【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[院の構成]参議院副議長に輿石東さん選出へ 自民党会長に謝罪 日教組出身は3人目に

2013年07月31日 15時12分58秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

 2日の本会議で、輿石東さん(民主党・新緑風会、山梨)が参議院副議長に選出される見通しとなりました。輿石氏が、参議院自民党の溝手会長や、脇雅史幹事長に過去の行いを謝罪したため、脇さんらが容認しました。

 日教組選出の参議院副議長は、民主党立党以来3人目。

 1998年就任の菅野久光(すがの・ひさみつ、北海道)さん、2001年就任の本岡昭次さん(兵庫)についで3人目で、輿石さんが議員任期満了の2016年まで副議長をすると、立党以来18年のうち9年間は、日教組出身の民主党副議長ということになってしまいそうです。

 なお、他の3年間の副議長は、弁護士出身で社会党の角田義一さん。角田副議長が不祥事で辞任したあとは、旧民社党旧新進党の今泉昭さん(UAゼンセン)が副議長をしました。6年間の議長は、旧社民連旧新進党の江田五月さん、旧自民党旧新進党の西岡武男さん、旧民社党旧新進党の平田健二さん(UAゼンセン)と、旧新進党3人衆が務めました。しかし、第2会派転落にともない、副議長を再び社会党・日教組に取り戻されてしまった格好で先祖返りとなりました。

 ちなみに、民主党結党前の新進党出身の副議長は旧自民党旧新生党の松尾官平(まつお・かんぺい)先生が務めていました。統一会派「平成会」出身でした。

 民主党立党以来の参議院議院会長は、初代の菅野久光さん、本岡昭次さん、久保亘さん(鹿児島、副総理、元社会党書記長)と3代連続で日教組出身者が務めました。その後、弁護士の角田義一会長が就任。副議長昇格にともない、幹事長で旧自民党旧新生党の北澤俊美さんが昇格しかけたところで、クーデターが起こり、現在まで社会党(社民連含む)支配が続いています。立党以来、自民党出身者、民社党出身者の会長すらいない世論との乖離が民主党・新緑風会を支配しています。

 とはいえ、輿石会長も、6年間の参院第1会派時代に、新進党勢を議長にすえ続けたのは、人を見る目がありました。これに限れば、輿石先生に絶対評価でも相対評価でも「5」をあげましょう。

 参議院副議長室を、18年中9年間、日教組が占拠するというお寒い実態になりました。

 教職員給与の据え置き法案などが出ると、昔は日教組組合員が参議院委員室に大挙して傍聴し、審議未了廃案に追い込むよう参議院社会党にプレッシャーをかけたようです。

 参議院社会党の唯一の権力は、閣法を会期末に審議未了廃案に追い込むことだけですから。

 その政治運動の名残が、18年中9年間、参議院副議長室を占拠する状態を可能にしたのでしょう。運動の成果が実績につながっている、という面では、私は原理主義者なので、たんたんと輿石副議長を受け容れ、拍手を贈りたいところです。

 教職員には自律的労使関係を与えて、春闘に専念してもらい、その間に、ブラック企業対策などディーセント・ワークを求める労働者が国会を監視し、ディーセント・ワーク族を将来の副議長にしましょう。

 2日の本会議では、議長には自民党の山崎正昭さんが選出される予定。

 そして、輿石東議長は、先輩日教組議長が演じた次のような「奇策」はゼッタイにとってはいけません。反面教師として、心すべし。

国会会議録データベースから引用はじめ]

159 - 参 - 本会議 - 28号 平成16年06月05日

○副議長(本岡昭次君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。

 これにて本日は散会いたします。
   〔副議長退席〕
     ─────・─────
   〔議長着席〕

○議長(倉田寛之君) 先ほど副議長が散会を宣告いたしましたが、これは本院規則第八十二条の規定に反し、無効でありますので、会議を続けます。

[引用おわり] 

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万里、「総理になるのか」との質問に「私は自分が総理になりたいと言ったことは一度もありません」と答える

2013年07月31日 08時27分05秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

 民主党の海江田万里代表は2013年7月29日(月)、定例としては第23回参院選後初の記者会見にのぞみました。

 このなかで、筆者が「新聞に『私は総理大臣にならない』と周囲に語っていると報道があるが、総理大臣になる気はあるのか」とした質問に答えました。

 「総理というのは、自分がなりたくてギンギラギンにやってもなれるものでもないんですよ、これは。私は「総理というものは自分がなりたくてなれるものではない」というのは昔からの考え方です。その意味では私は自分が総理になりたいと言ったことは一度もありません」

 と語りました。

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 昔からの考え方として「総理というものは自分がなりたくてなれるものではない」というのは真理です。しかし、時代は大きく変わり、二大政党党首のどちらを総理大臣にするかは、国民の衆院選での最大の選択肢となっています。

 「私は自分が総理になりたいと言ったことは一度もありません」というのは、いつでも首相の座をうかがう、自民党内の石破幹事長、甘利経財相らの作法であり、実際、政治ジャーナリストによる、政局講演では、安倍首相の体調をうかがわせる最新情報を盛り込むのが定番となっています。

 私たち民主党員がこれから、3年間の党再建のけわしくも、楽しい登山に出るときに、ネクスト総理がこのような認識でいいのでしょうか。

 私たちが、しっかりと、この人なら国民の過半数から総理として認められるという人物をネクスト総理(代表)にすえて、全国を引き回し、総理にふさわしい顔につくりあげていく。

 中国共産党の長征は、英語では、ロング・マーチと呼ぶそうです。海江田代表は1年後、第18回統一地方選の備えができるまでの続投を表明しています。それまでに私たちは、将来の総理を選ぶ目をやしなわなければなりません。

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 「海江田万里」のGoogle検索による当ブログ訪問が、摩訶不思議なことに全くないこともありますが、とにかく我が党代表(ネクスト総理)の発信力を高めるために、今までは「海江田代表、」「民主代表、」などとしていた記事見出し(エントリーのタイトル)をダメで元々の思いで、今後は「万里、」として親しみやすさをアピールしていこうと思います。
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陛下、詔書を発布 第184回臨時国会は2013年8月2日(金)、東京で召集

2013年07月31日 07時13分40秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]先の通常国会の開会式でおことばを述べられる陛下、宮内庁ホームページから。

 天皇陛下は詔書を発布され、第184臨時会(第184回臨時国会)を2013年8月2日(金)、東京に召集されました。これは憲法第7条、国会法第1条にくわえて、国会法第2条の3にもとづきます。




 「参議院議員の通常選挙が行われたときは、その任期が始まる日から30日以内に臨時会を召集しなければならない」とあり、7月29日(月)から30日以内に国会を召集しなければならないという、いわば立憲主義に陛下がしばられており、詔書を発布されたことになります。

 ところで、「東京に召集する」とはどういう意味でしょうか。

 先の通常国会で、民主党の大西健介さんが次のような質疑を、鬼塚誠・衆議院事務総長とかわしています。

 「国会の召集詔書を見ると、○月○日に国会の常会を東京に召集するというふうに書いてありますけれども、東京以外での召集というのが理論上可能かどうかについて確認をさせてください

 「帝国議会時代ではございますが、実例はございますし、東京を別の都道府県にかえるということは、当然、可能でございます。ただ、東京で開く場合におきましては、例えば立川で開くとか、そういうことについて検討の対象になるかと思いますが、国会議事堂という、議会として活動するための施設がございますので、東京で開くということにつきましては、当然、国会議事堂で開くということになるんじゃないかとは思います。」(衆・決算行政監視委員会第一分科会 2013年6月21日(金))

 このように、鬼塚事務総長は、東京以外での国会召集は可能だとしながらも、「東京で開く」とは「国会議事堂で開く」という意味だとの認識を示しています。

 実は、東京を首都とする法律はありません。

 陛下のあまりにも偉大な曾祖父、明治天皇が1868年7月17日に、「江戸は(略)よろしく親臨以てその政を視るべし。よって自今江戸を称して東京とせん、これ朕の海内一家、東西同視する所以なり」との詔書を発布されています。これは、京を西(京都)と東(東京)を同一視し、江戸で政治をする、という意味にとれます。正直、あいまいで解釈は分かりませんが、このように陛下が江戸に引っ越され、王政復古後の政治をなさるために、「江戸を東京とせん」とおっしゃったことから、遷都したと考えられています。この最大の理由は、籠から、人力車・馬車など車輪の時代に応じた都市計画は、京都・大阪(大阪)では狭いので、土地が広い江戸・東京に移すという経済計画が念頭にあったと考えられます。(参考文献・土岐寛『東京問題の政治学』) 。

 このように法律にないことを、官僚が解釈する官治政治が日本で続き、現行憲法でも、各府省の活動を国会が歳出額でしばる「予算」を天皇陛下が公布しないのに、 官僚が自民党内閣のお墨付きで国民をしばる「政令」は天皇陛下が公布している現状にも引き継がれています。

 選挙があっても、国会を開かないような国は世界にはまだまだたくさんあります。

 しかし、私たちは、普段気にしていなくても、なかば「自動的」に、選挙後の国会を天皇陛下が詔書という実に透明な格好で、誰でも読めるインターネット官報で掲示しています。召集詔書は一人一人の国会議員に配布されず、官報への掲示で、配布したことになります。

 この国民が陛下すらしばるという立憲主義を守りながら、官僚が安倍内閣を通じて陛下を利用して政令などで国民をしばる官治政治を打破する。政治を国民の手に取り戻す。

 それができるのは、自民党と民主党の二大政党だけです。そして、野党として党再建のための黄金の3年間にのぞむ、民主党国会議員、民主党員の一人当たりの重荷はもっとも重くなったと自覚しなければなりません。 

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参議院自民党、会長に溝手顕正さん(宏池会)、幹事長に脇雅史さん(経世会) 2016年夏まで

2013年07月30日 22時51分51秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]溝手顕正参議院自民党会長、脇雅史・参議院自民党幹事長、自民党ホームページ

 報道によると、任期満了にともなう、参議院自民党会長選挙が開かれ、宏池会の溝手顕正(みぞて・けんせい)元国家公安委員長が会長に当選しました。任期は2016年夏までのようです。

 幹事長には、平成研・経世会から脇雅史国対委員長が昇格しました。

 宏池会トップを経世会幹事長が支えるとなると、宮沢総裁-梶山幹事長を思い出しますが、閣僚未経験者が参院自民党幹事長というのは、重宗体制以降で例があるんでしょうかね。 過去3年間、全委員会の理事会・委員会の流れを理事から聴取して全体を把握していたとされる脇さんが当然の幹事長就任となりますが、このまま、大臣などやらずに議長コースまっしぐらで走っていただきたいものです。

 この選挙は、麻生副総理側近の鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)元特区相が出馬し、麻生派が鴻池さん、清和会が溝手さんを応援するという、安倍・麻生代理戦争としてしめつけ合戦を展開。向こう3年間の自民党にしこりを残しました。

 溝手さんは、元造船会社の経営者ですが、経営難を私財を投じて整理したので、地元で尊敬されており、市長から参院議員5期目に入りました。こういう人材は自民党にしかいません。ただ、その造船会社は労働災害が多く、かなり亡くなっています。溝手さんはすでに経営から離れていますが、造船会社の働き仲間の代表である民主党公認の基幹労連組織内現職が、自民党旋風の下、僅差で落選してしまいました。広島県選出の民主党参院議員に基幹労連準組織内議員がいますが、ぜひ、造船会社の働く仲間の声が届く国会であってほしいと考えます。

 きのう月曜日から第23期参議院が始まっています。このブログを2007年8月4日に始めてから、初めて自民党が参院第1会派となりました。おおいに攻撃的に攻めていきたいところですが、宏池会会長、経世会幹事長ということもあり、ぜひ一緒に、安倍清和会内閣をチェックし、引きずり下ろすくらいの気構えで、やっていきましょう。 


今後の政治日程 黄金の3年間に乗り遅れるな!臨時国会、アベノミクス、規制緩和、ブラック企業、税制改正

2013年07月29日 06時44分45秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間


 2013年8月2日(金)、第184臨時国会が召集され、「黄金の3年間」がスタートします。

 アベノミクス、規制緩和、ブラック企業、税制改正など、つねにアンテナ高く、「黄金の3年間」に乗り遅れないようにしましょう!

 「今後の政治日程by下町の太陽」を更新しました。レジまぐ社の有料ブログで、このたび、銀行振り込みにも対応しました。ですから、法人の方も会員になりやすくなりました。料金は据え置き、840円(税込み)とリーズナブルになっております。

 今後ともよろしくお願いします。

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衆・北朝鮮拉致問題特別委が閉会中審査 拉致家族に加えて特定失踪者家族も

2013年07月26日 23時59分42秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

(このエントリーの初投稿日時は2013年7月27日(土)午前6時からバックデート)

[画像]参考人として意見を述べる、横田早紀江さん、2013年7月26日(金)、衆・北朝鮮拉致問題特別委、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

【衆・北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 閉会中審査 2013年7月26日(金)】 

 衆・拉致問題特別委の閉会中審査が第1委員室を使って行われました。

 これは先の通常国会の会期末処理で、山本拓委員長が

 「次に、閉会中審査におきまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。なお、先ほどの理事会において、閉会中、参考人質疑を行うこととなりましたので、委員各位の御出席をお願いいたします本日は、これにて散会いたします。」 

 と語っていました。一応、私はネット中継でリアルでキャッチできていましたが、この50分後には、参議院で議長不信任案と首相問責決議案の採決に入っており、リアルにキャッチできた報道関係者は他にいないと考えます。そして参院選が実質スタートしているのに、あとで会議録をチェックする人もいないでしょう。このような会期末の情報過多は、もっと分散する方向性にしてほしいところです。 

 閉会中審査では、参考人が意見を述べて、各党が質問。

 自民党の竹本直一・筆頭理事の質問に横田早紀江さんが答えて「育て方が悪いから、めぐみは出ていったのかな、と思うこともあった」と語りました。横田滋さんは、当初は新潟県議会しか取り上げてくれなかったけれども、その後、全国的に活動になってけれども、就職活動生などが何か悪い影響があると困ると署名を拒むようなことがあったとしました。

 
[画像]横田滋さん。

 竹本さんは、生前のダニエル・イノウエ上院議員から「アメリカ政府は拉致の情報をつかんでいたが、日本政府は『さわがないで欲しい』と言ってきた」と聞いたとのエピソードを披露。私もそうだろうと推測します。警察キャリアは8割が公安畑ですが、当時入省した若手がすでに警察庁長官の年次を超えており、公安警察は抜本的に反省し、出直すべきではないでしょうか。

 新潟・佐渡島を選挙区に持つ、民主党の鷲尾英一郎さんは「(拉致被害者家族だけでなく)特定失踪者家族が国会で発言するのは初めてだ」として、今後もこのような取り組みをしていきたいとしました。ただ、委員長に「通常国会中に開いて欲しかった」と議事日程に注文を付けました。

 この後、維新の会が質問に立ったので、衆院で維新の会が第3会派だったことを再認識しました。

 理事会決定にもとづき、自由質疑が行われました。自由質疑は、前の任期の衆院科学技術・イノベーション特別委員会や憲法審査会で定着してきた手法です。きょうは第1委員室だったので、議員席にマイクがないのですが、挙手した議員が委員長から指名されると、衆・委員部職員からワイヤレスマイクを渡されて発言するという珍しいシーンがありました。


[画像]ワイヤレスマイクで自席から発言する高木毅さん。

[画像]ワイヤレスマイクで自席から発言する高木毅さん。

 真っ先に質疑したのは、福井県の高木毅さん。

 高木さんは衆・議運委委員長代理理事で、第184臨時国会で正式に委員長に昇格する見通し。議運委員長になる前に、委員会で発言しようという意気込みもあったのだと思いますが、このように、第1委員室でワイヤレスマイクで、自席から発言するというのは、初めてではないでしょうか。

 英国議会の本会議場や日本の第1委員(会)室に似たつくりですが、議長が指名した政府外議員に縦横に設置されたワイヤーマイクをその議員の顔の前に垂らすという作業をします。

 きょうのように、職員が議員にワイヤレスマイクを渡す方式なら、システム改修費もかからないでしょう。

 衆参とも分館の委員室は自席にマイクがあります。

 このように歴史の流れの中、永田町・霞が関もどんどん変わらないと、生き残れません。インターネット選挙運動解禁であまり参院選は変わらなかったとの分析、報道がされていますが、刺激を与える、触媒になったことは確かなようです。

 高木さんも議運委員長になると、他の委員会で発言する機会はないでしょうが、議会改革、まずは衆議院のホームページに「民主党の次の内閣」の名簿を載せるというところから、改革に着手してほしいとお願いしたいところです。

 政治では「冷却期間」を置くのは人間どうしなので有効ですが、「先送り」はもうこれからはゼッタイに許されません。 

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大畠章宏幹事長が就任 ディーセント・ワーク(まともな働き方)の民主党を目指せ!

2013年07月26日 20時42分39秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]大畠章宏・民主党幹事長、民主党ホームページから。

 民主党は2013年7月26日(金)、第23回参院選敗北を受けた両院議員総会を開き、海江田万里代表は新しい幹事長に大畠章宏さんを提案し、了承を得ました。

 大畠章宏さんは連続当選8回の衆院議員。日立市を含む茨城5区選出で、日立労組出身。大畠さんの日立労組は、電機連合で、連合の古賀伸明会長と同じ産別。よく間違われますが、電力総連とはまったく別の産別。第23回参院選では東芝グループ労組の石上俊雄さんが当選して、この日の両院議員総会で紹介されました。加藤敏幸・選対委員長は三菱電機労組。このように、重電中心に見えますが、古賀会長は家電のパナソニック労組。もともと連合結成の元になった中立労連系で、旧同盟系、旧総評系とは別。大畠さんは1990年初当選で、輿石東衆院議員(当時)と同期。1996年民主党結成の際の基本政策は「社会党から輿石、大畠、さきがけから簗瀬進、五十嵐文彦の4人でつくった」(参院民主党首脳)としており、輿石さんが参院副議長などに転出した場合に、輿石亜流を執行部に残そうという思惑も見て取れます。

 ただ、大畠さんはバランス感覚がよく、必ずしも輿石直系ではないので、ディーセント・ワーク(ましな働き方)実現に向けて、民主党と連合のパートナーシップの再構築に期待できます。

 大畠さんは労組出身では珍しいかなりの高学歴ファミリーです。大畠さんは次男ですが、兄は百貨店の重役で本店長をつとめた「エリートサラリーマン兄弟」。大畠さんの奥さんはお茶の水女子大大学院修了で、茨城県内の大学の教授。奥さんのお兄さんは東京芸術大学大学院修了の日本画家で、その奥さんは日本女子大大学院修了の某女子大教授という、「大学院」ファミリーです。

 このように、1990年初当選の連続当選8回は、民主党衆院議員では三権の長経験者の菅直人さん、横路孝弘さんの11期に続いてベテランになります。岡田さんも同期で、1998年の民主党で初めて同じ党になりました。

[画像]政治改革について質疑する岡田克也さん(質疑者席)を腕組みして眺める大畠章宏・民主党幹事長(向かって右側)。向かって左側は、広野ただし・生活の党副代表(参院議員)、岡田かつやホームページ国会論戦ビデオハイライト、1994年10月19日、政治改革調査特別委員会からキャプチャ。

 連合会長と同じ産別の民主党幹事長。


[画像]民主党本部、2013年7月26日、筆者撮影。

[画像]連合本部、2013年7月26日、筆者撮影。

 民主党と連合は親密になって、ディーセント・ワーク(まともな働き方)を正社員、非正規雇用者ができるように、第185回秋の臨時国会からしっかりとチェックしなければなりません。

 きょうの両院議員総会では、福山哲郎さんから「岡田さんが代表の時、あの郵政選挙でも、政党名では(2480万票)結党以来最多得票だったのに、岡田さんは辞めた」と語り、海江田代表の辞任を要求。若手、中堅から、執行部総退陣や、代表選や代表予備選の実施の要求がでました。しかし、海江田代表が1年後をめどとして党再建を図りたいとしました。1年後というのは、2015年4月の第18回統一自治体選挙の候補者擁立のめどだとしました。衆院総支部長については、「各県連ごとに候補者(予定者)を公募して欲しい」とし、英労働党型の候補者公募システムを提案しました。

 中堅・若手からは執行部総退陣論が出たものの、「一致団結することが大事だ」との声が上回り、海江田続投が決まりました。なお、「解党して、野党再編すべきだ」という意見はまったく出ませんでした。

 

 この日の朝には、自民党政府がさっそく情報操作報道を開始。日経新聞1面で「解雇特区」の創設構想が浮上しました。これは「再就職奨励金」を払えばいつでも「金銭解決による解雇」ができる「解雇特区」を設けるという構想。特区は、東京、名古屋、大阪を指定し、そこに本社があれば、どこの支社でも金銭解決による解雇ができるという構想です。事実上、ほぼすべての大企業正社員がいつでも解雇できることになります。

 民主党は衆参野党第1党として、連合唯一のパートーナーとして、すべての働く者のための党として泰然自若としなければなりません。

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[院の構成]参議院議長に山崎正昭副議長 2代連続で閣僚経験なし 英国流「議長・委員長」コース確立の兆し

2013年07月25日 06時44分25秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

 第184臨時国会の2013年8月2日(金)の午前中に選出される見通しの参議院議長候補に山崎正昭・現副議長を自民党が充てる方向になりました。

  議長に当選すれば、平田健二・現議長から引き続き「閣僚経験がない参議院議長」になります。自民党の参議院議長としては、1971年就任の河野謙三議長以来。このときは、3期9年議長をつとめ、さらに4選をめざした重宗雄三さん(正確には本会議では重宗氏の後継者)を選挙でやぶって河野議長が誕生しています。池田勇人首相、佐藤栄作首相も頭が上がらなかった重宗議長をやぶったとはいえ、河野議長の誕生は結果的に、参議院の政党化に加えて、自民党派閥化もすすむことになり、現在にいたります。

 英国議会の議長は50歳と若い人ですが、シャドウ大臣の経験もありますが、途中から「大臣・政務三役コース」ではなく、「議長・委員長コース」に特化した人で、与党・保守党だけでなく野党・労働党の一部からも支持され、政権交代前から現在まで議長をやっている人です。このように、政権交代ある政治で、時間的に「大臣ポストが半分」になった自民党では、閣僚にならない人が、議長や委員長になるコースが確立されていく動きとして注目したいところです。

 山崎さんは県会議長まで務めてから国会に来ており、大蔵政務次官の後、内閣官房副長官も務めましたが、これは「参院対策の官邸スタッフ」ということだっと思います。委員長は議院運営委員長をつとめました。

 今回も山崎議長候補は清和会(町村・安倍・福田派)、参院議員会長の溝手顕正さんは宏池会(岸田・宮澤・大平派)、参院幹事長は平成研(額賀・竹下・田中派)の主流3派が分け合う格好になるそうです。

 一方、うれしいニュースで、参議院公明党会長に、1995年新進党東京トップ当選の4期目・魚住裕一郎さんが就任するようです。8月1日の議員総会で決まります。東京選挙区を引き継いだ山口那津男代表と東大法学部同期の弁護士ということで、参議院公明党の「白浜・山口二重権力構造」が解消されることになりそうです。まさに「安定は希望です」を人事でも体現する公明党。その姿、他党にも見習って欲しいところです。「魚住会長」については、また後日、エントリーを改めて、お伝えします。

 このほか、第23期参議院の構成や、各会派の陣立てについても、今回はなるべく速報で書いていき、確定後にまとめる方針でやっていきたいと思います。もっと参議院に興味を持ってください。私は参議院が大好きです。

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[院の構成]参院自民党、委員長ポスト与党11、野党6を提示 民主党に厚生労働委員長ポストを!

2013年07月25日 06時09分28秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

 第23回参議院議員通常選挙を受けた参・議運理事会が2013年7月24日(水)に開かれ、自民党の岡田直樹筆頭理事は、常任委員長ポストを「与党11、野党6」で割り振ることを提案しました。

 自民党と公明党は過半数を持っていますが、欠席戦術のないスムーズな本議会運営のために、一定の委員長ポストを野党に割り振るのが慣例となっています。

 参議院は、衆院と違い、常任委員会を第1種委員会と第2種委員会に分けています。

 内閣委員会
 総務委員会
 法務委員会
 外交防衛委員会
 財政金融委員会
 文教科学委員会
 厚生労働委員会
 農林水産委員会
 経済産業委員会
 国土交通委員会
 環境委員会

 の11委員会が第1種委員会。

 国家基本政策委員会
 予算委員会
 決算委員会
 行政監視委員会
 議院運営委員会
 懲罰委員会

 の6委員会が第2種委員会。 

 第1種委員会は全府省庁に対応しており、法案審査にくわえて、その府省庁に関する事項でも国政調査ができるという、日本の国会が世界に誇れる「委員会による国政調査」のしくみです。

 常任委員会は国会法41条3項で決まっていて、第1種と第2種に区分は参議院先例録に載っています。先例録は非公開ですが、参議院における委員会の再編の歴史は参議院ホームページ(参議院改革の歴史) を読むと、第1種常任委員会と第2種常任委員会という参議院独自のシステムが理解できるでしょう。

 私見では、これからの3年間、雇用規制などディーセント・ワーク(まともな働き方)の法案審査と国政調査にあたる厚生労働委員長ポストだけは、引き続き、民主党・新緑風会に割り当てて欲しいと願います。

 このほか、「災害対策特別」などの特別委員会も設置される見通しです。


[院の構成]平野達男・元復興相が「新党改革・無所属クラブ」へ 

2013年07月25日 05時45分40秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]参院予算委で答弁する平野達男復興大臣、2012年2月7日(火)、参議院インターネット審議中継から。

 第184臨時国会召集を来週に控え、院の構成が着々と進んでいます。

 会派に属しない議員(無所属議員)だった、参院岩手選挙区の平野達男・元復興相が「新党改革・無所属クラブ」に所属することになりました。平野さんは当選3回。

 同じく「新党改革・無所属クラブ」に入ることになった浜田和幸・元復興・総務・外務政務官は、自民党で当選し、菅首相の一本釣りで政務三役になり、その後国民新党に入党、解党で無所属になりました。鳥取選挙区。第22回参院選初当選組では最初の政務三役ですが、3年後の第24回参院選で鳥取選挙区から出馬するのは不可能な情勢。

 これで28日の前の任期の議員終了後は、「新党改革・無所属クラブ」は荒井広幸さん(全国比例、2016年改選)、平野さん(岩手、2019年改選)、浜田さん(鳥取、2016年改選)の3人となり、予算委員会集中審議などで質問時間を確保する見通し。

 荒井さんは自民党清和会出身で、安倍首相と同期当選で懇意。参院では自民党は単独過半数に7議席足らないので、参議院先例録に詳しい、荒井さんがキャスティング・ボートを握ることが増えそうです。 


とても理解できない東京選挙区(定数5)をめぐる敗戦処理

2013年07月24日 07時00分33秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

 私は20年来、あまり「東京都連」という組織には関わりたくないと思っています。その理由の詳述は避けるとして、第23回参院選の東京選挙区(定数5)の民主党の戦後処理に関して、理解できない部分があるので、やはり書いておこうと思います。その前提として、あまり内部事情は詳しくないことをお断りしておきます。

 中選挙区時代の自民党のアタマがいまだにある私としては、現職2人のうち、1人が公認取り消しになった場合は、お互いに発憤して結果的に両方が当選。その後に、処分は先送りのままうやむやになり、無所属の人も1年ほどすれば党に復帰しているというイメージがあります。古き良き衆院中選挙区時代の自民党にはよくあったことです。

 ところが、今回は両方落選してしまいました。まず幹事長が「世論調査の結果」としていますが、6年前の選挙結果は大河原さんの方が鈴木さんよりも得票数が多かった。それなのに、最新の世論調査を使うというところが少し合点がいきません。それがなぜ気になるかというと、第47回衆院選に向けて、民主党、維新の会、みんなの党、生活の党の選挙区調整をする場合は、第46回衆院選の得票数が基準になるべきで、「世論調査」などというとややこしい事態になりかねません。また大河原さんは元々、都議会議員時代は、東京生活者ネットワークという政党の党首で、そこを民主党公認で参院選に出てもらったはずなので、少し恩義の面でどうなのか。

 2日前の公認取り消しでは、応援する予定の衆議院議員は支持者にお願いを始めていたはずで、大河原さんをやらざるをえなかったのではないか。選対役員もすでに決まっていたはずで、それをやめられないでしょう。

 そして、気になるのは、細野さんが責任をとって幹事長を辞め、けさのNHKニュースによると海江田代表が菅さんに会い、離党を働きかけ、それにしたがわなければ除籍も辞さないとのこと。

 選挙なので「仮に」は通用しませんが、仮に2人とも公認していても、共倒れしたでしょう。一本化してもしなくても、共倒れしたということは確実なのに、なぜ菅さんが処分されるのか。政権選択である衆院選のためには、都議選、参院選は現職は公認して共倒れしてもらった方が、衆院選に向けてしこりを残さなくて済むのではないでしょうか。第1会派転落が確実だった都議会や参議院の「1議席」にそれほど重要な意味があったのでしょうか。

 細野さん、海江田さん、菅さんが3人とも「原発官邸」の中の人であり、そのときからの緊張・興奮を引きずっているのではないでしょうか。

 鈴木さんも文部科学副大臣でした。この、原発事故時の、官邸、経産省(原子力安全・保安院)、内閣府(原子力安全委員会および防災担当)、文部科学省(旧科学技術庁原子力委員会)にいた人は、理由はなんであれ、数年、テレビに映らないようにしていただけないでしょうか。情と理の「情」だけの理由です。サラリーマンや公務員だって運のめぐり合わせで人生が大きく変わるのであって、歴史の作り手である政治家はそれを受け止めて、飲み込まなければなりません。

 年齢的には、みんな10年後でも現役でやれる人です。 

 少し原発以来の興奮が続いているのではないでしょうか。そうでなければ、何か、菅さんについて、国民が知らない情報を海江田さん、細野さんは持っているのでしょうか。

 夏休みの中学生を描いた映画『台風クラブ』 は解釈が難しいところがありますが、永遠の中学生の夏休みの人間の本質的なところを描いていると考えます。おっさんたちの「原発クラブ」はあがなえない運のめぐり合わせ。その原発クラブの夏の世の夢で、吉良佳子候補、山本太郎候補が60万票台で中位当選した事実。

 しばらく静かにしていてほしい。


民主党は再建する!衆参野党第1党だから「解党(的)出直し」は不要!ガリガリ君を食べて頭を冷やせ!

2013年07月23日 21時25分45秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[民主党、むこう3年間の政党助成金は年77億円を確保、踏みとどまる]

 第23回参院選を受けた政党助成金(政党交付金)の年額の試算を時事通信が報じてくれました。 まあ政党助成法をみて、自分で計算しようと思っていたのですが、助かります(^_^;)

政党助成金の年額は、

自民党 150億円(3.5%増)

公明党 25億円(0.6%増)

民主党 77億円(8.9%減)

みんなの党 20億円(13.3%増)
日本維新の会 29億円(8.8%増)
生活の党7億円(3.5%減) 

社民党4億円(8.6%減)
新党改革1億円(7.4%減)

 となりました。民主党は、77億円ずつ3年間、ということで何とか踏みとどまり、次につながりました。

[細野幹事長が辞任表明]

 8月末の辞任を表明した民主党の細野豪志幹事長は次のように語っており、まったく同感です。

 「民主党の地方基盤の立て直しである。これをずっとやりたいと思っていた。ここは道半ばなのだが、一定の方向が見えてきたと思っているのは中心となるのは衆議院の総支部長だということである。衆院の総支部長のなかで参院選挙の最中で一定の活動ができている人と、それが極めて不十分な総支部長とをはっきり峻別できた。ですから、そこはある意味キャリアに関係なく、地域活動ができている人についてはしっかりとサポートしていく、そうでない人については当然サポートを打ち切る、ここは民主党としてはやっていかなければならないところだと思っている。そこも8月中に一定の目途を立てて引き継ぎたいと思う」

 第47回衆院選で勝つためには、定数475、295小選挙区のうち、200近い総支部長を維持し続けることが大事だと考えます。

[実は8ヶ月間、日常個別訪問をしていない衆院総支部長が大半で、だいたい切るべきだ]

 ところで、2012年12月16日から、2013年7月3日の参院選公示前日までの間で、落選した民主党の衆院総支部長はどれだけ、日常個別訪問をやっていたのか。「全くやっていない」総支部長が実は、大半です。地元では「あの人30歳代なのに、引退したんだね」という噂が民主党支持者間でささやかれ、自民党関係者が積極的に流布していることでしょう。

 衆院議員当選直後に、小沢国対なんか出ないで、党派に限らず「衆議院議員○○○○」の名刺で日常個別訪問をすべきだったのです。ある総支部長は、落選後さすがに日常個別訪問を始めました。勢い余って選挙区外に出て日常個別訪問してしまったのはご愛敬です。目の前で名刺を破られた総支部長は、問答の末、その人が長年投票に行っていないことを突き詰めたようです。時には良いリフレッシュでしょう。しかしなかには、各種団体行事で、よく顔を合わせる市役所部長の自宅をそれと知らずに訪れて普段着姿の部長に驚いたという人もいます。それって偶然でしょうか。別に驚くような話でないですよね、選挙区内なんだから。いかに、現職のころ日常個別訪問していなかったかの証左だと考えます。さらには、ある総支部長は「参院選の結果を見てから日常個別訪問を始める」と平然と語ります。その県では、現職があり得ないほど票を減らしました。悪循環です。

 大和ハウス工業という会社は一時2000人の新卒社員を雇っていました。仕事は、「一戸建てを買いませんか」という飛び込み営業です。当然離職率も高いわけですが、1つめの成約にこぎつけた場合は、涙を流すそうです。不労所得のないサラリーマン総支部長は、 落選後も含めて大和ハウス工業の社員より平均年収が高いはずですが、なぜそこまでやらないのでしょうか。

 実は私が掌握している限り、ほとんど日常個別訪問をやっていません。まずは切るべきです。総支部や後援会が嘆願書を出すのならば、8月中に出さないと、手遅れかも知れませんよ。

[ビッグデータ元年の当ブログの予想「山本太郎は驚き」だがほぼ的中、民主党がビッグデータを購入し、みんな、生活、維新の推薦候補者にアプリを提供して野党の主導権を握るべきだ]

 5月19日付の「ビッグデータが大きく変える選挙戦」というエントリーはあまり注目を浴びませんでしたが、おおかた今回の参院選の方向性を予言していました。とはいえ、東京選挙区の山本太郎候補の当選と日本共産党の躍進は予想以上のものがありました。5月19日のエントリーでも言及しましたが、295小選挙区は、民主党公認だけでなく、みんなの党、日本維新の会、生活の党の現職を中心に推薦を出す選挙区もあるでしょう。

 5月のエントリーでは各党共同でのビッグデータ購入を提案しましたが、「77億円」を確保したこともあり、民主党が単独で購入し、小選挙区推薦予定の、みんなの党、日本維新の会、生活の党所属の議員に提供するアプリを作るべし。党内限定では、電話帳データを基に、可能な範囲内でビックデータも落とし込んだ、「総支部長アプリ」を開発し、すべての民主党総支部長に配布し、日常個別訪問の結果を入力させるべきです。営業成績は毎回の党常任幹事会に報告され、最下位者はキャリア・健康状態など諸事情にかかわらず、切るべきでしょう。というより、「1ヶ月の最終猶予期間」を宣告すべきです。

[候補者の予備選が必要との声、強い県連は英国労働党型で、そうでない県連は英国保守党型で]

 衆院選候補者への予備選が必要との声があります。その通りだと考えます。この候補者に関してときどき、英国の先進的事例について、情報を間違えている人がいます。

 英国保守党は、党本部の公募の成績により、優秀な人ほど、通りやすい選挙区に落下傘で落とす。これが保守党方式。

 英国労働党は、地方組織が公募して、勝てる候補者を選ぶ。これが労働党方式です。

 これに関して、日本の民主党で言えば、地域によるでしょう。

 例えば地域組織が強い、例えば愛知県連ならば、労働党方式で、県連あるいは総支部が「勝てる候補」を選ぶことになるでしょう。

 逆に、例えば地域組織が弱い、例えば富山県ならば、党本部に対して優秀な候補者を派遣するよう依頼すべきでしょう。ただし、当然にして、労働党方式で候補者を作った総支部の党員の方が、与党復帰後に国政への声が強くなるのは当然です。もちろん、みんなの党、維新の会、生活の党の現職を推薦してほしいという総支部の決定も当然あり。

 また、後援会について、民主党でもある程度私有財産だという認識も持ち、将来的には、後援会の決議によって、同じ名字の候補者への世襲を決定した場合は、総支部、県連、党本部も従っていいでしょう。そのためにも、後援会を楽しく作り上げていけばいいのです。 


[国会闘争への回帰を、「声なき声を聞く力」]

 海江田代表・細野幹事長は「再び、地域から。」と称して全国行脚に明け暮れました。海江田代表は「週末に地方出張しているのに新聞が書いてくれない」とぼやきました。しかし、どんなに大きな広告代理店、大きなインターネット業者よりも、国会に勝る媒体はありません。

 参院民主党では、改選議員のほとんどは、本会議と常任委員長職だけで、全国を回りました。ただ、NHK入り予算委員会、本会議には「卒業試験」をかねて登板するのですが、ふだん国会にいないだけに、かえって持ち味を発揮できなかったようです。こういった参院会派「輿石東学級」の運営は戦略的には正しいでしょうが、ちょっと行き過ぎでした。

 その間に、衆院では民主党筆頭理事が各委員会で法案修正をリードしました。ねじれ解消で「自公【民】維み5党修正路線」は終わります。ただ、秋の臨時国会、規制改革のなかでも雇用に関する規制緩和についてリアルタイムのチェックが必須。一方、農業・医療の規制改革が不十分なら民主党政権復帰後にすぐにできるよう法案を、各種団体に隠しながらも備えておく必要があります。衆院総支部長は「説明力」をもたないといけないし、党本部もそれをサポートし、現職議員の猛者たちも、総支部長が説明できるかどうかを考えて、国会で仕事をしてほしいと考えます。

 2015年4月の第18回統一地方選に関しては、県議選では現職必勝、市区町村議会議員選挙では手を挙げた人はどんどん公認・推薦するという姿勢が大事でしょう。公明党は「小さな声を聞く力」と訴えましたが、民主党はツィッターに何を書いたらいいか思案する、という大多数の日本人も含めて「声なき声を聞き、ある程度想像して世論をとらえる力」を持つべきなのです。そして、各総支部の党員が各総支部の候補者をつくって闘っていく。党本部では、2015年9月末までには必ずある民主党代表選(ネクスト総理選挙)では、「勝てる総理」を選び、党員以外の国民と「ともに総理大臣を作っていく」。それでだめなら、だめだとあきらめがつくくらいに、後悔しない3年間をともに歩んでまいりましょう。

 衆参とも野党第1党、とくに参院では圧倒的に野党第1党なのになぜ「解党(的)出直し」が必要なのでしょうか。

 連合事務局長談話も「今後の国会では野党第一党としての役割を果たし、引き続き生活者、働く者の代弁者として自民党に対峙していくことが求められている」としており、全く同感です。

 野党第1党が解党しても、ろくな事がありません。そもそも、リーマン・ショック、大震災、インターネット、グローバリゼーションという歴史の大転換期、ジェットコースターの中にあるという歴史認識があれば、解党的出直ししている暇すらないのです。

 日本の夏。ガリガリ君(赤城乳業)を食べて、頭を冷やせ!

連合ホームページから引用はじめ]

 

2013年7月22日

第23回参議院選挙結果についての談話

 

日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行
 第23回参議院選挙の投開票が昨日行われた。その結果、自民党が65議席を獲得し、公明党とあわせると参議院において過半数を大きく超える議席を獲得し、衆議院でも3分の2を超す議席を有する、巨大な与党が誕生した。与党は、国会で強大な権力を持つこととなったが、国民の声、働く者の声に謙虚に耳を傾けて政策を前に進めていくことを期待する。

 

 一方、乱立する野党は、どの政党も大きく議席を伸ばすことはできなかった。これまで参議院の第一党であった民主党は、惨敗を喫し17議席を確保するにとどまり、非改選議席と合わせても59議席へと落ち込んだ。昨年末の総選挙から6ヶ月あまり、民主党は党再生を進めるとともに、選挙戦では人を大事にする政治を掲げて闘った。しかし、国民の信頼を回復するには至らず、誠に残念な結果となった。
 民主党は、今回の結果を真摯に受け止め、改めて党再生と信頼回復に全力で取り組まなければならない。また、今後の国会では野党第一党としての役割を果たし、引き続き生活者、働く者の代弁者として自民党に対峙していくことが求められている。

 

 今回の参議院選挙で、国民は安倍政権に大きな権力を与えた。しかし、政策はあくまでも国会での与野党による真摯な議論の上に進められなければならず、与党の暴走はゆるされない。
 安倍政権が進めようとしている三本の矢によるアベノミクスは大きなリスクを抱えている。また、これから検討が再開されることになる労働者保護規制の緩和は問題である。今、優先されなければならないのは国民生活の底上げをはかる政策である。超少子高齢化が急速に進む中にあって、全世代支援型の社会保障制度の確立も待ったなしの課題である。

 

 連合は、比例代表選挙で9人の組織内候補を擁立し、組織を挙げて闘いを進めたが6人の当選にとどまった。9人の候補者名での得票数は160万票余りで前回の159万票からは微増したが、十分な結果を出すことができなかったことは残念である。困難な状況の中で、選挙戦にご尽力いただいた構成組織・地方連合会の役職員、組合員と家族、退職者を含めたすべての関係者のみなさまに心から感謝申し上げる。
 連合は、今後とも、「働くことを軸とする安心社会」を実現すべく、働く者の代表として雇用不安・生活不安の解消と格差社会の是正を求め、政策・制度実現に全力で取り組んで行く。

[引用終わり]


  



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三重県 民主党比例得票、47県トップ、その原動力は岡田さんと日教組・神本美恵子さんだった

2013年07月23日 05時48分53秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

 第23回参院選の比例代表で民主党(政党名および個人名)の得票率が最も高かったのは、三重県の23・2%(19万4999票)だったことがわかりました。全国平均は13・4%。

 一方、日教組組織内で比例代表7人中5位(全党の個人名では26位)で3選した元文科政務官の神本美恵子さんの得票数が三重県で1万6053票。神本さんは全国で17万6248票なので、10分の1を三重県で獲得していたことが分かりました。

 これについて、岡田筋は、参院選中に、「三教組(さんきょうそ)は山梨の山教組(さんきょうそ)同様に強いから、独自に闘ってもらっている」とし、三重選挙区の選対とは無関係にお互いに尊重して選挙運動していることを明らかにしています。ただ、山梨県教職員組合(山教祖)での神本さんの得票は7073票で、全国に10位にとどまっており、輿石東元委員長の権勢が衰えたようです。

 日教組の組合員の中には、「選挙でがんばったのに、政権交代で民主党が与党期に所得が下がった」との不満があり、神本さんの得票数が注目されていました。岡田さんは副総理・公務員制度改革担当大臣時代に、(国家)公務員に労働協約締結権(自律的労使関係)を与え、人勧(人事院勧告)を廃止する法案の成立に向けて、人事院総裁を更迭してまで公務員改革をすすめたことがから一定の評価を得たのかもしれません。法案はねじれ国会の野党・自民党の抵抗で廃案となりました。自律的労使関係を教員、公務員が得れば、春闘(春期生活闘争)の要求作りを通じて、各職場の要望・不満を吸い上げたうえで、給料や労働環境を決めることができます。ただ、春闘を政治活動より優先するのは働く者として当たり前なので、日教組と自治労の2つの産別の集票力が落ちると考えられます。

 日本最初の労働組合であるUAゼンセンの現職が次点で落選しました。現時点で、データを持っていませんが、ゼンセンは食品スーパーのあるところには、どこでも組合員がいます。ということは、47都道府県どこでも人が住んでいれば、広く薄く組合員がいることになり、非拘束名簿式比例代表だとどうしても踏ん張りがきかないところがあります。

 自動車総連では、民主党比例代表トップ(個人名は全体で14位)の磯崎哲史さんは、27万1553票のうち、愛知で7・6万票、神奈川で3・2万票、静岡で2・4万票と3県だけで半数弱を集票しました。いうまでもなく、トヨタ自動車、日産自動車、スズキの地元になります。とはいえ、磯崎さんは日産社員ですから、やはり、労働運動は団結が始まりであり、団結がすべてだと感じます。

 最も多くの非正規雇用者が加入しているUAゼンセンの国会へのルートが1本減ってしまったことは、アベノミクスの中不安が残ります。これから3年間の「働き方国会」での論客を一人失いました。

 いわば、自動車総連は「小さな声を聞く力」があるわけですが、UAゼンセンは「声なき声を聞く力」がぎりぎり踏ん張れなかったことになります。

 自民党竹下派の岡田さんと日教組の神本さんが、相互不可侵で、集票する「寄り合い所帯」の民主党が、お互いのことをもっと知って、「小さな声を聞きながら声なき声を想像すること」が大事です。UAゼンセンも第18回統一地方選で、大選挙区の市町村議員1人を推薦して当選させる力はいくらでもあります。その思いやり。

 昨日、「民主党支持者は党内リベラルを否定した」と書いたところ、一部反論がありました。しかし反論した人はみんな落選者でした。そのような偉そうな態度が否定されたのです。

 神本さんは先の通常国会でTV入り予算委員会でパネルを使ったところ、同僚が誰も手伝わず、一人でパネルをさしかえながら話す姿がNHK全国ネットで放送されました。民主党にありがちな「いじめ」です。

 しかし、神本さんはしっかり当選したのです。

 その現実を当然ととらえたうえで、いじめを止めたら民主党は野党各党を糾合することができます。

 私は「民主党は寄り合い所帯」は褒め言葉だとずっと思っています。


第184臨時国会は2013年8月2日(金)召集、参議院議長選出 会期は7日(水)までの6日間

2013年07月22日 19時42分33秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]国会正門のやや参議院寄り。

 第23回参院選の勝利を受けて、自民党の安倍総裁と公明党の山口代表が党首会談で連立政権の継続を確認。

 第184回国会(第184臨時会)を、2013年(平成25年)8月2日(金)に召集することを決めました。

 会期は6日間で、8月7日(水)まで。衆院本会議定例日の火曜日である8月6日(火)の広島平和記念式典に伊吹衆院議長らが出席するため、同日の衆院本会議はないとみられ、一般法案の審議はないとみれらます。

 臨時国会の召集詔書は前日でもかまいませんが、慣例として7日前まで。おそらく26日(金)の閣議で決定し、菅官房長官が衆参の議院運営委員会理事会に陪席して伝達する見通し。

 8月2日(金)の参議院本会議は午前10時から開かれ、新議長、新副議長が選出されます。

 これに関して、きょうのニュースで、参院自民党の中曽根会長の後任に溝手幹事長を充て、議長には山崎副議長を充てるという報道が出ました。これは、9年前と同じ清和会官邸主導の「清和会・平成研・宏池会3派による中曽根外し」の構図です。中曽根外しで扇議長を首相主導で決めた翌年の郵政民営化法案で中曽根一派が造反にまわり、参院で否決し、衆院が解散される郵政政局につながりました。この9~8年前の自民党内政局は、衆院大勝ですべてかき消されましたが、今回は参院自民党内でうっぷんがたまるかもしれません。

 安倍首相は内閣改造を12月に先送りすることを表明しました。参院選で努力した閣僚適齢期のベテラン、中堅に不満がつのる可能性もあります。

 第23回参院選で当選した新人は64人(元衆院議員含む)。参議院は、衆の半分の定数、半数改選なので、新人は少なく、衆院のときのように、全国の県域のテレビ、新聞の東京支社も詰めかけてのにぎやかなものにはなりません。ここ数回は、スマイル党党首マック赤坂元候補が当選していないのに、初登院するパフォーマンスをみせて、結果的にスポーツ紙でイチバン大きく掲載されることがあります。このようなエピソードもまた、参院と衆院の違いを知る材料になると思い、紹介しました。

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第23回参院選開票 自民党は公明党の協力でねじれ解消 民主党大敗、支持者が党内リベラル否定

2013年07月22日 06時26分55秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

 こちらのNHKさんの第23回参院選をうけた参議院の新勢力図があまりに秀逸なのでお借りしてしまいました。

[民主党は17議席の惨敗]

 2013年(平成25年)7月21日(日)投開票された第23回参議院議員通常選挙。

 民主党は17議席にとどまり、1人区は全敗しました。

 比例票も12年ぶりに1000万票台を割りました。

[参議院新勢力は、自民党が公明党の助力で過半数にとどまる]

 自民党が115議席で、公明党の20議席とあわせて過半数を確保。

 民主党は59議席。引き続き、衆議院議員より参議院議員の方が多いという極めて珍しい党体制が向こう3年間、続きます。

 みんなの党は18議席、日本維新の会が9議席。「み維」は議席数が「衆参ねじれ」となりましたが、自公で過半数を維持しているため、参議院みんなの党のキャスチングボートは喪失する見通し。

 日本共産党が11議席、社民党が3議席、生活の党が2議席、新党改革が1議席、沖縄社会大衆党が1議席、無所属3議席(平野達男さん、山本太郎さん、非改選で元国民新党の浜田和幸さん)という新勢力図になりました。

 民主党は17議席を獲得したため、2019年まで第2会派を維持することが確実になりました。2016年の第1会派奪還は絶望。まあ、6~10年ぶりに安定した参議院が復活するかも。

[比例代表では、6産別を含めて7人が当選] 

 民主党は比例代表で、電力総連(関電労組)新人、自動車総連(日産労連)新人が当選。

 6年前に候補を立てなかった電機連合が東芝労組新人を擁立し、連合会長・民主党選対委員長の応援もあり当選し、裏表2名の比例代表議員を確保。

 自治労現職、日教組現職、情報労連現職の3人の女性現職が議席を保ちました。その一方、UAゼンセン現職、JP労組新人、基幹労連現職の3人が落選しました。ただ、非改選に、ゼンセン、JP労組の組織内現職が残り、基幹労連と協力関係にあるJAMの現職が残ることになり、候補者を擁立した産別の声はすべて国会に届くようになりました。

[自民党は平成元年以来の単独過半数は及ばず、小渕内閣後期の体制に戻る]

 平成元年の宇野首相(自民党総裁)橋本幹事長時代に自民党が失った参院単独過半数は遠く及ばなかったものの、公明党との連立で衆参とも過半数をとることに成功しました。これは小渕恵三内閣がつくった体制に戻ったことになります。

[自公は民主党に3党協議の継続を求める見通し]

 一方、選挙前に麻生副総理がG20で「来年4月の消費税増税は3党合意でやっていく」と述べ、2012年6月の社会保障と税の一体改革3党による自民党・公明党・民主党の3党協議を続けるよう呼びかけました。自民党が参院単独過半数に及ばなかったことから、公明党は3党合意の継続を求めると考えられます。

[民主党とみんなの党の行革2党連携は継続も]

 みんなの党が神奈川選挙区で松沢成文さん、埼玉選挙区で行田邦子さんが当選を決めたこともあり、衆院側で続いていた、民主党とみんなの党による行革路線について、衆院の民主党実力者はより一層、大胆にすすめることが可能になったと考えられます。ただし、衆参とも法案可決に及ばないことから、3年間はのれんに腕押しになりそうです。

[新進党勢は堅調で、たいせつにしたい「小川勝也ってどこから来たの?」という原点]

 阪神大震災後の1995年の参院選で低投票率(44・50%)になり「創価学会による創価学会の選挙」と言われました。2013年の参院選も東日本大震災後最初の参院選だったことから同じく「政治への無力感」がありましたが、それでも投票率52・61%。多くの政策が語られるようになりました。対立軸があいまいでかみ合わなくても政策が語られるようになったことが進歩です。この過程で、多くの有権者の声が国会議員・政党に吸い上げられました。

 1995年の参院選では、東京選挙区で学会・旧自民党・連合の3者が一本化して擁立した新進党公認の新人だった魚住裕一郎さんが引き続き、公明党比例代表として議席を獲得しました。私は21歳だったけど、新進党東京11区総支部から派遣されて「夜に選挙事務所の2階の奥でやる会議」にも参加していたんですよ(^_^)v

 民主党にとって原点と言えるのは北海道選挙区の小川勝也元防衛副大臣です。1995年参院選、32歳の新進党公認の新人であった鳩山邦夫議員前秘書の小川勝也さん。テレビニュースで、あの広い北海道で、街頭演説会場に、はちまき姿で自転車でかけつける小川候補。こちら東京・魚住陣営では、「この小川っていうのはどこから来たの?」との声が上がりました。「広い北海道で自転車でどこから来たのか」と「あんなに若くて、ポスターを貼るだけでも大変な北海道で野党第1党の公認で出られる小川っていうのはどこから来たの?」。二世ではない小川さんがあの広い北海道で立候補できる、チャンスが得られる。それが新進党の原点。



[写真]出陣式の小川勝也さん、2013年7月4日(木)、小川さんフェイスブックから。

 公明党の魚住さん、民主党の小川さんの4選。「小川っていうのはどこから来たの?」という32歳の青年に北の大地で思いっきり羽ばたける機会を与えることは自民党にはできません。

 さらに、昨年末にも、民主党が創価学会からいくばくかの友情票を得て小選挙区を勝ち抜いた衆院議員が多い選挙区で勝ちました。千葉選挙区の長浜博行さんらがそうだろうと推測できます。羽田ファミリー、羽田雄一郎さんが長野で。そして、新潟選挙区で風間直樹元外務政務官、静岡選挙区で榛葉賀津也元防衛副大臣さんら保守系議員が当選しました。2010年の改選と加えて参院でも保守系議員が増えました。民主党の進む道は、リベラルでも護憲でもありません。国民が民主党に穏健なる保守いつでも自民党に代わって天皇陛下をお守りできる政権担当可能な政党を求めていることが歴然としました。

[電力総連が唯一の「ゼロ打ち当確」で、民主党結党の母、笹森元連合会長の弔いを果たす]

 笹森清さんが亡くなって初めての参院選でした。NHKは民主党全国比例でゼロ打ち当確を1人だけ打ちました。新人の浜野喜史さんです。電力総連・関電労組です。笹森さんの後輩です。電力総連のみなさんのこのすさまじく壮絶な2年半に思いをいたしながら、浜野さんの当選にフクシマ・フィフティに限らず、ずべての電力供給に関わる働く仲間のみなさんに敬服します。

[「細川・羽田内閣の志」「新進党・社保税3党合意」「民主党と連合の関係」「非自民反共産」の4つの井戸]

 「小川勝也ってどこから来たの?」という細川・羽田内閣の志を引き継ぐとともに、3党合意につながる新進党の枠組みを大事にしている候補者、県連。

 笹森清さんがつくってくれた、民主党と連合の関係をしっかり守ろうとした人。

 細川・羽田内閣の志。

 新進党=社会保障と税の3党合意。

 民主党と連合の関係。

 そして、田辺誠さんら社会党政権構想研究会や山岸章初代連合会長の「非自民反共産」。

 この4つの井戸を守った人は当選しました。

[海江田代表は続投を表明、細野幹事長は辞任の方向]

 
[写真]テレビ局開票特番のインタビューに答える海江田代表、2013年7月21日午後10時半、民主党本部内開票センター、筆者撮影。

 海江田万里代表は続投を表明しました。一方、細野豪志幹事長は東京選挙区の調整失敗について「責任を取る」と述べ、辞任する意向を示唆しました。


[写真]テレビ各局の開票特番出演の合間に、うなだれたような表情を見せた細野幹事長、2013年7月21日午後9時半、筆者撮影。

 今回の参院選は、昔とは比べものにならないくらい政策本位の選挙になりました。また、インターネット選挙運動解禁で、ツイッターを中心に、有権者の政策認識が多く発信されました。「3・11」原発事故後に官邸周りで仕事をした議員が、生き急いでいます。しかし、民主党のためには、官邸周りにいた議員には向こう3年以上は、テレビに映らないで、環境委や経産委の現場で汗をかいてもらいたいと、私はのぞみます。とくに細野さんは福島原発廃炉までを見届けるという長い人生計画をもってほしいところです。

 野党というのは、本質的には、何もできないのです。「チェック」と「政権準備」に専心すべし。

[輿石会長は続投、副議長、幹事長・国対委員長人事が焦点、会長交代論が出た場合は、前田議員が担がれる見通し] 

 一方、輿石東参議院議員会長は来年6月~8月まで任期があります。参院幹事長が落選、参院国対委員長が引退したため、後継人事に着手します。もともと、幹事長・国対委員長は1年交代です。ただ、保守系議員が増えたため、会長交代を求める声や、副議長人事をめぐって駆け引きがある可能性があります。仮に会長交代論が出る場合は、前田武志さんが担がれるとみられます。

[3年間の臥薪嘗胆、頻繁に上京するような総支部長はいらない]

 引き続き、参院議員の方が人数が多い政党でありつづけますが、今あげた3点を守る衆院総支部長が200人以上いれば、次の衆院選で一気に政権復帰もありえます。そして、元議員たちは、現議員に対してえらそうなことを行ったり、頻繁に上京したりしないでいただきたい。 現議員は今以上に大胆にみんなの党、生活の党、日本維新の会の若輩議員を議員立法に誘っていいでしょう。抵抗野党もときには必要です。社会保障制度改革国民会議が不誠実な対応をしたら、3党合意破棄をちらつかせてもいいでしょう。そして、ほんのちょっとばかり現議員にお願いしたいのは、少なくとも衆院総支部長200人がある程度、「有権者に説明できるかどうか」ということを片隅に入れながら、国会対応して欲しいということです。

 一方、創価学会が強い近畿圏では、民主党は1人区・複数区とも全敗し、統一地方選に向けて、組織の底が抜けてしまった府県連もでてくるでしょう。ここは、やはり極めて厳しい状況になりました。私自身が考えていた枠組みが正しかったことの証明ですが、近畿圏の危機的状況は極めて残念です。

[2015年4月12日の第18回藤一地方選に向けて]

 2015年4月12日(日)と思われる第18回統一地方選の前半戦(知事、県議など)、26日(日)と思われる後半戦(市長、市議など)となります。前半戦では現職県議の確実な再選がカギ。後半戦では、市議、区議、町議、村議は、公認・推薦新人の一定数の擁立がカギになります。人材供給源である「国会議員公設秘書」の人数がさらに減るため少数精鋭になります。

[第47回衆院選での政権交代は可能だ]

 この後、2016年7月~12月の可能性が高い第47回衆院選と、2016年7月の第24回参院選への対応になります。第47回衆院選では、単独過半数が可能な、250以上の小選挙区候補者擁立が絶対必須条件。とくにここで一気に政権再交代の可能性があります。

 いずれにしろ、それぞれの立場で、ていねいに日常個別訪問を重ねていき逆風のときに足腰が強い後援者づくりが必要になります。首長選では、公務員が加盟している労働組合の声に一定以上の配慮が必要です。 

[党がまとまるのが第一だが、もはや「リベラル」ではない、党支持者から「リベラル」が完全に否定された日]

 無党派層の支持があまりないのに当選した民主党の17議員は、当然にして、民主党支持層や、組合員をしっかりまとめた人です。このうち、日教組、自治労の2議員は護憲の声をくみ上げているかも知れません。しかし、残り15議員を見てハッキリ言えるのは、それは「穏健なる保守系」であることです。

 いわば、2013年7月21日というのは、民主党内で「リベラル」が完全に否定された歴史的な日です。リベラルなどという言葉を使う者は、大学教員職でも探せばいいのです。もはやリベラルではない。

 また、私の長年のセオリー「景気が良いと与党が勝つ」が実証されました。アベノミクスは信任されました。経済対策はあまり国会での法案審査はありませんから、正社員からパートまでの働き方に関して国会審議を充実させていくべきです。それと、規制緩和は、各種団体の物心両面の支援を受ける自民党ではできません。総理の国会議事録を取り続け、3年後に言行不一致をつけばいいのです。

[これだけの大敗でも、私は20年来の持論にかえって自信を深めました] 

 ハッキリ言います。

 私・宮崎信行が20年間考え続けた野党第1党の枠組みは正しかったことが証明されました。

 これからは、しかっりと衆参とも肉付けしていく3年間にしたいと考えています。