いささか期待を削がれた感は免れないのだが、私たちが子どものころにお正月を中心に楽しんだ懐かしい玩具がたくさん陳列されていた。玩具を見入る私の中では過ぎ去った昔の楽しかった光景がオーバーラップされるのだった…。
大丸藤井セントラルにおいて昨年末から今年初めにかけて「昔懐かし玩具フェア」が開催されていると聞いて、本日出かけてみた。
私はイベントの開催なので、セントラルビルの7階のギャラリースペースで開催されているものと思いながら出かけた。ところが入店しても特別の案内も表示されていない。インフォメーションで聞くと、4階「和のフロア」で開催されているという。なんてことはない。単に売り場の一部を飾り付けて、そこで昔の玩具を販売しているだけだった…。
いささか期待外れだったが、気を持ち直し陳列されていた玩具たちを詳細に見ていった。するとそこには昔自分たちが遊んだ懐かしい品々が所狭しと並んでいた。
するとあるある、ダルマ落とし、けん玉、紙風船、おはじき、こま、凧、羽子板、カルタ、と…。
私の中で昔の光景が蘇ってきた。小さいころ、刈り取られた田んぼで懸命に凧が舞い上がるようにと走ったっけ…。何回も続かない羽子板に夢中になったっけ…。少し長じてメンコ(私の田舎ではパッチと称した)に夢中になったが、私はなぜか負けたことばかりが思い出される。最も夢中になったのは「百人一首」だった。冬休みは連日のように木箱を抱えて、友だちの家を渡り歩き、夢中になって札を追いかけた。
あゝ、あれもこれも甘酸っぱい思い出と共に蘇ってくる。
「あの頃は良かったぁ…」とは、けっして口にすまい。ただ、誰もが貧しかったあの頃は、素朴な遊びの中で多くの友だちとの交流があった。いじわるされたり、泣かされたり、時には逆の立場になったり…。そこから多くのことを学んだような気がしている。
翻って、今の子どもたちはたくさんの友だちと遊んでいるかな?
私は若干の懐かしい玩具を購入して店を後にしたのだった…。