キツネか、タヌキに騙されたのでは、と思いながら登り続けた50分間だった。目ざした〔T4分岐〕にいくら登っても達しない。不安な気持ちを持ちながらの登山だったが、結局は私のミスが起こした珍事件(?)だった。
スカッと晴れた青空が私を山に招いた。
当初はニセコ連峰をと思っていたのだが、現地の天気予報がイマイチだったため、過去に一度登ったことのある砥石山に変えた。ただし、前回は〔小林峠コース〕だったが、今回は初めての〔中ノ沢コース〕から登ることにした。
いつも初めてのところは、登山口に到るまでが一苦労である。今回もスムーズに登山口には至らず行ったり来たりした末、なんとか登山口に辿り着いた。
※ 登山口の駐車場はご覧のように広々としていました。
※ 登山口に登山届の記帳所などはなく、直ぐにスタートです。
登山口には滑滝(なめたき)と言われる小さな「八垂別ノ滝(はったりべつのたき)」がある。それを撮影していざ出発である。
※ 登山口横にあった「八垂別ノ滝」です。
登りはじめは沢の流れを聞きながらの沢コースが続く。樹間を行くコースは陽射しを遮り、斜度も緩やかで快適なトレッキングコースが続く。
登り始めて30分、徐々に斜度がついてきた。コースは沢から尾根に向かうが、急坂のためジグを切りながらの登りが続く。
※ 最初は沢沿いを流れの音を耳にしながらのトレッキングが続きます。
※ 写真のような立派な木橋を5~6回渡ったでしょうか?
※ 沢コースと別れ、本格的な上りが始まりました。前方に女性が二人見えます。
急坂を上りきったのが登山を開始して60分前後だった。
ガイドブックでは、60分程度で〔小林峠コース〕との合流点〔T4分岐〕があるはずである。私の足では標準時間より多少遅めだろう、と予想しながらT4分岐を目ざした。
ところがコースが急激に下り始めた。せっかく急坂を上ったのに、と思いながら先を急いだ。行けども、行けどもT4分岐に到達しない。
90分を過ぎてもまだ至らない。これはキツネか、タヌキに騙されたのでは?と半ば本気で思い始めた。
時間は早く、天気も上々、コースには踏み跡もしっかり残っているため、ともかく行けるところまで行ってみよう、と登り続けた。
※ これはもうT4分岐を過ぎて、本格的な登りに入ったところです。
不安もMAXになりかけた50分後、突然目の前に「三角山」の標識が目に入った。三角山は、この日の登山で私が第二の目標地点にしたところである。ということは、正規の登山道を踏み外しているわけではないことがこの時点で分かり、ホッとした私だった。となると、T4分岐はどうしたのだ?
※ 不安な気持ちを抱きながら50分、この案内板を見た時は正直ホッとしました。
※ ホッとして上を見上げると、見事な青空が広がっていました。
※ 三角山々頂の小さな山頂標識です。
※ 三角山々頂のほうが砥石山より眺望が良かったようです。写真は藤野方面を写したものです。
正規の登山道だったことが判明し、安心して砥石山々頂を目ざした。
山頂近くになって、一人の男性が山を下りてきた。その男性に話しかけた。「T4分岐を見かけなかったのですが…」と。すると彼の男性は砥石山を何度も登っている方だったが、彼も「初めの時、私も気付きませんでした」という。「T4分岐は急激に下る前のところにありますよ。下山の時には必ず気付きます」とアドバイスをいただいた。
※ 砥石山々頂を目ざした最後の登りです。
途中の不安な50分間を含め、登山口から130分(2時間10分)後に無事砥石山々頂に立った。
この日は男性3人、女性2人の計5人の登山者と出会ったが、私のスタートが遅かったため、皆下山していて山頂は私の独り占めだった。風もなく、快晴の山頂でゆったり40分寛いだ後、下山した。
※ 登り始めて130分後、砥石山々頂に立ちました。
※ 砥石山々頂はご覧のようにちょっとした広場になっていました。しかし、木が眺望を邪魔しています。
※ 樹間から藤野のフッズスキー場が見えます。
下山時、問題の〔T4分岐〕を検証したが、なるほど〔中ノ沢コース〕からは気付きにくい構造になっていた。分岐はT字型ではなく、Y字型であり前方に注意を払っていると気付かない構造だった。それにしても登山道脇には立派な案内板が立っていたのに、それを見逃してしまったのは、よほど前だけを見つめて登っていたのだろうか?
※ T4分岐です。前方の上りが小林峠コース。右側に細く見えるのが北ノ沢コースです。
これを北ノ沢コースから登ってきたら、小林峠コースは目に入りませんねぇ…。
※ それにしてもコース脇の案内板が目に入らなかったとは…。(トホホッ…)
砥石山の中ノ沢コースは、登山コースとしてはある意味理想的なコースの一つと言えるかもしれない。
それは私の足で登り始めから30分間はとても緩やかな沢伝いのトレッキングコースが続いた。そこで足慣らしができた後、徐々に斜度が付き、そして急坂に取り付きジグを切る上りが30分間続いてT4分岐に到る。
T4分岐に到った後は、尾根コースなのであるがこのコースは、上り下りがあったり、急登があったりと変化に富みながら頂上へ導かれるという。コースが大きく三分割され、徐々に難しくなっている構成になっていて、これは登山コースとしては理想の一つではないだろうか?
また、登山道は〔小林峠コース〕よりも整備されている印象だった。どうやら砥石山はこちらがメインのコースのようだ。
面白いというか、むしろ当然なのであるが興味深い現象に出合った。コース全体は樹間コースなのだが、ところどころで樹が生えていなく青空が望めるところもあった。そうしたところでは、コースを草が塞ぐように覆ってしまっているところがある。これはコースを管理する山岳会や関係者が春に草刈りをしたにも関わらず、陽があたるため雑草が勢いよく伸びた結果だと思われた。樹間は草もなく快適なのだが、樹の無いところでは雑草が勢いよく繁茂し、草をかき分けながら進まねばならなかった。
※ ご覧のようにコースが完全に雑草に覆われているところもありました。
この日の私は、前回の登山の反省もあり、登りでMAXまで力を使わないように慎重に登ることに徹した。したがって、全身汗まみれにはなったものの、辛さを感ずることなく登山を楽しむことができた。
登山後はいつものように膝に疲れは残っているものの、自分をコントロールしながら登ることができたことに満足している。さあ、次はどこを目ざそうか?
【砥石山〈中ノ沢コース〉 登山データ】
標 高 826.3m (標高差 616m)
駐車場 登山口のところに20台以上駐車できる駐車場有
行 程 ※ グランドシニアの足とお考えください。
登山口→(1時間50分)→三角山→(20分)→砥石山々頂→(25分)→三角山→(25分)→T4分岐→(45分)→登山口
時 間 上り(2時間10分) 下り(1時間55分)
天 候 晴、無風
登山日 ‘16/07/12
スカッと晴れた青空が私を山に招いた。
当初はニセコ連峰をと思っていたのだが、現地の天気予報がイマイチだったため、過去に一度登ったことのある砥石山に変えた。ただし、前回は〔小林峠コース〕だったが、今回は初めての〔中ノ沢コース〕から登ることにした。
いつも初めてのところは、登山口に到るまでが一苦労である。今回もスムーズに登山口には至らず行ったり来たりした末、なんとか登山口に辿り着いた。
※ 登山口の駐車場はご覧のように広々としていました。
※ 登山口に登山届の記帳所などはなく、直ぐにスタートです。
登山口には滑滝(なめたき)と言われる小さな「八垂別ノ滝(はったりべつのたき)」がある。それを撮影していざ出発である。
※ 登山口横にあった「八垂別ノ滝」です。
登りはじめは沢の流れを聞きながらの沢コースが続く。樹間を行くコースは陽射しを遮り、斜度も緩やかで快適なトレッキングコースが続く。
登り始めて30分、徐々に斜度がついてきた。コースは沢から尾根に向かうが、急坂のためジグを切りながらの登りが続く。
※ 最初は沢沿いを流れの音を耳にしながらのトレッキングが続きます。
※ 写真のような立派な木橋を5~6回渡ったでしょうか?
※ 沢コースと別れ、本格的な上りが始まりました。前方に女性が二人見えます。
急坂を上りきったのが登山を開始して60分前後だった。
ガイドブックでは、60分程度で〔小林峠コース〕との合流点〔T4分岐〕があるはずである。私の足では標準時間より多少遅めだろう、と予想しながらT4分岐を目ざした。
ところがコースが急激に下り始めた。せっかく急坂を上ったのに、と思いながら先を急いだ。行けども、行けどもT4分岐に到達しない。
90分を過ぎてもまだ至らない。これはキツネか、タヌキに騙されたのでは?と半ば本気で思い始めた。
時間は早く、天気も上々、コースには踏み跡もしっかり残っているため、ともかく行けるところまで行ってみよう、と登り続けた。
※ これはもうT4分岐を過ぎて、本格的な登りに入ったところです。
不安もMAXになりかけた50分後、突然目の前に「三角山」の標識が目に入った。三角山は、この日の登山で私が第二の目標地点にしたところである。ということは、正規の登山道を踏み外しているわけではないことがこの時点で分かり、ホッとした私だった。となると、T4分岐はどうしたのだ?
※ 不安な気持ちを抱きながら50分、この案内板を見た時は正直ホッとしました。
※ ホッとして上を見上げると、見事な青空が広がっていました。
※ 三角山々頂の小さな山頂標識です。
※ 三角山々頂のほうが砥石山より眺望が良かったようです。写真は藤野方面を写したものです。
正規の登山道だったことが判明し、安心して砥石山々頂を目ざした。
山頂近くになって、一人の男性が山を下りてきた。その男性に話しかけた。「T4分岐を見かけなかったのですが…」と。すると彼の男性は砥石山を何度も登っている方だったが、彼も「初めの時、私も気付きませんでした」という。「T4分岐は急激に下る前のところにありますよ。下山の時には必ず気付きます」とアドバイスをいただいた。
※ 砥石山々頂を目ざした最後の登りです。
途中の不安な50分間を含め、登山口から130分(2時間10分)後に無事砥石山々頂に立った。
この日は男性3人、女性2人の計5人の登山者と出会ったが、私のスタートが遅かったため、皆下山していて山頂は私の独り占めだった。風もなく、快晴の山頂でゆったり40分寛いだ後、下山した。
※ 登り始めて130分後、砥石山々頂に立ちました。
※ 砥石山々頂はご覧のようにちょっとした広場になっていました。しかし、木が眺望を邪魔しています。
※ 樹間から藤野のフッズスキー場が見えます。
下山時、問題の〔T4分岐〕を検証したが、なるほど〔中ノ沢コース〕からは気付きにくい構造になっていた。分岐はT字型ではなく、Y字型であり前方に注意を払っていると気付かない構造だった。それにしても登山道脇には立派な案内板が立っていたのに、それを見逃してしまったのは、よほど前だけを見つめて登っていたのだろうか?
※ T4分岐です。前方の上りが小林峠コース。右側に細く見えるのが北ノ沢コースです。
これを北ノ沢コースから登ってきたら、小林峠コースは目に入りませんねぇ…。
※ それにしてもコース脇の案内板が目に入らなかったとは…。(トホホッ…)
砥石山の中ノ沢コースは、登山コースとしてはある意味理想的なコースの一つと言えるかもしれない。
それは私の足で登り始めから30分間はとても緩やかな沢伝いのトレッキングコースが続いた。そこで足慣らしができた後、徐々に斜度が付き、そして急坂に取り付きジグを切る上りが30分間続いてT4分岐に到る。
T4分岐に到った後は、尾根コースなのであるがこのコースは、上り下りがあったり、急登があったりと変化に富みながら頂上へ導かれるという。コースが大きく三分割され、徐々に難しくなっている構成になっていて、これは登山コースとしては理想の一つではないだろうか?
また、登山道は〔小林峠コース〕よりも整備されている印象だった。どうやら砥石山はこちらがメインのコースのようだ。
面白いというか、むしろ当然なのであるが興味深い現象に出合った。コース全体は樹間コースなのだが、ところどころで樹が生えていなく青空が望めるところもあった。そうしたところでは、コースを草が塞ぐように覆ってしまっているところがある。これはコースを管理する山岳会や関係者が春に草刈りをしたにも関わらず、陽があたるため雑草が勢いよく伸びた結果だと思われた。樹間は草もなく快適なのだが、樹の無いところでは雑草が勢いよく繁茂し、草をかき分けながら進まねばならなかった。
※ ご覧のようにコースが完全に雑草に覆われているところもありました。
この日の私は、前回の登山の反省もあり、登りでMAXまで力を使わないように慎重に登ることに徹した。したがって、全身汗まみれにはなったものの、辛さを感ずることなく登山を楽しむことができた。
登山後はいつものように膝に疲れは残っているものの、自分をコントロールしながら登ることができたことに満足している。さあ、次はどこを目ざそうか?
【砥石山〈中ノ沢コース〉 登山データ】
標 高 826.3m (標高差 616m)
駐車場 登山口のところに20台以上駐車できる駐車場有
行 程 ※ グランドシニアの足とお考えください。
登山口→(1時間50分)→三角山→(20分)→砥石山々頂→(25分)→三角山→(25分)→T4分岐→(45分)→登山口
時 間 上り(2時間10分) 下り(1時間55分)
天 候 晴、無風
登山日 ‘16/07/12