正直に吐露すると、食品の着色料のことなど私の関心外のことだった。しかし、よくよく考えてみると、毎日私たちの体内に摂り入れている食品である。今回学んだことで、その食品に添加されている着色料についてもっと関心を持たねば、と思わされた。
※ 講座の最後に着色料を使用したハムとそうでないハムの比較実験をした。
左側の着色料を使用したハムは亜硝酸テスターに反応し、PPM値が高いことを示した。
4月25日(月)午後、「めだかの学校」の4月第2回目の学習会があった。
今回のテーマは、「食品の着色料を学ぶ」と題して、北海道立消費生活センターの専門職員が実験を交えながら説明を受けた。
※ 「食品の着色料を学ぶ」講座の様子です。グランドシニアの方ばかりです。
我々が口にする食品にはさまざまな食品添加物が加えられている。それらは大別すると次の4種類に分けられるそうだ。それは、(1) 指定添加物、(2) 既存添加物、(3) 天然香料、(4) 一般飲食物添加物である。その総計は実に1,528品目に及ぶという。
この中で(2)~(4) の添加物は、長年使用されてきた天然添加物だったり、一般に食品として飲食に供されたりしているもので、それほど心配する必要はないようだ。それに対して、(1) の指定添加物は、厚労大臣の認可は得ているものの化学的合成品だったり、新しく使われ始めた添加物だったり、ということで少しは留意する必要がある添加物なのでは、という印象である。
食品に使用された添加物はすべて表示することになっているので、包装紙などを見てみると、実に多くの添加物が使用されていることが分かる。
※ 指導していただいた道立消費生活センターの専門職員の方です。
この日のメインテーマ「着色料」であるが、合成着色料としては現在12品目が認可されているということだ。しかし、その中には国連食糧農業機関が安全性を評価していないものも含まれているという。
ここで「ADI」という言葉が紹介された。「ADI」とは、一日摂取許容量という意味で、食品に用いられたある特定の物質について、生涯にわたり毎日摂取し続けても影響が出ないと考えられる一日あたりの量をいうそうだ。
それをもとに日本では認可しているそうだが、人間の体にとって良いものではないことは確かなようだ。
また、天然着色料だと安全なように思えるが、これとて虫の乾燥物や分泌物を使ったものなど、必ずしも完全に安全とはいえないものが使われているらしい。
※ 合成着色料で毛糸を染色し、湯煎しているところです。
実験としては、合成着色料を使用して毛糸の染色をしたり、エンジムシの乾燥物から色素を抽出したり、二種のハムの着色料の有無を確認する実験を行った。
※ 天然着色料の一つ、エンジムシを乾燥したものです。
※ それを純水に溶かし、時間をおくと写真のように色素が滲み出てきます。
あまりにも多い食品添加物,さらには見映えを良くするための着色料の使用など、私たちの周りに存在する食品はずいぶん加工されていることを再認識させられた。
講師は食品購入の際に、原材料名を確認して購入することを勧めると述べた。
しかし、現実にはどうだろうか?個人個人にそこまで求めるのは無理なようにも思われる。やはりしかるべき機関が国民の生命を守り、安全を確保するために、しっかりとチェック機能を果たしてほしいと思うのだが…。それは甘いと言われるのだろうか?