北海道新幹線が新函館北斗まで開業して半年、さまざまな変化や影響がみられるという。そうした背景をもとに、2030年の札幌までの延伸に向けて各界の方々の期待と夢を語るシンポジウムに耳を傾けた。
9月24日(土) 午後、読売新聞社が主催する「北海道新幹線開業半年記念シンポジウム」がSTVホールで開催され、参加してきた。シンポジウムのテーマは、「札幌延伸に向けて 未来を拓こう」というものだった。
基調講演は、作家の荻野アンナ氏が「アンナの観光物語」と題して話された。荻野氏は政府の「観光立国推進有識者会議」のメンバーの一員ということもあって招請されたようであり、氏の話も北海道というよりは、日本全体の観光振興をいかに図っていくか、という観点からの話が多かった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/34/f297800b93977ec56ee2a6a75f3e9356.jpg)
その中で、印象的だったことを2~3紹介すると、日本は「自然・文化・気候・食」と観光振興のための4つの条件がそろっているとした。
さらに観光だけで成り立っているパラオの例を取り上げ、パラオのような場合は「観光先進国」とは言えず、他の基幹産業同様に観光産業も成長させた国を観光先進国と言えるのだとした。
そして何より、日本の場合は諸外国からも注目されている「クールジャパン」を素材とした訪日観光客の誘致を図るべきと主張した。
さらに、訪日観光客の場合、東京→京都→大阪というゴールデンルートが存在するが、二次ルートの開発が課題であると指摘した。例として、桜前線とともに北上するルート、国内の小京都を巡るルート、北前船の航路を往くルート等々…。
氏は北海道観光の振興についてはほとんど触れなかったけれど、ヒントになることは多々含まれていたようだ。
氏から一つの言葉を教えてもらった。それは「NO JOURNEY NO LIFE」という言葉が欧米ではあるそうだ。「旅がなければ、人生じゃない」
後半は、荻野氏を含めて4名の方が登壇してのパネルディスカッションだった。
登壇したパネリストは、北海道知事の高橋はるみ氏、経営共創基盤代表取締役CEOの冨山和彦氏、JR北海道社長の島田修氏、そして荻野氏の4人と、コーディネーターとして札幌国際大学学長の塚越宗孝氏が登壇した。
この中で、「経営共創基盤」という言葉が私には耳慣れなかった。ディスカッションの中では理解できなかったが、帰宅して調べてみると、前身が「産業再生機構」で、そこの中心メンバーによって民営化した会社のようだ。主として東北地方のバス会社の再生などに対して事業戦略の立案をしたり、M&Aによる実行支援をしたりしている会社のようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/e0/911c8f268e5c596285c32c6d4fc27909.jpg)
その冨山氏は、自らが東北地方の地方バス会社の再建という難しい事業に携わっているからか、東北地方と比較すると北海道の観光にはポテンシャルがあると力説していたのが印象的だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/c8/42393355e7e2d748fdf2d0002a2fb2fb.jpg)
島田氏は、半年前に北海道新幹線が開業したことによる観光客増加について図や表を示して説明されたが、期待したとおりの効果が出ていると断言されなかったところに苦悩があるようにも見て取れた。過疎化が一段と加速する北海道における鉄道事業は難しい舵取りが求められているものと思われた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/46/ff10bc57766f5b0aca3405d4422c3181.jpg)
意外に元気だったのが高橋知事である。その言葉には、暗い見通しなど道民の前ではけっして語らない、という氏の姿勢を垣間見れたようにも思われた。
氏が話すように北海道の定住人口の減少は避けられない現実だが、北海道の魅力を発信し続け交流人口の増加を図りたい、ということだ。 このことは良く言われていることだが、決定打はいまだ見つかっていないように思える。知事のリーダーシップによって、ぜひとも魅力ある北海道の発信に尽力いただきたいものである。
最後に、金原亭駒ん奈の講座名を持つ荻野アンナ氏が「北海道新幹線とかけて、ジャガイモと解く」と言い、そのココロは「これからだんだん美味しくなるでしよう」と締めた。そうなることを願いたいものだ。シャンシャン。
9月24日(土) 午後、読売新聞社が主催する「北海道新幹線開業半年記念シンポジウム」がSTVホールで開催され、参加してきた。シンポジウムのテーマは、「札幌延伸に向けて 未来を拓こう」というものだった。
基調講演は、作家の荻野アンナ氏が「アンナの観光物語」と題して話された。荻野氏は政府の「観光立国推進有識者会議」のメンバーの一員ということもあって招請されたようであり、氏の話も北海道というよりは、日本全体の観光振興をいかに図っていくか、という観点からの話が多かった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/34/f297800b93977ec56ee2a6a75f3e9356.jpg)
その中で、印象的だったことを2~3紹介すると、日本は「自然・文化・気候・食」と観光振興のための4つの条件がそろっているとした。
さらに観光だけで成り立っているパラオの例を取り上げ、パラオのような場合は「観光先進国」とは言えず、他の基幹産業同様に観光産業も成長させた国を観光先進国と言えるのだとした。
そして何より、日本の場合は諸外国からも注目されている「クールジャパン」を素材とした訪日観光客の誘致を図るべきと主張した。
さらに、訪日観光客の場合、東京→京都→大阪というゴールデンルートが存在するが、二次ルートの開発が課題であると指摘した。例として、桜前線とともに北上するルート、国内の小京都を巡るルート、北前船の航路を往くルート等々…。
氏は北海道観光の振興についてはほとんど触れなかったけれど、ヒントになることは多々含まれていたようだ。
氏から一つの言葉を教えてもらった。それは「NO JOURNEY NO LIFE」という言葉が欧米ではあるそうだ。「旅がなければ、人生じゃない」
後半は、荻野氏を含めて4名の方が登壇してのパネルディスカッションだった。
登壇したパネリストは、北海道知事の高橋はるみ氏、経営共創基盤代表取締役CEOの冨山和彦氏、JR北海道社長の島田修氏、そして荻野氏の4人と、コーディネーターとして札幌国際大学学長の塚越宗孝氏が登壇した。
この中で、「経営共創基盤」という言葉が私には耳慣れなかった。ディスカッションの中では理解できなかったが、帰宅して調べてみると、前身が「産業再生機構」で、そこの中心メンバーによって民営化した会社のようだ。主として東北地方のバス会社の再生などに対して事業戦略の立案をしたり、M&Aによる実行支援をしたりしている会社のようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/e0/911c8f268e5c596285c32c6d4fc27909.jpg)
その冨山氏は、自らが東北地方の地方バス会社の再建という難しい事業に携わっているからか、東北地方と比較すると北海道の観光にはポテンシャルがあると力説していたのが印象的だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/c8/42393355e7e2d748fdf2d0002a2fb2fb.jpg)
島田氏は、半年前に北海道新幹線が開業したことによる観光客増加について図や表を示して説明されたが、期待したとおりの効果が出ていると断言されなかったところに苦悩があるようにも見て取れた。過疎化が一段と加速する北海道における鉄道事業は難しい舵取りが求められているものと思われた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/46/ff10bc57766f5b0aca3405d4422c3181.jpg)
意外に元気だったのが高橋知事である。その言葉には、暗い見通しなど道民の前ではけっして語らない、という氏の姿勢を垣間見れたようにも思われた。
氏が話すように北海道の定住人口の減少は避けられない現実だが、北海道の魅力を発信し続け交流人口の増加を図りたい、ということだ。 このことは良く言われていることだが、決定打はいまだ見つかっていないように思える。知事のリーダーシップによって、ぜひとも魅力ある北海道の発信に尽力いただきたいものである。
最後に、金原亭駒ん奈の講座名を持つ荻野アンナ氏が「北海道新幹線とかけて、ジャガイモと解く」と言い、そのココロは「これからだんだん美味しくなるでしよう」と締めた。そうなることを願いたいものだ。シャンシャン。