青年海外協力隊創立50周年事業として制作された映画である。記念の映画というと青年海外協力隊を礼賛するような内容かと思っていた。しかし、そうではなく協力隊に参加することによって青年自身が逞しく成長していく過程が描かれ、好感をもって観ることができた映画だった。
しばらく「熊野古道」にこだわっていたが、今日からはまた日常に戻り、日々体験したあれこれを綴っていきたいと思う。まずは、熊野古道に出発する前の体験について…。
3月26日(土)午後、北海道JICA本部に隣接する「リフレサッッポロ」で、JICA北海道20周年記念イベントとして、水泳五輪メダリストの田中雅美さんのトークと、映画「クロスロード」の上映会があり、参加した。
映画「クロスロード」は昨年末に完成・封切られたものであるが、題名としてはこれまでにもあったのではと名前に思い、調べたところ1986年にアメリカ映画として制作されていた。
それでも敢えてこの題名を付けたところに、意味がありそうである。
※ 舞台挨拶をする左から羽村役の渡辺大、沢田役の黒木啓司、アンジェラ役のアローディアの三人です。
映画の粗筋としては、次のように紹介されている。
カメラマン助手になったものの、目標の見えない日々を過ごしていた沢田(黒木啓司)は、自分を変えようと青年海外協力隊に飛び込む。だが、訓練所でもボランティア精神を地で行く羽村(渡辺大)と対立したり、規則を破ったりと、何かと問題を起こしてしまう。
彼らの仲を取り持つ助産師隊員の志穂と共に、フィリピンに派遣される二人。沢田は観光省での仕事に不満を抱くが、羽村は失敗しながらも田舎の村でドジョウの養殖を順調に進めていく。そんな優等生タイプの羽村を沢田が好きになれないのは、反発していた亡き父の面影を見るからだった。ある日、野心的な写真を撮ろうとパギオの街を訪れた沢田は、少年ノエルと姉のアンジェラと出会い、この国の現状に胸を痛めるが、無力感のうちに帰国する。それから8年、協力隊での体験は二人をどう変えたのか?震災後の東北で二人は久しぶりに再会した…。
※ パギオの街で沢田が出会ったノエルとアンジェラ
つまり、性格も、志もまったく違った二人が、青年海外協力隊という場でクロスし、互いがその後の生き方に影響しあいつつ生きることになる、そのことを「ク
ロスロード」という名に込めたと思われる。
沢田役の主演の黒木啓司は、今が旬(?)のEXILEの一人だということで話題になったようだが、私はまったく知らない人だった。また、沢田に対した羽村役の渡辺大は、父親が俳優の渡辺謙ということでも話題のようだ。
二人ともそれなりに演じ、映画も危惧したようなクサさは感じさせず、若者に「あゝ、青年海外協力隊って選択肢の一つにしてもいいかも」と思わせるような佳作に仕上がっているといえるように思えた。
※ 昔、職場を共にしたことがあるN氏が退職と共に、私同様札幌に移住してきた。昨晩は転居を祝って二人で一献傾けた。話の中で故郷の過疎化は私が想像していた以上に加速していることを知り、暗澹たる思いになった…。