【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【れいわ新選組】デモ隊初めて渋谷スクランブル通過で「(明日からの)インボイスやめろ」「消費税廃止」大成功のもよう衆院選比例で勢い増す

2023年09月30日 18時22分10秒 | 第50回衆院選(2025年11月より前)
[写真]渋谷スクランブル交差点で、デモ隊の外の人を煽る、山本太郎れいわ新選組代表、きょう2023年9月30日、同党公式YouTubeチャンネルから宮崎信行がスクリーンショット。

 山本太郎代表が率いて、2019年から政党となった「れいわ新選組」は、「消費税インボイス導入」を翌日にひかえたきょう、令和5年2023年9月30日、「デモ・アンド・おしゃべり会イン東京都」を開催し、成功したもようです。かなりの大成功をおさめたように、みえました。

 デモ隊は、警視庁が先導して、渋谷駅前の「スクランブル交差点」の駅から見て向かい側も通過する異例のルートが認められました。関係者によると、同党の渋谷スクランブル交差点でのデモ隊通過は初めて。

 山本代表と大石あき子衆議院議員は、デモ隊の先導のトラックと、最後尾のトラックに分担して乗りました。付き従う警視庁警察官からの「トラックの荷台で立ち続けないでください」という趣旨の保護に従いつつ、「消費税廃止」「お金を回せ」とシュプレヒコールを上げました。山本代表が「インボイスやめろ」とコールした際には、デモ隊からとくに大きな拍手があがったようにみえました。

 山本代表は「消費税廃止」のほかに「税金(税率)下げろ」とも語りました。

 同党は、既に広島県でのデモを終えており、今週は、維新の拠点の大阪府、地方議員がいる沖縄県などでも開催。二大政党制のメッカ大分県、明治維新の勝ち組・鹿児島県での開催日程も決まっており、連日のようにデモを繰り広げています。

 渋谷デモの参加者とみられるX(旧ツイッター)では「沿道の人達が皆のりのりで手を振ったりいい感じ」、「あのタイプが嫌いな層の眉を顰めさせていたが、参加者には若者も多く、支持者数を着実に伸ばしているように見えた。岸田の不人気も影響しているか」といった感想がありました。

 同党は、日本円建て日本政府の国債は、日本銀行券で消費される限りは無制限に発行できるとする「MMT」(現代貨幣理論)を10政党で初めて提唱し志浸透させたことで、経済政策の説得力が増しています。円安による物価高と自民党支持者優遇の補助金の批判が出てきたことから、MMTの両輪である積極財政ではなく、消費税廃止に政策の軸足をずらすことになりそうです。

 10政党の中では、同じ日に政党になった「政治家女子48党」が元代表の立花孝志元参議院議員の11兆円ともされる債務問題で統一地方選以降大失速。きょねん政党になった「参政党」も公認候補予定者を11人発表しつつ、11人の辞退・取り消しを同時に発表する「11増11減」となるなど難航しています。

 一方、立憲民主党も自治労・日教組OBの支持者が多いこともあり、消費税の廃止に踏み込めない構造となっています。岸田文雄首相は「増税メガネ」とのあだ名がついて、あすインボイス導入を迎えます。国税庁職員も含めた消費税務申告での大混乱はひっし。

 情勢調査では、第50回衆院選で、れいわ新選組は、比例ブロック(全部で11)のうちいくつかで1議席をとり、全体で、今の議席か、あるいはそれ以上の当選者を出すのではないかとみられています。参院選ではさらに拡大する可能性があります。

 山本さんが、両院や都知事選を行き来して、浮動票を獲得したり、寄付金を集めたりする構造から、MMT理論の受け入れで、一歩踏み出したかっこうで、比例票の上積みが確実な情勢となってきました。

 以上です。

【閣法】失敗続きのJAXAの民間出資基金のための改正法案を来月の第212回臨時国会に提出へ

2023年09月29日 17時06分17秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]高市早苗・宇宙政策・経済安保相、おととし2021年9月、都内で、宮崎信行撮影。

 失敗が続いている、JAXAが民間企業に出資する基金を新設する「国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構法改正案」が来月の臨時国会に提出されるはこびとなりました。

 宇宙政策担当相は、留任した、高市早苗経済安保相なので、高市さんが答弁すると思われます。ことし3月の「超一級の行政文書」をめぐる国会騒動は沈静化したとみられ、女性閣僚5名のうち他の閣僚が炎上必至となっていることから、高市さんの国会審議はスムーズにいくかもしれません。

 JAXAの財務諸表を見ると、現預金を1000億円以上持つキャッシュリッチ法人。ロケットが列島に落ちてしまった場合などに備えて内部留保を厚めにしているのかもしれませんが「補助金より減税」を求める世論が急加速しているため、法案の内容そのものの批判もでそうです。

 以上です。

【閣法】国立大学法人法改正案が来月の臨時国会に提出のはこび、東京工業大学・東京医科歯科大学統合

2023年09月29日 16時56分53秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]文部科学省、5年前の2018年、宮崎信行撮影。

 来月20日召集とみられる第212回臨時国会に「国立大学法人法改正案」(212閣法 号=未提出)が提出されるはこびとなりました。

 「東京工業大学」と「東京医科歯科大学」をおよそ1年後に統合させるため。法律の「附則の別表」に固有名詞が入っているため、附則を改正する附則を新設したり、ついでに本則も書き換えたりするような法制執務となりそうです。

 7回の質問権を行使した永岡桂子前大臣から引き継いだ盛山正仁・文部科学大臣は、旧統一教会の会合出席について説明をしておらず、解散請求権の行使に前後して、野党がかけひきの材料として、審議が年末まで長引くこともありそうです。

 以上です。

【閣法】首相、2024年通常国会に「トラック運転手の賃上げ法案」を提出へ

2023年09月29日 16時46分50秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]矢田わか子首相補佐官=左胸は「前議員バッジ」きょねん2022年12月、内閣府8号館で、宮崎信行撮影。

 日本やアメリカで、陸上輸送の運転手が不足する「2024年問題」で、首相はきのう、都内を視察し、「賃上げ原資の確保のための適正な運賃の収受などに向けて、次期通常国会での法制化、これも進めていきたいと考えています」と語りました。

 令和6年1月召集の通常国会に、「トラック運転手賃上げ法案」が提出されるはこびとなります。

 国土交通省なのか、公正取引委員会なのかは不明です。
 また、バス運転手の人手不足も深刻ですが、地方公務員が多いため、別建てとなると考えます。

 首相の視察には、矢田わか子・賃上げ担当首相補佐官と斉藤鉄夫国土交通大臣も同行しました。

 以上です。

参議院公明党は女性初の竹谷とし子国対委員長、森屋宏官房副長官は斉藤嘉隆立憲幹部に挨拶

2023年09月29日 16時32分29秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]竹谷とし子・参議院公明党国対委員長、きょねん2022年6月、都内で、宮崎信行撮影。

 参議院公明党(西田実仁会長)はきのう令和5年2023年9月28日、新しい国会対策委員長に竹谷とし子さんを選出しました。

 幹事長は引き続き、谷合正明さん。

 竹谷さんは「フードロス基本法」で超党派の調整をしたことがあります。

 東京選挙区で「教科書無償化」で知られる柏原ヤス参議院議員が1959年に初当選してからの64年間で、女性の国対委員長は初めてとなりました。

 参議院では、女性の舟山康江さんが「国民民主党会派」の国対委員長をつとめたことがあります。自民党本部の新しい正副国対委員長(参議院2枠含む)は17名全員男性となりました。

 参議院の場合は、自民党と立憲民主党の2つの大きい会派の国対委員長だけで、予算委審議や法案採決の日程を合意するのが慣例。以前の公明参・国対委員長から不満が出ましたが、連立政権となっても、権能は限定的となります。

 が、多選議員が多い参議院公明党では、政審会長になった議員はその後、会長などに昇進せず、県本部代表、党本部の中央統制委員長や新聞拡大委員長をつとめて引退するケースが目立ちます。今回、竹谷さんと同期当選の石川博崇さんが政審会長にまわりました。

 埼玉県選出の西田会長と、東京選出の竹谷国対委員長のラインが主流になったと考えられます。会派運営にまったくかかわっていないとされる、東京選出の公明党代表・山口那津男参議院議員とあわせて、「埼玉・東京組」が参議院会派でも主導権をにぎったといえそうです。

 次の第50回衆院選をめぐって、公明党の「大阪・兵庫組」について絶望的な情勢だと分析する向きもあり、参議院会派でも「東京・埼玉組」が主流となったことは、来年9月の次の党代表・幹事長選びにも影響を与えそうです。

●森屋宏官房副長官が斉藤・立憲幹部にあいさつ

 森屋宏官房副長官は、きのう28日、参議院立憲民主党で国会対策委員長を通常国会でつとめていた、斉藤嘉隆さんに挨拶に訪れました。先の通常国会では、「欠席に厳しい日教組」として、ガーシー氏の除名で与党より先走るといった強い影響力を見せただけに、「森屋・斉藤ライン」の日程連絡がスムーズにいくかどうかが、会期末の与党取りこぼしの攻防をうらなうことになります。


[写真]森屋宏官房副長官、おととし2021年9月、都内で宮崎信行撮影。

[写真]参議院立憲民主党の斉藤嘉隆さん、きょねん2022年11月、衆議院第二議員会館で、宮崎信行撮影。

 以上です。

「年間4万5000円」の国民民主党特別党員新設で榛葉幹事長「選挙ボランティアできないからという人多い」も議席増への効果は不透明

2023年09月29日 15時55分53秒 | 大縄跳びの内側から
[写真]榛葉賀津也・国民民主党幹事長、先々月2023年7月、衆議院第一議員会館内で、宮崎信行撮影。

 国民民主党は、2023年10月16日から「特別党費年間4万5000円」の「特別党員」を新設することになりました。

 党費では、日本共産党が「実収入の1%」で「給与所得者、年金受給者は、総収入から所得税、住民税をさし引いた額の1%」としています。

 国税庁が今週発表した昨年の平均給与が458万円(前年比2・7%増)です。国民民主党特別党員は「額面の平均給与の1%」に相当する額なので、日本政党史上、非議員党員として最高額の党費といえそうです。

 榛葉賀津也幹事長はきょう(2023年9月29日)の記者会見で「特別党員というのは、国民民主党にお金がないのはみんな知ってますから。少し応援するよというですね、温かい方々は、ぜひご自身の可能な範囲内で、党員ですと6000円ですけど、それ以上のですね、ぜひ支援金をいただいて、国民民主党を応援してくださいという制度です」と話しました。

 そのうえで、最近の日本の民主政治の現状をふまえて、「ボランティアもされる方もいれば、なかなかボランティアできないんだけど、ファイナンス上で応援するよという方はぜひお願いしたいと思います」と述べました。

 少子高齢化といいますが、日本で雇われて働いている人の人数は6000万人を超えた史上最多となっています。このため、解散制度の衆院選のボランティアをできる人が減っています。立憲民主党のボランティアの一部からは、長期的な課題として、ウグイス嬢、運転手以外の、ビラ配り・マイクで声出し・幟台運びなど力仕事・電話掛けなどの選挙運動員も「有償」ということを考えた方が、今の日本経済の状況における間接民主政治のために良いのではないか、との声も出ています。

 このような声も踏まえて、国民民主党は特別党員制度を考案したとみられますが、議席増への効果はまるっきる不透明としかいいようがありません。

 情勢分析では、国民民主党は第50回衆院選で、小選挙区で新人がいくつか、区議が多い東京などの比例代表ブロックのいくつかで1増などを積み重ねて、3割程度議席を伸ばすのではないかとの見立ても出ています。

 以上です。

細田議長辞任へ 第212回臨時国会は、令和5年2023年10月20日(金)に召集、翌々日に補選

2023年09月29日 15時22分28秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
[写真]衆議院議長の選挙をとりしきる見通しとなった、海江田万里衆議院副議長、9年前の2014年7月、宮崎信行撮影。

 16日前に「第212回臨時国会は令和5年2023年10月16日(月)に117日ぶり召集の公算、改憲発議議論の年越しは確定」という記事を書きましたが、第212回臨時国会の召集は、令和5年2023年10月20日(金)となりそうです。22日(日)に補選。23日(月)から25日(水)まで本会議代表質問となりそうです。

 細田博之議長が辞任する見通しとなりました。召集初日に海江田万里副議長が議長選挙をとりしきることになりそうです。

 「黄金の3年間」初の第211回通常国会は6月21日に閉会しましたので、夏休みは4カ月という異例の長期間となりました。

 岸田文雄首の自民党総裁再選は確実視されています。仮に首相が10月に解散したら、第50回衆院選での自公の過半数はゆるぎなく、2027年9月までの6年間の長期政権となります。

 以上です。

枝野幸男前代表が怪気炎をあげて健在アピール「例えば12月24日投票だと、政権が変われば、一から補正予算を組み立て直さないといけない」からと第1次補正予算案と第212回臨時国会せかす

2023年09月28日 21時57分29秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]枝野幸男さん、おととし2021年8月、国会内で、宮崎信行撮影。

 立憲民主党前代表の枝野幸男さんは、きょう2023年9月28日の自らのYouTube番組で「岸田文雄首相は国会の論戦なんかから逃げ、補正予算案をすっ飛ばさない限り年内の解散がないできないにもかかわらず、それを模索している、まさに政局優先という発想をしており、真面目な姿勢ではない」とし岸田自民の姿勢を批判しました。

 枝野さんは「来年の予算編成というのは12月にやらなければならない。例えば12月24日投票ですと、政権でも変われば、もう一回、一から補正予算組み立て直さなきゃならない」と怪気炎をあげ、第50回衆院選で立憲民主党が政権をとった場合のことも考え、早めの補正予算案の編成・提出・審議・成立をうながしました。

 「新しい経済対策5本柱」について枝野さんは「私はこの物価高対策という意味では、本質の議論がやっぱりなされていないということを大変危惧します。久しぶりに賃金が大幅アップしたといいながら、それ以上に物価が上がっています。ですからこれは(実質)賃金が上がったと言えないんですよね。物価が5%上がっていたら賃金が8%上がって初めて3%賃金が上がったと言えるわけで、物価が5%上がってるのに3%しか賃金が上がってなければ、実際に使える手取りのお金の価値が下がる」とし、「そもそも物価が上がっている状況を変えるということが今必要なんですが、そのための対策は一切出てきていない」とし、日銀の金融政策に言及しない柱立てを批判しました。

 「150議席を得れば退陣する」ことを明言している泉健太代表(49歳)や、重徳和彦議員(52歳)の「直諫の会」には言及しませんでした。枝野さんは「オリンピックベービー」で59歳。

 泉代表・岡田克也幹事長らは、枝野さんには応援演説は自由に回ってもらったり、「もふもふ党」と呼ばれるSNSを軸に枝野さんの演説の現地動画を上げる「推し活」に敬意をを表したりして、警戒感なく自由な政治行動に期待しており、良好な関係を保っています。

 以上です。

あす(9/29)東京電力福島第一原子力発電所を視察、立憲民主党の復興本部・部会・福島県連

2023年09月28日 18時19分02秒 | 立憲構成員である読者を想定した2021-22選挙・組織情報
[写真]小宮山泰子・立憲民主党衆議院議員、きょねん2022年8月、宮崎信行撮影。

 立憲民主党はあす2023年9月29日に、復興対策本部・政調復興部会・福島県連の3者が合同で、東京電力福島第一原子力発電所を視察する予定だと発表しました。階猛、小宮山泰子、金子恵美の3衆議院議員のほか、福島県連所属の地方議員らが参加。ALPS処理水海洋放出が始まった以降の同党の福一視察は初めてとみられます。

 以上です。

自民埃だらけ 第2次岸田第2次改造内閣

2023年09月28日 16時53分30秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
 2012年12月の政権再交代から10年半が過ぎ、第3次与党期の自民党が埃だらけの様相となりました。

 今月13日に発足した、第2次第2次改造内閣の閣僚及び小渕選対委員長の報道が続いており、女性5閣僚のうち、加藤鮎子・土屋品子・自見はなこの3大臣とも政治とカネが報じられました。加藤、自見、両氏は野党時代を知らない議員で、党内のやっかみもありそう。

 当選5回の木原稔防衛大臣のコンサルタント、秋本真利衆議院議員と風力発電・競馬組合・コロナ給付金の報道も続いています。

[写真]2023年5月3日撮影。

 政権与党の乱れは、世の中にも波及しており、歌舞伎町では、朝8時半から、キャバクラ・ガールズバーの客引きをする男が出没するしまつ。民主党政権では見られなかった光景です。

 埃だらけとなりましたが、私は289小選挙区を精査していますが、立憲民主党単独で小選挙区の過半数をとるのは困難な状況。例えば、弁護士会副会長の肩書を持つ新人でも、過去の票をたどると、自民党現職を小選挙区で逆転するのは厳しいと思われます。

 今後の政治日程は、10月22日(日)の長崎4区と徳島・高知合区の2つの国政統一補選となりますが、自民全敗の観測もあります。その場合は、来年9月の自民党総裁選より前の解散総選挙はないとみられ、自民党税調と官邸・財務省だけによる国会不在の政治が当面続くものと考えられます。

 以上です。

【閣法】「食糧増産命令法案」が「基本法案」から切り出して通常国会提出か「食料・農業・農村基本法改正案」は早々に農水省が有識者の最終とりまとめを決定

2023年09月27日 23時44分52秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]宮下一郎農相、4年前の2019年2月、長野県長野市で宮崎信行撮影。

 農林水産省は、今月2023年9月11日に「食料・農業・農村基本法」の改正の審議会が最終とりまとめを出し、野村農相(当時)が受け取りました。来年1月の通常国会に法案が出ますが、異例の早い日程で、森山裕・自民党総務会長らの自民党内チームが、事前審査でもむことをねらっているとみられます。

 法案提出よりも以前のことし中に、政府与党が予算付けで既成事実化するメニューもあるかもしれません。

 最終とりまとめは、次のような文章が入りました。

 最終とりまとめは「不測時に国民が最低限度必要とする食料について議論した上で、食料安全保障のリスクに応じ、備蓄の放出、買い占めの防止等の初期的な対応に加え、増産指示や流通規制、調達の指示、究極的には食料の配給等、様々な措置が考え得るところであるが、現在、不測時の対応の根拠となる「国民生活安定緊急措置法」や「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)等で十分な対応を講じられるのか、必要な義務的措置やそれに関連する財政的な措置等の必要性等について、再度検証を行うべきである」と書き込まれました。

 このため、来年の通常国会には、基本法改正案と別に、「国民生活安定緊急措置法及び主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」を改正する法案または、食糧安全保障新法案が提出されることが、ほぼ確実視されることになりました。

 九州・畜産族農相が続きました。内閣改造で、長野県選出では、羽田孜農相、若林正俊農相に続くおそらく3人目、宮下一郎農相が誕生しました。「南信」からは史上初の農相である可能性が高いです。が、衆議院北陸信越ブロック5県で唯一同県だけ「コメ」が県別出荷額首位ではなく(3位)、宮下さんの長野5区は、殖産興業の発展の地であり、人口に占める第1次産業従事者の割合は10%未満のようです。

 省の増産要請に応じたら助成金がJAを通じて振り込まれるしくみはありますが、「増産命令」となると、太平洋戦争時の国内の芋をほうふつとすることにもなります。宮下農相のお父さんは、どちらかといえば明治維新で辛酸をなめた地域が多い長野県ではおそらく唯一の陸軍士官学校に入学した(終戦で東大法学部→大蔵省)経験がある国会議員経験者であり、農業者から異例の高支持となっている「2013年からの自民党の増収農政」が曲がり角を迎えるかもしれません。

このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
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【閣法先送り】「日本版DBS法案」は次の臨時国会から来年に先送りへ、加藤鮎子大臣の「政治とカネ」

2023年09月27日 23時19分58秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]財布から現金を取り出す、加藤鮎子・こども家庭庁担当大臣、4年前の2019年、宮崎信行撮影。

 前大臣が第212回臨時国会(召集日まったく不明)への提出を断定に近いかたちで述べていた「日本版DBS法案」が、加藤鮎子大臣の「政治とカネ」の追求を避けるために、来年に先送りになりそうです。
 加藤さんはきのう(2023年9月26日)の定例閣議後記者会見で、「提出断念等々を書かれた記事報道については承知をしておりますけれども、現在ご指摘の法案のスケジュール等については定まったものがございません」と述べました。

 女性記者から「党内からは大臣が就任直後に政治とカネの問題で対応に追われていて、日本版DBSの調整がそれによって進まなかったのではないかと指摘する声がありますが、ご本人としてどのように受け止めますでしょうか」とつっこまれた加藤さんは「繰り返しになりますけれども、現在その法案のスケジュールと定まったものがございません。ということを繰り返し申し上げたいと思います」と防戦一方となりました。

 保育士の求職者が、性犯罪歴がないことの証明書を提出する制度で、「DBS」はそれをつかさどる行政機構・組織のことを意味しているようです。先々月26日の「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」では「早期の法案提出を目指して検討を加速する」とありました。

 加藤大臣は、筆者も入閣前から気づいていた母への月家賃15万円、パーティー券収入の間違った政治資金収支報告書への記載、未成年者も被害者となった破産業者社長との夫妻での親しい写真などの不適切な事案が続出。筆者が「日本一金に汚い政治家」と認識していた、故・加藤紘一官房長官の「親譲り」となっています。加藤の乱では、森喜朗首相の比ではない加藤氏のカネの汚さを知らない有権者が多く、私は閉口していました。

 また、女性閣僚が5人いることから、加藤鮎子(政治とカネ)、土屋品子(秘書問題)、自見はなこ(不倫略奪婚)の3大臣が集中砲火を浴びつつ、上川陽子、高市早苗の2大臣は安泰というかたちで、マスコミ・野党が「女性差別批判」をさけることが地合いとなっていきそうです。

 以上です。

首相、維新と「万博心中」決意か、経団連会長の証言「岸田さんの 鬼気迫る表情を見ましたのは私も100回以上官邸の会議に出席しておりますが初めて」」

2023年09月27日 23時04分16秒 | 第50回衆院選(2025年11月より前)
[写真]馬場さんは去年2022年5月、岸田さんはおととし2021年10月、ともに大阪府堺市内で、宮崎信行撮影。

 日本維新の会が主導しましたが、岸田自民も「維新・自民万博心中」でもするかのような状況になってきたようです。

 第1次補正予算案(指示日・提出日未定)で、再来年の「2025年大阪・関西万博」の開催費用が増額補正されるとの観測が高まっています。

 「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」の十倉雅和会長は、ちょうど1週間前、2023年9月20日の「共同通信きさらぎ会」で経団連会長の立場で講演しました。質疑応答で神戸新聞記者からの問いに答えて、「岸田さんの 鬼気迫る表情を見ましたのは私も100回以上官邸の会議に出席しておりますが初めてだった」と証言しました。

 先月4日または31日の「大阪・関西万博に関する関係者会合」のことだと思われます。

 十倉さんは次のように発言しました。この部分が文字になるのは、当ニュースサイトが初めてと思われます。

 十倉さんは「現在の 万博の 厳しい状況をみんなでよく認識しようと、なんとかして仕上げるということで、先般、官邸において岸田総理のリーダーシップで関係者会合が立ち上がりました。私も出席いたしました。岸田さんの 鬼気迫る表情を見ましたのは私も100回以上官邸の会議に出席しておりますが 初めてであります。経産省をはじめ国交省、外務省これ総動員で官邸も日本国のこれプロジェクト 万博でありますから総力を上げて海外の折衝にあたりますし、(パビリオンの)建設支援もやっていくと。(貿易)保険の適用も積極的に行うということで進んでおります。今やもう、そのどう言いますか、危機とかそういう状態ではなくて皆さん、まなじりを決して、不退転の覚悟でこれを成し遂げるという意気込みで、地方、政府、協会内も石にかじりついても再来年の4月13日に、これを成し遂げてまいります」

 と語りました。


[写真]十倉雅和さん、先週2023年9月20日、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急で、宮崎信行撮影。

 維新の馬場伸幸代表の求心力が問われる事態に、岸田さんは、菅義偉前首相からの申し送り事項もあるのか、第50回衆院選を前に維新に貸しをつくるのが得策だと考えているのか。

 いずれにせよ、維新、岸田自民、経団連・関経連など万博協会と企業による「一蓮托生」のムードが出てきました。

 立憲民主党の岡田克也幹事長はきのう(2023年9月26日)の記者会見で、次のように語りました。

 岡田さんは「これは、ことしの1月に安住国対委員長と私は維新に請われて現場に行きました。視察をした後、そこには副知事もおられましたし、協会関係者、幹部もおられました。私はあえて聞いたのです。いろいろ説明いただいたが、それは結構だが、予算の範囲内でできますね、と。「できます」と明確に答えられました。それがまだ1月のことですから、これだけ多額の増額が必要だというのは、あのときのことは一体何だったのだろうかという思いがしてならないわけです。誰が負担すべきかといえば、それはやはりまずは額を本当にそれだけたくさん必要とするのかどうかと。かつてはパビリオンの屋根の形を見直すとかいうことで圧縮したこともありましたよね。いろいろな工夫をする中で何とか予算の範囲内でできないのかということを、まずは努力すべきだと思います。それは維新が日頃強調されていることにもつながることではないかと思います。その上で、どうしてもそれではできないということになったときに、私は基本的にはやはり国ではなく大阪、それから大阪を中心とする経済界、そこが負担するのが本来ではないかと。国民にまで負担をお願いするということであれば、きちっと説明してもらいたいと思います」

 と語り、釘をさしました。

 筆者は、「国際科学技術博覧会」「神戸ポートアイランド博覧会」「横浜博覧会」の3つに行ったことがあります。しかし、「日立館」「三菱館」にせよ、別々に映画館をつくって、映画を見るような感覚でした。常磐線万博臨時駅で体育座りしたり広場で大型スクリーンのズームインカメラに映るように走り回ったり、コスモクロック21観覧車に乗った記憶しか、正直ありません。「つまらない」との声もたびたび聞きました。

 「宇宙食の試食」は振り返れば当然ですが、まずかったです。「宇宙ペンを入館者全員にもれなく差し上げます」は特殊な万年筆にすぎませんでした。1970年大阪万博の「月の石」がありましたが、2023年の人類は「宇宙へのあこがれ」が薄い。建設に関しては、2021年の東京オリンピック会場はペンキ職人が都内から掛け持ちで毎夕通い、前日やり残したところからやりましたが、大阪市内で仕事をしてから掛け持ちで夢洲に移動するのは、いくら高速が開通済みとしても、無料シャトルバスを超えた対応が必要のように思います。

 現在、「維新が3票のばせば自民が2票、立憲が1票減る」という方程式が見えつつあり、第50回衆院選(再来年2025年10月以前)で、維新・岸田自民「万博心中」がボディーブローのように利いて、両党の47都道府県の得票率の伸び悩むことも予想されます。

 以上です。

野党6党1会派が「臨時国会を早期に召集することを強く求める合意文書」を提出

2023年09月27日 22時04分08秒 | 第212回秋の臨時国会 2023年秋
 日本には政党が10あり、与党が2党、野党が8党ですが、このうち衆議院に議席がある野党6党と1会派(有志の会)の国対委員長がきょう2023年9月27日、会談しました。ここで「臨時国会を早急に召集することを強く求める合意文書」に、7人の国対委員長がサインしました。報道によると、維新と国民が憲法53条に基づく召集要求書は拒んだようです。

 立憲の国対委員長が、自民の国対委員長に提出しました。

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元代表の立花孝志元参議院議員が民事再生法を申請したと弁護士村岡氏、債務総額は11億円との観測も、「政治家女子48党」(大津あやか代表)の政党交付金の財源は完全にデカップリング

2023年09月27日 18時00分49秒 | その他
 大津綾香(大津あやか)=非議員=代表が率いている2019年からの政党「政治家女子48党」について、元代表で創設者の立花孝志・元参議院議員が「11億円ではないか」(報道など)ともされる債務の返済が滞っていることについて「債権者説明会」がきょう2023年9月27日開かれ、「弁護士の村岡氏」が「民事再生法の手続きを既に申請した」と語りました。

 政治家女子48党の政党交付金の財源は完全に恒久的にデカップリング(無関係だと明らかになり切り離)されたとみてよさそうです。

 村岡氏は「大津代表から代表権を取り戻すために、1年から2年以上かかるかもしれない」とし、4000万円の最大債権者の個人の代理人に村岡氏がついたとして「民事再生法を申請した」と述べました。

 立花氏は、斎藤参議院議員とともに座り、「お金のことなので、人を傷つけたわけではなく、ちょっと返済を待ってほしい」とし、11億円を返済できると強弁しました。

 今後、裁判所が民事再生計画をつくりますが、政党交付金を使った「玉突き返済」を除けば、11億円ともされる債務の返済は極めて難航するとみられます。

 中央選挙管理会・総務省は、今月「名称変更届は、権限のある代表者によって提出されたものであることへの疑義が解消されない 」(【中央選挙管理会】「政治家女子48党」は「代表者に疑義」、今後創設者債務不履行などの懸念から10政党体制に変化も - ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記)と決定し、大津党首の「政治家女子48党」が継続していると指摘。立花さんは追い込まれていました。

 立花さんは選挙デビューの時からの知り合いで、2009年8月下旬、大阪16区の民主党公認候補(当選、現・立憲民主党国対副委員長)の選挙事務所で青いポロシャツを着た立花さんと遭遇。「NHK問題は知っていますが、立花さん全国に講演に行っているのですか」とたずねたところ、講演依頼は全くないとのことで、今後の生活をどうするのか案じました。

 その後は、ダイナミックな活躍でしたが私や大阪16区議員は、立花さん個人・政治家・政党・政治団体とは完全な無関係ですから、はるか遠くかなたから、風雲児・立花さんのご健康を草葉の陰からお祈りします。

 以上です。