(岐阜県各務原市)
名古屋鉄道線が日本国有鉄道線に、それまで高山線鵜沼駅構内で行われていた方向転換をせずに乗り入れるため、昭和47年(1972)に敷設した全長約600mの連絡線である。名鉄線は、この線を用い、最長豊橋~富山地方鉄道線立山間の列車を走らせていた。然し乗客の減少から、平成2年、新名古屋~高山間に短縮された。その後もJR高山線列車と美濃太田駅で連結、切り離しを行っていたが、乗客バランスに差が生じ、平成12年10月1日、名鉄は高山線乗り入れ列車を廃止した。この線区を走行していた気動車は現在、会津鉄道で使用されている。
残された連絡線は、中濃新線の夢を含み、今もそのまま佇んでいる。
(グランドタマコシ 愛知県一宮市本町)
繊維の街のランドマークといっても過言ではなかったローカルデパートである。大正9年(1920)創業、昭和42年(1967)本社兼店舗としてこの場所に開店し、その後増築された。RC造7階地下1階、店舗面積15,840㎡となり、屋上遊園地をも持つこの地の商業のメインを担ってきたが、繊維業界の衰退と市街地空洞化、そして顧客の多様化により閉店の道を辿った。平成15年3月、発生した債権を整理回収機構に譲渡したが、平成16年2月19日、民事再生法申請に至りグループ3社が経営破綻した。同年3月22日、同じ流通グループであった滋賀県の中堅スーパー平和堂との基本合意締結をし、6月に10店舗が営業譲渡された。然し、この一宮店と岐阜店、大垣店は老朽化を理由に譲受されず、一宮店は同年9月30日をもって閉店、翌年解体となった。
私の青春時代からの思い出と共に封印されたのである。
2005年6月12日
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ここに存在する通信施設は強い海風を考慮した斬新なデザインとなっている。
然しながら風化作用をもたらす潮風等によりその新しい輪郭以外は確実に時間経過作用が起きている。
現代建築の最大長所は、建設と取り壊しの容易さであって、古さを帯た際の優美さには欠けていることが最大の短所である。
本家本元の自由の女神像と言いたいところだが、お台場海浜公園の女神像である。
当初、フランスの実物であったそうだが、里帰りの後レプリカになって戻ってきた。
お台場電視台と虹の橋、とてもバブリーな感じがする江戸東京であった。
(愛知県碧南市錦町)
大正13年(1924)碧海郡安城警察署大浜分署として築造された、RC二階建塔屋付の建物である。八角形塔屋が特徴であり、大浜漁港に近いところから汐見台と呼ばれた。当初、塔屋の中に半鐘があり、火の見櫓としても使われたという。昭和23年(1948)碧南警察署となり、昭和36年(1961)市内松本町に移転してからは、愛知県土木出張所、大浜公民館を経て現在は、碧南市民俗資料館保管庫として使われている。
何処となくロボット的な風貌をしているのは、気のせいだろうか。
(関連記事:碧南市民図書館)
冬場の外見はプロフのところの画像そのものである…。
そんな私が、あっ!変わったトンネルだ。と思ってくぐってみるうち、ホントに小さくなって出てきたトンネルである。
…とはいっても、小さくカラダを折り畳んで出てきたのだが…。
(東海道線山田上橋梁)
活気ある光景と退廃した情景。
特に後者の捉え方は少数派であり、個性的であるのかも知れない。
日々、その情感を確かめようとしている。
…耐火構造物において、日本は維持保存という語が余り感じられないと言っても過言ではないだろう。
…まるで古代遺跡のよう…という程の風化様相を呈している構造物を多く見かける。
が、大半がせいぜい三~四十年程度の構築年齢なのである。
海外では百年経過している耐火構造物でも、維持保存をしっかり行っているため一目で経過年齢を判断するのは難しい程の修繕がなされている。
日本は気候風土環境もあろうが、壊してつくる といったバブル的な社会環境が一番の要因といえよう。
今日もまた、まさかの景観変化が起きている。
1945年、戦災により天井、内部は破壊され、外壁だけとなった。
同年岡崎銀行は東海銀行に合併移転し、1950年からは戦災により失われていた岡崎商工会議所として使われ始めたが、大々的な修復は行われず応急処置で使用されていた。
倒壊の恐れや会議所拡張の計画により解体される動きがあったが、保存の声が持ち上がり、1981年岡崎信用金庫が買収し修復することとなり、その際RC構造補強が成された。
現在は同信金の資料館として開放されている。
(関連記事:岡崎宿)
私は神仏に出会った際、必ず立ち止まり、念仏を一言口にし立ち去ることにしている。
然し、故障して引いていなければ気がつかなかった仏様だと思う。
私自身に何があろうと、神仏に身を委ねていれば、何も恐れることはない…
と思っている私である。
(群馬県利根郡片品村 日光国立公園 2004年8月14日)
鳩待峠から日の出時間前に湿地に到着。後からのハイカーが熊と遭遇したという報告が管理所に入った。幸い、熊が右側通行ですれ違っただけということである。
写真等でよく紹介されている、この地の一番美しいといわれる山ノ鼻の研究見本園付近は、最も熊が出没するとされるところでもある。そのため午後5時から午前6時までロープが張られている。陽が差し込み始めたばかりの、ぼんやりさと輝きを現し始めた光景は、"純粋さ"の大切さを表現している様にも思えた。また、物のスケール感覚を狂わせられる様な、逆に正常値に合わせられた様な、感覚のシャッフルを体感できた。
牛首・竜宮へ