田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ジオパークって何?

2016-09-26 23:58:26 | 講演・講義・フォーラム等
 最近になって関係者の間では俄かに盛り上がっている“ジオパーク”だが、いまひとつ一般には浸透していないように感じられる。北海道博物館が主催するフォーラム「ジオパークへ行こう!」に参加して、関係者の話に耳を傾けてみた。 

 9月25日(日)午後、北海道博物館においてフォーラム「ジオパークへ行こう」が開催され参加してきた。

 主催者から先ずガイダンスがあった。
 ジオパークとは?という問いに対して、ジオ(Geo)=地球、大地 それに対ししてパーク(Park)=公園、つまりジオパークとは「大地の公園」が直訳であり、もう少し掘り下げれば「地球と人を見つめ直す公園」と定義することができるという。

               

 日本におけるジオパークは、現在39の地域が日本ジオパーク委員会から認定され、そのうち5つの地域は世界ジオパークネットワークからも認定されているそうだ。
 北海道では、洞爺湖有珠山、アポイ岳、白滝、三笠、とかち鹿追の5地域が日本ジオパークから認定され、うち洞爺湖有珠山と、アポイ岳は世界ジオパークとしても認定されているという。
 そしてジオパークとしての活動は、①保全、②教育、③ジオツーリズムの三つに要約されると担当者から説明があった。

               

 フォーラムはまず、日本や世界のジオパークの認定審査に携わってきたという徳山大学の柚洞一央(ゆほらかずひろ)准教授が「日本と世界のジオパーク審査から見えてきたもの」と題して基調講演を行った。
 その話の中で、柚洞氏は日本の関係者の関心がジオパークに認定され、観光客を呼び込み地域の振興を図ることに関心が傾き過ぎているのではないか、と苦言を呈した。つまり、認定を受けてもリオツーリズムへの関心は高いが、保全や教育への関心は低いと指摘した。

 その後、北海道内で認定されている五つの地域のジオパーク推進協議会の事務局の方が各地の事例報告を行った。いずれもが役場職員、あるいは地域おこし協力隊の方ではと思われる方々による報告だった。
 報告を聞いていて、やはり彼らの関心もジオツーリズムの振興に関心があるように聞こえてきた。
 しかし、それもある意味では仕方のないことか、という思いが私の中にはあった。地方が急速な過疎化によって疲弊する中、何かに頼って地域振興を図ろうとする必死な姿の一つなのではないかと思えてくる。その何かが、この場合ジオパークだったと…。

               

 地域がジオパークに認定され、ジオツーリズムに高い関心を示すことは悪いことではないと思う。問題はたくさんの観光客を呼び込むためにも、保全や教育にも力を入れることではないだろうか。
 そうした魅力あるジオパークとして進歩・発展したとき、多くの観光客を呼び込めることに繋がるのではないか、と思った。
 私も洞爺湖有珠山、アポイ岳は訪れた経験があるが、他の三つには今のところ「行ってみようかな?」という思いが出てこない。
 そういう思いにしてくれることを他の三つの地域には期待したいと思う。