宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

ありがとう2009年 最年少国会議員(松岡広隆さん)のふるまいに日本は潰れないとの確証得たり 

2009年12月31日 09時00分00秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 きょうは寒い大晦日です。これが、ことし最後のエントリーになると思います。

 2009年9月18日。この日は第172特別会の開会式が開かれました。

 この写真は「開会式」を終えて皇居に戻られる陛下の車列を見送るため、中庭に集まった国会議員です。

 
 [写真]は天皇陛下を見送る準備をする民主党最高顧問の羽田孜元首相、自民党総裁の麻生太郎前首相、同党の細田博之幹事長、大島理森国対委員長らです。

 この国会で、内閣総辞職した麻生前首相はずいぶんと肩の荷が降りたようすでした。

 

 開会式を終えた国会議員が中庭に出てきて、整列します。

 天皇陛下の車が議事堂を出発し、国会議員の前を通り、正面玄関から出ます。 

 
 

 衛視さんが敬礼している方向がかわったことが上下の写真で分かります。国会というのは、すべてが憲法に準じていますから面白いですね。

 さて。

 国会から皇居まではU字になった道を通りますので、見通しが良いとはいえませんが、遠くまで見通せます。

 国会議員の中で、最後の一人になっても、陛下の車列をお見送りし続ける人物がいました。

 
 

 僕はこの時点で、この人物が誰か知りませんでした。

 「国会議員要覧」をひもとくと、この人は、民主党新人で、近畿ブロック比例単独で当選した松岡広隆・衆院議員だと分かりました。

 
[写真]松岡広隆・衆院議員=民主党大阪府連のホームページから

 僕は松岡さんが関西電力社員だと知って、納得しました。関電は原子力発電をやっています。そのような会社が、目の前の出来事を最後まで見届けない人を社員として採用するわけありません。採用後も厳しく指導されたはずです。

 僕は後日、松岡さんが27歳で、現在最年少の国会議員であることに気付きました。松岡さんは1982年2月5日の生まれです。現在は27歳で、現在すべての国会議員最年少です。1980年生まれ(昭和55年)が福田衣里子さん、昭和56年生まれが横粂勝仁さんと自民党の小泉進次郎さん。そして、昭和57年生まれは松岡広隆さんただ一人です。

 
[写真]首相公邸での記念撮影。阪口直人さんのブログからお借りしました。上段右端から時計回りに松岡広隆、室井秀子、横粂勝仁、福田衣里子、阪口直人、相原志乃、田中美絵子の各衆院議員。

 国会開会中はとても忙しく、中庭で見送ったのも国会議員の半分程度です。お見送りが終わると、訪問客のアポがあるので、あわてて議員会館に引きあげます。松岡さんは小選挙区を持たないので、訪問客も少ないでしょうし、正直、勝手が分からないので最後まで中庭にいたという面もなくはないでしょう。早く、何でも相談に乗ってくれるベテラン政治家を見つけてほしいし、民主党も日常活動できる小選挙区を割り当ててほしいものだと思います。

 こうやってイチバン若い国会議員に志があり、物怖じせず、しっかりとふるまい、その目が輝いている限り、日本が小さくなっても潰れることはないとの確証得たり、との思いで、こうして今年最後のエントリーでご紹介しようと思ったのです。

 ◇

 2009年夏、政権交代

 総選挙を勝利に導いた民主党幹事長、岡田克也は「そして、ダメになったらまた政権交代する。当たり前の民主主義をこの国に作り上げる」--大阪府内でそう叫びました。

 ダメになったら、私たち国民が政権をかえますから、政務三役はそれまでの期間、思う存分やりたいことをやればいいのです。笑っちゃうほどカンタンな話です。

 何も恐れることはありません。

 ◇
 
 きょう2009年12月31日をもって、「長野県上水内郡信州新町」が幕を閉じます。あすから私の本籍地と同じ長野市になります。

 町長を務めた中村靖(まもる)さん。1992年の参院選、北澤俊美事務所で選挙の勉強をした際に、メニューを組んでくださり、叱咤激励してくださった恩人です。中村さんは当時、羽田孜蔵相(のちに首相、現・民主党最高顧問)の秘書でした。

 今月中旬、都内の会合で同席したので探したのですが、ご挨拶できませんでした。4期15年にわたる町長の重責、お疲れ様でした。

 ◇

 ことし1年間、このブログにかかわってくださったすべてのみなさまに心より感謝します。

 ありがとうございます。

 どうぞ良いお年を。

行政刷新会議事業仕分けチーム、小沢幹事長「不快感」で中断

2009年10月24日 12時34分53秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足
 行政刷新会議(鳩山議長、仙谷副議長)の事業仕分けチーム(枝野幸男統括)が23日午後、予定していた会合を取りやめるというハプニングが起きました。

 ゆうべ(23日夜)、「一国民」さんから次のようなコメントをいただいています。民主党ファンの間では、懸念が広がっています。

(コメント欄から引用)

http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/4c8801f5cc6f89c7b56e65c8757e26ec#comment-list

小沢幹事長が、新人議員には「事業仕分け」には参加しなくていいから選挙区に帰って選挙運動をするように指示した、との報道がされています。

小沢幹事長にはいくらかの疑問があります。

1)日曜の「サンプロ」などのTV政治番組に出演して、自民党の幹事長との公開討論などを行おうとの姿勢がない。政権交代をなしとげた与党の幹事長として少しおかしい。(N事件の影響か?)
要するに、反小沢派大臣の多い鳩山政権の政策推進を側面から支援する気はないが、選挙には最大限注力して自分の支配下の議員を増やすという姿勢のようです。

これは、正道ではないように思われます・・・

(引用おわり)

 私が異変に気付いたのは、統括役の枝野幸男さんの事務所が23日午前に「週末に2つのテレビ番組に出演します」というメルマガを送りながら、午後8時過ぎに「本日ご連絡の以下の2番組への枝野の出演が、諸事情により急遽中止となりました。お詫びし、ご連絡申し上げます」というメルマガを送ってきたことです。

 その後、23日午前11時過ぎに小沢側近の国対副委員長が一年生議員に「会合への出席を見合わせて欲しい」と要請する電話が入っていたことが報じられました。電話に対して反発を見せた議員もいたようです。

 小沢側近の動きには疑問点があります。チーム発足前日に準備会合を国会図書館議員専用室で開いたのは21日午後です。多くの報道陣が詰めかけていました。そこから2日間近く経って、鳩山総理(代表)の了承も得てから、小沢幹事長側の横やりが入ったことです。小沢側近は党内情報収集能力が長けているとされているのに、時間がかかりすぎです。

 小沢側近の党内情報収集というのは、議員連盟設立、勉強会発足などという場合に、小沢さんに近い議員が出席して、そのようすを小沢さんに報告しているということはよくあるようです。朝、ケータイに電話がかかってきて出席を指示されることもあるようですが、先輩側近から後輩側近へ指示が回ることもあるようです。このような党内情報収集力では小沢さんは圧倒的な存在のようです。また小沢さんは複数のルートで情報を確認する習性があるので、情報は正確だと言われています。ところがいかんせん、「側近」が偏っているので、情報全体が偏っていることはよくあることのように、私はみていました。

 報道に出てからの2日間のタイムラグ。小沢さんの「不快感」を聞いた側近が国対に連絡などをしていて生じたのかもしれません。

 今回の人選は仙谷由人行政刷新相の下、内閣府のチームで内々に進められていましたので、小沢さんに情報が届いたのが21日近くだった可能性は高いと思います。仙谷さんは今年春頃のTBS「日曜討論」で「民由合併後に小沢さんと話したことはほとんどない」ことを明かしています。仙谷大臣と小沢幹事長が個別に連絡をとったということはおそらくないと推測されます。

 平成22年度(2010年度)予算の概算要求の削り込みは財務省主計局がやって、事業仕分けチームは、もう少し長い期間を見て、特別会計、公益法人の財務諸表など幅広くやっていくイメージを持っていたので、仙谷大臣、平野博文官房長官の調整のもと、正常化を期待したいと思います。

 小沢側近情報では、小沢さんは事業仕分けなど一年生議員にできるか、という趣旨の発言をしたようですが、しがらみがない分、十分できると思います。法案が出ない予定の委員会の審議よりも、事業仕分けをしらみつぶしにやった方が議員としての能力も鍛えられると思います。というのは、与野党老壮青問わず、予算書を読み込んでいる国会議員は極めて少ないという実態があるからです。

 正直、私も現時点でどういう状況にあるか分からないのですが、ただし、委員会理事に抜擢されている一年生議員は11月中の活動両立は難しい面があるのは事実だと思います。

 新人が草刈り場と化していて、どの会議に出席して良いか、悩むところだと思います。国対としても対応に苦慮している面もあると思います。新人への指示についても、各省政策会議に出たら、地元に帰って活動報告をしなさい、という指導をしている班長(国対副委員長)もいるようです。

 しかし、総選挙前は、当選1~3回生辺りは部門会議に出席すると、質問する時も、「私はあす、地元で200人規模の国政報告会をやるので、そのネタ作りのためにも質問したいのですが~~」と切り出すような「日常活動やってます」アピールをしないと質問しずらい雰囲気がありました。

 「各省政策会議」も国会での委員会が始まれば担当に関する内容は必然的に頭に入ってくるでしょう。それでいて、委員長・筆頭理事主催の「質問等研究会」にはあまり出るな、という指導をしている班長もいるようです。つまり、ダブルスタンダードだということです。

 よく分からないことが多いのですが、民主党コア支持者の注目が高い案件だけに、今後の火種になる可能性があり、心配されますが、新人はけっこう気丈に振る舞っているように見受けられます。

時事ドットコム:行政刷新チームが突如取りやめ=小沢幹事長が横やり?

 行政刷新会議の作業チームが23日午後、予定していた会合を取りやめた。民主党の枝野幸男元政調会長を中心に2010年度予算概算要求の内容を洗い出す「事業仕分け」を進めるはずだった。中止の背景として、枝野氏らが政府の肩書きを持たずに参加していることに小沢一郎幹事長が快く思わず、「政策決定の内閣への一元化に反する」と横やりを入れたとの見方が出ている。
 作業チームは午前中は予定通り開いていた。関係者によると、そこに小沢氏に近い衆院議員から若手メンバーに対し、会合には出席しないようにと連絡が入った。これを受け、午後の会合は中止になったという。
 来週以降の日程も白紙で、平野博文官房長官が当選1回の衆院議員をメンバーから外す方向で調整することになった。
 混乱の要因に関し、党幹部の一人は「小沢氏への『こういう与党議員を使いたい』という根回しが不十分だったのではないか」と指摘する。事業仕分けは、仙谷由人行政刷新担当相や枝野氏など、小沢氏と距離を置く議員が中心となっており、「小沢氏が『自分の支配下議員に勝手に手を出すな』とけん制したのではないか」(参院関係者)との憶測も出ている。(2009/10/24-01:02)


行政刷新会議に「チーム枝野」誕生、無役・新人30議員に働き場 11月突貫工事で事業仕分けへ

2009年10月22日 17時51分03秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 きょう(22日)9時前から、首相官邸で行政刷新会議(鳩山由紀夫議長)の初会合が開かれました。続いて、枝野幸男さん(埼玉5区)が統括役となる「事業仕分けワーキングチーム」の民主党議員の会合が開かれました。私はこういう感じでやってほしかったので、とてもうれしいです。

 仕分けの対象は、平成22年度(2010年度)当初予算案の概算要求書にある事業で、特別会計や公益法人も対象になるようです。抜き出しは240本ということで、物足りなさも感じますが、予算の政府原案作成に間に合わせるためにはしかたない。

 30人ほどの議員が3班に分かれて仕分けします。事前に勉強、現地視察もするそうで、かなりタフな作業になりそうです。3班は

「寺田(てらた)班」(国交省、総務省、その他)と
「尾立(おだち)班」(厚労省、外務省、経産省)と
「蓮舫(れんほう)班」(農水省、文科省、防衛省)になります。

 仕分け作業は、1日8事業×10日間×3班=240事業ということになるようです。枝野さんは3班を統括し、事業仕分けの専門家である刷新会議の加藤事務局長が技術的なアドバイザーを務めます。仕分けは一般にも公開するそうです。

 枝野さんは相当張り切っているようですから、期待が持てます。

 きのう(21日)国会図書館で開いた準備会合では、枝野統括は集まった議員に「11月は国会以外の日程を入れないでください!無理な人は今日中に申し出てください!」とお願いしたそうです。

 読売新聞朝刊がワーキングチームに入る国会議員を載せていました。正式な発表を探しているのですが、現時点ではないようです。参考までに引用しておきます。

(引用はじめ)

 ◆国土交通、総務、その他担当【衆】★寺田学〈3〉、石田芳弘〈1〉、江端貴子〈1〉、大西健介〈1〉、三村和也〈1〉、村越祐民〈2〉、森山浩行〈1〉【参】植松恵美子〈1〉、大久保勉〈1〉、川崎稔〈1〉、行田邦子〈1〉

 ◆厚生労働、外務、経済産業担当【衆】大泉博子〈1〉、城井崇〈2〉、菊田真紀子〈3〉、岸本周平〈1〉、玉木雄一郎〈1〉、中林美恵子〈1〉、三谷光男〈2〉、山尾志桜里〈1〉、和田隆志〈3〉【参】★尾立源幸〈1〉

 ◆農林水産、文部科学、防衛担当【衆】井戸正枝〈1〉、後藤祐一〈1〉、中島正純〈1〉、本多平直〈2〉、宮崎岳志〈1〉【参】★蓮舫〈1〉、大河原雅子〈1〉、徳永久志〈1〉、中谷智司〈1〉、林久美子〈1〉

(引用おわり)

 民主党ファンが心配していた無役議員がだいぶ働き場を得ました。よかったです。

 元々、仙谷由人・行政刷新相は面倒見の良い親分肌で知られます。仙谷さんは党内グループ「凌雲会」の代表者、枝野さんは会計責任者です。

 とはいえ、同会とは関係ない議員も働き場を得たことになり、うれしいです。

 個人的には、総務委理事だった寺田学さん、厚労委が長い菊田真紀子さん、財務省出身の和田隆志さん、公認会計士でもある尾立源幸さん、道路特会のタクシー券を暴いた大久保勉さんらに期待したいです。

行政刷新会議のホームーページ
http://www.cao.go.jp/sasshin/kitei/index.html

行政刷新会議の当面の進め方について(案)
http://www.cao.go.jp/sasshin/kaigi/honkaigi/d1/pdf/s4.pdf

10月22日(第1回会議) 当面の進め方についての意見交換
ワーキンググループ(WG)の設置 等
WGによる事業仕分けの実施(第1弾)
11月中旬目途(第2回会議) 行政刷新会議への仕分け結果の報告・了承
WGによる事業仕分けの実施(第2弾)
11月下旬目途(第3回会議) 行政刷新会議への仕分け結果の報告・了承
(12月下旬目途 平成22年度予算案の決定)
12月下旬目途(第4回会議) 平成22年度予算案への反映状況を行政刷
新会議に報告

予算のムダ検証「仕分けチーム」活動開始 : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 政府の「行政刷新会議」(議長・鳩山首相)で予算の無駄を検証する「事業仕分けチーム」の国会議員メンバーは21日、国会内で会合を開き、活動を開始した。

 2010年度予算圧縮へ約240事業を対象に必要性を公開の場で判定することを確認。省庁幹部と財務省の担当主計官を呼び、双方から意見を聞き、判定の議論に入る。週内にも作業に着手、12月上旬までに判定を終えたいとしている。

 仕分けチームは3ワーキンググループ(WG)に分かれ、民主党の国会議員32人と民間人で構成。全体統括に民主党の枝野幸男・元政調会長が就く。内定したWGの国会議員の構成は以下の通り( ★は主査。丸印は当選回数。敬称略)

 ◆国土交通、総務、その他担当【衆】★寺田学〈3〉、石田芳弘〈1〉、江端貴子〈1〉、大西健介〈1〉、三村和也〈1〉、村越祐民〈2〉、森山浩行〈1〉【参】植松恵美子〈1〉、大久保勉〈1〉、川崎稔〈1〉、行田邦子〈1〉

 ◆厚生労働、外務、経済産業担当【衆】大泉博子〈1〉、城井崇〈2〉、菊田真紀子〈3〉、岸本周平〈1〉、玉木雄一郎〈1〉、中林美恵子〈1〉、三谷光男〈2〉、山尾志桜里〈1〉、和田隆志〈3〉【参】★尾立源幸〈1〉

 ◆農林水産、文部科学、防衛担当【衆】井戸正枝〈1〉、後藤祐一〈1〉、中島正純〈1〉、本多平直〈2〉、宮崎岳志〈1〉【参】★蓮舫〈1〉、大河原雅子〈1〉、徳永久志〈1〉、中谷智司〈1〉、林久美子〈1〉


郵政見直し閣議決定→西川社長辞任表明→でも法案は来年先送り

2009年10月20日 20時55分41秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

[写真]辞任を表明した西川善文・日本郵政社長(旧日本郵政公社ホームページ)

 きょうは火曜日ですから、閣議が開かれ、一般案件として「郵政改革の基本方針について」を決定しました。

 首相官邸のホームページでは、まだタイトルしか載っていません。ぜひ民主党・鳩山内閣では、こういったものもどんどん情報公開して欲しいと思います。

 これに伴い、午後6時半から西川善文・日本郵政社長が取締役辞任を表明しました。

 一方、残念なニュース。閣議後会見(私が聞いたのは藤井国務大臣の会見)によると、「日本郵政株式売却凍結法案」の第173臨時国会への提出を先送りし、第174通常国会(来年1月召集)に包括的な「郵政改革法案」を提出することを閣議で決めたようです。

 とりあえず、2010年10月から株式売却ができるので、2009年中に一時凍結を法律でしっかり決めて欲しかったのですが、落ち着かないですね。

 衆参総務委では人事院勧告に伴う行政・最高裁・検察官・自衛官などの給与法改正案を審議しなければいけないことになっています。これは毎年の人勧に伴う立法措置ですので、速やかに処理しなければいけません。民主党が自治労から支持を受けていることもありますが、そうでなくても、最優先で処理しないといけない課題です。秋は連休が多いこともあり、各委員会での一般法案の審議は衆参あわせて15日間ほどしかありませんので、やむを得ないかもしれません。

 とはいえ、2010年10月には「株を売却できる」とする条項、これは郵政民営化法にあるんだと思いますが、これが宙ぶらりんとは、落ち着かないですね。だって340兆円(郵貯+かんぽ)が入った財布が野ざらしにされているようなものですから。



郵政改革の基本方針を閣議決定、小泉路線と決別 : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

政府は20日午前の閣議で、郵政改革の基本方針を決定した。

 郵便・貯金・保険の3事業を郵便局で一体的に利用できるようにするため、持ち株会社の日本郵政の傘下に四つの事業会社を置く現在の「4分社化」を見直すことが柱で、小泉内閣が進めた郵政民営化路線を大きく転換するものだ。「郵政改革法案」(仮称)を来年1月召集の通常国会に提出し、成立を図る。鳩山内閣の小泉改革路線からの決別がより鮮明になった。(後略)

 ◇

20日に閣議決定された「郵政改革の基本方針」の全文は以下の通り。

 郵政事業の抜本的見直し(郵政改革)については、国民生活の確保及び地域社会の活性化等のため、日本郵政グループ各社等のサービスと経営の実態を精査するほか、以下によるものとして検討を進め、その具体的な内容をまとめた「郵政改革法案」(仮称)を次期通常国会に提出し、その確実な成立を図るものとする。

 1 郵政事業に関する国民の権利として、国民共有の財産である郵便局ネットワークを活用し、郵便、郵便貯金、簡易生命保険の基本的なサービスを全国あまねく公平にかつ利用者本位の簡便な方法により、郵便局で一体的に利用できるようにする。

 2 このため、郵便局ネットワークを、地域や生活弱者の権利を保障し格差を是正するための拠点として位置づけるとともに、地域のワンストップ行政の拠点としても活用することとする。

 3 また、郵便貯金・簡易生命保険の基本的なサービスについてのユニバーサルサービスを法的に担保できる措置を講じるほか、銀行法、保険業法等に代わる新たな規制を検討する。加えて、国民利用者の視点、地域金融や中小企業金融にとっての役割に配慮する。

 4 これらの方策を着実に実現するため、現在の持ち株会社・4分社化体制を見直し、経営形態を再編成する。この場合、郵政事業の機動的経営を確保するため、株式会社形態とする。

 5 なお、再編成後の日本郵政グループに対しては、更なる情報開示と説明責任の徹底を義務付けることとする。

 6 上記措置に伴い、郵政民営化法の廃止を含め、所要の法律上の措置を講じる。


日本政府、ユドヨノ大統領の就任式に恒三さんを特派大使で派遣

2009年10月20日 15時22分52秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足
 10月20日、インドネシアの首都ジャカルタで、ユドヨノ大統領の2期目の就任式典が開かれました。日本政府を代表して、元衆院副議長の渡部恒三さん(民主党、福島4区)が特派大使として派遣されました。

 政権交代で民主党の長老の活躍の場も広がりそうです。

外務省: インドネシア共和国大統領就任式典への特派大使の派遣

党「委員長代理」発表へ、仕分けチーム含め30人前後の“無役”解消へ

2009年10月20日 07時30分00秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足


 民主党の小沢幹事長は19日の記者会見で、まだ決まっていなかった「広報委員長」など党本部の各委員長の代理を20日にも発表する考えを示しました。

 民主党では「委員長」はすべて党役員会・常任幹事会双方のメンバーですが、代理は役員会・常任幹事会のメンバーではありません。

 前の執行部の「委員長」からは総務委員長→千葉景子法相、選挙対策委員長→赤松広隆農相、国民運動委員長→小沢鋭仁環境相の3人が入閣したほか、「総務委員長代理“役員室長”」だった平野博文官房長官が入閣しています。

 とくに党職員の人事管理も受け持つ総務委員会、政治資金収支報告書などをつくる財務委員会、各種団体へのあいさつにまわる企業団体委員長などは特に責任の重いポジションです。

 幹事長は、党委員長代理(十数人?)+副幹事長(14人)+国対副委員長(20人)との結びつきを増やして、国会対策、選挙対策にあたっていきたい、という趣旨の発言をしました。

 仙谷由人行政刷新相は、近く、事業仕分けのチームに枝野幸男さん(埼玉5区)ら15人前後の国会議員を入れることで、官邸、党と合意済みだと報じられています。

 当選2回生以上の無役議員の5分の1ぐらいが、今週新しいポジションを得ることになりそうです。


原口総務相が「予算」→「執行」にもムダを発見する

2009年10月19日 23時28分51秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 国家戦略室が19日、2010年度予算から各府省の副大臣・政務官に「予算執行監視チーム」を作り、予算の執行状況を常時チェックさせる案をまとめたそうです。

 これに関連するのですが、19日夜のBS11「インサイドアウト」に出演した原口一博・総務相が興味深い話をしていました。

 予算は国会が議決します。その予算は各府省内で「箇所付け」という作業のうえ、執行されます。箇所付けとは事業名や発注先を決めて、お金を支払う具体的な相手先を決めることです。

 総務省政務三役が省内の

 予算→箇所付け→執行(支払い)

 のプロセスを調べたところ、

 「100万円のモノ」を購入(調達)するうえで、そのプロセスに2つの商社が入っていて、150万円のお金の流れになっている執行状況を発見したそうです。これはちゃんとした“競争入札”で執行されていたそうです。

 この箇所付けは国会のコントロールが届かない、各府省内で行われる作業です。例えば国交省の箇所付けを役人から聞き出そうと、国交族議員も必死でした。つまり、国交省という伏魔殿に隠れた不透明なお金の流れでした。族議員の働きかけに官僚が応じることもあったでしょうが、これにより、霞が関官僚>族議員に対して上位に立つという、いびつな権力構造をもたらしました。

 原口総務相は番組で「野党時代は甘かった。もっと細目に踏み込んでいれば良かった」と“反省”しながらも、「当時の政府の人たちも(私たちのように)やっていれば見えていたはずだ」として、自民党政府を批判しました。

 つくづく、国民のお金がもったいなく使われ続けてきたことが残念です。

 なお、国の予算の執行状況をまとめた「決算」は、国会でも衆院決算行政監視委員会、参院決算委員会が審査しています。開かれた国会での決算審査は大事です。しかし、開かれた国会が議決した予算を、各府省がちゃんと執行しているかどうか、政治家がチャックすることは時系列としてはそれより前の話です。決算に優先することだと思います。

 国家戦略室では、予算の執行状況もネットで公開する考えがあるようで、ぜひ実現してほしいと思います。

時事ドットコム:予算執行監視チームを設置=「複数年度」は11年度から-国家戦略室

 政府の国家戦略室は19日、予算の無駄遣い根絶に向けた予算編成過程の改革案を策定した。2010年度から、各省庁に副大臣・政務官による「予算執行監視チーム」を設置して執行状況を常時チェックするほか、行政サービスの効率化を目指す政策達成目標を導入することなどが柱。鳩山政権の予算改革の目玉と位置付けられた複数年度予算については、11年度からの実施を目指す方針が示された。
 改革案は「予算編成のあり方に関する検討会」(座長・菅直人副総理兼国家戦略担当相)が同日の会合で取りまとめた。国家戦略室担当の古川元久内閣府副大臣は会合後の記者会見で、「新政権では納税者の視点に立って予算編成を行い、1円たりとも税金の無駄遣いは許さない」と強調。今後、政府内で改革案に盛り込んだ施策の具体化を目指す。

前原大臣の北方領土視察「終戦間際のどさくさ」発言にみる国際認識 

2009年10月19日 05時19分05秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

[写真]海保の船から北方領土をみる前原大臣と泉ケンタ政務官=NHKニュース

 内閣府の沖縄北方担当大臣を兼ねる前原誠司さんが17日、根室市や、国交相としての指揮監督下にある海上保安庁の船で北方領土を視察しました。

 この中で北方領土について、「終戦間際のどさくさにまぎれて不法占拠されたもの」との認識を示しました。

 ◇

 沖縄北方の政務三役は、前原誠司大臣(京都2区、当選6回)、大島敦・内閣府副大臣(埼玉6区、4回)、泉ケンタ内閣府政務官(京都3区、3回)で構成されているようです。

 歴史のカンタンなおさらいです。

 昭和20年(1945年)8月14日午前2時、閣議はポツダム宣言の受諾について、大臣の賛成と反対が同数になり、内閣は機能不全におちいりました。今の憲法なら総理の判断が最終決定になりますが、明治憲法ではこの場合の規定がありませんでした。

 この閣議は御前会議でした。総理大臣である鈴木貫太郎は、昭和天皇に歩み寄り、頭を下げ、“御聖断”を仰ぎます。御前会議は、天皇に発言権はなかったのですが、かねてより終戦をのぞんでいた昭和天皇はうなずきました。この瞬間に、終戦が決まり、翌15日正午、全国民に向けて発表されました。

 さて、ソ連軍が宣戦布告もなしに、北方領土に侵攻したのは、8月28日のことです。これを前原大臣は「終戦間際のどさくさ」と言っていることに違和感を覚える方は、多いでしょう。

 日本外相と陸軍参謀総長が東京湾上に停泊した米国の戦艦・ミズーリ甲板上で連合国への降伏文書に署名・捺印したのは、9月2日のことです。

 私はロシア人監督が昭和天皇を描いた「太陽」という映画を見たときに初めて気付いたのですが、世界的に「先の大戦の終戦日」は「1945年9月2日」のことのようなんです。8月15日は国内に発表しただけであり、日本外相と参謀総長が東京湾の米軍の船の上で、降伏文書に署名した「9月2日」が終戦であり、その日以降が戦後なんです。

 だからソ連軍が宣戦布告無しに北方領土に侵攻した8月28日はまだ戦後ではなかったといえます。

 とはいえ、日ソ(日露)2国間では、「千島・樺太交換条約」という有効な国際法があり、大西洋憲章は米英ソの3国間の「世界分割」の約束に過ぎません。国際法上、北方領土は絶対的に日本の領土であり、その侵攻も、戦線布告なしに終戦を表明してから正式文書に調印するまでの「空白期間」を狙っただまし討ちです。またソ連は北方領土のみならず、東日本の占領を狙っていた可能性が高く、大義名分のない国際法違反であることは確実です。

 「北方の領土かえる日、平和の日」

 これは内閣府ビルや東京駅八重洲口にある政府の看板です。
 
 北方領土の不法占拠をやめさせ、日露平和条約を結ぶことは、2国間関係にとどまらず、国際法が有効な国際社会を確保するために、世界へ、未来へ、日本がやらなければならない国際貢献です。

 ぜひとも女優の淡島千景さんら北方領土出身者がご健在のうちに解決したい外交案件です。

 それと、一つだけ付け加えさせてください。小泉首相が調印した「日朝平壌宣言」も有効な2国間条約です。ジレンマがあります。が、私は「日朝平壌宣言」に署名した小泉首相の判断とその後の対応、“罪”と言ってもいいでしょうが、たいへん重いものだと考えております。

 資源小国である日本は、条約・国際法をしっかり守る、「小粒でも世界から尊敬される国」を目指さなければいけないとの理念を私は持っております。 

前原沖縄北方担当相:北方領土を視察 「不法占拠」と発言 - 毎日jp(毎日新聞)
 前原誠司・沖縄北方担当相は17日、北海道根室市の納沙布岬を訪れ、対岸の北方領土の島々を視察した。その後、根室海上保安部の巡視船に乗り洋上からも国後島を視察した。

 前原氏は視察後、記者団に「歴史的に見ても国際法的に見ても(北方領土は)日本固有の領土。終戦間際のどさくさにまぎれて不法占拠されたもの。やはり四島の返還を求めていかなければならない」と語り、四島返還の実現に向けて取り組む姿勢を強調した。

 領土問題をめぐっては、麻生太郎前首相が「(ロシアが北方領土を)不法占拠している」と発言し、ロシア側が強く反発した経緯がある。【本間浩昭】


藤井財務大臣が「貨幣大試験」で硬貨の信用性を宣言しました

2009年10月16日 22時03分42秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

[写真]貨幣大試験をする藤井財務相、大串財務政務官。産経新聞大阪本社公式ホームページからお借りしました。

 藤井裕久財務大臣は15日、大阪市の造幣局で、「製造貨幣大試験」にのぞみ、「適正だと確認されました」と宣言し、通貨の信頼性を国民に約束しました。毎年恒例の貨幣大試験は、明治5年、第1回が行われて以来、ことしで138回目。大串博志・財務大臣政務官(佐賀2区)も同行しました。

 日本ではお札は日本銀行、補助貨幣である硬貨(小銭、コイン、じゃり銭などとも言う)は財務省が発行しています。

 藤井大臣は、500円玉(ニッケル黄銅)、100円玉(白銅)、50円玉(同)、10円玉(青銅)、5円玉(黄銅)、1円玉(アルミ)を千枚ごとにはかりで調べ、平成21年(2009年)製造の硬貨が、適正なものだと確認しました。どうやら、安心して硬貨を使って良さそうです。

 ◇

 今週の新聞の見出しには「3兆円に届かず(2009年度予算の執行停止)」「90兆円台で過去最高(2010年度予算の見積もり要求)」など、派手な数字が飛び交いました。

 「君子は本を務む、本立ちて道生ず」(論語)といいます。政治家ら人間は、根本のことをしっかりやると、先の道筋が見えてくるんだ、という意味だと理解しています。

 国政で派手な金額が飛び交う中で、戦後生まれのほぼ全員が生まれてから最も切実な家計の中で生活しているというのが2009年10月だと思います。インフルエンザに加えて、体温36度台でお腹に来るタイプの風邪も大流行しているようです。

 こういうときだからこそ、このような「セレモニー、儀式」が大事だと考えます。

 僕は新聞記者時代からずっと思っていて、民主党がようやく与党になったので、僕も初めて「通貨大試験」を記事に書いてみました。

 当たり前の存在でしかない硬貨(小銭)も、昔は中国から輸入していました。日本人に硬貨を製造する能力がなかったからです。日本人が作れるようになってからも、大阪・京都では銀を使い、江戸(東京)では金を使っていた時代があります。通貨の統一は幕府(政府)の悲願でした。

 江戸時代、金と銀は変動相場制だったため、時間と情報がある「コメ問屋(商人)」は時機を見計らってコメと金と銀を交換しました。一方の武士は、年貢のコメを商人に売って、金銀に両替していました。やがて商人が儲かり、武士は生活に困窮するようになりました。通貨の統一による国力の引き出しが、明治政府の主要なテーマになり、それが現在の中央集権につながった一つの原因だ、という側面があるでしょう。

 福澤諭吉は明治政府に「御用新聞」の発行を提案しました。政府の情報を広く公開することで、政府・国民双方の利益になり、デモクラシーが実現すると考えたのでしょう。「御用新聞」という言葉は、最近では罵り文句ですが、その“御用新聞”ですら、「大試験」は小さな囲み記事で、1面トップは「3兆円に届かず?」です。自民党政権末期には、「大試験」を財務副大臣が代行することもままありました。

 私は今後も「大試験」のような、「君子は本を務む」政治をもっと広く知ってもらうように、微力を注ぎたい。

第138次製造貨幣大試験を実施します:財務省

平成21年9月30日
財務省
第138次製造貨幣大試験を実施します
貨幣の量目を試験し、もって通貨に対する信頼を維持するため、第138次製造貨幣大試験を下記のとおり実施します。

1.日    時 平成21年10月15日(木)11時15分から
約30分
2.場    所 独立行政法人造幣局(大阪市北区天満1-1-79)
3.執  行  官 財務大臣
4.試験対象貨幣 試験対象貨幣は以下のとおり。

種 類 地方自治法施行60周年記念1,000円銀貨幣(長野県、新潟県、茨城県)(平成21年度製造分)
地方自治法施行60周年記念500円バイカラー・クラッド貨幣(長野県、新潟県)(平成21年度製造分)
500円ニッケル黄銅貨幣(平成21年度製造分)
100円白銅貨幣(平成21年度製造分)
50円白銅貨幣(平成21年度製造分)
10円青銅貨幣(平成21年度製造分)
5円黄銅貨幣(平成21度製造分)
1円アルミニウム貨幣(平成21年度製造分)

連絡・問い合わせ先 財務省 理財局 国庫課 通貨企画調整室 通貨企画係

製造貨幣大試験について
1.製造貨幣大試験の歴史

製造貨幣大試験(以下「大試験」という。)は、通貨に対する信頼を維持するため、明治5年、第1回が行われて以来、本年は第138回目に当たります。

2.試験対象貨幣

大試験の対象貨幣は当年度中に製造された貨幣とします。これには、

① 地方自治法施行60周年記念(長野県、新潟県)1,000円銀貨幣及び500円バイカラー・クラッド貨幣

② 地方自治法施行60周年記念(茨城県)1,000円銀貨幣が含まれます。

3.試験対象貨幣の選取基準

大試験において試験する貨幣は以下の基準により選取します。

貨 幣 の 種 類 選取基準(1日の製造貨幣あたり)
1,000円記念銀貨幣 4,000枚又はその端数につき1枚
500円記念バイカラー・クラッド貨幣 40,000枚又はその端数につき1枚
500円ニッケル黄銅貨幣 40,000枚又はその端数につき1枚
100円白銅貨幣 60,000枚又はその端数につき1枚
50円白銅貨幣 60,000枚又はその端数につき1枚
10円青銅貨幣 60,000枚又はその端数につき1枚
5円黄銅貨幣 50,000枚又はその端数につき1枚
1円アルミニウム貨幣 400,000枚又はその端数につき1枚

(注) 平成21年度製造の試験対象貨幣は、大試験実施の14日前までに製造された貨幣が対象とされているため、総枚数等については大試験当日、大試験会場において掲示することとしています。

4.大試験の方法

大試験は、1,000枚ごとの集合秤量の方法により、貨幣の量目の精度について行うものとします。ただし、1,000枚に満たない場合には別に定める単位で行うものとし、1,000円記念銀貨幣については、1枚ごとの個別秤量の方法によることとします。

5.公差

貨幣の種類ごとの公差(法定量目との許容誤差)は以下のとおりです。

貨幣の種類 公 差 法定量目 合格の上限 合格の下限
1,000円記念銀貨幣 1枚あたり
0.42グラム 1枚あたり
31.1グラム 31.52グラム 30.68グラム
500円記念バイカラー・クラッド貨幣 100枚あたり
4.2グラム 100枚あたり
710グラム 714.2グラム 705.8グラム
500円ニッケル黄銅貨幣 1,000枚あたり
13グラム 1,000枚あたり
7,000グラム 7,013グラム 6,987グラム
100円白銅貨幣 1,000枚あたり
16グラム 1,000枚あたり
4,800グラム 4,816グラム 4,784グラム
50円白銅貨幣 1,000枚あたり
21グラム 1,000枚あたり
4,000グラム 4,021グラム 3,979グラム
10円青銅貨幣 1,000枚あたり
15グラム 1,000枚あたり
4,500グラム 4,515グラム 4,485グラム
5円黄銅貨幣 1,000枚あたり
16グラム 1,000枚あたり
3,750グラム 3,766グラム 3,734グラム
1円アルミニウム貨幣 1,000枚あたり
7グラム 1,000枚あたり
1,000グラム 1,007グラム 993グラム

(注) 試験対象貨幣が1,000枚に満たない場合の公差は、別に定めるところによります。
造幣局で製造貨幣大試験 大阪市北区:産経関西(産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)

 今年度に製造された硬貨が規定通りの重さか検査する毎年恒例の「製造貨幣大試験」が15日、大阪市北区の造幣局で行われた=写真(甘利慈撮影)。

 地方自治法施行60周年記念の千円銀貨など計4億6765万枚が対象。百円硬貨なら千枚(4・8キロ)で16グラム以内の誤差しか認められない。

 検査はいずれも合格し、立ち会った藤井裕久財務相は「適正だと確認されました」と宣言。政権交代後、初の試験合格に職員たちもほっとした?


◎補正の執行停止を閣議決定

2009年10月16日 10時22分22秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 平成21年度補正予算の執行停止を、16日の閣議が決定しました。

 まずおさらいです。
 平成21年度の当初予算は歳出・歳入とも88兆5480億132万1千円でした。

 これを麻生内閣は4月の第1次補正で、平成21年度予算を102兆4735億5955万4千円にしました。

 歳出は14兆7755億5823万3千円追加し、8500億0000万0千円減額しました。この歳出の減額補正分8500億円は景気対策のために捻出した「ムダづかいの削減」で、これも景気対策の原資にもなっています。4月にムダづかいを削減できるのなら、当初予算でもっと減額できたと思うんですけどね。

 このように予算とはトリックがたくさん潜んでいます。これからもなるべくカンタンにこのブログで説明していきたいと思います。

 歳入。帳尻を合わせないといけないので、4月の第1次補正で、歳入も追加、減額して、歳出と同じ金額に調整してあります。

 これが「予算の補正後」のきょう時点での今年度国家予算です。ただし、これは一般会計だけの数字で、特別会計という別のサイフもあるのですが、このエントリーでは省きます。

 で、民主党政権はこの4月に追加した事業「14・7兆円」に狙いを定めて、内閣の責任の下、国会が議決した予算の執行を停止する作業を進めていました。

 この作業はTVを中心に国民に広く公開され、2兆9259億円の執行停止に成功し、閣議決定で揺るぎない物にしました。

 このような予算の見直しは初めてのことだし、国民の関心もかつてないほど高まりました。民主党政権最初の成果といっていいでしょう。

 政府は16日朝の閣議で、平成21年度予算見直しにメドをつけました。

 さて、16日には、平成22年度の当初予算の編成作業に本格的に入ります。まずは各府省が提出した見積もり書(概算要求書)のとりまとめが発表されます。そして、財務省主計官が概算要求書を刈り込んでいきます。政府原案は12月末に閣議決定され、来年1月召集の通常国会に提出されます。

 まずは、情報公開。今回の見直し、僕には厚労省はもっとできたと思います。でもそれはいいんです。情報公開と国民の関心が高まったという成果だけでまずは100点満点でしょう。

NIKKEI NET(日経ネット):経済ニュース -マクロ経済の動向から金融政策、業界の動きまでカバー

 政府は16日の閣議で、総額14.7兆円の2009年度補正予算を見直し、2兆9259億円の執行を停止することを決めた。国土交通省の公共事業や農林水産省の複数年度にまたがる基金などにくわえ、厚生労働省の子育て支援策や地方自治体向けの交付金などを停止する事業に追加し、目標とする約3兆円に近い水準を確保した。民主党が10年度予算で実行すると公約した子ども手当などの重点政策には約7.1兆円の財源が必要で、09年度の補正予算の執行停止で捻出(ねんしゅつ)した財源を回す方針だ。

読売新聞の報道について

2009年10月15日 11時28分00秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 私の民主党愛というのは揺るぎのないものがありまして、これは支持政党というよりも、人生の一部だからです。

 で、私はこのブログを主体に活動していますが、民主党支持ブログですので、知っていても民主党に不利な情報は書かないことがたびたびあります。

 裏取り取材をしていると永遠に裏が取れない情報が埋まってしまうので、「取材はするけど、裏をとらない。あくまでも憶測としてブログに書く。内容の訂正の申し出があれば、しっかりと話を聞き、真摯に対応する(直すかどうかは私の判断)」という姿勢は続けていきたいと思います。

 さて、本日付読売新聞の報道について、知っていることを書かないと、ディスクロージャーしないと、どうにも体が持たなくなりそうなので、どうしても書かせてください。なお、これは私の憶測であって、記事中に登場している人物と、この件に関して会話したことはありません。絶対にありません、それってどんな会話じゃい、という感じです。

 社会面で、「代金の支払いが平成16年(2004年)10月で、不動産購入の登記が平成17年1月」とありますが、これは事実だと思います。当該物件の不動産登記簿は私も入手しております。なぜ、入手していたかというのは「悪い予感」が当たったというだけです。




 この読売記者の質問に当該政治資金管理団体の当時の事務担当者がうまく説明できていませんが、これは当人もよく知らなかったと思います。

 ところで、政治団体はすべて1月~12月という会計年度ですから、勘の良い人は「1月7日」という日付に怪しさを感じるでしょう。お金の出入りがあった帳簿と別の帳簿に切り替わった1週間後の時期に登記されているわけです。とはいえ当時31歳の彼にそんな知恵があるわけがなく、代表者などからの指示である可能性が高いと思います。

 記事には、「同会は土地代金について、同会の定期預金4億円を担保に小沢氏名義で金融機関から借りた4億円の借入金を充てたと説明している」と明記されています。これは「政治団体名義の預金→個人名義の銀行口座→個人名義の土地」に4億円が流れたことになります。政治団体は非課税ですが、個人の土地購入は所得税などの課税の対象になる場合があります。

 平成16年10月29日というと、ちょうど5年前のちょっと手前です。

 根拠規定は別にあるのかもしれませんが、僕が所得税法を読んだ限りではこうなっています。

 231条の3は「その年において不動産所得~(略)の合計額が3000万円を超えるものは、(略)その翌年の3月15日までに税務署長に提出しなければならない」とし、231条の2は帳簿、領収書などは「5年間、(略)保存するものとする」とあります。

 ですから、この案件は2010年3月15日が実質的な“時効”ということになる案件だと思います。要するに、4億円が所得とみなされるかどうか、という問題だと思います。私はこの案件について、漠然とですが、かなり前から問題性に気付いており、民主党にとって“爆弾”になりかねないとかねがね心配しておりました。もうここら辺で書かないと、私としても限界です。この案件は、違法性というよりも、そもそも追徴課税されたら納税できるのかどうかという、より切実かつ世知辛い問題であります。

 さて、この案件、リアルポリティックスにおいて、最も重要なのは、「処分庁が財務省(国税庁)である」ということです。うがった見方ですが、財務大臣人事がもめたと報道されていますが、その政治家がかつて「代表-幹事長」としてコンビを組んだ「事情通」であることが影響していると私は推測しています。具体的なアクションにつながらなくても、このような情報をつかまれていると、政治行動が制限されます。

 それにしても「1月7日」だなんて、本当に脇が甘い政治家といわざるを得ません。だから40年やっても総理になれないのです。歳費だけのサラリーマン議員も魅力がありませんが、お金の出入りは、たとえ合法であろうが、目立った行動をするのは、政治家として自らしがらみを作ることにつながります。例え、まったく問題のないケースでも、あまりにも派手な身なりの人物と二人で歩くのと同じことです。

 この案件に関しては、政治団体の代表者が自ら取材に応じ、説明すべきです。青雲の志をもって自分の許に来た若者を潰すのはもうやめてください。


小沢幹事長、鳩山代表(総理)は役員会に出席しないと発言

2009年10月14日 01時03分25秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足


 民主党幹事長の小沢一郎さんは13日の党本部の役員会後に記者会見しました。

 この中でひとつ気になったことがありました。

 鳩山由紀夫代表(総理)が13日の役員会に出席しなかったのはなぜか?と問う記者の質問に対して、声を荒げて、

 「もう少し勉強してくれなきゃだめですよ、あんた。鳩山代表は日本国の内閣総理大臣ですよ。その人が一々、党の会合に出てくるわけがないじゃないですか。それどころじゃないでしょう、天下のことをやんなきゃ(いけないんだから)。もうちょっと、基礎的な勉強をしなきゃだめだよ」

 と答えました。

 実は小沢のオヤッサンには痛いところを聞かれると、2つの特徴が出ます。

 ①二人称が「あんた」になる。
 ②声を荒げる。

 ①は昨年11月17日朝突然、麻生首相との党首会談を発表し、その日のうちに首相官邸に乗り込んだ時。この会談で小沢さんは、麻生内閣が発表した景気対策案を補正予算案として年内に国会に提出できないということを明るみにしました。さすがの政局感ですが、この時の同席者は、彼が麻生首相を「あんた」と呼んだことに深い印象を受けたと証言しています。

 ②は代表辞任の記者会見のときに、日テレと契約しているフリーのN記者から「議員辞職はしないのか?」と問われ、声を荒げました。このやりとりについて、民主党内では「バカな質問だ」とN記者を非難する声が上がりましたが、TVジャーナリズムとしては、彼が興奮する様子を撮影できたわけで、ヒット質問と言えます。

 というわけで、「あんた」「声を荒げる」の2つの要素が噛み合うと、オヤッサンの本音が出る、痛いところを突かれたという深層心理がある可能性があります。

 橋本龍太郎首相(自民党総裁)の番記者をしていたとき、国会内3階の自民党総裁室で開かれる自民党役員会に毎回出席したり、冒頭あいさつだけして退席したりする様子を見てきました。加藤紘一幹事長の時代です。

 そこで改めて、新聞データベースを調べて初めて知りました。海部俊樹首相(自民党総裁)・小沢一郎幹事長だった時代、海部総裁は自民党の役員会に出席していなかったようです。自民党役員会にふれた記事はどれも、「西岡武夫総務会長が~」「議院運営委員会筆頭理事が~」というようになっていますし、首相動静にも出てきません。

 とはいえ、民主党代表は鳩山さんです。民主党代表兼内閣総理大臣です。

 鳩山代表は両院議員総会で選ばれ、鳩山首相は国会の本会議で選ばれ、天皇陛下が任命しています。

 小沢幹事長は鳩山代表から指名され、両院議員総会の拍手で了承を得ただけです。それでいて、小沢幹事長は役員会メンバーを輿石東・幹事長職務代行と2人で相談して決めたとしています。

 そうなると、民主党幹事長としての正統性はそんなに高くない。年間200億円の党予算の配分を決め随意契約し、国会法改正案を臨時国会に提出するかどうかの差配をするほどの権力者とは言えないでしょう。もちろん、党首と幹事長を別々に選挙で選んで失敗したのが、新進党の「海部党首・小沢幹事長」体制であって、幹事長を選挙するのは間違いです。

 小沢さんは、首相が党役員会に出席しているケースが多いということを知らないのだと思います。彼にあまり深い考えがあるわけではないでしょうが、民主党役員会を国会内役員室で開き、鳩山代表に冒頭だけ出席してもらった方が、幹事長としての正統性も高まります。

 彼の考えを深掘りしていくと訳が分からなくなるので、もう止めます。

 小沢さん特有のあいまいさが出たと軽く受け流しても大丈夫かも知れませんが、「あんた」と「声を荒げる」という2つの危険要素が出ましたので、念のため、書き記しておきたいと思います。


自立と共生の岡田外交始まる

2009年10月13日 15時29分21秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 [写真]朝日新聞・五十嵐誠記者撮影。ともに2009年10月11日カブールで、翌日付朝日新聞掲載。
 左=アフガニスタン大統領府内で行われたポリオ撲滅キャンペーンで、子どもを抱く岡田外相。右はカルザイ大統領。
 右=学校を視察し、子どもたちと教科書を見る岡田外相。

 官報を読んでいたら、国連総会の日本代表は岡田克也外相だったんですね。日本政治は9月は自民党総裁選が風物詩となっていたので、首相、外相が並んで国連総会に出席したときの外交ルールなど知る由もありませんでした。日本の存在感は、開会日に事務総長が鳴らす長崎の鐘だけだったのでしょう。

 岡田外相が9月28日の日中韓外相会談で上海を訪れた際に、中国の楊外相が「中国製冷凍ギョーザ事件を政治問題化すべきでない」と語ったことに岡田外相が譲らず、10月9日の北京での日中外相会談でも「ギョーザは子どものおかずだ」と解決を迫ったそうです。この後、鳩山由紀夫総理は翌10日夜、温家宝首相と、閣僚級の「日中食品安全推進イニシアチブ」の設置で合意しました。

 日本と中国が対等な立場であることが当たり前だと思っている人が多いようですが、これは聖徳太子が周りをハラハラさせながらも小野妹子を派遣して認めさせたからであって、聖徳太子がいなければ、朝鮮、ベトナムと同じく、日本も属国扱いされていたでしょう。

 岡田外相は北京からドバイ経由の民間チャーター機で、アフガニスタンに入りました。カルザイ大統領に「タリバン元兵士に生活費を支給して職業訓練する」案に意見を求めました。

 岡田外交を見て彷彿とさせたのは、16年前の新生党の基本理念である「自立と共生」という言葉を身を以て示している、と感じました。

 新生党が1993年7月1日発表した『日本の政治の再生のために』と題した立党宣言かつ選挙公約という慌ただしい文章。

 この文章は、「これまで自民党政権、派閥政治の中枢に身を置き、自民党一党支配や派閥政治の弊害に手を貸す結果となっていたことについて深く反省し、国民に率直に陳謝する」と始まります。今読み返すと、この部分には確実に、羽田孜党首の筆が入っていると思われ、改めて「羽田さんってすごいな」と思います。

 そのうえで、「自立と共生の社会の実現を目指」し、第40回衆院選で、「自民党に代わる政権をつくる」ことを国民に約束しました。そして、公約を実現させました。湾岸戦争の2年後に示されたこの「自立と共生」という基本理念は、国民一人一人に主権者としての自覚を求める厳しい考え方であるとともに、政府が果たすべき役割として「共生」を打ち出し、仮に自立に失敗した人も共生できる社会を理想像として打ち出した物です。この5年後に合流することになる鳩山民主党の「友愛社会」と根幹を共有した概念だと考えられると思います。

 タリバン兵士の自立と共生を求める岡田外交。岡田さんは言葉ではなく、態度で「自立と共生」の理念を示しているんだと思う。北京では、野党時代から地球温暖化(気候変動)に関する温室効果ガス削減目標について頻繁に意見交換をしている解振華“環境相”とも政権党・外相になってから初めて会談したそうで、野党かつ執行部外から責任ある立場で果たすべき仕事をしっかりと準備してきたことを証明しました。

 Wikipediaによると、アフガニスタンという国は、「最も標高の高い地点は、海抜7,485m のノシャック山である。国土の大半は乾燥しており、真水の入手できる場所は限られている。気候は大陸性で、夏は暑く、冬は寒い。また地震が頻繁に発生している。」

 世界最強のアメリカ軍といえども、こんな地形で戦争を継続できるわけがない。テロリストである夫を失った妻が生活を支えるためにテロ集団に身を寄せ、そして人間爆弾として出兵する。暴力の連鎖を止めるためには、罪なき兵士たちの「自立と共生」が不可欠です。

 50年先、100年先を見すえて「自立と共生」をうながす岡田外交が始まりました。

 ◇

 朝日新聞・五十嵐誠記者の打電によると、「現地警察に前後をはさまれた岡田氏の乗る防弾車が通る沿道には、50メートルごとに治安要員が立ち、危険とされる空港から市内への移動時には同行記者にも防弾チョッキの着用が求められ」ました。

 

[写真]アフガニスタン・ペシャワール(NHKスペシャル『菜の花畑の笑顔と銃弾』

 また次の訪問地、パキスタンでは、北西部の“シャングラ地区”というところで、軍の車列を狙ったとみられる自爆テロが12日発生し、少なくとも41人が死亡。岡田外相は同じ北西部でアフガニスタン国境近くののペシャワル(ペシャワール)の難民キャンプ視察を予定していましたが、中止したそうです。ペシャワルでは、「ペシャワール会」の民間人、伊藤和也さん(享年31)が昨年命を落としています。


新・税制調査会がスタート 代表なくして課税無し

2009年10月10日 15時51分34秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 新・税調が8日、スタートしました。

 「税制調査会(会長・藤井裕久財務相)」は26人の国会議員だけで議論します。会合はネット中継されることになりました。会合は(火)、(木)の午後1時半~3時(国会開催中は午後5時以降)。(金)を予備日とする。11月後半から年末まではほぼ毎日の開催となりそうです。

 内閣府の次のページから、リアルプレイヤーで見ることができます。 
http://www.cao.go.jp/zei-cho/chukei/chukei.html

 これまでの政府税制調査会(香西泰会長)と民主党税制調査会(藤井会長)は廃止されました。

 初会合で、来賓である鳩山由紀夫総理は「これまでは、ややもすると党税調の方が強かった」「議員だけで構成するのは画期的だ」としました。26人の議員に向かって、「税こそが政治家が議論しなければならない最大のテーマだ」とハッパをかけました。

 藤井会長は「(来年度)予算の方は年内編成をするとハッキリ打ち出していますので、その側面である税制についても年内編成である、という認識でよろしくお願いします」と述べました。当たり前のことですが、今までの税制審議ではなあなあになっていた部分なので新鮮さを覚えました。

 国会議員だけで議論することも画期的ですが、国税と地方税を対等の立場で議論することも画期的で、今後の地域主権に大きく影響していくことが予想されます。

 地方税を担当する総務省の原口一博大臣が会長代行、渡辺周副大臣が企画委主査代理、小川淳也政務官が企画委事務局長代理とそれぞれ、財務省政務三役とコンビを組みます。

 原口総務相が「この歴史的な一瞬に鳩山総理、(民主党の)同志のみなさんと立ち会えたことを誇りに思います」というあいさつは、まったく大袈裟ではない。

 税制の企画については、国税を財務省主税局、地方税は総務省自治税務局が分け合っています。この国税と地方税をめぐる綱引きは、旧大蔵省・旧自治省時代から“50年戦争”と呼ばれてきましたが、やはり財務省の方が強く、国税の偏重を招きました。

 一つの例があります。自治官僚出身者でただ一人、大蔵大臣になった人がいます。村山自社さ内閣の武村蔵相です。霞が関の“掟破り”の人事の果てに、どこの雑誌だか知りませんが、横文字の雑誌で、「今年の“世界大蔵大臣ランキング”で日本のタケムラがワースト1位になった」ことがあります。各新聞に囲み記事がりましたが、これは大蔵省の官僚が記者にリークしたに違いないでしょう。この年以降に「世界大蔵大臣ランキング」なんて聞いたことありませんからね。

 話を戻しますと、国が税金を徴収し、地方にお金を配る今の“国のかたち”では、中央集権も天下りも無くなりません。会合で、原口総務相は「まさに税というものは、国と地方のあり方、国のかたちを決める根幹であります」と言いました。

 税調の企画委主査の峰崎直樹・財務副大臣は事務連絡で、

 ①議論は全員が参加するが、運営など重要事項は企画委員会が議論する
 ②司会は、国税の案件は峰崎財務副大臣、地方税の案件は渡辺総務副大臣。
 ③各府省の国会提出法案で、税制が関係する場合は事前に税調に連絡する。
 ④税制改正要望は各府省の副大臣が10月30日までに税調に提出する。
 ⑤粗特見直しについて、各府省は11月中旬までに論点をまとめて提出する。

 と連絡しました。

 この後の、質疑応答で、さっそく面白いやりとりが出ました。

 「税調に属する議員以外への情報の周知徹底はどうするのか?」と質問が出ました。峰崎主査は「各府省の政策会議で説明して欲しい」としながらも、「財務・総務副大臣から全議員にこういう方針で進めますよ、という周知徹底の場は必要かなと思っている」と付け加えました。

 すかさず、原口総務相が発言を求め、「かつての『依存と分配の政治』では党税調が重要だった。党の議員のみなさんにつまびらかに説明するということと税調で議論することはまったく別だと思っています。自民党税調のようなものをつくってはいけない」と念を押しました。

 増子輝彦・経産副大臣は「そうしますと、この税調にかかわっていない議員のみなさんの考え方や意見というのは、各省の政策会議をそれぞれ通して、まとめてこい、という理解でよろしいでしょうか」と確認すると、峰崎主査は「その通りです」と応じました。

 さて、イギリス国民たちは、国王が身勝手に税金を課さないよう、国民の代表が議論する権利を国王に認めさせました。これが国会の誕生であり、議会の発明です。

 「代表なくして課税無し」は税制の基本であるばかりか、国会および政治にとって、最大の存在意義です。

 新・税調は、まずは粗特(租税特別措置法)の透明化や、これも粗特法で定められているガソリン税(揮発油税)の暫定税率の撤廃、中小企業減税などを議論していくことになります。

 ◇

【税制調査会委員名簿】

会長
 財務大臣 藤井裕久○

会長代行
 総務大臣 原口一博○
会長代行
 国家戦略担当大臣 菅直人○

企画委主査
 財務副大臣 峰崎直樹○
企画委主査代理
 総務副大臣 渡辺周○

企画委事務局長
 財務大臣政務官 古本伸一郎○
企画委事務局長代理
 総務大臣政務官 小川淳也○

委員
 財務副大臣   野田佳彦○
 総務副大臣   内藤正光○
 財務大臣政務官 大串博志○
 総務大臣政務官 階 猛○
 内閣府副大臣  古川元久○
 内閣府副大臣  大塚耕平
 内閣府副大臣  大島 敦
 法務副大臣   加藤公一
 外務副大臣  武正公一
 文科副大臣 中川正春
 厚労副大臣 長浜博行
 農水副大臣 山田正彦
 経産副大臣 増子輝彦
 国交副大臣 馬淵澄夫
 環境副大臣 田島一成
 防衛副大臣 榛葉賀津也
 国家公安委員長 中井 洽

オブザーバー
 社民党政審会長 阿部知子○
 国民新党政調会長 下地幹郎○

(注)○は企画委員会のメンバー。


参院民主党は高嶋幹事長 輿石会長、総評で固める

2009年10月07日 13時12分09秒 | 第172特別会(2009年9月)鳩山政権発足

 少し、遠慮がないのではないでしょうか。

 参院会派「民主党・新緑風会・国民新・日本」は6日、ホテル小涌園という大衆的な場所で研修会を開きました。

 この場で、輿石東会長が参院執行部の新体制を発表しました。幹事長に高嶋良充さんを指名しましたが、この人は(旧)総評系産別「自治労」の書記長だった人です。

 参院議員会長は通常国会終わりの6月に選挙をしていますが、昨年は他に立候補者がいなくて輿石さんが再選しています。輿石会長が総評系の日教組、高嶋幹事長が総評系の自治労ということで、総評コンビで固めたことになります。おそらく参院民主党の歴史で、会長と幹事長が総評で占められたのは初めてではないでしょうか。

 そして、(旧)同盟系のUIゼンセン同盟の平田健二さんは参院国対委員長に、コンビを組む参院議運・筆頭理事に同盟の自動車総連(日産労組)の池口修次さんが就きます。議運・国対は同盟コンビが責任を持つことになりますが、これでは「同盟が餅をつき、座りしままで食うは総評」ということになりかねない。

 自治労は前回参院全国比例で50万票をとりましたから、この論功行賞で、参院選シフトなのでしょうが、来年の通常国会は3年に1回来る「延長できない通常国会」です。与党として法案審査をするのですから、来年6月辺りの参院はトコロテン方式にどんどん法案を可決しなければいけない状態になると思います。参院執行部の意思疎通は欠かせません。ここで会長・幹事長を総評で固めてしまうとは、輿石さんも遠慮がなさすぎるのではないでしょうか。

 「総評か、同盟か」というのは、派閥力学の問題ではありません。「ノリ」が違うのです。これは実は根深い問題です。日教組は都道府県職員である公立学校の教員、自治労は地方公務員・社保庁職員が作っていますから、ともに公務員で、身分は安定しています。

 一方、ゼンセン同盟は東レやイオン、武田薬品工業、三陽商会、丸大食品という日本の繊維産業および第三次産業の働く仲間を網羅しています。自動車総連はトヨタ本社正社員に限らず周辺産業第一次産業の工員、第三次産業としては新車ディーラーの営業マンはおろか、カーリースの社員だって組合員です。

 参院議員として代弁すべき出身母体の働く仲間が違えば、政治家としての行動様式が違うのは当然。民主党・新緑風会の118人全員の力を引き出せる人事配置とは思えません。輿石会長に遠慮がみられないのは残念なことです。