[写真]志位和夫・共産党委員長と枝野幸男立憲民主党代表、今月2021年9月8日、参議院議院会館内での市民連合と4党首(立憲、共産、社民、れいわ)の会合で、宮崎信行撮影。
立憲民主党代表と共産党委員長がきょう令和3年2021年9月30日(木)、国会議事堂内・中央部・常任委員長室で、党首会談を開き、60日以内に絶対ある第49回衆院選の選挙結果で、「枝野内閣」が実現する情勢になった場合「共産党は合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする」との政権枠組合意を結びました。
共産党の志位和夫委員長や小池晃書記局長が各々のツイッターアカウントで全文を発表しました。
来週月曜日に発足する岸田文雄自公政権との対決を鮮明にしながらも、議席増と選挙後の党首交代による立ち位置変化が予想される「維新」には言及しませんでした。
2015年平和安全法制強行成立翌日の共産党中央委員会「民主連合政府の呼びかけ」を機に、2016年夏の参院選の全32小選挙区で「野党調整」が実現した「枝野幹事長や岡田克也代表」体制は、「共産党とは政権をともにしない」と一貫して口頭で発言してきました。今月の市民連合(山口二郎運営委員ら)と、立憲・共産・社民・れいわの4党が結んだ「野党共通政策」の土台にして、具体的な「次の内閣」に踏み込みました。
日本共産党が衆院選後の政権枠組みについて「閣外協力」を公党間で合意したのは、史上初めてだと思われます。
一方、未調整区が70前後残る実態にもかかわらず「次の総選挙において、両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す」との表現にとどまり、これから1か月間の調整についての記述は避けたようです。
志位委員長のツイートら引用。
「立憲民主党・枝野代表と会談、両党が以下の点を協力することで合意しました。
1、次の総選挙において自公政権を倒し、新しい政治を実現する。
2、立憲民主党と日本共産党は、「新政権」において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する。その際、日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする。
3、次の総選挙において、両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す」
としました。すべて「次の総選挙において」の断りが示されました。
今月9日の
市民連合の野党共通政策の内容は次の通り。市民連合のホームページから引用。
衆議院総選挙における野党共通政策の提言
――― 命を守るために政治の転換を―――
新型コロナウイルスの感染の急拡大の中で、自公政権の統治能力の喪失は明らかとなっている。政策の破綻は、安倍、菅政権の9年間で情報を隠蔽し、理性的な対話を拒絶してきたことの帰結である。この秋に行われる衆議院総選挙で野党協力を広げ、自公政権を倒し、新しい政治を実現することは、日本の世の中に道理と正義を回復するとともに、市民の命を守るために不可欠である。
市民連合は、野党各党に次の諸政策を共有して戦い、下記の政策を実行する政権の実現をめざすことを求める。
1 憲法に基づく政治の回復
・安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの法律の違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する。
・平和憲法の精神に基づき、総合的な安全保障の手段を追求し、アジアにおける平和の創出のためにあらゆる外交努力を行う。
・核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する。
・地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する。
2 科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化
・従来の医療費削減政策を転換し、医療・公衆衛生の整備を迅速に進める。
・医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの待遇改善を急ぐ。
・コロナ禍による倒産、失業などの打撃を受けた人や企業を救うため、万全の財政支援を行う。
3 格差と貧困を是正する
・最低賃金の引き上げや非正規雇用・フリーランスの処遇改善により、ワーキングプアをなくす。
・誰もが人間らしい生活を送れるよう、住宅、教育、医療、保育、介護について公的支援を拡充し、子育て世代や若者への社会的投資の充実を図る。
・所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。
4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行
・再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。
・エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する。
・自然災害から命とくらしを守る政治の実現。
・農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する。
5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現
・ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。
・ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。
・政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。
6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する
・森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う。
・日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。
・内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事を確立する。
2021年9月8日
安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合
上記政策を共有し、その実現に全力を尽くします。