【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小沢系16人が欠席も、「3分の2」まで6票のみに迫る 中井予算委員長解任決議を否決

2011年02月28日 20時09分00秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

【追記 2011-2-28 22:25】

 新会派16人のうち、欠席者は15人だったようです。みんなの党の浅尾慶一郎さんが、衆・予算委の締めくくり総括質疑の冒頭で明らかにしました。報道によると、比例北関東ブロック単独の川口浩さんが出席したようです。川口さんは、自称・新会派結成の記者会見では、逆に1人だけ欠席していました。すなわち、16人のうち、川口浩さんは別行動をとっており、会派離脱届を取り下げる可能性があると思われます。以下、最初のエントリーのうち、「16人欠席」で計算していた部分を「15人欠席」に書き直します。

【追記おわり】

 午後7時から衆院本会議が開かれ、午後5時に提出された中井洽・予算委員長解任決議案が反対多数で否決されました。この後、中井委員長が予算委員会を再開し、締めくくり総括質疑に入るものと思われます。

 衆院本会議には、小沢系の比例単独チームBの自称・新会派16人(渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら)のうち15人が欠席したもようです。解任決議案の投票(堂々巡り)で16人のうち15人が登壇しませんでした。

 このため、中井委員長解任決議案は、

 投票総数 448 

 白票(賛成)155(34・6%)

 青票(反対)293(65・4%)

 無効 ゼロ

 の反対多数で否決されました。この議案の成否を分けるのは過半数です。3分の2以上は、「衆院で可決→参院で否決→両院協議会で成案得ず→衆院で再議決」というシナリオの時にだけ必要な矛ですが、今はものすごく重要な矛です。

 現在衆議院の議員数は478人。

 投票総数 448の「3分の2以上」は299票になります。このため、仮に欠席した15人のうち、6人が出席して投票していたら3分の2に達していたことになります。意外にハードルは低いように、私には思えます。

 自民党は国会の出席率が民主党に比べて低い傾向があります。私は政権交代前は、これは与党と野党の違いかと思っていましたが、政権交代しても、この傾向に変わりありません。ですから、自民党政調が政府に対して事前審査の権限を持つのに対して、民主党政調は政府に対する提言機関に過ぎないという違いがあるため、自民党議員はいまだに国会というインターネット中継が入ったヒラ場に戦場が移っていることに気付いていないようです。

 このため、今回の投票からすると、「比例単独チームB」の15人のうち、半分を切り崩せば、「3分の2」パワーを持てる可能性が出てきました。休憩明けの本会議に15人のうち、自分の判断で、出席して賛成票を投じた議員については、執行部は不問に付すと思われます。

 改めて、4月24日(日)の愛知6区補選に勝つことも重要です。社民党との関係も引き続き重要です。

 まだまだ、可能性はあります。あきらめずに、ねばり強く、石にかじりつきましょう。


岡田幹事長、比例単独「チームB」の16人が予算採決の本会議に欠席した場合の処分を表明

2011年02月28日 16時17分50秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 民主党の岡田克也幹事長は2月28日の午後4時からの定例記者会見で、自称・新会派(比例単独チームB)が、同日に設定されている衆院本会議で欠席などをした場合は、「役員会、常任幹事会で議題にする」「厳正に対処する」として、処分する意向を示しました。また、冒頭発言の中で、会派離脱届に続いて、先週、「どうなっているんですか」という質問文も幹事長室に置かれていたと指摘。実際に、岡田さん本人に会わずに、幹事長室に手紙を置いていく手法について、幹事長代理の衆院議員の藤村修さんが「代表」と称する民主党衆院議員の渡辺浩一郎さんを訪ねたことを明らかにしました。

 岡田さんは代表だった、2005年の第162回通常国会(「郵政解散国会」)で、民主党国対副委員長だった松木謙公さんが、2回にわたり本会議で造反し、5月17日の常任幹事会で厳重注意処分として、役職を解任しました。松木さんは今でもこのことを恨んでいるようで、名指しを避けながらも、恨み節を披露しています。ただ、国対副委員長である以上、1回造反した時点で解任すべきだったとの意見が強く、民由合併直後で、自由党出身者への配慮から温情をかけてしまい、恩を仇で返された、と評する人もいます。野党とは違い、与党としてしかも予算案の採決にのぞむわけですから、今回は過半数(241議席)あればいいわけですが、今回は1回目からレッドカードということになりそうです。与党として政権の責任の重さを岡田さんらが肌身に染みて体感したことと、とにもかくにも前に進むしか、突破口がないからこそ、強い心づもりでのぞむ覚悟があるものと思われます。

 また、先週末の26日、宮崎県に入り、鳥インフルエンザ対策に関して現地視察したイメージと、国会を訪れた宮崎県地方自治関係者との話から得たイメージに齟齬があったことを表明しました。これは、与党ナンバー2として“裸の王様”状態にならないよう、アポイントを担当する党本部幹事長室の態勢について、検討する考えがあることを示唆しました。


「比例単独チームA」が大活躍 衆・予算委分科会

2011年02月27日 10時25分31秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[画像]民主党比例単独議員の若泉征三さん、2011年2月25日、衆院予算委員会分科会

(このエントリーの初投稿日時は2011年2月27日)

[衆・予算委員会 分科会 2011-2-25(金)]

 衆院予算委員会の分科会が25日開かれました。予算採決の条件になります。例年は「2日間開催」なのですが、ことしは金曜日ということもあってか、1日間にまとめて、早い分科会では午前8時からスタートしました。官僚、それも局長より下の官僚が答えることが多かったのですが、政権交代後初の昨年の分科会は、政務三役だけが答えるという力の入った審議でした。ことしは大臣だけでなく、政府参考人とのベスト・ミックスで、立体感ある充実した審議となりました。

 民主党は第1次野党期(1998年~2009年)は、分科会では「地元の国道」といった地元の利益について国会質問できる数少ない機会という位置付けがあったように思います。が、第1次与党期(2009年~)になってからは、民主党の政府外議員は、あまり質問に立てないので、ひごろの議員活動がファッション・ショーのような彩りで伺いしることができました。鹿児島、宮崎両県の読者には不謹慎な表現で申し訳ありませんが、まさにマグマが噴出するような感じでした。一方の野党・自民党は、閣僚経験者も含めて、大臣とサシで「テレビと選挙」について議論したり、「私、実は文科省関係で質問するの初めてなんです」と、長年の所属委員会とは違う府省の分科会で質問したり、ヒジョーに大きな変化が見て取れました。ただ自民党は、質問を希望した議員はおそらく半数以下という感じで、高知1区の福井照さんは、いろいろな委員室を渡り歩きながら、いろいろ質問していましたが、「国会の見える化」という与野党問わずの政治と国民の間にある変化に気付いていない議員が多いことを伺わせました。

 なかでも、印象に残ったのは、ふだん質問の機会が少ない、「民主党・無所属クラブ」の1期生議員の質問。とにかく、政策的。質問がしたいことは山ほどある。でも質問できないし、政務三役にもなれない。そのフラストレーションを一気に発散させた印象があります。民主党はやはり人材はいます。その人材をいかに配置して、民主党の力を100%近くまで引き出すか。第1次与党期の政権運営の大きなカギとなりそうです。内閣への人材活用術については、小渕恵三さんのやり方を菅直人総理(民主党代表)に丸飲みして欲しいですね。

 そして、「民主党・無所属クラブ」所属の比例単独議員11人が八面六臂の大活躍をみせました。一方、「自称・新会派」の渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら16人は一人も登場しませんでした。すでに新会派のつもりなんでしょうか。

 ちなみにいちもく会に限れば、出ていった、もとい出ていこうとしている人は14人(+2期生2人)ですが、21人は残っています。そして、この21人の「比例単独チームA」はテレビに出ないから、全国的な露出はまったくない。一方、渡辺・笠原・川島ら「比例単独チームB」はテレビに出演しちゃって時の人。フラッシュライトが快感でたまらない。テレビさんも自重すべきです。この予算委分科会は、「チームA」が質問に立ち、「チームB」はだれ一人質問に立ちませんでした。政策もないのでしょう。ちなみに、「比例単独チームB」のBは「BAKA(馬鹿)」の頭文字で、この先、造反したメンバーは「チームK」に降格です。「チームK」は「KOKUZOKU(国賊)」の頭文字です。

 11人のうち、当選2回生の若泉征三さんは議長にあたる、予算委第二分科会主査として議事進行にあたりました。このほか、当選1回生では、金森正さん、磯谷香代子さん、山崎摩耶さん、吉田統彦さん、中島政希さん、竹田光明さん、浜本宏さん、山口和之さん、松岡広隆さんが質問し、全員が個性溢れる、そして日ごろよく仕込んできたなあ、と唸らせる質問を30分間にコンパクトにまとめました。このほか、新党大地の比例単独名簿で当選している新党大地代表代行の一回生ですが、統一会派「民主党・無所属クラブ」の仲間である浅野貴博さんも質問に立ちました。

 金森正さんは比例東海ブロック単独。「企業と生活」ということで、ものづくり企業を中心に社員教育のあり方について、文科大臣と討論しました。金森さんは四日市工業地帯のはたらく仲間の応援で、四日市市議4期と三重県議4期をやりました。、四日市市議4期・三重県議4期で、岡田克也執行部の幹事長補佐を務めています。


[画像]民主党衆院議員の金森正さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 ふだんから衆・予算委員である金森さんは質問を終えると、長丁場の審議のため、他の主査の手伝いで委員長席にも座りました。


[画像]民主党衆院議員の金森正さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 磯谷香代子さんも比例東海ブロック単独。政権交代フィーバーでマスコミの注目が集まっていたときに、「フリーター議員」と話題になりましたが、その後の国会議員資産公開で意外に資産家だということが明らかになりました。やはりその辺の経験が生きた質問で。年金積立金の運用について、少子高齢化(による低成長・マイナス成長)の時代に必要だと指摘しました。質疑の中では、海外への資金運用に関しての自分の経験談も交えて話しました。

 
[画像]民主党衆院議員の磯谷香代子さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 比例近畿ブロックの浜本宏さんは、まず、「私は神戸ですので、ニュージーランドの地震にお見舞い申し上げます」としたうえで、国会内の分煙について、衆議院事務総長に質問しました。「朝から煙たい話で恐縮です」と関西の方らしいユニークもありました。こういう人柄も、質問に立ってくれると、伝わってきます。


[画像]民主党衆院議員の浜本宏さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 比例東京ブロックで青梅市に事務所を持つ、竹田光明さん。「日本語学校は日本に来る外国人の第一印象につながります。経営者は儲ける、岳では困る」と質問。江田法相は「委員が初々しい目でこの国の統治のあり方について、調査・考察していることに敬意を表したい」と答弁を切り出しました。竹田さんは、統一地方選の陣頭指揮をとっていると思います。確定的なことは言えませんが、次期衆院選では小選挙区から出馬できる可能性が高いように思われます。民主党に少ないお坊ちゃん議員として、政局に右往左往しない、ひらたく言えば「今解散になっても困らない」という状況をつくることが大事です。言論の自由はタダではありません。竹田さんには大いに期待したい。この「日本に来る外国人の第一印象」に思いを馳せることができる強さとやさしさを国政に反映させ続けて欲しいです。


[画像]民主党衆院議員の竹田光明さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 群馬県連会長代行として統一地方選での党勢拡大の陣頭指揮をとっている、比例北関東ブロックの中島政希さんも質問に立ちました。中島さんは初当選前から、新党さきがけ系議員などの秘書として、国会内では有名な人ですので、時流にあった答弁をベテランの江田法相から引き出しました。中島さんは、衆参ねじれを踏まえて、参院議長から入閣したことについて、江田さんから「参院議長から菅内閣の一員になることについて、参院の権威を損なうという意見はあった。しかし、私が昨年7月に岡山(選挙区)でもう6年間やって来いとして当選したのは、『権威でございます』と座っていることをのぞんだわけではないだろう」とその正統性を主張。中島さんも「上院(参議院)の権限がこんな強い国は日本だけです。イタリアでは、上院も解散できる」として、「日本国憲法の欠陥だ」と強く断定。これに対して江田さんは参院議員ですので、「私たち国会議員はこの憲法で国を動かす負託を受けている」と中島さんをたしなめ、「首班指名で衆院の優越規程で、衆院の指名が国会の議決になっても、天皇陛下には衆参両議長が報告に行っている」と議長経験者らしいエピソードを披露しました。これには私も「へー」と驚きました。江田さんは中島さんに「国民のねじれを生かして、国会は答えを出さなければならない」として、老壮青、衆参、政府内外がいったいになって、国益のためにこの通常国会を頑張ろうと呼びかけました。


[画像]民主党衆院議員の中島政希さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 比例東北ブロックの山口和之さんは理学療法士です。質問の冒頭、「質問通告はしていないが、ニュージーランドの震災を踏まえて病院の耐震化について質問したい」と切り出しました。厚労政務官は、「山口委員には、またご意見があれば、ぜひ厚労省に意見書を持ってきて欲しい」と答えました。山口さんが日ごろ、質問の時間はないけれども、与党議員として厚労省政務三役に直接、つないでいるのではないか、とうかがい知ることができました。山口さんは、いろいろな党内議員連盟に入っていて、この辺りから、私は議連の乱立で執行部をゆさぶっている小沢氏の影響があるのではないかと疑い、「自称・新会派設立」に関するこのブログ内の記事で、山口さんは怪しいと書いてしまったのだけど、こうやって、政務三役でもなく、質問時間もないなかで、理学療法士としての政策実現のために議連を使っていたことが分かりました。この場を借りて、先日のエントリーの非礼を詫びたいと思います。


[画像]民主党衆院議員の山口和之さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 比例北海度ブロックの山崎摩耶さんは、日本看護協会の代表として質問。現在「日本看護協会」からは民主党の山崎さん、「日本看護政治連盟」から自民党参院議員の高階美恵子さん(南野知恵子元法相の後継者)が出るという状態になっています。山崎さんは、事業仕分けでも活躍しています。この日は、成年後見制度について、法務省と厚労省の両方から答弁を引き出しました。予算委分科会の使い方をしっかり活用。やはり日本看護協会は政治の使い方が上手いです。


[画像]民主党衆院議員の山崎摩耶さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 第45回総選挙のとき、「愛知県連の吉田統彦(よしだ・つねひこ)さんは良いタマ(候補者)だ」と評判を聞きました。ただ、総選挙中は情報の引き出しの出し入れが通常のおよそ1万倍になっているため、誰から、いつ、どこで聞いたのか、まったく思い出せませ。僕はフリーランスですので、基本的には信頼できる人としか情報交換していないので、いずれにしろ、信頼できる人からの情報だと思います。吉田さんはまだ36歳ですが、名古屋大学院を出た医学博士。吉田質問で、4月から中学校で武道が必修化するという話を初めて知ったのですが、そのうちの柔道がラグビーと並んで怪我が多く、とくに首回りの怪我が多いということに対しての対応を質しました。命を守る政治に欠かせない質問です。


[画像]民主党衆院議員の吉田統彦さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 比例単独議員で、「民主党・無所属クラブ」の所属でも、民主党ではない議員がいます。この辺もホントウに選挙制度は複雑ですが、そこでサジを投げてしまうと、「政治より選挙が趣味」という人が囲碁を楽しむかのようにベテラン政治家が私物化してしまいます。その辺で、国民に「うんざり」してほしくないとは思いますが、浅学非才だけど、当ブログの役目もその辺にあると自覚したい。で、「民主党・無所属クラブ」の質問時間ですが、新党大地の北海道比例ブロックの「1議席」を国政につなぐ、新党大地代表代行の浅野貴博さんが登場。「取り調べの可視化」について法務省に質しました。ぜひ、今後は北海道、農業・漁業・畜産業、北方領土などに関する声なき声を国政に届け続けて欲しいと思います。


[画像]民主党衆院議員の浅野貴博さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ

 さて、イチバン印象に残ったのは、最年少国会議員である松岡広隆さん(比例近畿ブロック)の質問でした。松岡さんについては、2009年の大晦日のしめくくりエントリー(ありがとう2009年 最年少国会議員(松岡広隆さん)のふるまいに日本は潰れないとの確証得たり)で紹介しました。その松岡さんは「私は衆・内閣委員会に所属したことで、自殺問題の深刻さを知りました」と初々しい切り出し。最年少だからこそ、響く言葉だけど、影響力のある人物に洗脳されやしないか心配にも感じます。松岡さんは小沢一郎政治塾の出身です。松岡さんは「きょうから内閣府の自殺対策のホームページが変わりました」と述べました。午前10時半の質疑ですが、朝起きたらまず、ホームページをチェックしているというところに、時代の移り変わりを感じます。そして、「(担当大臣の)蓮舫大臣も変わったのを確認されたと思います。また、蓮舫大臣のツイッターを見ていると、毎朝、お子さんに弁当をつくっているとつぶやいておられます。私も母に弁当を作ってもらって学校に通っていて、部活の苦しさを乗り越えることができました」とし、「同じ日本でも、毎日90人(年間3万人)の方が自殺している」として、例えば「3月は自殺予防月間だから、各府省のすべてのメールに自殺予防のメッセージをつける。そういった縦割りを排した政策をするのが民主党政権ならではではないか」と提言しました。

 答弁に立った、蓮舫さんは、「松岡議員はきょうがお誕生日・・・」として、きょう2月25日で松岡さんが29歳になったことを祝しました。小沢塾出身の最年少議員といったら、小沢氏の洗脳特攻部隊という印象もありますが、こうやって、ママ大臣の蓮舫さんが松岡さんのことを気にかけているのなら、松岡さんの議員生活は前途洋々な気がしました。で、大臣が退席した後、松岡さんの答弁に立った政府参考人の村木厚子・内閣府政策統括官(局長級、昭和53年労働省入省)は、「自殺は3月がイチバン多く、1日がイチバン多い」と松岡さんの指摘を裏付ける答弁をしました。私はビックリしました。なんせ、3月1日というのは、私が1974年、この世に生まれた日です。365日のうち、私が生まれた最もハッピーな私の3月1日、立春を過ぎた3月1日、芥川龍之介・菊田一夫・中山美穂・小島聖・宮崎信行の誕生日である3月1日、英語で言うと「マーチ・ファースト」というとても語感が良い3月1日が自殺がイチバン多い日とは。ですから、松岡さんの冒頭の「きょうから変わった」という発言は、この3月1日を意識して逆算した話だったのです。

 また、松岡さんは「自殺対策のホームページをプリントアウトすると、A4判で途中で切れて印刷される」ことを問題点としてあげました。私は「それがどうしたのかなあ」と思いましたが、この印刷が切れた部分に相談のtel番号が載っているんだそうです。だから、会社から社会から切り捨てられて、そして、一筋の光明を求めて、政府のホームページにたどり着いて、印刷したら、その人はこう思うのではないかと。「また切り捨てられたな」


[画像]民主党衆院議員の松岡広隆さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ


[画像]民主党衆院議員の松岡広隆さん、2011年2月25日、衆院予算委分科会=衆議院インターネット審議中継からキャプチャ


[画像]民主党比例単独Aチームの鋭い質問に答弁する政府参考人・内閣府政策統括官の村木厚子さん(昭和53年労働省)。

 私は1974年3月1日生まれですから、松岡さんは8歳年下ですが、それでも「全然世代が違うな!」と驚く指摘でした。ある民主党関係者に聞いたら、「松岡さんは目が恐いよな」というのですが、最年少国会議員で国益を思う気持ちは人一倍だからだと思います。玄葉光一郎さんが26歳のときに荒井広幸さん(現・新党改革幹事長、参院議員)との激戦のうえ福島県議に初当選したときも、今とは想像もつかない「ぎらついた目」をしています。私はある長老から「君は、松岡広隆君をどう思う」と聞かれたことがあり、そのときは、2009円の大晦日に書いてあるエピソードを話したことがありました。

 八面六臂の大活躍を見せた、民主党比例単独Aチーム。やはり小選挙区の数、現職議員(総支部長)の年齢から考えると、空白区は足りない。岡田克也幹事長が調整できればいいのですが、あまりこういうのは得意ではない。きょう紹介した中で、私が知っている限り2人以上は、小選挙区公認を得られる見通しですが、一人は、国民新党落選選挙区にぐいぐい入っていったし、もう一人は県連がしっかり面倒をみて、これも国民新党落選選挙区をあてがう意向のように聞いております。仮に衆参ダブルなら、参院ということもあります。場合によっては、一回休みでプールして、第47回総選挙で、引退議員の選挙区をしっかり守り抜くという長期戦略があるかもしれません。

 この日の審議を見て思ったのは、民主党幹部に求められるのは人事力です。城山三郎さんの『官僚たちの夏』では、通産事務次官をやった佐橋滋が、「将棋の駒」を動かすように名札を動かして、人事に構想を練る面があります。

 一部の人はバカにするでしょうが、民主党国対が作っているように、議員ごとの勤務評定表・カルテをつくるというのも、いい。政治家である以上は、あまり「自薦」で物事を任せるのはいかがかと思うし、何でもかんでも「党内選挙」で決めるのもよくありません。

 佐橋滋に限らず、各省の人事の専門家というのは大したものだと思います。私は、今、日本郵政株式会社の副社長をやっている、坂篤郎(さか・あつお)さんなんかは人事の天才。先輩、同輩、さらに自分も含めた人事に関するモーレツな電話掛け。すさまじい執念。大蔵省・日銀接待事件(いわゆるノーパンしゃぶしゃぶ事件)の時は、大蔵省の武藤敏郎官房長と官邸の坂総理秘書官で最小限のダメージ(事務次官更迭、キャリア1人逮捕、銀行局・証券局の分離・独立)で省を救いました。また日経新聞時代の上司が、支局長としての任期切れを前に東京本社に戻ったときのポストについて、新聞製作そっちのけで、ふだんは使わない支局長室にこもって、散々電話しまくっている姿も見てきました。政治家の場合は、選挙事情、当選回数、年齢、当選前の経験に加えて専門分野と利害関係の問題もあり、自薦も他薦も難しい状況があります。その辺で、坂さんなんかを人事コンサルタントに迎えて、民主党の人事力を引き出す。

 菅直人さん、岡田克也さんには、小渕恵三さんの「人事力」を丸飲みして欲しいと思います。

 ◇

 第177通常国会の衆院予算委員では、民主党から若泉征三さん、金森正さん、竹田光明さんに加えて水野智彦氏も比例単独で予算委員に起用されていました。比例北関東ブロックの水野氏は、自称・新会派、比例単独Bチームの16人に加わりました。ネット中継にまったく映らなかったので気が付かなかったのですが、予算委員会に出席して、質疑応答を見ていたようです。水野智彦さんのブログに次のような写真が載っていました。


[写真]水野智彦氏(奥) 衆院予算委分科会で、質問に立つ同じ比例単独1期生の浜本宏さん(マイクのある質問者席)、次の質問に備える村越祐民さん(着席)をみつめる=2011年2月25日、水野氏のブログから。

 さみしそうな水野さん。帰りたいのかもしれません。

 水野さん、今ならまだ、間に合いますよ(*^_^*)


恒三「あまり自慢のできることではありません」輿石「激怒するのを初めて見た」と岡田さんをさとす

2011年02月27日 08時59分27秒 | 岡田克也、旅の途中

 比例単独Bチームによる「自称・新会派」(渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら16人)結成、一新会創設者の松木謙公さんが鹿野道彦農相に辞表を出すなどの騒動で、国民に予算執行への不安が弘があった2011年2月24日(木)の代議士会で、岡田克也幹事長(57歳)が党代議士会でビシッと引き締めるできごとがありましたが、27日(日)放送の討論番組で、発言がありました。

 民主党最高顧問で衆院議員の渡部恒三さん(78歳)はTBS「時事放談」で、「私もその場におりましたけどね」として、「党の方で何で菅君の奥さん(菅伸子さん)を取り上げたのか」として党に苦言を呈しながら、「しかし、これね代議士会で取り上げるような話でもない」と評しました。そのうえで、岡田さんの「今しゃべった奴、立ってください」との発言に、「岡田君は頑固で潔癖で、いままでいろいろなことがあったなかで、ヒステリーをおこしたみたいなものだ」として、心の鬱積が身体的な反応に現れるヒステリーにも似たような状況だったとしました。この代議士会について、民主党にとって「あまり自慢のできることではありません」と述べました。同志社大学教授で、ドルが国際基軸通貨でなくなりつつある、との未来予想図で定評がある、浜矩子・同志社大学教授は「やる場所が違いますよね。国会の中で、野党を相手にやるべき話だ」としました。

 フジテレビ「新報道2001」には、参院議員会長(民主党・新緑風会会長)の輿石東さん(74歳)が出演。フジテレビアナウンサーひとすじ40年、生涯賃金10億円(推定)の須田哲夫さんが、先週の政治でもっとも印象的なシーンだった、と水を向けると、輿石さんは「(教師出身の)私ならやりそうですが」と笑いを誘いながら、「岡田幹事長が激怒するということは見たことがありません。そのくらいの党の危機だということだと思います」と、来週から始まる(予定の)参院での予算審議に向けて、表情を引き締めました。

 恒三さんは、「当選14回、(毎回およそ)10万人に渡部恒三と名前を書いてもらったから、こういう風に、浜さんのような偉い先生と一緒に出ていられる」としたうえで、「民主党」単独名簿で当選している新会派16人について、「僕は政治家だと思っていない」と突き放しました。そのうえで、番組の最後に、「(国政だけで41年間の)私の長い議員生活の中で今ほど厳しい混迷した状況はない」としたうえで、勤続30年の菅直人総理が野党経験の方が長いことに同情しながら、「さすがは菅だ、と言われるような態度を取って欲しい」と述べました。

 このブログにはまだ書いていませんでしたが、1月13日の民主党定期大会で、参院議員で民主党選対委員長の石井一さん、ピンさん(76歳)が最後のガンバローコール3唱の音頭取りで言ったことばが思い出されます。

[画像]ガンバローコールの音頭をとる、石井一さん(中央)=2011年1月13日の民主党定期大会、千葉・幕張メッセ、党本部インターネット中継からキャプチャ。

 「我が党は存亡の危機にある。ガンバロー、ガンバロー、ガンバロー」


岡田さん、党代議士会でビシッと引き締める

2011年02月24日 23時59分59秒 | 岡田克也、旅の途中

(このエントリーの初投稿日時は2011年2月26日(土)11時50分)

[画像]2011年2月24日の代議士会で発言する岡田幹事長=NHK「ニュースウォッチ9」の映像をお借りしました。

 久しぶりに痛快な一事がありました。

 衆院会派「民主党・無所属クラブ」の代議士会が2月24日(木)の衆・本会議前に開かれました。国会開会中ですが、2月は衆・予算委員会での予算審議が突貫工事のように進んでいますので、本会議や代議士会の開催は、9日ぶりでした。

 この間に、比例単独選出の小沢系議員(渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎ら)16人が「自称・新会派」を宣言し、小沢系「一新会」の事実上の創設者である、松木謙公・農水政務官が鹿野道彦農相に辞表を出すなど、党内に混乱があり、国民の間でも4月からの生活に不安が広がっています。

 その中での代議士会で、岡田幹事長は、当面の国会運営に「予算案採決を(来週に)控えて、非常に重要な局面なので、緊張感を持ち対応してもらいたい」と気を引き締めるよう呼びかけました。

 

 この後、小沢一郎政治塾出身の1期生議員が、党本部作成のビラについて、「これでは誰も配る人がいない」などと批判しました。岡田さんはこの後の定例記者会見で「ああやってマイクを持ってしゃべるのはいい」とこの言動は評価しています。

 そして、党本部で広報委員長代理を務める、3期生議員が釈明。ただ、代議士会をやっている本会議場の議長とは後ろの出入り口付近にある第4控室は、身内なのに、ヤジがとびかいました。議員のストレスに加えて、与野党が出席する本会議との勘違いもあったかもしれません。たまらず岡田幹事長が執行部席から立ち上がり、マイクを握って発言しました。

 

 

 

 岡田幹事長は、マイクをつかむと、「

ちょっと、そこで・・・ちょっと立ってください。
今しゃべった、立ってください。
今しゃべった人立って。
もう少し、言い方を気を付けたらどうかね。
仲間の議員が説明しているときにその言い方があるのかね。

」と発言しました。私はこれを見て爆笑してしまいました。久しぶりに気分爽快。原理主義ときどきブラフの岡田さんらしいシーンでした。

 ちなみに岡田さん、「気を付けたらどうかね」「その言い方があるのかね」とおじいちゃん口調になっていますが、実際には岡田さんが1953年にこの世に生を受けたときには、両方のおじいさんは天寿を全うされており、一緒に過ごした経験はありません。また、実父は、ワーカホリックで、四日市時代は自宅にいる時間が短く、あまり話したことはないようです。15歳~18歳のころ、大阪で2人ぐらししていた3年間にはけっこう話したようです。おばあちゃんの高田ちゑさんの口調なのか。あるいは通産省のキャリアはみんなそうですが、財界の大物、例えば瀬島龍三さんらの口調が57歳の与党幹事長という重い責任を負う立場になって、出てきたのかも知れません。いずれにしろ、「三つ子の魂、百まで」という感じがしました。

 代議士会で、立たされた2人の議員のうち1人は、一新会所属の当選3回生で、衆・議運委理事の要職にあり、国会の円滑運営が国家国民から与えられた使命でありながら、ホントウに情けないと思います。また、もう一人は、発言した議員と同じ大阪府連所属の1期生で、これまた小沢一郎政治塾出身者。そして、実は、広報委員長代理も、一新会会員です。さらにこの場をしきる山岡賢次・党副代表(兼)代議士会長が、小沢グループであることはみなさん良くご存じでしょう。

 ちなみ蛇足ですが、この中の一人は、国会議員でありながら、秘書飲み会(独身者にとっては合コン)がに出席し、もう一人は、トイレから出るときに手を洗いません。ホントウに蛇足ですいません。

 ということは、この幕の登場人物、合計5人はみんな小沢グループですし、さらに自称・新会派16人も欠席という格好で代議会を混乱させています。実は岡田さんは怒ったふりをして、実はある程度計算づくで引き締めた可能性が高いと思います。「仲間の議員」の「仲間」というのも、複数の意味を持たせているのかも。もちろん岡田さんはロボットではありませんから、とっさに「今しゃべった奴」と「奴」と言っていますが、テレビカメラを意識して、「今しゃべった人」と言い直しています。だいたいが、岡田さんは世襲議員ではないので、とっさに「奴」と感情が先に出て、後から理性が追いつく性格でなければ、そもそも選挙に出て、日本の政治を変えようなどと思うわけがありません。そういうところも垣間見えた名シーンでした。

 「人間マックス・ウェーバー」の岡田さんは、民主党権力が崩壊しかけているという危機感の前提に立って、小沢グループの内部統治が崩れかかっているという現状認識を持っている可能性があります。



 「一丁かましてやった」というしたり顔を岡田さんはしているように、私には見て取れるのですが。岡田、怒らせたら恐いで~。

 さて、ビックリ情報でしょうが、小沢グループの中核組織である「一新会」会長を務める3期生で総務副大臣の鈴木克昌さんが「一新会を退会したい」という周囲に漏らし、慰留を受けている、という情報(鈴木さんから確認はとっていませんが)があります。鈴木さんは愛知県ですが、地元の市議が民主党公認を返上し、大村秀章知事が代表を務める政治団体(地域政党)の公認を受けて統一選にのぞむ、という報道があります。私は地域の事情はまったく分かりませんが、鈴木さんが民主党を出たら、総務副大臣を辞めないと行けないし、次期衆院選も微妙になる。そこで、会長辞任どころか、退会したい意向という情報があります。この情報は、反小沢系が流しているのかも知れないけど、小沢グループが空中分解する方向性を示唆していると思います。

 一新会の代表者は鈴木克昌さんで、会計責任者を他の衆院議員(その後、離党、不出馬)が務めていたころも、政治資金収支報告書の「事務担当者」には、松木議員の政策秘書の名前があり、一新会は、発足そのものの発案から、運営まで、事実上、松木さんがもっとも関与していました。このような経緯から、小沢一郎議員の秘書出身の政治家は、一新会の活動にはあまり熱心でない傾向が政権交代の前も、後も見て取れます。
 
 すっきり爽快だ、と書き始めながら、最後の方には、さわやかな土曜の朝にふさわしくない情報を書いてしまいましたが、内憂外患、敵は外か、身内か分からない状況になっていますが、とにもかくにも、「予算関連法案」の行方に、不安を持っている国民が多いと思います。これは与党も野党も共有しないといけない。というわけで、私はもう政権交代の直前から、「政権交代」のその先にあるもっと大事なことは「政治を国民の手に取り戻すことだ」と書いてきました。そして、それはハッキリ目に見える形で言えば、小沢一郎さんの政治的影響力を根絶すること。これも表現に気を付けて「小沢卒業」を国会議員にも有権者にも求めてきました。ぜひ小沢被害者の仲間である公明党執行部、自民党執行部の一部(石破政調会長、小池総務会長)も協力してくれないものでしょうか。

 国会の見える化が進めば、選挙のつまらない化が進みます。日常の中で、国益に資する政党、議員を選択できますから、選挙になってから熱くなる必要はありません。そういう安定した日常生活の中で、日常のささやかな喜びに生きている喜びを感じる。そういう国のかたちをつくっていく。それが予算案が衆院を28日ないし3月1日に通過した後の、後半国会の論点になってきます。変化の時こそ、国民の声の影響力は増します。チャンスです。まずは、両院協議会のネット中継とそれに関する国会法や規約の改定に向けて、ちょっと僕もいろいろ勉強しているところです。気を引き締めて、前に進みましょう。

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予算関連法案の審議、衆・財金、総務両委員会で泰然自若のスタート

2011年02月24日 09時40分22秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 予算関連法案が、22日の衆・総務委、23日の衆・財金委で、大臣による提案理由説明があり、委員会での審議がスタートしました。

【衆・総務委員会 2011-2-22(火)】

 まず22日の総務委は一般質疑の後に、片山善博・総務大臣が答弁席に。歳入にかかわる「地方税など改正法案(今177国会内閣提出法案4号)」の提案理由説明をしました。また国の歳入ではなく、国の歳出(かつ自治体の歳入)に関する予算関連法案である、「地方交付税法改正法案(177国会閣5号)」、「公害防止事業にかかる国の財政支援の特別措置法改正(延長)案(177閣6号)」も、プロセスに入りました。なお、交付税法改正案は公明党の賛成も得られる見通しで、参院でも過半数で、一発成立の可能性が高まっています。また、「公害防止財政支援特措法の延長案」は、1971年から10年ごとに延長してきています。1969年に、東京都議会が「都公害防止条例」を可決し、1971年に国会がこの法案を可決・成立させ、1972年に環境庁が発足。その後1981年、1991年、2001年に10年ごとに延長してきた法律ですので、政争の具にすべきではありません。

【衆・財務金融委員会 2011-2-23(水)】

 午前中に予算委集中審議、午後にも同じく、そして、午後4時からは党首討論(QT)という珍しい国会日程でしたが、昼休みの午後12時10分に、野田佳彦財務大臣を引っぱり出してきて、財金委が開かれました。

 2本の予算関連法案(歳入)の提案理由説明がありました。

 平成23年度の赤字国債の発行に関する臨時特例法案(177閣1号)と所得税法など改正法案(177閣2号)の2本です。

 野田さんは赤字国債臨時特例法案について、まず予算委が審議している平成23年度予算の概要から説明しました。それによると、「平成23年度予算(案)は、中期財政フレームにもとづき、財政規律を堅持するとともに、成長と雇用、国民の生活を重視し、『新成長戦略』とマニフェスト工程表の主要事項を実施する『元気な日本復活予算』です」と述べました。マニフェスト工程表の【主要事項】を実施する予算というところに、さりげなくキーワードと、第46回衆院選までに民主党政権がやるべきことのヒントが隠れています。そして、財金委にかかる法案の方はどういうものかについて、野田さんは、「この法律案は、平成23年度の財政運営に資するため、昨年度の当初予算より抑制した44・2兆円の国債の発行に関する特例措置を定めるものです」としました。ただ、この法案にはもう3つ「埋蔵金の繰り入れ」が盛り込まれていて、「基礎年金の2分の1にあたる国庫負担分の臨時財源として」財投特会、外為特会の積立金の一部を埋蔵金・税外収入として一般会計に繰り入れます。また、国鉄清算事業団や鉄建公団の流れを引き継いだ「独立行政法人・鉄道建設・運輸施設整備支援機構」から納付金として1・2兆円ほど返ってくるようです。一般会計書によると、同独法からは出資金のほか、205ページには「1・2兆円」とあります。まとめますと、「財投特会」「外為特会」「鉄建公団」から税外収入があり、これを基礎年金の半分(保険料と税金)に充てるということです。ですから、年金生活者、とくに国民年金で月8万円程度の受給者にとっては大きな法案です。

 もう一つの「所得税などの改正法案」については、「所得・消費・資産の3つの面からの税制の抜本改革を進める」として、7つのポイントを野田さんは説明しました。(1)個人所得への課税として、給与所得控除の上限の設定と成年扶養控除の見直し(縮小)、(2)法人課税では、法人税率引き下げと(租税特別措置などの一部廃止による)課税ベースの拡大、(3)資産課税では、相続税の控除額引き下げと税率上げ、(4)消費税では、地球温暖化対策税制の導入、(5)市民公益税制の新設、(6)納税者権利憲章の制定、(7)粗特(租税特別措置)の整理・合理化(など一部の廃止)と、登録免許税の特例の延長(などの減税・免税の粗特の延長・つなぎ)について、所要の措置をした法案だ、と説明した、と私は受け取りました。利害関係者は、財務省のホームページや、衆議院インターネット審議中継、衆議院・参議院ホームページから見られる議案の全文などでご自身でご確認下さい。

 そして、野田さんは最後、次のような決まり文句で提案理由説明を終えました。私自身、何十回聞いたか分からない決まり文句ですが、とてもズドーンとストレートに腹に収まりました。

 「何卒ご審議の上、速やかにご賛同いただきますようお願い申し上げます」。

 ◇

 提案理由説明だけで、審議は後日となりましたが、24日(木)は予算委と午後から衆・本会議で、「平成23年度の子ども手当法案」(厚労委付託)の趣旨説明と代表質問があり、25日(金)は衆・予算委分科会があるようです。その後は、28日(月)が衆・予算委しめくくり総括質疑と採決となりそうです。おそらく今回は予算案と予算関連法案の採決は切り離されると思います。しかし、修正するにしろ、つなぐにしろ、分割するにしろ、なるだけ衆院は早く過半数で提出して、参院で匕首を突き付けて、場合によっては、参院否決→両院協議会成案得ずというところまで持っていったらいい、と私は考えています。そこで、衆院再議決となり、3分の2をとれないと廃案になってしまうので、両院協議会でストップしたまま、つるす。たとえ年度末をまたいででもつるす。統一選があってもつるす。そこで、予算関連法案の修正とともに、両院協議会に関する国会法・規則の改正を協議するというのが、いいように思います。とはいえ、この政局ばかりは、考えていても、答えは出ません。ただ、将来出世する政治家は右往左往することなく、国会という法律工場の持ち場をしっかりこなすと思います。それが、国家国民のためにも、次の選挙のためにも、資することだということは、力のある現職議員なら誰でも思うことでしょう。

 

 委員会終了後のネット中継で次のような場面が見えました。右から見て、赤(エンジ)のネクタイが退席する石田勝之・財務金融委員長、ダブルのスーツが野田佳彦・財務大臣。そして、右手を挙げて、野党委員席の法に向かう薄いピンクのネクタイの古本伸一郎・与党側筆頭理事と、古本さんの背中を小走りで追いかける大串博志理事。古本さんと大串さんはすでに「元財務大臣政務官」という立派な肩書きを手にしていますが、こうやって持ち場で地味にしっかりと働いているのが垣間見えます。古本さんは愛知11区、大串さんは佐賀2区で、聞くところに夜と、なんでも、愛知や佐賀の方はいろいろにぎやかなそうですが、私は古本さんや大串さんに期待します。ぜひ、委員会も現地で傍聴していただきたいと思います。そのうえで、ネット中継で偶然こういう場面が映ったら、「ああこういうことか」と想像しやすくなります。国会傍聴は無料ですが、「東京・国会議事堂前」駅までの交通費と手間は、残念ながら、一人一票とは大違いで、タイヘンな格差があります。そう言う意味では、恵まれた環境にあるわけで、当ブログとしても、しっかりと国益のために一人の国民として私はどうすべきかを考えながら、このブログを書き綴っていこうと考えています。とはいえ、ちゃんと手を抜いて、休んでますからご心配なく。まっすぐに、ひたむきに。


[宮崎信行の雑記帳]平成23年度予算 (当初、政府原案)

2011年02月24日 09時22分23秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

(初投稿日は閣議決定の2010年12月24日。特段に追記日時は明記しないで、更新していきます)

平成23年度(2010年度)当初予算案の宮崎信行雑記帳

・ 12月24日午後10時台に来た、内閣官房副長官・福山哲郎さんのメールマガジンによると、一般会計の92兆4116億円を「国をよい色(924116)にぬり替える予算」と語呂合わせしています。私は「国(92)を思う良い(41)小沢一郎(16)さんならいいのになあ」という菅総理のメッセージだと思っています。

・報道によると、 このほか、法務省に取り調べ可視化への予算が1000万円付きました。

・政府原案は、http://www.mof.go.jp/seifuan23/yosan.htm で見られます。まだ全体ではありませんが、これだけホームページに出るようになったのは、昔に比べれば進歩です。

・予算フレーム(http://www.mof.go.jp/seifuan23/yosan002.pdf)を見て、感じるのは、税収が37兆円→41兆円(リーマンショックの回復、あくまでも見積もりなので、兆円単位までしか書きません)と増えたのに、税外収入は10兆6000億円→7兆1000億円に減っています。ところが、国債発行による歳入は、44兆3000億円台でかわらず。(ただし建設国債は減って、赤字国債は増えていることに注意)。となると、はじめに国債発行額がアタマにあって、それから税外収入で穴埋めしたというのが、主計官の考え方でしょう。

・ということは、埋蔵金は次の予算編成以降にもあるのではないかと期待してしまいます。また、財投特会も外為特会も財務省主管の特会です。次の予算編成では、税収が厳しいと予想され(リーマンショックの反動がなくなるので)、厚労省所管、国交省所管の特会にもけっこうマネーがあるので、そこに切り込んで欲しいと思います。とくに厚生年金特会はあまりにも巨額ではないか。保険料の見直しと含めて、「社員OBから現役社員」へのマネーの移動で、子供をしっかり育てるしか、日本が生き残る道はありません。

・税外収入では、事業仕分けを踏まえた返納が1989億円。国民の関心が高かったことを考えると少ないように思いますが、2000億円はトラの子です。まあ、毎年のフローを止めたり、チェックの目が入ったからですが、出来上がった予算政府原案をみると、少し拍子抜けです。

・税外収入はこのほか、日本銀行納付金が2862億円、日本中央競馬会(JRA)納付金2318億円です。ストレス社会ですが時間に余裕があります。競馬で倉を建てた人はいないといいますが、中央競馬の開催は週2回で、1日100円~1000円程度プラス新聞代500円で遊んでも、そんなに損はしません。もっと競馬で遊んで、JRA納付金を増やしていきたいと思います。2ちゃんねるの「選挙予測」をしている方には、選挙結果が歪む可能性があるので、むしろ中央競馬をオススメしますよ、アタマが良い人が多いですから。

・在外収入の続き。国有財産売却収入が1169億円です。まだまだありますが、ストックの切り売りには限界があります。そして、「公共事業費負担金が1319億円」とのことですが、これは新潟県の泉田知事でも話題になった国の公共事業への地方負担金のことだと思います(違うかも知れません)。これは国会(民主党)が廃止法を成立させましたから、こういう複雑なマネーの流れはシンプルになります。

・地方一括交付金がどこにあるのかなと思ったら、地域自主戦略交付金に改名したんですね。分かりにくい(>_<)

・予算書がPDFで公開されました。一般会計書(http://www.bb.mof.go.jp/server/2011/pdfhdocs/201111001Main.html)など、ことしからはPDFで慣れていこうかと思います。さて、「地方一括交付金」とは、内閣府所管の、
 「地域自主戦略交付金」(予算コード 001-173-95199-1825-16)が「4799億円」、それと「沖縄振興自主戦略交付金」(001-174-95199-1825-16)が321億円です。足すと総額があわないので、もう少し調べてみます。平成23年度一般会計書の289ページ、290ページを見ると、分かりよいと思います。

・スキームだけで、メニューはまだ分かりませんので、以下続く・・・

・野田佳彦財務大臣の赤字国債臨時特例法案の提案理由説明を聞いて、思ったり、調べてみたこと。平成23年度予算案で積立金を取り崩す2つの特会はともに財務省所管で、他府省、とくに厚労省や、国交省の特会にはほとんど手をつけていません。そして、平成22年度予算と平成23年度予算は、税収見積もり+国債発行額+税外収入がほとんど同額になっています。しかし、22年度はリーマン・ショックの反動で、前年比の税収は大きく増えるのに、国債発行額は前年度よりわずかに下回るだけです。ということは、このフレームの維持のために、財務省は在外収入の額をある程度コントロールした可能性があるのではないか、と私は推測しています。ですから、次の予算編成でも、厚労省や国交省の特会などから税外収入を出すことは可能ではないのか。あるいは、財投特会と外為特会は新しい利息も出てきます。このため埋蔵金はまだあるように私には思えます。もちろん、財政再建はまったなしで、赤字国債、あるいは建設国債も含めて抑えるべきです。また、基礎年金(あるいは最低保障年金)は恒久財源で国が保障すべきですから、消費税を増税して、それをぶち込むべきだと考えております。なお、「外為特会の取り崩し」といっても、あくまでも運用益などを日本円に両替した外為特会積立金を取り崩すということであって、まかりまちがっても外貨準備高を取り崩す、なかんづく、米財務省短期証券を売却するなどという意味でないことは強調しておきます。

・内閣官房の共通費の報償費。通称「官房機密費」は前年と同額計上。14億6165億2000円。こういうのを少しだけでも減らしてPRすれば、内閣支持率が少しは回復するのに。政治センスの無さを感じる。

(数字の引用の際は、必ずご自身で確認してください。私は責任を負いません)


予算関連法案の1本成立メド 公明党代表「地方交付税法改正案」を「基本的には賛成で検討」と明言

2011年02月23日 05時57分47秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]公明党代表の山口那津男さん

 公明党代表の山口那津男さんは、22日、全国市長会長を務めている新潟・長岡市長の森民夫さん、全国町村会長を務めている長野・川上村長の藤原忠彦さんと衆院第1議員会館で会い、予算関連法案の一つである「地方交付税法改正案」(今国会内閣提出第5号法案)について、「基本的には賛成する方向で検討したい」と述べました。23日付の公明新聞が2面で伝えています。

 山口代表の「基本的に賛成」の表明で、地方交付税改正案は、衆院だけでなく、参院本会議(過半数121票)でも、民主党106人、国民新党3人に加えて、公明党の19人が賛成に回ることで、すでに128票以上が固まりました。参院で可決・成立してしまえば、衆院に戻して、再議決は必要ありませんから、「衆院の3分の2」はまったく、問題ありません。

 このため、改正地方交付税法可決・成立するのは確実な情勢となり、ていねいな国会運営を心がければ、年度内成立も可能となりました。

 今国会に政府が提出した予算関連法案で、可決・成立が確実になったのは、これが初めてです。

 仮に地方交付税法改正案が年度内成立しなかった場合は、2月20日付の当ブログエントリーにあるように、「4月4日支給分の地方交付税交付金の概算交付額が月で「4・1兆円→2・6兆円」へと減額され、人件費と市債償還費は遅らせるわけにいかないので、公共事業の着工を先送りしたりするなど、新年度当初予算を骨格のみとし、首長選を迎えた自治体が新首長による肉付け補正や9月補正予算案が組めないといった事態に陥りかねない状況でした。

 成立が確定している、平成23年度本予算(2011年度当初予算)では、総務省所管で16・4兆円の普通交付税(地方交付税)が盛り込まれています。

 この状況に対して、全国市長会長と全国町村会長が要望したところ、地方議員3000人の公明党の代表として、山口さんは政局にかかわらず責任ある対応が求められたので、「基本的には賛成する方向で検討したい」と述べたのだと思います。この会談には、井上義久幹事長、石井啓一政調会長が同席しており、山口さんの発言は、国政・統一選をめぐる諸情勢から断定はさけていますが、ほぼ確実に「賛成」ということで間違いないと考えられます。

 公明新聞は、「予算関連法案不成立時に想定される事態について」の山口発言を報じています。この「不成立時」というのは、「法案否決」のほかに「年度内未採決」も含んだ表現だと思われますが、そういった混乱した事態に関して、山口さんは「今後とも市町村の意見を伺いながら(対応を)進めていきたい」と両会長に約束しました。

 両会長は、平成23年度子ども手当法案については、仮に不成立(あるいは未成立)の場合、児童手当が復活して支給対象が変わり、自治体の事務負担が増すことを説明し、「国民は混乱し、市町村の事務に支障を来す。手だてを与野党で話し合って欲しい」と述べ、公明党ら野党が政府・民主党に修正を含めて、歩み寄るよう促しました。

 地方交付税法改正案は先週の2月15日(火)の衆院本会議で、趣旨説明と代表質問が行われています。この法案を担当する、衆院総務委員会は、きのう(22日)、総務大臣の片山善博さんに対する一般質疑をしましたので、きょう(23日)、委員会でも提案理由説明があると思います。ちょっと、予算関連法案のスケジュールが遅れだした感覚を持ちますが、民主党の理事は泰然自若と速やかに委員会をセットして、質問に立つ委員(1年生含む)は、何事もなかったかのように、政権与党の責任に立って、きっちり、しっかり、ていねいに、審議を進めて、早く参院に送って欲しいと思います。こういうときにどういう振る舞いをするか。それが「正念場」の本来の意味です。

 いずれにしろ、予算関連法案が1本だけ、歳出法案(国から見れば歳出、自治体から見れば歳入)とは言え、成立が確実になったことで、ここから一気に菅民主党がブレークスルーする突破口が見えてきました。そもそも平成23年度の国の予算を河に例えれば、「地方交付税交付金」は国にとっては河口であり、その財源をどうするかという視点に立てば、川上にある40兆円を動かす最大法案「平成23年度赤字国債臨時特例法案」も成立させなければいけない、という流れができます。

 国会は、政党という組織でなく、会派によって動いています。衆院も参院も任期がかなり残っているのですから、衆参とも会派が話し合い、国民生活向上のために「国会の総意」を示してほしいと考えます。

交付税法案、賛成の方向 | ニュース | 公明党

公明党の山口那津男代表は22日、衆院第1議員会館で、全国市長会の森民夫会長(新潟県長岡市長)と全国町村会の藤原忠彦会長(長野県川上村長)から、来年度の子ども手当法案などに関する要望を受けた。井上義久幹事長、石井啓一政務調査会長が同席した。

森会長らは、来年度の予算関連法案の成立が不透明な状況であることを踏まえ、「予算関連法案で地方に非常に関係があるのは子ども手当法案と地方交付税法案、地方税法案」と指摘。子ども手当法案不成立の場合、児童手当が復活して支給対象が変わり、自治体の事務負担が増大するなどと説明し「国民は混乱し、市町村の事務に支障を来す。手だてを与野党で話し合ってほしい」と強調した。

山口代表は、予算関連法案不成立時に想定される事態に関して「今後とも市町村の意見を伺いながら(対応を)進めていきたい」と強調。地方交付税法案については「基本的には賛成する方向で検討したい」と述べた。


めでたさも中くらいなりおらが春 gooブログ4位に (154万1072ブログ中)

2011年02月22日 08時00分11秒 | その他


 おはようございます。

 快晴、日差しがいっぱい。とはいえ、摂氏3度。東京・関東平野特有の放射冷却現象のようです。

 きょう(2011年2月22日)のうちに、当ブログ左サイドバーをご覧になると、驚かれるかもしれませんが、きのう(2011年2月21日)の当ブログは、訪問者数が1万7797IP、閲覧数が2万9423ページビューとなりました。NTTレゾナント社が運営する「goo」ブログ参加の154万1072ブログの中で訪問者4位となりました。

 また、人気記事ランキングでは、2011年2月21日集計で、

小沢一郎系会派離脱、新会派で立法事務費が狙いか? 16人なら月1 (国会傍聴記by下町の太陽)

が第1位となり、1万4043IPの方に読んでいただきました。

2位の★「ほれ、将軍様からのプレゼントだ」…北朝鮮住民、口蹄疫のおかげ (★厳選!韓国情報★ South Korea News Channel)

の9383IPを大きく上回ることになりました。

 基本的には、日本を代表する大手ポータルサイトのニュース面にリンクを張ってもらったことによる一時的なアクセス増です。

 「めでたい」と素直に喜ぶべきでしょうが、喜べない面もあります。

 一つは、やはりほとんど趣味でやっているブログなので、書きたいことが書きづらくなる可能性があること。

 そして、「小沢一郎氏」に関するテーマだと、アクセス数が増加する傾向がいまだに顕在であることからです。

 きょう、2月22日、民主党は倫理委員会(渡部恒三委員長)で小沢一郎氏から弁明を聴取し、すでにセットされている常任幹事会で、議題に追加して、正式に「党員資格停止(判決の確定まで)」とする運びとなっています。けさの新聞だと少し誤解しやすい表現になっている記事が散見されますが、常幹はすでにセットされていますが、議題には入っておらず、岡田幹事長が諸情勢を勘案して、議題に入れるか、入れないか決めます。

 なぜ、このブログがポータルサイトに取り上げられ、多くの方にお読みいただけたかといえば、まずは「小沢一郎氏」について書いたからです。そして他と違うのは、「小沢一郎氏を批判的に書いている」からでしょう。そこに溜飲を下げたり、我が意を得たりという方が多いのでしょう。

 それはそれとして、ありがたく受け止めさせていただきます。ただ、わが国は、小沢一郎氏に20年間振り回され続けています。もう「小沢卒業」をしないといけません。

 「見て見ぬふりをする」か? それとも「闘うか」?

 その選択肢が一人一人の国民に突き付けられている。資源のないわが国が少子高齢化していくなかで、「見て見ぬふり」で幸せになれるとは思えません。

 小沢一郎を(政治的な意味で)死に追い込む。小沢の系列を根絶やしにする。それを受け止められるかどうか。小沢一郎氏の刑事事件が推定無罪でも、新進党解党の罪は、確定死罪です。

 見て見ぬふりをするか? 闘うか? 一人一人が「小沢卒業」をできるかどうか。きょう2011年2月22日は日本の新しい出発ができるかどうかの大事な一日になります。


鹿野道彦農相と小沢一郎氏の「知られざる過去」が放送される 新進党解党

2011年02月21日 07時33分42秒 | 小沢一郎氏による解党ビジネス

 毎週土曜日の午前11時から、テレビ東京・BSジャパンで放送されている「田勢康弘の週刊ニュース新書」の2011年2月19日の放送に、農相の鹿野道彦さんが出演し、元代表・小沢一郎氏との「知られざる経緯」として、1997年末の新進党党首選→小沢氏ぶち切れ解党のビデオが放送されました。元日経新聞政治部記者で、司会の田勢康弘さんは、山形の人(中国黒竜江省生まれて山形に引き揚げ)ですので、鹿野さんと同郷ということになります。


[画像]珍しくセミカジュアル姿の鹿野農相(テレビ東京さんの映像からキャプチャさせていただきました、以下同)


[画像]再現VTRがスタート。自民党時代の鹿野さん。この場所は清和会の事務所があった赤坂プリンスホテル旧館だと思います。


[画像]自民党幹事長時代の小沢一郎氏、1990年ごろ?の映像


[画像]自民党にかわる政権担当能力可能な政党として細川・羽田内閣退陣後に「新進党」結党。鹿野さんは清和会→新党みらい→新進党、小沢さんは経世会→改革フォーラム21(自民党羽田派)→新生党→新進党に合流しました。


[画像]新進党結党。1列目左から、細川護煕元首相、海部俊樹元首相、石田幸四郎元総務庁長官、鹿野道彦・現農相、2列目に野田毅元建設相中野寛成・現国家公安委員長、小沢一郎氏、3列目には神崎武法元郵政相ら閣僚経験者がずらり。


[画像]1996年の第41回総選挙で敗北した新進党を建て直すために1997年の党首選(代表選)に立候補を表明した鹿野道彦さん。


[画像]当初はダークホース的存在だったが、選挙戦中に支持を伸ばし、党首選当日を迎えた鹿野さん、後ろ左は北側一雄・現公明党副代表。

 
[画像]結果は鹿野182票、小沢一郎230票。大善戦。


[画像]左から、握手を求める鹿野候補、加藤六月元農相、石田幸四郎元総務庁長官、小沢一郎党首。


 
[画像]小沢党首の強引な党運営に対して、反省を求める党の意思を示せたことで、笑顔で小沢党首の腕を持ち上げる鹿野さん。握手を見守るのは米沢隆・元民社党委員長。

 
[画像]小沢辰男・元厚相の音頭取りで、政権交代に向けて「新進党バンザイ」をやる、小沢氏、鹿野氏ら。後ろは高木義明・現文科相


 しかし・・・


[画像]降壇の直前に、鹿野さんの方を振り向き、にらみつけるようなそぶりを見せた小沢氏。

 

 そしてわずか9日後・・・小沢一郎が選んだのは「融和」ではなく、「純化」だった・・・

 
[画像]両院議員総会を突如開催し、新進党解党を一方的に「報告」する小沢一郎党首。右上の切り込み画面(ワイプ)は、VTRを見るスタジオ内の鹿野さん。


[画像]両院議員総会で、新進党解党に反対する草川昭三・現公明党副代表(国会最年長議員)=背中。その後ろには、岡田克也さん。執行部側には野田元建設相、西岡武夫・現参議院議長(元文相)ら。


[画像]両院議員総会終了後、報道陣のインタビューに答える岡田克也さん。


[画像]両院議員総会後、報道陣にモミクチャにされる、鹿野道彦・前党首候補。鹿野氏の隣は、日経・山口真典記者。


[画像]VTRは最後は、小沢氏を「壊し屋」と表現して終了。まあ、こうまとめるしかないでしょう。




[画像]スタジオで、新進党解党の経緯をきかれる鹿野農相。




 1997年の新進党解党と、2011年の渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎氏ら16人の民主党離脱届提出はかなり意味合いは違います。

 まず、新進党は、閣僚経験者を大量に擁しながら、野党の経験しかありません。政権は、村山・橋本両首相の自民党・社会党連立内閣ですから、政権政党だったことは1日もありませんでした。それに対して、2011年の民主党は政権政党です。また新進党は結党時、小沢氏は幹事長(海部俊樹党首)で、その後、党首になり、解党時まで、党首か幹事長のいずれかにいましたが、2011年の民主党では一兵卒に過ぎません。

 このように新進党は多くの閣僚経験者を有していましたから、消費税引き上げや山一・拓銀ショックによる平成不況のなか、第42回総選挙を闘っていたら、2000年には政権交代できていたかもしれません。しかし、小沢党首と側近らの強引な党運営に疲れて、かつ導入されたばかりの小選挙区の特徴をまだよく体感していなかったことなどから離党者が相次ぎ、また、自民党による一本釣り工作で、自民党に復党・入党する人が相次ぎました。また国会運営では、住専処理問題での国会内ピケ戦術が極端だったのと、自民党の亀井静香氏らによる、「新進党は創価学会だ」キャンペーンで、創価学会の秋谷栄之助会長が国会に引きずり出される事態になったことなどから、求心力が大きく低迷していました。それでも新進党を建て直そうとしたのが鹿野さんの立候補で、当初は大差で敗北すると思われていたのが、岡田克也さんら政治改革議員や民社協会、旧日本新党系議員らの運動が急浸透して、あわや小沢党首落選というところまで追い上げました。これに驚いた小沢氏が、「純化路線」ということを言いだし、地方政党「公明」や、民社協会に解体を迫ったところ、受けれ入れられなかったので、新進党を解党することになりました。ということは、解体を拒否した、地方政党「公明」の判断は正しかったということになります。

 こういった歴史的経緯は、多くの議員がトラウマであり、語りたくないようで、あまり表に出てきません。この悔しさを頑張る力に変えられたのは、選挙も強く、年も若かった岡田克也さんで、まっすぐにひたむきに政権交代まで走り続け、この局面でも菅直人・総理の総辞職も解散もない、と断言できる政治家になります。一方の鹿野さんは、第44回郵政選挙で、完全落選してしまい、4年間の浪人を経て、ようやく第45回総選挙で国政復帰し、衆院予算委員長、そして21年ぶりの農相(1992年の総務庁長官以来18年ぶりの入閣)として政権に参加しました。

 新進党解党については、過去にも、以下のエントリーなどでまとめています。

新進党解党史 辛くても書かねばならない 

岡田vs小沢、“天命”の最終戦がスタート 新進党解党から13年

 最後に触れたいのですが、山一證券社長の「悪いのは私たちですから。社員は悪くありませんから、どんどん雇ってやってください」という野澤正平社長の号泣は覚えているけど、新進党解党はほとんど覚えていないという人は、それはテレビの見過ぎです。わずか14年前の話です。ただ所属議員が誰かということを見ていくとグチャグチャになってきますから、一つだけ歴史の教訓だけ、知っていて欲しいのです。「日本を衰退させたのは、小沢一郎だ」ということです。


予算関連法案が成立しないとどうなるか?

2011年02月20日 19時43分36秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]笠原多見子氏

 テレビなどで「小沢系16人の乱」によって予算案が成立しなくなったという人がいますが、予算は成立します。平成23年度予算案は衆院の「過半数」で可決し、参院では賛成少数で否決。両院協議会での話し合いでまとまらなければ、衆院の議決が自動的に国会の議決になります(憲法60条)。さらに3月2日夜までに参院に送れば、平成23年度予算は4月1日から執行できます。メドが立たないのは予算関連法案です。もちろん予算案と予算関連法案は夫婦のような関係です。

 予算関連法案が成立しなかった場合の影響について試算したペーパーは、すでに新聞で報道されています。私もこのペーパーを以前から、独自のルートで入手していて、熟読していました。2月14日週の衆院予算委員会での政調会長大臣・玄葉光一郎さんの与党からの質問に対する答弁でも内容は一致していました。このペーパーは、財務省・総務省・厚労省が作成し、民主党国対委員会会合で議員に配られたとされています。

 私は、「我が敵は参院自民党だ」と思い、ペーパーの項目毎に支持母体から影響を受けそうな自民党参院議員の名前を書き込んで、切り崩す作戦を模索していたのですが、「小沢系16人の乱」の大激震で大きく局面は変わってしまいました。敵は身内だったのです。

 結論から言うと、「小沢系16人の乱」と小沢信者・小沢支持者の間に、ジレンマが生じています。ネット世論、リアル世論とも、小沢信者・小沢支持者はすべて相対的に、地方者、高齢者、貧困者、情報弱者(以前はTV信奉者→現在ネット信奉者)といった特徴があります。しかし、予算関連法案が成立しないと、より困るのは、まさにその小沢信者なのです。このほかに影響を受けるのは経団連・大企業です。

 まず税制改革法案ですが、離島に行く飛行機の燃料税の特例が切れますので、1キロリットル辺り1万9500円が2万6000円になります。航空券代への転嫁は航空会社の判断になるでしょうが、いまどきこれをかぶれる会社があるとも思えず、値段が上がるでしょう。とくにマリンスポーツの入り込み客が多い離島は、そもそも景気低迷の影響を受けやすいでしょうから、ダブルパンチとなるでしょう。また、農林漁業用A重油への免税が失効するので、漁船の燃料やビニールハウスの加温用燃料が上がります。いか釣り漁で年間17・9万円の負担増という試算もあり、休漁どころから廃業に追い込まれかねません。ビニールハウスの試算は、ペーパーにないのですが、こちらは、おそらく設備投資で融資を受けている農家が多いでしょうから、止めるに止められぬ地獄に陥るかもしれません。

 このほか、住宅用家屋の売買にかかる登録免許税が0・3%→2・0%に上がります。不動産登記に関する政治連盟は、政権交代のかなり前から、民主党も応援してくれていたので、申し訳なく思います。これに関しては、リーマン・ショックから回復しつつある都市部が困るわけですが、とはいえ基本的には大型物件を扱う大企業の話です。地方では、家屋の売買そのものがない状態です。このほかにも「様々な取引などの当事者にとって想定外の負担増が発生」とペーパーにあります。

 さて、次は、ニュースで耳にする「23年度赤字公債法案が成立しない場合の影響について」。当ブログでは「平成23年度赤字国債臨時特例法案」と表現しています。

 大枠では、ご存じの通り、2011年度に40・7兆円の歳入欠陥となります。では具体的にどうか、ということですが、「4月から直ちに予算執行が不可能になるわけではないが、法案成立の見通しが立たない場合には、予算執行を抑制せざるを得ない事態も考えられる」とのこと。

 そして、心理面の不安では、ここがイチバン大きいと思うのは次の一文です。「基礎年金の国庫負担割合2分の1の維持に必要な臨時財源を確保するための特例措置を規定(2・5兆円)」しているにも関わらず、その根拠がなくなります。「臨時財源」のことは、最近は「税外収入」とも呼んでいます。自公政権から、基礎年金の2分の1は税金(国庫負担)となりました。しかし、毎年、どっかから臨時財源を引っ張ってくるという不安定な状況で、恒久財源--すなわち消費税を増税してそれを自動的に毎年充てたいわけですが--、今は臨時財源で、毎年いろいろなところから埋蔵金を掘っています。これも「厚生年金受給者で夫婦で毎月数十万円受け取っている」という人にはあまり気にならないでしょうが、「国民年金で、単身で月7万円」という人も多いでしょう。その半額となると、これはもう生活ができません。もちろん4月15日の支給日から減額ということはないでしょう。が、日本年金機構が6月ごろにハガキで送っている「年金支給額通知書」が遅れるかもしれません。逆にあそこはぼーっとしているから機械的に送ってくるか? とにもかくにも、どうなるか分からない面があまりに多い。年金7万円から月の家賃(3~4万円)を払って、残りは食費というおばあちゃん。唯一の娯楽はテレビでしょうから、これはもうお金の心配で、名実ともに、ご飯がどを通らない。病気になります。

 一方、赤字国債臨時特例法が成立しないと、「予算執行の停滞などに対する懸念が市場に広まり、株価などの不安定要因になるおそれもある」。とはいえ、都会の機関投資家にとって、株価が不安定になれば儲けるチャンス到来です。また、国債市場の長期金利ですが、これはヘッジファンドにつけ込まれる可能性もあり、危険です。かりに長期金利が上がれば、それに連動した住宅ローン金利も上がってきます。一つ付け加えたいのですが、長期金利が下がる(発行済みの国債が買われる)という可能性もある、と私は推測しておりますが、いずれにしろ、変動リスク、不安定リスクです。

 地方交付税法改正案が年度内に成立しない場合は深刻です。4月4日支給分の地方交付税交付金の概算交付額が月で「4・1兆円→2・6兆円」となり、自治体は「一般財源の総額を見通すことができないため、事業着手時期を先送りするなど予算の執行に慎重となり、国民生活や国民経済に悪影響」をあたえます。また、地方特例交付金も、年間で4000億円→2000億円となります。雪害・鳥インフル・火山噴火もあります。ちなみに、東京都庁が受け取る地方交付税は0円です。自治体財政では、人件費・扶助費・公債費の3つを義務的経費といいます。このなかで、扶助費の生活保護費は国の一般会計予算に総額2・6兆円が計上されており、予算は成立しますから、そこから下りてきます。しかし、自主財源比率の低い自治体では、人件費で、職員への給与遅配というわけにもいかず、公債費は過去に発行した県債・市債の満期償還ですので、信用上、絶対に遅らすわけにはいきません。公共事業を先送りにする選択をする自治体が多いでしょう。なお、公明党はまだこの法案の賛否を表明していないので、参院で年度内に可決・成立する可能性はまだ残っています。

【追記 2011-2-23 6:30】

 地方交付税法改正案に公明党が「基本的に賛成する方向で検討する」ことになりました。年度内成立の可能性が高くなりました。2月23日付で予算関連法案が成立へ 公明党代表「地方交付税法改正案」を「基本的には賛成で検討」と明言をアップしましたので、ごらんください。

【追記おわり】

 きわめて客観的にご説明しました。しかし、やはり困るのは、地方・高齢者・貧者ということになると思います。そうすると、郵政解散で小泉純一郎さんに「騙された」と思い、テレビに不信を抱き、インターネットに光明をえて、今度は小沢一郎さんを応援して、「検察不信・マスコミ不信」となっている方が、困る。そういうジレンマが、自称・新会派16人によって生じたと考えられます。

 私は、民主党の敵は自民党だと思っていましたが、これは、明らかに、民主党や、現在政権を預かる政党として、明らかに敵は、渡辺浩一郎・笠原多見子・川島智太郎氏による「自称・新会派」であり、裏で糸を引く小沢一郎さんです。19日~20日だけでもかなり状況の変化はあり、自民党幹部は「菅内閣が総辞職しても予算関連法案に賛成しない」ということで足並みをそろえましたので、菅内閣が総辞職する必要はなくなりました。そして、税と社会保障の一体改革案を6月にまとめたタイミングで、解散総選挙となりそうな気配も出てきました。第46回総選挙は「小沢卒業解散」ではないでしょうか。

 せっかく平成23年度本予算案審議は、民主党、自民党とも良い議論で、日程的にも良いペースで進んできたのに、水を差されました。悔しいです。また、衆院財金委、総務委では、大臣の所信聴取が済んだばかりで、予算関連法案の提案理由説明や質疑はこれからです。厚労委は所信聴取も済んでいません。第46回総選挙で民主党が議席を減らすのは確実ですが、今国会で、予算委、財金委、総務委、厚労委で、泰然自若と何事もなかったかのように国政・国民のためにキッチリと審議をこなした政府外議員や政務三役は、与野党問わず、しっかりと評価して欲しい、と当ブログからお願いしたいと思います。

 泰然自若です。


「小沢一郎氏に連いていったら落選しますよ!」と議員宿舎に押しかけたら、比例復活で当選した小沢マジック

2011年02月19日 05時12分36秒 | その他

[写真]塩田晋・元衆院議員(国政情報センターの國会議員要覧平成13年2月版からお借りしました)

 考えれば考えるほど八方ふさがりです。ここで思いっきりグアムにでも遊びに行ってアタマを切り替えた方が、年度末・会期末に向けてアタマが冴えるかと思いますが、カネがないわけではないが、将来の日本を考えると、散財もできないしと思いながら、金曜日は寝込んでしまいました。

 いくつか明るい材料は、17日夜、元厚労相の尾辻秀久・参議院副議長(自民党籍)が、細川律夫大臣と副大臣の大塚耕平さん、小宮山洋子さんと懇談したこと。尾辻さんは日本遺族会の副会長であり、恩給を受けている人からの絶大な支持がある。年金が税と保険料で賄われているのに対し、恩給は全額税金(税収+国債)で賄われているのだと思います。それと、おそらく4月4日に新年度最初の支給日がくるのだと思いますので、恩給受給者は不安なのではないでしょうか。もちろんその時点で、「平成23年度赤字国債臨時特例法」が成立していなくても、恩給の支給が遅れるということはないでしょうが、恩給受給者のおばあちゃんから、尾辻事務所に「不安」が殺到するかも。尾辻さんに期待したいです。また、第22回参院選の結果、自民党から、参・議運委員長になったにもかかわらず、あまり民主党を妨害していないように思える、人柄の元官房副長官、鈴木政二さんにも期待したい。ぜひ、鈴木さんから、国会法改正案を発議してもらえないでしょうか。鈴木さんは、先日の「名古屋・愛知ショック」で、自民党愛知県連会長を辞していて、「既存政党不信」に危機感を持っているはずです。自民党でもなく民主党でもなく、参議院および国会のためにしっかりと議運委員長を務め上げて欲しい。鈴木さんは、小泉官邸→安倍官邸の移行期に、双方の官房副長官として、政権の引き継ぎに携わっています。正式には安倍晋三さんが官房長官から総理へと、官邸に居続けたわけですが、裏方として支えた鈴木さんは人望があるのでしょう。それと、脇雅史・参院自民党国対委員長は国交族です。また、予算関連法案が失効すると、離島便の飛行機の燃料税が上がり、ビニールハウスで使う重油も上がります。この辺から、鹿児島県選出の2人の自民党参院議員が、党利党略よりも「鹿児島選出議員」として行動してくれたらいいなあ、と考えています。まだまだ私はけっして絶望はしていません。なんとかなる・・・ハズです。

 自民党の大島理森・副総裁が18日、「総理が代われば、予算・関連法案への対応のオプション(選択肢)が変わるかもしれない」という発言をしました。これは民主党をゆさぶっているのではなく、自民党も非難を浴びているのでしょう。先日の新聞報道では、衆・予算委員会で、「政治とカネ」だけを取り上げた自民党議員が、「政策に集中しろ」という抗議が殺到して、「もう政治とカネは取り上げない」と述べたそうです。おそらく柴山昌彦・衆院議員ではないでしょうか。私は若干、この人の選挙区に土地勘があるけれども、基地があることから政治意識が高いし、東京の大手企業で働いていた人が一戸建てを構えて住んでいるので、民度も高いと思われます。

 それにしても、政治ブログで、小沢一郎氏をいまだに讃えている人って何なんでしょうね。基本的には、地方在住者、低所得者、高齢者に「小沢信者」が多い傾向がありますが、都会でも低所得者は娯楽がテレビなどに限定されるし、そもそも日本人はテレビに脳を犯されているし、この経済困窮状態になってから政治に興味を持った30~40歳代は小沢が新進党解党をはじめ、日本を振り回してきた過去(あるいは歴史的犯罪と言っていい)を知らないし、20歳代の有権者は新しい物に目が行って、流されやすい。

 だいたい予算関連法案が通らなくて困るのは、地方の貧しい高齢者じゃないですか。私はとくだん、すぐには困りませんよ。むしろ、私の兄なんかは、配偶者控除・扶養控除のダブル廃止による増税が先送りになってラッキーなくらいでしょう。予算関連法案が通らなくても困るのは、地方であり、恩給・年金生活者であり、農家であり、離島であり、公共事業受注者である、ということが3月に向けて浸透してくると、形勢は変わってくるかも知れません。困る階層と小沢信者が重なっていることから、小沢系が苦しくなるのでは。このジレンマ。

 まあ、「16人」も選挙区を持たないことから、あまり世論を直に受けるとも思えないけど、毎日ブログを更新してきた笠原多見子・衆院議員が、写真を掲載せず、記者発表文や、予算委員会に出ましたという当たり障りのない表現になっていることから、ある程度圧力を受けているのではないかと考えます。また、17日に、「16人」を個別に説得して歩いた、民主党国対筆頭副委員長の三日月大造さんが、18日の党首討論の理事会のアタマ撮り映像でやたら笑顔だったことに、精神力の強さと、あるいはなんらかの「手応え」を持っているのではないかと感じました。恒三さんと誕生日が同じ5月24日であることから「三日月大造大物説」を裏付けた印象。まあ、5月24日は、小沢氏の誕生日でもあるわけですが・・・。

 ところで、「一時不再議の原則」を調べてみたら、国会法上の規定はないんですね。昨年の通常国会で、自民党は横路孝弘・衆院議長の不信任決議案を2回提出しています。ここに光明を感じます。どういうことかというと、予算関連法案が「衆院で可決(過半数)→参院で否決→両院協議会で不一致→衆議院で再議決したのに3分の2を得られずに否決」された場合、その法案は廃案です。そのタイミングで、菅直人総理が衆院解散に踏み切るという選択肢は十分にある。300小選挙区の人選は、現職だけで300人以上いるから、問題ないし、党財政からしても公認料500万円は出せると考えます。とはいえ、政策面では、修正マニフェストも間に合わないし、税と社会保障の一体改革案も出来上がらないから、「消費税増税」を問えずにもったいない。それよりも、今通常国会の会期は6月22日まであるので、予算関連法案が廃案になったら、ほとんど同じ内容の閣法をもう一度、出し直して、野党に匕首を突き付けるという手もあるのではないでしょうか。

 それと、公明党が地方交付税法改正案にホントウに反対できるのでしょうか。地方議員に突き上げられないのだろうか。

 だから、絶望に近い気分だが、予算関連法案の成立には、いちるの望みを持っています。しかし、政治というのは流れだから、「会派離脱ショック」で完全に菅民主党の流れは止まってしまいました。政治というのはここからの再浮上は極めて厳しい。しかし、これから始まる財金委員会や、総務委員会、厚労委員会の審議で、政権交代チルドレンがしっかりと泰然自若とした質疑を作り上げれば、その人は評価が上がる。けっして消化試合にしてはいけません。辛いけどね。

 まあ、自分でいろいろ書いていて、最近まとまりのない文章になっていることは分かっているけれども、とにもかくにも、書きたいことは書かないと、自分自身が持たない。スパッと切り取って、簡潔明瞭な記事を書くのは、しばらくはどうでもいい。とにかく、国難にあたり、持っている情報、書きたいことはすべて書いていきます。

 ◇

 ところで、今回の事態に関して、笠原多見子・衆院議員は「岡田幹事長は私たちの話を聞いてくれなかった」と指摘しました。今回の16人のうち、1期生の14人は、比例単独「いちもく会」の会員であると同時に、小沢グループ「北辰会」(旧名称・一新会倶楽部)のメンバーです。以前、いちもく会が岡田幹事長と食事会を持ったときには、岡田さんが冒頭に、「きょうは飯がまずくなる話はやめよう」と言って、「支部交付金などの処遇に関する直訴」を封じ込めたことがあったようです。この不満が鬱積して、今回の事件につながってしまいました。18日の国対幹部会で齋藤勁・国対委員長代理がこのことで、幹事長を批判したそうです。ただし、元参院議員((日教組支持、神奈川選挙区)の齋藤さんも現在は南関東ブロック比例単独衆院議員です。まあ、齋藤さんには、なんとかつなぎ役になってほしい。一方、岡田さんと仲がよい、防衛大臣の北澤俊美さんも閣議後会見で、「ここにいたるまで、(執行部との)接点はなかったのだろうか」「執行部は慎重に対応した方がいい」として、岡田さんの対応に一部批判しながらも、岡田さんの「処分はしない」「目くじらは立てない」という2月17日の定例記者会見での発言を支持しています。

私は、2月14日の幹事長定例記者会見で次のような質問をしていました。

[引用はじめ]
http://www.dpj.or.jp/media/kanjicho_kaiken/20110214.html#03

【フリーランス・宮崎記者】岡田幹事長は、違う政党ではあるが、小沢(自民党)幹事長のもとで衆議院議員に当選された。今回21年たって岡田幹事長のもと、こういったこと(=小沢一郎氏への党員資格停止の発議)になって、今どのように思われているか。
 
【幹事長】今日、当選1回の皆さん(=北辰会)も来られて私にいろいろと言われました。私も20年前、派閥(=経世会)が分かれて、小沢・羽田グループ(=改革フォーラム21→新生党)に属して、そして橋本龍太郎さんや野中広務さん(=経世会→平成研)相手に1年生議員ではありましたが丁々発止やりとりをしたことを思い出しておりました。ぜひ今日来てくださった若い議員の皆さんが、しっかり政治家として成長し、そして有権者の皆さんにも理解されて、ぜひ連続当選を果たしてもらいたいと、そう思いながら話を聞いておりました。

[引用おわり]

 しかし、この岡田幹事長の発言は優しいようで、実に厳しい答えです。あの16人が連続当選できる人材に思えますか?  岡田さんは、2度目の選挙は中選挙区でトップ当選し、地盤の四日市が県都・津と分割された小選挙区となった3度目以降は、圧倒的な得票率で当選し、連続7回当選しています。会長と会長代行を名乗る2人の2期生も第40回衆院選で、政治改革ブームの中、中選挙区の下の方で、初当選した人たちです。渡辺浩一郎さんは日本新党、豊田潤多郎さんは、新生党でした。渡辺さん、豊田さんの初当選同期は、安倍晋三、福田康夫両元首相のほか、前原誠司さん、枝野幸男さん、野田佳彦さん、玄葉光一郎さん、河村たかしさんといった面々です。そして、次の選挙で議席を失って、13年ぶりに「小沢名簿」で国政復帰した2人です。それに渡辺さんは選挙区に住んでいなかったはずです。よく、駒込の本社で渡辺さんに似た人を見たので、日本新党の職員に聞いたら、「以前、クルマで送ったときに、選挙区に住んでいないと分かって驚いた」という趣旨のことを聞いた記憶があります。ちなみにこの日本新党職員は、松野さんではなく、今は日本創新党の職員をしています。それはさておき、他の14人もだれ一人、小選挙区は持っておらず、「連続当選を果たしてもらいたい」という岡田さんの発言は、厳しすぎ。

 実は笠原多見子・衆院議員は昨年12月13日のブログで次のように、岡田さんのことを名指しこと避けながら、「原理主義者ではない一面」に初めて気付いたようで、次のような感想を書き綴っています。

笠原多見子・衆院議員の2010年12月13日のブログ・エントリーから全文引用はじめ]

 今日は朝から慌ただしく動いておりました。責任ある役職の方で、すごく理論的にきちんと筋道をたててお話しをされる方だと思った人が、ちゃんとした説明をすることが出来ない事案を、強引に推し進めようとすることにビックリしました。話を聞いていて、思わずイナバウアーをしそうになりました!同席していた多くの方が、同じ思いを共有したのではないかと思います。それにしても、すべての事に共通して言えることは、溝を埋めるのは難しいということです。

今日も部門会議に参加したり、中小企業政策推進議員連盟に出席しました。議連で、増子(輝彦)先生が地元も大事かも知れないが、政権与党の議員しか関われない予算や税制議論をしなければならない大事な時なので、国会に来て、しかるべき旨の発言をするよう、議員を諌めていました。年末の大事な時期の我が党の現状を嘆いてみえる皆様、本当にすみません。

[全文引用おわり]

 笠原さんは、2009年7月までは、自民党県議だった人で、あまり岡田さんのことをよく知らなかったのでしょう。同じ東海ブロックの岡田さんを名指しこと避けながら、「すごく理論的にきちんと筋道をたててお話しをされる」原理主義者だと思っていたのに、「情」と「理」の使い分けができることに驚いたようで、私は当日、彼女のブログを読んで、「ザマーミロ!」と思ってしまいました。しかし、3ヶ月後にこのような事態になってしまい、僕自身が「隙」をつくっていたことに、反省するコトしきりです。しかし、笠原議員を見ていると、「一度裏切る人間は、二度裏切る」という言葉を思い返します。笠原議員にはナントカ思いとどまって欲しい。ところで、アラフォーの笠原議員は、イケメン・アラサーのM議員やS議員とよく飲んでいたようですが、最近はどうなんでしょうか。M議員やS議員も笠原お姉さんの説得に当たって欲しいですね。予算関連法案や小沢新党をつくったら、私も「情」と「理」を使い分けないといけません。

 で、小沢新党といえば、かつて、自由党がありました。これは、数人の友人にしか打ち明けたことがない、思い出話です。まとまらないエントリーの最後に書かせていただきたい。非常にまとまりがない文章だが、とにもかくにも、書かないと。ホントウは、半分、寝込んでいるんですけどね。でも考え出すと、八方ふさがりだから、多くの友人・読者から心配されるけど、挑発的に前に進むととともに、実はあの「16人」が第46回総選挙(小沢卒業選挙=仮称)で、当選してしまう可能性があるということを、指摘したいと思います。

 今は違いますが、以前は、記者章があると、議員宿舎の中に入って、各議員の住まいのインターフォンまで押すことができました。

 衆議院高輪議員宿舎というのがあって、国会議事堂からは遠いのですが、小泉純一郎さんら個性的な議員が多く、かつ夜回り記者は他の宿舎と違い、玄関にビジネスホテルのロビー調のソファーがあったので、雨や寒さをしのいで、おしゃべりしながら、担当議員を待てました。高輪宿舎が夜回り先になると、赤坂・九段・青山・麹町(参議院)の宿舎の担当からはうらやましがられていました。私は当時、新党友愛の担当で、他の宿舎が夜回り先でしたが、野党第4党の小所帯だったので、昼間に議事堂や議員会館、普及しだしたケータイ電話で取材すれば、ほとんどの用が足りていました。そのため、野党第2党の自由党担当の先輩からは、自由党議員でも民社協会所属なら、自由に回って良い、と言われていました。

 新進党解党時には、民社協会としては、タカ派の西村眞悟・議員が自由党に行くのは、「思想信条からしてしょうがない」として容認論があり、また、ベテランの中井洽さんに関しては、どういうわけだか、あまり引き止める人はいませんでした。ただし、中野寛成さんに関しては、長老の吉田之久さんや、関電労組委員長の名物委員長だった足立良平・参院議員らが、猛烈に押しとどめて、「新党友愛」の代表に、吉田先生に怒鳴られながら就任し、第二次民主党の初代代表代行に収まります。

 僕は、國会議員要覧の第41回衆院選の票を見ながら、面識のなかった塩田晋(しおた・すすむ)さんが、自由党から離脱するのではないか、と考えて面識がないのに、突然宿舎に押しかけたました。あるいは取材というよりも、一人の国民としての義憤からの行為で、日経新聞記者の行為として批判されれば、それは甘んじて受けるが、今でも一人の国民として間違った行為ではないと考えています。

 塩田さんは労働官僚出身で、民社党から衆院議員になりました。塩田さんは、最初の小選挙区選挙だった第41回衆院選で、新進党公認・元職ながら、小選挙区で勝ち上がりました。対抗馬は当時新党さきがけの渡海紀三郎さん(後に自民党に復党し、文科大臣)で、塩田さんが7万7919票(得票率43・1%)、渡海さんが7万4615票(得票率41・3%)の僅差で国政復帰を果たしました。

 ところで、「連合が民主党を応援すること」を当たり前のことに思っている人は多いでしょうが、1998年の結党準備会の時点ではそうではありませんでした。新進党解党後、連合がどの政党は応援するかはまだ決まっていませんでした。このため準備会は、連合副会長を務めた前川忠夫・参院議員(第1次民主党)を、第二次民主党の初代組織委員長にあてました。組織委員長に連合副会長をあてたこの人事は、「元連合副会長の参院議員を組織委員長にするから、頼むから連合は、民主党1党だけを応援してください!」というメッセージでした。

 このため、民社協会所属でも、小沢自由党に行った人たちは次の選挙で連合から応援をもらえないことが有力視される状況になったなかで、この塩田議員にねらいを定めて、私は議員宿舎に押しかけたのです。面識のない私に、塩田議員は、自室の玄関先で、ていねいに対応してくださいました。私は「あなたは前回の得票数からして、連合の応援がもらえなれば、次の選挙で、オヤジさんからの後援会がある渡海前議員に勝てるとは思えない」とハッキリ言いました。そうすると、塩田さんは「私の場合は連合以外にも自分の後援会があるんですよね」と答えました。それでも、「小選挙区は厳しいのだから、ムリだろう」という趣旨のことを言いました。塩田さんはそれでも自由党に残るという趣旨のことを言われて、ドアを閉めたと記憶しています。

 ここまで読んで、相当ハラハラされている読者の方もいらっしゃるでしょうが、当時私は24歳で、干支も一回りして、多少の分別もつくようになりましたので、この思い出話を書き続けます。

 さて、2000年の第42回衆院選(神の国解散)で塩田さんがどうなったか。兵庫10区では、自民党に復党した渡海紀三郎さんが9万3554票(得票率46・7%)で勝ち上がり国政復帰。一方、塩田さんは、ナントわずか2万7721票(得票率13・8%)の次々点。前回より5万票減らし、得票率は3分の1以下に落とす大惨敗となりました。なお、民主党公認の辻泰弘さんが次点になりました(辻さんは民社協会で、現在は民主党参院議員)。私の予想通りに塩田さんは、大惨敗を喫したわけです。ところが、ナント塩田さんは比例復活で当選し5選を果たしたのです。というのは、当時比例近畿ブロックは定数30で、小沢自由党はわずか「9・52%」の得票ながら、比例で3議席をとりました。近畿ブロックは全国一定数が多い選挙区で、西村さん、塩田さんが比例復活。京都4区の豊田潤多郎さんは惜敗率15・19%で復活できませんでしたが、比例単独4位の中塚一宏さんまで当選しています。中塚さんは現在は神奈川12区に国替え。豊田さんは2009年に小沢名簿で13年ぶりに国政復帰し、今回の自称・新会派の会長代行になっています。

 つまり、比例近畿(現在は29人)、あるいは笠原議員の比例東海(21人)では、得票率が10%以下の政党でも、比例で1人~3人程度の当選が見込めます。ということは、今回の新会派16人が、小沢新党をつくり、「消費税増税反対、TPP反対、子ども手当満額支給、高速道路完全無料化、小沢一郎氏支持」というマニフェストで第46回総選挙にのぞむと、16人のうち、数人が比例単独で当選する可能性があるわけです。

 もう、こういう小沢マジックを根絶すべきときを迎えています。

 小沢さんに振り回されているだけでは、日本は前に進めないし、私たちの投票行動と国会での意思決定に齟齬をきたす可能性があります。政治を国民の手に取り戻すために。ぜひ、うんざりせずに、16人の説得を続けなければならないし、“小沢卒業”のために、自民党(石破政調会長、小池総務会長ら“小沢被害者”含む)、公明党(新進党解党後、国政では長期低落傾向)も今国会で、協力して、つぎのまた違った局面でのねじれ解消に向けて答えを出さなければいけない。

 そして、何よりも早ければ、ことし5月、遅くとも2013年7月ごろに施行される第46回衆院選を「小沢卒業総選挙」にしましょう。それを強く訴えたいのがとりあえず、現時点での私の心境です。

 このエントリーを書くのには、珍しく2時間ほど時間がかかりました。いろいろ書いてだいぶ楽になりました。最後までお読みいただいた方には、私の与太話におつきあい下さり、感謝します。

tags 小沢一郎 渡部恒三 松野頼久 石破茂 小池百合子 新進党を解党した小沢一郎を歴史法廷の断頭台に送ろう。


熱心な自民党員も「解散はムリ」 谷垣自民党と民主党は、両院協議会改革の国会法改正に取り組むべきだ

2011年02月18日 09時30分58秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意


 17日は、複数の常連読者の方からメールをいただいたが、返事を出せなかった人もいます。また、一度メールをいただいてから、数分後に追加のメールをちょうだいした方もいます。すなわち、僕も、常連読者の方もみんな動揺していたのだ、ということを恥ずかし気もなく共有して、日本を前に進めていきたいと思います。岡田さん、安住さんも冷静さを保とうとしていたようです。その辺、少なくともぶら下がりインタビューでの菅さんは平然としていて、さすがだと思う。この人しかいないと確信しました。

 実は私は、笠原多見子衆院議員のブログは連日チェックしていて、さらに先週は政治資金収支報告書をみて、収入はわずか10円、寄付者は笠原さん本人で、その10円を「2009年→2010年」に繰り越していることを確認していた。つまり、きな臭さを感じていたにもかかわらず、事前に動きを察知できなかった不明を恥じ入ります。岡田幹事長が決めた「比例区総支部への支部交付金の傾斜配分のルール」が相変わらず岡田さんらしく厳しくて、不満のマグマにつながるとは思っていましたが、常任幹事会で議決済みです。ただ、今後多少の条件交渉の余地があるかも知れません。

 稲盛和夫さんは応援団を卒業されるそうですが、年齢のこともあるけど、僕は応援団をやめないし、第一、苦しいときこそ応援団の正念場です。私は宮澤解散のときも、羽田内閣退陣のときも、新進党解党のときも、2008年代表選での岡田さん敗北の後も、「あすはきょうより良くなる」気がしましたが、そういう感覚は今はあまりないですね。私が経験している中でも、もっとも危機的な状況だと思います。また、小沢反乱軍が「同じ政党で会派が2つに分かれたことがある」という事例を上げていましたが、その政党は、江田五月代表、菅直人政調会長が所属していた政党だと、思います。かなり当てつけに近い事例です。だとしたら、その知恵はだれがつけたのか。16人の議員がそこまで調べ上げたのでしょうか。やはり、衆議院事務局職員だった平野貞夫さんの影があるように、私は邪推しています。

 さて、民主党応援団員(正確には政権交代ある二大政党応援団員だが、当然、現実的な対応として、現在は民主党応援団員)の私ですが、1月末に自民党の底力を感じる調査がありました。

 自民党は昨年、茂木敏充・広報本部長や、小泉進次郎・新聞局次長らが話し合って、機関紙「自由民主」を大幅に刷新しました。機関紙のデザインを変えれば選挙に勝てるか?というと、それは全く関係ないけど、元大臣や、進次郎が、党員や国民から、デザイン案を募集したり、話し合ったり、表彰したりしながら、「一緒に一つの物」を作り上げていく過程は、確実に自民党の足腰を鍛え直すでしょう。

 で、機関紙の1面に、カンタンなアンケートがあって、それを見て、党本部ホームページを開いて、ワンクリックで、意見を表明してもらうという誘導がことしからスタートしました。機関紙を見て、党本部ホームページからクリックするのだから、ほとんどが党員でしょう。そして、第22回参院選(「反省の夏」)の最後の1週間に見せつけられた、1人区などでも自民党の底力を、先日のこのアンケート結果で感じたのでした。

 

 [画像]自民党ホームページからキャプチャ。

 自民党は民主党政権を解散・総選挙に追い込めるか。との問に、777人がクリックし、「YES」は527人ですから。67%にとどまっている。ご存じのようにネット投票は極端な結果が出やすいのに、わずか67%。ここに自民党の底力、経験の蓄積を感じるわけです。

 第177通常国会の自民党の最初の発言は、代表質問での谷垣禎一総裁の「菅首相が衆院を解散・総選挙しなければ、税と社会保障の与野党協議に応じられない」という、ちょっと意味がよく分からない演説からスタートしました。その日のうちに党幹部らが、「解散・総選挙を【約束】しなければ」という意味だ、と補足していたと思います。

 解散権は、民主党どころか、菅直人首相ただ一人にあるわけで、野党は菅政権を追い込むのは、「早期の総辞職に追い込む」か「2013年8月の任期満了まで解散の時期を追い込む」かのいずれか。通常、衆議院の任期満了が6ヶ月未満になってから解散することを「追い込まれ解散」と言いますが、麻生太郎内閣の第45回衆院選を含めて、追い込まれ解散または任期満了総選挙では、与党は負けています。

 当ブログは2008年11月14日付エントリー「「解散風を吹かすな」「本部を頼るな」党内“野党”が積極発言」の中で、当時の野党民主党で執行部から外れていた岡田克也さんと馬淵澄夫さんが「野党が与党を早期解散に追い込むことはできない」という趣旨の発言をしていることを紹介しました。麻生内閣発足1ヶ月のタイミングの発言ですが、実際に麻生さんが解散したのは翌年の7月21日、総選挙は8月30日ですから、岡田・馬淵のアドバイスが正しかったわけです。

 自民党でも分かっている人は、野党が与党を解散総選挙に追い込めないことは分かっている。それが自民党の強さです。そこで、やはり第46回総選挙を前にして、自民党と民主党は両院協議会改革の国会法改正に乗り出すべきでしょう。とくに、名古屋・愛知ショックによる既成政党不信・国会不信は、民主党、自民党共通の敵であり、国民のうんざり感を払拭するためにも、ここで国会法を改正すべきです。

 国会法第92条第1項で、両院協議会は「出席協議委員の3分の2以上の多数で協議案(すりあわせ案)が議決されたとき成案となる」というのは、どう考えてもメチャクチャな条文。衆院と参院が同じ人数の協議委員を選出して、両院協議会で話し合って、「3分の2以上の多数」などあるわけない。仮に合意できたら、それは両院制の否定につながりかねない。戦後憲法制定のドタバタの中でいい加減につくった条文としか思えません。このように現行憲法(押しつけ憲法)の施行により、あわててつくった関連法規にはおかしなものがたくさんありました。例えば、地方自治法では、第4条で「都道府県の合併(配置分合)は都道府県議会の議決する」としながら、第6条では「都道府県の境界線の変更は国会が議決する」という、矛盾した条文がありました。この地方自治法のおかしな部分が改正されたのは、ホントウについ最近のことです。しかし、国会法の両院協議会に関する規定には、おかしな部分がいまだに残っています。

 この「3分の2以上の多数で成案」は、少なくとも、「過半数による成案」と修正すべきでしょう。それとくじ引きによる選挙で、両院協議会議長をとった院とは違う院が、打ち切り動議と採決動議を出した場合は、議長選挙(くじ引き)に外れた院の方が採決で有利になります。この場合は、議長も採決に加われるようにしたら解決できます。また、協議委員は「連記式」「無記名」で投票し、選ぶことが前提ですが、実際は、動議により省略され、議長が指名しています。これはしっかり各院が選挙すべきではないでしょうか。

 さらに、両院協議会は、国会議事堂の中央部分3階の「委員長室(通称は常任委院長室)」で開かれます。ここは、TV映像では、岡田さんや石原伸晃さんが奥に座って、「与野党幹事長会談が開かれました」というニュース映像に映っている立派なつくりの部屋です。ただ、ここからだとネット中継はできませんから、党首討論のように、順繰りに衆参の第一委員会室でやって、ネット中継をしたらいいでしょう。両院協議会はたいてい平日の夜中になりますから、普段は国会中継を見られないサラリーマンが釘付けになるかもしれません。

 社民党も衆院の3分の2でキャスティングボートを握れなくなりそうなので、両院協議会で衆参1人ずつ協議委員を出し、発言を見せられるでしょう。

 国会法改正は、議院運営委員長が発議すれば、おそらく委員会審議をせずに本会議でいきなり議論できると思います。岡田さんは記者会見で、アメリカの民主党と共和党を「カルテルのようなもの」として、第三政党が二大政党にのし上がれるように、衆院比例代表が必要だとしていますが、今のままなら、全廃という世論が盛り上げるでしょう。

 理論や理屈はどうでもいいから、民主党と自民党は両院協議会改革に乗り出すべきです。どの政党に限らず、既存政党公認の地方議員も、多くが賛同すると思います。内閣支持率が下落していますが、国会支持率はもっと下がっています。

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小沢一郎系会派離脱、新会派で立法事務費が狙いか? 16人なら月1040万円

2011年02月17日 10時38分54秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

 第一報のつづきです。

 小沢一郎さんの系列議員が民主党籍を持ったまま、新会派を結成しようとしていることは、立法事務費を受け取るのがねらいの可能性があります。仮に現時点の報道通り16人が新会派を結成すると、毎月1040万円の立法事務費を衆議院事務局から受け取ることができます。仮に今、新会派ではなく、新党を結成すると、国政選挙がない限り最初の政党助成金の受け取りは来年4月20日になることから、手っ取り早い立法事務費に目を付けたのではないでしょうか。

 立法事務費は、昭和28年に政界浄化を目的にできた「国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律」に基づきます。議員1人当たり月65万円。新会派をつくった場合は、所属議員数および所属議員の氏名を届け出なければならない、となっています。しかし、そもそも新会派の認定は議院運営委員会の議決による、と「立法事務費法」の5条で定めており、川端達夫委員長(民主党員)が、新会派と認めることは考えられず、新会派は認められない見通し。おそらく小沢反乱軍はこの法律を知らない可能性が高いと思われます。

 民主党は、衆院の立法事務費も参院の立法事務費も党本部に上納させています。仮に立法事務費について、そろばんを数えている人がいるとして、その1040万円を山分けしたいのか、それとも一定額を特定のバックボーンに上納するのか、気になるところです。

 きょうは第一報を書いた後、散歩にでかけたら、帰りに迷子になり、路面電車とバスを乗り継いで帰宅しました。こういうときこそ、しっかりと泰然自若をこころがけたいものです。最後の一人になっても、私は政権交代ある政治を日本に根付かせます。


小沢一郎系が会派離脱の動き 初期消火が大事、国民総出のバケツリレーで冷水をぶっかけよう 

2011年02月17日 04時37分39秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]川島智太郎・衆院議員

(初エントリーは2月17日午前4時過ぎで、その後、状況に応じて書きかえています)

 第45回衆院選の比例単独名簿、いわゆる小沢名簿で当選した1期生議員「いちもく会」のメンバー44人のうち、十数人近くがきょう(17日)午前にも記者会見し、「民主党・無所属クラブ」から離脱したい意向を表明する動きがあることが分かりました。仮に会派離脱となると、衆院での3分の2再可決ができない事態になるほか、衆議院事務局から会派に振り込まれる立法事務費が大幅に減り、党財政に打撃を与えます。

 こういうのは初期消火が大事です。

 国民総出のバケツリレーで、真冬の冷水を奴らにぶっかけましょう。

 私たちの投票行動とはまったく関係のない民意にそむいた行動であり、日本国憲法の第15条第2項「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」にそむく暴挙。絶対に封じ込めましょう。

 この動きの首謀者が「小沢一郎さんの党員資格停止が正式決定した直後に首相が解散に踏みきる」というデマを流して、小選挙区を持たない議員をそそのかしている可能性もあり、菅直人総理・民主党代表周辺からの何らかのメッセージが必要ではないか、と私は考えます。このままいったら、統一地方選挙は、民主党は現職が少ないという相対的な他党との優位性がありながら、中・大選挙区ながら単記式投票のわが国の選挙制度では、惨敗しかねず、1998年の結党以来最大のピンチを迎えた、という歴史認識が必要だと思われます。

 比例北陸信越ブロックの沓掛哲男・元防災担当大臣も行動に参加しないと思われます。比例四国ブロックと中国ブロックには、初めから比例単独当選者はいません。

 次の第46回総選挙で、小選挙区から出馬できるとみられる、北関東ブロックの中島政希さん、東京ブロックの竹田光明さん、近畿ブロックの松岡広隆さんの3議員は会派に留まり、行動に参加しないと思われますが、それ以外のいちもく会の他の議員は、選挙区がなく、未来への展望が開けずにいるのが現状です。

 このほか、幹事長補佐でいちもく会会長の金森正さんや北海道の工藤仁美さんらが交渉役になると思われます。

 会派離脱運動にくみしていると思われるのは東北ブロックの山口和之さん、高松和夫さん、北関東ブロックの川口浩さん、石井章さん、南関東ブロックの相原志乃さん、東京ブロックの川島智太郎さん、東海ブロックの笠原多見子さん、三輪信昭さん、近畿ブロックの熊谷貞俊さんら。

【追記 2011-2-20 10:30】山口和之さんは、会派に参加しませんでした。山口さん失礼しました。【追記おわり】

 微妙なのは、北海道ブロックの山崎摩耶さん、山岡達丸さん、東北ブロックで山形県連代表の和嶋未希さん、菊池長右エ門さん、北関東の玉木朝子さん、東海の山田良司さん、吉田統彦さん、小林正枝さん、磯谷香代子さんら、近畿の室井秀子さん、浜本宏さん、渡辺義彦さん、樋口俊一さんら、九州の川越孝洋さん、中屋大介さんら。山崎さんは仕分け人を務めるなど「目立ちたがり屋」に思われますが、支持母体が止めると思われ、玉木さんは人柄からして会派にとどまると思います。磯谷さんは小沢氏に批判的ですが、磯谷さんに限らず、小沢系でなくても、小選挙区がない若い議員は行動に参加する可能性があります。こういった人が積極的に離脱派を説得した場合は、論功行賞が必要でしょう。

【追記 2011-2-20 10:30】この中から、菊池長右ェ門議員、小林正枝議員、渡辺義彦議員が参加しました。【追記おわり】

 民主党の各議員のプロフィールは下のリンクから。
 http://www.dpj.or.jp/member/

 とくに小沢氏秘書出身で、コワモテの川島智太郎氏が小沢被告や一新会と連絡をとって、策動しているものと思われます。政府外議員ももっと能動的に情報を集めて、執行部に上げないと、政務三役入りの芽はないですよ。

 それにしても、予算審議中に会派離脱とは、与党議員とは思えず、その責任感のなしでは、仮に「元衆院議員」となっても、首長選などへの転出はあり得ません。小沢一郎氏は11日の「小沢一郎政治塾」で、岡田啓介内閣当時の2・26事件に言及しました。きょうは2月17日です。冬は人間の感覚をおかしくさせるのかもしれません。インターネットで小沢一郎を賛美していた人も、反省してください。自分の見る目の無さを恥じてください。こいつら、ホントウに国賊ですよ。

 政治業界では、市町村合併と定数削減で、この8年間で、議員バッジと首長のイスが2万減っており、秘書も政権交代があってもまるっきり増えていません。民主党本部職員が5人ほど増えたぐらいです。このため、全国的に「蜘蛛の糸」を求めて阿鼻叫喚の年度越えとなっていますが、ここは国民が厳しく接しなければいけません。まさに政治家を鍛える「訓政期」を迎えています。菅・岡田の厳しさの耐えられない議員は、会派離脱届ではなく、議員辞職届を出すべきです。

 国民注視で暴挙をやめさせましょう。また目立ちたがり屋もいるでしょうから、あまりテレビなどで騒ぐのは考えものです。
 冬来たりなば春遠からじ。辛抱できない仲間がいる集団はもろくなります。バカ者どもに、バケツの水をぶっかけましょう。

 民敵・小沢一郎を、今度こそ、根絶やしにしましょう。

 一部議員にだけ官房報償費を配って分断したり、面倒なのでマスコミ総ぐるみで無視しても、根絶やしにはできません。2013年まで菅にやらせるしか私たちに選択肢はないんですよ。

 民主党主流派は勇気を持って、ブルドーザーのように前に進むのみです。他に選択肢はないのですから。


■自称「民主党・政権交代に責任を持つ会」の16議員に抗議しよう!(参加者が分かり次第、随時更新します)■

 議員名   国会事務所の電話番号   地元事務所の電話番号

渡辺浩一郎 03-3508-7409 03-5922-5077(板橋区)
豊田潤多郎 03-3508-7018 075-864-2957(京都市)
笠原多見子 03-3508-7073 058-231-3133(岐阜市)
菊池長右ェ門03-3508-7065 0193-63-1073(宮古市)
川島智太郎 03-3508-7269
熊谷貞俊  03-3508-7079 06-6532-9317(大阪市西区)
高松和夫  03-3508-7068 018-884-5665(秋田市)
渡辺義彦  03-3508-7021 06-6944-7777(大阪市中央区)
水野智彦  03-3508-7253 0470-72-0615(勝浦市)
石井 章  03-3508-7436 0297-83-8900(取手市)
川口 浩  03-3508-7526 0297-74-7007(取手市)
石田三示  03-3508-7470 04-7098-2011(鴨川市)
大山昌弘  03-3508-7100 0533-84-0830(豊川市)
相原志乃  03-3508-7305
小林正枝  03-3508-3911 054-340-3911(静岡市清水区)
三輪信昭  03-3508-7906 052-896-1425(名古屋市天白区)