことをやらせていただいた」と答弁。そして、このところ常套句、「地方議会は3月に予算を審議するので、2月に国が補正予算をやる必要があった」との趣旨の答弁をしました

 。ところが、実際には、予算(案)は自治体の首長部局が組むものであり、中規模以上の自治体では、すでにこの時期には予算編成が終わっています。そもそも、「基金」の額よりも、地方交付税の額の確定の方が大事であり、大規模自治体は「東京事務所」、中・小規模自治体は、全国市長会など地方6団体や、横のつながり、時事通信社などのサービスを使って、情報を把握しているのが通例です。

 基金の「見える化」については、2月7日(金)の参・予算委の集中審議で、民主党の大塚耕平筆頭理事が、議員立法を自民党に働きかけたい考えを示しています。

 2014年度予算審議、まずは「基金」と「集団的自衛権」「NHK会長・経営委員の適格性」がターゲットになりつつあります。

[お知らせ1 はじめ]


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 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 よろしくお願いします。

[おわり]

[お知らせ2 はじめ]

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衆議院インターネット審議中継

参議院インターネット審議中継

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民主党ニュース(民主党ホームページ)



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今国会情報(参議院ホームページ)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

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鳩山由紀夫さんの代表質問、「厳しい経済情勢は政治災害だ」とした上で民主党政権のしくみを明かす

2013年01月01日 00時00分00秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

 鳩山由紀夫さんの代表質問(29日)、自民党国有地問題を抜き出してお伝えしましたが、それ以外の部分です。現下の深刻な経済状態について、「生活の危機は麻生内閣による人災、政治災害だ」との認識を示しました。

<民主党政権における政治と行政の仕組み>

 ①官僚主導の政権から国民主導の政権への脱皮
 ②政治主導で国の総予算(二百数十兆円)を国民の優先度に従い全面的に見直し
 ③与党と政府が一体となって政権運営に責任を持ち、政府と与党の使い分けをしないこと
 ④.ひも付き補助金を地方一括交付金にし、国から地方へ権限と財源を大幅に移譲し地域主権(地方分権)を実現する
 ⑤国民一人一人が主権者として政治に参加できるようにする
 ⑥友愛に基づく自立と共生の社会をつくる

 これはいいですね。
 この6項目を軸に、予算審議では民主党の政策の紹介、続いて政府を利用して数字などを入れ込み、議論で揉みあげ、国民に宣伝する。

 「友愛に基づく自立と共生の社会」もいいですね。「友愛」は鳩山一郎さんのキーワードですが、民社党と労働組合の「同盟」(総評と合併し、現在の連合に合流しました)のキーワードも「友愛」です。
 そして「自立と共生」は羽田孜・小沢一郎の新生党のキーワードです。寄り合い所帯が志を一つにした民主党にふさわしい。

 そして「他山の石以て玉を攻むべし」。
 自民党への「身を切るための6カ条」

 ①天下り、わたり廃止。
 ②ひも付き補助金をなくし、族議員絶滅。
 ③議員定数削減。
 ④百害あって一利ない派閥の解消。
 ⑤自民党支部は7000もあり、管理が行き届いていない。
 ⑥自民党本部は国有地なので国民に返せ。

 この中で、党支部など政治資金団体の管理の徹底と場合によっては、整理・統合も与党になる前にやっておいた方がいいかもしれません。

 自民党政府を利用して、国会の場で、マニフェストの最終点検をしましょう。「定額給付金2兆円があれば・・・」「内閣人事局の設置ではなく公務員制度改革は・・・」「消費税増税を付則に書き込むのなら・・・」というような話をすると、自民党の土俵に乗ることになりますからいけません。

 飛行機が誘導路から滑走路に進むことをTaxingと言います。Taxing中に飛行機の羽根を見ていると、上下にパタパタとすることがあります。あれは機長が最終確認をしているのでしょう。

 シートベルトをしめ、政権交代準備完了。もうすぐ滑走路です。

 以上です。


【それから】「(定額給付金補正は)選挙対策だった」と暴露 貧すれば鈍する 公明党山口那津男さん

2012年11月08日 23時14分12秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[画像]公明党ポスター=公明党広報局提供ファイル。

 貧すれば鈍するとはこのことで、野党のくせに12月9日(日)の投開票を求める公明党の山口那津男代表が、2008(平成20)年度第2次補正予算(麻生定額給付金補正)について、「今だから申し上げるが、自公の政調会長同士では、選挙を見通した景気対策をつくったのに解散のタイミングを逃した」「もっとハッキリ言うと、都議選を翌年に控えていた選挙対策だった」と語り、定額給付金が選挙対策だったことを明言しました。2012年11月8日(木)午後9時からのBS11インサイドアウトでの発言。

 この定額給付金が選挙対策だったことを明言したのは、きょうの山口発言が初めてだと思われます。もちろん、1億人が「そんなの知っていたよ」と言うでしょうが、当事者に証言させるのは極めて大事な作業。そのうえで、山口さんは「もっとハッキリ言うと(麻生太郎首相は)解散のタイミングを逃した」と語り、2009年7月の都議会議員選挙敗北(公明党公認候補は全員当選)につながったとしました。一方、このとき当ブログでは「【最大の景気対策】給付金の半額を民主党に寄付しよう!」キャンペーンを張らしていただき、政権交代後に多くの現・民主党衆議院議員から感謝されました。そろそろ年末ですが、余裕のある方は、政治献金をして寄付金控除をつくるということにご協力いただきたく存じます。

 麻生内閣発足直後に公明党の山口那津男政調会長、自民党の保利耕輔政調会長らは、サブプライムショック時のブッシュ大統領の「ブッシュ減税」「戻し減税」に範をとり、「定額減税」を考慮しました。しかし、アメリカのように小切手を郵送する格好での戻し減税が小切手社会ではない日本では難しいうえ、公明党支持者が所得税・住民税の課税最低限を下回る非課税世帯が多く、定額減税をしても低所得の支持者にはまったく恩恵がないことから、いったんは立ち往生。そのうえで、2兆円の赤字国債を発行して、2兆円の定額給付金を自治体から送金する「定額給付金補正」を2009年2月の第171通常国会に提出しました。これには、ねじれ国会で参院第1党だった野党・民主党の福山哲郎参院政審会長らが歳入から2兆円の赤字国債を減額し、歳出から2兆円の定額給付金を減額する議員提案の予算修正案を提出し、憲政史上初めて参院での可決に成功。過去には、新進党が一般会計予算総則から住専(住宅金融専門会社)への公費負担を削る修正を衆院で可決し、参院で送ったことはありますが、予算費目が参院で修正可決され、衆参で違う予算が可決する憲政史上初めての事態になりました。この後、両院協議会が開かれ、参院民主党が送り込んだ、北澤俊美両院協議会協議委員が議長に、石井一協議委員が副議長になり、徹底的にやりこめました。このときから、両院協議会の懇談部分も議事録をとるなど、両院制における極めて大きな先例を残しながらも、最終的には2兆円の定額給付金が実現しました。

 貧すれば鈍する。山口さんは12月9日投開票発言はどうするんでしょうか。きょうはもう11月8日ですが。

 きょう11月8日の衆議院本会議で、城島光力財務大臣が特例公債法案(財政運営に必要な財源を確保するための(財政法4条の)特例の公債発行法案(181閣法1号)を趣旨説明。代表質問では、中野寛成さんが「本日審議入りしたのは、ご同慶のいたり」としたうえで、「顧みれば、私がこの本会議の壇上にたった昭和52年3月4日も特例公債法案の代表質問だった。あれから35年間、残念ながら財政はますます悪化し成立させられなかったのは政治の怠慢だ」と演説。おそらくカンセイの最後の演説となるでしょうが、野田佳彦首相は「民主党を代表して、30年を超える万感の思いをこめたご質問をありがとうございました」とマイク越しに感謝を述べました。

 この後、竹本直一シャドウ財務相に続き、8月28日の本会議でまったく同じ文面の法案について反対討論をした公明党の竹内譲さんが質問に立ち、法案が成立しないのは政府与党の責任だとしたうえで、どういうわけか、尖閣諸島の用地買収について質問しました。

 この後、野田首相、岡田克也副総理(兼)行政刷新相らは午後4時45分から午後5時35分まで首相官邸で第29回行政刷新会議を開きました。この中で来週末に行う「新仕分け」で、自民党が今年度減額補正の対象として求めている、生活保護費について、保護費負担金の生活扶助、住宅扶助、医療扶助と、医療費給付費(市販品類似薬)の4分野を仕分ける方針を決定しました。が、自民党の要求と違い、生活保護4分野の仕分け結果について、今年度予算で減額補正はしない方針を決めました。野田首相、岡田副総理両者の側近で、内閣府副大臣(行政刷新副大臣)の藤本祐司さんが記者会見し、「本当に生活保護が必要な人には使っていきたい。評価人次第だが、廃止、縮減といった仕分け結果ではなく、よりよく使っていくための今後の方向性を出していく方向になると思う」としたうえで、景気対策の財源捻出のための「今年度の補正予算には使わない」として、今年度の減額補正はないと明言しました。公明党が特例公債法成立に協力する見通しとなったため、生活保護受給者が支持者に多い公明党に一定に配慮したとの観測もできます。

 さて、山口さんは来夏の第23回参院選公明党東京都選挙区候補にきょうの公明党中央幹事会で公認されました。同党には「在職中に66歳を超えない」というルールが党規約にはありませんが不文律として存在しますが、幹部なので公認されたもようです。野党のくせに解散時期に言及し、与党時代の自民党とのやりとりを暴露する山口さん。BS11インサイドアウトでは、キャスターの鈴木哲夫同局報道局長の求めに応じて、山口さんが「公明党に足りないもの」についてパネルに書きました。 山口さんは「蛮勇」と書きました。公明党には「蛮勇」が足りないとのことでした。しかし、私は長年、旧公明党、新進党、新公明党の国会・地方議員を見ていますが、その山口さんの分析は間違っています。

 今の公明党に足りないもの。それは

 「

 です。

 特例公債チキンレース。死ぬのは山口です。

 [お知らせ1]

 会員制ブログで今後の政治日程とそのポイントを解説しています。

 今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。取材資金にもなりますので、ぜひご協力下さい。

[お知らせ2]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが、交通費などがかかります。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

[お知らせおわり]
http://www.kantei.go.jp/jp/fukusouri/press/ http://regimag.jp/b/sample/list/?blog=65 
 


【与党のレッスン】小宮山洋子事務所の電話パンク「代表辞任発言」に抗議殺到

2012年01月01日 00時00分00秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[画像は25日放送のNHKニュース7からキャプチャ]

 民主党の小宮山洋子さん(東京6区)は25日、小沢一郎代表が前日の常任幹事会で続投を表明したことについて「政権交代にマイナスになる要素はなるべく避けて欲しい」「私はここはお引きいただくことではないかと思っています」と述べ、代表辞任を求めました。国会内で記者団の質問に答えました。

 この発言について、26日、小宮山さんの国会事務所に主権者からの抗議電話が殺到し、電話が鳴りっぱなしの状態になったことが分かりました。

 ふだんは1~2人のスタッフが常駐してるそうで、きょうは「お叱り」の電話でベルが鳴りっぱなし。ファックスは数件来たそうです。

 小宮山さんについては、ネット上の様々なサイトで抗議の声が上がり、「議員辞職を求めるメールを送ろう」という運動も始まっています。

 この件について、秘書は「真摯に受け止めて、対応を考えたい」としています。さすがにそこまでする必要はないでしょうが、批判の声は十分に小宮山さん本人に伝わったようです。

 ネット上での批判も把握しており、ネットではNHK出身と絡めた批判があがっているのは承知しているが、電話はそれとは関係なく、昨日の発言に対する抗議がほとんどだったとのことです。

 小宮山発言への批判。

Yahooの「みんなの政治」の小宮山さんの評価欄には、
http://seiji.yahoo.co.jp/giin/rev/index.html?g=2009000413&s=0&p=3

(抜粋引用はじめ)

 「小沢さんのもとに一致団結すれば、今回のことがあっても民主党は勝てるんだよ。 内部でガタガタしていると勝てるものも勝てなくなるよ。だから小宮山さんはじめとした数名の小沢さん批判をしている人、静かに民主党を出て行ってくれ!!」

 「 私が思うに、自民党と麻生首相ははっきり言って、民主党に戦いを挑んでいるのです。民主党を昔の野党が経験したと同じように再起不能にしたいのです。今度の小沢さんの件は、その昔、社会党の浅沼委員長が演壇で命を絶たれたのと同じぐらいのインパクトのある事件です」

 「個人的に小沢さんを好きか嫌いかと問われれば嫌いですと答えると思います。そんな私でさえも100歩譲ってやはりここは小沢さんしか居ないでしょう!!(略)やっと、やっと悲願の政権交代が現実のものとなってきた矢先のこの出来事!素人目にも異常としか思えません。こんな大事な時、今こそ一致団結しなければならない
まさにこの時に、小宮山さん!!それはないでしょう(泣)(略)あなたのその様な態度を喜んで陰でほくそ笑んでいるのが誰かはお解りのはずです」

 「弾圧者に尻尾を振る政治家はいらない。 この事件は総選挙目前の状況下、政権奪取は確実に思えた野党指導者を失脚させるべく検察が言いがかりに等しい恣意的な捜査をして、その公設秘書を強引に逮捕・起訴するという政治弾圧事件であり、議会制民主主義の根幹を踏みにじる暴挙です。(略) あなたが今すべきことは、苦しくともこの国策捜査の不当性を訴え、このような暴挙を許さない世論を盛り上げていくことでしょう。それを目先の事しか考えす、あろうことか弾圧者に尻尾を振りその謀略に加担するような事をする。そんな政治家は必要ない。とっととバッヂを外して引退すべきでしょう」

 「私まだ若者ですけど、小沢一郎さんは総理大臣になるべきだし。あなたはやめるべきだなあって思います。だって小沢さんってマジ若者の間でもリスペクトされてるし、なんか世論からずれてません?小宮山さん?。小沢さんがいなければ私が党首にでもなれるとか思っちゃった?そんなのマジありえねーっす!(激爆)。小沢さんが悪いことしてるっつーなら証拠だしてくださーい。ないんだ?ないんでしょ?。次期総理は小沢さんに確定ですね!」(抜粋引用おわり)

 などなど。かなり手厳しいですねえ。

 私もかなり驚いています。正直な感想を言うと、よく分かっているなあ、正論ばかりだなあ、という感じです。

 小宮山さんは凌雲会に所属。民主党代表をめざす、凌雲会会長の仙谷由人さん(徳島1区)の年齢が63歳で、「できれば早く仕掛けたい」という事情からの発言だと思います。小宮山さん本人の意思での“援護射撃”だったのか、仙谷会長の指示だったのか、凌雲会が会合などで役回りを決めていたのかは分かりません。凌雲会は仙谷会長の両脇を固める事務局長(会計責任者)の枝野幸男さん(埼玉5区)前原誠司さん(京都1区)らが現在の役員会メンバーから外れています。この3人が同時に小沢代表を攻撃していますので、これは凌雲会の総意でしょう。ところで、凌雲会会員名簿がネット上に出回っていますが、仙谷さんは四国で唯一小選挙区を全勝しており、「逆転の夏」で四国4県全勝をもぎ取った“四国のドン”です。四国各県選出の1回生議員は凌雲会に入らないわけにはいかない、という事情があることを私たちは共有しておきたいと思います。

 小宮山さんのお父さんは元東大総長で、小宮山さんはNHKにアナウンサーとして入社し、解説委員に昇進。参院議員全国比例から、衆院議員に転じ、現在はネクスト文部科学大臣。

 東京6区(世田谷区の北半分)は、日本で一番「社長」が多く住む高級住宅地です。大企業に限定すると、300選挙区で断トツになります。この選挙区で初当選した岩國哲人さん(国替え、次期衆院選に出馬せず引退)は初当選のときに、「この選挙区の得票は3倍に化ける」と話し、影響力の強い主権者が多い特徴を説明していました。小宮山さんが仮に日常活動をしっかりやっていたとすると、他の選挙区とは違った反応を感じていた可能性もあります。

 抗議電話殺到は辛かったでしょうが、小宮山洋子さんとスタッフ、総支部員のみなさんにとっては与党になるレッスンでした。私は小宮山洋子事務所とはまったく面識がなく、いきなり電話しましたが、政策秘書がていねいに回答してくれました。最後に「いつもブログを拝見しております。今後ともご指導ください」と言われました。私もしっかりと背筋を伸ばして前進していこうと思っています(^_^)v


【国会傍聴記】衆議院解散

2009年07月22日 16時58分05秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[写真]解散後に本会議場をあとにする民主党前衆院議員たち=衆議院インターネット審議中継からキャプチャー。

【国会傍聴記 2009-7-21 衆院本会議】

 さて、衆院本会議の解散の傍聴記です。これで第167臨時国会から2年間続けた国会傍聴記のしめくくりとなります。数日前から言いしれぬ緊張を感じながらこの日を迎えました。

 衆院本会議場では、開会の1分前ぐらいから、かつて経験したことがないおびただしい数の報道用スティール・カメラのフラッシュがたかれ、すこし気持ち悪くなってしまいました。緊張もあったんだと思います。報道の現場に長くいるのにあまりカメラのことはよく分からないのですが、火薬を使ったストロボを使った報道写真というのは、本会議場ぐらいしか見かけません。国会議事堂は明治時代の建物で、記者席から演壇が遠く薄暗いので、火薬を使っているのだと思います。

 この日は午前10時から衆院経済産業委員会が開かれ、「小規模企業共済法改正法案(171国会閣68)」が自民党・公明党の賛成多数で可決しました。これが本会議に上程されていたようで、開会の直前のひな壇には経済産業大臣が座っていましたが、解散詔書の方が優先して議題になりますので、儀礼的な感じで、議員席に戻りました。

 官房長官が議長席側の扉から入ってきました。午後1時3分、衆議院議長と事務総長が入場。

 官房長官はふくさを包んだ詔書を載せたお盆をゆっくりと事務総長に渡そうとして、事務次長に制されました。与党側議席から少しヤジが飛びました。議長が開会を宣言する前だったからです。官房長官もかなり緊張していたのでしょう。

 議長が「これより会議を始めます」と言った瞬間に官房長官が鬼塚誠・事務総長に渡すと、ホッとした様子で目立たないように足早に議員席に去っていきました。

 鬼塚事務総長はあれだけの視線が集中する中、ゆっくりとふくさを開き、ていねいに折り目をつけて内容を確認しました。

 議長が詔書を朗読すると言うと、民主党衆院議員も全員起立しました。これだけ整然と解散の瞬間を迎えるのはかなり久しぶりに感じました。

 「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」。

 民主党議員全員がバンザイで応じたように思いましたが、鳩山由紀夫代表と岡田克也幹事長らバンザイをしなかった議員も多かったと後の報道で知りました。

 衆院事務局によると、この日の一般傍聴席は336人、参院議員傍聴席が23人、記者傍聴席が215人、公務員傍聴席が100人、外交官傍聴席が20人の合計694人でした。

 本会議の後、民主党の若手議員数人がふしぎそうに傍聴席を見ていました。当選2回生の村井宗明さん(富山1区)は「傍聴席も満席で、新しい時代の幕開けへの期待を感じました」とブログに記しています。

 本会議終了後もしばらく余韻にひたりました。いつものように「じゃあ、立ってください!」と衛視さんから促されることはありませんでした。後ろを見ると、大量の立ち見がいて、なおも本会議場を眺めていて、驚きました。336人の一般傍聴人が順々に階段を降りていくので、前から3列目に座っていた私が急かされることがなかったわけです。複数の民主党秘書から歴史的瞬間を見ようと昼食も食べずに午後1時に本会議場にかけつけたという話を聞きました。

 336人のうち1割にあたる30人は、民主党遊説局長の高山智司(高山さとし)さん(埼玉15区)の「国会に行こう!」というビラで国会見学をした人だったそうです。埼玉15区はさいたま市の一部・戸田市・蕨市ですから、国会まで30分~1時間ほどの距離にあります。このように解散の瞬間にかけつけたのは民主党の人が多かったようですが、横浜市選出の菅ヨシヒデ選対副委員長の紹介も多かったようで、あなどれないですね。

 あらためて本会議場を見ました。

 この2年間、本会議一般傍聴券の手配の労をお願いした石川知裕さん(北海道11区)もふしぎそうに傍聴席を見回していたので、ノートを丸めて振ってみましたが、気付かなかったようです。民主党議員の最後に本会議場を後にしました。

 議員席には木札が賛成票(白)と反対票(青)の合計12枚備えられています。木札は議事録に賛否を明記するため議員の名前が彫り込まれています。石川君が同じ党青年局次長の議員からさっと耳打ちされると、あっとした顔をして、木札を背広のポケットにしまいました。私が確認したところ、当選1・2回生の合計3人が木札を持ち帰りました。

 衆院議員を務めたあかしの木札はこの日しか持ち帰るチャンスはありません。第172特別国会の議員席に名前がなければこの木札は必要ありません。中川昭一前財務大臣とたたかう石川君には、自信を持って第172特別国会の議員席に木札を持ち帰ってきてほしいと思います。選挙に絶対はありませんが、十勝地方のみなさんに「私はこの木札を国会に再び持っていってもよろしいでしょうか?」と聞いてみれば、答えは必ず見つかります。

このエントリー記事の本文は以上です。


解散の朝

2009年07月21日 08時06分11秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 おはようございます。

 朝散歩をしていると、夏至を過ぎて、日の出が遅くなってきているのを感じます。とはいえ、暑さのピークは2ヶ月ほどずれてきますから、これから本番です。

 このところ、言いしれぬ緊張感があるのですが、散歩をすると落ち着きます。きょうは涼しくなりそうですが、どんよりと曇っています。

 午前8時の閣議で解散の閣議書を決定。内閣官房職員の千代幹也(ちしろみきや)内閣総務官=昭和51年運輸省採用=が皇居で天皇陛下から詔書をいただいてきて、衆議院本会議場の裏の議長室前の廊下まで持っていく運びだと思います。ふくさに包んだ詔書を載せたお盆を官房長官に渡す。一般職の官僚にとっては人生最大の晴れ舞台でしょう。東大法→昭和51年入省は大蔵省・平岡さんや通産省・岡田さんと同期です。

 裏方の官僚と、表に出て政権交代をかけて闘うのは同じ公のしごとでもずいぶん違います。多くの官僚が省を辞め、第45回衆院選に民主党から打って出ます。その心意気を思えば、全員当選してほしいと心から思います。

 衆議院本会議は午後1時に開会。官房長官が衆院本会議場に入り、鬼塚誠(おにつかまこと)衆議院事務総長が中身を確認した上で、議長に渡し、議長が朗読します。全議員が起立し、詔書の内容を聞き、この瞬間に第171通常国会は終わります。

 4年前は野党提出の内閣不信任案が本会議に上程されたところで、解散されてしまいましたが、内閣不信任案は先週提出済みです。きょうは本会議開会でいきなり詔書を読み上げるあっけない展開になりそうです。

 私も初めて衆院本会議場で解散の瞬間を傍聴しますので、後刻アップします。国会の傍聴に関するエントリーとして限定すると、それが仕上げのエントリーになります。2009年7月21日の解散は「政権交代解散」と後世、呼ばれることになるのではないでしょうか。

 まああまり「解散!解散!」と騒ぐと、内閣総理大臣(自民党総裁)に関心が行ってしまいますので、このくらいにしておきましょう。

 さあ選挙です。

 解散翌日から40日以内に総選挙を行わなければいけませんから、8月30日投開票(8月18日公示)の日程で第45回衆議院議員総選挙が行われます。

民主党の予算勉強会のようす

2009年07月19日 22時07分00秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
民主党の予算勉強会のようす



 2009年度第1次補正予算に盛り込まれてしまった「基金」のうち、最高額の7000億円の基金について。厚労省と同省の天下り団体からのヒアリングのようすです。 この7000億円は3年間で使うことになっていますが、すでに団体側に全額渡っていると思います。政権交代したら、大臣命令で執行停止→残額の国庫への返納を請求→国会に再補正(減額補正)予算案を提出・成立させてほしいですね。この動画をあらためて見ると、私は民主党には十分、政権担当能力があると感じますが、あなたはどう感じますか?

【解散引き延ばし】「もういい加減にしろ」→主権者も同じ気持ちと確認 安住淳さん(宮城5区)

2009年07月17日 23時30分00秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 2007年8月の第167臨時国会から2年間にわたり「ねじれ国会」の国対委員長代理という激務をつとめあげようとしている安住淳(宮城5区)さん。

 「7月21日解散」の日程が正式に決まった17日付メールマガジンで、「私は、当事者として、去年の10月から延々と解散を先延ばしされてきた。もういい加減にしろという気持ちであった」としたうえで、「街の声を聞くと、有権者の方々も、同じ気持ちであったことが改めてよくわかった」と実感したとの感想を示しました。

参考エントリー)「弱虫太郎の解散先送りは選挙情勢悪化のせいだ」安住淳さんが分析2008年10月31日付

 宮城5区が小選挙区になってから4戦全勝、前回の郵政選挙でも宮城県唯一の議席を得票率過半数(50・4%)で守った頼れるアニキ。

 「いよいよ決着をつける時がきた。政権交代に向けて命がけの戦いを何がなんでも勝ち抜く決意だ」と宣言しました。

 前にも書きましたが、人から聞いた話ですので事実関係に相違があるかもしれませんが、安住さんには武勇伝があります。

 遊説会場に向かっていた安住さんの街宣車が“道路封鎖”にあったことがあるそうです。安住さんの対抗馬を応援している漁協員が演説会場につながる道を“通せんぼ”して、候補者の演説会場入りを妨害しました。道路をあきらめた安住さんは、急きょ船を借り、港から演説会場に上陸し、演説会を成功させたそうです。この出来事は有名になり、「安住というのは若いけど、本気だ」という情報が広がり、安住さんの勢いが高まったそうです。このとき“封鎖”にあたった漁協員、まあ組織の命令で嫌々行動した人もいるでしょうが、このメンバーからも安住ファンが生まれたといわれています。

 民主党としても、安住さんの小選挙区勝ち上がりは計算済み。いわば、イチローが3割を打つような感覚でしょうが、それは「当たり前」のことでしょうか? 世の中でイチバン難しいことは当たり前のことを当たり前にやることです。党本部からの選挙資金は「当落線上選挙区>テッパン選挙区」ですから、ほとんど来ないでしょう。応援弁士も有名どころは来ないでしょう。そして、「勝って当たり前」として注目選挙区にはならず、TV・雑誌の取材も来ない。その中で勝ち抜くのは大変なことです。

 前線隊長として「補給艦の引き上げ」「ガソリン値下げ」など連戦連勝だった国会議事堂をしばし離れ、地元での戦うアニキ。命がけの態度をしっかりと見せつけて、若手の模範となるだけでなく、主権者が持つ「政権交代への漠然とした不安」を払拭してください。アニキの2009年夏・第45回衆院選。

民主党、両院議員総会開催を決定 自民党の「懇談会」より30分早く

2009年07月17日 17時04分39秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
[写真]民主党の古賀一成さん

 民主党は21日午前11時から両院議員総会を開くことを決めました。

 自民党は午前11時半から両院議員懇談会を開きます。これは非公式かつ非公開のものです。が、民主党はこれより30分早く公式・公開の両院議員総会を開くことになりました。両院議員総会の会長は古賀一成さん(福岡6区)、副会長は工藤堅太郎さん(参院比例)です。古賀さんは小選挙区で自民党の鳩山元総務相から議席の奪い返しを狙います。

 7月21日午後1時5分過ぎの衆議院解散と同時に、第171通常国会は閉幕しますので、国民の信を仰ぐ8月30日の第45回総選挙の前に国会議員全員が東京に集まるのは7月21日が最後になります。

 民主党両院議員総会は通常国会を総括し、衆院選に向けた団結を確認します。自民党と違って「総裁選前倒し」「自発的な辞任」といった意見は出ない見通しです。

鳩山代表「自民党の皆さん、正気に戻ってください」

2009年07月17日 15時30分56秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 民主党代表の鳩山由紀夫さんは7月17日付メールマガジン「はあとめーる」の中で、「自民党の皆さん、憲政の常道を歩むべく、正気に戻ってください。二大政党の一翼として。政策で戦おうではありませんか」と呼びかけました。

 政策で戦おうというのは、第45回衆院選をマニフェスト対決に持ち込みたいという考えが感じられます。また第45回衆院選マニフェストの出来映えへの自信も感じられます。「マニフェスト」という言葉を日本に持ち込んだのは、2003年の第43回衆院選の民主党です。6月の読売・早大調査でも第45回衆院選の投票先を決める際に重視する項目について、「政党の政権公約(マニフェスト)」と答えた人は56%とトップになっており、他の世論調査ではもっと大きな割合を占めている場合もあります。

 鳩山さんが前回代表としてのぞんだのは2000年第42回衆院選ですが、この時は当時の森首相(自民党総裁)の「神の国」発言をとらえて、「これは神の国解散だ」として首相の資質を問う総選挙だという構図を設定しましたが、これは大間違いです。なぜなら失言であろうと、自民党総裁の言葉を使っている以上は、自民党の土俵で戦っていることになります。

 マニフェスト総選挙という構図に持ち込めば、これは民主党用語ですから、ホームグラウンドで戦えることになります。

 鳩山さんはメルマガで「私どもの分析では、前回大敗を喫した大都市圏は未だに強くありません。やはり今回の衆議院選も大都市圏の帰趨が政権交代のカギを握ると思われます」と指摘しました。

 私の試算でも、都議選の風があっても、東京は9勝16敗です。現時点でも政権交代の可能性は5分5分というところだと思います。

参議院議長が「異常のオンパレード」と憲政を批判

2009年07月17日 10時57分24秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 16日付夕刊各紙に載った両院議員総会の署名をした衆院議員一覧のうち、第45回総選挙での当選が安泰なのは3人、多く見積もっても5人です。そのうちの一人の党副幹事長はさっそく「こんなつもりじゃなかった」として署名引き下げに言及していました。

 良識の府、参議院議長の江田五月さん。僕のこのブログは2007年8月4日の江田参院議長誕生の記事からスタートしました。政権交代はスタートですが、僕のブログでは政権交代がゴールになります。

 その江田議長が7月16日のメールマガジンで現在の政権政党を「異常のオンパレード」と異例の批判をしました。

江田五月 メールマガジン 第879号   2009年7月16日
               http://www.eda-jp.com/

(引用はじめ)

(1)<ショートコメント>・・・《異常のオンパレード》

 麻生首相の異例の解散予告により、自民党は大混乱となった。解散から投票日まで40日も異例、8月中の投票日も戦後初だ。選挙日程が宣言されゴングが鳴ってから、古賀選対委員長は辞意表明し、所属議員の三分の一以上から両院議員総会開催を求められ、まさに異常事態だ。現職の主要閣僚2人が開催要求署名をしたのには、驚いた。「閣内不一致」どころではない。国民のことは、視野のどこにもない。参議院では麻生首相問責決議案が可決され、国会は事実上閉幕。有権者は、意思表示の機会を一日千秋の思いで待っている。

(引用おわり)

思い出の事務総長・駒崎義弘さんが9日の衆院本会議で勇退 5年8ヶ月

2009年07月08日 22時43分51秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
[写真]第171常会で平成21年度総予算の投票結果を読み上げる駒崎義弘・衆議院事務総長=2009年2月27日(衆院TVからキャプチャ)

 駒崎義弘・衆院事務総長が、9日の本会議中に勇退することが分かりました。駒崎さんは2003年11月に事務総長になり、郵政政局を経験。2005年9月の第44回総選挙で自公が3分の2を握るという歴史的大混乱に陥っても、事務総長として衆議院の安定に貢献しました。

 2007年、参院で「逆転の夏」が起こると、衆議院にも民主党提出の法案が増えました。

 ごらんのように、民主党議員の法案(衆法)提出ラッシュにも、嫌な顔一つせずに、淡々と法案を受け取りました。逆転の夏から決着の夏に向かう、まさに憲政の名場面で、歴史の証人となりました。
   

[写真]責任政党である民主党らの議員から、次々と法案を受け取る駒崎義弘・衆議院事務総長(写真すべて右端)

 9月10日までにある解散(ないし任期満了)により、議長も引退しますが、それよりも一歩早く、まるで改まった別れの言葉をさけるように黒子役が5年8ヶ月温めた事務総長席を降ります。お疲れ様でした。

 後任の事務総長には、鬼塚誠(おにか・まこと)事務次長が9日の本会議で承認される見通しで、そのまま事務総長席に座ります。

“50%の優しさギャップ”があるからこそ、しっかりやりたい“偽装献金”の危機管理

2009年07月05日 19時47分20秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

[写真]民主党の中井洽(ひろし)元法務大臣(三重1区)

 私は大学(政治学科)で安全保障論を専攻していました。民主党だと前原誠司さんも、大学・指導教授が違いますが、ほとんど同じ分野です。ただ、「安全保障論」といっても一般的でないので、「国際政治学です」と言っています。「安全保障論」というと、安保闘争の研究をしていると勘違いされることが大半で、そんな“夏の日の火遊び”の現場検証をしても、将来何の役にも立たないじゃないかと反発したものです。

 飯尾潤さんらの第三者委員会の「政党としての危機管理能力」という言葉にマイブームです。4月・5月からとても興味を持っています。

 読売新聞が2日(木)・3日(金)、麻生内閣のミニ改造を受けて、緊急世論調査(電話方式)を実施。おそらく自動音声方式で、RDD、1732世帯から1021人の有効回答を得ました。回答率58・9%と少し物足りないですが、緊急調査ですからやむを得ません。

 民主党・無所属クラブの鳩山由紀夫議員の総務大臣届出政治資金管理団体「友愛政経懇話会」の収支報告書偽装問題についての質問。

 「(前略)~鳩山代表は、国民に説明責任を果たしていると思いますか、そうは思いませんか。」との質問に、79・7%「そうは思わない」の選択肢を電話で、“プッシュ”しました。

 ところが、その次の、「民主党の鳩山代表は、この問題の責任を取って、代表を辞任すべきだと思いますか~(後略)」との質問に、「辞任すべきだ」を“プッシュ”した人は29・5%にとどまりました。

 もちろん、自民党支持者にも一律に同じ質問をしているわけですが、79・7%が「説明責任を果たしているとは思わない」のに、「辞任すべきだ」が29・5%にとどまったこの“50%のギャップ”は民主党および政権交代への国民の支持のあらわれです。

 だからといって、この問題はうやむやに幕引きしようとすることは、政権準備党としてふさわしくないし、上田知事が「ホップ・ステップ・なんとやら」と評した民主党の甘さを彷彿とさせます。つまり、政党としての危機管理能力に欠けていると断じざるを得ない。

 というのは、この「50%のやさしさ」ですが、新事実が出てきたり、延長国会のせめぎ合いでの対応を間違った瞬間に、「民主党への失望」に変わる可能性があるからです。国民の50%が失望したら、政権交代は吹っ飛びます。実るほど頭を垂れる稲穂かな、国民が史上最高に民主党を温かく見守ってくれているのだからこそ、最も厳しく身を律しないといけません。

 岡田克也幹事長(三重3区)は6月30日昼、中井洽(ひろし)元法務大臣(三重1区)に「7月7日(火)の常任幹事会で、この問題の対応を諮りたいので、よろしくお願いします」と電話しました。

 中井元法務大臣は民主党常任幹事会の議長です。中井元法務大臣は「中身がわからないといけないので、鳩山君の記者会見の要旨を常任幹事や議員にメールで送付したらどうだい」と岡田幹事長に提案しました。

 この7日の常任幹事会は重要です。結論が重要と言うことではなく、談論風発、様々なことを話し合うべきです。時間も大事です。常幹は長くても1時間ほどで終わりますが、2時間でも3時間でもやったらいいのです。

 役員会を終えた後、役員は大会議室に移動して、待機していた常幹メンバーと合流して、常幹を開きます。羽田孜(長野3区)渡部恒三(福島4区)、藤井裕久最高顧問らも加わり、会議室の人数はおよそ2倍になります。

 5月12日の常幹では残念なことがありました。これに先立つ役員会で当時の代表が4人の役員を指さし、怒鳴り上げたことは報道でご存じかと思います。

 役員会の不穏な空気は、常幹から加わったメンバーも気付いていたでしょう。が、あるベテランが「全国で300選挙区あるのに、現職議員(112総支部長)だけだと、日本全国の半分の声しか反映できないことになる。新人・元職の総支部長も代表選に加えたらどうだい」と提案しました。おそらく役員会メンバーは「ああ、この人は、相変わらず空気が読めない人だなあぁ」と感じたでしょう。案の定、当時の代表さんは、「○○先生とは思えない発言だ!」と怒鳴り上げ、空気が悪くなったそうです。が、この発言が奇貨となり、四国ブロック選出常任幹事である衆院当選1回生の小川淳也さん(香川1区)らも発言しました。

 
[写真]民主党の小川淳也・常任幹事(衆院議員)

 そもそも、役員会の雰囲気をいったん断ち切って、冷静に大所帯で議論するための常幹です。このベテランは元来KYな発言が多くて知られていますが、初当選以来の党歴は首相経験者とまったく軌を一にしており、その政治改革への志、二大政党制へのゆるぎなき信念は高く評価されています。つまり日常はKYですが、政治家としての大所高所としての判断はしっかりしているのです。これは矛盾というよりも、分野を問わず大物にはこういう人が多い傾向があります。

 常幹は自民党でいえば総務会にあたります。自民党の連中なんて、この民主党ベテランの100倍、KYな連中です。つまり、空気を読むのではなく、自己主張がすべてなんです。「俺を大事にしろ!」という一点張りを様々な修飾語を使ってしゃべるわけです。総務会は全会一致になるまで延々と総務の連中にしゃべらせますから、ガス抜きになり、あれだけ政策がメチャクチャなインチキ政党が54年間の長きにわたり政権を担い続ける原動力となりました。

 偽装献金についても、例えば、公開討論会で、麻生首相(自民党総裁)が鳩山代表に「新事実が出てきたら、あんたどうすんのよ、切腹する?」と迫り、鳩山代表が一瞬たじろげば、一部の国民は「鳩山さんは何かやましいことでもあるんかいな?」と思い、投票行動に影響します。しょせん、そういう世間の問題です。

 だから、せめて、常幹で徹底的に議論する。小沢代表代行は静岡県知事選の選挙結果の報告をしたら、さっさと退室すべし。

 私は、公設第一秘書だった「K」さんについては、民主党側から刑事告発すべきだと思います。それが危機管理です。自民党側より先にすべきなんです。

 「武田と内通した」という織田信長の通報を受けて、徳川家康は長男を切腹させました。「50%の優しさ」の順風を帆に受け続けるためには、身内を厳しく律しなければなりません。

総裁選「前倒し」は事実上困難 山本らの運動「横倒し」か?

2009年07月01日 06時53分21秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ
 毎日新聞によると、自民党総裁選前倒しの賛同者が過半数(衆参と県連代表者)になっても、総裁選実施前に麻生首相が衆議院を解散すれば、同党所属衆院議員が投票資格を失うことが分かりました。衆院議員は解散と同時にその職を失うからです。

 自民党の総裁選に関しては、選挙活動に必要な「党員名簿」を借りるのに、2006年の総裁選(福田が当選)で197万1961円かかるなど、お金がかかります。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000034165.pdf
(上記リンクのPDF7ページ目、収支報告書としては6頁を参照してください)

 再選出馬が可能な麻生総裁があえて危険なかけに出るとは思えません。やはり解散で対抗するしかないと思います。

 7月2日に党役員人事に踏みきるのも、総裁・首相としての力を党内に誇示するのが最大のねらいだと考えられます。

 解散が早まる可能性が高くなったといえるのではないでしょうか。

<自民総裁選前倒し>解散なら失職 衆院議員は投票できず(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 自民党内で山本拓衆院議員らが求めている党総裁選前倒しは、麻生太郎首相が衆院解散に踏み切ると、極めて難しくなることが6月30日、分かった。総裁公選規程によると、選挙権は党所属国会議員と20歳以上の党員らにあるが、衆院議員は解散と同時に失職し、投票資格を失うため。投票の場となる両院議員総会も衆院議員抜きでは開催できない。首相自身が前倒しを受け入れない限り、計略は不発に終わる可能性が高い。

 前倒しは、党所属国会議員と各都道府県連代表の総数のうち、過半数(現在は216人)の要求で可能になる。しかし、山本氏らが必要数を確保しても、首相は解散で対抗するとみられる。解散後でも参院議員と党員による総裁選は可能との解釈はあり得るが、新総裁の正統性という点で非現実的だ。

 また、党本部によると、現職衆院議員が解散後に前倒しに賛同しても無効。東京都議選前の解散は見送られる公算が大きいことから、署名運動は投開票日の7月12日あたりがタイムリミットになる。

 「総裁リコール規定」は過去に適用された例がない。今後、「麻生降ろし」が本格化した場合、解釈や運用を巡って党内が紛糾する事態も想定される。【近藤大介】