札幌都心からそれほど離れていない「西岡水源地」は自然がいっぱいである。水源地のそこここには春の訪れを告げる植物や生き物たちが密かに躍動の時を待っているようだった。ガイドの適切な案内で早春の「西岡水源地」を楽しんだ。
※ 西岡水源地(公園)のマップです。矢印の方向にグルっと一周しました。
一昨日(4月17日)である。「西岡の自然を語る会」主催の「西岡水源地 月例自然散歩」が開催されたので参加した。この種の催しの参加者はやはり女性が多い。全体の参加者は主催者も含めて16名だったが、うち男性は5名だけだった。(そのうち3名は主催者)
※ 月例自然散歩の開会式の様子です。
リーダーの方も説明してくれたが、西岡水源地は明治末に帝国陸軍第7師団が軍用水道として引水するために軍が掘った池が始まりだという。その後、水源池としては使用されなくなったものの池は現在まで残されているということだ。
※ 西岡水源地を象徴する光景です。向こうに見える建物は取水塔だった建物です。
散歩のコースは、その水源池の周囲を巡るものだった。朝9時にスタートしたのだが風が強く、池を渡ってくる風が思いのほか冷たいのが堪えた。そんな中、池にはピンクロハジロが多数浮かんでいた。遠くなので良く見えなかったがリーダーのバードスコープで確かめることはできたが、カメラの収めるのは難しかった。(池の反対側へ行ったところでカメラに収めることが出来た)
※ リーダーは写真のようにバードスコープのピントを合わせて参加者に見せてくれます。
※ 割合近くで撮れたビンクロハジロです。
※ 体色の違いは雌雄の違いだと思うのですが、その違いが分かりません。
場所を変えたところで潜りの上手なカイツブリを観察したが、カメラで撮ることはできなかった。
リーダーの方がサプライズを用意してくれていた。それは前日に仕掛けたというシラカバの樹液を採取して、それを私たちに試飲させてくれたのだ。ほ~んのりと甘さが漂う上品な味の樹液だった。リーダーの気遣いに感謝である。
※ シラカバの樹液を採取ところです。幹に3cmくらい入れて採取するようです。
※ ケヤマハンノキの雄花(先の長い方)と雌花(根元の小さな方)です。雄花から花粉が飛びます。
※ ケヤマハンノキです。
※ ヤドリギが落ちていました。
西岡水源地は2年前くらいから池の周囲をはじめ、湿地帯に木道を整備する工事が行われていたが、それがどうやら完成したようだった。少し整備し過ぎでは?と思われるくらい人間から自然を隔離する仕組みが出来上がったような感じがした。(つまり湿地帯には一歩も踏み出せないようになっている)
※ 写真のように水源池の遊歩道は自然と人間をかっちりと分ける仕組みとなっていました。
※ 途中で出会った西岡の自然を年間を通して学ぶ少年少女たちです。
そんな池の奥まった湿地帯では春の湿地帯の風物詩(?)ともいえるミズバショウが白い仏炎苞を見せていた。まだ全体的には二分咲きといった程度だったが、一週間後くらいには辺り一帯が白く染まるのではないだろうか?またナニワズが黄色の小さな花を付けていた。
※ ミズバショウはこれから1~2週間が見ごろとなりそうです。
※ ナニワズも小さな花を咲かせていました。
続いて水鳥以外の鳥類だが、私が目撃できたのはアオサギが頭上を舞っていたのと、チバシリという小さな鳥(体長14cm程度)が樹上を上り下りする姿、そしてリーダーの教えでクマゲラが飛んでいくところを見ることができた。水源地の森の中では、コガラ、シジュウカラ、ハジブトガなどがいたようだが、いずれもが小柄の上、動きが激しいために探鳥初心者の私には何が何だか分からない、というのが本音だった。
※ 帰路は一時水源池沿いを離れて森の中に入っていきました。
散歩の最後になってエゾアカガエルの鳴き声を耳にすることができただけでなく、カエルそのモのも、カエルの卵も観察することが出来た。
※ エゾアカガエルです。
※ エゾアカガエルのタマゴです。
3時間にわたって、ゆったりと水源池の周囲を歩き、出会った自然の植物や生き物たちを親切に教えてくれる「西岡自然を語る会」の「月例自然散歩」はなかなか興味深い。これから違う団体の観察会にも参加予定だが、さてどの団体の観察会をメインとしようかな?悩んでみたい。
※ 帰路、道端に落ちていたアカゲラの羽です。水玉模様が鮮やかです。