【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎二大政党人事 安住淳、菅義偉両代行に注目 安倍自民党は石破茂幹事長

2012年09月29日 11時37分05秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]二大政党党首。

 通常国会が9月8日まで延びたため、この9月は二大政党、各府省幹部にとっては大幅な人事異動の季節となりました。霞が関では斎木昭隆・外務審議官(外審)が登場しました。

 野田佳彦首相(民主党代表)は10月1日(月)に内閣改造を断行し、第1次野田第3次改造内閣が発足することになっており、国政の最大の人事異動である第46回衆議院議員総選挙に向けて、党の存亡をかけた、大反転攻勢に転じる構え。

 野田佳彦民主党代表は2012年(平成24年)9月28日(金)、幹事長に輿石東さん、幹事長代行に安住淳さん、政策調査会長に細野豪志さん、国会対策委員長に山井和則(やまのい・かずのり)さんを充てる人事を両院議員総会に報告し了承されました。 

 安倍晋三自民党総裁も同日、幹事長に石破茂さん、幹事長代行に菅義偉(すが・よしひで)さん、副総裁に高村正彦さん、政務調査会長に甘利明さんらを充てる人事を臨時総務会に報告し、了承されました。石破幹事長は、国会対策委員長に浜田靖一(はまだ・やすかず)さんを充てることを決めるとともに、総務会長は第45回衆院選時の幹事長だった細田博之さんが務めることになりました。

 自民党則(第13条)第84条では、役員の任期は1年間となっていますが、民主党の2012規約には、役員の任期についての定めは、ブロック選出の常任幹事を除けば、ありません。代表の任期は就任から3年後の9月末までとなっていることから、野田民主党役員は、野田佳彦総理と一蓮托生ということになるでしょう。

 
[写真]野田総理をささえる輿石東「一蓮托生」幹事長、筆者撮影。


[写真]新進党勢では初めて自民党幹事長に就いた石破茂さん。

 総務省は同日、平成23年(2011年)暦年分の政党交付金金途等報告書を発表しました。これによると、二大政党は党大会報告通り、第46回衆院選・第23回参院選に向けて、順調に政党基金を積み立てており、民主党(会計責任者・武正公一財務委員長)は2011年に168億円の交付金を受けながらも節約に努めて、2011年から2012年に110億円の基金を繰り越しました。自民党(会計責任者・石原伸晃幹事長)は2011年に101億円の交付金を受けながらも節約に努めて、2011年から2012年に21億円の基金を繰り越しました。二大政党は今年も同額の交付金を受け取りながらも、国政選挙がないことから、昨年末の数字を上回る内部留保をかかえていると思われます。ことし入った基金と会わせれば、二大政党が衆院選で300人ずつ、参院選で100人ずつ公認すると仮定すれば、民主党は公認候補一人あたり3000万円以上、自民党は1500万円以上の軍資金をすでに確保している計算になります。一方、7月11日に小沢一郎氏が結党した国民の生活が第一は現時点ではスッカラカン。来年4月19日に5億円強の政党助成金(血税)が支払われるはずなので、その前に、二大政党が「小沢根絶やし解散」に踏み切ることがクリーンでオープンな政治を実現するうえで、絶対に必要な判断です。


[写真]倹約に努め、110億円の基金をこしらえた民主党の武正公一会計責任者(党財務委員長、花斉会)。


[写真]現時点で軍資金がスッカラカンの国民の生活が第一では、小沢一郎代表、山岡賢次代行代行の資金力に1期生議員が不安を持っている。筆者撮影。

 衆参ねじれで注目度の高い国会となり、国会対策と選挙対策は車の両輪と言えるでしょう。その面で興味深いのは、幹事長代行に安住淳さん、菅義偉さんがそろったことです。第45期衆議院で安住さんは選挙対策委員長と国会対策委員長、菅さんは衆議院議院運営委員会野党側筆頭理事、自民党組織団体総局長を務めてきました。


[写真]安住淳・民主党幹事長代行。


[写真]菅義偉・自民党幹事長代行。

 安住さんは衆参ねじれの下、3党協議路線をつくり、第177通常国会の閣法成立率80%の好成績を挙げました。また若手に対して選挙指導をしたり、小沢国対がつくった班分けを踏襲しながらクラス替えして安住国対をつくるなど、チーム力を高めました。財務大臣に転出後も、大臣官房文書課をよく指揮監督し、知恵を出させ、第180通常国会で特例公債法案を成立させないことで野田総理を総辞職・解散から守りきるという離れ業(「淳と総理の神隠し」)で奇襲ながらも国を守りました。

 菅さんは、第2次野党期の自民党最前線部隊長として、議運でときに攻め、ときに守り、第22回参院選勝利など自民党再建への足がかりをつくりました。態度で示す公明党。10年間にわたる自公連立が下野でどうなるか注目されましたが、菅さんの攻撃力を見た公明党の議運理事(党幹事長代理兼務)が菅さんの両肩を持って「電車」の格好で議運理事室に入っていくなどよく信頼を得ました。その後、組織団体総局長として県連、支持団体の党への協力態勢を堅持しました。ただ、総裁選で、県会議員など党員投票で圧勝した石破茂さんが、決選投票で安倍晋三さんに逆転されたことから、中核部隊に不満が募ったことから、295小選挙区の2割以上を占めるであろう「二大政党が1万票差のマッチレースの選挙区」で粘り腰が利かなくなるかもしれません。

 安住代行、菅代行とも、選対、国対から報告を受け作戦を共有しながら、党首・幹事長の意向も反映するという、いわば、同日引退を発表したスーパーキャッチャー城島健司のような守備力・攻撃力・機動力が求められます。この辺は、ぜひ、番記者のみなさんは歴史の証人として意気込んで、よい記事をどんどん書いてほしいと思います。断片的なベタ記事をドンドン出していただきたいですね。

 自民党は河村建夫・選対総局長の続投を決定しました。一方、民主党選挙対策委員長の高木義明さん(民社協会)の続投を含めた人選は、野田代表と輿石幹事長に一任され、来週の内閣改造・副大臣・政務官人事に前後して決定することとなりました。

 
[写真]河村建夫・自民党選挙対策総局長。


[写真]高木義明・民主党選挙対策委員長(続投は未決定)。

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◎自民党新総裁に手強い安倍晋三元首相 民主党土俵際まで追い込まれる

2012年09月26日 15時12分42秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[写真]野田首相と安倍首相、あなたはどっちを選ぶ? ともに首相官邸ホームページの写真から。

 自民党(自由民主党)は2012年9月26日(水)、谷垣禎一総裁(シャドウ首相)の任期満了に伴う総裁選を党本部で開き、新総裁に安倍晋三元首相(清和会)を選びました。総裁経験者と言っても、今回が新しい任期ですから、2015年9月30日の任期後も、もう一度立候補することもできますが、まずは第46回衆議院議員総選挙(来年10月までに施行)が正念場となります。ですから「近いうち解散」で負ければ、今年中に辞任し総裁選になる可能性もあります。私たち有権者の声がダイレクトに届く、なんともダイナミックな時代になりました。

 自民党は第45回衆院選で負けて、第2次野党期に入りました。麻生太郎総裁が潔く辞任し、谷垣禎一総裁がよく党を守りました。新進党は第41回衆院選で負けた小沢一郎党首が引責辞任を嫌がりいじきたなく居座り、党内に遠心力を包含してしまい、ボロボロと離党者が出ていったのは対称的。健全な議院内閣制は野党を育ててこそ。谷垣さんには万雷の拍手を贈りたいと思います。

 自民党総裁選挙は、第45期衆議院での引退を表明している大野功統さんが選挙管理委員長を務めました。党員投票(県連ごとにドント方式で配分)と議員投票で行われました。1回目の投票は、議員投票、党員投票の順に、

 石破 茂候補が、34票、165票で合計199票。
 安倍晋三候補が、54票、87票で合計141票。
 石原伸晃候補が58票、38票で合計96票。
 町村信孝候補が27票、7票で合計34票。
 林芳正候補が24票、3票で合計27票。

 このため、速やかに議員投票だけの決選投票となり、

 安倍晋三候補が108票、
 石破 茂候補が 89票

 となり、安倍さんが当選しました。

 この党員投票と議員投票のねじれが、今後の国政選挙や、党組織の活性化にどう影響するか興味深いところです。とはいえ、民主党は完全に土俵際に追い込まれて、有権者が「野田総理か安倍総理か」という、おそらく日本で初めての国民の直接投票に近い判断で総理を選ぶことになりますが、1分9分という状況になってきたように思えます。「与党は双葉山だ」と言われますが、受けた立つ与党も、50代の総理経験者が新総裁(シャドウ首相)ということで、完全に土俵際まで追い込まれました。

 安倍候補の筆頭推薦人は、連続5回当選のシャドウ文科大臣で元官房副長官・文科副大臣の下村博文さん。選挙責任者は甘利明元経産相。推薦人には佐田玄一郎元行革相が名を連ねましたが、それ以外の17人の推薦人は閣僚未経験ですから、次期国政選挙に向けて活力になります。うち、民自公3党協議に参加した経験があるのは、加藤勝信さんと礒崎陽輔さんの2人だけで、他陣営より少なく、これは今後の野田政権の運営で不安材料が浮上しました。

 やはり、今世紀に入ってからの自民党は、弱小派閥「清和会」が力を持ち、福田赳夫総裁以来4半世紀ぶりに森喜朗総裁が誕生した後、小泉純一郎総裁、安倍晋三総裁、福田康夫総裁と4代連続で清和会から首相が出て、麻生太郎総裁も清和会の基盤に乗って政権を運営していたというのが実情のようです。

 経世会・平成研に勝るとも劣らぬ責任派閥である宏池会から谷垣総裁が出ましたが、病気で退陣した池田勇人総裁、ハプニング解散で亡くなった大平正芳総裁、「和の政治」で再選不出馬だった鈴木善幸総裁、宮澤嘘つき解散の宮澤喜一総裁、政治改革関連法成立に協力しながらも首相になれなかった河野洋平総裁と、宏池会はついていません。

 そして、またしても、清和会に良いところをとられてしまいました。

 ただ、安倍新総裁も、この3年間に地方周りをしていたとの情報があります。「元内閣総理大臣」の肩書きで回れば、集音マイクはより大きくなります。安倍新総裁(シャドウ首相)は次期総選挙の顔として、具体的に総理のイメージを有権者が想像しやすいこともあり、極めて手強く、わが党と野田佳彦総理は土俵際まで追い込まれ、絶体絶命になったと気を引き締めております。

 自民党の機関紙「週刊自由民主」が報じるところでは、安倍さんは「私たちが政権を取ったら、政府に日本経済再生本部を創設し、英知を結集して力強い成長戦略を実行していきます」「成長なくして財政再建はありません。成長していく精神を失った国に未来はないと思います」としています。民主党政権はいかんせん経済政策がないに等しく、民主党国会議員も午前8時50分に連日発表される各種経済統計もチェックしていないようですから、どうにもなりません。経済戦略も選挙の大きな争点となりそうですし、シャドウキャビネットの顔ぶれも気になるところです。 

 ところで。自民党総裁選挙では、各陣営が自民党本部に7500万円ほどの「党員党友名簿貸出料」を支払っているようです。これがどういう経緯で、これだけの巨額のマネーが必要であるかどうかは、幹事長経験者も含めて、国会議員で正確なところを知っている人はいないというのが実情のようだ、という話もあります。来年11月末に公表される2012年の自民党本部の政治資金収支報告書に、この収入があるかどうか、かなり先ですが、興味を持っていきたいところです。たしかに、谷垣さんも、石破さんも、1回休みが入って、2度目の総裁選出馬をしています。なぜ1回休んだのか。今回は5候補全員が二世議員(うち石原伸晃さんを除く4候補が世襲議員)でしたが、この7500万円がなければ立候補できない(事実上、党員党友名簿を借りずに当選するのは不可能と思われます)ということだと、自民党総裁というのは、これからも、現代の世襲貴族に限定された仕事だと断じざるをえません。 

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党再建から日本再建へ 山口公明党3期目の船出、次期衆参選挙は存亡の危機だ

2012年09月26日 07時44分09秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[画像]第9回公明党全国大会で3期目に突入する、公明党の山口那津男代表・井上義久幹事長の新進党コンビ、公明党チャンネルUstreamから。

 さて、さる2012年9月22日(土)、第9回公明党全国大会が開かれました。新進党解党後の公明党(New Komeito)再結党から2年に1回定期大会を開いています。第45回衆院選敗北による太田昭宏代表の引責辞任の残り任期から就任した山口那津男代表(参議院議員)が3選し、2014年9月までの任期を得ました。ただ、いずれにしろ、第23回参院選(来年7月)、第46回衆院選(来年10月までに施行)がヤマ場となります。

 山口さんは「党再建の使命を担い代表に就任して3年。2010年の参院選、2011年の統一地方選で党再建を前に前に進めてきた。新たな2年で日本再建に挑む」と高らかに宣言し、「衆院選、来年の参院選、都議選の3つの闘いに挑む決戦の2年になる」と自らを鼓舞しながら党員の一致団結を訴えました。

 党大会ではこれに先立ち財政報告があり、2011年から2012年への繰越金が54億円。前年比9億円減ったとの報告がありました。統一選があったとはいえ、2012年は衆院選の可能性がある年であることを考えると、組織政党である公明党もなかなか苦しいなという感じがしました。最大の理由は、景気の影響を受けやすい献金が厳しい環境にあるというでしょう。しかし、小沢一郎氏による政治とカネの問題による政治不信のとばっちりを公明党が受けたという側面もありそうです。

 漆原良夫・党規約改定委員長は公明党規約を改正し、「代表代行」ポストを新設することを提案し、承認されました。ただし、山口代表3選後に具体的な人物が指名されることはありませんでした。

 木庭健太郎(コバケン、参議院幹事長)は代表選挙管理委員長として、立候補者が山口那津男さんだけだったことを報告し、山口3選が決定。「大きな闘いを控えていることから基本的に人事は再任する」として、山口那津男代表、井上義久幹事長、石井啓一政調会長、漆原良夫国会対策委員長の新進党カルテットが再任。副代表でも、すでに今期限りの引退を表明している坂口力衆議院議員(比例東海ブロック)、松あきら参議院議員(神奈川県選挙区)らが副代表として続投しました。

 井上幹事長は過去2年間の活動報告の中で「被災自治体では公明党がいてくれて助かったという声があがっている」としました。

 政教分離以降、公明党が創価学会や池田大作さんの固有名詞を挙げることは少なかったのですが、党の長期低落傾向のなかで、最近では名前が挙がることがあります。井上幹事長は「立党精神の淵源となった公明政治連盟の第1回全国大会の席上、創立者である池田大作・創価学会第3代会長は、公政連の政治家のあり方として「団結第一」「大衆直結」「たゆまざる自己研鑽」の3点を示され、特に「大衆直結」について、「大衆とともに語り、大衆とともに闘い、大衆の中に死んでいく」との基本姿勢を訴えられました」と述べました。ただ、この部分、井上さんがどういうわけか、早口の小声になったのが残念でした。もっと堂々とすればいいのに。

 この後、第46回衆院選と第23回参院選の公認決定済み候補(予定)者が紹介されました。ちなみに現時点で、来夏改選を迎える山口那津男さん(東京選挙区)と、参議院議員会長の白浜一良さん(大阪選挙区)の公認は出ていません。また、東京選挙区と大阪選挙区の公認も出ていません。さらにいえば、2人とも、「任期中に66歳を超えない」という公明党規約に抵触します。ただ、参議院国対委員長で、党中央紀律委員長に任命にされた魚住裕一郎さん(元新進党東京都連=1995年100万票でトップ当選)が引き続き比例代表の公認が決定しています。そういう意味では、山口、白浜両巨頭のうち、山口那津男さんは、東京選挙区や、あるいは党首ということで比例代表公認ということになってもいいのかなあという気がします。まあ私は公明党員でないので、公明党が判断することです。


[写真]若松謙維(わかまつ・かねしげ)さん、本人オフィシャルブログから。

 既に機関決定済みで報道もされていますが、元新進党衆議院議員の若松謙維(わかまつ・かねしげ)さんが第23回参院選の公明党比例代表公認候補(予定)者として紹介されました。若松さんは、第43期衆議院で総務副大臣を務めて以降、国政から遠ざかっています。新進党解党後は、公明党再結党に参加し、民主党の大島敦さん(現総務副大臣)と小選挙区で激突しました。この経緯から若松さんは埼玉の人だとばかり思っていましたが、実は福島県出身で、公認会計士をしながら、公明党福島県本部代表をしているようです。昨年の通常国会ではノーバッジながら、よく国会内でお見受けしました。まだ57歳ということで、参議院比例代表候補(予定者)に抜擢されたようです。今のところ、東北地方を地盤とする人は他に公認されていないので、東北地方の重点候補者となれば、来夏の国政復帰の光明がさします。私は、もうこれからは新進党結党メンバーの国会議員は人数が減るばかりだと思いこんでいましたが、若松さんが国政復帰すれば、新進党勢がまた増えることになります。それはとてもうれしいことです。


[画像]第3期山口那津男執行部に対して、人事承認に賛成の挙手をする代議員たち、公明党チャンネルUstreamから。

 そろいもそろった山口那津男代表を中心にした第3期山口公明党執行部。これを見て、思い出すのは、1年前、野田佳彦・民主党執行部発足の両院議員総会の場面です。よくご覧ください。


[写真]野田佳彦・民主党新執行部のがんばろう3唱のシーン、2011年9月、民主党両院議員総会、民主党ホームページから。

 5人いる男性のうち、野田代表がなぜか中央でなく、左から2人目にいます。この写真だけ見ると、最年長の輿石東幹事長を中心にしたようにも見えますが、一連の動作をみているとそういうことではありません。これはがんばろう3唱の音頭取りを任された前原誠司政調会長がマイクをとった時点で、平野博文・国会対策委員長(当時)が野田さんの隣に移動して、野田さんを中心にしなければいけなかったのです。この直前平野さんは「野田代表がドジョウなら、私はドジョウが棲みやすいドロになる」と演説した割には、この程度のことに気付かずに突っ立ていました。これを見た、机に座って議事を進めていた直嶋正行・両院議員総会長が構図が変であることに気付き、閉会のあいさつとともに、あわてて、野田さんの横にかけつけて、野田さんが一番端という極端に変な構図をなんとか免れた。とはいえ、野田さんが左から2人目というヒジョーに変な構図になっています。これは平野さんが完全に悪い。直嶋さんのとっさのフォローで最悪の構図は脱したとはいえ、それでも不揃い。こういうことは公明党ではあり得ません。その一方、ヒラバの議員も傍観者で「おいおい変だよ!」と声をかけない。こういうことは自民党ではあり得ません。この程度のことが民主党はできない。ちゃんと立つことすらできない。だから、地方選でも連戦連敗するわけです。地方選で政策が良いからと言ってちゃんと立てない候補者に投票するような有権者はいません。

 民主党は一から立て直さないといけませんが、直嶋さんのようにフォローできる人もなんとかいる。まあ、いずれにしろ、次の衆参選挙後が民主党の真価が問われるという見方もできるでしょう。むしろ、私もいろいろと教えていただきましたが、公明党のみなさんと一緒に新進党再結党をして、公明党の3000人の先生に教えていただくわけにはいきませんかね。まあ、現状では断られるに決まってますが。見果てぬ夢、見続けていきたいと考えます。

 がんばれ、公明党!
 
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「与党は双葉山だ」「新しい方能力のある方は政府に入り与党の重みを肌で経験して」藤井裕久さん

2012年09月24日 07時55分45秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]藤井裕久さん、民主党の機関誌「プレス民主」から。

 民主党最高顧問の藤井裕久さんは2012年9月23日のNHK日曜討論で「与党というのは攻撃するだけじゃないんですよ」「受けて立つ。それで勝つんですよ」「きょうは相撲の千秋楽ですが、(大横綱の)双葉山のようなものですよ。(野田佳彦総理は)そのセンスがある人だと思っていました」との認識を示しました。

 奇しくもこの日は、大関・日馬富士(はるまふじ)が2場所連続優勝を決めました。大関の2場所連続優勝は双葉山、貴乃花に次いで3人目。当然にして、鶴田卓彦・横綱審議委員長は日馬富士を横綱に昇進させるでしょう。彼は見る眼がある男ですから、正しい判断をするでしょう。新横綱は白鵬以来、5年2ヶ月ぶりで戦後ではもっとも長いブランクが埋められることになります。

 相撲大事典によると、「双葉山は、立ち合いに決して「待った」をせず、常に相手を受けて立った。しかも、右四つの自分の型に持ち込んで、上手投げ、寄り身で相手を仕留める堂々たる相撲を取った」そうです。例の69連勝ですが、昭和11年春場所の7日目からスタートしましたが、このときは、前頭3枚目だったんですね。私は横綱になってから連勝を始めたのだと勘違いしていました。双葉山が世に出た理由は「春秋園事件で協会から幕内力士が大勢脱退したために、繰り上げの入幕であった」という協会のピンチを自分のチャンスに変えたようです。追い風に乗ってデビューしました。しかし、相撲大事典は「大横綱と呼ぶにふさわしいこの輝かしい成績は、強い足腰を備えた体と、粘り強い精神力から生まれた」としていますから、デビュー後は真の実力がそれを下支えしたようです。いずれにしろ、人生チャンスは一度きりです。

 藤井さんは次のように語りました。

 「私は30年前に渡辺美智雄さんの政務次官(大蔵政務次官)になって以来、与党というものの責任を感じるようになりました。役人時代には考えられないような責任の重さを感じるようになりました」

 渡辺財政と言えば、なんと言っても政府貨幣である「500円玉」(大蔵省造幣局発行)を導入し、日本銀行券「500円札」(大蔵省印刷局製造、日銀発行)を隅に追いやりました。藤井さんは役人時代にも、二階堂進・竹下登官房長官秘書官をしています。これは、総理の椅子から数えて、すべて入れても20人~30人ほどの近さにある主要官僚ですが、大蔵政務次官(現在の財務副大臣・政務官に相当)の仕事は
それとは考えられないものだったとのこと。


[写真]在りし日のミッチー。渡辺美智雄副総理・外相(自民党)、外務省ホームページ1992年版外交青書から


[写真]官房長官秘書官時代の藤井裕久さん、テレビ朝日ニュース映像、2008年1月25日の当ブログ内から。

 「ですから、私は(党内)融和ということは大事なのですが、このもう一つの側面は、若い人に与党の責任の重さを感じていただく場をたくさん作っていくということだと思っています。野田さんに進言したこともあるんですが、野田さんは「1期生」という言葉を使われましたが、私はこれからの方で能力のある方はどんどん政府に入っていただく、与党の重みを、与党の責任を肌で経験していただきたいと思っています」。

 私はこの話を聞いて、具体的には選挙に強い2期生ながら政治センスに欠いた言動が多い柚木道義さん、2期生で議事進行係の鷲尾英一郎さん、参院から梅村聡さん、大島九州男さん、風間直樹さん、吉川沙織さんも政務官候補になるのかなと感じました。

 6月26日の一体改革法案採決に造反し、民主党を除籍された1期生はツイッターで「専用車もついて、あの広い部屋(群馬の私の部屋の約3倍)にどっしり一回生議員が陣取るわけ?はああ。(ため息)」と発言しました。このようにやっかみがあるようですが、野党に言われる筋合いの話ではありません。そもそも「群馬の私の部屋の約3倍」と表現されても、あなたの部屋に行ったことがないし、行きたくもないし、想像がつきようもありません。まさに国民の生活が第一の本性見たり。

 藤井さんは続けます。

 「こういうことは言っちゃいけないですが、(第45期衆議院の民主党第1次与党期は)try and errorの時代なんですよ。民主党という政党は一度も与党になったことがないんですよ。ただ、その中の一部の人間は与党を知っているんです。与党の責任を知ってもらいたいというのはそれなんですよ。ほとんどの人は攻撃するすることはものすごく優れているんです。ところが与党というのは攻撃するだけでないんです。私は野田さんという人は前から攻撃だけでないと思っていました。今、相撲の千秋楽ですね。双葉山のようなものですよ。受けて立ってそれで勝つんですよ、双葉山っていう人はね。そのセンスのある人だと思っていました。与党はそういうもんなんです。そういうところが今ようやく3年にして出てきたと思います。しかし、世間がそれを許していないのは事実です。世間は政権交代すればすぐに立派なことをやるだろうというのが事実ですよね」

 藤井さんにとって、第180回国会は彼の人生にとって節目となる重要な国会になりました。あの日(1993年6月18日)、巨像・自民党に敢然とノーを突きつけ、筏に乗って巨船を出たシンドバッド、新生党34人衆の一人。細川・羽田内閣を経て、新進党結党に参画し、大蔵大臣経験があるとはいえ、裏切って自民党に帰る仲間とは一線を画しました。しかし、1997年12月28日、年の瀬のどさくさにまぎれ、小沢一郎(悪魔一郎)党首が一存で新進党を解党した後、どういうわけか、自由党に参加してしまいました。元々、全国比例の参院議員や、落下傘の衆院議員である藤井さんは選挙に強くなかったのですが、そのためなにか弱気の虫が、民主党という新しい道を歩むのではなく、インチキ政党・自由党に参加せざるをえない状況になりました。しかし、力をつけた民主党のもと、新生党の後輩の強い推薦で、比例単独として、民主党第1次与党期に参加したところ、財務大臣、3・11の官房副長官、そしてもっとも難しい党税制調査会長として引く手あまたとなり、7月11日に追い込まれた小沢一郎・新進党解党者が除籍され、国民の生活が第一を結党する動きには、まったく一線を画しました。1977年の自民党参院議員初当選以来、35年目にしてついに初めて小沢一郎と違う党籍になりました。もちろん、インチキ政党・自由党幹事長だったという過去は消えません。私は藤井さんには、民主党でもっともっと「これからの方」にアドバイスをしてもらわないと、「自由党の罪」は消えないと考えます。秋の2012年税制改正でも大いにイニシアティブを発揮し、腕組みしてにらむつけるだけではなく、ときには怒鳴りつけてほしいと願います。

 やはり、私たち経世会・新生党・新進党出身者が、議員は引退し、県連顧問を務めている先生も含めて、残り1年間、もっと民主党を指導していく気構えを持たなければ行けません。その後は、自動的に浮上していくでしょう。

 司会のNHK解説委員、島田敏男さんが「藤井さんは、財務大臣を退任してから党の税制調査会長を務めていますね」と話を向けられると、うれしそうな顔で否定しました。「違います、野党時代からです」。税制に限れた、野党時代に立てたパラダイムが与党になってからも、すっと背骨として通り続けていることへの自信を感じました。来年1月からは租特透明化法の伝票も出てきます。これも政権交代の大きな実績です。

 「控除から手当て」へ民主党税制。現在、民主党は「配偶者控除の廃止を」、自民党は「配偶者控除の復活を」と主張しています。これは、昔で言えば、自由主義の自民党と社会主義の社会党と同じくらいに大きな理念の違いです。そのことに気付く知識すら持ち合わせない民主党議員はいっぱいいます。理解しているのは半数以下ですが、とはいえ理解している人もいます。秋の臨時国会もいいですが、こういった2012税制改正も、これはことしが最後ですから、しっかりと勉強していきたいと考えています。

 そして、第46回衆院選後の第3次与党期をめざす自民党第2次野党期の総裁も、中曽根康弘さん、渡辺美智雄さんの政科研、我々のように経世会・平成研、そして、新生党、新進党結党のエキスを吸収した議員がこの時代に求められるのかなという気がします。とはいえ、新総裁が新総理になると思いこんでいる自民党には大いに死角があります。

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◎野田佳彦さんが代表に再選 さあ巻き返しだ、野田民主党がチーム力確認、大逆転勝利が見えてきた

2012年09月22日 07時52分33秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[画像]野田佳彦代表の写真とアバターは民主党ホームページから。

 さあいよいよ、第46回衆院選の民主党の大逆転勝利(というか連勝)に向けて反撃のファンファーレが高らかに鳴り響きました。

 旧規約にもとづく、野田佳彦代表の任期満了にともない、「与党らしい」2012規約の下で初めて行われた民主党の第16回代表選挙(代表選出集会)は2012年9月21日(金)の臨時党大会で行われ、野田佳彦候補(第95代内閣総理大臣)が圧倒的な支持で再選しました。2012規約にもとづき、任期は「就任から3年目の9月30日まで」ですなわち2015年9月30日まで。ただし、仮に第46回衆院選で敗北した場合は引責辞任し、次の代表がそれから3年目の9月30日まで代表・ネクスト首相に就任する見通し。総理大臣たる代表の当選は、2010年9月の第14回代表選の菅直人候補以来2年ぶり2回目。

 赤松広隆候補は「第1期民主党は民主・リベラルの旗をかかげて立党した。もう新自由主義・自民党の時代には戻さない」と訴え、党員・サポーター票で旧総評系組織が強い北海道で2位につけたり、地方議員票で健闘するなど、旧社会党、旧新党さきがけなどの組織の力を見せつけることに成功しました。

 原口一博候補は地方分権を訴えたうえで「自民党だらけの山口県で、一人だけ民主の旗をかかげた平岡さんがいたからものが言えるんです。空は青い空ばかりでなく、黒い雲あると言えるようになったんです、と言われた」とし、平岡秀夫さんの支持者である岩国市議の話を紹介しました。私は原口演説を聴いて、一体改革法に造反した四国の女性参院議員の心に届いたならいいなあと感じました。

 鹿野道彦候補は「なんと言っても福島の再生であります。まだ16万人が避難しています」として、論戦に欠けているとの批判が出ていた震災・原子力災害の復興に言及しました。

 こういった声を聞いた、野田総理は再選後に、内閣改造で、衆院1期生を政務官に起用する意向を明らかにし、チーム力を強化し、第46回衆院選での大逆転連勝をめざす考えを示しました。

 有権者数は一般党員・サポーターが32万6974人、地方議員が2030人、国政選挙の公認内定候補(予定)者9人、国会議員336人の合計32万9349人。2012規約から日本国籍者しか投票できないことになりました。外国籍者も党員・サポーターにはなれます。総務省の直近の発表では日本の総人口は1億2604万人。総人口にしめる党員・サポーターの割合は0・26%で、日本人400人に1人ということになります。わずかこれだけの人数なのですから、仲良ししなければいけません。

 登録に関係なく在住する300選挙区ごとに振り分けたうえで、勝者がポイントを総取りする方式から、在住する都道府県ごとのドント方式によるポイント配分となりました。地方議員票は従来と同じく、ドント配分されました。

 党員・サポーター票は 野田候補が296ポイント
                赤松候補が 24ポイント
                原口候補が 72ポイント
                鹿野候補が 17ポイント

 地方議員票は     野田候補が93ポイント
               赤松候補が18ポイント
               原口候補が20ポイント
               鹿野候補が10ポイント

 となりました。

 この選挙をもって、民主党は一丸となり、第46回衆議院議員総選挙での連勝に向けて巻き返しを歩むことになりました。例えば、お隣の中国でも孫文率いる国民党が1911年に辛亥革命をなし遂げた後も、毛沢東率いる共産党は一致団結して長征をし、外国勢力には国共合作(大連立)で闘い、1949年に政権をとっています。このように、まずは一致団結することが大事です。

 きょうは午前4時から、党職員をはじめ140人がこの、30万サポーターの郵便投票の開票・集計にあたり、確実にその声が迅速に反映されるようにしました。この作業には、自民党秘書出身の民主党参院議員である小見山幸治・選挙管理委員が早朝から立ち会いました。村越祐民・選管委員らも立ち会ったようです。

 
[写真]午前4時からの開票作業に立ち会った選挙管理委員の小見山幸治・民主党参院議員。

 総理は再選直後に国会議員に向かって、1年間総理をやってみて、「私の後ろには誰もいません。その苦しさと重みを痛切に感じた1年間でした。これからもその責任を感じています。私の中に私はいません」と語りました。1期生として参加した細川・羽田内閣を除けば事実上初めての与党経験である5回生、第45期衆議院での野田さん。自民党長期政権下で官房副長官と総理として官邸勤めをした海部俊樹さん(新進党初代党首)は、「三木内閣のころは、何かあるごとに一日に何遍も、「総理!」と言いながら総理執務室の扉を押した。自分が総理になると、「総理!」と言って押す扉がない。それが官房副長官と総理の違いだ」と振り返っています。当時の官邸では、副長官室と総理室は歩いて30秒ほどの距離でしたが、総理室は漆黒の怒濤のような暗闇の孤独があります。また海部さんとは別のある首相(経世会)の東京での後援会長の自宅を訪ねたら、「本当は仲良くないんだよ」と吐き捨てられたことも思い出しました。

 政権を担う重荷を背負い続けて良いかどうかの判断は、日本国の全有権者の判断に任せるしかなく、与党の国会議員が総理を引きずり降ろそうとすることは、分かっていないとはいえ、私には理解できない行為です。そもそも、総理をしっかり支えることが、与党議員としての自分への求心力につながることを理解していないということが不可解です。ただし、年齢や当選回数を重ねながらも閣僚経験のない議員が、何か考えて行動することは十分に理解できることです。野田佳彦候補の筆頭推薦人は田中慶秋さんでした。あるいは、古賀一成さんなんかは自ら出馬しても良かったように思いますが、地方分権の票を集めた原口さんの立候補は良かったと思います。さすがは「自立と共生」の新生党の志をもった候補者だと感じました。

 総理は、月曜日の国連総会前に「執行部の重たい役職」の人事を決めて留守を預かってもらった上で、帰国後に両院議員総会で承認を得る考えを示しました。新しい幹事長には、自公民3党協議路線を推進し、特例公債法案と定数是正法案を処理し、衆院選への対応が求められます。これまでの執行部では、党選挙対策委員長は高木義明さん、都道府県連とのパイプ役である党組織委員長は古本伸一郎さん、支持団体とのパイプ役である党企業団体委員長は小林正夫さんが務めてきたことから、お互いの話しやすさで、民主党のチーム力をしっかりと引き出すためには、議員立法の手法で重要法案を成立させた城島光力・国対委員長の幹事長昇格が順当な人事といえるでしょう。

 また1期生の政務官起用は、選挙事情も考えながら、党内外での反発を買わないよう、苦労した人を起用する必要があります。一体改革法成立に貢献があった党税制調査会事務局長の岸本周平さん、定数是正法案・国家公務員制度改革4法案で質疑に立った後藤祐一さん、エネルギーや定数是正で修正協議にあたった柿沼正明さんら。また、対抗馬が閣僚経験者である人を重視する必要があります。一体改革法の子ども子育て法や特例公債法案で貢献した江端貴子さん、政策調査会役員として法案の党内とりまとめで苦労した阿知波吉信さん、政治改革のチームで活躍した花咲宏基さん、岡田康裕さんらです。そのほかにも、政治改革・行政改革では取りまとめ責任者を務めたり、ていねいに雑務をこなした石井登志郎さん、近藤和也さん、中林美恵子さん、藤田憲彦さん。党務では、党青年局の地方組織の立ち上げなど党務で貢献した森山浩行さんや国際局の阪口直人さんら。そして、農業者戸別所得補償の政策効果の検証や事業仕分けなど次の時代をみすえたビジョンの提示と見晴らしの良い仕事ぶりが際立つ玉木雄一郎さんが政務官起用1期生の中心となるでしょう。比例単独では「いちもく会」会長としてまとめた金森正さんや、雑用をこなした野木実さん、川越孝洋さん、磯谷香代子さん、山崎摩耶さん、工藤仁美さんら。

 このほか逆転の夏チルドレン(2007年)の参議院1期生は、政権交代と同時にさっそく徳永久志さんが外務政務官になったものの、その後、政務官登用のペースが停滞しており、改選をひかえて十分な配慮が必要です。

 ただし、小泉チルドレンの政務三役経験者は第45回衆院選で全員落選(出馬断念含む)しています。でも、全員が第22回参院選で国政復帰しましたので、与党政務三役というのは不思議なものですが、政務官になれば、次の選挙が楽になるわけでは全くありません。いずれにしろ、地元活動量が不足していた人が政務官程度の肩書きで取り戻せるほど現職・前職の選挙は甘くありません。また、離党をちらつかせた小選挙区当選者を取り込む格好での政務三役就任はある程度しかたないでしょう。そもそも2010年7月初当選の浜田和幸・参院議員は、内閣府政務官、総務政務官、外務政務官を歴任することになっています。いわば水戸黄門のテーマソングの「後から来たのに追い抜かれ」という歌詞のようなもので、政務官起用のはやさは、次の選挙でも、後々のことでもあまり関係ありません。

 衆議院で10議席程度が減ると、政権維持が難しい状態になりますが、そのときは公明党に協力を要請して、ダメなら国会を召集せずに引っ張った上で、予算を組んだうえで衆議院を解散してしまえばいいでしょう。要は、30万人の党員の気持ちを一つにすることができるかどうかの一事が万事。その布陣を敷き、守備戦を守り抜くためには、この結果は当然といえます。

 さあいよいよ、巻き返しの狼煙がしっかりと上がりました。

 野田民主党の政策が正しかったかどうかは、1年以内に、総選挙という「絶対的な審判」があるのですから、実はとても楽なものです。総選挙のときの経済情勢、政治環境で有権者の判断基準が変わるのは当然のように思いますが、落選した人は「人間として絶対的に否定された」と思ってしまい、再起不能になる場合もあります。

 いずれにしろ、当面上京する必要はないのですが、地域、地域で大逆転勝利へと邁進しましょう。

 泣くのが嫌ならさあ歩け。

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◎「国民の生活が第一」が「国民生活会議」設立 小沢一郎が悪質なマネーロンダリング継続

2012年09月20日 10時55分37秒 | 小沢一郎氏による解党ビジネス

[写真]小沢一郎氏、筆者撮影。

 本当に悪い奴だ。やれやれ、小沢一郎氏の「病気」はまったく治っていないようで、またしても、政党助成金などをめぐる悪質なマネーロンダリングに向けて、悪の温床を作りました。


[画像]2012年9月20日付官報。なお総務大臣の個人名(民主党員)は消させていただきました。将来的にこのページをご覧になった方が、何か勘違いをすることを未然に防ぐためですのでご了解下さい。

 2012年7月11日(水)に「結党」を宣言した小沢一郎氏が党首を務める政党「国民の生活が第一」の政治資金管理団体として「国民生活会議」の設立が告示されました。代表者は、小沢秘書軍団の実質トップ(実際には閣僚を務めた父親の秘書出身)である同党参議院議員、佐藤公治さん、会計責任者は、民主党を(おそらく定年で)退職した西尾利逸職員の名前で、平成24年8月29日付で届け出ました。主たる事務所の所在地は、同党本部と同じ住所。

 これが何が問題か。

 小沢一郎氏は新進党解党の資産を自由党に移しました。この自由党の政治資金管理団体は「改革国民会議」という名前でしたが、自由党解党後も政治団体として存続し、直近の政治資金収支報告書では、代表者・会計責任者とも側近の元参議院議員、平野貞夫さんが務めており、9億円ほどの繰越金が残っています。さらに、それ以前に1992年の経世会分裂後にできた自民党羽田派こと「改革フォーラム21」も残っており、直近の政治資金報告書では、代表者・会計責任者とも小沢秘書出身で衆議院議員の川島智太郎さんが務めており、2億円ほどの繰越金があります。なお、改革フォーラム21は、羽田孜代表でしたが、この団体の存続に羽田さんはタッチしていません。

 一方、民主党の政治資金団体(献金の受け皿団体)は「国民改革協議会」と呼び、これは直近の政治資金収支報告書では、代表者は元民主党参院議員で初代組織委員長(元連合副会長)が務めており、会計責任者は西尾利逸さんになっています。定年退職に前後して、最も政治資金に詳しい西尾職員が小沢新党に参加したようです。

 ここまでで、固有名詞がグチャグチャでしょうから、党名と政治資金団体(受け皿機関)を整理すると、

 自民党=国民政治協会

 民主党 =国民改革協議会

 国民の生活が第一=国民生活会議

 になります。

 そして、かつて小沢氏が党首や代表幹事を務めて、現在は政党が存在しないのに、政治資金管理団体が残っているのが、

 (通称・自民党羽田派、新生党)=改革フォーラム21
 (自由党)=改革国民会議

になります。

ですから、現在小沢氏が支配下に置いていると思われる政治団体の中で、古い順に、

 改革フォーラム21
 改革国民会議
 国民生活会議

 となり、3つめが新しく加わったことになります。このほかに、政党本体の「国民の生活が第一」も資金を受け入れられるし、支部として「国民の生活が第一衆議院岩手県第4区総支部」というような名称の団体も届けられたか、届けられる見通し。このほかに、小沢一郎・衆議院議員(候補者含む)の政治資金管理団体として「陸山会」があります。さらに日中友好や、草の根国際交流の政治団体も小沢氏の支配下にあります。

 今回の「国民生活会議」という名称は、明らかに混同をねらったものと思われます。ここまで行くとうんざり感が出るので、テレビ媒体は当然として、雑誌・新聞ですら、「うんざり」「もういい」という感じで、ジャーナリズムによる、取材・追及・検証が弱まると考えられます。

 このため、政党である「国民の生活が第一」に5億円以上の振り込みがあると思われる2013年4月19日よりも前に、総選挙をして、小沢グループ新党「国民の生活が第一」を根絶やしにする必要性が高まったと考えられます。

 このようにプロセスを不明確化し、お金を動かすのが小沢流であり、今回の「国民生活会議」はこれからも同じような政治手法をとり続ける宣言と思われます。さらに、「誠山会」という団体を解散し、そのうえで、今回、新しい政治団体を少なくとも3つ(政党、政治資金管理団体、支部)つくったことにより、さらに小沢マネーの把握は複雑になり、小沢氏本人だけが思うように動かすことが可能になります。

 とにかく、総選挙で、小沢グループを根絶やしにしなければなりません。政治改革どころか、民主政治の危機です。

 日本国民全員の総力を結集して、小沢一郎の息の根を止めましょう!

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中国とのパイプが太い公明党、野田政権に協力を伝達

2012年09月20日 09時01分36秒 | その他

[写真]公明党の石井啓一政調会長と山口那津男代表、公明党ホームページ。

 野田佳彦総理は2012年9月11日、沖縄県の尖閣諸島の底地を民間人のK氏から購入し、国有化しました。尖閣諸島は中国が領有権を主張し、中国政府の船舶や中国籍の漁船の領海侵犯に加えて、香港在住の自称「民間活動家」による上陸(不法入国)事件があったため、国が管理しやすいように、平成24年度一般会計予備費から40億円を支出し、国有化しました。これに対して、関東軍が暴走し満州事変につながった柳条湖事件(旧名称・柳条溝事件)の81周年にあたる9月18日をヤマにして、中国国内100都市以上で反日デモがありました。2010年に、GDPで世界2位になりながらも、すでに少子高齢化社会に入った中国が欧州債務危機などで経済成長が鈍化する局面で、民衆の怒りが暴発したものとみられます。とはいえ、総理がしたことは絶対に正しいのだから、このまま国を守る姿勢を毅然と示し続けてほしいです。もう管理しやすいということなら、この路線で、在沖縄米軍用地を国有化してもいいくらいだと思います。地権者が嫌がるかもしれませんが。

 日中国交樹立(日中国交正常化とも言う)から40周年の今月。日中国交樹立で大きな歴史的役割を果たし、日中のパイプが太い公明党はきのう19日午前、公明党本部で、山口那津男代表、井上義久幹事長、白浜一良参議院議員会長ら在京幹部が会合。山口代表は「日中両国の経済的、政治的な関係や、東アジアの平和と安定をともに担っているという大きな責任を考えれば、速やかに、冷静に解決に導かなければならない」と述べました。会合で幹部たちは「毅然とした姿勢で臨むのは当然だが、対立を乗り越えるためには、日中両国間のあらゆるパイプを使って結び付きを強め、信頼関係を再構築していくことが必要だ」「与野党を超えて対処すべき課題であり、日本政府から要請があれば協力する用意がある」との認識で一致。石井啓一政調会長が、初当選同期で新進党同僚の藤村修官房長官に19日昼電話し、公明党の方針を政府に伝えました。19日付公明新聞が伝えました。

 野田佳彦首相は18日夜のテレビ番組で首相特使にも言及しています。公明党では、中国に留学経験があり、東洋経済新報で中国取材や特集の編集を担当したり、中国人民元に関する著書を書いたりした経験がある、西田実仁(まこと)参議院法務委員長のように、中国とのパイプがある議員が複数います。

 大隈重信さんは明治14年の政変で下野した後、2つのものをつくりました。立憲改進党と早稲田大学(早大)です。

 池田大作さんは創価学会第3代会長に就任後、2つのものをつくりました。公明党と創価大学(創大)です。

 こちらをごらんください。

[写真]創価大学の池田大作・創立者(左端)と中国からの第1期留学生である程永華・駐日中国大使(右端)、2012年4月3日付聖教新聞から。

 この写真の左端で座っているのは、池田大作さんですが、右端に移っている中華人民共和国から1973年に創価大学に留学した第1期留学生の若人。この人物は、なにをかくそう、程永華・駐日中国大使です。あのしたたかな中国政府は、当然にして、この経歴を知ったうえで、国交40周年イヤーの駐日大使に程さんを任命したはずです。

 程大使は2012年4月2日、東京・八王子の創価大学の入学式に招かれ、「創価大学名誉博士号」を受け、記念講演をしています。

 
[写真]程永華・駐日中国大使の名誉博士号授与と記念講演を伝える聖教新聞。

 講演によると、程さんは1973年に来日したものの、教育協定が結ばれていなかったことなどから、学習環境が整わず。その後、周恩来首相と会見して帰国した池田さんが、程さんらを創大に受け入れために特別な指導プログラムを組んでくれ、1975年に入学できたそうです。程大使は講演で、「池田先生はその時、滝山寮の入寮式に出席されました。そして、桜吹雪の中、私たちを栄光門から文系校舎へと案内誌、そこで出会った教員や学生たちに紹介してくださいました。また日本の桜の文化について語られ、周総理との会見でも桜が話題になったことを振り返るとともに、キャンパスに「周桜」を植えることを提案されました。私たちはこの時から、創大という素晴らしい教育環境の中で、教員の方々から厳しくも優しい指導をいただき、日本に関する学問の研さんに努力を重ねました。また、多くの学友ができ、本当の心と心の触れ合い、心の絆を結ぶことができました。これらは私にとって人生の宝であります」と語っています。

 そのうえで程大使は、中国には水を飲むときは、井戸を掘った人のことを忘れないという言葉があると紹介。池田さんが1968年9月、「日中国交正常化提言」を発表し、率先して「日中の国交正常化」「中国の国連加盟」「日中貿易の促進」を提案し、程大使によると、「池田先生の提言は中日関係の固い氷を破り、関係正常化を実現し、平和友好の道を開く上で、重要な役割を果たしました」としています。

 池田さんの初訪中は1974年5月だったそうで、つまり周恩来首相と面会したという上のエピソードが意外にも初訪中だったようですが、このとき、日中間に平和の金の橋をかけることを提起したとして、程大使は「私たちは、両国各界の共同の努力を経て、この40年間、中日間に堅固な金の橋が築かれたことを喜んでいます」と講演しました。

 程大使は講演のしめくくりとして、金の橋というキーワードを再度持ち出し、「創大の先輩として、新入生の皆さんが創大に入って勉強できることに心からの祝意を表します」「皆さんがもっと中国を知り、中日関係に関心を寄せ、将来、両国間に友好の金の橋をかける有能な人材になることを希望します。数年後、創大を旅立つ時、創大に入ってよかった、勉強して充実した、といえるよう、また10年、20年経ってもそう言えるよう、また10年、20年経ってもそう言えるような大学生活を過ごせるよう期待します。ご清聴ありがとうございました」と語りました。

 2010年9月の尖閣諸島沖で我が国海保巡視艇が中国籍漁船を衝突させて停船させた際に日中外交が緊張してから4ヶ月後の2011年1月。公明党幹事長代理の富田茂之さんが中国の戴秉国国務委員(副首相級)に会った際のエピソードを第177回通常国会の2011年2月16日の衆院予算委員会で明らかにしています。議事録によると富田さんは次のように述べ、超党派での日中のパイプの活用の必要性を主張しています。

国会議事録データベースから引用はじめ]

 私にも質問の機会をいただきましたので私の方から戴秉国さんに、実は以前に戴秉国さんにお会いしたことがある、一九九七年と九八年の二回、当時まだ戴秉国さんは中国共産党対外連絡部の部長さんでしたけれども、今、民主党の幹事長をされている岡田克也先生とか、中川正春さんも御一緒だったんですが、当時、戴秉国さんとお会いしていろいろな話をさせていただいたことを御紹介しましたら、にこにこされて、おお、新進党と言われました。新進党で行きましたので、当時のことを思い出されたんだと思うんですが、よく覚えていらっしゃるなということでした。
 その際に、岡田幹事長、尖閣の事件が起きたときは外務大臣でいらっしゃいました。その後、前原大臣に引き継がれたわけですが、私は戴秉国さんに、問題が起きたときに岡田さんと直接やり合ったらよかったじゃないですかという話をしました。なかなか民主党の皆さん、中国とのパイプがないということで苦悩されていたと思うんですが、そういう話をしましたら、戴秉国さんも、そのとおりだ、直接話がしたかった、いろいろあってできなかったけれども、これからは一対一の直接の対話が大事だと思うと。会談が終わった後、わざわざ私のところへ歩み寄ってこられて、富田さん、岡田さんにちゃんとこの話を伝えてくれと言われたんですね。本当に大事なことだと思います、いろいろなパイプがありますから。

[引用おわり]

 ということで、外交は人と人との交わりからすべてが始まると考えます。民主党は野党が長かったので、パイプがないのですが、中国では、富田さんが新進党で訪中していたと知って、だったら新進党同窓生の岡田さんに伝えてくれという話になったようです。富田さんが2000年第42回衆院選(神の国解散)で落選したときは、国政復帰した野田さんと岡田さんが合計3人で残念会をしたそうです。(関連エントリー 
「新進党」の枠組みを活用して国難と衆参ねじれを突破せよ!

 そういうわけで、経費節減で今は聖教新聞はとっていないのですが、4月の聖教新聞をとっておいてよかったです。ちなみに、今日は聖教新聞は散歩中にサンプルでもらえるところでもらってきて読みましたが、1面コラム「寸鉄」では「公明議員には最も重要な真面目さがある 立党の精神胸に突き進め」とあります。政教分離してから、公明党について、聖教新聞1面から触れるのは稀なことです。これはあさって2012年9月22日(土)に立党50年の記念の年となる第9回公明党定期大会が控えているからでしょう。ただ、国政政党としての公明党の先行きは明るくありません。30代新人を大量擁立する衆院小選挙区や40代新人らを擁立する参院選選挙区、とくに3人区は確実なところはない情勢です。このままでは、衆参とも比例代表の上位搭載者・重点候補者だけの比例政党になってしまう懸念があります。そのために、小選挙区導入後に新進党を結党したのですが、ご存じのように、小沢一郎氏による解党されてしまいました。

 私が午前4時台に新聞をとりに行くという生活習慣を知っていてかどうか、ときどき、公明新聞が4時台に入る曜日があります。けさは初めて、公明新聞の配達員と出くわしましたが、ていねいにおじぎをして「いつもありがとうございます」と言ってくれました。私はとっさに、「ありがとうね」とぶっきらぼうな応対をしてしまいました。おそらく高校生だと思います。通学前に公明新聞を配ってくれているのでしょう。だから早いのでしょうか。今は高校授業料無償化もあり、高校に通いやすくなっていますが、彼が大家族だったら、民主党の第1次与党期のもっとも与党慣れしていない大失策だった2011年税制改正、特定扶養控除の削りすぎで、かえって世帯負担は増えてしまったかもしれません。しかし、日中の対等な二国間関係をしっかりと継承して、近すぎるので時にけんかしても、なるべく明るく安定した日中関係を保っていくことは、安全保障面でも、経済面でも、文化面でも、この国の有権者の絶対的な使命です。ぜひ、心の強い野田総理、どういうわけか新宿の街頭演説では自信がないような表情でしたが、志と心の強さで、午前4時台から新聞を配る素晴らしいこの国の若人の未来を切り開くために、一ミリたりともぶれてはいけません。総理は絶対に正しい。

 そんなこといっている今頃、朝から新聞配って、学校居眠りしていたら、先生に叱られるぞ~~(^_-)

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谷垣さんが落ちた問責落とし穴にちらつく小沢一郎氏の影 やはり可決したのは14号議案だった 参議運議事録

2012年09月19日 08時01分02秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]自民党の谷垣禎一総裁。

 報道によると、驚くべきことに、自民党総裁選(9月26日水曜日投開票)は石破茂候補がリードしているという情勢分析があります。いったい自民党の国会議員団と地域組織になにが起きているのか分かりませんが、ひょっとすると、自公民3党の党首がすべて新進党結党メンバーになる可能性も出てきたわけで、2016年夏の参院選までの当面、自公民路線で懸案を処理していく体制をつくれるかもしれません。

 さて、谷垣禎一総裁が立候補を断念することになった8月29日の内閣総理大臣野田佳彦君問責決議可決にいたる本会議を前に開かれた、参院議院運営委員会の議事録がこのほど、ホームページで公開されました。

 やはり、私が指摘したとおり、本会議で可決した決議(案)は、当日に出し直した180参決議14号議案でした。第180回国会では、参議院に、6号、7号、9号、14号の合計4本の「内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案」が提出されるという、問責乱発国会となりました。このうち、6号は当初会期末にみんなの党が単独提出。7号は8月10日の参院での社会保障と税の一体改革関連法の採決の3日前に、衆院での内閣不信任決議案の直後に、国民の生活が第一やみんなの党ら7会派が提出したもの、9号は8月28日に自公が提出したものでした。そして、国民の生活が第一・みんなの党案と自公案が両立したため、鶴保庸介議院運営委員長が、29日早朝に、「4会派」に一本化を指示しました。このとき、参議院内には「4会派ってどこ?」とささやかれましたが、これは、自民党、公明党、国民の生活が第一、みんなの党の4会派。議運理事を出している5会派のうち、与党・民主党を除く4会派ということでした。このように会期末に衆参両院議長があいさつの中で不快感を示したように、通常国会中に院の構成が変わるというのは、民主的な議会政治において大変な問題があります。国民は、参院議員のほとんどが「4会派」の意味が分からなかった、ということに怒るでしょう。参院議員が理解できていないことが間接民主制で別に仕事をもつ有権者が理解できないのは至極当然。しかし、一部有権者の「小沢先生に手を突っ込んでかき混ぜてほしい」「政権交代よりも政界再編」などという甘い声が、小沢一郎さんに作っては壊し、作っては壊しで、都合の悪い情報は捨て、お金だけ抜き取る20年間の日本の空白をもたらしたことの十字架は有権者が一生背負い続けなければなりません。自民党の地方組織も、石破さんが反小沢だからって、石破さんの中にも、党を出たり入ったした過去を投票日直前までによく精査して、知った上で、投票にのぞんでほしいと希望します。

 ところで、議運委員長の鶴保さんですが、私は二階俊博さんの秘書だったと誤解していたのですが、東大法学部卒業後、小沢一郎さんの秘書だったようです。自由党公認で、二階さんが強い参院和歌山選挙区(1人区)で勝ち上がった猛者で、その後、二階さんとともに、小沢さんと袂を分かち、自民党へ。新しい波(二階派)に所属していましたが、同派は第45回衆院選で二階会長1人しか当選できない大敗北を喫して、志帥会(伊吹派)に身を寄せる格好となっているようです。ご存じの通り、石原伸晃幹事長(総裁候補)は、志帥会出身です。ひょっとすると、鶴保さんが石原幹事長が有利になるようにしながら、小沢秘書時代の人脈もいかして立ち回ったのではないか、という憶測が議事録から浮上します。谷垣総裁は、昨年、民主党内小沢グループで組んで、菅内閣不信任案を出して失敗しましたが、またしても、小沢さんにだまされたのではないでしょうか。鶴保委員長が一本化命令を出した後、みんなの党の水野賢一理事や国民の生活が第一の主浜了国対委員長(2016年改選)と議員会館内で頻繁に文面を精査していると聞きました。ただ、国民の生活が第一の議運理事は藤原良信さんで、この人は小沢秘書軍団の最古参ですから、鶴保さんと縁が太いはずです。


[写真]問責政局では、やや謎めいた運営をした、鶴保庸介・参議院議院運営委員長(自民党所属)。

 そして、一部報道では、国民の生活が第一・みんなの党案を修正して本会議で採決した、とありますが、これは私が以前から指摘した通り、当日の午後になってから、14号議案という4本目の野田問責案でした。そして、国民の生活が第一・みんなの党が出した14号議案は、7号議案とわずか2行半しか書き換わっていなかったようです。そして、6号と7号は撤回されたため、議運では、自公による8号議案が先決問題となり、14号議案は後に採決されました。このため8号議案の上程が、自民党と公明党の理事・委員のみ11人(議運の理事・委員は24人)しか挙手せず、賛成少数で上程否決。この後、14号議案の上程に関する採決となりますが、その前に、公明党の長沢広明理事が発言を求めました。発言は次の通り。

 「この後、国民の生活が第一など七会派提出の問責決議案の取扱いについて採決を行う運びとなっておりますので、それに当たり、我が公明党の意見を表明させていただきます。(略)自民党、公明党提案の問責決議案が今採決により本会議に上程できなくなったこの段階で、もう一方の七会派提案の問責決議案を委員会審査を省略して上程することについては、これを認め、賛成いたします。しかし、七会派の決議案の提案理由には、税と社会保障の一体改革に対する一方的な批判や、三党合意に関連して到底納得できない批判が理由とされており、我が党はこうした提案理由を肯定することはできません。よって、本会議への上程は認めるものの、本会議での採決には参加しないことをあらかじめ表明させていただきます」。

 公明党は議運の段階で決議案をよく読んで事前に本会議での退席を宣言しています。この後、自民党、公明党、国民の生活が第一、みんなの党の4党の14人が挙手して、上程が決まり、本会議で可決されることになりました。

 本会議での民主党の反対討論(武内則男さん)は冒頭から、「自民党の諸君は、決議文を読んだのか」から始まりました。では、自民党は決議文を読んでいたのか。参院の一部では、「自民党の脇雅史・参院国対委員長は主文だけ読んで、理由を読まなかったのではないか」という噂が立ちましたが、脇さんをよく知る人は官僚出身らしく業界団体の仕事をていねいに役所につなぐ比例選出参院議員としてそつなくこなす人だそうで、理由は読んでいたはずだと口を揃えます。脇さんは平成研(額賀派)所属と言うことで、同派も石原候補を応援しているようです。とはいえ、参議院自民党だけに、石原応援のために谷垣さんを落とし穴に落とすような人ではない、と脇さんを知る人は口をそろえます。それよりも、全委員会・理事会の運営を細かく頭に入れ、当然のことながら現場にも口を出す脇国対委員長が、会期末に自分の独裁的権力をいかんなく炸裂させたのが、この問責政局だったようです。そして、鶴保さんや脇さんの仕事について、参議院自民党の中曽根弘文会長と溝手顕正幹事長が任せっきりなのが、3党合意を批判する問責決議を自民党が賛成してしまう訳が分からない後味の悪い問責政局となってしまったと恨み節が出ています。こういうのは、実に参議院らしいエピソードです。


[写真]独裁的な権力をいかんなく発揮しているとされる、脇雅史・参議院自民党国対委員長、本人公式ホームページから。

 いずれにしろ、衆議院での不信任決議案の採決も、参議院での問責決議案の採決も、筆頭発議者である国民の生活が第一が趣旨弁明にも賛成討論にも立たないという小沢流ステルス戦術がとられ、気味悪さが残りました。自民党は、衆議院での不信任決議案を起立表決にしてしまうことも可能でしたが、記名投票表決にしました。自民党はまたしても小沢一郎さんに騙されて、落とし穴に落ちました。みんなの党も本会議での趣旨弁明の甘言に誘われて、国民の生活が第一が影響力を増してしまいました。

 さいわい国会閉会中で自公民党首選のさいちゅうで国民の生活が第一の支持率が大きく下がっています。仮に自公民3党が新進党勢の党首でそろうというチャンスがあれば、まずは小沢一郎さんを倒す。国民の生活が第一への政党助成金は2013年4月19日(金)に年間平均額で25億円相当が出る予定。しかし、半年以上運転資金がない状態なので、10月下旬に党政治資金パーティーを開きますが、これもパー券を1万枚以上売ってやっと現職の公認料(仮に500万円とする)をまかなえる程度の収入にしかなりません。

 自公両党の強い賛同を踏まえて、総理は来年4月19日前に第46回衆院選の投票日が来るように、毅然とした態度で信を問うてほしいところです。地方分権を進めるためにも、日本維新の会との連携も一案でしょう。

 両院議長がともに、院の構成が変化したことに言及して第180国会が閉幕したという事実を重く受け止める必要があります。

[参議院会議録(30日以内に開かれた会議)から引用はじめ(国会議事録データベースにも近く掲載)]

第180回国会 議院運営委員会 第28号
平成二十四年八月二十九日(水曜日)
   午後四時四十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二十三日
    辞任         補欠選任
     松浦 大悟君     櫻井  充君
     石井 浩郎君     片山さつき君
 八月二十四日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     広田  一君
     櫻井  充君     松浦 大悟君
     吉川 沙織君     石橋 通宏君
     片山さつき君     石井 浩郎君
 八月二十七日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     吉川 沙織君
     広田  一君     相原久美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                川合 孝典君
                川崎  稔君
                榛葉賀津也君
                古川 俊治君
                松山 政司君
                長沢 広明君
                藤原 良信君
                水野 賢一君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                中谷 智司君
                藤本 祐司君
                松浦 大悟君
                水戸 将史君
                吉川 沙織君
                石井 浩郎君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                大家 敏志君
                中原 八一君
                水落 敏栄君
                渡辺 猛之君
                石川 博崇君
                谷  亮子君
   委員以外の議員
       議員       紙  智子君
        ─────
       議長       平田 健二君
       副議長      尾辻 秀久君
        ─────
   事務局側
       事務総長     橋本 雅史君
       事務次長     中村  剛君
       議事部長     吉岡  拓君
       委員部長     郷原  悟君
       記録部長     小野 伸一君
       警務部長     秋谷 薫司君
       庶務部長     美濃部寿彦君
       管理部長     阿部 芳郎君
       国際部長     花谷 卓治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○決議案の委員会審査省略要求の取扱いに関する
 件
○本日の本会議の議事に関する件
    ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、決議案の委員会審査省略要求の取扱いに関する件を議題といたします。
 事務総長の報告を求めます。
○事務総長(橋本雅史君) 本日、鶴保庸介君外八名から李明博韓国大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議する決議案が、鶴保庸介君外七名から香港の民間活動家らによる尖閣諸島不法上陸を厳しく糾弾し、厳重に抗議する決議案が、また、昨二十八日、愛知治郎君外八名から内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案が、また、本日、広野ただし君外六名から内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案が提出されました。
 これらの決議案には、それぞれ発議者全員から委員会の審査を省略されたい旨の要求書が付されております。
 この要求につきまして御審議をお願いいたします。
○委員長(鶴保庸介君) これより採決を行います。
 まず、私、鶴保庸介外八名発議の李明博韓国大統領の竹島上陸と天皇陛下に関する発言に抗議する決議案及び私、鶴保庸介外七名発議の香港の民間活動家らによる尖閣諸島不法上陸を厳しく糾弾し、厳重に抗議する決議案の委員会審査を省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次に、愛知治郎君外八名発議の内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案の委員会審査を省略することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 少数と認めます。よって、本決議案の委員会審査省略要求の件は否決されました。
 ここで、長沢理事から意見表明の希望がございます。長沢広明君。
○長沢広明君 この後、国民の生活が第一など七会派提出の問責決議案の取扱いについて採決を行う運びとなっておりますので、それに当たり、我が公明党の意見を表明させていただきます。
 既に二百二十日にも及ぼうとする本通常国会での議論の結果、我が党として、野田民主党内閣には政権担当能力が著しく欠如するなどの理由から、問責に値するとの結論に至りました。そのため、自由民主党とともに問責決議案の提出に踏み切り、問責に値するとの認識を共有する他の野党会派との決議案を一本化すべく努力してまいりました。しかし、それが実らなかったことは誠に残念の極みでございます。
 自民党、公明党提案の問責決議案が今採決により本会議に上程できなくなったこの段階で、もう一方の七会派提案の問責決議案を委員会審査を省略して上程することについては、これを認め、賛成いたします。
 しかし、七会派の決議案の提案理由には、税と社会保障の一体改革に対する一方的な批判や、三党合意に関連して到底納得できない批判が理由とされており、我が党はこうした提案理由を肯定することはできません。
 よって、本会議への上程は認めるものの、本会議での採決には参加しないことをあらかじめ表明させていただきます。
 以上でございます。
○委員長(鶴保庸介君) 次に、広野ただし君外六名発議の内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案の委員会審査を省略することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
 この際、お諮りいたします。
 広野ただし君外六名発議の内閣総理大臣野田佳彦君問責決議案に対して、日本共産党、社会民主党・護憲連合及びみどりの風から討論の要望がございました。
 これを認めることに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条の規定に基づき、委員長において本件に対する可否を決します。
 本件については、委員長はこれを可と決します。
    ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。
○古川俊治君 本日は、今お手元に配付しております資料のとおり議事を進めることの動議を提出いたします。
○委員長(鶴保庸介君) ただいまの古川俊治君提出の動議に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(鶴保庸介君) 多数と認めます。よって、古川俊治君提出の動議は可決されました。
 なお、予鈴は午後四時五十五分、本鈴は午後五時でございます。
 暫時休憩いたします。
   午後四時四十九分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕

[引用おわり]

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秋の臨時国会は召集されるのか 

2012年09月17日 08時31分41秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散


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自民党総裁選、野党3年間に安倍元首相、20人~30人の村を回る 石原幹事長明かす

2012年09月16日 06時00分00秒 | その他

 自民党総裁選がスタートしましたが、野党3年間の間に、安倍晋三元首相が人口20人~30人の村を回っていたことが分かりました。石原伸晃幹事長が、2012年9月15日放送のテレビ東京番組で「自民党は野党3年間に何をやっていたのか」と問われたときに、同じく候補者の安倍元首相が20人~30人の村を回ったとして、総理経験者がそれをやったのは自民党結党以来のことであり、野党でなければできなかったことだとして、自民党は生まれ変わったとのイメージを発信しました。

 自民党総裁選には、届け出順に、首相・官房長官を歴任した安倍晋三候補、防衛相・農相を歴任した石破茂候補、外相・官房長官を歴任した町村信孝候補、国交相・行革相を歴任した石原伸晃候補、経財相・防衛相を歴任した林芳正候補が立候補しています。5人とも有名な閣僚経験者の子どもになりますが、石原候補に限れば選挙区は世襲関係にありません。父親の地盤・大田区と本人の地盤・杉並区は経済的・人的な結びつきがないばかりか、むしろ地域政策ではなさすぎて問題視されてきたところで、環状8号線(カンパチ)が石原さんの初当選から16年経って初めて全線開通したばかりか、かなりトンネルが長いようで、東京都議会などでも長年、問題視されるほど関係が少なかった両区ですから、石原さんは二世議員ですが世襲議員ではありません。林芳正さんは林義郎元蔵相(健在)の長男で、参院議員ですが、山口県では下関の存在が大きいので、世襲議員という見方ができます。石破さんも衆院初当選は中選挙区の鳥取全県区ですので、参院議員・知事だった父からは完全な世襲候補です。しかし、過去の民主党代表選とは違い、自民党総裁選には団塊の世代は一人も出馬しておらず、安定感のある党運営が期待できそうです。林さんは公約で、シャドウ・キャビネットを政権交代後にそのまま内閣にするとしました。

[写真]地方を回る安倍晋三元首相(本人公式ホームページから)

 野党3年間の時間的な余裕の中で、どれだけ自分が首相になったときのイメージトレーニングにもとづき、内政、外交、経済政策を鍛えてきたかが問われることになりそうです。テレビで見る限り、なかなか自民党は力をつけてきたなと手ごわさを感じています。私としては、第45期衆議院・第21・22期参議院の「ねじれ国会」の2年間、一貫して3党協議路線の責任者となった石原候補に総裁になってほしいですが、少し失言があるようです。

 林候補は、総裁選公約に「シャドウ・キャビネットの構成を、政権交代後の内閣を想定した顔ぶれにするなど,政権交代の準備を進めながら、政策策定・実施能力の高さを国民に示し、早期の政権奪還を実現します」と盛り込みました。

 第45期衆議院での引退を表明している、大野功統・自民党総裁選挙管理委員長は「野党になって以来、2回目の総裁選ですが、今回は解散・総選挙を近いうちに控えており、政権奪還を目指すわが党にとって、立党以来最も重要な選挙になる」と、2012年9月11日発行(18日付)の週刊自由民主のインタビューで答えています。

 自民党総裁選は14日にすでに告示されており、26日投開票になります。

 自民党党則では、今回の5候補のだれが当選しても、2015年9月までの任期。その総裁選挙でも再選をめざして立候補することができるので、第46期衆議院の4年間にわたり総理を務めることが可能となっており、大事な選挙になります。

 ただ、5候補が立候補するならば、投票を4回に分けて、最下位者が順に落選していくという英国労働党方式(もともとは米国のサバイバルテレビ番組がひな型)をとって、ていねいに、政策だけでなく、「なぜこの時期の総理にふさわしいのか」をていねいに議論する格好も次回以降検討してみたら面白いと思います。

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第180通常国会の内閣支持率は「わずか5・1ポイント低下」で踏みとどまる 善戦

2012年09月15日 08時46分55秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 5年ぶりに、「内閣総辞職」ないしは「衆議院解散」がない安定した国会となった第180通常国会で、野田内閣の支持率下落が5・1%(ポイント)に踏みとどまりました。時事通信社の世論調査で、読売新聞が電話に切り替えてからは、現在唯一、個別面接方式で毎月調査しています。ちなみに個別面接方式と言っても、口頭ではなく、政党支持などは紙に書いてもらって回収する方式だと思います。

 与党12年、野党38年と野党の経験が豊富な公明党の機関紙「公明新聞」は2012年9月8日付の第180通常国会(229日間)の振り返り特集で、答弁に窮する総理の似顔絵にあわせて内閣支持率が「19・8%」になったとしました。そして、召集の同1月からマイナス8・6%だ、としましたが、閉会日の8日に前後する7日~10日の調査では3・5ポイント増となりましたので、229日間というロングランでありながら、野党からの攻撃に耐える与党民主党の野田内閣が、「わずか5・1ポイント下落」に踏みとどまったということになります。辛抱強い善戦だと言えます。
 


 内閣支持率は私は目を通すだけで、それについて多くを語ろうとは思いません。

 国会は野党が政府与党を攻撃する場ですから、開催中は与党・内閣の支持率が下がり、野党全体の支持率は上がります。ただ、当初予算が可決すると5%前後、補正予算が可決すると2~3ポイント前後上がる傾向があります。やはり予算編成権も政府が持っていることは強いのですが、不思議なことには、当初予算が衆議院を通過すると5%前後上がるのに、参議院で可決・成立しても2~3ポイントしか上がらないことです。30日ルールの存在は有名なんでしょうが、とはいえ、やはり心理的な側面も強いといえるでしょう。財源がなく厳しいですが、景気対策の補正予算が衆参で可決すると、東京・千代田区近辺の飲食店は繁盛している傾向がみられますので、やはり心理的な意味合いが強いと言えます。

 昨年は、特例公債法案の成立と見返りに、菅直人首相・民主党代表が総辞職しました。この連鎖を断ち切るために、安住淳財務相、野田首相、城島光力・国対委員長、岡田副総理らは「特例公債法案の第180通常国会会期内の成立」を自民党に迫りながら、安住財務相が衆院決算行政監視委員会で河野太郎さんの質問に対して突然、「(9月8日の会期末から2ヶ月後の)11月には国庫が空っぽになる」と答弁し、総理のクビないしは解散を第180回国会で差し出さなくてもいいとの見解を突如示唆しました。このように、野田、安住、岡田、城島のインテリヤクザの前に、谷垣禎一・自民党総裁は衆院で賛成した一体改革法案に参院で反対すると言いだし、総理から「近いうちに信を問う」との誠実な言葉をもらったうえで、参院で法案に賛成。そして、その後、国民の生活が第一が提出した「3党合意を批判する」という問責決議に賛成してしまい、落とし穴に落ちて行きました。谷垣自民党は一体改革法案の採決を記名投票表決にすることで、民主党非主流派を揺さぶり、民主党会派の国会議員数を「マイナス63人」と大きく減らすことができたので、自民党と公明党は第46回衆院選勝利に近づきました。

 特例公債法案を成立させないことで、首相のクビを差し出す連鎖を断ち切れたというのが、トリッキーですが、第180回国会の最大の功績でした。この特例公債法案のマジックについて、私が安住答弁を受けて、責任感と実力のある複数の民主党を動かしている人たちに「あれ、特例公債法案今国会で成立させないでも大丈夫らしいですね」と話を差し向けると、みんな爆笑していました。過去に与党経験を含めて、この3年間、政権の重荷を背負うなかで、ことしも特例公債法案とひきかえに総理のクビをとられるか、それとも解散に打って出た方がいいかと半年間、頭を悩ましてきたところで、「会期中に成立させないで大丈夫」ということが分かり、緊張感がほどけた大爆笑。そして、谷垣総裁が落とし穴に落ちたことも爆笑の延長線上ですが、それは失礼だし谷垣総裁はよくやったと思いますが、椅子から転げ落ちそうな大爆笑の中に、表面上の数字よりずっと少ない人数で政権の重荷を背負い続ける民主党主流派の緊張感を許していただきたいものです。まあ、衆院選のふたが開くまで、あと1年以内ですから、最後までしっかりとやりましょう。

 自民党総裁選が始まりました。「次の総理に誰がいいか」で谷垣さんが1%前後という状況で、「次の総理の顔」で次期総選挙を戦う野党期にある二大政党(女王陛下の反対党)においては、総裁の交代はやむを得ない面があったと感じます。また小沢氏の悪い作戦に毎年引っかかる「谷垣総理」に日本の外交を任せられたかと言えば疑問符が付くでしょう。しかし、3党合意をはじめ、谷垣総裁はよくやったと思います。ただ、自民党は「与党を早期の解散に追い込む」のではなく、「総理(与党代表)を低支持率で低迷させ、任期満了近くまで衆議院解散をできないように追い込む」ということを肝に銘じるよう、野党経験の先輩として申し上げたい。

 とはいえ、責任感と力のある民主党関係者も「このまま3月31日まで特例公債法案を成立させなくてもいいんじゃないか」と確認をとったり、「秋の臨時国会を開かずに自民党新総裁をデビューさせずに、来年の通常国会に予算を提出した後、定数是正法を成立させ次第、解散してしまう」と、少し悪のりをし過ぎかなあという気がします。いずれにしろ、民主党非主流派も、脚を引っ張ることだけはやめていただきたい。なかなか、与党で3度目の通常国会となると、政権の重荷を背負える人も、1人あたりが重すぎるし、2年~3年間背負い続けて走っていますから、しっかりこの閉会中に鋭気を養いたいものです。

 ただ、第181臨時国会は、特例公債法案と定数是正法案の成立のメドが付いてから、召集すべきでしょう。「秋の臨時国会を召集しないといけない」という法律・規則などどこにもありませんから。

 ところで、恒例の会期のニックネームの命名をここまでしておりませんでしたが、私は第180回通常国会を「野田国会」と命名致します。 

「首相再選を」民主支持層で6割=内閣支持率23%―時事世論調査(時事通信) - goo ニュース


 時事通信が7~10日に実施した9月の世論調査によると、民主党代表選(21日投開票)について、同党支持層のうち「野田佳彦首相の再選を望む」と答えた人が6割を超えた。国会議員票で優位に立つ首相が、地方の党員・サポーター票でも有利な情勢であることが裏付けられた。一方、野田内閣の支持率は前月比3.5ポイント増の23.3%で、2カ月ぶりに2割台に回復した。不支持率は同5.1ポイント減の56.0%だった。

 調査は全国の成人男女2000人を対象に、個別面接方式で実施した。有効回収率は64.9%。

 民主党代表選での首相再選について、「望む」32.0%に対し、「望まない」48.1%で、内閣支持率と同様の傾向を示した。ただ、民主党支持層に限ると「望む」は63.5%。「望まない」の26.0%を大きく上回った。無党派層では「望む」29.2%、「望まない」48.8%だった。

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岡田さん経産省退職で同期全員去る 「官僚たちの夏」1期生 人がいきる霞が関をめざせ

2012年09月14日 21時34分00秒 | 岡田克也、旅の途中

 平成24年9月14日付の経済産業省の定例幹部人事(通常国会閉会に伴い発令)で、次官級の経済産業審議官を務めていた岡田秀一(おかだ・ひでいち)さんが経産省を退職しました。すでに1年前から1年後輩の事務次官が誕生していましたが、岡田さんの退職で昭和51年(1976年)4月1日、通産省入省組は36年半たって全員同省をさったことになります。城山三郎さんが通産省を描いた小説『官僚たちの夏』が出版された後、最初の入省となった昭和51年入省組でしたが、だれ一人事務次官になれませんでした。

 通産省昭和51年入省組は入省4年後に第2次オイル・ショックという国難を経験しました。このとき、通産省(資源エネルギー庁)石油部計画係長だった岡田克也副総理は、「イラン・イラク戦争とか、第2次オイルショックのときでしたので、大変忙しくしてましたので、マージャンをやる暇なかったのですが、楽しく仕事をさせていただきました」とその感想を述べています。

 岡田秀一さんは小泉純一郎首相誕生と同時に首相官邸に出向し、首相秘書官を務めました。小泉内閣メールマガジンの発刊は「総裁選公約達成第1号」として多くの登録者を得て、飯島勲・政務秘書官の「ワイドショー政治」とともに、日本の「9・11」、2005年9月11日の第44回衆議院議員選挙の小泉圧勝をもたらしました。このとき、野党第1党で惨敗した民主党代表が岡田克也さんでした。

 そして「3・11」では、細野哲弘・資源エネルギー庁長官、寺坂信昭・原子力安全・保安院長が通産省・経産省の長年の原子力政策について、情報隠蔽体質があったことを激しく批判され、昨夏退職しました。

 一方、大分県知事に通産省出身者の名物知事(平松守彦前知事)が生まれて以降、通産官僚・管区経済産業局長経験者は知事の人材供給源となりました。初の女性大阪府知事、沖縄県知事もそうですが、昭和51年入省組では、富山県出身の高橋はるみさんが経産局長を務めた北の大地・北海道に渡り、北海道知事になり、ガンも乗り越え3期目(任期は2015年統一地方選まで)に入っています。

 『官僚たちの夏』では、ラストシーンで主人公が新聞記者から「ケガしても突っ走るような世の中は、もうそろそろ終わりや。通産省そのものがそんなこと許さなくなってきている」と言われるシーンがあります。第180国会の3月8日の衆院予算委員会では、自民党の小池百合子さんが「かつて城山三郎さんが「官僚たちの夏」で、当時の商工省の活躍……(発言する者あり)当時。もう通産省になっていましたか。その事務次官までされた方ではありますけれども、あのころと経産省の役割そのものがもう変わってきているんじゃないだろうかと思うんですよ」と言及しています。この人物は、三木武夫通産相のころに通産事務次官をつとめた佐橋滋さんを描いていることになりますが、佐橋さんは1975年の小説でも、2012年の国会でも「時代遅れ」と指摘されたことになります。

 時代遅れを指摘された「官僚たちの夏」1期生は時代の変化に激しく職業人生を左右される運命の子となりました。そのなかで、「同期入省は1人しか次官になれない」という鉄の掟のなかで、優秀な人材が潰れていった気がします。同期入省は1人しか次官になれないという霞が関のルールは、戦前にはなく、広田弘毅・吉田茂という戦争を挟んで外相・首相を務めた2人は同期入省11人で2人とも外務事務次官を務めています。事務次官は吉田、広田の順で、大臣・総理は広田、吉田の順でした。

 この2人について、同じく城山三郎さんが広田の人生を描いた『落日燃ゆ』では「2人は同期というだけでなく、語学好きのいわゆる能吏タイプでなく、どこか国士風なところが似通っているのか、ふしぎによく気が合い、機会があるごとに、吉田が広田を訪ねてきて話し込む仲であった」と書いています。このように「同期から事務次官は1人」というルールがなかった時代には、同期同士が国策を話し込むというシーンがあったようです。そして、『落日燃ゆ』は、極東国際軍事裁判(東京裁判)の判決を受けて、1948年12月23日午前0時20分、広田弘毅が巣鴨プリズンでA級戦犯として絞首刑を執行されるラストシーンで・・・終わりません。その同じ日の夜、少数与党の第2次吉田内閣が野党による内閣不信任案の提出と可決を受けて、現行憲法下最初の衆議院解散(なれあい解散)に打って出て、吉田民自党が単独で269議席(占有率57・7%)で地滑り的圧勝(第24回総選挙)を収め、長期政権の土台を気付いたことと対比させたうえで、「「日本を滅ぼした長州の憲法」の終焉を告げる総選挙でもあった」との一文で終わります。このしめくくりの一文は小説全体を通すと違和感がありますが、城山さんの本音が込められたことがよく分かります。それを主人公の広田と同期の吉田首相の活躍と対比させて描いたことになります。

 吉田茂は戦後初の国葬となり、大勲位。広田家は遺骨(他の軍人と一緒になったもの)の受け取りを拒否し無縁仏の状態となり、霊は靖国神社に合祀されていますが、広田家が参拝したことはないようです。東条英機、松岡洋右、白取敏彦ら英霊を殺した人が合祀されているという奇妙な神社になってしまったのが、今の靖国神社です。

 このように同期で1人事務次官というルールは終わりを告げるときが来ています。現在も国土交通省、総務省など橋本行革の合併省庁では同期が事務次官になるようになりましたが、採用時点での同期がその省で事務次官になるという事例はまでないと思います。

 吉田、広田の2人はいまでも名前が残っています。しかし、「同期1人事務次官」のルールにより、具体的に日の目を見なかった人材の名前というのは、私は知りません。その役所の人は、「あの人」と噂するかも知れませんが、世間では誰も知らない名前です。埋もれてしまった人材の名前というのは残らないんです。

 そして、そもそも経済産業省という役所が必要あるのかどうかというところまで私たちは検討しなければならない時期にあります。それはずっと前からそうでした。通商行政は戦前のように外務省に戻し、職員も移管する。原子力行政は文部科学省・環境省に移す。特許庁は内閣府外局にして、文部科学省文化庁の人も入れる。中小企業行政は自治体に移管する。これほど、時代によって自らの存在意義を自ら作って、性質が変わってきた役所は他にありません。それは自民党と経団連の癒着政治(財界の男妾)をエスコートしてきた論功行賞。そして橋本行革を支えた人が通産省出身だったことの論功行賞です。それに経産官僚は悪く言えばチャラい、良く言えば織田信長系の人が多い。いろいろな役所にいけば、良い触媒になります。省としての一体的な維持にこだわるべきでありません。

 国家の構成員はすべて、歴史という法廷に立たされたときに、ひるむ生き方をしてはいけません。私益と国益がなるべく一致する生き方をしていると、人生というものは、まあなんとかなるものです。

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少年院・少年鑑別所法案が参院でまったく審議されず廃案 審査順のプロセス透明化が必要だ

2012年09月13日 05時41分08秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 委員会での法案審査の順番に関しての情報公開、プロセス(過程)の透明化も必要です。

 第180通常国会の法案のうち、継続審査(閉会中審査)になった案件と、廃案になった案件を復習していたら、「少年院法案」と「少年鑑別所法案」、それに加えて、「両法律の施行に伴う関係法律整備法案」の合計3法案が、参議院法務委員会でまったく審議されないまま廃案になっていたことが分かりました。

 参院では会期末処理で「閉会中審査」にすると、次の国会召集当日に自動的に「参院先議法案」になってしまうことから、「閉会中審査」にしないのですが、本予算審議が参院で始まった3月6日に同院先議で提出するという法務省の国会対策にも疑問が残るところです。

 法案審査を業界団体の手から一般国民の手に取り戻す。それは国会議員にとっても、有権者にとっても、国会にとって一回の政権交代よりももっと重要な、政治を国民の手に取り戻すうえで最重要の心持ちです。

 その意味では、第180回国会で、幼保一体化(幼保一元化)法(子ども・子育て新システム関連3法)が成立したのは大きな歴史的な意義があります。もちろん、業界団体の支持をえる自民党議員らによって、参院特別委で19本という厖大な数の附帯決議が付きましたが、それほどまでに業界団体に配慮しながらも、最終的に法律が成立したことについて、野田佳彦首相、そしてそれ以上に谷垣禎一・自民党総裁の偉業は大きい。

 ところで、谷垣さんは自転車が好きですが、宏池会(自民党古賀派)は長年自転車利権につよく、事務所もその関係団体が所有するビルに入居していることは有名な話です。第180回国会では、衆参経産委が審査した「自動車競技法および小型自動車競争法の改正法」が3月31日、参院で可決・成立しました。この法律は、ケイリンとオートレースの経営をテコ入れするもので、予想が当たったときに配当を高くもらえるようにするという、かなり単純で効果的なテコ入れをする法律です。さらに、ケイリンとオートレースの法律整備を1本にしています。そうした方が審議・採決がやりやすいからでしょう。これが「日切れ法案」となり、実際に年度内3月31日に成立しました。とはいえ、同じ日切れ法案でも特例公債法案はいまだに成立せず廃案となりました。衆参財金委が審査した「中小企業者等金融円滑化法」を1年延長する法律も日切れ指定で成立しましたが、同時に成立した銀行を支援する特別措置法は5年延長です。中小企業者や住宅ローン者は1年延長で、銀行は5年延長というところに、違和感をもちました。民主党であれ、自民党であれ、国会や霞が関の近くにいる、ケイリン、オートレース、金融業の声というのは素速く反映するというのが実態でしょう。

 少年院や少年鑑別所に関係する人の各種団体はあるのでしょうか。おそらくないでしょう。

 この少年院法案と、少年鑑別所法案は、2009年の広島少年院で法務教官が在院者に暴行したり、トイレに行かせなかったり、腕立て伏せを1000回やらせたりしていた事件を受けて、在院者が法相に不服申し立てをする制度を法制化するものです。現行の少年法から少年鑑別所法(案)を独立させるという抜本改革を盛り込んでいます。

 ところが、第180国会の議事録を読むと、大臣の所信聴取の中で、小川敏夫法相や滝実法相が法案名を読んで成立をお願いしていますが、法案の趣旨説明もされていないし、与野党議員から一般質疑で話題になることもなく、提出から半年後に会期末処理がなされず、自動的に廃案になりました。

 このように少年院や少年鑑別所に関係する人の声というのは国会には届きにくいようです。

 229日間にわたる通常国会をみるなかで、「法案の審議順」があまりにも不透明であることに気付きました。委員会理事会もインターネット審議中継すべきでしょう。現在も参院の委員会は扉を半分開いたままやっており、官僚や記者が聞くことができますし、国会内のケーブルテレビでは放送されています。その内容はとくに秘密にするようなものに思えないし、第3党などはむしろ理事会を中継してくれた方がアピールにつながるでしょう。

 あるいは、英国議会のように「第1読会」として衆参事務局職員が政府提出法案の短縮法案名を朗読し担当大臣がうなずくという本会議をする。形式的ですが議事録が残るので、各委員会の理事には法案審査をしなければならないという有形無形のプレッシャーがかかるでしょう。 

 通常国会の2月・3月に解散されたことは過去半世紀一度もありません。2月は衆院予算委員会、3月は参院予算委員会が当初予算を審議しているからですが、国会議員全体のなかで予算委員になるのは1割の議員ですし、答弁にあたる政務三役を入れても全国会議員の1割に過ぎません。残りの9割はSNS媒体でも分からないようにしていますが、実際は遊んでいる人も多いです。この時期に二大政党の政調会は、各役所が国会提出法案の説明会をやっています。これは提出を予定していてまだ書き上がっていない法案も説明しているわけですが、必ずしも党内で閉鎖する情報とは思えません。二大政党が情報公開したり、国会というヒラバで、会期冒頭に各委員会を開き、大臣から提出予定法案について説明を受け、主に委員会の運びについて質疑応答をすることも現行法でできるでしょう。

 衆院内閣委員会は、17法案が継続審査(閉会中審査)となりました。第45期衆議院では民主党政権失敗の本質は、内閣委員会にあると言っても過言ではありません。最初の通常国会の終盤におきた「三宅雪子議員転倒事件」は第22回参院選が予定され、会期延長ができないこととあいまって、政治主導確立法案(国家戦略局設置法案)を含めて、多くの統治のしくみを改革する法案がほとんど廃案になり、現在まで成立しない事態となった第45期衆議院における与党・民主党失速の象徴的事件だったと言えます。

 ところがその内閣委員会で、警察庁が第180回国会に提出した法案の成立率は100%でした。「(インターネットの)不正アクセス防止法の改正法(案)」が2月21日に衆院に提出され、3月16日に衆院を通過し、3月31日に参院で可決・成立しています。暴力団対策法(暴対法)改正法(案)は2月28日に参議院に提出、6月20日に可決・衆院に送られ、7月26日に衆院本会議で可決・成立しています。衆院先議と参院先議を使い分け、延長会期末まで1ヶ月以上前の7月26日に仕事を終えたことになります。さすがは元内務官僚、さすがはカミソリ後藤田正晴さんの出身官庁だと感じます。

 農水省はねじれ国会のなか、参院農水委員長や衆院農水委員長の議員立法に助けられました。それにひきかえ、厚労省提出法案は「国民年金法の一部を改正する法案」という趣旨のタイトルの2本が未成立で継続審査となりました。一つは物価スライドであり、もう一つは年金交付国債を年金特例公債に取り替えるという3党合意にもとづく財政の技術的な法案です。どちらが何の法案だか、混同するでしょう。厚労省は「一事不再議の原則」を理解していないのではないかという絶望的な閉塞感を感じます。

 やはり理事会を公開するというのが、法律・規則の改正もいらず、委員長の判断でできますから、簡単にできる国会改革の第一歩ということになるでしょう。事務局職員の雇用も確保できるし、二大政党がともに次の衆院選で衆参両院の支配権をとれないことが確実である以上、第3極以下にとっても悪くない話だと思います。

 ちばてつやさんの漫画、アニメ、「あしたのジョー」は少年鑑別所・少年院を出てから世界チャンピオンを競うまでになりました。が、震災後の余裕のない中で、業界団体のない分野の立法は審議すらされないナミダ橋。衆参両院の情報公開による立法過程(プロセス)の見える化に向けて、当ブログの闘いもあしたのジョーのごとく、まだまだ続きそうです。

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松下忠洋大臣力尽く 政権交代3年間政務三役、「原発」副大臣→「復興」副大臣→「金融」大臣

2012年09月10日 19時14分10秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 松下忠洋大臣が力尽きました。

 国民新党公認・民主党推薦で鹿児島3区で得票率56%で国政復帰。当選5回生ということで閣僚適齢期になりました。

 鳩山内閣発足と同時に、経済産業副大臣に。政権交代からきょうまでの3年間、ずっと内閣・政務三役を務めているのは松下さんを含めて2人しかいません。

 経産副大臣として「3・11」を迎えて、原発担当に。そして、復興副大臣を兼務。待望の初入閣は金融担当大臣(兼)郵政改革担当大臣となりました。

 おとといまでの229日間にわたる第180回国会のさいちゅうの2月10日に復興庁が発足しました。5月30日の衆議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、復興交付金について「前回は査定庁と酷評されました。今度は真骨庁(真骨頂)と褒められました。三回目は絶好庁(絶好調)だ、こう言われて、どうしようかと思っているんです」と答弁し、野党から「絶好庁はちょっとやはり言い過ぎではないか、悪乗りすると後が大変かなと思っております」と叱られました。

 原発、復興、金融・・・この連鎖のなかで、3年間走り続けた松下大臣。物事を最後まで責任を持って仕上げない民主党議員を見るにつけ、松下大臣は責任感を持つすばらしい政治家だったと考えます。さすがは自民党出身者だ、さすがは経世会(平成研)出身者だと感じます。

 私はこのブログで、民主党・国民新党政権で、75歳未満の政治家が一人も亡くなっていないと指摘しましたが、その直後、国民新党の73歳の現職閣僚が旅立ちました。

 これが政治なんですよ。政治家は命懸け。その言葉をかみしめています。

 これで、鳩山内閣発足以来、ずっと内閣・政務三役を務めている政治家は、野田佳彦さん(千葉4区、財務副大臣→財務大臣→総理大臣)ただ1人となりました。

 流星

 門にたち出でたゞひとり

 人待ち顔のさみしさに

 ゆふべの空をながむれば

 雲の宿りも捨てはてて

 何かこひしき人の世に

 流れて落つる星一つ

 島崎藤村『若菜集』より。

 なお、10月28日(日)に衆議院鹿児島3区補欠選挙が行われる見通し。

 松下忠洋(Matsushita,Tadahiro 1939-2012)

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