雨竜沼湿原を目にしてから、さらに2時間30分登り続けた先に南暑寒岳の山頂があった。湿原からは雲がかかっていて全く山頂が望めなかったのだが、強風のおかげか、山頂では少しの間だったが眺望も楽しむことができた。
雨竜沼湿原は広大だった。湿原の大半はすでに黄金色の黄葉に覆われていた。訪れる時期としては遅かったのかもしれないが、夏とは違った趣きも悪くはない。湿原内に点在する池塘(湿原の泥炭層にできる池沼)が湿原の風景にアクセントをつけ、表情豊かな湿原を造っている。
湿原内は木道が敷き詰められていて、訪れた人は木道以外には踏み込めないようになっていた。南暑寒岳を目指す人も木道を通り、湿原を縦断してさらに高みを目指すのである。
この湿原の縦断に、多少コースが湾曲していたとはいえ、私の足で30分以上かかったのだから、湿原の広大さが想像できると思われる。
目ざす南暑寒岳の山頂は厚い雲に覆われて、まったく望むことができなかった。「また空振りに終わるのか」と思うと、登頂への意欲を削がれる思いだった。しかし、「ここまで来たからには…」と気持ちを奮い立たせて南暑寒岳山頂を目指した。
湿原から急こう配の上りを経て、湿原展望台に到達した。展望台からは湿原が一望でき、再度その広大さを実感したのだった。
※ 雨竜沼湿原から展望台に至るまではかなりの急登がありました。
※ 雨竜沼湿原展望台の階段状のデッキです。ここから写した一枚が本日の最初の写真です。
湿原展望台からは緩やかな上りが延々と続いた。展望台付近で標高はすでに950mに近かった。それから南暑寒岳まで350m前後標高が上がるだけなのに1時間45分かかったのだから、長い距離の割には標高に差がないことがお分かりいただけることと思う。
※ 展望台を過ぎてからの山道は写真のようにチシマザサの中を往く登山道でした。
※ その登山道で出会った面白い木の形です。まるで竜か、タツノオトシゴを見ているようで面白かった。
※ この辺りのチシマザサは私の背丈の倍以上もあるような高いものでした。
湿原展望台からしばらくは背丈以上のチシマザサが生い茂る中を緩やかな上りが続いた。
時折り急斜面にぶつかっても長くは続かない。やがてチシマザサの背丈も低くなり、展望台から1時間後にはハイマツ地帯に突入した。
ハイマツ地帯に入り、周囲が見渡せるようなポイントもあり、そこからは空を覆っていた雲が流れて遠くも見渡せる状況になっていた。
※ 高度が上がるにつれて、ササの背丈が低くなってきました。
※ やがてハイマツ地帯に突入しました。マップではハイマツ廊下とも称していました。
※ この辺りではまだ周囲の山並みを見渡せたのですが…。
南暑寒岳の山全体はまだ紅葉には早かったが、登山道のところどころでは気の早い一部の木が紅葉していた。
ハイマツ地帯を抜けると、周りは低い草だけ…。急に風の強さを覚えた。山頂から下りてきた人も「頂上は風が強いですよ」と言っていた。風に体温が奪われるのを避けるため、ウィンドブレーカーを羽織った。
※ ハイマツ地帯の一か所てせ出会った見事に紅葉した葉です。
そうこうしているうちに「頂上?」と思われる標石のようなものが立った地点に至った。しかしその石は、いかにもそれらしく立ってはいたものの、ニセの頂上だった。
そこからさらに10分、緩やかな上りを続けていたら、そこに本物の山頂標識が姿を現した。
※ 一瞬、山頂標識かと間違えた石標です。何も表記はされていなかった。
※ 山頂標識を中心とした南暑寒岳の山頂付近の様子です。
※ 何とか標高1,296.4mの山頂に到達することができました!
山頂は風が強かった。登山途中では一時晴れていたときもあったが、強い風が再び雲を運んできたようだった。
特異な山容をした「黄金山」は認めることができたが、その他の山々は確認することができなかった。健脚の人がさらに目指すという隣の暑寒別岳も山頂は雲に隠れていた。
山頂は風が強すぎて、とても憩える雰囲気ではなかった。写真を撮ると、そそくさと山頂を後にし、風にあたらないところまで下がって、持参した軽食や果物で補給をした。
※ 山頂からなんとか特異な形をした黄金山を望むことができました。
※ 周辺の山々の中では主峰にあたる暑寒別岳の山頂は雲に隠れていました。
そこで30分ほど休み、下山を開始した。すると、私より遅く出発した人たちが次から次へとやってきた。私が出会った人たちは12~3人だろうか?意外に少ないように思った。
ところが、雨竜沼湿原まで下りてみると、たくさんの人たちに出会った。つまり湿原までの登山を楽しむ人が多いのかもしれない。
総行動時間が7時間を超えたのは、雄阿寒岳以来だ。下山を終えるとさすがに疲れた。しかし、想像以上に広大な雨竜沼湿原を目の当たりにできた心地良い疲れでもあった。
【南暑寒岳(ペンケペタンコース) 登山データ】
標 高 1296.4m (標高差 756m)
駐車場 雨竜沼湿原ゲートパーク(登山口)に計150台収容の駐車場有り
※ 「環境美化整備等協力金」500円が必要
行 程 《グランドシニアの足とお考えください》
登山口→(40分)→白竜の滝展望台→(1時間)→湿原入口→(45分)→湿原展望台→(1時間)→ハイマツ廊下→(45分)→南暑寒岳山頂→(1時間15分)→湿原展望台→(40分)→湿原入口→(45分)→白竜の滝展望台→(25分)→登山口
時 間 上り(4時間10分) 下り(3時間15分)
天 候 曇り時々晴れ、山頂付近は強風
登山日 ‘17/09/17
雨竜沼湿原は広大だった。湿原の大半はすでに黄金色の黄葉に覆われていた。訪れる時期としては遅かったのかもしれないが、夏とは違った趣きも悪くはない。湿原内に点在する池塘(湿原の泥炭層にできる池沼)が湿原の風景にアクセントをつけ、表情豊かな湿原を造っている。
湿原内は木道が敷き詰められていて、訪れた人は木道以外には踏み込めないようになっていた。南暑寒岳を目指す人も木道を通り、湿原を縦断してさらに高みを目指すのである。
この湿原の縦断に、多少コースが湾曲していたとはいえ、私の足で30分以上かかったのだから、湿原の広大さが想像できると思われる。
目ざす南暑寒岳の山頂は厚い雲に覆われて、まったく望むことができなかった。「また空振りに終わるのか」と思うと、登頂への意欲を削がれる思いだった。しかし、「ここまで来たからには…」と気持ちを奮い立たせて南暑寒岳山頂を目指した。
湿原から急こう配の上りを経て、湿原展望台に到達した。展望台からは湿原が一望でき、再度その広大さを実感したのだった。
※ 雨竜沼湿原から展望台に至るまではかなりの急登がありました。
※ 雨竜沼湿原展望台の階段状のデッキです。ここから写した一枚が本日の最初の写真です。
湿原展望台からは緩やかな上りが延々と続いた。展望台付近で標高はすでに950mに近かった。それから南暑寒岳まで350m前後標高が上がるだけなのに1時間45分かかったのだから、長い距離の割には標高に差がないことがお分かりいただけることと思う。
※ 展望台を過ぎてからの山道は写真のようにチシマザサの中を往く登山道でした。
※ その登山道で出会った面白い木の形です。まるで竜か、タツノオトシゴを見ているようで面白かった。
※ この辺りのチシマザサは私の背丈の倍以上もあるような高いものでした。
湿原展望台からしばらくは背丈以上のチシマザサが生い茂る中を緩やかな上りが続いた。
時折り急斜面にぶつかっても長くは続かない。やがてチシマザサの背丈も低くなり、展望台から1時間後にはハイマツ地帯に突入した。
ハイマツ地帯に入り、周囲が見渡せるようなポイントもあり、そこからは空を覆っていた雲が流れて遠くも見渡せる状況になっていた。
※ 高度が上がるにつれて、ササの背丈が低くなってきました。
※ やがてハイマツ地帯に突入しました。マップではハイマツ廊下とも称していました。
※ この辺りではまだ周囲の山並みを見渡せたのですが…。
南暑寒岳の山全体はまだ紅葉には早かったが、登山道のところどころでは気の早い一部の木が紅葉していた。
ハイマツ地帯を抜けると、周りは低い草だけ…。急に風の強さを覚えた。山頂から下りてきた人も「頂上は風が強いですよ」と言っていた。風に体温が奪われるのを避けるため、ウィンドブレーカーを羽織った。
※ ハイマツ地帯の一か所てせ出会った見事に紅葉した葉です。
そうこうしているうちに「頂上?」と思われる標石のようなものが立った地点に至った。しかしその石は、いかにもそれらしく立ってはいたものの、ニセの頂上だった。
そこからさらに10分、緩やかな上りを続けていたら、そこに本物の山頂標識が姿を現した。
※ 一瞬、山頂標識かと間違えた石標です。何も表記はされていなかった。
※ 山頂標識を中心とした南暑寒岳の山頂付近の様子です。
※ 何とか標高1,296.4mの山頂に到達することができました!
山頂は風が強かった。登山途中では一時晴れていたときもあったが、強い風が再び雲を運んできたようだった。
特異な山容をした「黄金山」は認めることができたが、その他の山々は確認することができなかった。健脚の人がさらに目指すという隣の暑寒別岳も山頂は雲に隠れていた。
山頂は風が強すぎて、とても憩える雰囲気ではなかった。写真を撮ると、そそくさと山頂を後にし、風にあたらないところまで下がって、持参した軽食や果物で補給をした。
※ 山頂からなんとか特異な形をした黄金山を望むことができました。
※ 周辺の山々の中では主峰にあたる暑寒別岳の山頂は雲に隠れていました。
そこで30分ほど休み、下山を開始した。すると、私より遅く出発した人たちが次から次へとやってきた。私が出会った人たちは12~3人だろうか?意外に少ないように思った。
ところが、雨竜沼湿原まで下りてみると、たくさんの人たちに出会った。つまり湿原までの登山を楽しむ人が多いのかもしれない。
総行動時間が7時間を超えたのは、雄阿寒岳以来だ。下山を終えるとさすがに疲れた。しかし、想像以上に広大な雨竜沼湿原を目の当たりにできた心地良い疲れでもあった。
【南暑寒岳(ペンケペタンコース) 登山データ】
標 高 1296.4m (標高差 756m)
駐車場 雨竜沼湿原ゲートパーク(登山口)に計150台収容の駐車場有り
※ 「環境美化整備等協力金」500円が必要
行 程 《グランドシニアの足とお考えください》
登山口→(40分)→白竜の滝展望台→(1時間)→湿原入口→(45分)→湿原展望台→(1時間)→ハイマツ廊下→(45分)→南暑寒岳山頂→(1時間15分)→湿原展望台→(40分)→湿原入口→(45分)→白竜の滝展望台→(25分)→登山口
時 間 上り(4時間10分) 下り(3時間15分)
天 候 曇り時々晴れ、山頂付近は強風
登山日 ‘17/09/17