flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

瓦に描かれた仏さま -宝飯郡衙と伊知多神社採集線刻瓦-

2006-01-05 00:00:05 | いにしえの人びと
 昭和58年、私は豊川市市田町の伊知多神社南側崖面下から布目瓦片と瓦質の線刻仏画片を採集した。この地に郡明神が存在していたことが分かっている点や三河国府に近いこと、奈良平安時代の遺物が散見できることなどから、宝飯郡衙が存在しただろうと想定していた。その後、昭和61年、同じ場所が崖面災害防止工事を行うことになり、その際瓦堆積層が見つかって発掘調査が行われた。
 布目瓦片は厚みが薄い小片で、寺院のような大規模な建物で使用されるものではないと推察する。また、線刻瓦片は、非常に薄手で、裏面に線刻を施し、串状のもので簡単になぞった単純な仏画であるが、天蓋や光背などが線刻されており、貴重な瓦片といえるであろう。或いは仏教末法思想が広まった平安後期頃に多量につくられた、瓦経の一種である可能性もある。然し、線刻仏画胴体付近が不鮮明、欠損をしているためはっきりしたことはわからない。
 これらにより、この地が単なる遺物包含地ではないことが明確となったといえる。


 ※布目瓦: 奈良・平安時代に造られた素焼きの瓦。成形の際、木型から取り出し易くするため、瓦と木型の間に挟んだ布が跡形として残り、これを見て布目瓦という。 
 ※郡明神: この時代の郡として祀ったお宮。
 ※郡衙(ぐんが): 奈良・平安時代の郡役所。
 ※瓦経: 仏法の途絶える末法の世まで経典を残すために、瓦質の土器に経文を刻んだ経。
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Yatomi Erevated bridge

2006-01-04 18:58:27 | STRUCTURE-構造物残影-

 取り残された暗灰色の構造物。
これは旧国有鉄道線をオーバーランしていた関西急行電鉄(現近鉄)という路線の遺物であり、1959年木曽川鉄橋の架け換えによって使われなくなった高架の残骸である。  
人によってこの高架を残骸の形状から“ジャンプ台”と呼ぶらしい…。

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Muro Power plant

2006-01-04 00:00:03 | STRUCTURE-構造物残影-
 1894年、豊橋電灯会社が設立され、梅田川水力発電所を開設したが、電力不足となり、それを補うため1896年9月、1888年に通水した牟呂用水路に、牟呂水力発電所を開設したのが、この発電所の始まりである。
ハーキュルス型水門と30kw交流発電機を有し、二ヶ月後には蒸気機関を増設して火力水力併用発電所となった。
1908年、豊川水系巴川見代発電所(作手村)が稼働するまで牟呂発電所は使用された。
現在は牟呂用水に設けられていた水門の跡だけが残るのみであるが、1989年土地区画整理事業により跡地発掘調査が行われ、当時の遺構が検出された。
 
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The 5th NAGARA PARK illumination

2006-01-03 19:42:40 | illuminated

(第5回岐阜市長良公園イルミネーション)
 昨年末の終詣での後、今年のラストイルミネーションに訪れた。辺りはほぼ0℃、夕刻訪れたときは寒さが勝っていたが、煌きが段階を追って増して行く度に暖かさが伝わってきた。高さ28mのメタセコイアの木に架かるイルミは、日本一の高さにあるイルミでもある。
 この“明るさ”を来年の明るさにつなげて行きたいと思った。


(関連記事:第6回 第7回 第8回

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東谷山 -とうごくさん-

2006-01-02 22:13:27 | かみのやしろ

 名古屋市内最高峰の東谷山。
いにしえの昔より神に近い場所として例えられている山であり、信仰対象の岩、古墳群、熱田の奥の院といわれる尾張戸神社が鎮座する。
江戸時代には、名古屋城鬼門の守護神としても崇敬された。
 この日は元日であったため、普段ひっそりとしているであろう神域も、人々の動きがみられた。
今年は、この地での初詣と初登山の始まりとなった。
 

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謹賀戌年

2006-01-01 11:44:05 | 干支
あけまして おめでとうございます

今年は戌年、私の干支でございます。
様々なスタートラインとしての一年と考えております。

どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m
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