昔、昔、本当に大昔、神様たちが日本の国の山や川や湖や島などを一生懸命造っていたころのことです。
神様たちが相談されて、「日本の真中にすばらしく立派な山を造ろう」 ということになりました。
「よし、ひきうけた。わしにまかしておけ!」 といったのは、体の大きな力の強そうな神様でした。
それからその神様は、近江の国から土を運んで、相模と駿河と甲斐の三国の望まれるあたりに、立派な山を造りました。その山が名高い富士山です。
近江の国の土を取ったところは、深く掘れて水がたまって琵琶湖になりました。
その時神様は、腕についた泥をすっこいて、かためてポイと捨てました。そのかたまりが落ちてできたのが 「うでこき山」なのです。