北大生が農業体験のために一年間休学して農業に従事したという。モラトリアム志向が強いといわれる最近の若者だが、学業を休んでまで農業に従事するとは…。彼らの思いを聞いた。

4月20日(水)夜、北大農学部が主催する「時計台サロン」が札幌時計台で開催され、参加した。
北大農学部では4~5年前から定期的に「時計台サロン」を開催しているようで、今回が31回目ということだったが、私が参加したのは初めてだった。
31回目の今回は「農村に住んでみた 農業をやってみた ~北大生の報告~」と題して、
4名の方の体験報告と、受け入れ側の栗山町の担当者の報告、そして全体のパネルディスカッションがあった。
栗山町で1年間の農業体験をしたのは、農学部の農業経済を学ぶ3人の男子学生だった。
彼らは2年生時に、「栗山町農村調査実習」という3泊4日のプログラムを体験して、より本格的に農業を体験したいという思いを持ったようだ。そこで栗山町のあっせんで昨年4月から本年3月まで、3人で合宿生活をしながら3軒の農家でそれぞれ農業を体験した報告をした。
もう一人、畜産科学を学び昨年卒業した女子学生は、将来チーズ工房の起業を視野に入れ、チーズの本場スイスの農家に住み込み、一年間研修を受けたことの報告をした。
話を聞いていて感じたことなのだが、4人ともにそれほど重大な決意を秘めて農業体験を決めたわけではなく、わりあい軽い気持ちから決めたように聞こえてきた。それほど彼らの動機は私から見ると希薄に聞こえ、少し頼りなささえ感ずるほどだった。
それは彼らのオリエンテーション能力とか、コミュニケーション能力にやや物足りなさがあったからかもしれない。
たまたまなのかもしれないが、私には彼らが想像していたより幼く見えて仕方がなかった。
スイスで農業体験をした女子学生を含めて、4人が4人とももっと自分の思いを語ってもらいたいと思ったのだが、なんとも彼らが口下手に思えてしまった。

※ パネルの様子です。左からコーディネーターの北大准教授、栗山町担当者、スイス農業体験者、右側3人が栗山町農業体験者です。
それでもコーディネーターの農学部の准教授が最後にそれぞれに感想・決意を促したところ、「農業体験で学んだことを将来に生かしたい」、「将来の夢として、農業就農を果たしたい」、「農業起業を夢見ていたが、甘いことが分かり、今後は農業を支える側に回りたい」、「あくまで、チーズ工房開設の夢に向かって頑張りたい」と、力強く語ってくれたところに光明を見た思いがした。
1年間もの貴重な時間を農業体験という形で過ごした4人の青年たちは、けっして能弁ではなかったが、私たちに語る以上に彼らの内面では貴重な体験をされ、それが彼らの今後に大きな影響を及ぼすのだろう、ということが最後になって垣間見えた第31回目の時計台サロンだった。

4月20日(水)夜、北大農学部が主催する「時計台サロン」が札幌時計台で開催され、参加した。
北大農学部では4~5年前から定期的に「時計台サロン」を開催しているようで、今回が31回目ということだったが、私が参加したのは初めてだった。
31回目の今回は「農村に住んでみた 農業をやってみた ~北大生の報告~」と題して、
4名の方の体験報告と、受け入れ側の栗山町の担当者の報告、そして全体のパネルディスカッションがあった。
栗山町で1年間の農業体験をしたのは、農学部の農業経済を学ぶ3人の男子学生だった。
彼らは2年生時に、「栗山町農村調査実習」という3泊4日のプログラムを体験して、より本格的に農業を体験したいという思いを持ったようだ。そこで栗山町のあっせんで昨年4月から本年3月まで、3人で合宿生活をしながら3軒の農家でそれぞれ農業を体験した報告をした。
もう一人、畜産科学を学び昨年卒業した女子学生は、将来チーズ工房の起業を視野に入れ、チーズの本場スイスの農家に住み込み、一年間研修を受けたことの報告をした。
話を聞いていて感じたことなのだが、4人ともにそれほど重大な決意を秘めて農業体験を決めたわけではなく、わりあい軽い気持ちから決めたように聞こえてきた。それほど彼らの動機は私から見ると希薄に聞こえ、少し頼りなささえ感ずるほどだった。
それは彼らのオリエンテーション能力とか、コミュニケーション能力にやや物足りなさがあったからかもしれない。
たまたまなのかもしれないが、私には彼らが想像していたより幼く見えて仕方がなかった。
スイスで農業体験をした女子学生を含めて、4人が4人とももっと自分の思いを語ってもらいたいと思ったのだが、なんとも彼らが口下手に思えてしまった。

※ パネルの様子です。左からコーディネーターの北大准教授、栗山町担当者、スイス農業体験者、右側3人が栗山町農業体験者です。
それでもコーディネーターの農学部の准教授が最後にそれぞれに感想・決意を促したところ、「農業体験で学んだことを将来に生かしたい」、「将来の夢として、農業就農を果たしたい」、「農業起業を夢見ていたが、甘いことが分かり、今後は農業を支える側に回りたい」、「あくまで、チーズ工房開設の夢に向かって頑張りたい」と、力強く語ってくれたところに光明を見た思いがした。
1年間もの貴重な時間を農業体験という形で過ごした4人の青年たちは、けっして能弁ではなかったが、私たちに語る以上に彼らの内面では貴重な体験をされ、それが彼らの今後に大きな影響を及ぼすのだろう、ということが最後になって垣間見えた第31回目の時計台サロンだった。