田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 174 壁男

2016-09-21 16:24:14 | 映画観賞・感想

 常識人だと自認しているおじさん(私)には、またまた難解な映画だった。映画を通して何が言いたいのか? どこが面白いのか? ホラーコミックが原作ということだが、おじさんには何一つ謎が解けないまま映画は終わってしまった感じだった…。 

                  

 道立近代美術館の常設展「北海道美術紀行」に関連する映画会の三本目の映画「壁男」が9月19日(祝)に上映されたので、またまた足を運んだ。(無料というのは魅力である)

 映画は、諸星大二郎のホラーコミックを原作として、コミックと同名の映画化である。
 監督・脚本は北海道在住(名古屋出身)の早川渉という方で、舞台が札幌、早川氏以外のスタッフもほとんどが北海道に縁のある人が務めたという、キャスト以外はオール北海道的な映画であり、監督自身も「北海道発」を意識した映画だ、言っているそうだ。

 映画のストーリーは、『テレビ局でレポーターをつとめる響子(小野真知子)のもとに視聴者から「壁男の噂、知っていますか?」という葉書が届く。壁の中には人間でも妖怪でもない「壁男」というものが住んでいるという噂。これをきっかけに響子の担当する番組で壁男の追求が始まり、次第にこの噂は社会現象の様相を呈していく。響子自身は「単なるテレビネタ」として取り扱っていたが、恋人の仁科(堺雅人)は異常な程興味を持ち、壁男とのコミュニケーションを試みるが…』

 そもそもコミックなどとは無縁の生活をしてきたおじさんにはこの映画を観る資格がなかったのかもしれない。ましてやホラーコミックである。
 映画をどうとらえたらよいのか全く見当がつかないのだ。
 堺雅人演ずる仁科が、「壁男」に興味を抱き、どんどんとのめり込んではいくのだが、それは夢の世界のできごとで、ハッと目覚めて現実に戻るような場面があったり、いややっぱり現実の中でものめり込んでいく様子が描かれたり…。
 いったい何が言いたいんだい?とオヤジ的な突っ込みを入れたくなるような内容だった。
 ホラーとは、観るものに恐怖を抱かせることが第一のねらいのようなのだが、映画に入り込めないために、その恐怖心さえ沸き起こってこない。

            
            ※ JRタワーの最上階から札幌の街並みを背景に語り合う仁科と響子のシーンです。

 なんだか消化不良のまま観終わってしまった映画であるが、どうやら私のような常識人(?)が観るべき映画ではないのかもしれない。この「壁男」という映画は、ある種の不思議さ、難解さを映画に求める人たち向けの映画なのかもしれない。

 「映画は最高のエンターテイメントだ!」と信じているきわめて常識人(?)であるおじさんには、万人向けの誰もが分かる、誰もが楽しめる映画を観るべきである、と教えられたような気がした「壁男」という映画だった。