【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【第26回参院選・全国比例】いつも王子駅で、青木愛候補応援の小沢一郎「立憲民主党の党勢上向かないが青木愛は6年前より早い時間帯に当選確実にしたい」

2022年06月30日 21時20分03秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]立憲民主党公認の全国比例候補、青木愛参議院議員、きょう2022年6月30日、東京・王子で、宮崎信行撮影。

 第26回参議院議員通常選挙は、異次元の金融緩和の効果で、女性の立候補者数が史上最多で行われていますが、盛り上がりには欠け、組織と有権者が遊離した選挙戦が続いています。

 きょう令和4年2022年6月30日、青木愛さんが東京・北区の王子で、屋内「ハコ」の総決起集会を開き、立ち見が出ました。

【第26回参院選・全国比例】小沢一郎「立憲民主党の党勢上向かないが青木愛は6年前より早い時間帯に当確を」20220630 東京・王子、宮崎信行撮影

 青木さんは岸田インフレ・黒田円安による物価高・ガソリン高に言及し「選挙が始まった後に、ガソリンスタンドで手が止まった」と生活者の目線を強調。千葉県での保育園(母親が理事長)、東京都での保育園(本人が創業)の経営者としての視線を交えつつ「20年からの新自由主義の政治から、国民の生活が第一の政治に戻す」と演説しました。

 小沢一郎さんはおよそ100日前は、「ジェンダー平等だ、多様化だと言ってもなんだか分からない」と語り、名指しを避けつつ泉健太代表を批判。その後、千葉県ゆかりの参議院議員らの主張で「物価高と戦う」が第一公約になったためか、執行部批判は一切なく「立憲民主党の党勢は上向かない。6年前は夜になっても当確が出ず、一度帰宅して朝になってから当確の連絡がきた。今回はもう少し早い時間帯に当確が出てほしい」と語り、6年前の思い出を共有していた多くの客から拍手と笑いがわきました。


[写真]小沢一郎さん、きょう、宮崎信行撮影。

 小沢さんは楽観的でしたが、秘書と司会者は、党は残り1ないし2枠で、その枠を現職3議員で争っているとの情勢を披露。後は、本人以外は、電話かけとポスター張りの選挙運動に限られるとし、「残り10日間、青木愛のことだけを考えて生活してほしい」と懇願し、場内はおおむね認識が共有されたようです。

 会合には、もともと当地が地元の日本行政書士連合会会長もあいさつ。野党系で、職能全国団体の会長があいさつするのは異例。また混乱が続くJR東日本労組の関係団体の代表が「私は総武線の運転手だ」と語り「青木さんを頼りにしている」とスピーチ。司会者から「ポスター張りでは多大な貢献をいただいた」との追加紹介がありました。

 
[写真]日焼けした筆者。きょう撮影。

 日本人全員が「王子はなぜか懐かしい故郷」で、あなたのお財布にあるお札はすべて当地(正確には隣の瀧野川)で製造・印刷されています。筆者は同地区の所轄警察署の30者しかいない防犯協力会の半世紀以上の法人会員の代表取締役です。紙工業では90歳の労働者も働いてお米を買うお金を得られる「選ばなければ必ず仕事がある町」です。私はそれをユートピアと呼ぶと、幼少期から考えています。既得権益者の私ですが、生活に直結した組織にはそもそも在籍していないからか、30年来政治に携わってきて、「参院選公示後の全国比例のハコの集会」にきょう生まれて初めて滞在しました。どうしても誘われないし、そもそも開催事前情報がありません。

 組織力のもとに有権者が置き去りにされ、今回に限れば政権交代・与党構造・参議院構成が変わらない無風選挙となります。




[写真]王子で選挙運動する青木愛候補、上が2022年6月30日、下が2009年8月19日、ともに宮崎信行撮影。

 以上です。

小川淳也立憲民主党政調会長、防衛費倍増の自民公約でやり返す、茂木敏充自民党幹事長の「財源論」演説で

2022年06月29日 22時24分48秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]小川淳也・立憲民主党政調会長、きょねん2021年11月、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の小川淳也政調会長は「防衛費増だって同じ。財源とセットじゃなきゃ非現実的なんじゃないか? 」と引用リツイートし、自民党の茂木敏充幹事長が「消費減税は財源セットでないと非現実的だ」と発言したことをやり返しました。

 自民党は岸田文雄首相・高市早苗政調会長体制で、きょねん秋の第49回衆院選で「防衛費GDP2%超」の2倍増を公約。今回の参院選にもひきついでいます。今年度予算を参考にすると、年6兆円必要。戦艦大和建造をめぐる議論から、財政法は政府公債の日銀直接引き受けを禁じていますが、高市さんは特例公債を充てると発言しています。

 立憲の泉健太代表らは「岸田インフレ」物価高対策として、消費税を時限的に5%にして現金を家計に残す公約をしています。この場合は、年11兆円程度になると考えられます。この財源には新規の国債を発行しても、異次元の金融緩和のもとでは何も問題は起きません。

 岸田首相がNATO首脳会議出席のため欧州外遊していることから、茂木幹事長が自民党の主役となったことで、党内からも不人気だとされている茂木さんに対する集中砲火が始まりつつあるようです。

https://twitter.com/junyaog/status/1542105882422435840?s=20&t=ObKHtr1V9JiPNDLWi9A6qQ


銀座で深谷隆司元自民党総務会長「キャーキャー叫ぶ野党の女性議員いらない」に支持者たしなめるも茂木敏充幹事長やり過ごすだけ20220626宮崎信行撮影。

2022年06月29日 16時57分54秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]猛暑もへっちゃら、銀座を取材する筆者。

 今週日曜日の東京・銀座での自民党街頭演説会で、同党重鎮の深谷隆司元自民党総務会長がマイクを持ち「参議院の舞台でキャーキャーキャーキャー叫ぶような野党の女性議員もいます参議院に向いていない。衆議院でも要りませんいりませんと言われるんだから」と演説。5列目の夫婦連れであることから、同党支持者と思われる女性から「そういうこと言わないの」「言わない」とヤジが飛ぶシーンがありました。

銀座で深谷隆司元自民党総務会長「キャーキャー叫ぶ野党の女性議員いらない」に支持者たしなめるも茂木敏充幹事長やり過ごすだけ20220626宮崎信行撮影。

 6年前は代表代行として代表をねらった蓮舫候補を念頭においた発言で、熱心な自民党支持者が今回の第26回参議院議員通常選挙への影響を懸念し、発言を制そうとしたと推測できます。

 深谷さんから「私が経済産業大臣のときの優秀な大臣政務官だった」と紹介されてご満悦の茂木敏充同党幹事長も、重鎮の演説を拍手しながら聞いていましたが、「キャーキャー」発言では拍手はやめながら冷笑を見せました。党本部幹事長として、発言を制することはありませんでした。

 以上です。

泉健太代表の新幹線乗り込むまで選挙運動の党首力が功を奏したか、最大の焦点「比例野党第1党」争いで立憲民主党が躍進

2022年06月29日 09時22分02秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]泉健太代表、22日、宮城県で、宮崎信行撮影。

 政治構造の変化の余地に乏しい今回の参院選で最大の焦点である、「比例の改選の野党第1党」で、立憲民主党が日本維新の会に対して大きくリードしました。

 情勢は大きく変わることがあります。

 第26回参議院議員通常選挙の最大の注目点は、比例代表(定数は50に復帰)で立憲民主党と日本維新の会のどちらが「第2党・野党第1党」になれるかどうか。

泉ケンタは新幹線に乗り込むまでが選挙運動なんです

 選挙サンデーからきのうまでの3日間の共同通信調査では、比例代表に入れたい政党は、およそ1週間前の公示前調査と比べて

 自民党が27・3→28・3
 立憲民主党が7・0→8・2
 公明党が6・2→7・2
 日本維新の会が7・7→6・1
 以下の政党は略

 となりました。

 維新は、野党第1党どころか、全体第4党に落ちています。

 参院選の基本となる「県連」は、自民党に次いで立憲民主党の組織があるためか、公示後に一番伸びました。いわゆる「選挙・野党第1党ブースト」の上昇気流を「岸田インフレ・物価高と戦う」の構図の設定に泉健太代表が序盤に限れば成功したことも大きそう。

 泉健太代表の有権者に対して分け隔てなく接する「名刺配り」の好感を読んでいるのかもしれません。公示日には、遊説を終えて、SP・県警警備を引き連れて新幹線に乗り込むまで「小畑きみ子お願いします」「立憲民主党です」と大声を張りながら、市井のタクシー運転手、買い物などをする女性に歩み寄り名刺を配りました。

 若さでのぞむ初陣の充実感が、功を奏しているのかもしれません。「党首力」という言葉がありますが、それは政策の問題ではなく、姿勢の問題です。

このエントリーの本文記事は以上です。
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【銀座サンデーで罵声NOW】茂木敏充幹事長が「自民党いつまでいるんだよ」罵声浴びる、街頭演説会場から立ち去る際に、録音あり

2022年06月28日 23時58分45秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[画像]「銀座サンデー」の銀座4丁目交差点で、街頭演説会を開いた茂木敏充幹事長、おととい2022年6月26日、宮崎信行撮影。

 第26回参議院議員通常選挙で、自民党は、岸田文雄さんの欧州外遊で、おとといの選挙ファーストサンデーから今週金曜日まで茂木敏充幹事長が「主役」をつとめます。

 銀座4丁目交差点会場では聴衆とグータッチをして専用車両で立ち去る際に、待ち構えた男性から「自民党いつまでいるんだよ」「早く」「しろよ」との罵声を浴びました。

【銀座】茂木敏充幹事長が「自民党いつまでいるんだよ」罵声浴びる、街頭演説会場から立ち去る際に、20220626 宮崎信行撮影

 直後に、ファーストの会公認・国民民主党推薦候補と、小池百合子東京都知事、玉木雄一郎代表と、電機連合組織内の矢田わか子候補の街頭演説会がありました。

 罵声は、自民党政権に批判的な人か、電機連合などで演説の場所を確保する役回りの人だった可能性があります。

 候補者の銀座練り歩きがスタートしたタイミングなので、茂木さんにはギリギリ声は聞こえなかったと推測します。

 以上です。

【参院選東京哀歌】公明党員同士が遠山アベノミクスで口論動画「社交界に頼んで借金させてもらった」「大きい社宅壊されている」「その大本が国政してんだから」「こういう人たちに配慮した政治をしてほしいよ」

2022年06月28日 19時25分36秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]世田谷を取材する筆者、きょう。

 公明党の山口那津男代表は、きょうは7選挙区のうち東京都選挙区の女性現職をテコ入れ。各地で、「物価高対策の1兆円の交付金を予備費で出す」と遊説でアピールしました。


[写真]口論の後に、演説する山口那津男公明党代表(右)。

 このうち、山口代表到着直前の世田谷区内の駅ロータリー前の遊説会場で、公明党の世田谷支部員の男女が、候補者のピンクのチラシを配っていたところ、植木鉢を抱えた同党の西東京支部員だという女性が通りがかり「銀座問題」の遠山清彦元議員について批判し、もっと弱者に寄り添った政治をしてほしいと主張。

 鉢植えを持った女性は「(私たちにはできない)社交界に頼んで、お金の、借金の手続きしてもらったんだから」と遠山氏を批判。

 その後に、「何ができるか分からないが、田無の社宅が壊されている」としました。なんらかのアベノミクス・量的金融緩和による再開発批判とみられます。

 候補者ビラを配る女性とコンビの男性は「筋が違うから」「ここであなたが言ってもだめだから」と応じました。

 鉢植えを持った女性は「そのほんもとが国政してるんだから」「でもさあ、こういう人たち(私たち庶民)にも配慮した政治をしてほしいよ」と述べると、男性は「でもね、それは(公明党でなく)施設のところに行かなくっちゃ」と応じ、鉢植えを持った女性は駅改札方向に「これじゃだめだ、やめよう」と立ち去りました。

 筆者は「顔をうつさないから」と断り、当事者全員の許可をとり、公道での口論の後半を撮影しました。

【スクープ】公明党員同士(世田谷支部員と西東京支部員)の口論を、本人たちの許可を得て撮影した映像、20220628 宮崎信行撮影。

 当ニュースサイトのような主要報道媒体が、公明党員同士の口論の映像を報じるのは異例でスクープといえます。

 でも、見ると悲しくなるので、見ない方がいいかもしれない。

 なお、複数の公明党地方議員らによると、銀座問題で定年退職として創価学会を去ったはずの「ヒロシ」こと佐藤浩元副会長が何らかの資格で創価学会に復職して、今回の第26回参議院議員通常選挙の公明党の現場最高指揮官に復帰しているとみられます。

 以上です。

【参・国民民主・愛知4人区】国民民主党のムードメーカー「伊藤孝恵」さんが連続調査で4位に浮上、あす18時トヨタ自動車駅前→19時名古屋総決起大会で起死回生図る

2022年06月27日 21時33分53秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]新・国民民主党初代代表選挙で、惜敗の弁を述べる伊藤孝恵参議院議員と、玉木雄一郎初代代表、おととし12月、東京・永田町の「全国町村会館」で宮崎信行撮影。

 首相指名選挙での「伊藤孝恵君1票」で知られ、新・国民民主党初代代表選でやぶれ「副代表」に収まりつつ、玉木雄一郎代表から「役員室長」を任された伊藤孝恵さんが、愛知4人区の連続調査で当選圏内にランクアップする情勢調査が出ました。

 同じ会社の調査、サンプル2000弱で、公示前調査が「1自民現職、2立憲現職、3公明現職、4維新・減税日本男性新人、5国民女性現職の伊藤さん、6共産女性新人」でした。この4位と5位が入れ替わり伊藤さんが当選圏内に入りました。但し、自民現職は3ポイントも上げて、現時点では2位当選者に対してもダブルスコアと圧倒。自民は「地方議員による県内市町村引き回し」で各自治体ごとに底上げされたとみられます。公明、立憲も下げ、伊藤さんも、実は、下げました。しかし、日本維新の会・減税日本の男性新人が伊藤さんよりも下げたため、4位と5位が入れ替わった格好。「維新・減税」は、7割を占める「名古屋市以外の愛知県民」に浸透する組織力・要素が弱いと考えられますが、全国比例出馬の前市議との両輪はしており、巻き返し余地あり。共産女性新人は伸ばしましたが、他の複数区と違って及ばなそう。

 昨秋の衆院選での愛知11区の野党前職の出馬辞退は、解散後から公示前のタイミングで、豊田章男さんが突然提案して自民の不戦勝的な圧勝。説明を求める組合員・マスコミへの回答では、全トヨタ労連委員長が泥をかぶりました。

 与党による全国比例の情勢調査では、4月は国民の全国比例は3人の組織内が1位グループでしたが、公示前日調査で、「自動車総連・全トヨタ労連の現職」だけ3位に落ちました。一連の流れの未来が透けて見えたのは筆者だけではないでしょう。

 伊藤候補はあす6時からトヨタ自動車本社の最寄り駅で、玉木代表と街頭演説会を敢行。7時から名古屋市内で総決起大会を開くという挑戦的な遊説日程を組みました。

 あすの玉木代表は、日産の本社・テクニカルセンターがある「横浜市」(会場は新横浜周辺)から、ホンダがある三重県(会場は津市)を経て、「豊田駅街頭」に突撃。


「ヤマザキマザック」などものづくりのメッカ、愛知県、ことし、宮崎信行撮影。

 愛知4人区の登場人物は「大組織たち」ですが、フタが開くまで分かりません。

 さはさりながら、伊藤・玉木のあすの「三河豊田駅前→名古屋市総決起大会」。

 伝説になりそうです。

 以上

【参院選・国民民主党】「再エネ賦課金」実質廃止の追加公約を玉木雄一郎代表が発表、電力料金1割強下げ、岸田インフレ「節電ポイント」不人気の風を読む「情勢が厳しいのか」との問いは否定

2022年06月26日 18時01分01秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]玉木雄一郎・国民民主党代表、3年前、筆者撮影。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「電力料金に含まれる再エネ賦課金を実質廃止して、電気料金を1割強引き下げる」とした追加公約を発表しました。

 「岸田インフレ」が争点化する中、岸田文雄本部長の「物価・賃金・生活総合対策本部」が打ち出した「節電ポイント」が不人気である風を読んだ動き。

 玉木さんは、FIT再生可能エネルギー固定価格買取制度にもとづき、各電力会社で産業用でおおむね16%、家庭用でおおむね12%を上乗せしている「再生エネルギー発電賦課金」を向こう1年程度停止して、政府が全額肩代わりするとしました。

 玉木さんは第26回参議院議員通常選挙の最初の選挙サンデーのきょう令和4年2022年6月26日、遊説の途中で、東京・銀座の路上で緊急ぶら下がり記者会見を開催。このもようは党本部のYouTubeチャンネルでも緊急配信されていたようで、2時間で既に2000回程度再生されており一定の組織力を見せました。



 序盤情勢では、同党は現職がいる大分1人区、愛知4人区で劣勢で、不戦勝観測があった山形1人区ではリードしていますが、自民女性新人の猛追を許しています。比例代表では2議席から4議席との加速も公約を維持できない場合は議席半減となると予想されます。

 これを念頭に、筆者(宮崎信行)が「残り14日間のタイミングで、異例の追加公約を発表するのは、序盤情勢が厳しいからか」と質問すると、玉木代表は「情勢は(公示前から)ずっと厳しい」と反論し、「情勢うんぬんで判断したのではなく、この猛暑が続いていることと発表された物価上昇率(2・5%)でも電力の割合(18・6%)が高いということを踏まえた」とし「おとといくらいから活動し、きのう使ったので、政調会長(大塚耕平参議院議員
非改選)を中心にとりまとめた」と説明しました。


[写真]ぶら下がり記者会見のため、銀座の雑踏から現れた玉木雄一郎国民民主党代表、きょう午後3時20分過ぎ、筆者撮影。

 同党は小林正夫議員が任期満了で引退し、電力総連・東京電力から男性の新人が立候補しています。電力総連は参院選で負けたことがなく、現段階では議席獲得が今回も有力だと読める情勢が出ています。原子力発電の賛否とは別に、再エネを推進しつつ、電力料金が「物価の劣等生」との扱いを避けたいとの意識で、「岸田インフレ」の争点への追加対応がスムーズにまとまったものとみられます。

このエントリーの本文記事は以上です。
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【第26回参院選・全国比例】「NHK党幹事長」がNHK日曜討論で「暴露系ユーチューバー」「岸信介はCIA」など自民・公明・維新に対する独自の見解を披露し、歌も歌う、ツイッター「支持やめる」複数

2022年06月26日 11時03分43秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]NHK放送センター=東京・渋谷区筆者撮影、日曜討論は千代田区の報道局分室スタジオを使用。

 第26回参院選の最初の選挙サンデーのきょう2022年6月26日、NHKは「日曜討論参院選9党幹部に問う物価高・安保・憲法」を放送しました。

 3年前に立花孝志党首が初当選して政党助成法にもとづく政党となった「NHK党」は、今回は立花さんは出ず、黒川敦彦幹事長(非議員)や暴露系ユーチューバーのガーシー候補らを擁立しています。

 黒川幹事長はきょうの番組で、物価高で意見を求められた際は「世界中が金融緩和をし過ぎている」との見解を述べました。

 その後、「安全保障」について問われた際、ガーシー候補が再生回数を増やしてスポーツ紙でも取り上げられた、有名芸能人の芸名を具体的に上げて「淫行疑惑がある」「マスコミで一切取り上げられていない」と発言。NHK解説委員からテーマに沿った発言をするよう求められると、安保だとし「権力を持つ人はもみ消そうとする」と主張をずらしました。

 その後、憲法改正について問われると、黒川幹事長はさらに主張をずらし「サイレント・インベージョン」という聞きなれないキーワードを出し、「安倍晋三元首相の祖父、岸信介はCIAのエージェント」「創価学会と中国共産党は関係がある」「日本維新の会と中国共産党も関係がある」との独自の主張を展開したうえで「全部安倍のせいだー」「おじいちゃんはCIAエージェント」というテーマを盛り込んだ自作とみられる歌を歌いました。

 これについて解説委員は、テーマに問った発言と個人名を出さないよう求めました。自民党の茂木敏充幹事長は「民主主義はルールを守ってほしい」、公明党の石井啓一幹事長は「団体名を出さないでほしい」、維新の藤田文武幹事長は「京都の街宣でもめ事があったが、立花党首の謝罪があったのでおさめたばかりだ」と、国政政党の土俵で対応しました。

 一連の行動については、ツイッターなどSNSで「面白い」やNHK解説委員の静止を言論弾圧だと示唆するような書き込みもありますが、もともとの支持者とみられるアカウントから「投票するのはやめたい」との意見が複数書き込まれており、こちらが大勢のようです。また、物価高のテーマを問われてもっともらしい話をしたのに、安全保障のテーマを機に、話の内容を徐々に変えたことを「陰謀論だ」と分析する向きもあります。

 政党・報道機関の複数の情勢調査では、N党は0議席だったり、1議席の獲得予想が出ており、仮に1議席の場合は、ガーシー候補が優勢ではないかとの調査が出ていました。

 選挙に影響した場合は、大量の候補者を擁立して、現職地方議員も多く在籍する「N党」の政党要件が3年ぶりになくなる公算もあります。

 以上です。

【第26回参院選・実質賃金】岸田首相「結果として、コロナ禍を乗り越えた企業は3%以上を超える賃上げ」と謎の数字を強調、物価上昇率2・5%、春闘は2・09%なので、何らかの数字を探したか

2022年06月26日 08時18分58秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]岸田首相、きのう2022年6月25日、東京武蔵野市吉祥寺駅前で、宮崎信行撮影。

 第26回参議院議員通常選挙は、きょうで5日目となります。衆院選は12日ですが、参院選は17日間ないし18日間ありますので「選挙サンデー」はきょうを含めて2回あります。まだまだ長いたたかいです。

 岸田首相は、NATO首脳会合のため欧州に向かう政府専用機の中です。岸田首相のきのうの東京・吉祥寺駅前での街頭演説会で、「賃上げは3%超」という謎の数字をあげていたことが、筆者の音声データなどから分かりました。

 一部報道では、首相は選挙戦3日目で「新しい資本主義」という言葉を初めて使い全会場で使ったとされますが、きのうの選挙戦4日目では、その言葉は使っていないようです。

 首相は、演説の終盤で「ロシアによるウクライナ侵略で物価が高騰している」と言及。「日本においても国民のみなさんの物価が上がっている」とし「私が本部長になって物価・賃金・生活総合対策本部をつくった」と強調。「みなさんの事情にあった物価高騰対策を用意しなければならない」とし、地域に合わせた1兆円の交付金などで対応するとしました。

 演説ではこの後、「みなさん一人一人の賃金引き上げ、所得の引き上げが必要だ」と話を進めて「賃金の引き上げを民間に進めていく。結果として、今年の春闘、コロナ禍を乗り越えた企業は、3%以上を超える賃上げを実現した。全業種、全平均でも2%以上の賃上げを実現して、過去20年間で2番目の伸びとなった」と語りました。

 ところが、確認すると、連合がまとめた春闘の結果は平均賃金方式で「2・09%増」となっています。コロナ禍の影響が大きかった業種ではいまだに前年比マイナスとなりました。仮に、所定外労働や夏季一時金を加えても、3%には届きません。

 総務省が計算する物価上昇率は3月は1・2%でしたが、4月と5月は続けて前年同月比2・5%増となっています。首相周辺は、春闘が「2・09%」、物価上昇率が「2・5%」を意識して、「3%」ならば実質賃金はプラスだという考えで、何らかの統計数字を探したと考えるのが妥当な推測だと思います。

 仮にあったとしても、ビフォー・コロナに比べて発射台が下がったことで、前年同月比ではプラスの数字が出る「成長の下駄」である可能性が高そうです。

 立憲民主党の泉健太代表は3日の公約発表記者会見で、筆者・宮崎信行の質問に答えて、「連合もことしは本当に努力をして、近年の中では、2%超えとかよく言われますが、賃上げ努力をしたが、連合の中間まとめの中で、物価上昇のほうが大きくなって残念ながら実質賃金がマイナスになるおそれがあるという報告がなされている」と答えており、現下の経済状況は、「実質賃金マイナス」であるとの現状認識を示しています。

 首相は機中の人なので、しばらく真意は分かりません。が、金曜日の午前8時50分に日本銀行が発表する短期経済観測調査で「中小の製造業」はウクライナ戦争と上海ロックダウンの資材高を吸収できず先行きが悪化しそうです。

 世論調査では、最優先する政策課題は物価対策だと回答した人の方が自民党支持率がより高いという、やや意外な結果も一部で出ています。首相が1兆円の交付金を強調しているのもこれが背景にあると思います。しかし、物価を上回る賃上げが今春に実現できていなかった場合は、参院選以降も尾を引き、政権の打つ手が狭まることが予想されます。

 以上です。

岸田文雄首相疲れた表情で外遊へ、「おニャン子クラブ」生稲晃子さんは意外「東大2名合格」の中央線リベラル私学の名門女子高卒業

2022年06月25日 17時06分56秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]疲れた表情を見せた岸田文雄首相(自民党総裁)、きょう2022年6月25日、東京三多摩地区・武蔵野市の吉祥寺駅前で、宮崎信行撮影。

 岸田文雄首相はさすがに疲れた表情を見せつつ、羽田空港に向かい、ロシア・ウクライナ戦争をめぐるNATO首脳会議に旅立ちます。しばらく第26回参議院議員通常選挙の街頭演説は、茂木敏充・自民党幹事長が主役になります。


[写真]生稲晃子候補=同。



[写真]萩生田光一自民党東京都連会長=同。

[写真]「生稲晃子さんは私の後継者だ」と語る中川雅治参議院議員=同。


[写真]丸川珠代さん=同。

[写真]長島昭久さん=同。

 東京6人区に2人擁立した自民党の新人・生稲晃子候補陣営は、きょう令和4年2022年6月25日(土)、東京の23区と三多摩の境目である、JR・京王「吉祥寺」駅前で街頭演説会を開きました。

 司会は、丸川珠代さんで、中川雅治参議院議員が「私の後継者だ」と生稲さんを紹介。萩生田光一経済産業大臣は「自民党東京都連の長い歴史の中で、三多摩から会長になったのは、青梅の石川要三元防衛庁長官についで、八王子の私が2人目だ」と野心を隠さず。「生稲さんは吉祥寺の学校に通った。華やかな芸能界に居たなどと報道されているが、人生のほとんどを三多摩で過ごしてきた」という趣旨の演説をしました。

 選対本部や、選対三多摩本部の役員だとして、男性都議、松本洋平衆院議員らが演説した後、三多摩本部長だとする地元の長島昭久衆議院議員が「総理はこの後羽田空港に向かい、日本の首相として史上初めてNATO首脳会議に出席する」としつつ「生稲さんは吉祥女子高校の出身だ」と初めて固有名詞に言及しました。

 おニャン子クラブの固有名詞は全弁士が伏せました。

 帰宅して、ウィキペディアを見たら普通に乗っている情報ですが、生稲さんが卒業した「吉祥女子高等学校」は、この3月も東大に2名合格の名門。ここから渋谷にかけていわゆる「中央線リベラル中野・杉並私学」の中でも進学実績が大きく伸びた学校法人なので、私はちょっと驚きました。生稲さんは筆者より5歳上(学年換算)のようですが、当時既に菅直人さんは衆議院議員でしたが、都庁は新宿に移転する前で、「中央線バブル」が起きるより前に卒業していると思います。ですから、「おニャン子クラブ」の時代も含めて、すべてがバブルと、微妙にすれ違ってきた、ややつきのない人生だったのかもしれません。その中で運は、吉祥女子の進学実績がこの地域でも特筆すべき上昇を見せたことかもしれません。岸田首相からは、港区などの地域名は伏せつつ、「お店を経営している中小企業経営者だ」と紹介されました。

 ああ、こういうことだったのか、と得心しました。

 東京生まれ東京育ちの貴族の暗闘で、麻布の中川さんから吉祥女子の生稲さんに代わり、三多摩の萩生田会長がしきる構図。萩生田さんは都民ファが23区自民党を壊滅してくれたことに感謝してそう。

 萩生田さんらの遊び人人脈の中で、浮上した人選だと思います。飲み友達から中条きよしさん=全国比例=を擁立した馬場伸幸・日本維新の会共同代表のように、政策より人脈といったところです。同じ会場に居た人も「それはないと思う」というかもしれませんが、最前列の男性率は9割以上で、合計7割は、私と同じ40代男性でした。生稲さん本人より数学年下ぐらいだと思います。今まで東京都各種団体協議会の全面支援を受けてきた中川雅治系列を応援していたとは思えない層に浸透すると思われます。しかも、東京都は23区だけ固定資産税は都庁ですが、三多摩は市町村が固定資産税をかけています。このメタファーとして、都議会自民党対都民ファーストの会の戦いは、三多摩では都民ファの侵攻を都議会自民党が防戦しています。

 萩生田さんのラインで、都連内の三多摩、本部内の清和会・安倍派の力を上げようとすれば、うってつけの候補者といえそうです。

 まさか「おニャン子クラブ」が東大2名合格の、中央線の有名学校卒とは。

 かなり自民党のスカウティングはすごいと感じました。

 東京6人区は、自民男性現職、自民女性新人、立憲女性現職が先行し、れいわ男性党首、公明女性現職、共産男性現職が当落線より上とみられます。維新女性新人の前大阪地方議員が猛追し、立憲男性元衆議院議員が追随しました。きょうの演説会では選対応援弁士の衆議院議員から「きょねん秋まで衆議院議員だった人が出るべきでない」という趣旨のネガティブキャンペーンが1回だけあり、立憲男性新人が当選ラインをうかがいつつあるという情勢を自民党内で共有している可能性があります。上述の経緯もあってか、国政選挙初挑戦の都民ファ党首は厳しいたたかい、

 以上です。

【第26回参・公明党の東京・埼玉・神奈川】公明党は街頭演説会の動員には陰りの印象

2022年06月24日 21時30分17秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]3選をめざす公明党の竹谷とし子候補、東京・北千住駅前で、きょう2022年6月24日=以下すべて宮崎信行撮影。

 第26回参議院議員通常選挙では、公明党は埼玉4人区・東京6人区・神奈川5人区という連続した8400平方キロメートルに、現職を擁立しています。この地域では昨秋の第49回衆院選では東京12区の30平方キロメートルにしか候補者を立てておらず、280倍の広い面積に選挙区公認候補がいるという異次元のたたかいになっています。

 このうち神奈川5人区で、同党の男性の現職が3度目の出馬となる共産党の女性の新人よりも単独で票数が下回った場合は、番狂わせがおきる可能性が出てきました。

 コロナ禍の3選挙区で、公明党の街頭演説に限った聴衆の人数が過去の同党との比較で減っているような印象がある、と一部選挙ウォッチャーからの指摘が出始めました。

 東京でのきょう平日午後の街頭演説会では、港区内にあるJR東海道新幹線及びJR東日本山手線などの駅の前では、聴衆は200名ほどだったように思えました。

[写真]演説中の竹谷候補を見る聴衆=JR品川駅前

[写真]演説中の竹谷候補を見る聴衆、JR品川駅前。

 演説会ではまず港区議が「物価高で不安をあおる政党がある」と切り出し「消費税を廃止しても7500円の負担減にしかならないので、軽減税率(の維持)が重要だ」としました。

 竹谷さんは「公認会計士でもある私が(国債整理基金特別会計の)積立金の(災害時に日銀が緊急で政府に貸し付ける)協定を結び、1日2億円の利子を節約し、6000億円の税金を節約した」としました。フードロス・食品残さの議員立法でもリードした実績を強調。そのうえで野党について「パフォーマンスしかしなかった」ときめつけて「税制は与党しかできない」「政治家は何を行ったかではなく何をしたか」と語り「私に仕事をさせてください」と演説しました。

 竹谷さんが演説を終えて、200人ほどの聴衆を交流している時間帯には、聴衆どうしが久しぶりのグータッチをして再会を喜ぶ姿も垣間見られました。


[写真]いわゆるタマ出し直前に手を振る竹谷候補、JR品川駅前。

 ほぼ全員と交流して、街宣車とは別に候補だけ別の車で出発する「タマ出し」まで残った聴衆は25人でした。

 この後、東京の下町・足立区「北千住」駅前の街頭演説会。足立区は行政区域・人口が大きいためか、早めにきた聴衆が街宣車を見て「知っている人(地方議員)がいない」とつぶやく場面も。また過去のイベントをほうふつとしてか「たくさん人が来て、リッキョーがしなっちゃうんじゃないか」との懸念も出ました。「リッキョー」は昭和40年代からの当地の方言で「陸橋」と書き、歩道橋を意味します。


[写真]足立区北千住の街宣会場に到着した竹谷候補。

 竹谷候補到着時には、300人ほどの聴衆がいました。



[写真]北千住で竹谷さんの演説を聞く聴衆、上の写真と下の写真は1分差で撮影。


[写真]竹谷さん。

 ただ、この会場でも、竹谷さんは歩道橋に上がり、全員と交流し、ツーショット撮影に応じました。

 なお、ここで、「なんかやっている」と足を止めた一般通勤者は、3名ほどしかいませんでした。東京は選挙区立候補者・全国比例で運動する候補者が多いので、「与党の大政党の候補」ということに気づかなかったのでしょう。

 埼玉選挙区の西田まこと候補の今月の公示前の街頭演説会もさほど聴衆は多くありませんでした。


[写真]演説会後に、西田さんと交流する聴衆=今月・埼玉県内。


[写真]準備する地方議員らとみられるスタッフ=今月・埼玉県内。

 埼玉県南部では、演説会の50分前に地元地方議員らと思われるスタッフが円陣を組んで念入りに準備していたようです。

 

[写真]西田まことさん、今月埼玉県内。

 なお、過去の記事で言及した通り、私が拒んだのに、西田さんにグータッチされ、事実上殴られた格好となりました。西田さんがその場で「すみません」と言い、この後の演説で、前の会場になかった「与党・民主党」という固有名詞を入れたので、おおめにみましょう。

 話はきょうに戻って、北千住の会場では、近所の友人を連れだしたので、竹谷候補の名前を知った人が1人以上いたので、広がったことになります。そして、自宅からフレンド取りをしている活動家がいて、既に竹谷さん投票依頼の電話を受けた知人が私には1名以上います。

 このように、「野党を批判する野党支持者」と違い、身内がしっかり整然と演説会を運営。意外とお互いがお互いを知らないようですが、「コロナ禍明けの同窓会」を兼ねて自発的に街頭に集まったようです。

 昨秋の大阪・堺市の首相・山口代表そろい踏み演説会では、高校生スタッフ5名程度のうち1名が自分の党の悪口を言いながら、なげやりにビラを配る以前にはなかった光景を見ました。

 首都圏3人衆の2以上の当選は確実ですが、その後の2025年9月より前にある、第50回衆院選に向けて、集票力をめぐって、自公の政治構造にじわりとした影響が出ることも予想されます。

 がんばれ竹谷!
 負けるな!まこっちゃん(西田さんの組織内の愛称)のエールを贈ります。

 大勝利!

 以上です。

自民党の全国比例公示前日調査早くも流出「自民・今井」「国民・浜口」がライン下、「維新中条きよし」「れいわ高井」「参政神谷」上位うかがう「共産大門タムトモ」優勢

2022年06月23日 14時29分16秒 | 第26回参院選(2022年7月)
 自民党がおととい、第26回参議院議員通常選挙の公示前日に行った「全国比例第2回情勢調査」の結果が早くも流出しました。

 自民党は、友党・公明党に関しては第1回調査(ゴールデンウィーク)だけにして2回目は行わず。「党内7位の現職・竹内真二さん」が当落ラインの線上ということになります。

 国民民主党の比例議席は、他の調査で2から4でないかとされていますが、その中では、電力総連の新人と、UAゼンセンの現職が第1回調査同様にトップ争い。自動車総連の現職・浜口誠さんがトップグループから抜け落ちて党内第3位となりました。

 日本維新の会は、現職の石井苗子さんと新人の中条きよしさんが上位2位。3位グループ5人に、現職の石井章さん、新人の猪瀬直樹さん、新人の松野明美さんらが入っています。「元民主党国会議員」は全員が当落を争う位置にあり、半数前後が国政復帰の見通し。

 れいわ新選組は特定枠以外では高井たかし幹事長が現段階ではトップ。

 参政党では神谷宗幣事務局長が党内ではトップになっています。

 自民党は特定枠の県連推薦2人に加えて、4つの組織全建設業連・医師会・JAの青年組織の現職と全特郵便局長会の新人の合計6名が先頭集団。知名度のある片山さつき議員、青山繁晴議員らも10位争い。党の議席獲得そのものが不透明な18位争いを、遺族会現職、理学療法士会現職、臨床心理士会新人らがしており党が風を受けると「厚労省系団体」が吹き飛ぶ構造変化につながりそう。また安倍晋三元首相の信頼があつい阿達雅志元首相補佐官もラインより下です。知名度がある今井絵理子さんは現段階ではさらに下になっています。

 立憲民主党は結党に参画した5つの産別候補(元衆議院議員の新人1名含む)が順当に上位5位。その後の6位集団に、基幹労連・JAMの新人、青木愛さん、白真勲さんが入っています。有田芳生さんは9位争いで党の議席の伸長そのものが当落に直結しそう。

 共産党は、現職のうち田村智子さん、大門みきしさんが上位2つで、残りの獲得議席を現職2名と元職1名の合計3名が競うかたち。

 参院選は風が吹くとされ、きょうを含めて17日間に、党の獲得議席予想が大幅に変わることが予想されます。また、「厚労省系団体推薦候補」が当落線上にひしめくとする自民党の調査分析結果そのものが壮大なフェイクである可能性も否定できません。

 以上です。

安倍晋三氏の「野党殲滅思想」は岸田文雄首相はしない、県連会長の衆議院議員の鉢巻きをねじり上げ45選挙区全勝を常識とする武士道なき国政5連勝選挙戦術は終了

2022年06月22日 23時15分58秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]岸田文雄首相(自民党総裁)、宮城・仙台駅西口、きょう2022年6月22日、宮崎信行撮影。

 3年前と同じく、公示日に、自民党総裁と立憲民主党代表の街頭演説会をともに見てきました。3年前の記事はこちらをクリックするとみられます。

 自民党の国政選挙5連勝のかげに、安倍晋三さんらの「選挙区野党殲滅思想」があると、私は指摘しました。どういうことかというと、安倍さんは参院選公示日初日に劣勢の宮城県選挙区などを訪れ、「そこにいる、秋葉賢也さんが県連会長だ。ここにいるみなさんにも秋葉後援会の人もいると思う」と鉢巻きを締めあげて、宮城県選挙区だけでの集票を衆議院議員にノルマ化する。そして、マイクロバスから突如現れた「テレ朝・TBS・NHKは偏向報道をやめろ」というプラカードで主義主張する人たちに対しても何度も手を振る「自分に向かって手を振る者は全員味方だ」という考え。安倍さんや菅義偉さんらは45選挙区で45議席以上とることが良いことであり当然だと考えている。3年前の17日間にも、和歌山・山口という確実に勝利が見込めたところには一度も行っていない。また仮に「静岡県・愛知県・岐阜県」という地域があるとして、17日間に街頭演説したのは名古屋市で2回だけだろうと思います。同地域で総理大臣の演説を聞きたい高校3年生がいたとしても前夜にSNSで見て名古屋に向かうワンチャンスしかなかったことになります。そこまでして、選挙区すべてとるのがいいという安倍思想。選挙には強いはずですが、議会制民主主義の永続性という考え方はそもそもないと思います。


[写真]3年前、「テレ朝・TBS・NHKは偏向報道をやめろ」という抗議行動をする集団に何度も手を振る安倍晋三首相・自民党総裁(当時)。

 さて、きょうの演説会で気づいたのですが、自民党は3年前に現職が落選した信賞必罰なのか、秋葉賢也さん、西村明宏さん、土井亨さん、小野寺五典さん、伊藤信太郎さんの5衆議院議員はこの3年間に誰も入閣していません(官房副長官・首相補佐官は閣僚ではないという形式的な定義に基づく)。

 3年経って、県連会長は西村明宏さんに代わっていました。


[写真]西村明宏・自民党宮城県連会長、同。


[写真]秋葉賢也さんら、同。

 西村県連会長は「負けるわけにはいかない」と演説。秋葉・元会長は「東北の復興にためには与党の議席が必要です」と会長を外れて多少リラックスか。土井亨さんは「私たちに自民党にも多くの批判が寄せられているが、批判を信頼にできるのが自民党なんです」と演説しました。

 岸田さんの演説は「はい、みなさんこんにちは。ご紹介にあずかりました自由民主党総裁、岸田文雄です。第26回参議院選挙、いよいよきょう公示を迎えました。今回の選挙は新型コロナとのたたかい、ウクライナ情勢に対する対応、また世界的な物価上昇にどう立ち向かっていくのか。歴史を画するような 大きな課題を前にして、私たちの未来を誰に託すのか、どの政党にゆだねるのか。これをみなさんにご判断いただく大変重要な選挙になりました」と切り出しました。

 これはきょねん10月の第49回衆院選での皮切りの言葉とほぼ同じです。ちなみに、甘利明幹事長と山口那津男公明党代表は「立憲共産党と自公政権の選択」という勝手な定義のパラダイムで有権者をかく乱して一定の効果を得ましたが、岸田さんは「未来を選択する選挙」じと最後まで自分の手を汚しませんでした。さらに、岸田さんは公示日から最後まで話のペースが変化しませんでした。最終日の夜に東京・世田谷で若宮健嗣万博相ら2候補を応援した際も同じトーンで、若宮万博相は閣僚で唯一小選挙区では落選しました。

 おそらく、今回も3代目代議士らしく、岸田さんのトーンは変わらないと考えられます。ですので、泉健太立憲民主党代表の「岸田インフレ・黒田円安・物価高と戦う」の打ち出しが、このまま序盤情勢・中盤情勢で勢いを得た場合は、閣議決定などでの追加の現金給付などに日和って、24年前の橋本竜太郎自民党のような失速をすることがあるかもしれません。




 また、宮城県は松下政経塾出身の自民党政治家が多いためでしょうか、街頭演説会を整理するスタッフが「松下政経塾」のビブスをしていました。


[写真]東日本の矜持、国会議員も無料では乗れないグランクラスに乗ってみました。

[写真]仙台駅で取材しました(撮影時のみマスクを外しています)。





[写真]3年前は存在を知らなかった仙台大観音=仙台市泉区=も初めて取材しましたが、筆者と同じ真言宗智山派だと今日初めて知りました。羽田孜家も真言宗智山派です。
 
 さて第26回参院選は18日間です。「ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記」の全国を駆け回ります。莫大な資金力が7月10日より前に底をつくことは絶対にありません。ペガサスの翼が日本列島を駈けます。筆者・宮崎は、紳士ですから、持続可能な日本の民主主義報道のために、自分より若い人をつぶすようなことは絶対しませんが、さはさりながら、資金が底をつきかけたメディアに対して固定費を支援する余裕はありません。両親の躾である落ちた政治家と落ちていく経営者は平然と見捨てる胆力を発揮します。引き続き、ネットニュースの第一人者としての地位を持続することを優先します。私の体は一つ。大好きな日本列島のどこで命が果てようとも本望。日本民主主義の未来は、再び明るくなりそうだとの希望を、本心から持っています。
 
 以上です。