いくつになっても自らのステップアップを目指し努力する人の姿は美しい!「放送大学研究発表会」において放送大学大学院で学び、修士を終了するにあたっての二人の論文発表を聴かせてもらった。
9月9日(土)午後、北大構内にある放送大学学習センターにおいて「放送大学研究発表会」において、奥谷札幌学院大名誉教授の記念講演を聴いた後、二つの修士論文の発表を聴いた。

最初の発表は、佐々木可奈恵さんの「エゾシカ嚥下調整食の開発と特別養護老人ホームにおける提供の試み」と題する発表だった。
佐々木さんは病院の管理栄養士として20年以上勤務した後、現在は5年前から釧路短期大学生活科学科で講師を務められているという。
佐々木さんの研究テーマ設定の動機は、①道内におけるエゾシカの異常繁殖の問題の解決、②エゾシカの肉が他の家畜に比べて高タンパクで、鉄分の含有量が多いという事実、③介護高齢者の低栄養問題の解決方策として、「エゾシカ」をその対象として選んだという。
佐々木さんの研究は、長年にわたる管理栄養士としての経験から課題を見出し、新しい食の開発に取り組んだ経過をまとめたものであったが、その取り組みの手順、検証方法、考察、等々…。そのどれもが私が聞いていて素晴らしい内容に思えた。
結果として、エゾシカの嚥下調整食の開発はほぼ成功したといえる内容である。ただ、彼女の評価では付着性にまだ問題があり、そのことの改善が今後の課題であるとした。

佐々木さんの論文について、放送大学の客員教授を務める北海道医療大の志渡教授は、学士&修士論文に求められる「実現可能性」、「興味深さ」、「新しい知見」、「倫理的であるか」、「役に立つか」という観点を全てクリアされた論文であると激賞された。

続いての発表は、高國憲二さんの「在宅で生活している高齢者、障がい者への物理療法実施への実施報告」と題する発表だった。
高橋さんもやはり理学療法士として病院で13年間の勤務を経験された後、現在は札幌リハビリテーション専門学校で後輩の指導にあたられているという方で、さらなるステップアップを期して、放送大学で学んでいると思われる。
高國さんの研究テーマの設定動機は「病院や医療施設では多くの物理療法が活用されているが、在宅医療などにおいて物理療法が活用されているという報告が少ないため、その実態をアンケート調査によって探りたい」とするものだった。
そのアンケート調査は、在宅分野で従事している全国の理学療法士50人(施設)に対してアンケート調査を実施したというものだった。
残念ながら、高國さんの発表には私からでも?と思う個所がいくつかあった。
まず、全国的な傾向を探るアンケートとしては調査数が少なくはないか、ということと回収数が23人(施設)であったことから、その数で全国的傾向を探ることははたして適切だろうかと思ったのだが、どうだろう?施設そのものがそう多くはないということなのだろうが、それにしてももう少し多くの基礎資料を得たい気もするのだが…。
そして何より、物理療法には機器を購入する費用の負担の問題、外傷・感染などのリスクが伴うといわれる問題、そうした問題を超えてまでも在宅医療に物理療法を導入するメリットが門外漢である私には伝わってこなかったところが残念に思えた。
ただ、私自身がそう遠くない将来に四肢の働きが困難になって在宅医療を受ける身にならないとは限らない。そうした時には門外漢などとは言っていられないと思いながら発表に聴き入ったのも事実である。

高國さんのまとめは、彼が物理療法の専門家であるからだろうか、あくまで在宅医療に物理療法を導入することを前提として、物理療法を在宅分野に必要とされる環境をつくっていきたい、とまとめられたが、若干の説得力に欠けた発表だったような気がしたのだが…。
コメントを寄せられた放送大学の客員准教授である札幌保健医療大准教授の常田美和氏は、「道半ばですね。頑張ってください」というようなコメントをされていた。
発表の内容はともかくとして、私には発表されたお二人の姿勢に大いに触発されたし、また感心もした。二人はこれまでのキャリアを生かし、すでに社会の第一線で活躍されている方である。
そうしたお二人が、現在持っている専門性をさらに高めたいと放送大学の大学院に学ぶという姿勢に率直に敬意を表したいと思った。
お二人の今後益々の活躍を願い、エールを贈りたいと思った。
※ 昨日の拙ブログで「日ハムの大谷選手の今シーズン後の去就が明らかになっていない」と記したが、今夕発行の道新夕刊に「来シーズン米大リーグに挑戦」という記事が一面に掲載された。あゝ、やっぱり行ってしまうのだなぁ、という残念な思いが私を支配している。しかし一方、行くのなら是非とも成功してほしい!という思いもまた強い。
9月9日(土)午後、北大構内にある放送大学学習センターにおいて「放送大学研究発表会」において、奥谷札幌学院大名誉教授の記念講演を聴いた後、二つの修士論文の発表を聴いた。

最初の発表は、佐々木可奈恵さんの「エゾシカ嚥下調整食の開発と特別養護老人ホームにおける提供の試み」と題する発表だった。
佐々木さんは病院の管理栄養士として20年以上勤務した後、現在は5年前から釧路短期大学生活科学科で講師を務められているという。
佐々木さんの研究テーマ設定の動機は、①道内におけるエゾシカの異常繁殖の問題の解決、②エゾシカの肉が他の家畜に比べて高タンパクで、鉄分の含有量が多いという事実、③介護高齢者の低栄養問題の解決方策として、「エゾシカ」をその対象として選んだという。
佐々木さんの研究は、長年にわたる管理栄養士としての経験から課題を見出し、新しい食の開発に取り組んだ経過をまとめたものであったが、その取り組みの手順、検証方法、考察、等々…。そのどれもが私が聞いていて素晴らしい内容に思えた。
結果として、エゾシカの嚥下調整食の開発はほぼ成功したといえる内容である。ただ、彼女の評価では付着性にまだ問題があり、そのことの改善が今後の課題であるとした。

佐々木さんの論文について、放送大学の客員教授を務める北海道医療大の志渡教授は、学士&修士論文に求められる「実現可能性」、「興味深さ」、「新しい知見」、「倫理的であるか」、「役に立つか」という観点を全てクリアされた論文であると激賞された。

続いての発表は、高國憲二さんの「在宅で生活している高齢者、障がい者への物理療法実施への実施報告」と題する発表だった。
高橋さんもやはり理学療法士として病院で13年間の勤務を経験された後、現在は札幌リハビリテーション専門学校で後輩の指導にあたられているという方で、さらなるステップアップを期して、放送大学で学んでいると思われる。
高國さんの研究テーマの設定動機は「病院や医療施設では多くの物理療法が活用されているが、在宅医療などにおいて物理療法が活用されているという報告が少ないため、その実態をアンケート調査によって探りたい」とするものだった。
そのアンケート調査は、在宅分野で従事している全国の理学療法士50人(施設)に対してアンケート調査を実施したというものだった。
残念ながら、高國さんの発表には私からでも?と思う個所がいくつかあった。
まず、全国的な傾向を探るアンケートとしては調査数が少なくはないか、ということと回収数が23人(施設)であったことから、その数で全国的傾向を探ることははたして適切だろうかと思ったのだが、どうだろう?施設そのものがそう多くはないということなのだろうが、それにしてももう少し多くの基礎資料を得たい気もするのだが…。
そして何より、物理療法には機器を購入する費用の負担の問題、外傷・感染などのリスクが伴うといわれる問題、そうした問題を超えてまでも在宅医療に物理療法を導入するメリットが門外漢である私には伝わってこなかったところが残念に思えた。
ただ、私自身がそう遠くない将来に四肢の働きが困難になって在宅医療を受ける身にならないとは限らない。そうした時には門外漢などとは言っていられないと思いながら発表に聴き入ったのも事実である。

高國さんのまとめは、彼が物理療法の専門家であるからだろうか、あくまで在宅医療に物理療法を導入することを前提として、物理療法を在宅分野に必要とされる環境をつくっていきたい、とまとめられたが、若干の説得力に欠けた発表だったような気がしたのだが…。
コメントを寄せられた放送大学の客員准教授である札幌保健医療大准教授の常田美和氏は、「道半ばですね。頑張ってください」というようなコメントをされていた。
発表の内容はともかくとして、私には発表されたお二人の姿勢に大いに触発されたし、また感心もした。二人はこれまでのキャリアを生かし、すでに社会の第一線で活躍されている方である。
そうしたお二人が、現在持っている専門性をさらに高めたいと放送大学の大学院に学ぶという姿勢に率直に敬意を表したいと思った。
お二人の今後益々の活躍を願い、エールを贈りたいと思った。
※ 昨日の拙ブログで「日ハムの大谷選手の今シーズン後の去就が明らかになっていない」と記したが、今夕発行の道新夕刊に「来シーズン米大リーグに挑戦」という記事が一面に掲載された。あゝ、やっぱり行ってしまうのだなぁ、という残念な思いが私を支配している。しかし一方、行くのなら是非とも成功してほしい!という思いもまた強い。