田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

須田慎一郎 日本経済を斬る!

2011-02-28 15:19:37 | 講演・講義・フォーラム等
 強面(?)の経済ジャーナリスト須田慎一郎氏が「日本経済の本当の姿と大不況の出口を探る!」と題して、明快に日本経済を斬った。それはある意味一方的な見方かもしれないが、非常に歯切れの良い論説であった。


          

 先週末は講演・フォーラム等が重なり、会場をはしごしながらの講演会三昧の日々だった。本日から順を追ってレポートすることにしたい。
 先ずは、「トランスポートセミナー」と銘打った北海道トラック協会主催の講演会である。高校時代の同期であるK氏がトラック協会の幹部を務めている関係から毎年案内をいただいている講演会である。
 2月25日(金)午後、ホテルポールスター札幌に表記の須田慎一郎氏を講師として開催された。

        

 須田氏は冒頭、「政治と経済は表裏一体のものである」と強調された。このことは素人の私でもなんとなく感じているところであるが、そのことを具体的に解説していただいたが、なかなか分かりやすい内容だった。

 興味深かった一説を取り上げ、紹介することにする。
 戦後日本は17回の景気の波を経験しているが、そのうち16回までは庶民も好景気の波を実感するものだった。
 ところが最後にやってきた2002年2月から2007年10月まで戦後最長に続いた好景気(後に「いざなみ景気」と称された)は「実感なき好景気」と言われ、庶民には景気感がまったく感じられない景気だったという。なるほど私も好景気などとは少しも感じられなかった。

 その要因は日本の主要産業である自動車・電機・機械などの製造業は6層構造で成り立っているが、過去の好景気は6層ある下請けにもその潤いがもたらされることによって全てが潤い(シャワー効果という)、内需関連産業も大きく伸びた。
 しかし、「いざなみ景気」の時は製造業のトップのところで潤いはストップしてしまい、シャワー効果は得られず、庶民にはその実感の無い好景気だったというのである。

        

 そして須田氏は、仮に今後日本経済の景気が良くなったとしても今のような状況であれば向こう2~30年は国民全体がそれを享受できるようなことにはならないと断言された。
 しかしそれでは実も蓋も無い。「出口を探る!」というからには、須田氏は処方箋を示さねばならない。
 その処方箋を須田氏は、日本経済が現在の不況から脱却するためのキーワードは「内需拡大」と「アジア経済圏への進出」であるとした。
 問題はその先であるような気もするのだが…。
 不況脱却のためのキーワードは多くの識者、ジャーナリストが大同小異に唱えるところである。
 その方法論が見えてきていないところが現在の日本経済の現状のようにも思ったのだが、時間がきたこともありそのあたりについて聴くことができなかったのは残念である。

 トランスポートセミナー…、毎回なかなか興味のある講師陣がラインナップされている。次回のセミナーも楽しみである。