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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道市町村長リレー講座 美唄市長

2017-11-05 20:38:23 | 大学公開講座
 高橋幹夫美唄市長は若々しくエネルギッシュな市長だった。高橋氏は美唄市史上初めての民間出身市長として、美唄市の財政危機に対して果敢に立ち向かい、短期間のうちに美唄市の財政健全化を実現したという。高橋氏の市政に対する思いを聞いた。 

               

 札幌大学では数年前(平成23年度?)から北海道内の市町村長を招いて、マチづくりに対する市町村長の思いを聴く講座を開催している。私は昨年度その存在を知り、興味深く講座に参加していた。今年度も楽しみにしていたのだが、開講の情報を得ることができず、第1回、2回の講座を受講する機会を逸してしまった。
 今回、第3回目の開講を知り、さっそく受講を申し込み、今回11月2日(木)夕刻、「持続可能にする美唄市のミッション ~ 誇りあるふるさとを未来に…」と題する美唄市長の高橋幹夫氏のお話を伺うことができた。

 高橋氏はまず自らを説明した。
 それによると、高橋氏は1963(昭和38)年、美唄市に生まれ、当年54歳で2期目を務める市長である。氏は美唄市内の食品会社「角屋」の社長を務めながら、青年会議所理事長、市会議員など就いて活躍される中で、請われて2011(平成23)年に美唄市長に立候補し、選出された方だということだ。

 高橋氏は年齢も若いが、その話しぶりはとても自信に満ちて、エネルギッシュに見えた。
 美唄市は、高橋氏が市長に就任するまで、ずーっと市役所出身の方が市長に就いていて、高橋氏が歴史上初めての民間出身の市長だということもあり、それまでのしがらみから解き放されてグイグイと市政を推し進めているようにうかがえた。

               
               ※ 配布された美唄市を紹介するパンフレットなどです。

 高橋氏は短い講義時間(90分)の中で、大きく日本の歴史、美唄の歴史などにも触れながら、美唄市が石炭産業隆盛の時期と、日本のエネルギー政策の転換により、美唄市が衰退していった歴史に触れた。
 そうした衰退の中で、市財政の累積不良債務が23億5千万円にまで膨らみ、危機的状況に陥っていたという。(平成20年度以前)
 そうした中、平成20年度より8年計画で財政健全化計画を策定して、財政健全化に取り組んだという。平成20年度には高橋氏はまだ市長に就任していないが、おそらく市議としてその計画に主導的に取り組まれたものと想像される。
 そして平成22年度市長に就任すると、精力的にその課題に取り組んだものと思われる。
 8年後の平成28年には、不良債務を克服したうえで、さらに財政調整金10億円余りを準備できるまでになってそうだ。
 高橋氏は市長として相当にドラステックに財政再建に取り組んだことがうかがわれる。
 そのことを市民が支持したからこそ、市長2期目を務められているのだろう。

 財政再建を果たした高橋氏は、美唄市の現在、未来についても語った。
 その一つが、雪冷熱エネルギーを活用したホワイトデータセンター 構想や食料備蓄拠点づくりに取り組んでいるという。また、スポーツツーリズムに着目したボルダリング施設の整備、サイクルツーリズムを支援するための台湾との連携、などに着手しているそうだ。

 民間出身であるがゆえに、ある意味役所の論理にとらわれず、氏が理想するマチづくりに取り組んでいるようにうかがえた。
 美唄市の元気な様子が今後私たちのもとにも届けられるかもしれない。

               

 ※ 高橋氏が食品会社の「角屋」の社長を務めていたことは先に触れた。現在はもちろん市長に就いているから経営からは離れているのだろうが、「角屋」の一員であることには変わりがないようだ。今回の講座の受講者に「角屋」の主力商品の「角屋のやきそば」が配られた。食してみると、見た目よりは美味しい味だった。