“秘境”とは、手つかずの自然が現存されているところ、との解釈も成り立つ。手つかずの自然が遺された「魔の山チマンタ」と「極北のユーコン大河」の二つのVTRを視聴する学習会に参加した。
ちょっと話は古くなってしまったが、9月11日(月)午後、「めだかの学校」の9月講座としてVTR「新世界紀行」を視聴する会が開催された。
今回は秘境編として「魔の山チマンタ」と「極北のユーコン大河」の2本を視聴した。
※ 私たちが視聴した世界新紀行のVTRのパッケージの外観です。
「魔の山チマンタ」とは、あまり耳慣れないかもしれないが、「ギアナ高地のテーブルマウンテン」と言ったほうが、今では通りが良いのではないだろうか?
ギアナ高地というと、南アメリカ大陸の北部のコロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジルの6ヵ国にまたがる高度2,000m級のテーブルマウンテンが点在する高地である。その中でも、世界一と言われる落差979mを誇るエンジェルホールがあるのことで有名である。
ちなみに「チマンタ」とは、そのテーブルマウンテン群の中でも最も見事な卓上台地を形成するチマンタ山塊を指しているようだ。
※ ギアナ高地が点在する(茶色や黄色で色分けされた地域)南米の地域です。
最近はこのテーブルマウンテンを対象としたテレビのドキュメンタリー番組がけっこう見られるようになったが、今回視聴したVTRは1980年代に制作されたものということで、そうしたドキュメンタリー作品の先駆けのような存在なのかもしれない。
VTRでは、チマンタ山塊の卓上台地にヘリコプターで降り立って、隔絶された厳しい環境の中で生き延びるために独自の進化を遂げた動植物をレポートしている。
栄養分の極端に少ない台地上で進化したものの一つが食虫植物である。さまざまな形状や仕組みを持った食虫植物が映し出された。
また、背中の上で卵を孵化させるカエルも独特の進化を遂げた生き物の一つである。
まさに“秘境”に相応しい「魔の山チマンタ」だった。
※ チマンタ山塊で最も有名なテーブルマウンテンです。写真左側中央を落ちている滝がエンジェルフォールです。
※ 同じく私たちが視聴した世界新紀行のVTRのパッケージの外観です。
続いて上映された「極北のユーコン大河」であるが、こちらもドキュメンタリー番組などによく登場する手つかずの自然が残ったところである。
※ ユーコン川の流れをマップ上に記すと、このようになるようです。
ユーコン川とは、カナダのユーコン準州とアメリカのアラスカ州を貫く延長3,700㎞、流域面積832,700㎢に達する大河である。冒険家やカヌーイストたちが好んで挑む対象でもある。
VTRでは、ユーコンの大河の春夏秋冬をさまざまな角度から映し出している。
特に、ユーコン川を遡上するサーモンは特大サイズのものが多く、キングサーモン、あるいはキングキングサーモンと呼ばれる大きな鮭を獲る漁民たちをとらえたところが印象的だった。
※ 冬季完全氷結したユーコン川の様子です。10月末には完全氷結するとのことでした。
私はこうした人智の及ばない、自然が創り出す光景を見ることに何よりも魅力を感ずる。
そうした意味で、私の中に強烈な記憶として残っているのは、2012年、北米大陸のグランドキャニオン、アンテロープキャニオン、モニュメントバレー、ナイアガラ大瀑布を巡る旅である。
その後はなかなか機会がないが、チャンスがあればその他の自然が創り出す光景を見てみたいという思いを密かに抱いている。
実際に現地まで行かなくとも、今回のように映像で体験することも私は好きである。しかし、今シリーズはこの回で最終回となってしまい、ちょっと残念である。いずれまた、違う形でこうした自然を対象としたドキュメンタリーを視聴したいと思う。